JP4560311B2 - 冷凍機油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は冷凍空調機器に使用される冷凍機油組成物に関する。
冷蔵庫やエアコンディショナー等の冷凍空調機器としては、圧縮機、蒸発器、膨張機構及び凝集器が設けられた冷凍サイクルを有するものが一般的であり、圧縮機の潤滑油として冷凍機油が使用されている。
上記の冷凍空調機器においては、冷凍機油の一部が冷媒と共に圧縮機から吐出され、冷凍サイクル内を循環する。そのため、冷凍機油には、流動点が低いこと、低温でフロン冷媒に対して相溶性を示すこと等の特性が求められている。かかる理由により、例えばHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)等のフロン冷媒を用いた冷凍空調機器には、鉱油を基油とする冷凍機油が使用されている。特に、n−d−M環分析でのナフテン分(%C)が多い、いわゆるナフテン系基油は、低温流動性及びHCFCとの相溶性の点で優れていることから、HCFC冷媒用冷凍機油の基油として広く利用されている。
また、冷凍機油及び冷凍空調機器の長寿命化の観点から、冷凍機油には潤滑性及び安定性が求められている。例えば、冷凍機油の潤滑性が不十分であると、圧縮機の摺動部材が焼き付いて装置が停止してしまうことがある。そこで、潤滑性の改善を図るべく、リン酸エステル等の極圧剤が添加された冷凍機油が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭55−84879号公報
しかしながら、上記従来の冷凍機油であっても、極圧剤の添加による潤滑性の向上効果は必ずしも十分とはいえず、極圧剤の種類によっては冷凍機油の安定性が損なわれることがある。そのため、圧縮機の摺動部材のグレードを上げてその耐磨耗性を改善しているのが現状であるが、摺動部材のグレードアップはコストの増大につながり経済的でない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、潤滑性及び安定性とが高水準でバランスよく両立されており、冷凍空調機器を長期にわたって安定的に運転することが可能な冷凍機油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍機油組成物は、鉱油を含有する基油と、ホスフォロチオネートと、該ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、を含有することを特徴とする。
本発明の冷凍機油組成物においては、ホスフォロチオネートと該ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤(以下、場合により単に「リン系添加剤」という)と、を併用することによって、冷凍機油組成物の潤滑性及び安定性の双方がバランスよく十分に高められるため、HCFC冷媒等が用いられる冷凍空調機器を長期にわたって安定的に運転することが可能となる。なお、本発明の冷凍機油組成物における潤滑性及び安定性の向上効果はホスフォロチオネートとリン系添加剤との併用により初めて得られるものであり、かかる向上効果はホスフォロチオネート又はリン系添加剤のいずれか一方を単独で使用した場合に比べて顕著である。
また、本発明の冷凍機油組成物による潤滑性の向上効果は冷凍空調機器のエネルギー効率の向上にも寄与し得るため、省エネルギー、さらには冷凍空調機器の製造コストの削減の観点からも非常に有用である。すなわち、従来の冷凍空調機器においては、冷凍機油の潤滑性の向上については十分に検討されておらず、また、耐摩耗性向上剤や油性剤の使用による悪影響が懸念されるため、圧縮機等のハード側の改良により耐摩耗性や摩擦特性の改善を図るのが一般的であった。これに対して、本発明の冷凍機油組成物によれば、その優れた潤滑性により圧縮機内部における摺動の負荷が十分に低減されるため、圧縮機や熱交換機等のハード側の改良を行わなくとも冷凍空調機器のエネルギー効率を向上させることができる。さらに、本発明による潤滑性の向上効果により、材質グレードの低い摺動部材、すなわち安価な摺動部材を圧縮機の摺動部材として使用することができ、冷凍空調機器のコスト低減が実現可能となる。またその一方で、本発明の冷凍機油組成物と耐摩耗性が改善された圧縮機等とを組み合わせることによって、エネルギー効率を飛躍的に向上させることができる。
本発明の冷凍機油組成物によれば、潤滑性及び安定性を高水準でバランスよく両立させることができ、HCFC冷媒等が用いられる冷凍空調機器を長期にわたって安定的に運転することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(基油)
本発明で用いられる基油は、鉱油、合成油のいずれであってもよく、また、鉱油と合成油との混合基油であってもよい。
鉱油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられる。
これらの鉱油の中でも、熱・酸化安定性により優れる点から、高度に精製された鉱油(以下、「高度精製鉱油」という)を用いることが好ましい。高度精製鉱油の具体例としては、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留するかあるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油;精製後さらに深脱ロウ処理することによって得られる深脱ろう油;水素化処理によって得られる水添処理油、等が挙げられる。
なお、上記の精製工程における精製法は特に制限されず、従来公知の方法を使用することができるが、例えば、(a)水素化処理、(b)脱ロウ処理(溶剤脱ロウ又は水添脱ロウ)、(c)溶剤抽出処理、(d)アルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理、(e)白土処理のうちのいずれかの処理を単独で、あるいは2つ以上を適宜の順序で組み合わせて行う方法が挙げられる。また、上記処理(a)〜(e)のうちのいずれかの処理を複数段に分けて繰り返し行うことも有効である。より具体的には、(i)留出油を水素化処理する方法、又は水素化処理した後、アルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理を行う方法;(ii)留出油を水素化処理した後、脱ロウ処理する方法;(iii)留出油を溶剤抽出処理した後、水素化処理する方法;(iv)留出油に二段あるいは三段の水素化処理を行う、又はその後にアルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理する方法;(v)上述した処理(i)〜(iv)の後、再度脱ロウ処理して深脱ロウ油とする方法、等が挙げられる。
上記の精製方法により得られる高度精製鉱油の中でも、ナフテン系鉱油及び深脱ロウ処理することにより得られる鉱油が、低温流動性、低温時でのワックス析出がない等の点から好適である。この深脱ロウ処理は、通常、苛酷な条件下での溶剤脱ロウ処理法やゼオライト触媒を用いた接触脱ロウ処理法等によって行われる。
また、かかる高度精製鉱油の非芳香族不飽和分(不飽和度)は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。非芳香族不飽和分が10質量%を超えると、スラッジが発生しやすくなり、その結果、冷媒循環システムを構成するキャピラリー等の膨張機構が閉塞しやすくなる傾向にある。
他方、本発明において用いられる合成油としては、オレフィン重合体、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン等の炭化水素系油;エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル等の含酸素合成油、等が挙げられる。
これらの基油の中でも、硫黄分が150質量ppm以下、窒素分が50質量ppm以下、且つ芳香族分(%C)が5〜25である鉱油が特に好ましい。
ここで、本発明における硫黄分とは、JIS K 2541に準拠して測定した値を意味する。硫黄分としては、例えば、二硫化炭素、メルカプタン、硫化アルキル、二硫化アルキル、チオファン、チオフェン、スルホン酸が挙げられる。このような硫黄化合物の含有量については、安定性に影響を及ぼす点から、好ましくは150質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以下、さらに好ましくは75質量ppm以下、最も好ましくは50質量ppm以下である。
また、本発明における窒素分とは、JIS K 2609(微量電量滴定法)に準拠して測定した値を意味する。原油に含有される窒素分としては、例えば、アンモニア、硫化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニア化合物やピリジン、キノリン、ナフテン塩基等の複素環式化合物がある。このような窒素化合物の含有量については、安定性に影響を及ぼす点から、好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは30質量ppm以下、さらに好ましくは20質量ppm以下、最も好ましくは15質量ppm以下である。
さらに、本発明における芳香族分(%C)とは、ASTM D 3238に準拠したn−d−M法から算出された値を意味する。この芳香族分(%C)は、冷凍機油用基油としての基本性能である冷媒との相溶性に大きな影響を及ぼすことに加え、潤滑性、安定性にも影響を与える。このため、芳香族分(%C)は、好ましくは5以上であるが、潤滑性へ影響を及ぼす点から、より好ましくは8以上である。一方、芳香族分(%C)は、好ましくは25以下であるが、安定性及び油の色相安定度へ影響を及ぼす点から、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。
また、上述した鉱油は、ナフテン分(%C)とパラフィン分(%C)を更に含有していてもよく、ASTM D 3238に準拠したn−d−M法から算出されるナフテン分(%C)は、冷媒の相溶性の点から、好ましくは30以上、より好ましくは35以上、さらに好ましくは40以上である。また、粘度温度特性の点から、ナフテン分(%C)は60以下が好ましい。一方、上述のn−d−M法から算出されるパラフィン分(%C)は、相溶性の点から、好ましくは60以下、より好ましくは55以下である。また、潤滑性の点からパラフィン分(%C)は、好ましくは35以上、より好ましくは40以上である。
なお、上述した好適な鉱油は、原料として硫黄分が0.5質量%以下、窒素分0.3%以下、芳香族分(%C)30以下の原油を使用し、常圧蒸留、減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、圧力100〜200Kg/cm、温度300〜400℃の条件で、Co−Mo又はNi−W系の触媒存在下水素化処理した後、フルフラールを用いて溶剤精製し、次いで、圧力100〜200Kg/cm、温度300〜400℃の条件で水素化処理後、白土処理を実施して精製することにより得ることができる。
また、本発明にかかる基油の流動点は、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、最も好ましくは−30℃以下である。基油の流動点が0℃を超えると、常温で固体となる可能性があり、取り扱い難くなる傾向がある。なお、本発明における流動点とは、JIS K 2269に準拠して測定した値を意味する。
さらに、基油の酸価は、好ましくは0.05mgKOH/g以下、より好ましくは0.03mgKOH/g以下である。基油の酸価が0.05mgKOH/gを超えると、安定性が低下する傾向がある。なお、本発明における酸価とは、JIS K 2501に準拠して測定した値を意味する。
またさらに、基油の40℃における動粘度の上限は、好ましくは200mm/s、より好ましくは100mm/sである。一方、かかる動粘度の下限は、好ましくは3mm/s、より好ましくは5mm/sである。かかる動粘度が上限を超えると、実性能において効率が悪くなる傾向があり、一方、動粘度が下限未満であると、耐磨耗性が悪くなる傾向がある。なお、本発明における動粘度とは、JIS K 2283に準拠して測定した値を意味する。
さらにまた、基油の粘度指数は、好ましくは−10以上、より好ましくは0以上である。基油の粘度指数が−10未満であると、低温での流動性が悪くなる傾向がある。なお、本発明における粘度指数とは、JIS K 2283に準拠して測定した値を意味する。
本発明の冷凍機油組成物に占める基油の含有量は、該組成物の全質量基準で好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%である。基油の含有量が70質量%未満であると、相溶性や安定性など基油の特性が出なくなる傾向がある。
本発明にかかる基油は上述の通り、硫黄分が150質量ppm以下、窒素分が50質量ppm以下、且つ芳香族分(%C)が5〜25である鉱油を主成分とすることが好ましく、これに加えて、上述した鉱油以外の鉱油、炭化水素系合成油、含酸素系合成油等(以下、「その他の基油」という)を更に含有してもよい。但し、その他の基油の含有量は、安定性と潤滑性とを高水準でバランスよく両立させる点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくはその他の基油を含有しないことである。
本発明の冷凍機油組成物においては、その耐摩耗性をさらに向上させるために、リン系添加剤を含有せしめる。また、リン系添加剤の使用は、後述の油性剤を使用することによる耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果を一層高めることができる点で非常に有効である。本発明の冷凍機油組成物には、ホスフォロチオネートと、該ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤が含有される。
(ホスフォロチオネート)
ホスフォロチオネートは、下記一般式(1):
Figure 0004560311

[式中、R11〜R13は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24の炭化水素基を示す]
で表される化合物である。
11〜R13で示される炭素数1〜24の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。また上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
上記R11〜R13で示される炭素数1〜24の炭化水素基は、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基であることが好ましく、炭素数4〜18のアルキル基、炭素数7〜24のアルキルアリール基、フェニル基がより好ましい。
一般式(1)で表されるホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
ホスフォロチオネートの含有量は特に制限されないが、通常、冷凍機油組成物の全質量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%、さらに好ましくは0.02〜2.0質量%である。
(ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤)
ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましい。これらのリン系添加剤は、リン酸又は亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
かかるリン系添加剤のうち、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用することができる。
これらのホスフォロチオネート以外のリン系添加剤を本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、通常、冷凍機油組成物の全質量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%、さらに好ましくは0.02〜2.0質量%である。ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤の含有量が5.0質量%以上では、含有量に見合うだけの効果の向上が得られないことに加え、安定性が低下する。
(ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体)
本発明の冷凍機油組成物は、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体をさらに含有することが好ましい。ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体を含有せしめることで、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果をより高めることができる。
ベンゾトリアゾールとは、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 0004560311
また、ベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、下記一般式(3)で表されるアルキルベンゾトリアゾールや、下記一般式(4)で表される(アルキル)アミノアルキルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
Figure 0004560311

Figure 0004560311
上記式(3)中、R21は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、またxは1〜3、好ましくは1又は2の数を示す。R21としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。式(3)で表されるアルキルベンゾトリアゾールとしては、特に酸化防止性に優れるという点から、R21がメチル基又はエチル基であり、xが1又は2である化合物が好ましく、例えば、メチルベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、ジメチルベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、エチルメチルベンゾトリアゾール、ジエチルベンゾトリアゾール又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記式(4)中、R31は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、R32はメチレン基又はエチレン基を示し、R33及びR34は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、またyは0〜3、好ましくは0又は1の数を示す。R31としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R33及びR34としては、例えば、別個に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基等のアルキル基が挙げられる。
上記式(4)で表される(アルキル)アミノベンゾトリアゾールとしては、特に酸化防止性に優れるという点から、R31がメチル基であり、yが0又は1であり、R32がメチレン基又はエチレン基であり、R33及びR34が炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状のアルキル基であるジアルキルアミノアルキルベンゾトリアゾールやジアルキルアミノアルキルトリルトリアゾール又はこれらの混合物等が好ましく用いられる。これらのジアルキルアミノアルキルベンゾトリアゾールとしては、例えば、ジメチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノメチルベンゾトリアゾール;ジメチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノエチルベンゾトリアゾール;ジメチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジエチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノメチルトリルトリアゾール;ジメチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジエチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノエチルトリルトリアゾール;又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の冷凍機油組成物におけるベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は任意であるが、組成物全量基準で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上である。0.001質量%未満の場合には、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有による耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が不十分となるおそれがある。また、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。1.0質量%を超える場合は、含有量に見合うだけの耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が得られず経済的に不利となるおそれがある。
(エポキシ化合物)
本発明の冷凍機油組成物において、安定性及び潤滑性をさらに改良するために
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物
(4)アリルオキシラン化合物
(5)アルキルオキシラン化合物
(6)脂環式エポキシ化合物
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステル
(8)エポキシ化植物油
からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を配合することが好ましい。
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエーテル又はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものが挙げられ、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル等が好ましいものとして例示できる。
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が例示できる。
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、具体的には下記一般式(5):
Figure 0004560311

[式中、R41は炭素数1〜18の炭化水素基を表す]
で表される化合物が挙げられる。
上記式(5)中、R41は炭素数1〜18の炭化水素基を表すが、このような炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、炭素数5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、フェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基が好ましい。
グリシジルエステル型エポキシ化合物の中でも、好ましいものとしては、具体的には、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
(4)アリルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン等が例示できる。
(5)アルキルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン等が例示できる。
(6)脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(6):
Figure 0004560311

で表される化合物のように、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が例示できる。
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコール又はフェノール、アルキルフェノールとのエステル等が例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニル及びブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。
(8)エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物等が例示できる。
これらのエポキシ化合物の中でも、より安定性及び潤滑性を向上させることができることから、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルが好ましく、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物がより好ましい。
これらのエポキシ化合物を本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、通常、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%となるような量のエポキシ化合物を配合することが望ましい。
また、上記リン化合物及びエポキシ化合物を2種以上併用してもよいことは勿論である。
(油性剤)
本発明にかかる油性剤としては、エステル油性剤、1価アルコール油性剤、カルボン酸油性剤、エーテル油性剤などが挙げられる。
エステル油性剤は、アルコールとカルボン酸とを反応させることにより得られる。アルコールとしては、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。また、カルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。
エステル油性剤を構成する一価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、エステル油性剤を構成する多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。さらにより好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等が好ましい。
エステル油性剤を構成するアルコールは、上述したように一価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、ホスフォロチオネートと併用した場合に耐摩耗性及び摩擦特性がより高められる点、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点などから、一価アルコールであることが好ましい。
また、エステル油性剤を構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸、トリメリット酸等が挙げられるが、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点から、二塩基酸であることが好ましい。二塩基酸は鎖状二塩基酸、環状二塩基酸のいずれであってもよい。また、鎖状二塩基酸の場合、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、また、飽和、不飽和のいずれであってもよい。鎖状二塩基酸としては、炭素数2〜16の鎖状二塩基酸が好ましく、具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。また、環状二塩基酸としては、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、安定性の点から、鎖状二塩基酸が好ましい。
エステル油性剤を構成する酸としては、上述したように一塩基酸であっても多塩基酸であってもよいが、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果がより優れる点から、一塩基酸が好ましい。
エステル油性剤におけるアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、例えば下記(i)〜(vii)の組み合わせによるエステルを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル。
上記(ii)〜(vii)のエステルのそれぞれは、多価アルコールの水酸基又は多塩基酸のカルボキシル基の全てがエステル化された完全エステルであってもよく、また、一部が水酸基又はカルボキシル基として残存する部分エステルであってもよいが、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性への影響がより小さい点からは完全エステルであることが好ましく、また、摩擦特性の向上効果の点からは部分エステルであることが好ましい。
上記(i)〜(vii)のエステルの中でも、(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル、(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステルが好ましく、(i)のエステルがより好ましい。これらのエステルは、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が非常に高く、また、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性や熱・酸化安定性に及ぼす影響も小さいものである。
また、上記(i)のエステルにおいて、一塩基酸の炭素数は、ホスフォロチオネートと併用したときの耐摩耗性及び摩擦特性がより向上する点、並びに熱・酸化安定性の点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上である。また、一塩基酸の炭素数は、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点から、好ましくは28以下、より好ましくは26以下、さらに好ましくは24以下である。このようなエステルとしては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。
また、上記(iii)のエステルにおいて、二塩基酸は鎖状であることが好ましい。このようなエステルとしては、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソブチルアジペート等が挙げられる。
また、本発明の冷凍機油組成物はエステルを基油として含有する場合があるが、基油としてのエステルがポリオールエステル及び脂肪族環式二塩基酸のジエステルから選ばれる少なくとも1種であり、エステル油性剤が一価アルコールと一塩基酸とのエステル及び鎖状二塩基酸と一価アルコールとのエステルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
1価アルコール油性剤としては、上記エステル油性剤の説明において例示された1価アルコールが挙げられる。1価アルコール油性剤の合計炭素数は、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、最も好ましくは10以上である。また、合計炭素数が大き過ぎると冷媒雰囲気下で析出しやすくなる恐れがあることから、合計炭素数は好ましくは20以下、より好ましくは18以下、最も好ましくは16以下である。
カルボン酸油性剤としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよい。このようなカルボン酸としては、例えば、エステル油性剤の説明において例示された一塩基酸及び多塩基酸が挙げられる。これらの中では、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から一塩基酸が好ましい。また、カルボン酸油性剤の合計炭素数は、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、最も好ましくは10以上である。また、カルボン酸油性剤の合計炭素数が大き過ぎると冷媒雰囲気下で析出しやすくなる恐れがあることから、合計炭素数は好ましくは20以下、より好ましくは18以下、最も好ましくは16以下である。
エーテル油性剤としては、3〜6価の脂肪族多価アルコールのエーテル化物、3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物又は三分子縮合物のエーテル化物等が挙げられる。
3〜6価の脂肪族多価アルコールのエーテル化物は、例えば、下記一般式(7)〜(12)で表される。
Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

[式中、R51〜R75は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、アリル基、アラルキル基、−(RaO)n−Rb(Raは炭素数2〜6のアルキレン基、Rbは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基、nは1〜10の整数を示す)で示されるグリコールエーテル残基を示す。]
3〜6価の脂肪族多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。上記一般式(7)〜(12)中のR51〜R75としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。また、上記エーテル化物は、R51〜R75の一部が水素原子である部分エーテル化物も包含する。
3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物又は三分子縮合物のエーテル化物としては、上記一般式(7)〜(12)で表される化合物のうちの同種又は異種の縮合物が挙げられる。例えば、一般式(7)で表されるアルコールの二分子縮合物及び三分子縮合物のエーテル化物はそれぞれ一般式(13)及び(14)で表される。また、一般式(10)で表されるアルコールの二分子縮合物及び三分子縮合物のエーテル化物はそれぞれ一般式(15)及び(16)で表される。
Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

Figure 0004560311

[式中、R51〜R53及びR61〜R64はそれぞれ式(7)中のR51〜R53及び式(10)中のR61〜R64と同一の定義内容を示す。]
3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物,三分子縮合物の具体例としては、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジソルビトール、トリグリセリン、トリトリメチロールプロパン、トリペンタエリスリトール、トリソルビトール等が挙げられる。
一般式(7)〜(12)で表されるエーテル油性剤の具体例としては、グリセリンのトリヘキシルエーテル、グリセリンのジメチルオクチルトリエーテル、グリセリンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、グリセリンのジフェニルオクチルトリエーテル、グリセリンのジ(フェニルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、トリメチロールプロパンのトリヘキシルエーテル、トリメチロールプロパンのジメチルオクチルトリエーテル、トリメチロールプロパンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、ペンタエリスリトールのテトラヘキシルエーテル、ペンタエリスリトールのトリメチルオクチルテトラエーテル、ペンタエリスリトールのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、ソルビトールのヘキサプロピルエーテル、ソルビトールのテトラメチルオクチルペンタエーテル、ソルビトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、ジグリセリンのテトラブチルエーテル、ジグリセリンのジメチルジオクチルテトラエーテル、ジグリセリンのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、トリグリセリンのペンタエチルエーテル、トリグリセリンのトリメチルジオクチルペンタエーテル、トリグリセリンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジトリメチロールプロパンのテトラブチルエーテル、ジトリメチロールプロパンのジメチルジオクチルテトラエーテル、ジトリメチロールプロパンのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、トリトリメチロールプロパンのペンタエチルエーテル、トリトリメチロールプロパンのトリメチルジオクチルペンタエーテル、トリトリメチロールプロパンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサプロピルエーテル、ジペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、トリペンタエリスリトールのオクタプロピルエーテル、トリペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテル、トリペンタエリスリトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、ジソルビトールのオクタメチルジオクチルデカエーテル、ジソルビトールのデカ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル等が挙げられる。これらの中でも、グリセリンのジフェニルオクチルトリエーテル、トリメチロールプロパンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、ペンタエリスリトールのテトラヘキシルエーテル、ソルビトールのヘキサプロピルエーテル、ジグリセリンのジメチルジオクチルテトラエーテル、トリグリセリンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサプロピルエーテル、トリペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテルが好ましい。
本発明の冷凍機油組成物においては、ホスフォロチオネート及びホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と併用する限りにおいて、エステル油性剤、1価アルコール油性剤、カルボン酸油性剤及びエーテル油性剤のうちの1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの油性剤の中でも、摩擦特性、摩耗特性、析出防止性、及び安定性を高水準でバランスよく達成する点から、エステル油性剤及びエーテル油性剤が好ましい。エステル油性剤及びエーテル油性剤を更に含有せしめることにより、耐摩耗性及び摩擦特性を高水準で達成可能という更なる向上効果が得られる。エステル油性剤及びエーテル油性剤は、1価アルコール油性剤よりも析出防止性に優れており、また、カルボン酸油性剤よりも安定性に優れている。
上記油性剤の含有量は任意であるが、ホスフォロチオネート及びホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と油性剤との併用による耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果に優れる点から、冷凍機油組成物の全量基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、当該含有量は、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性、並びに冷凍機油組成物の熱・酸化安定性により優れる点から、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
また、ホスフォロチオネート及びホスフォロチオネート以外のリン系添加剤の合計量と上記油性剤との比率は、質量比で、好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:5〜5:1、さらに好ましくは1:3〜1:1である。ホスフォロチオネート及びホスフォロチオネート以外のリン系添加剤の合計量と上記油性剤との比率を前記範囲内とすることにより、耐摩耗性及び摩擦特性をさらに向上させることができる。
(その他の添加剤)
本発明における冷凍機油組成物に対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系の酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤等の添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて配合することも可能である。これらの添加剤の合計配合量は特に制限されないが、冷凍機油組成物の全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の冷凍機油組成物の体積抵抗率は特に限定されないが、1.0×1013Ω・cm以上であることが好ましい。特に、密閉型冷凍機に用いる場合には高い電気絶縁性が必要となる傾向にある。なお、ここでいう体積抵抗率とは、JIS C 2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して測定した25℃での値[Ω・cm]を意味する。
また、本発明の冷凍機油組成物の水分含有量は特に限定されないが、冷凍機油組成物全量基準で好ましくは100質量ppm以下、より好ましくは75質量ppm以下、最も好ましくは50質量ppm以下とすることができる。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、油の熱・加水分解安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが求められる。
さらに、本発明の冷凍機油組成物の酸価は特に限定されないが、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることができる。なお、ここでいう酸価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準拠して測定した値[mgKOH/g]を意味する。
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の灰分は特に限定されないが、本発明の冷凍機油組成物の熱・加水分解安定性を高めスラッジ等の発生を抑制するため、好ましくは100質量ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下とすることができる。なお、本発明において、灰分とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」に準拠して測定した値[質量ppm]を意味する。
またさらに、本発明の冷凍機油組成物の流動点は、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、最も好ましくは−30℃以下である。冷凍機油組成物の流動点が0℃を超えると、常温で固体となる可能性があり、取り扱い難くなる傾向がある。
さらに、本発明の冷凍機油組成物の40℃における動粘度の上限は、好ましくは200mm/s、より好ましくは100mm/sである。一方、冷凍機油組成物の流動点の下限は、好ましくは3mm/s、より好ましくは5mm/sである。かかる動粘度が上限を超えると、実性能において効率が悪くなる傾向があり、一方、動粘度が下限未満であると、耐磨耗性が悪くなる傾向がある。
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の粘度指数は、好ましくは−10以上、より好ましくは0以上である。かかる粘度指数が−10未満であると、低温での流動性が悪くなる傾向がある。
本発明の冷凍機油組成物を用いる冷凍空調機器に用いられる冷媒は、CFC冷媒、HCFC冷媒、HFC冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素やアンモニア,炭化水素等の自然系冷媒であるが、これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
CFC冷媒としては炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2のクロロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には、トリクロロモノフルオロメタン(R12)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、モノクロロトリフルオロメタン(R13)、テトラフルオロメタン(R14)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)、トリクロロトリフルオロエタン(R113)、ジクロロテトラフルオロエタン(R114)、モノクロロペンタフルオロエタン(R115)が挙げられる。また、HCFC類としては、モノクロロジフルオロメタン(R22)、モノクロロジフルオロエタン(R142b)等が挙げられる。また、HCFC冷媒としては炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2のハイドロクロロフルオロカーボンが挙げられる。HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる。
また、自然系冷媒としては二酸化炭素やアンモニア、炭化水素等が挙げられる。ここで、炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等があげられる。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましい。
本発明の冷凍機油組成物は、通常、冷凍空調機器内においては上述したような冷媒と混合された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物における冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限されないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油が好ましくは1〜500重量部、より好ましくは2〜400重量部である。
本発明の冷凍機油組成物は、潤滑性、冷媒相溶性、低温流動性、安定性等の要求性能全てをバランスよく十分に満足させるものであり、往復動式あるいは回転式の開放型や半密閉型又は密閉型圧縮機を有する冷凍機器あるいはヒートポンプ等に好適に使用することができる。特に、アルミニウム系部材を用いた冷凍機器に用いた場合には、アルミニウム系部材の摩耗防止性と熱・化学的安定性との双方を高水準で両立することが可能となる。かかる冷凍機器として、より具体的には、自動車用エアコン、除湿器、冷蔵庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置、住宅用エアコン、ビル空調用エアコン、給湯用ヒートポンプ等が挙げられる。さらに、本発明の冷凍機油組成物は、往復動式、回転式、遠心式等のいずれの形式の圧縮機にも使用可能である。
本発明の冷凍機油組成物を好適に用いることのできる冷媒循環システムの構成としては、代表的には、冷媒圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順でそれぞれ流路を介して接続されており、必要に応じて該流路中に乾燥器を具備するものが例示される
冷媒圧縮機としては、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモータと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する高圧容器方式の圧縮機、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモータと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される低圧容器方式の圧縮機、等が例示される。
モータ部の電機絶縁システム材料である絶縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引っ張り強度特性、電気絶縁特性の劣化現象が生じにくく、好ましく用いられる。また、モータ部に使用されるマグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の単一層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ましく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポリエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)等が挙げられる。
乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧250mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりなる合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜11、比較例1〜2]
実施例1〜11及び比較例1〜2においては、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1に示す組成を有する冷凍機油組成物を調製した。
(基油)
基油1:鉱油(硫黄分:43質量ppm、窒素分:5質量ppm、芳香族分(%C):10、40℃における動粘度:57.2mm/s)
(リン系添加剤)
A1:トリクレジルホスフェート
A2:トリフェニルホスフォロチオネート
(エポキシ系添加剤)
B1:グリシジル−2,2’−ジメチルオクタノエート
(油性剤)
C1:ステアリン酸ブチル
C2:オクチルグリセリルエーテル
C3:ジイソデシルアジペート
C4:ミスチリルアルコール
C5:ラウリン酸
次に、実施例1〜11及び比較例1〜2の各冷凍機油組成物について、以下に示す評価試験を行った。
(安定性の評価)
JIS K 2211に準拠し、鉄、銅及びアルミニウムを触媒としてシールドガラスチューブ試験を行い、200℃で2週間保持した後のスラッジの有無及び触媒の外観変化を観察した。なお、冷媒はR22を使用した。得られた結果を表1に示す。表1の「スラッジ」の欄中、Aはスラッジが認められなかったこと、Bはスラッジが認められたこと、をそれぞれ意味する。また、表1の「触媒変化」の欄中、Aは触媒の変化が認められなかったこと、Bは若干触媒の変化が認められたこと、Cは触媒の外観が大幅に変化したこと、をそれぞれ意味する。
(耐焼付性の評価)
FALEX試験機(ASTM D2714)の摺動部を耐圧容器内に設置し、容器内にR22冷媒を導入して下記条件にてFALEX試験を実施した。
試験開始温度:80℃
試験時間:30分
冷媒吹き込み量:10L/h
初期荷重100Nにて5分間運転し、5分後よりラチェットにて荷重を増加させ、焼付いた時の荷重を焼き付き荷重として評価した。
(摩擦特性の評価)
冷凍機油組成物にR22冷媒を吹き込みながら、下記条件でFALEX試験(ASTM D2670)を実施した。
試験開始温度:25℃
試験時間:30分
荷重:1334N
冷媒の吹き込み量:10L/h。
FALEX試験の開始から1秒おきに摩擦係数を測定し、それらの平均値(平均摩擦係数)を求めた。
Figure 0004560311

Claims (3)

  1. 鉱油を含有する基油と、ホスフォロチオネートと、該ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、を含有することを特徴とする冷凍機油組成物。
  2. 前記鉱油は、硫黄分が150質量ppm以下、窒素分が50質量ppm以下、且つ芳香族分(%C)が5〜25の鉱油であることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍機油組成物。
  3. 前記基油に占める前記鉱油の含有量は70質量%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の冷凍機油組成物。
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