JP4161138B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はパチンコ機に関し、とくに、遊技盤がセットされるベース枠およびベース枠に関連する部位の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機の木枠にはその前枠部を後枠部に施錠する錠機構が取付けられ、また、前枠部の裏面に取付けられるベース枠には遊技球が通過する球通路や賞品球が通過する球通路を有し、遊技盤の後側に設置される裏枠が組付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はパチンコ機において、ベース枠がもつ機能を高めることを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1のパチンコ機は、後枠部に、ヒンジによって回動可能に結合された前枠部が錠機構によって施錠され、前記前枠部の裏面側に遊技盤がセットされる合成樹脂製のベース枠が設けられ、前記前枠部の裏面の前記ベース枠の側方に前記錠機構が設けられたパチンコ機であって、
前記ベース枠の側枠部には、前記錠機構の固定板の取付位置を、その固定板の上下のコーナー部で指定する上下の両位置決め部が一体状に突出形成され、
前記上下の両位置決め部は、前記固定板の上下のコーナー部の縦方向の取付位置を指定する水平な縦方向決め面と、前記固定板の上下のコーナー部の横方向の取付位置を指定する垂直な横方向決め面とを有してL形状に形成され、
前記固定板を前記前枠部の裏面に取り付ける際、同固定板の上下の両コーナー部を前記上下の両位置決め部の縦方向決め面と横方向決め面によってそれぞれ位置決めした状態で且つ当該固定板のベース枠寄りの垂直辺と前記ベース枠の側枠部の外側辺との間に所定の間隔を空けて前記前枠部の裏面に前記固定板を取り付ける構成にしてあることを特徴とする。
【0005】
請求項2のパチンコ機は、請求項1記載のパチンコ機であって、
ベース枠は、互いに嵌め合わされた内外嵌め合い部を介して分離可能に結合された第1部材と第2部材とによって形成され、
前記第1部材には前記錠機構の固定板の上コーナー部の取付け位置を指定する上位置決め部が一体状に形成され、
前記第2部材には前記固定板の下コーナー部の取付け位置を指定する下位置決め部が一体状に形成されていることを特徴とする
【0006】
【作用】
請求項1のパチンコ機では、前枠部を後枠部に施錠する錠機構の固定板を前枠部の裏面に取り付ける際、固定板の上下の両コーナー部を、合成樹脂製のベース枠に一体状に形成された上下の両位置決め部の縦方向決め面と横方向決め面によってそれぞれ位置決めした状態で且つ当該固定板のベース枠寄りの垂直辺とベース枠の側枠部の外側辺との間に所定の間隔を空けて前枠部の裏面に固定板が取り付けられる。
【0007】
請求項2のパチンコ機では、錠機構の固定板の上コーナー部をベース枠のうちの第1部材に形成した上位置決め部が指定する位置に合わせて設置し、錠機構の固定板の下コーナー部をベース枠のうちの第2部材に形成した下位置決め部が指定する位置に合わせて設置する。
【0008】
【発明の効果】
請求項1によれば、合成樹脂製のベース枠に上下の両位置決め部を一体状に突出形成してあるので、ベース枠を前枠部の裏面に取付けると、錠機構の固定板の適正な取付け位置を自動的に確定することができ、錠機構の固定板を前枠部の裏面に取付ける取付け作業を簡便化して錠機構の固定板を前枠部の裏面に正確かつ能率的に取付けることができる。
【0009】
請求項2によれば、ベース枠を第1部材と第2部材とに分離することによって、パチンコ機の組立て作業前のベース枠の保管スペ−スを縮小することができるとともに、第1部材と第2部材とを内外嵌め合い部によって結合してあるので、ベース枠の組立て作業を簡易化してベース枠の組立て形状を均整化することができ、また、ベース枠の強度を増強することができる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明の1実施例を図面にしたがって説明する。パチンコ機の木枠1は扁平な角筒状の後枠部1aと、この後枠部1aの一方の側板にヒンジを介して前方への回動可能に結合および支持された額縁状の前枠部1bとによって形成されている。
【0011】
木枠1には前枠部1bを後方の回動端で後枠部1aに施錠し、また、ガラス枠を窓枠に施錠する図示しない錠機構を解錠する錠機構30が取付けられ、この錠機構30は、前枠部1bの反回動支点側の側板20の裏面に固定されて側板30に沿って立設された縦長状の固定板31と、この固定板31の上下端部にそれぞれ上下方向への回動可能に結合されて中央部付近に掛合部32aがそれぞれ凹設されて後端部に操作部32bが形成された上下1対の可動錠片32と、この両可動錠片32の前端にそれぞれ連結されて固定板31に沿って立設され、スプリングで下方へ付勢されて可動錠片32の操作部32bを押し下げたときに上動する可動板33と、後枠部1aに両可動錠片32にそれぞれ対向して固定されて、可動錠片32の掛合部32aが掛止された上下1対の固定錠片34と、ガラス枠を窓枠に施錠するガラス枠施錠機構の解錠レバ−を下動時に押し下げる図示しない錠板とを備えている。
【0012】
錠機構30はパチンコ機の裏側から可動錠片32によって解錠操作され、パチンコ機の前側から鍵によって解錠操作される。
【0013】
木枠1の前枠部1bの裏面に取付けられて後枠部1aの内部に間隙を隔てて立設された合成樹脂製のベース枠9は上部の第1部材9aと、下部の第2部材9bとが左右の結合部37を介して分離可能に結合されて形成され、第1部材9aおよび第2部材9bがそれぞれ前枠部1bにねじ止めされた状態で一体となる。
【0014】
第1部材9aの下端で両部材9a,9bの結合部37には左右1対の角筒状の外嵌め合い部38が形成され、第2部材9bの上端で両部材9a,9bの結合部37には外嵌め合い部38内に密嵌されるように太さが外嵌め合い部38より縮小された左右1対の角筒状の内嵌め合い部39が形成され、第1部材9aおよび第2部材9bは各1対の外嵌め合い部38と内嵌め合い部39とが互いに密嵌状に嵌め込まれて嵌め込み端が内嵌め合い部39の段差部39aによって規定された状態で分離可能に結合されている。
【0015】
ベース枠9の下部には発射装置等が装着されるセット板10が形成されるとともに、ベース枠9には遊技盤12が内部に嵌め込まれてセットされる枠体11がベース枠9の下端付近から上端にわたって形成され、枠体11には上枠部11aおよび下枠部11bと、左右の側枠部11c,11dとが形成されている。
【0016】
ベース枠9のセット板10は第2部材9bの下部によって形成され、枠体11は第2部材9bの上部と第1部材9aとによって形成されている。
【0017】
セット板10の裏面の中央部付近には賞品球を下皿へ誘導する賞品球誘導樋26と、ほぼ角筒状の中継基板取付け部27とが隣接して形成されるとともに、セット板10の裏面の中央部付近には中継基板取付け部27の内部に設置されて賞品球誘導樋26内での賞品球の満タン状態を検出する満タン検出スイッチ28が取付けられている。
【0018】
セット板10の中継基板取付け部27の後端には発射装置や満タン検出スイッチ28等がリ−ド線およびコネクタを介して接続される中継基板29が、満タン検出スイッチ28をその後方から覆った状態で垂直状に設置され、この中継基板29は中継基板取付け部27および賞品球誘導樋26によって係止されて中継基板取付け部27の後方に設置されたカバ−35によって覆われている。
【0019】
中継基板29が満タン検出スイッチ28を覆った状態で中継基板29が設置されているので、満タン検出スイッチ28を中継基板29によって保護して満タン検出スイッチ28が誤って作動する不具合を無くすことができるとともに、満タン検出スイッチ28を故障時に簡単に取出して交換することができ、また、満タン検出スイッチ28と中継基板29との接続が容易となる。
【0020】
ベース枠9の枠体11の内周面には遊技盤12を前方に対して抜け止めする抜け止め部16が方形枠状に突設され、この抜け止め部16の下端の左右方向中央部付近にはファ−ル球通路19が開設されている。
【0021】
枠体11の一方の側枠部11cの裏面の上部および下端部には軸挿孔を有する軸受け片14がそれぞれねじ止めされている。
【0022】
枠体11の側枠部11cの上端付近には上側の軸受け片14の若干上方で上端部を揺動支点とする左右方向への揺動可能に支持されたロック片25が取付けられている。
【0023】
第1部材9aの上部で枠体11の他方の側枠部11dの外側面にはその上端付近の前端部に連接されて木枠1の前枠部1bの裏面に当接され、木枠1の前枠部1bに対する錠機構30の固定板31の上端部の取付け位置を指定する上位置決め部42が一体状に突出形成され、第2部材9bの下部で側枠部11dの外側面にはその下端の前端部に連接されて前枠部1bの裏面に当接され、木枠1の前枠部1bに対する錠機構30の固定板31の下端部の取付け位置を指定する下位置決め部43が一体状に突出形成されている。
【0024】
両位置決め部42,43には固定板31の縦方向の取付け位置を指定する水平な縦方向位置決め面42a,43aと、固定板31の横方向の取付け位置を指定する垂直な横方向位置決め面42b,43bとがそれぞれL形状に形成されている。
【0025】
錠機構30の固定板31はその上端の内側コ−ナ部が上位置決め部42の縦方向位置決め面42aおよび横方向位置決め面42によって位置決めされ、固定板31の下端部の内側コ−ナ部が下位置決め部43の縦方向位置決め面43aおよび横方向位置決め面43bによって位置決めされた状態で木枠1の前枠部1bの裏面に固定される。
【0026】
ベース枠9には遊技盤12の横幅と等しい横幅を有し、遊技盤12の後側に設置されて賞品球が通過する球通路や遊技球が通過する球通路を有する裏枠40が組付けられている。
【0027】
裏枠40の回動支点側の側面に突設された取付け片40aにはベース枠9の軸受け片14の軸挿孔内に挿脱可能に嵌挿された支軸41aをそれぞれ有する上下1対の連結片41が取付けられ、裏枠40は両軸受け片14および両連結片41を介してベース枠9に取外し可能で前後方向への回動可能に結合されている。
【0028】
枠体11の前記ロック片25を直立させた状態では裏枠40を持上げると、上側の取付け片41がロック片25に突き当たって裏枠40の上動が阻止されるので、裏枠40の取外しが不能となり、ロック片25を外方へ揺動させた状態では取付け片41の上動が許容されて支軸41aが軸受け片14の軸挿孔内から脱出するので、裏枠40をベース枠9から取外すことができる。
【0029】
第1部材9aの上端および第2部材9bの上端および中央部付近で、枠体11の上枠部11aと下枠部11bと側枠部11dとの裏面にそれぞれ一体状に凸設された各取付け座21には枠体11の裏面に対して垂直となるように基端部を貫通して取付け座21にねじ込まれた止めねじ22によってそれぞれ回動動作可能に支持された係止部材13がそれぞれ弾性体で段付き円筒状の介座片23を介して結合されている。
【0030】
各係止部材13は前方の回動端へ回動した裏枠40を遊技盤12の裏面12bに押し付けて遊技盤12を裏枠40によってベース枠9に押止した状態で、裏枠40の一部を係止し、若しくは解放する目的で設置されている。
【0031】
各係止部材13にはその回動中心の両側へ対称状に突出されて回動動作によって枠体11の内側面の内外方へ出没する1対の掛止部13aと、回動中心を通る中心線に対して対称な曲面形状の外周面を有する回動操作用のつまみ部13bとがそれぞれ形成されている。
【0032】
各係止部材13の両掛止部13aの端縁は2つの円弧状の端縁を連接した形状を有し、つまみ部13bはその内部に指先を差込んで回動操作することができるように有底円筒状に形成され、各係止部材13はその回動中心と、つまみ部13bの中心とを通る中心線に対してそれぞれ対称状に成形されている。
【0033】
各係止部材13は一方の掛止部13aが裏枠40を係止した姿勢から約180°反転して他方の係止部13aが裏枠40を係止した姿勢となる範囲の回動動作が許容されて回動操作が木枠1の後枠部1aによって阻害されない状態で後枠部1a内にそれぞれ設置されている。
【0034】
係止部材13は取付け座21に弾接した介座片23によって各回動姿勢で制止され、枠体11の側枠部11dに取付けられた係止部材13はつまみ部13bが中立位置から回動中心の上方若しくは下方へ回動したときに裏枠40を係止し、つまみ部13bが回動中心の外方の中立位置へ回動したときに裏枠40を解放する。
【0035】
枠体11の上枠部11aおよび下枠部11bに取付けられた係止部材13はつまみ部13bが中立位置から回動中心の内方若しくは外方へ回動したときに裏枠40を係止し、つまみ部13bが回動中心の上方若しくは下方の中立位置へ回動したときに裏枠40を解放する。
【0036】
裏枠40の上端縁,下端縁および自由端側の側縁には係止部材13の両掛止部13aが回動端で脱出可能に嵌め込まれる第1逃げ面15aと、この第1逃げ面15aに連接されてつまみ部13bが回動端で脱出可能に嵌め込まれる第2逃げ面15bと、第1逃げ面15aに連接されて係止部材13aが第1逃げ面15a内に嵌め込まれたときに掛止部13aが圧接する被掛止面15cと、外側へ先下り状に傾斜した状態で被掛止面42cに連接されて掛止部13aを被掛止面15cへ案内する案内面15dを有する係合部15が各係止部材13に対向してそれぞれ形成されている。
【0037】
遊技盤12をベース枠9の枠体11内に嵌め込み、裏枠40を遊技盤12の後側の回動端へ回動させた状態で、各固止部材13のつまみ部13bを指先によって回動操作して一方の係止部13aを係合部15に係合させると、遊技盤12が後方に対して抜け止めされてセットされた状態で裏枠40が遊技盤12の裏面に押し付けられて固止される。
【0038】
本例ではベース枠9に上下位置決め部42,43を形成してあるので、ベース枠9を木枠1の前枠部1bの裏面に取付けると、錠機構30の適正な取付け位置を自動的に確定することができ、錠機構30を木枠1に取付ける取付け作業を簡便化して錠機構30を木枠1に正確かつ能率的に取付けることができる。
【0039】
また、ベース枠9を第1部材9aと第2部材9bとに分離することができるので、パチンコ機の組立て作業前のベース枠9の保管スペ−スを縮小することができるとともに、第1部材9aと第2部材9bとを内外嵌め合い38,39によって結合してあるので、ベース枠9の組立て作業を簡易化してベース枠9の組立て形状を均整化することができ、また、ベース枠9の強度を増強することができる。
【0040】
さらに、裏枠40を係止する係止部材13をその中心線に対して対称状に形成してあるので、係止部材13を中立位置から何れの方向へ回動操作しても、裏枠40を掛止部13aによって係止することができるとともに、係止部材13を小型化することができ、係止部材13を中立位置へ回動しても、係止部材13が木枠1の後枠部1aによって干渉されないので、係止部材13を中立位置へ回動して裏枠40を解放したままの状態で組立て作業,部品の取付け作業,調整作業等を行うことができる。
【0041】
また、係止部材13のつまみ部13bを円筒状に形成してあるので、つまみ部13b内に指先を差込んだ状態で係止部材13を容易に回動操作することができるとともに、係止部材13から引掛け部や飛び山し部を排除してあるので、係止部材に引掛けられて係止部材が誤って回動したり、作業が係止部材によって阻害される不具合を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示すパチンコ機の裏面図である。
【図2】 ベース枠の裏面図である。
【図3】 錠機構付近の裏面図である。
【図4】 図7のX1−X1線矢視図である。
【図5】 図2のX2−X2線拡大断面図である。
【図6】 図2のX3−X3線拡大断面図である。
【図7】 図1のX4部の拡大裏面図である。
【図8】 図7のX5−X5線断面図である。
【図9】 図7のX6−X6線断面図である。
【符号の説明】
1 木枠
1a 後枠部
1b 前枠部
9 ベース枠
9a 第1部材
9b 第2部材
12 遊技盤
13 係止部材
13a 係止部
13b つまみ部
30 錠機構
40 裏枠
42,43 位置決め部

Claims (2)

  1. 後枠部に、ヒンジによって回動可能に結合された前枠部が錠機構によって施錠され、前記前枠部の裏面側に遊技盤がセットされる合成樹脂製のベース枠が設けられ、前記前枠部の裏面の前記ベース枠の側方に前記錠機構が設けられたパチンコ機であって、
    前記ベース枠の側枠部には、前記錠機構の固定板の取付位置を、その固定板の上下のコーナー部で指定する上下の両位置決め部が一体状に突出形成され、
    前記上下の両位置決め部は、前記固定板の上下のコーナー部の縦方向の取付位置を指定する水平な縦方向決め面と、前記固定板の上下のコーナー部の横方向の取付位置を指定する垂直な横方向決め面とを有してL形状に形成され、
    前記固定板を前記前枠部の裏面に取り付ける際、当該固定板の上下の両コーナー部を前記上下の両位置決め部の縦方向決め面と横方向決め面によってそれぞれ位置決めした状態で且つ当該固定板のベース枠寄りの垂直辺と前記ベース枠の側枠部の外側辺との間に所定の間隔を空けて前記前枠部の裏面に前記固定板を取り付ける構成にしてあることを特徴とするパチンコ機。
  2. 請求項1記載のパチンコ機であって、
    ベース枠は、互いに嵌め合わされた内外嵌め合い部を介して分離可能に結合された第1部材と第2部材とによって形成され、
    前記第1部材には前記錠機構の固定板の上コーナー部の取付け位置を指定する上位置決め部が一体状に形成され、
    前記第2部材には前記固定板の下コーナー部の取付け位置を指定する下位置決め部が一体状に形成されていることを特徴とするパチンコ機。
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