JP4136145B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に半導体装置に関し、特にシャロートレンチ素子分離(STI)構造を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体集積回路装置では、共通の半導体基板上に形成された複数の活性領域を相互に電気的に分離するのに、いわゆる素子分離構造が使われる。
【0002】
従来の半導体集積回路装置では、かかる素子分離構造としていわゆるLOCOS法により形成したフィールド酸化膜が使われていたが、フィールド酸化膜は活性領域中に侵入するバーズビーク構造を形成するため素子分離領域の面積が活性領域の面積に比べて大きくなりやすく、半導体集積回路装置の微細化に不利になる。このため、最近のサブミクロンあるいはサブハーフミクロンサイズの半導体装置を使った半導体集積回路装置では、従来のフィールド酸化膜に代わって、より面積の小さいシャロートレンチ素子分離(STI)構造が素子分離に使われるようになっている。
【0003】
【従来の技術】
図1は従来の典型的なSTI構造を有する半導体装置10の構成を示す。
図1を参照するに、半導体装置10はp型Si基板11上に形成されたSTI構造の素子分離領域12により画成された活性領域上に形成されており、前記Si基板11中には、前記活性領域に対応してLDD構造を有するn型拡散領域11a〜11cが形成されている。さらに、前記活性領域はゲート酸化膜13により覆われ、前記ゲート酸化膜13上には前記拡散領域11aと11bとの間のチャネル領域に対応して第1のMOSトランジスタのゲート電極14Aが、また前記拡散領域11bと11cとの間のチャネル領域に対応して第2のMOSトランジスタのゲート電極14Bが形成されている。
【0004】
前記ゲート電極14A.14Bの各々は一対の側壁酸化膜により覆われ、さらに層間絶縁膜15により覆われる。さらに、前記層間絶縁膜15中には前記拡散領域11a〜11cを露出するコンタクトホール15A〜15Cがそれぞれ形成されており、前記コンタクトホール15A〜15Cはそれぞれポリシリコン電極16A〜16Cにより埋められる。
【0005】
図1よりわかるように、前記STI構造の素子分離領域12は、それぞれ前記Si基板11中に形成された素子分離溝11Aおよび11Bと、前記素子分離溝11A,11Bを埋めて前記領域12を形成するSiO2 膜とよりなる。すなわち、かかる素子分離領域12はバーズビーク構造を形成することがなく、素子分離領域の面積を最小にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、図1の半導体装置10の、前記ゲート電極14Aに沿った図1の断面図に直交する方向の断面図を示す。ただし、図2中、層間絶縁膜15あるいは電極16A,16Bの図示は省略している。また、前記ゲート電極14Aの側壁酸化膜も図示を省略した。
【0007】
図2を参照するに、STI構造12を形成するSiO2 膜の表面には、前記Si基板11上のパッド酸化膜のエッチングに伴って、前記Si基板11との境界部に沿って円で囲んで示すように凹部が形成されており、かかる凹部においては前記SiO2 膜は鋭角の縁部を形成するのがわかる。かかる鋭角の縁部の存在により、前記ゲート電極14Aにゲート電圧が印加された場合、前記SiO2 膜には電界の集中が生じ、その結果、前記ゲート電極14Aを有するMOSトランジスタのしきい値電圧が、かかる鋭角縁部の近傍において実効的に低下してしまう問題が生じる。
【0008】
かかる実効的なしきい値電圧の低下が生じると、図3のドレイン電流Id−ゲート電圧Vg特性曲線に示すように、所望のしきい値電圧以下のゲート電圧でMOSトランジスタが導通を始めてしまい、その結果、前記特性曲線中に、ゲート電圧の増大と共にドレイン電流が急増するキンクが出現してしまう。
また、このような構造では、SiO2 膜12に凹部が形成されるため、ゲート電極14Aあるいは14Bをポリシリコンあるいはアモルファスシリコンのパターニングによって形成する際に、かかる凹部にポリシリコンあるいはアモルファスシリコンのエッチング残さが残留することがあり、短絡等の問題が生じやすい。
【0009】
かかるSTI構造の縁部における電界集中に起因する特性曲線のキンクを回避するために、従来より、図4(A)〜(D)の工程により形成されるSTI構造が提案されている。
図4(A)を参照するに、Si基板21上には初期酸化膜23およびSiN膜よりなるハードマスク層24が順次堆積され、さらに前記SiN膜24上には高温CVD法により形成されたSiO2 膜25が形成される。また、前記膜23〜25を貫通して、前記Si基板21を露出する開口部26が形成される。
【0010】
次に図4(B)の工程において図4(A)の構造をウェット雰囲気中で酸化し、前記開口部26に対応して微小LOCOS27を形成し、さらに前記開口部26の側壁に側壁酸化膜25Aを形成する。
さらに、図4(C)の工程において、前記微小LOCOS27を、前記SiN膜24および側壁酸化膜25Aをマスクにドライエッチングし、前記Si基板21中に到達する溝21Aを形成する。さらに、前記溝21AをSiO2 膜により充填し、これをエッチバックした後さらに前記SiN膜24を除去する。さらに、このようにして形成されたSiO2 膜の外側に、図4(D)に示すように、側壁酸化膜28Aを形成する。
【0011】
かかるSTI構造では、Si基板21と溝21Aとの間に鋭角の縁部が形成されないため、電界集中によるMOSトランジスタのしきい値電圧の減少が回避される。
しかし、このような構成のSTI構造は形成工程が複雑で、製造費用が増大してしまう問題点を有する。
【0012】
一方、従来より、図5に示す、より簡単な構成で電界集中の問題を回避できるSTI構造が提案されている。
図5を参照するに、Si基板31中には溝31Aが形成され、前記溝31AはSiO2 膜32により充填されている。さらに、図5の構造では、前記SiO2 膜32の前記基板31上における突出部の両側に側壁絶縁膜33が、SiO2 膜の堆積とエッチバックにより、形成される。
【0013】
しかし、かかるSTI構造の形成工程は簡単ではあるが、前記SiO2 膜のエッチバック工程に関連して、Si基板31の表面が不純物により汚染されやすい問題を有している。
そこで、本発明は上記の課題を解決した、新規で有用な半導体装置およびその製造方法を提供することを概括的課題とする。
【0014】
本発明のより具体的な課題は、STI構造を有し、しかもSTI構造縁部における電界集中を効果的に回避できる半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
本発明は、上記の課題を、
請求項1に記載したように
i基板上に第1の酸化膜を形成する工程と、
前記第1の酸化膜上に研磨ストッパ層を形成する工程と、
前記研磨ストッパ層と前記第1の酸化膜とを貫通して、前記Si基板に到達する溝を形成する工程と、
前記溝において露出された前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の側壁面を前記溝の側壁面から後退させ、前記Si基板の上面と前記研磨ストッパ層の下面との間に、前記溝側壁面において開口した空間を形成する工程と、
前記溝側壁面および底面を酸化し、前記溝側壁面および底面、さらに前記空間により露出された前記Si基板の上面を覆うように第2の酸化膜を、前記第1の酸化膜に連続して形成する工程と、
前記研磨ストッパ層及び第2の酸化膜を覆い、前記空間を埋めるようにSi膜を堆積する工程と、
前記Si膜上に、前記溝を埋めるように第3の酸化膜を堆積する工程と、
前記第3の酸化膜とその下の前記Si膜とを、前記研磨ストッパ層をストッパとして化学機械研磨により除去する工程と、
前記研磨ストッパ層および前記第1の酸化膜を、前記Si基板の上面から除去する工程と、
前記Si膜を酸化する工程とよりなることを特徴とする、シャロートレンチ素子分離構造を備えた半導体装置の製造方法により、または
請求項に記載したように、
Si基板上に第1の酸化膜を形成する工程と、
前記第1の酸化膜上に研磨ストッパ層を形成する工程と、
前記研磨ストッパ層とその下の前記第1の酸化膜とを貫通して、前記Si基板に到達する溝を形成する工程と、
前記溝において露出された前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の側壁面を前記溝の側壁面から後退させ、前記Si基板の上面と前記研磨ストッパ層の下面との間に、前記溝側壁面において開口した空間を形成する工程と、
前記溝側壁面および底面を酸化し、前記溝側壁面および底面、さらに前記空間により露出された前記Si基板の上面を覆うように第2の酸化膜を、前記第1の酸化膜に連続して形成する工程と、
前記溝中において前記空間のみを埋めるようにSi膜を形成する工程と、
前記溝を埋めるように第3の酸化膜を堆積する工程と、
前記第3の酸化膜を、前記研磨ストッパ層をストッパとして化学機械研磨により除去する工程と、
前記研磨ストッパ層および前記第1の酸化膜を、前記Si基板の上面から除去する工程と、
前記Si膜を酸化する工程とよりなることを特徴とする、シャロートレンチ素子分離構造を備えた半導体装置の製造方法により、または
請求項に記載したように、
基板中に形成された素子分離溝と、前記素子分離溝を埋める絶縁膜とよりなる素子分離構造を有する半導体装置の製造方法において、
前記基板表面上に形成された酸化膜を、前記素子分離溝の縁部において、前記素子分離溝の側壁面から後退させ、空間を形成する工程と、
前記空間を埋めるようにSi膜を形成する工程と、
前記Si膜を残して、前記基板表面から前記酸化膜を除去する工程と、
前記溝を酸化膜で埋める工程と、
前記Si膜を酸化して、前記酸化膜の一部となる酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法により、または
請求項に記載したように、
基板中に形成された素子分離溝と、前記素子分離溝を埋める絶縁膜とよりなる素子分離構造の形成方法において、
前記基板表面上に形成された酸化膜を、前記素子分離溝の縁部において、前記素子分離溝の側壁面から後退させ、空間を形成する工程と、
前記空間を埋めるようにSi膜を形成する工程と、
前記Si膜を残して、前記基板表面から前記酸化膜を除去する工程と、
前記溝を酸化膜で埋める工程と、
前記Si膜を酸化して、前記酸化膜の一部となる酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする素子分離構造の形成方法により、解決する。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図6(A)〜図8(E)は、本発明の第1実施例によるSTI構造を備えた半導体装置の製造工程を示す。
図6(A)を参照するに、Si基板41上には初期酸化膜42が熱酸化により、5〜200nm、好ましくは10〜45nmの厚さに形成され、さらにその上にSiN膜43が、熱CVD法により、50〜300nm、好ましくは80〜200nmの厚さに形成される。さらに、図示の例では前記SiN膜43上に、ハードマスク層として、熱CVD法により、SiO2 膜44が10〜150nmの厚さに堆積される。
【0017】
さらに、図6(A)の工程では前記SiO2 膜44をレジストマスクを使ったドライエッチングによりパターニングし、さらにパターニングされたSiO2 膜44をマスクに、前記SiN膜43およびその下の初期酸化膜42とを順次パターニングする。さらにドライエッチングを継続することにより、前記Si基板41中に素子分離溝41Aを、200〜400nm、典型的には約400nmの深さに形成する。
【0018】
勿論、素子分離溝41Aは、レジストパターンのみをマスクとしたドライエッチングによって形成してもよいし、また前記SiN膜43をハードマスクとしたドライエッチングにより形成してもよい。
次に、図6(B)の工程において図6(A)の構造をHF中において処理し、前記初期酸化膜42を、図6(B)中に矢印で示すように側方にウェットエッチングする。かかるウェットエッチングの結果、前記初期酸化膜42は5〜200nm程度、好ましくは10〜50nm程度後退し、前記溝41Aにおいて開口する空間42Aが、前記Si基板41の上面と前記SiN膜43の下面との間に形成される。図6(B)の工程では、さらに前記Si基板41を熱酸化して、前記溝41Aの底面および側面を覆う熱酸化膜41Bを、3〜50nm、好ましくは約10nmの厚さに形成する。前記熱酸化膜41Bは前記空間42A中においても前記Si基板41の表面を覆うように形成され、前記初期酸化膜42に連続する。
【0019】
図6(B)では、またかかるHF中のウェットエッチングの結果、前記酸化膜44Aも面積が減少しているのがわかる。
次に図7(C)の工程で、図6(B)の構造上にポリシリコンあるいはアモルファスシリコンよりなるSi膜45を、熱CVD法あるいはプラズマCVD法により、5〜150nmの厚さに堆積し、前記空間42Aを前記Si膜45により埋める。その際、前記Si膜45は、前記溝41Aの底面および側面上の熱酸膜41Bを覆うように堆積する。前記ポリシリコンあるいはアモルファスシリコンは、BあるいはP等の不純物をドープしておく。前記初期酸化膜42の厚さが15nmの場合、前記Si膜45の厚さは5nm以上、前記初期酸化膜42の厚さが30nmの場合には前記Si膜45の厚さは15nmにするのが好ましい。
【0020】
図7(C)の工程では、さらに前記溝41Aを完全に埋めるように、SiO2 膜46が熱CVD法あるいはプラズマCVD法により形成される。前記SiO2 膜46を熱CVD法で形成する場合には、TEOS等の有機シランを気相原料として使うのが好ましい。また、前記SiO2 膜46をプラズマCVD法で形成する場合には、ICPやECR型の高密度プラズマCVD装置を使って基板バイアスを印加した状態で堆積を行なうのが好ましい。典型的には、前記SiO2 膜は約700nmの厚さに形成される。
【0021】
さらに、図7(C)の工程では、図中点線で示した、前記SiN膜43よりも上側の領域が、化学機械研磨(CMP)により除去され、さらに図7(D)の工程で前記SiN膜43およびその下の初期酸化膜42が、それぞれ熱リン酸溶液およびHF水溶液により、前記Si基板41の表面から除去される。
さらに、図8(E)の工程において、前記図7(C)の構造がO2 +HCl雰囲気中、900°Cの温度で、あるいは乾燥酸素雰囲気中、1000°Cの温度で熱処理され、前記Si膜45の露出部が選択的に酸化され、前記SiO2 膜46Aに一体化した酸化膜構造が、段部46b、46cに対応して形成される。さらに、前記Si基板41上にも、前記酸化工程の結果、酸化膜46aが、前記SiO2 膜46Aに連続して形成される。前記段部46bは前記溝41Bの外側に延出するのに対し、前記段部46cは上方に突出する。
【0022】
図8(E)の構造では、また前記溝41A中にはポリシリコンパターン45が酸化膜46A中に埋め込まれた状態で形成される。
図9は、図8(E)のSTI構造を使った半導体装置50の構造を示す。ただし図9中、先に説明した部分には対応する参照符号を付し、説明を省略する。
図9を参照するに、半導体装置50は図1の半導体装置10と類似した構成を有するが、素子分離構造としてSTI構造12の代わりに、図8(E)で説明した段部46bおよび46cを有する酸化膜46Aを含むSTI構造が使われる。ただし、段部46bは前記素子分離溝の外側に形成され、段部46cはその内側に、前記素子分離溝の側壁面に対応して形成される。
【0023】
図10は、図2に対応する図9の構造の一部を拡大して示す図である。
図10を参照するに、本実施例ではゲート電極14Aは前記SiO2 膜46A上において、前記段部46b,46cに対応する丸みを帯びた段部の上を延在するため、電界集中に起因するMOSトランジスタのしきい値電圧の低下の問題が回避され、動作特性に図3で説明したようなキンクが出現することはない。また、かかる構成では上に凸の段部46b,46cが形成されるため、前記ゲート電極14Aをポリシリコンあるいまアモルファスシリコン膜のパターニングによって形成する場合にエッチング残さが生じることがない。
[第2実施例]
図11(A)〜図12(D)は、本発明の第2実施例によるSTI構造を備えた半導体装置60の製造工程を示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0024】
図11(A)は先の図7(C)の工程に対応しており、前記SiN膜43上に、熱酸化膜41Bで覆われた前記溝41Aの底面および側壁面を覆うように、また前記初期酸化膜42の後退により形成された空間42Aを埋めるように、ポリシリコンあるいはアモルファスシリコンよりなるSi層45が、熱CVD法あるいはプラズマCVD法により形成される。
【0025】
本実施例では、図11(B)の工程において、前記Si層45が、等方性あるいは異方性ドライエッチングにより前記溝41Aの側壁面および底面から除去され、その結果前記Si層45はSiパターン45Aとして、前記空間42A内にのみ残留する。
次に図12(C)の工程において、前記溝41AをSiO2 膜46により埋め、さらに前記SiN膜43を研磨ストッパとして前記SiO2 膜46を図12(C)中、点線の位置まで研磨する。
【0026】
さらに図12(D)の工程において前記SiN膜43およびその下の初期酸化膜42をそれぞれ熱リン酸およびHF中においてエッチング除去し、さらに前記Siパターン45AをO2 +HCl雰囲気中、900°Cでの酸化、あるいは乾燥酸素雰囲気中、1000°Cでの酸化により、SiO2 に変化させる。その結果、前記溝41Aを埋めて、段部46bおよび46cを有するSiO2 膜46Aが形成される。本実施例では、前記溝41A中にSi層が残留することはない。
【0027】
図13は、図12(D)のSTI構造を使った半導体装置70の構成を示す。ただし図13中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図13を参照するに、前記半導体装置70では、STI構造を形成する前記SiO2 膜46Aに、図9の半導体装置50におけるSiO2 膜46Aと同様な段部が形成されるが、前記半導体装置50と違って前記SiO2 膜46A中にSiパターン45が残留することはない。
【0028】
図14は、図10に対応する半導体装置70の部分拡大断面図である。
図14を参照するに、前記SiO2 膜46Aは図10の場合と同様な段部を有するため、前記ゲート電極14Aがその上を延在しても電界集中によるMOSトランジスタのしきい値電圧の低下が軽減される。また半導体装置70では、前記溝41A中において前記SiO2 膜46A中にポリシリコンあるいはアモルファスシリコンパターンが含まれることはない。
【0029】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【0030】
発明の特徴によれば、STI構造を有する半導体装置において、前記STI構造を構成する素子分離溝を埋めるSiO2膜を、基板表面上、前記素子分離溝の外側まで延在するように、またその際に前記SiO2膜が前記基板表面から上方にわずかに突出するように形成することにより、かかるSiO2膜上をゲート電極が延在しても基板中に電界集中が生じることがなく、しきい値電圧の変動の問題が回避される。その際、本発明では基板表面をドライエッチングによりエッチバックする工程が含まれないため、基板表面が不純物により汚染されることがない。また、前記SiO2膜が前記素子分離溝において、上に凸の形状を有するため、ゲート電極をパターニングする際に、従来のSTI構造で生じがちであった、SiO2膜の凹部におけるポリシリコンパターンあるいはアモルファスシリコンパターン残さの残留の問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のSTI構造を有する半導体装置の構成を示す図である。
【図2】図1の半導体装置の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1の半導体装置の問題点を説明する図である。
【図4】(A)〜(D)は従来のSTI構造の形成方法を示す図である。
【図5】従来のSTI構造の別の例を示す図である。
【図6】(A),(B)は、本発明の第1実施例による半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図7】(C),(D)は、本発明の第1実施例による半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図8】(E)は、本発明の第1実施例による半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図9】本発明の第1実施例による半導体装置の構成を示す図である。
【図10】図9の半導体装置の一部を拡大して示す図である。
【図11】(A),(B)は、本発明の第2実施例による半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図12】(C),(D)は、本発明の第2実施例による半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図13】本発明の第2実施例による半導体装置の構成を示す図である。
【図14】図13の半導体装置の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
10,40,50,60,70 半導体装置
11 基板
12 STI酸化膜
13 ゲート酸化膜
14A,14B ゲート電極
15 層間絶縁膜
15A〜15C コンタクトホール
16A〜16C 電極
21,31,41 基板
21A,41A 素子分離溝
23 パッド酸化膜
24,43 SiN膜
25,44 熱CVD酸化膜
26 開口部
27 微小LOCOS
28A,33 側壁酸化膜
42 初期酸化膜
42A 空間
45 Si膜
46 SiO2
46A SiO2 パターン
46a 酸化膜
46b,46c 段部

Claims (4)

  1. Si基板上に第1の酸化膜を形成する工程と、
    前記第1の酸化膜上に研磨ストッパ層を形成する工程と、
    前記研磨ストッパ層と前記第1の酸化膜とを貫通して、前記Si基板に到達する溝を形成する工程と、
    前記溝において露出された前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の側壁面を前記溝の側壁面から後退させ、前記Si基板の上面と前記研磨ストッパ層の下面との間に、前記溝側壁面において開口した空間を形成する工程と、
    前記溝側壁面および底面を酸化し、前記溝側壁面および底面、さらに前記空間により露出された前記Si基板の上面を覆うように第2の酸化膜を、前記第1の酸化膜に連続して形成する工程と、
    前記研磨ストッパ層及び第2の酸化膜を覆い、前記空間を埋めるようにSi膜を堆積する工程と、
    前記Si膜上に、前記溝を埋めるように第3の酸化膜を堆積する工程と、
    前記第3の酸化膜とその下の前記Si膜とを、前記研磨ストッパ層をストッパとして化学機械研磨により除去する工程と、
    前記研磨ストッパ層および前記第1の酸化膜を、前記Si基板の上面から除去する工程と、
    前記Si膜を酸化する工程とよりなることを特徴とする、シャロートレンチ素子分離構造を備えた半導体装置の製造方法。
  2. Si基板上に第1の酸化膜を形成する工程と、
    前記第1の酸化膜上に研磨ストッパ層を形成する工程と、
    前記研磨ストッパ層とその下の前記第1の酸化膜とを貫通して、前記Si基板に到達する溝を形成する工程と、
    前記溝において露出された前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の側壁面を前記溝の側壁面から後退させ、前記Si基板の上面と前記研磨ストッパ層の下面との間に、前記溝側壁面において開口した空間を形成する工程と、
    前記溝側壁面および底面を酸化し、前記溝側壁面および底面、さらに前記空間により露出された前記Si基板の上面を覆うように第2の酸化膜を、前記第1の酸化膜に連続して形成する工程と、
    前記溝中において前記空間のみを埋めるようにSi膜を形成する工程と、
    前記溝を埋めるように第3の酸化膜を堆積する工程と、
    前記第3の酸化膜を、前記研磨ストッパ層をストッパとして化学機械研磨により除去する工程と、
    前記研磨ストッパ層および前記第1の酸化膜を、前記Si基板の上面から除去する工程と、
    前記Si膜を酸化する工程とよりなることを特徴とする、シャロートレンチ素子分離構造を備えた半導体装置の製造方法。
  3. 基板中に形成された素子分離溝と、前記素子分離溝を埋める絶縁膜とよりなる素子分離構造を有する半導体装置の製造方法において、
    前記基板表面上に形成された酸化膜を、前記素子分離溝の縁部において、前記素子分離溝の側壁面から後退させ、空間を形成する工程と、
    前記空間を埋めるようにSi膜を形成する工程と、
    前記Si膜を残して、前記基板表面から前記酸化膜を除去する工程と、
    前記溝を酸化膜で埋める工程と、
    前記Si膜を酸化して、前記酸化膜の一部となる酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 基板中に形成された素子分離溝と、前記素子分離溝を埋める絶縁膜とよりなる素子分離構造の形成方法において、
    前記基板表面上に形成された酸化膜を、前記素子分離溝の縁部において、前記素子分離溝の側壁面から後退させ、空間を形成する工程と、
    前記空間を埋めるようにSi膜を形成する工程と、
    前記Si膜を残して、前記基板表面から前記酸化膜を除去する工程と、
    前記溝を酸化膜で埋める工程と、
    前記Si膜を酸化して、前記酸化膜の一部となる酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする素子分離構造の形成方法。
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