JP4130603B2 - 水素製造システムの運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素の水蒸気改質法による水素製造システム、その起動及び停止方法、並びに、水素製造システムを連結した燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、固体高分子形燃料電池(PEFC)の燃料としても用いられる。水素の工業的製造法の一つである炭化水素の水蒸気改質法では、水蒸気改質器が用いられ、炭化水素が水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスへ変えられる。水蒸気改質器は概略、バーナーあるいは燃焼触媒を配置した燃焼部と改質触媒を配置した改質部とにより構成される。水蒸気改質器を以下適宜“改質器”と言う。
【0003】
改質部での改質反応の進行のために燃焼部において都市ガス等の燃料を空気により燃焼させ、発生した燃焼熱を改質部に供給する。ここで、燃焼部に供給する燃料は、改質部で改質ガスへ変える炭化水素と同じく通常都市ガス等の炭化水素系燃料であるので、本明細書中、両者を区別するため、適宜、燃焼部に供給する燃料を燃料ガスと言い、改質部へ供給する炭化水素を原料ガスと言う。
【0004】
改質部で得られる改質ガスには、水素のほかに、未反応の炭化水素、未反応の水蒸気に加え、二酸化炭素、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(容量、以下同じ)程度含まれている。このため改質ガス中のCOは、シフト反応により水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素へ変えるためにCO変成部に供給される。この反応で必要な水蒸気としては改質部で未反応の残留水蒸気が利用される。
【0005】
CO変成部から出る改質ガスは、未反応の炭化水素と余剰水蒸気を除けば、水素、二酸化炭素、COからなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成部を経た改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量ではあるがなおCOが含まれている。このため改質ガスは、さらにCOを除去するためにCO除去部に供給される。例えばPEFCの燃料とする場合、10ppm(容量ppm、以下同じ)以下 さらには1ppmというように低減させる。
【0006】
上記のように、改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結した水素製造システムは、水素の需要に応じて起動−停止を繰り返して運転される。改質器の運転温度は600℃以上であるので、その起動時に昇温する必要がある。改質部の改質触媒は、常温で酸化することはないが、その雰囲気に酸素成分があると、システムの起動時における昇温中に酸化する。改質触媒が酸化すると、水素などによる還元操作が必要となるばかりでなく、改質触媒の劣化が促進されることになってしまう。
【0007】
また、水素製造システムの運転後、停止する際には、降温や水蒸気の凝縮により、システム内が減圧状態となり、外部から空気が漏れ込む可能性もある。このとき、CO変成部内のCO変成触媒(通常、Cu−Zn系触媒等のCu系触媒が用いられる)が空気と接触すると常温で容易に酸化してしまう。これを回避するためシステム内を窒素などの不活性ガスを用いてパージすることが考えられる。しかし、不活性ガスを用いるには、別途そのための設備が必要となり、不活性ガスの残量管理等も必要となるなど甚だやっかいである。
【0008】
特開2000−290001(先行技術Aとする)では、日常的に起動−停止を繰り返す水素発生装置すなわち改質装置では不活性ガスを常時用意することは比較的困難であるとし、不活性ガスを用いることなく、変成触媒の劣化を防ぐ方法が開示されている。この技術では、▲1▼燃焼部を停止した後も改質部に原料ガスと水を加える、▲2▼、▲1▼により改質部での水素発生装置内の降温を早める、▲3▼その後、改質部が所定温度以下となった段階で水の供給を停止する、▲4▼引続き、原料ガスにより改質ガスをパージした後、原料ガスを停止する、という工程でCO変成触媒の劣化を防ぐというものである。
【0009】
特開2000−95504(先行技術Bとする)では、改質装置の停止時に燃焼部を停止した後、原料ガスの流通は停止する。改質装置内の温度が所定の設定値以下となった時点で水蒸気の供給を停止し、原料ガスの流通を再開し、さらに一定時間経過した後、改質ガスの導出流路を遮断する。ここで温度が“所定の設定値以下となった時点”とは、原料ガスが熱分解して炭素の析出が起こる温度以下となる時点を意味し、原料ガス及び水蒸気はともに、燃焼部の停止時以降、その時点まで供給されている。
【0010】
特開2002−151124(先行技術Cとする)では、改質装置の停止時に燃焼部を停止した後、水蒸気を供給して改質部内の改質ガスをパージした後(この間、原料ガスの供給は停止されている)、原料ガスの熱分解が起こらない温度以下になった時点で原料ガスを供給して改質部内の温度をパージした後、原料ガスの供給を停止する。
【0011】
しかし、先行技術A、Bにおいては、改質装置内が所定温度以下になるまでに供給する原料ガス及び水が利用されず、このためシステム運転上、余分にコストがかかり好ましくない。また、先行技術B、Cにおいては、改質装置内が所定温度以下になるまでに原料ガスが停止される期間があり得る。そうすると改質触媒及びCO変成触媒が高温の水蒸気のみに暴され、改質触媒及びCO変成触媒が水蒸気による酸化により劣化することになる。劣化した触媒では所期の触媒性能は得られず、システム全体の機能を損なう可能性があり好ましくない。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−290001号公報
【特許文献2】
特開2000−95504号公報
【特許文献3】
特開2002−151124号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、それらの先行技術では生じる以上の問題点を一挙に解決することを目的とするものである。すなわち、本発明は、水素製造システムの停止時において、システム内を一度も酸化雰囲気にすることなく、またシステムが結露雰囲気になることを防ぐとともに、その操作をより効率的且つ経済的に実施できる水素製造システム、その起動及び停止方法、並びに、該水素製造システムに燃料電池を連結したシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムであって、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置し、システムの停止時に、該バルブ閉、改質部への原料ガス及び水の供給停止の操作を行い、その後改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開としてシステム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージするようにしてなることを特徴とする水素製造システムを提供する。
ここで、上記改質ガスのパージ後、該バルブを閉としてシステム内を原料ガスで満たすようにしてもよい。
【0015】
本発明は(B)燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムであって、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置し、システムの停止時に、該バルブ閉、改質部への原料ガス及び水の供給停止の操作を行い、その後改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開としてシステム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージすることを特徴とする水素製造システムの運転方法を提供する。
ここで、上記改質ガスのパージ後、該バルブを閉としてシステム内を原料ガスで満たしてもよい。
【0016】
本発明は(C)燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムに固体高分子形燃料電池を連結してなる燃料電池システムであって、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置し、その停止時に、該バルブ閉、改質部への原料ガス及び水の供給停止の操作を行い、その後改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開とし、水素製造システム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージするようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池システムを提供する。
ここで、上記改質ガスのパージ後、該バルブを閉として水素製造システム内を原料ガスで満たすようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明(A)〜(B)は、燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムを対象とし、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置する。そして、水素製造システムの停止時に、該バルブ閉、原料ガス及び水の供給停止の操作を行う。これにより水素製造システム内は還元性ガスである改質ガスで満たされる。燃焼部の停止は燃料ガス及び空気の供給を停止することで行われる。
【0018】
その後、改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開とし、システム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージする。当該パージ後、該バルブを閉とすることにより、水素製造システム内は原料ガスで満たされる。また、それ以降、水素製造システム内の温度がさらに下がり、システム内が大気圧以上で且つ所定圧力以下になった時点では、原料ガスを加えて正圧を維持するようにする。
【0019】
ここで、上記所定温度以下における“所定温度”とは、炭化水素の分解反応が進行せず、分解反応に起因して炭素が析出しない温度であり、例えば炭化水素がメタンの場合には約600℃以下〜400℃以上の温度であり、都市ガス等では、C2以上の炭化水素が含まれているため、メタンの場合より低温側にずれるが、具体的には予備実験等を基に設定される。本発明によれば、水素製造システムの停止開始時以降、改質部が当該所定温度に降温するまでは原料ガスが供給されないので、炭素は析出しない。
【0020】
次に、以上の構成及び操作で停止した水素製造システムの起動時には、燃焼部に燃料ガス及び空気を供給して燃焼部を作動させるとともに、該バルブを開とし、改質部が所定温度以下である間にシステム内に原料ガス及び水を供給して水蒸気改質を開始する。この場合にも、水素製造システム内は還元性ガスである原料ガス又は改質ガスの雰囲気となる。
【0021】
このように、本発明によれば、水素製造システム内を、システムの停止開始時から停止状態、起動開始時から定常運転に至るまで、一度も酸化雰囲気にすることがない。これにより、改質触媒及びCO変成触媒を劣化させることがなく、長期間にわたり繰り返し運転を続けることができる。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0022】
〈(1)CO変成部の出口導管にバルブを配置した態様〉
図1はCO変成部の出口導管にバルブを配置した態様を示す図である。図1(a)は水素製造システムのCO変成部の出口導管にバルブを配置する態様であり、図1(b)は図1(a)水素製造システムにPEFCを連結した態様である。図1のとおり、CO変成部の出口導管にバルブ(HCV)を配置しておく。そして、水素製造システムの運転後、その停止時に、該バルブ閉、原料ガス及び水の供給停止の操作を行う。これにより水素製造システム内は還元性ガスである改質ガスで満たされる。
【0023】
本水素製造システムを上記のとおり該バルブを閉のままの状態に置くと、改質部の温度が徐々に低下し“所定温度”以下になる。この温度は改質部の内部又はCO変成部の内部に配置された温度判定手段により判定される。温度判定手段としては例えば熱電対を用いる。
【0024】
温度判定手段により改質部内が“所定温度”以下に降温したと判定された時点で該バルブを開とし、水素製造システム内に原料ガスを供給して改質部及びCO変成部内の改質ガスをパージする。当該原料ガスによるパージ後、原料ガスの供給を止めるとともに、該バルブを閉に切り替える。これにより水素製造システム内は原料ガスで満たされる。原料ガスは炭化水素であるので、水素製造システム内は、これらの過程で酸化雰囲気にならず、還元雰囲気の状態に保たれる。
【0025】
水素製造システム内の温度がさらに下がると、水素製造システム内圧力が降下する。本発明においては、水素製造システム内が所定の圧力以下になった際に、水素製造システム内に原料ガスを供給して正圧を維持するようにする。水素製造システム内の圧力は圧力計Pにより計測する。圧力計に代えて、タイマーにて制御することもできる。ここで該バルブは閉のままであるので、原料ガスの供給は少量で足りる。図2は時間の経過に伴う水素製造システム内の圧力変化及び温度変化を実測したものである。
【0026】
図2のとおり、時間の経過とともに、改質部の温度が低下し、水素製造システム内の圧力が降下するが、水素製造システム内の圧力は、改質部の温度が400℃以下になる前には、大気圧に対して負圧(<0kPaG)にはなっていない。CO除去部の温度は水素製造システム内では他の箇所より低温であるが、CO除去部の温度が100℃以下になる前に、改質部が400℃以下となるため、結露雰囲気になることなくパージ用の原料ガスを加えることができる。
【0027】
次に、以上の操作を経て停止した水素製造システムの起動時には、該バルブを開とし、燃焼部に燃料ガス、空気を供給して燃焼し、改質部が所定温度以下である間に、水素製造システム内に原料ガス、水を供給する。ここで一部改質ガスが生成するが、この場合にも水素製造システム内は還元性ガスである原料ガス又は改質ガスの雰囲気となっており、また、燃焼部からの加熱で改質部の温度が上昇して改質ガスの生成が進むと水素製造システム内は改質ガスによる還元状態となる。
【0028】
以上のように、本発明によれば、水素製造システムの停止開始時から停止状態、起動開始から定常運転時まで水素製造システム内は常に還元状態である。このように水素製造システム内を一度も酸化雰囲気にせずに停止し、また起動することができる。このことから、起動−停止を繰り返しても改質触媒及びCO変成触媒は劣化することがなく、水素製造システムの性能を落とすことなく長期間にわたり起動−停止を繰り返して運転を続けることができる。
【0029】
〈(2)CO除去部の出口導管にバルブを配置した態様〉
図3は水素製造システムのCO除去部の出口導管にバルブを配置した態様を示す図である。図3(a)は水素製造システムによりCOを低減した水素を製造する態様、図3(b)は図3(a)の水素製造システムにPEFCを連結した態様である。水素製造システムにおけるCO除去部の出口導管にバルブ(HCV)を配置しておく以外は、前記(1)の態様と同様である。CO除去部内を含めて、運転時から停止状態への移行、停止状態から起動状態への移行に際して、水素製造システム内は常に還元状態であり、一度も酸化雰囲気となることはない。
【0030】
〈先行技術A〜Cと本発明との対比〉
先行技術Aの改質装置の運転方法では、改質装置の停止時以降、改質部が所定温度以下になるまでの間、原料ガス、水の供給を徐々に低下させる。すなわち原料ガス、水は、徐々に少なくはなるが、供給されている。これに対して、本発明では、水素製造システムの停止時以降、改質部が所定温度以下になるまでの間、該バルブを閉とするとともに原料ガス及び水の供給を停止している。従って、本発明によれば、改質部が所定温度以下になるまでの間、先行技術Aでは供給される原料ガス、水のロスがないので効率のよい水素製造システムの運転ができる。
【0031】
また、先行技術Bの改質装置では、改質装置の停止時以降、改質部が所定温度以下になるまでの間、水蒸気が供給されるので、水蒸気に起因する改質触媒の酸化による劣化の問題が生じる。これに対して、本発明では、水素製造システムの停止時以降、改質部が所定温度以下になるまでの間、該バルブを閉とするとともに原料ガス及び水の供給を停止している。従って、本発明によれば、先行技術Bでは生じる水蒸気に起因する改質触媒及びCO変成触媒の酸化による劣化はなく、改質触媒及びCO変成触媒の耐久性を長期にわたり保持することができる。
【0032】
また、先行技術Cの改質装置の停止方法では、改質装置の停止時に、水蒸気により改質部中の改質ガスをパージしている。従って、改質部が所定温度以下になるまでの間、改質部中は水蒸気雰囲気となるので、水蒸気に起因する改質触媒の酸化による劣化の問題が生じる。これに対して、本発明では、水素製造システムの停止時以降、改質部が所定温度以下になるまでの間、該バルブを閉とするとともに原料ガス及び水の供給を停止している。従って、本発明によれば、先行技術Cでは生じる水蒸気に起因する改質触媒及びCO変成触媒の酸化による劣化はなく、改質触媒及びCO変成触媒の耐久性を長期にわたり保持することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。
【0034】
本実施例では、酸化雰囲気による性能劣化が顕著であるCO変成触媒として粒状Cu−Zn系触媒を使用し、原料ガスとして改質部出口での改質ガス組成を模擬した標準ガスと水蒸気を供給して試験した。ここで空間速度(SV)=15000h-1とし、CO変成部入口温度=300℃とした。CO変成部に供給される標準ガスはCOを8%含むガスである。起動・停止は2時間反応毎に実施した(停止時には何も流していない)。
【0035】
<比較実験>
図4はそれぞれ窒素、水蒸気及び空気の各媒体による起動−停止試験の結果である。図4のとおり、窒素を流して起動した場合には、連続使用した場合と転化率の推移に大きな差がない。これに対して、水蒸気を流して起動した場合には、窒素を流して起動した場合あるいは連続使用した場合と比較して、CO転化率は漸次低下し、CO変成触媒の劣化が顕著にみられる。空気を流して起動した場合も同様である。
【0036】
<本発明による実験>
空間速度=2000h-1とし、CO変成部入口温度=300℃として試験した。標準ガスはCOを10%含むガスである。停止時には、加熱部を停止し、標準ガス及び水蒸気の供給を停止した。そして脱硫済み都市ガスを供給してCO変成部内の標準ガスをパージした。以降、自然冷却により改質部出口温度が常温(約20℃)に低下した時点で、起動を開始した。脱硫済み都市ガスを導入し、加熱部を作動させて昇温しCO変成部が約200℃以下である間に、CO変成部に標準ガス及び水蒸気を供給した。改質部の温度が上昇して定常運転に達してからしばらく運転を続けた後、運転を停止した。停止操作は上記と同様にして行った。以上の運転−停止−起動を繰り返し実施した。
【0037】
図5はその結果である。図5のとおり、CO転化率は起動−停止回数が増えても変化はないことが分かる。初期段階でのCO転化率は89%であり、起動−停止回数104回目でもCO転化率は89%である。このように改質触媒及びCO変成触媒の劣化は認められず、本発明による効果は明らかである。
【0038】
【発明の効果】
本発明の水素製造システム及び燃料電池システムによれば、その停止開始時から起動開始時まで、水素製造システム内が一度も酸化雰囲気とはならないので、改質触媒及びCO変成触媒の劣化を格段に抑制することができる。これにより、水素製造システムを長期間にわたり起動−停止を繰り返しても改質部及びCO変成部の性能低下がなく、水素製造システムの効率を落とさずに運転を続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素製造システム及びPEFCシステムにおいてCO変成部の出口導管にバルブを配置した態様を示す図
【図2】水素製造システムの停止操作に伴う水素製造システム内圧力及び温度の降下傾向を示す図
【図3】本発明の水素製造システム及びPEFCシステムにおいてCO除去部の出口導管にバルブを配置した態様を示す図
【図4】各媒体による起動−停止試験の結果を示す図(比較実験)
【図5】実施例の結果を示す図(本発明による実験)
Claims (3)
- 燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムの運転方法であって、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置し、システムの停止時に、該バルブを閉とし、改質部への原料ガス及び水の供給停止の操作を行い、その後改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開とし、システム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージすることを特徴とする水素製造システムの運転方法。
- 燃焼部及び改質部を含む水蒸気改質器に順次、CO変成部及びCO除去部を連結してなる水素製造システムの運転方法であって、CO変成部又はCO除去部の出口導管にバルブを配置し、その停止時に、該バルブを閉とし、改質部への原料ガス及び水の供給停止の操作を行い、その後改質部が所定温度以下になった時点で該バルブを開とし、システム内に原料ガスを供給して改質ガスをパージした後、該バルブを閉としてシステム内を原料ガスで満たすことを特徴とするする水素製造システムの運転方法。
- 前記バルブを閉としてシステム内を原料ガスで満たした後、水素製造システム内の温度が下がり、システム内が大気圧以上で且つ所定圧力以下になった時点で、システム内に原料ガスを供給してシステム内を正圧に維持することを特徴とする請求項2に記載の水素製造システムの運転方法。
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