JP2006306665A - 水素製造装置の運転方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池用水素製造装置の改質ガス中のCO濃度を10ppm以下にするまでの時間を短縮する。
【解決手段】 水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水蒸気を反応させるCOシフト反応器と、酸素を含む気体を酸化剤に用いて前記改質ガスのCO濃度を低減するCO選択酸化器と、を含んでなり、CO選択酸化器を通過した改質ガスを燃料電池に供給するように構成された水素製造装置を運転するに際し、前記CO選択酸化器に前記改質ガスを供給しつつ、CO選択酸化器に対する酸化剤の供給を少なくとも1回停止し、前記改質ガスに含まれる水素によりCO選択酸化器のCO選択酸化触媒の還元を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水蒸気を反応させるCOシフト反応器と、酸素を含む気体を酸化剤に用いて前記改質ガスのCO濃度を低減するCO選択酸化器と、を含んでなり、CO選択酸化器を通過した改質ガスを燃料電池に供給するように構成された水素製造装置を運転するに際し、前記CO選択酸化器に前記改質ガスを供給しつつ、CO選択酸化器に対する酸化剤の供給を少なくとも1回停止し、前記改質ガスに含まれる水素によりCO選択酸化器のCO選択酸化触媒の還元を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は固体高分子形燃料電池用の燃料を製造する水素製造装置の運転方法に係り、特に起動時間の短縮に配慮した水素製造装置の運転方法に関する。
固体高分子形燃料電池システムを例にとって燃料電池用の燃料を製造する水素製造装置の構成を説明する。固体高分子形燃料電池システムの燃料を製造する水素製造装置は、燃焼触媒と改質触媒で構成され、原料ガスから水素を含有する改質ガスを生成する改質反応器と、改質ガス中に含有される一酸化炭素(以下COと記載)を水蒸気とのCOシフト反応により水素と二酸化炭素に変換するCOシフト触媒を含むCOシフト反応器と、COシフト反応器を通過した改質ガス中に残留するCO(固体高分子形燃料電池(以下PEFCと記載)電極の被毒物質になる)を触媒にて選択的に酸化除去し10ppm以下にするCO選択酸化触媒を含むCO選択酸化器と、を含んで構成される。
原料の都市ガスは、空気、水蒸気と共に燃焼触媒に入る。供給した都市ガス量の約20%程度が、同伴させた空気により燃焼され、この燃焼熱が次段の改質触媒へ受け渡されて改質反応の熱源となる。改質触媒では水素が生成される水蒸気改質反応(吸熱反応)が進行し、600〜650℃の改質ガスが得られる。
改質反応器で生成され、COシフト反応器及びCO選択酸化器を通過した改質ガスは、水素製造装置が起動されてすぐは、CO濃度が高いため、燃料電池をバイパスして蒸気発生器に送られて燃焼される。改質ガスのCO濃度が10ppm以下になったら、PEFCに供給(PEFC連携という)されて発電に消費され、インバータでAC出力として外部へ供給される。発電に利用されなかった未消費水素を含むアノード排ガスは、前記蒸気発生器にて水を水蒸気に加熱する燃料として再利用される。
改質反応器では、都市ガスの主成分メタンが改質触媒で水(H2O)と反応し、多量の水素に変換される。
CH4 + H2O → CO + 3H2 (1)
同時に、発生したCOはH2Oとの反応により、さらに水素に変換される。
同時に、発生したCOはH2Oとの反応により、さらに水素に変換される。
CO + H2O → CO2 + H2 (2)
続いてCOシフト反応器の前段で水により冷却し、改質ガス温度をCOシフト触媒の作動温度である250〜300℃とし、COシフト反応(反応式(2))を行わせる。
続いてCOシフト反応器の前段で水により冷却し、改質ガス温度をCOシフト触媒の作動温度である250〜300℃とし、COシフト反応(反応式(2))を行わせる。
さらにCO選択酸化器の前段でも改質ガスは水により冷却され、温度をCO選択酸化触媒の作動温度である120〜200℃とし、酸化剤である空気を供給してCO選択酸化反応を行わせる。
CO + 1/2O2 → CO2 (3)
このような燃料電池システムでは、改質反応や触媒反応は高温で起こる。従って起動時には各触媒温度を早く作動温度まで上昇させるため、燃料(都市ガス)に対する理論空気量の流量比率を表す空気比を1.0以上にし、燃焼ガスにより各触媒を昇温させている。
このような燃料電池システムでは、改質反応や触媒反応は高温で起こる。従って起動時には各触媒温度を早く作動温度まで上昇させるため、燃料(都市ガス)に対する理論空気量の流量比率を表す空気比を1.0以上にし、燃焼ガスにより各触媒を昇温させている。
次に、CO選択酸化器の動作について説明する。CO選択酸化器に流入する改質ガスのCO濃度は、COシフト器で低減されており、およそ5000ppm程度の濃度となっている。CO選択酸化触媒では、改質ガス中のCOは酸化剤として投入された空気(酸素)と反応し、CO2となる。また、同時に一部の水素が空気(酸素)と反応し、蒸気となる。
H2 + 1/2O2 → H2O (4)
これらの反応は発熱反応であるため、CO選択酸化触媒部の温度は上昇する。しかし、一般的にCO選択酸化触媒においてCO除去に適した温度域は、ほぼ120〜200℃の範囲である。そのため、CO選択酸化器には水蒸発器が設置され、CO選択酸化触媒がCO除去に適した温度域になるように除熱が行われる。
これらの反応は発熱反応であるため、CO選択酸化触媒部の温度は上昇する。しかし、一般的にCO選択酸化触媒においてCO除去に適した温度域は、ほぼ120〜200℃の範囲である。そのため、CO選択酸化器には水蒸発器が設置され、CO選択酸化触媒がCO除去に適した温度域になるように除熱が行われる。
起動時には、まず、燃焼ガスによる昇温運転を行い、次いで改質ガスを発生させる改質運転に移行し、改質ガスのCO濃度が10ppm以下になったときに改質ガスのPEFCへの供給を開始する。
上記従来技術においては、CO選択酸化触媒の酸化について必ずしも十分配慮されておらず、以下の問題があった。
水素製造装置の昇温時は、空気比1.0〜3.0で都市ガスを燃焼させるため、CO選択酸化触媒の表面層が残存する酸素で酸化され、起動時にCO濃度を10ppm以下にするまでに時間がかかる。すなわち、CO選択酸化触媒の低温活性が急激に低下し、本来の性能が出るまでに、長時間を要してしまう。
さらに、停止時は、可燃性ガス滞留防止のため、窒素などの不活性ガスによるパージが行われている。特許文献1には、水素含有ガス生成装置の運転を停止する時に、選択酸化部をパージガス(窒素)で満たす方法が示されている。しかし、一般の家庭に窒素ボンベを置くことはコスト、スペースの面から困難であり、家庭への燃料電池普及には窒素パージをしないですむようにする必要がある。現在、最も簡便且つ安価な方法として空気パージの採用が考えられているが、上記起動時と同様に、パージに用いられる空気中の酸素によってCO選択酸化触媒の表面層が酸化されて触媒性能が低下し、起動時にCO濃度をPEFCとの連携条件である10ppm以下にするまでの時間がかかる。
また、特許文献2には、燃料電池発電システム停止時に、外部から水素を供給して触媒の還元操作を行う方法が示されている。
従来の運転では、起動時及び停止時にCO選択酸化触媒の表面が酸化され、性能が低下する現象が起こり易かった。図7に停止時に窒素パージ及び空気パージしたとき、再起動時に還元処理のCO選択酸化触媒性能を示した実験結果である。横軸が触媒内温度、縦軸がCO除去率を示している。
CO除去率=(入口CO濃度-出口CO濃度)÷入口CO濃度
実験条件はRu金属を担持したCO選択酸化触媒を用いた。また実験に使用したガスは入口CO濃度が1000ppmである模擬改質ガスを使用した。また、酸化剤である空気はO2/CO=1.0になるように調整した。図7より窒素パージ直後のCO選択酸化触媒性能は維持できている。空気パージ直後では低温側の活性が大きく低下したが、空気パージ後に還元処理したものはCO選択酸化触媒性能は回復している。
実験条件はRu金属を担持したCO選択酸化触媒を用いた。また実験に使用したガスは入口CO濃度が1000ppmである模擬改質ガスを使用した。また、酸化剤である空気はO2/CO=1.0になるように調整した。図7より窒素パージ直後のCO選択酸化触媒性能は維持できている。空気パージ直後では低温側の活性が大きく低下したが、空気パージ後に還元処理したものはCO選択酸化触媒性能は回復している。
酸化されたCO選択酸化触媒を還元するには、特許文献2に示されているように、触媒に担持された金属酸化物を水素で還元する方法もあるが、還元用に水素ボンベを配置することは実質的に家庭には受け入れられないと考えられる。
本発明の課題は、改質ガス中のCO濃度を10ppm以下にするまでの時間を短縮することにある。
先に述べたように、CO選択酸化触媒は酸化されると、性能が大きく低下するが、還元処理を行うことにより、性能回復が可能である。そして、酸化されたCO選択酸化触媒を還元するには、改質運転中は、水素製造装置から水素を含む改質が得られるため、改質運転中に、CO選択酸化器への酸化剤の投入を一時的に停止することで、CO選択酸化器内で還元反応を促進することが可能である。
すなわち、上記課題は、炭化水素系燃料と水又は水蒸気とを原料として水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水蒸気を反応させるCOシフト反応器と、酸素を含む気体を酸化剤に用いて前記改質ガスのCO濃度を低減するCO選択酸化器と、を含んでなり、CO選択酸化器を通過した改質ガスを燃料電池に供給するように構成された水素製造装置を運転する方法であって、前記CO選択酸化器に前記改質ガスを供給しつつ、CO選択酸化器に対する酸化剤の供給を少なくとも1回停止し、前記改質ガスに含まれる水素によりCO選択酸化器のCO選択酸化触媒の還元を行う手順を備える水素製造装置の運転方法により達成される。
上記構成によれば、CO選択酸化器に水素を含む改質ガスが供給されている状態で酸化剤の供給が停止され、CO選択酸化触媒が還元雰囲気に曝される。この結果、酸化されていたCO選択酸化触媒が還元され、その機能が回復される。CO選択酸化触媒の機能が回復したあと、酸化剤の供給が開始されると、改質ガス中のCOの酸化反応が促進され、改質ガスのCO濃度の低下が速やかに進行する。
その還元運転は、改質運転開始直後に行なうことが望ましい。改質運転開始直後に行なうことで、PEFCへのCO濃度の高い改質ガスの供給が回避されるとともに、CO濃度の低い改質ガスの供給開始が早められる。
その還元運転において、酸化剤の供給を停止する時間は、酸化されたCO選択酸化触媒の還元が完了されるのに必要な時間とすればよいが、望ましくは、60秒から300秒の範囲とする。その還元運転後に、水素製造装置で生成した改質ガスの燃料電池への供給を開始することが望ましい。
また、前記還元運転を行なった後、CO選択酸化器入口部の改質ガス温度Tiと、前記CO選択酸化器内の流れ方向中央部の触媒内温度Tcを比較し、Tc−Tiが10℃未満のとき、還元運転を繰り返すのがよい。予め定められた回数、還元運転を繰り返しても前記Tc−Tiが10℃未満のとき、CO選択酸化触媒を交換する。
起動時は、還元運転後の前記Tc−Tiが10℃以上になってから、改質ガスの燃料電池への供給を開始するのが望ましい。
これにより、起動直後でもCO選択酸化触媒の性能を維持でき、CO濃度を短時間に低減できる。
本発明によれば、改質ガス中のCO濃度を10ppm以下にするまでの時間を短縮することが可能になる。起動時に本発明を適用することにより、起動時と停止時に生じるCO選択酸化触媒の表面の酸化による性能低下を解決でき、起動時間を短縮できる。また、従来、還元処理する際は水素ボンベが必要であったが、本発明はCO選択酸化触媒の還元処理に改質ガスを用いるため、水素ボンベが不要になり、低コスト化、省スペースが可能である。さらに、従来、停止時の空気パージができなかったが、本発明の運転方法により、空気パージを採用できるため、これまでの窒素ボンベが不要となり、低ランニングコスト化、少スペース化を達成できる。
(実施の形態1)
以下、固体高分子形燃料電池システムに本発明を適用した実施の形態1を、図面を参照して説明する。図6に示す固体高分子形燃料電池システムは、水素製造装置1と、水素製造装置1の改質ガス出口に切替バルブ25aを介装した改質ガス供給管12で接続された固体高分子形燃料電池(以下、PEFC)13と、PEFC13のアノード排ガス出口と水素製造装置1を接続する、切替バルブ25bを介装したアノード排ガス排出管14と、切替バルブ25aと切替バルブ25bを接続するPEFCバイパスライン24と、PEFC13に接続されたインバータ23と、を含んで構成されている。図6の点線の範囲が水素製造装置1である。
以下、固体高分子形燃料電池システムに本発明を適用した実施の形態1を、図面を参照して説明する。図6に示す固体高分子形燃料電池システムは、水素製造装置1と、水素製造装置1の改質ガス出口に切替バルブ25aを介装した改質ガス供給管12で接続された固体高分子形燃料電池(以下、PEFC)13と、PEFC13のアノード排ガス出口と水素製造装置1を接続する、切替バルブ25bを介装したアノード排ガス排出管14と、切替バルブ25aと切替バルブ25bを接続するPEFCバイパスライン24と、PEFC13に接続されたインバータ23と、を含んで構成されている。図6の点線の範囲が水素製造装置1である。
水素製造装置1は、改質ガス生成手段1aと、付帯設備からなり、改質ガス生成手段1aは、燃焼触媒6と改質触媒7で構成された改質反応器と、改質反応器で生成された改質ガス中に含有される一酸化炭素(以下COと記載)を水蒸気とのCOシフト反応により水素と二酸化炭素に変換するCOシフト触媒を含むCOシフト反応器9と、COシフト反応器9を通過した改質ガス中に残るCOを選択的に酸化除去するCO選択酸化触媒32を含むCO選択酸化器11と、改質触媒7とCOシフト反応器9の間に配置された熱交換器26と、COシフト反応器9とCO選択酸化触媒32の間に配置された熱交換器27と、を含んで構成されている。改質ガス中に残るCOは、PEFC13電極の被毒物質になるので、PEFC13に供給する前に、改質ガス中のCO濃度は、CO選択酸化器11で10ppm以下に低減される。
改質ガス生成手段1aへの燃料である都市ガス4や酸化剤である空気3及び水蒸気は、改質反応器の燃焼触媒6を入り口として供給される。
すなわち、前記付帯設備は、改質ガス生成手段1aの前記入り口に蒸気管15aで接続された蒸気発生器15と、蒸気発生器15に水2を送り込む水供給管17aで接続された水ポンプ17と、改質ガス生成手段1aの前記入り口に空気3を送り込む空気供給管18aで接続された空気ブロア18と、改質ガス生成手段1aの前記入り口に都市ガス4を送り込む都市ガス供給管19aで接続された都市ガスブロア19と、前記熱交換器26に水8を送り込む水供給管20aで接続された水ポンプ20と、前記熱交換器26の水蒸気出口を改質ガス生成手段1aの前記入り口に接続する蒸気管26aと、前記熱交換器27に水10を送り込む水供給管21aで接続された水ポンプ21と、前記熱交換器27の水蒸気出口を改質ガス生成手段1aの前記入り口に接続する蒸気管27aと、前記CO選択酸化器11に空気16を送り込む空気供給管22aで接続された空気ブロア22と、を含んでいる。
前記改質ガス供給管12の水素製造装置1側端部は改質ガス生成手段1aの出側、すなわちCO選択酸化器11の改質ガス出口に接続され、前記アノード排ガス排出管14の水素製造装置1側端部は蒸気発生器15の加熱側(燃焼側)に接続されている。
水素製造装置1の運転開始当初はCO濃度が高いので、切替バルブ25aはPEFCバイパスライン24と水素製造装置1を連通するように、切替バルブ25bはPEFCバイパスライン24と蒸気発生器15を連通するように、それぞれ操作され、水素製造装置1で生成された改質ガスは、PEFCバイパスライン24を通過して蒸気発生器15に供給されて燃焼される。
改質ガス供給管12中のCO濃度が10ppm以下になったら、切替バルブ25a、25bが操作されて改質ガスはPEFC13に供給される。PEFC13に供給された改質ガスの水素は発電に消費され、インバータ23でAC出力として外部へ電力を供給する。未消費水素を含むアノード排ガスはアノード排ガス排出管14を経て蒸気発生器15に供給され、水ポンプ17で供給される水2を加熱して水蒸気5とする燃料として利用される。
原料の都市ガス4は空気3、水蒸気5と共に燃焼触媒6に供給される。供給された都市ガス量の約20%程度が、同伴された空気3により燃焼し、この燃焼熱が次段の改質触媒7へ受け渡されて改質反応の熱源となる。改質触媒7では、水蒸気改質反応(吸熱反応)が進行して水素が生成され、600〜650℃の改質ガスが得られる。
CO選択酸化器11を図8に示す。CO選択酸化器11は、底部に改質ガス投入口31a、上端部に改質ガス出口31bをそれぞれ備えた筐体11aと、筐体11a内の改質ガス投入口31a上方に配置された酸化用空気投入口41と、酸化用空気投入口41上方に配置された触媒支持多孔板33と、触媒支持多孔板33に支持されて筐体11aに充填されたCO選択酸化触媒32aと、CO選択酸化触媒32aの上方に配置された水蒸発器39と、水蒸発器39の上方に配置された触媒支持多孔板43と、触媒支持多孔板43に支持されて筐体11aに充填されたCO選択酸化触媒32bと、改質ガス投入口31a内に配置された入口部熱電対42と、CO選択酸化触媒32b内部に配置された中央部熱電対36と、を含んで構成されている。水蒸発器39は、CO選択酸化触媒32aの入口部の急激な反応熱による温度上昇を抑える位置に設けられている。
酸化用空気投入口41には、空気供給管38aを介して空気ブロア38が接続され、水蒸発器39には、水供給管40aを介して水供給ポンプ40が接続されている。さらに、前記入口部熱電対42と中央部熱電対36は制御器37に接続され、制御器37は、入口部熱電対42と中央部熱電対36の出力を入力として水蒸発器39に投入する水量を決定し、水供給ポンプ40の供給量を制御する構造になっている。さらに、空気ブロア38と水供給ポンプ40をも制御するように構成されている。
以下、本実施の形態による運転方法を図1のフローチャートにより説明する。水素製造装置1の起動では、始めに空気比1.2〜3.0の条件で各触媒を昇温させる(ステップ1)。各触媒の温度がそれぞれ必要な温度に達した後、空気比を0.2〜0.3まで低下させて水素発生条件に移行し、改質反応を開始する(ステップ2)。改質反応の間、通常はCO選択酸化器11には酸化剤として空気を供給するが、改質開始直後には、CO選択酸化触媒32a、32bの還元処理を行うため、COシフト反応器9を通過した改質ガスをCO選択酸化器11に供給しつつ、空気ブロア22(図8では空気ブロア38)によるCO選択酸化器11への空気の供給を停止する(ステップ3)。このとき空気の供給を停止する時間は、1分から5分で十分である。この空気供給停止時間が長いと起動に要する時間が長くなるため、できるだけ短い時間が望ましい。CO選択酸化触媒32a、32bには、空気の供給がない状態で改質ガスが供給され、改質ガス中の水素により、還元反応が進行する。
このときの運転データを図4に示す。CO選択酸化触媒32a、32bの還元処理中に、CO濃度が一時的に100ppmまで達するが、還元処理終了後、即座に10ppm以下になり、改質開始後およそ3分でPEFC13への改質ガス供給(FC連携)開始が可能である(ステップ4)。PEFC13への改質ガス供給でPEFC13の発電運転が行なわれる。PEFC13の発電運転が停止されたら、水素製造装置1の空気パージを行なう(ステップ5)。
一方、従来の運転方法では、改質反応を開始した後、酸化剤の供給は停止されず、還元処理のための特別な操作を行わない。このときの運転データを図5に示す。従来の運転方法では、酸化剤の存在下で、改質ガス中の水素により徐々にCO選択酸化触媒が還元されるため、CO濃度が10ppm以下になるまでに待機時間が必要であった。CO濃度が10ppm以下になるまで15分から30分を費やした。このように本実施の形態によれば、従来の運転方法より起動時間を10分以上短縮することができる。
従来、停止時の空気パージを行うとCO選択酸化触媒を還元処理する必要があり、その際、特許文献2に記載のように、外部の水素源、すなわち水素ボンベが必要であったが、本実施の形態では改質ガスを用いるため水素ボンベを用意する必要がなく、低コスト化、少スペース化が可能である。また、停止時の空気パージによるCO選択酸化触媒の酸化を避けて窒素によるパージを行うと窒素ボンベの設置が必要であったが、本発明の運転方法により、空気パージを採用できるため、これまでの窒素ボンベが不要となり、低ランニングコスト化、少スペース化を達成できる。
すなわち、本実施の形態によれば、水素ボンベ、窒素ボンベのいずれも要することなく、停止時の空気パージを行なうことが可能になり、かつ、CO選択酸化触媒の表面の酸化による起動時の性能低下を解決でき、起動時間を短縮できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図2のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、還元処理(ステップ3)の後にCO選択酸化器11の入口温度を計測するステップ6が追加され、計測された温度が所定の条件を満たしたときには実施の形態1と同じくPEFC連携(ステップ4)、空気パージ、停止(ステップ5)と進む手順と、計測された温度が所定の条件を満たしていないとき、還元処理(ステップ3A)を行なった後、ステップ6に戻る手順を備える点である。他の構成は実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図2のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、還元処理(ステップ3)の後にCO選択酸化器11の入口温度を計測するステップ6が追加され、計測された温度が所定の条件を満たしたときには実施の形態1と同じくPEFC連携(ステップ4)、空気パージ、停止(ステップ5)と進む手順と、計測された温度が所定の条件を満たしていないとき、還元処理(ステップ3A)を行なった後、ステップ6に戻る手順を備える点である。他の構成は実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
実施の形態1において、還元処理の時間が短くCO選択酸化触媒32a、32bの性能がCO濃度を十分に低下させるまで回復しなかった場合、図8に示すような酸化反応による発熱が起こらない。したがって、還元処理後、入口部熱電対42で計測するCO選択酸化器11の入口温度と中央部熱電対36で計測するCO選択酸化器11の流れ方向中央部の温度の差を検出することで、CO選択酸化触媒32a、32bの性能の回復度合いを確認できる。
表1に示すように、入口温度の熱電対42で検出した温度Tiと中央部の熱電対36で検出した温度Tcの温度差(Tc−Ti)が0℃のときは、CO濃度が低下せず、5000ppmまで達する。しかし、CO選択酸化触媒に十分な活性がある場合、つまり、CO選択酸化触媒32a、32bの還元が十分に行なわれた場合、COとO2の酸化反応による発熱によって上記温度差(Tc−Ti)は10℃以上になり、そのときのCO濃度は0ppmにまで低下している。
本実施の形態によれば、前記実施の形態1における効果に加え、CO選択酸化触媒32a、32bの活性判断を、CO選択酸化触媒中央部の発熱反応温度Tcと入口温度Tiの差(Tc−Ti)で判断できるため、高価なCOセンサが不要になり、低コスト化できる。
また、CO濃度が所望の濃度(10ppm以下)に低下したと判断されるまで、PEFC連携が行なわれないため、COによるPEFC電極の劣化を防止できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図3のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態が前記実施の形態2と異なるのは、還元処理の許容繰り返し回数Noを規定し、規定された回数の還元処理を行なってもCO選択酸化触媒の性能が回復しない場合、つまり、前記温度差(Tc−Ti)が10℃未満の場合、CO選択酸化触媒が回復不能な状態にあると判断してCO選択酸化触媒を交換する手順を備えた点である。他の構成は実施の形態2と同じであり、説明を省略する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図3のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態が前記実施の形態2と異なるのは、還元処理の許容繰り返し回数Noを規定し、規定された回数の還元処理を行なってもCO選択酸化触媒の性能が回復しない場合、つまり、前記温度差(Tc−Ti)が10℃未満の場合、CO選択酸化触媒が回復不能な状態にあると判断してCO選択酸化触媒を交換する手順を備えた点である。他の構成は実施の形態2と同じであり、説明を省略する。
本実施の形態においては、予め定められたNo回の還元処理を行っても前記温度差(Tc−Ti)が10℃を超えるような発熱反応が起こらず、CO選択酸化触媒の性能が戻らなかった場合、CO選択酸化触媒32a、32bが劣化していると判断し、触媒交換を実施する。還元処理の許容繰り返し回数Noは、予め実機でデータを採取して設定する。
このように、酸化反応による発熱の確認は触媒劣化の判断指標にできる。触媒が劣化する理由としては、酸化−還元−酸化−還元の繰り返しにより、表面の活性成分が凝縮し、活性点が減少することが挙げられる。
本実施の形態によれば、前記実施の形態2における効果に加え、触媒交換時期を簡便に知ることができ、PEFCのCO被毒を防止できる効果がある。
本発明は、上記実施の形態に限定されるわけでなく、改質ガスがCO選択酸化器11に供給されているときに、CO選択酸化器11への空気供給を一時停止する運転方法をすべて含むものである。
また、CO選択酸化触媒は触媒形状によらずCO選択酸化触媒の形状は粒状でもハニカム状でも構わず、酸化剤の供給によりCO選択酸化反応を有するすべての触媒を含む。特に主成分としては貴金属全般で特にPtやRuなどが望ましい。
1 水素製造装置
2 水
3 空気
4 都市ガス
5 水蒸気
6 燃焼触媒
7 改質触媒
8 水
9 COシフト反応器
10 水
11 CO選択酸化器
12 改質ガス供給管
13 固体高分子形燃料電池(PEFC)
14 アノード排ガス排出管
15 蒸気発生器
16 空気
17 水ポンプ
18 空気ブロア
19 都市ガスブロア
20 水ポンプ
21 水ポンプ
22 空気ブロア
23 インバータ
24 PEFCバイパスライン
25a、25b 切替バルブ
26、27 熱交換器
31a 改質ガス投入口
31b 改質ガス出口
32a、32b CO選択酸化触媒
33 触媒支持多孔板
34 酸化剤(空気)
35 水
36 中央部 熱電対
37 制御器
38 空気ブロア
39 水蒸発器
40 水供給ポンプ
41 酸化剤用空気投入口
42 入口部 熱電対
43 触媒支持多孔板
2 水
3 空気
4 都市ガス
5 水蒸気
6 燃焼触媒
7 改質触媒
8 水
9 COシフト反応器
10 水
11 CO選択酸化器
12 改質ガス供給管
13 固体高分子形燃料電池(PEFC)
14 アノード排ガス排出管
15 蒸気発生器
16 空気
17 水ポンプ
18 空気ブロア
19 都市ガスブロア
20 水ポンプ
21 水ポンプ
22 空気ブロア
23 インバータ
24 PEFCバイパスライン
25a、25b 切替バルブ
26、27 熱交換器
31a 改質ガス投入口
31b 改質ガス出口
32a、32b CO選択酸化触媒
33 触媒支持多孔板
34 酸化剤(空気)
35 水
36 中央部 熱電対
37 制御器
38 空気ブロア
39 水蒸発器
40 水供給ポンプ
41 酸化剤用空気投入口
42 入口部 熱電対
43 触媒支持多孔板
Claims (8)
- 炭化水素系燃料と水又は水蒸気とを原料として水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)と水蒸気を反応させるCOシフト反応器と、酸素を含む気体を酸化剤に用いて前記改質ガスのCO濃度を低減するCO選択酸化器と、を含んでなり、CO選択酸化器を通過した改質ガスを燃料電池に供給するように構成された水素製造装置を運転する方法であって、前記CO選択酸化器に前記改質ガスを供給しつつ、CO選択酸化器に対する酸化剤の供給を少なくとも1回停止し、前記改質ガスに含まれる水素によりCO選択酸化器のCO選択酸化触媒の還元を行う手順を備える水素製造装置の運転方法。
- 請求項1記載の水素製造装置の運転方法において、前記酸化剤の供給停止は、水素製造装置起動時に燃焼ガスによる昇温運転から改質ガスを発生させる改質運転に移行した直後に実施されることを特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項1記載の水素製造装置の運転方法において、前記酸化剤の供給停止は、改質ガスの燃料電池への供給開始後に実施されることを特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の水素製造装置の運転方法において、前記酸化剤の供給を停止する時間は、1回当たり60秒から300秒の範囲とすることを特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項2記載の水素製造装置の運転方法において、少なくとも1回前記還元を行なった後に前記水素製造装置で生成した改質ガスを燃料電池へ供給することを特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の水素製造装置の運転方法において、少なくとも1回前記還元を行なった後に、前記CO選択酸化器の入口部の改質ガス温度Tiと前記CO選択酸化器内の流れ方向中央部の触媒内温度Tcを比較し、Tc−Tiが予め定めた値よりも小さいとき、前記還元を繰り返すこと特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項6記載の水素製造装置の運転方法において、前記還元を繰り返す回数の上限が予め定められており、前記予め定めた回数、還元を繰り返してもTc−Tiが予め定めた値よりも小さいとき、前記CO選択酸化器内のCO選択酸化触媒を交換することを特徴とする水素製造装置の運転方法。
- 請求項7記載の水素製造装置の運転方法において、前記予め定めた値が10℃であることを特徴とする水素製造装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005132125A JP2006306665A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 水素製造装置の運転方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005132125A JP2006306665A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 水素製造装置の運転方法。 |
Publications (1)
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JP2006306665A true JP2006306665A (ja) | 2006-11-09 |
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ID=37473983
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JP2005132125A Pending JP2006306665A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 水素製造装置の運転方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006306665A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008201650A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水素生成装置、燃料電池システム及び水素生成装置の運転方法 |
JP2009067630A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 改質装置及びco選択酸化触媒の酸化判定方法 |
JP2011098839A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Panasonic Corp | 水素発生装置の運転方法および燃料電池システムの運転方法 |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005132125A patent/JP2006306665A/ja active Pending
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