JP4100980B2 - 燃料供給システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料供給システムに係り、特にカードを用いて料金の精算を行うよう構成された燃料供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、セルフサービス方式の計量機が設置された給油所等では、運転者(顧客)自身が給油作業の設定、給油作業、給油料金の精算を行うようになっている。そのため、運転者は、給油を行う前に給油する油種や給油量等のスイッチを有する設定器により所定の油種、給油量または給油金額を入力する設定操作を行った後、給油料金の精算方法を指定するようになっている。
【0003】
給油料金の精算方法としては、現金で支払う方法、またはプリペイドカードで支払う方法等がある。現金で支払う場合、給油所が発行する会員カードを使用すると、通常の現金価格よりも値引きされた単価で算出された給油料金で精算することができる。
【0004】
また、プリペイドカードで支払う場合、給油所側では、料金が先払いなので、料金回収を確実に行えると共に、顧客側では給油料金を現金で支払う場合よりも割引が大きいといったメリットがあり、プリペイドカードの利用が促進される傾向にある。
【0005】
セルフサービス方式の計量機の近傍に給油金額の自動支払機が設けられているアイランド精算方式の場合、プリペイドカードがカードリーダ・ライタに挿入された後に油種を選択すると、選択された油種に対応する油種単価が表示部に表示されると共に、プリペイドカードの残額分のプリセット給油が自動的に設定される。そして、所望の油種(レギュラー、ハイオク、軽油等)の給油ノズルをノズル掛けから外してノズルレバーを開弁操作することで給油が開始される。
【0006】
計量機に搭載された流量計の計測値(車両への給油量)がプリセット給油量に達する前に満タンとなって自動停止になった場合、給油終了後、プリペイドカードに記録された金額から給油金額を減算した残金データをプリペイドカードに書き込んでプリペイドカードを返却する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の燃料供給システムでは、プリペイドカードの磁気記憶部として形成された磁性材が塗布された磁気ストライプに磁気ヘッドが摺接して給油料金を差し引いた残金データを記録する方式で金額データをプリペイドカードに書き込むため、磁気ストライプが摩耗したり、損傷していると、金額データを正常に書き込むことができない場合がある。
【0008】
その場合、次回の給油を行う際にプリペイドカードを設定器のカード挿入口に挿入してもプリペイドカードから残金データを正常に読み取ることができないため、プリペイドカードを持っているにも拘らず、給油できないといった不都合が生じる。
【0009】
また、プリペイドカードは、入金することにより何回でも金額データを更新することができるので、利用者によって1枚当たりの使用回数が多くなる場合があり、長期間の使用により磁気ストライプが損傷することがある。
そこで、本発明は上記課題を解決した燃料供給システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
【0011】
上記請求項1の発明は、予め支払われた金額データを記録されたカードが挿入されるカードデータ読み取り・書き込み装置と、カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、新規カードを保管する新規カード保管手段と、燃料供給装置からの供給された燃料の料金をカードに記憶された金額データから差し引いた第1の金額データをカードに書き込んだ後、当該カードから読み込んだ第2の金額データとカードに書き込むべき第1の金額データとを比較する比較手段と、比較手段により第1の金額データと第2の金額データとが一致しない場合、カードに記憶されている金額データを消去した後に、当該カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、新規カード保管手段に保管されている新規カードに、第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、を備えており、カードに書き込まれた第2の金額データとカードに書き込むべき第1の金額データとが一致しない場合、カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、第1の金額データが書き込まれた新規カードを自動的に発行することにより、次回から異常が発生した古いカードに代わって正常な新規カードを使用できるので、顧客(利用者)が不都合を感じないようにできる。
【0012】
また、請求項2の発明は、予め支払われた金額データ記録されたカードの金額データを読み取ると共に、当該金額データより当該カードを利用して供給を受けた燃料の料金を差し引いた第1の金額データを当該カードに書き込むカードデータ読み取り・書き込み装置と、該カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、前記燃料供給装置による燃料の供給後の前記第1の金額データを前記カードに書き込んだ後、当該カードから金額データを第2の金額データとして読み込み、当該第2の金額データと前記第1の金額データとを比較する比較手段と、前記比較手段により前記第1の金額データと前記第2の金額データとが一致しない場合、前記カードの排出を停止させるカード排出停止手段と、を備えており、カードに記録された金額データが正常でない場合には、異常が発生した当該カードの排出を禁止して当該カードが異常であることを顧客(利用者)に知らせることが可能になる。これにより、利用者は、例えば、給油所の係員にカードが異常であることを連絡して正常な新規カードが発行されるように指示することが可能になる。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の燃料供給システムであって、前記カード排出停止手段により停止された前記カードの排出を指示するためのカード排出スイッチと、前記カード排スイッチの操作に基づき、前記カード排出停止手段により排出が停止されたカードを前記カードデータ読み取り・書き込み装置より排出するカード排出手段と、を備えてなるため、例えば、利用者が給油所の係員にカードが排出しない旨を伝えることで係員がカード排出スイッチを操作して当該カードを排出することが可能になり、異常のあったカードが自動的に排出されることを防止して利用者及び給油所の係員にカード異常が発生したことを認識させることが可能になる。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の燃料供給システムであって、前記カード排出手段に基づき前記カードデータ読み取り・書き込み装置よりカードが排出されたことを検出した場合に、前記新規カード保管手段に保管されている新規カードに、前記第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、を備えてなるため、係員がカード排出スイッチを操作することにより、当該カードを排出するのに続いて新規カードを発行させることで、係員が新規カードの発行作業を行なうことなく新規カードを自動的に発行することができ、また、利用者にカード異常による不便をかけないように対処することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明になる燃料供給システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、燃料供給システムとしての給油システム10は、大略、給油エリア11に複数のセルフサービス給油方式の計量機(燃料供給装置)12(12〜12)と、各計量機12(12〜12)に設けられた設定器14(14〜14)と、事務所16内に設置された管理コンピュータ18とからなる。
【0014】
管理コンピュータ18は、モニタ18a及びプリンタ18bを有する。モニタ18aは、給油所の係員の入力操作に応じて設定された表示画面を表示する。また、プリンタ18bは、例えば、給油所の閉店時にその日に給油を行った油液の各油種毎の給油量、給油金額、料金先払いのプリペイドカード71の発券枚数やカード購入のための入金金額などを印字した伝票を発行する。
【0015】
管理コンピュータ18の記憶装置19には、油種単価及び発行済みの全プリペイドカード71の流通カード残高(給油可能金額データ)、各給油ノズルの給油量、給油金額、各油種別の給油量、給油金額、プリペイドカード71の新規発券枚数、書換え枚数、加金枚数及び金額、現金給油の金額、軽油税、消費税、ポイントなどその日の給油に関する各数値データなども記憶されている。
【0016】
設定器14(14〜14)は、セルフサービスユニットとも呼ばれており、各計量機12(12〜12)に付設されている。また、設定器14(14〜14)は、給油を行う操作者(顧客)が所望する油種、給油量または給油金額を入力することにより各計量機12(12〜12)での給油を可能にする。尚、管理コンピュータ18は、計量機12(12〜12)及び設定器14(14〜14)と通信回線(SS−LAN)20を介して接続されている。
【0017】
また、給油所の管理コンピュータ18は、釣り銭機24と接続されている。釣り銭機24は、セルフサービス給油を行った顧客が現金で精算して釣り銭が必要な場合、設定器14から発行されたレシート(伝票)に記載された釣り銭の金額を現金で払い戻す。
【0018】
給油所に到着した車両の運転者(顧客)は、まず給油エリア11の空いている計量機12の前に車両を停車させてから設定器14の設定操作を行う。そして、設定器14は、紙幣またはプリペイドカード71が挿入されて油種が選択されると、管理コンピュータ18へ設定データ(油種、入金金額)を送信する。これに対し、管理コンピュータ18は、当該給油ポイントの計量機12へ給油許可信号を出力する。これで、計量機12は、給油可能な状態になり、顧客は計量機12の給油ノズルを車両の給油口(図示せず)に挿入して給油を開始することができる。
【0019】
図2は設定器14の概略構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、設定器14は、油種入力部26と、油種設定部28と、紙幣挿入部30と、紙幣識別部32と、カード挿入部34と、未使用の新規カードを保管する新規カード保管部(新規カード保管手段)35と、カードリーダ・ライタ(カードデータ読み取り・書き込み装置)36と、カード発券スイッチ37と、確認スイッチ38と、キャンセルスイッチ39と、油種表示部40と、入金金額表示部42と、単価表示部43と、レシート発行部46と、スピーカ48と、レシート発行スイッチ50と、釣り銭ランプ52と、これらを制御する制御部54と、メモリ(記憶手段)55とを有する。
【0020】
制御部54のメモリ55には、供給された燃料の料金をプリペイドカード71に記憶された金額データから差し引いた残金データをプリペイドカード71に書き込み、当該プリペイドカード71に書き込まれた金額データとプリペイドカード71に書き込むべき残金データとを比較する制御プログラム(比較手段)が格納されている。また、メモリ55には、プリペイドカード71に書き込まれた金額データとプリペイドカード71に書き込むべき残金データとが一致しない場合、残金データを記憶する制御プログラム(記憶手段)が格納されている。
【0021】
また、メモリ55には、プリペイドカード71に書き込まれた金額データとプリペイドカード71に書き込むべき残金データとが一致しない場合、カードに記憶されている金額データを消去した後に、当該カードをカードリーダ・ライタ36から排出し、続いて、新規カード保管部35に保管されている新規カードに第1の金額データを書き込み、当該新規カードを発行する制御プログラム(カード発行手段)と、記憶された残金データが書き込まれた新規カードが発行されたことを報知する制御プログラム(報知手段)とが格納されている。
【0022】
カードリーダ・ライタ36は、管理コンピュータ18からの指令、あるいは紙幣挿入部30に入金された後、カード発券スイッチ37がオンに操作されると、未使用のカード71が100枚程度ストックされたカードストッカー(図示せず)から1枚のカード71を引き出して紙幣識別部32で識別された入金金額のデータを当該カード71に磁気記憶させたプリペイドカード71を発行する。
【0023】
また、カードリーダ・ライタ36は、後述するようにプリペイドカード71に書き込まれた金額データとプリペイドカード71に書き込むべき残金データとが一致しない場合、プリペイドカード71を排出し、続いて、新規カード保管部35に保管されている新規カードに残金データ(第1の金額データ)を書き込み、当該新規のプリペイドカード71を発行する。
【0024】
油種入力部26は、操作者が給油する油種(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油のいずれか)を指定するものであり、油種設定部28は油種入力部26により入力された油種を今回給油する油種情報として設定する。
【0025】
紙幣挿入部30には、給油前に現金1万円札、5千円札、2千円札、千円札のいずれかが挿入される。そして、紙幣識別部32では、紙幣挿入部30に挿入された紙幣の鑑定を行って、紙幣の入金金額を検出する。
【0026】
また、カード挿入部34は、給油料金をプリペイドカード71で精算する場合、プリペイドカード71が挿入される。そして、カードリーダ・ライタ36では、カード挿入部34に挿入されたプリペイドカード71に記録された金額データ(残金データ)または金額に対応する度数データ、あるいは会員番号、あるいは会社コードを読み取る。また、プリペイドカード71の場合、磁気ストライプ(磁気記憶部)に給油金額を差し引いた金額(残金)を書き込む。
【0027】
また、カード発券スイッチ37は、顧客自身が新しいプリペイドカード71を購入する際に操作させるスイッチであり、例えば、千円、2千円、5千円、一万円といった入金された紙幣金額に応じた金額データが書き込まれた新しいプリペイドカード71を取得するためのものである。
【0028】
確認スイッチ38は、油種表示部40に表示された油種及び入金金額表示部42に表示された入金金額を確認されると、押圧操作される。単価表示部43は、各油種毎の1リットル当りの単価を表示する。また、キャンセルスイッチ39は、入力した設定事項(油種や入金金額)をキャンセルする際に操作されるスイッチである。
【0029】
レシート発行部46は、給油終了後、給油した油種、給油量、給油金額、入金金額、釣り銭金額を印字したレシート74を発行する。スピーカ48は、油種設定の操作方法や入金方法や釣り銭を受け取る場合の方法を音声でガイダンスする。
【0030】
レシート発行スイッチ50は、給油終了後に顧客がレシート発行を希望する場合に押圧操作されるものである。また、釣り銭ランプ52は、給油終了後に点灯してお釣りがあることを顧客に報知するものである。
【0031】
図3は設定器14に設けられた操作パネルの一例を示す正面図である。
図3に示されるように、設定器14の操作パネル56は、▲1▼プリカ/紙幣挿入→プリカをお持ちの方→残金の少ない方は紙幣も挿入して下さい→プリカを挿入→▲2▼へ進む。プリカ購入の方→紙幣挿入口→発券ボタンを押す→プリカを取る→プリカを挿入→▲2▼へ進む。現金給油の方→紙幣挿入口→▲3▼へ進む。▲2▼油の種類を押す、▲3▼確認→選んだ油の種類と金額を確認したらYESボタンを押し給油して下さい、NOボタンを押すと、紙幣、プリカが返却されます。▲4▼プリカ/レシートを取る→レシートが必要な方はランプ点滅中にレシートボタンを押して下さい、といった操作手順が記載されている。
【0032】
「▲1▼プリカ/紙幣挿入」の欄には、紙幣挿入部(紙幣返却も行う)30と、カード挿入部(発券及びカード返却も行う)34と、カード発券スイッチ37と、入金金額表示部42と、単価表示部43が配置されている。
さらに、「▲2▼油の種類を押す」の欄には、給油する油種を指定するための油種入力部26として軽油選択スイッチ58、ハイオク選択スイッチ60、レギュラー選択スイッチ62が配置されている。また、軽油選択スイッチ58、ハイオク選択スイッチ60、レギュラー選択スイッチ62は、ランプが内蔵されており、後述するようにオンに操作されると点灯して選択された油種であることを表示する。
【0033】
「▲3▼確認」の欄には、確認スイッチ(YESスイッチ)38と、キャンセルスイッチ(NOスイッチ)39とが設けられている。
「▲4▼プリカ/レシートを取る」の欄には、レシート発行部46と、レシート発行スイッチ50とが設けられている。尚、レシート発行スイッチ50は、ランプが内蔵されており、給油後に点滅してレシート発行の有無を知らせる。
【0034】
図4はプリペイドカードの裏面に記載される給油料金支払いデータの一例を示す図である。
図4に示されるように、プリペイドカード71は、磁気カードからなり給油金額を上書きできるリライト方式のプリペイドカードである。そして、このプリペイドカード71の裏面には、給油料金を支払うための給油可能金額(残金)データが印字されている。この給油可能金額(残金)データは、30回まで印字することができる。従って、プリペイドカード71の裏面に記載された給油可能金額(残金)データにより過去の給油料金の支払い状況を確認することができる。
また、プリペイドカード71は、表面に金額データが磁気記録される磁性材が被覆された磁気記憶部71aが形成されている。
【0035】
そして、カードリーダ・ライタ36は、プリペイドカード71が挿入されると、磁気記録された残金データ(残金金額)を読み取ることができると共に、給油終了後に給油料金を差し引いた金額を給油料金精算後の残金データとして更新できる。
【0036】
ここで、上記燃料供給システムにおける設定器14が実行する制御処理について説明する。
図5は設定器14の制御部54が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
図5に示されるように、設定器14の制御部54は、ステップS11(以下「ステップ」を省略する)でプリペイドカード71がカード挿入部34からカードリーダ・ライタ36に挿入されると、S12に進み、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記録された金額データを読み込む。
【0037】
次のS13では、上記軽油選択スイッチ58、ハイオク選択スイッチ60、レギュラー選択スイッチ62の何れかがオンに操作されて油種選択が行われたかどうかをチェックする。S13において、油種選択操作が行われると、S14に進み、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記録された金額データの範囲で給油できる給油金額及び給油量を表示する。
【0038】
次のS15では、紙幣挿入部30に紙幣が挿入されたかどうかをチェックする。S15で紙幣挿入部30に紙幣の挿入があったときは、S16に進み、挿入された入金金額に応じた給油金額及び給油量を表示する。この場合、上記プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記録された金額データに入金された紙幣金額を加算した金額が給油可能金額として表示される。
【0039】
また、上記S15において、紙幣挿入部30に紙幣が挿入されないときは、S17に進み、給油ノズルがノズル掛け(図示せず)から外されたかどうかをチェックする。S17において、ノズル掛けに設けられたノズルスイッチがオンであるときは、給油ノズルがノズル掛けから外されたものと判断し、S18の給油処理に移行する。
【0040】
また、S17において、ノズル掛けに設けられたノズルスイッチ(図示せず)がオフであるときは、上記S15に戻る。
【0041】
S18では、車両の燃料タンクに給油された給油量を積算すると共に、給油料金を算出する。次のS19では、給油ノズルがノズル掛けに戻されたかどうかをチェックする。S19において、ノズル掛けに設けられたノズルスイッチがオンであるときは、給油ノズルがノズル掛けに戻されていないので、上記S18に戻り、給油処理を行う。また、S19において、ノズル掛けに設けられたノズルスイッチがオフであるときは、給油ノズルがノズル掛けに戻されているので、給油が終了したものと判断し、S20に進む。
【0042】
S20では、プリペイドカード71から読み込んだ金額データ(及び挿入された紙幣金額を含む金額)から今回給油された給油料金を減算し、給油料金を差し引いた残金データ(第1の金額データ)を演算する。
【0043】
続いて、S21では、残金データをプリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶させると共に、メモリ55にも残金データを記憶させる。そして、レシート発行部46から給油料金及びプリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された残金データ(第1の金額データ)が印字されたレシート74を発行させる。
【0044】
次のS22では、プリペイドカード71に書き込んだ残金データ(第2の金額データ)を読み込む。そして、S23に進み、上記S22で読み込んだ残金データ(第2の金額データ)と上記S21でメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)を比較して一致するか否か、あるいはレシート74に印字された残金データ(第2の金額データ)と上記S21でメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)を比較して一致するか否かをチェックする(比較手段)。
【0045】
上記S23において、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された残金(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが一致した場合、あるいはレシート74に印字された残金データ(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが一致した場合には、S24に進み、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された金額データが正常であるので、プリペイドカード71を排出して顧客(利用者)に返却する。
【0046】
また、上記S23において、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された残金(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが不一致の場合、あるいはレシート74に印字された残金データ(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが不一致の場合には、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された金額データが異常であるので、S25に進み、当該プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された金額データを消去する。
【0047】
次のS26では、当該プリペイドカード71(図6を参照)に使用不可(あるいは使用禁止)を示す文字を印字する。図6に示されるように、例えば、プリペイドカード71には、「このカードは異常が発生しました。代わりに新規カードを発行します」といったメッセージを印字する。また、プリペイドカード71にパンチ孔71aを設けることにより、利用者が視覚的にカードリーダ・ライタ36への挿入が禁止されたことを認識できると共に、カードリーダ・ライタ36においてもパンチ孔71aを検出することで磁気記憶部71aに記憶された金額データの読み取りを拒否することが可能になる。
【0048】
次のS27では、当該プリペイドカード71のID番号を使用禁止とする禁止データを当該プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶させる。
【0049】
S28では、プリペイドカード71を排出して顧客(利用者)に返却する。次のS29で禁止データが書き込まれたプリペイドカード71がカード挿入部34から取り出されたかどうかをチェックする。S29において、使用禁止のプリペイドカード71がカード挿入部34から取り出されると、S30に進み、新規カード保管部35に保管されている新規カードにメモリ55に記憶された残金データ(第1の金額データ)を記憶させると共に印字させる(カード発行手段)。そして、S31ではメモリ55に記憶された残金データ(第1の金額データ)を書き込まれた新規カードをカード挿入部34から排出させると共に、図7に示すようなレシート74をレシート発行部46から発行する(カード発行手段)。
【0050】
このように、顧客のプリペイドカード71の磁気記憶部71aに異常が発生して使用できない場合には、使用禁止された当該プリペイドカード71が排出されるの続いて新規カード発行されるので、顧客が新規カードを取り忘れることが無く、且つレシート74(図7を参照)が発行されるので、新規カードの発行をその場で確認することが可能になっている。
【0051】
従って、本実施例では、プリペイドカード71に書き込まれた残金データ(第2の金額データ)とプリペイドカード71に書き込むべき残金データ(第1の金額データ)とが一致しない場合、カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、残金データ(第1の金額データ)が正しく書き込まれた新規カードを自動的に発行することにより、次回から異常が発生した古いプリペイドカード71に代わって正常な新規カードを使用できるので、顧客(利用者)が不都合を感じないようにできる。
【0052】
ここで、変形例について図8を参照して説明する。
図8は設定器14の制御部54が実行する変形例の制御処理を説明するためのフローチャートである。
図8に示されるように、S41〜S54の処理は、前述したS11〜S24の処理と同一であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0053】
設定器14の制御部54は、S53において、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された残金(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが不一致の場合、あるいはレシート74に印字された残金データ(第2の金額データ)とメモリ55に記憶させた残金データ(第1の金額データ)とが不一致の場合には、プリペイドカード71の磁気記憶部71aに記憶された金額データが異常であるので、S55に進み、カードリーダ・ライタ36に挿入されたプリペイドカード71の排出動作を停止する。これにより、プリペイドカード71は、カードリーダ・ライタ36に挿入された状態を維持する。
【0054】
次のS56では、プリペイドカード71への残金データの書き込みエラーが発生したことを報知する(報知手段)。この残金データの書き込みエラーを報知する方法としては、音声メッセージで顧客に報知しても良いし、あるいはディスプレイ等に文字情報として表示することも可能である。
【0055】
次のS57では、異常のあったプリペイドカード71の排出が指示されたかどうかをチェックする。S57において、例えば、顧客が給油所の係員を呼んで、係員がカード排出スイッチ(図示せず)がオンに操作してプリペイドカード71の排出を指示したときは、S58に進み、カードリーダ・ライタ36に挿入されたプリペイドカード71をカード挿入部34から排出する。
【0056】
続いて、S59において、異常が発生したプリペイドカード71がカード挿入部34から取られると、S60に進み、新規カード保管部35に保管されている新規カードにメモリ55に記憶された残金データ(第1の金額データ)を記憶させると共に印字させる(カード発行手段)。そして、S61では、メモリ55に記憶された残金データ(第1の金額データ)を書き込まれた新規カードをカード挿入部34から排出させると共に、図7に示すようなレシート74をレシート発行部46から発行する(レシート発行手段)。
【0057】
このように、プリペイドカード71に記録された金額データが正常でない場合には、S56で異常が発生した当該プリペイドカード71の排出を禁止して当該プリペイドカード71が異常であることを顧客(利用者)に知らせることが可能になる。これにより、顧客(利用者)は、例えば、給油所の係員にカードが異常であることを連絡して正常な新規カードが発行されるように指示することも可能になる。
【0058】
尚、上記実施例では、プリペイドカード71が磁気記録部を有するものとしたが、これに限らず、他の記憶形式のカード(例えば、ICカードやメモリカード等)を使用できるのは勿論である。
【0059】
また、上記実施例では、給油所で油液を給油する場合について説明したが、これに限らず、ガソリンや軽油以外の燃料として、例えば、CNG,LPG,LNGあるいは燃料電池で使用される水素等を供給する燃料供給システムにも適用できるのは勿論である。
【0060】
また、上記実施例では、セルフサービス方式の計量機で給油する構成の給油システムを一例として挙げたが、これに限らず、本発明は給油所の係員が給油操作を行う通常の給油システムにも適用できるのは勿論である。
【0061】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1の発明によれば、予め支払われた金額データを記録されたカードが挿入されるカードデータ読み取り・書き込み装置と、カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、新規カードを保管する新規カード保管手段と、燃料供給装置からの供給された燃料の料金をカードに記憶された金額データから差し引いた第1の金額データをカードに書き込んだ後、当該カードから読み込んだ第2の金額データとカードに書き込むべき第1の金額データとを比較する比較手段と、比較手段により第1の金額データと第2の金額データとが一致しない場合、カードに記憶されている金額データを消去した後に、当該カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、新規カード保管手段に保管されている新規カードに、第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、を備えたため、カードに書き込まれた第2の金額データとカードに書き込むべき第1の金額データとが一致しない場合、カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、第1の金額データが書き込まれた新規カードを自動的に発行することにより、次回から異常が発生した古いカードに代わって正常な新規カードを使用できるので、顧客(利用者)が不都合を感じないようにできる。
【0062】
また、請求項2の発明によれば、予め支払われた金額データが記録されたカードの金額データを読み取ると共に、当該金額データより当該カードを利用して供給を受けた燃料の料金を差し引いた第1の金額データを当該カードに書き込むカードデータ読み取り・書き込み装置と、該カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、前記燃料供給装置による燃料の供給後の前記第1の金額データを前記カードに書き込んだ後、当該カードから金額データを第2の金額データとして読み込み、当該第2の金額データと前記第1の金額データとを比較する比較手段と、前記比較手段により前記第1の金額データと前記第2の金額データとが一致しない場合、前記カードの排出を停止させるカード排出停止手段と、を備えたため、カードに記録された金額データが正常でない場合には、異常が発生した当該カードの排出を禁止して当該カードが異常であることを顧客(利用者)に知らせることが可能になる。これにより、利用者は、例えば、給油所の係員にカードが異常であることを連絡して正常な新規カードが発行されるように指示することが可能になる。
また、請求項3の発明によれば、請求項2に記載の燃料供給システムであって、前記カード排出停止手段により停止された前記カードの排出を指示するためのカード排出スイッチと、前記カード排スイッチの操作に基づき、前記カード排出停止手段により排出が停止されたカードを前記カードデータ読み取り・書き込み装置より排出するカード排出手段と、を備えてなるため、例えば、利用者が給油所の係員にカードが排出しない旨を伝えることで係員がカード排出スイッチを操作して当該カードを排出することが可能になり、異常のあったカードが自動的に排出されることを防止して利用者及び給油所の係員にカード異常が発生したことを認識させることが可能になる。
また、請求項4の発明によれば、請求項3に記載の燃料供給システムであって、前記カード排出手段に基づき前記カードデータ読み取り・書き込み装置よりカードが排出されたことを検出した場合に、前記新規カード保管手段に保管されている新規カードに、前記第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、を備えてなるため、係員がカード排出スイッチを操作することにより、当該カードを排出するのに続いて新規カードを発行させることで、係員が新規カードの発行作業を行なうことなく新規カードを自動的に発行することができ、また、利用者にカード異常による不便をかけないように対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる給油システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】設定器14の概略構成を示すブロック図である。
【図3】設定器14に設けられた操作パネルの一例を示す正面図である。
【図4】プリペイドカードの裏面に記載される給油料金支払いデータの一例を示す図である。
【図5】設定器14の制御部54が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】異常が発生したプリペイドカードへの印字例を示す図である。
【図7】異常が発生したプリペイドカードを発行する場合のレシートの印字例を示す図である。
【図8】設定器14の制御部54が実行する変形例の制御処理を説明するためのフローチャートである
【符号の説明】
12(12〜12) 計量機
14(14〜14) 設定器
18 管理コンピュータ
18a モニタ
18b プリンタ
19 記憶装置
26 油種入力部
28 油種設定部
30 紙幣挿入部
32 紙幣識別部
34 カード挿入部
35 新規カード保管部
36 カードリーダ・ライタ
37 カード発券スイッチ
38 確認スイッチ
39 キャンセルスイッチ
40 油種表示部
42 入金金額表示部
43 単価表示部
46 レシート発行部
50 レシート発行スイッチ
52 釣り銭ランプ
56 操作パネル
58 軽油選択スイッチ
60 ハイオク選択スイッチ
62 レギュラー選択スイッチ
71 プリペイドカード

Claims (4)

  1. 予め支払われた金額データを記録されたカードが挿入されるカードデータ読み取り・書き込み装置と、該カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、
    新規カードを保管する新規カード保管手段と、
    前記燃料供給装置からの供給された燃料の料金を前記カードに記憶された金額データから差し引いた第1の金額データを前記カードに書き込んだ後、当該カードから読み込んだ第2の金額データと前記カードに書き込むべき第1の金額データとを比較する比較手段と、
    前記比較手段により前記第1の金額データと前記第2の金額データとが一致しない場合、前記カードに記憶されている金額データを消去した後に、当該カードをカードデータ読み取り・書き込み装置から排出し、続いて、前記新規カード保管手段に保管されている新規カードに、前記第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、
    を備えてなることを特徴とする燃料供給システム。
  2. 予め支払われた金額データが記録されたカードの金額データを読み取ると共に、当該金額データより当該カードを利用して供給を受けた燃料の料金を差し引いた第1の金額データを当該カードに書き込むカードデータ読み取り・書き込み装置と、該カードデータ読み取り・書き込み装置に挿入されたカードから読み取られた金額データに基づいて燃料を供給する燃料供給装置とを備えてなる燃料供給システムにおいて、
    前記燃料供給装置による燃料の供給後の前記第1の金額データを前記カードに書き込んだ後、当該カードから金額データを第2の金額データとして読み込み、当該第2の金額データと前記第1の金額データとを比較する比較手段と、
    前記比較手段により前記第1の金額データと前記第2の金額データとが一致しない場合、前記カードの排出を停止させるカード排出停止手段と、
    を備えてなることを特徴とする燃料供給システム。
  3. 請求項2に記載の燃料供給システムであって、
    前記カード排出停止手段により停止された前記カードの排出を指示するためのカード排出スイッチと、
    前記カード排スイッチの操作に基づき、前記カード排出停止手段により排出が停止されたカードを前記カードデータ読み取り・書き込み装置より排出するカード排出手段と、
    を備えてなることを特徴とする燃料供給システム。
  4. 請求項3に記載の燃料供給システムであって、
    前記カード排出手段に基づき前記カードデータ読み取り・書き込み装置よりカードが排出されたことを検出した場合に、前記新規カード保管手段に保管されている新規カードに、前記第1の金額データを書き込み新規カードを発行するカード発行手段と、
    を備えてなることを特徴とする燃料供給システム。
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