JPH07237697A - 給油装置、及びこれに使用する給油伝票 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価な釣り銭放出機の台数を可及的に少なく
するとともに、釣銭の詐取を防止すること。 【構成】 投入された貨幣を鑑別する貨幣鑑別機２１、
釣銭額及び給油データを可視可能に、また伝票を特定す
るための特定データを機械読取り可能に伝票用紙に記録
して給油伝票を発行する伝票発行機２３、特定データを
読み取るデータ読取り機４２と、読み取られたデータと
給油終了時のデータとの一致性を判断する判断手段４１
とを有し、データの一致が確認できた場合にだけ釣銭放
出機４４を作動させて釣り銭を放出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前払による給油を可能
とする給油装置におけける釣銭の不正受け取りを防止す
る技術、及びこれに適した給油伝票に関する。

【０００２】

【従来の技術】給油作業の簡素化を図るために、一定の
金額を投入すると、給油装置が給油可能な状態となり、
給油終了後に清算を行って釣り銭を放出する機構を備え
た給油装置が提案されている（特公昭49-36440号公
報）。このような装置によれば、清算業務を簡素化でき
る半面、釣り銭に必要な多種類の小銭を放出できる現金
支払装置が必要となるため、釣銭額を記録した釣銭カー
ドを発行して、これを複数の給油ユニットに対して配置
された１台の釣銭支払い装置に挿入して釣銭を受け取る
構成となる。しかしながら、釣銭支払い装置と給油ユニ
ットとがリンクしている場合には、少なくとも給油を行
った者でない限り、釣銭カードを使用することが不可能
であるため、釣銭カードを改ざんするなどの不正使用で
きる可能性が低いが、給油ユニットとのリンクが薄れた
場合には不正使用される可能性が大きくなるという問題
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、真正な伝票に対してのみ、釣銭を支払うようにし
た新規な給油装置、及びこれに適した給油伝票を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、投入された貨幣を鑑別する
手段、釣銭額、及び給油データを可視可能に、また伝票
を特定するための特定データを機械読取り可能に伝票用
紙に記録して給油伝票を発行する伝票発行手段及び前記
特定データを読み取るデータ読取り手段と、該データ読
取り手段からのデータと給油終了時のデータとの一致性
を判断して釣り銭を放出する釣銭支払い手段とを備える
ようにした。

【０００５】

【作用】給油伝票に伝票を特定するための特定データが
機械読取り可能に記録されているため、給油終了時のデ
ータと比較して釣銭支払い手段側で伝票の真偽を自動的
に確認できる。

【０００６】

【実施例】そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施
例に基づいて説明する。図２は、本発明が適用された給
油設備の一実施例を示すものであって、図中符号１、１
‥‥は、本発明が特徴とする給油装置で、道路に面して
設けられた車両の入口と出口とを結ぶように配置され、
それぞれ給油ユニット２と会計管理装置３とから構成さ
れている。

【０００７】一方、事務所８には各装置を統括制御する
ＰＯＳ９、及び後述する給油伝票のデータに基づいて釣
銭を放出する釣銭支払い装置７が、複数の、この実施例
では２台の給油ユニットに対して１台の割合で設置され
ている。

【０００８】給油ユニット２は、図３に示したように給
油ノズル１０と、給油ノズル１０がノズル掛１１にセッ
トされたことを検出するノズルスイッチ１２と、ポンプ
モータ１３により駆動される給油ポンプ１４と、これの
吐出口に接続された流量計１５と、流量をパルス信号に
変換する流量パルス発信器１６と、流量計１５の吐出口
に接続された電磁弁１７と、給油量を表示する表示器１
８とを備え、後述する制御手段１９によりその動作が制
御されている。

【０００９】給油ユニット２に隣接して会計管理装置３
が設置されている。会計管理装置３は、貨幣投入口２０
を備えた貨幣鑑別機２１、投入された貨幣の金額を表示
する表示器４、給油条件を確認したことを指示する確認
釦２２、伝票を発行する給油伝票発行機２３を備え、後
述する制御手段２５によりその動作が制御されている。

【００１０】図１は、本発明の一実施例を示すものであ
って、図中符号２は給油ユニットを、また符号３は会計
管理装置を、符号７は釣銭支払い装置を、また符号９は
これら各装置を統括制御するＰＯＳをそれぞれ示してい
る。まず、会計管理装置３について説明する。

【００１１】図中符号２６は、計数手段で、貨幣鑑別機
２１により判定された貨幣の金額を合計する。２２は、
確認釦で、顧客が機番や、油種の選択など給油条件を確
認して押下すると、計数手段２６び金額を送受信手段２
８を介してＰＯＳ９に送信するように構成されている。
なお、ＰＯＳ９は、この信号を受けて、給油許可信号や
前払金額のデータを給油ユニット２に送信する。

【００１２】図中符号２３は、給油伝票発行手段で、給
油が終了したときにＰＯＳ９から送信されて来る給油伝
票印刷用のデータを給油伝票に印字するように構成され
ている。この給油伝票発行機２３は、ＰＯＳ９からのデ
ータに基づいて給油量や給油年月日、投入金額、消費
税、釣銭額の他に、機械により読取り可能な形態、例え
ばバーコードで給油年月日や伝票番号等の伝票を特定で
きるデータ（以下、特定データという）を所定の位置に
記録するように構成されている。

【００１３】図４は、本発明の給油装置に適した給油伝
票の一実施例を示すものであって、図中符号５０は伝票
用紙で、油種を印刷する欄５１、給油量を印刷する欄５
２、単価を印刷する欄５３、金額を印刷する欄５４、消
費税を印刷する欄５５、請求金額を印刷する欄５６、入
金金額を印刷する欄５７、釣銭を印刷する欄５８、及び
所定の位置、この実施例では左下隅に機械での読取りが
可能な形態、この実施例ではバーコードにより特定デー
タを印刷する欄５９を設けて構成されている。

【００１４】次に給油ユニット２について説明する。給
油ユニット２には３つの給油系統があるが、その１つを
代表して説明すると、３０は、ゲート手段で、送受信手
段３８を介して受けたＰＯＳ９からの給油許可信号によ
り開放された以後、給油可能な状態に設定するものであ
る。

【００１５】このようにしてゲート３０が開放されてい
ると、ノズル１０をノズル掛け１１から外すと、ノズル
スイッチ１２がオンになって流量パルス発信器１６から
の流量パルスを積算する計数手段３２が帰零し、同時に
ポンプモータ１３が作動し、弁１７も開弁して給油準備
体制となる。

【００１６】３３は、演算手段で、計数手段３２により
求められた給油量と単価記憶手段３４の単価データと、
税率記憶手段３５の税率データとにより給油量に一致す
る合計請求金額を算出し、表示器１８に表示するもので
ある。３６は、比較手段で、演算手段３３で演算された
税金も含めた請求金額と送受信手段３８を介してＰＯＳ
９から送られてきた合計前払金額を記憶している金額記
憶手段３７の金額とを比較し、一致した時点で弁１７を
閉弁させ、またポンプモータ１３の作動を停止させる信
号を出力するものである。

【００１７】そしてノズル１０がノズル掛け１１に戻さ
れてノズルスイッチ１２から信号が出力した時点で、演
算手段３３で算出された給油代金や当該給油装置の機番
を送受信手段３８を介してＰＯＳ９に出力するように構
成されている。なお、ＰＯＳ９は、この信号を受けて給
油伝票印字データを会計管理装置３に送信し、かつ釣銭
が有る場合には釣銭データを釣銭支払い装置７に送信す
る。

【００１８】次に釣銭支払い装置７について説明する。
４０は、一時記憶手段で、釣銭を必要とする給油行為に
より発生したデータだけを対象として記憶するもので、
給油終了後にＰＯＳ９から伝送されてくる釣銭データを
一時的に格納するように構成されている。すなわち、図
５に示したように特定データとなる伝票番号６０を見出
し項目にして、給油金額の項目６１、入金金額の項目６
２、釣銭金額の項目６３、及び釣銭放出済の項目６４等
を設定して構成されている。

【００１９】４１は、判断手段で、給油伝票の特定デー
タの印刷欄５９を読み取る特定データ読取り機４２によ
り読み取られた特定データと一時記憶手段４０に格納さ
れているデータ、この実施例では伝票番号の一致性を判
断し、一致する場合には釣銭放出機４４を作動させて一
時記憶手段４０の釣銭額の項目６３に記憶されている額
を放出させ、釣銭放出後に釣銭済の項目６４に「済み」
を記録し、また一致性が確認できない場合には釣銭放出
機４４を作動させることなく報知器４３から警告を発す
るように構成されている。

【００２０】次にこのように構成した装置の動作を図６
乃至図８に示したフローチャートに基づいて説明する。
図６は、会計管理装置３の動作を示すフローチャート、
図７は給油ユニット２の動作を示すフローチャート、及
び図８は釣銭支払い機７の動作を示すフローチャートで
あって、給油すべく入場した客は、車両が存在しない給
油装置１に車両を進めて車を止め、貨幣鑑別機２１に貨
幣、例えば５０００円を投入する（図６ ステップ
イ）。計数手段２６は、投入されたすべての貨幣の合計
金額を算出して表示器４に表示する（図６ ステップ
ロ）。投入金額が顧客により確認されて確認釦２２が押
圧されると（図６ ステップ ハ）、これらのデータは
送受信手段２８からＰＯＳ９に送信される（図６ ステ
ップ ニ）。ＰＯＳ９は、この信号を受けて給油許可信
号及び前払金額信号を給油ユニット２に送信する。

【００２１】この段階で給油ユニット２のノズル掛け１
１からノズル１０を外すと、ノズルスイッチ１２がＯＮ
となり（図７ ステップ イ）、ＰＯＳ９からの前払い
金額データが受信されているか、否かが判断される（図
７ ステップ ロ）。データが入力している場合にはゲ
ート３０が開放されて、ノズルスイッチ１２の信号によ
り計数手段３２がクリアされて表示器１８も帰零し、ま
た弁１７を開弁し、さらにポンプモータ１８を作動させ
る（図７ ステップ ハ）。

【００２２】なお、前払い金額についてのデータが入力
されていない場合には（図７ ステップ ロ）、そのま
ま動作を終了して金銭の投入を待つ。

【００２３】給油レバーが引かれて給油が開始される
と、流量パルス発信器１６から流量パルスが出力するか
ら（図７ ステップ ニ）、計数手段３２で積算されて
表示器１８に給油量として表示される（図７ ステップ
ホ）。給油中においては、比較手段３６は、演算手段
３３により演算された現在の給油代金の金額と金額記憶
手段３７に格納されている前払金額とを常時比較する
（図７ ステップ リ）。前払金額よりも少ない給油代
金の段階で給油が停止されてノズルスイッチ１２がＯＦ
Ｆになると（図７ ステップ ヘ）、弁１７を閉じ、ま
たポンプモータ１３を停止させる（図７ ステップ
ト）。

【００２４】この段階で、一時記憶手段３９に格納され
ている投入金額、及び演算手段３３により演算された給
油金額「２８４３円」等の給油データは、送受信手段３
８によりＰＯＳ９に伝送さる（図７ ステップ チ）。
ＰＯＳ９は、この信号を受けて、給油伝票印字データを
会計管理装置３に送信し、かつ釣銭が有る場合には釣銭
データを釣銭支払い装置７に送信する。釣銭支払い装置
７は、ＰＯＳ９からの釣り銭データを一時記憶手段４０
に記憶する（図８ ホ、ヘ）。

【００２５】また、会計管理装置３でぽＳ９からの給油
伝票印字データが受信手段２９により受信され（図６
ステップ ホ）、このデータに基づいて釣銭が存在する
場合には（図６ ステップ ヘ）、特定データの印刷欄
５９（図４）に機械読取り可能なバーコードにより特定
データも合わせて印刷された給油伝票が給油伝票発行機
２３により発行される（図６ ステップ ト）。

【００２６】客は、会計管理装置３から給油伝票を取
り、事務所８に設置されている釣銭支払い装置７に行
き、給油伝票を特定データ読取り機４２に挿入する（図
８ ステップ イ）。これにより給油伝票の欄５９に印
刷されている特定データが読み取られ、給油終了時にＰ
ＯＳ９から伝送されて来て一時記憶手段４０に格納され
ている伝票番号の項目６０のデータとの一致性が判断手
段４１により判断される（図８ ステップ ロ）。両者
が一致した場合には釣銭放出機４４から一時記憶手段４
０の釣銭額の項目６３に記憶されている額、２１５７円
を放出し、放出後に一時記憶手段４０の釣銭済の項目６
４にチェックマークを記憶する。

【００２７】一方、給油伝票に印刷されている特定デー
タと記憶手段４０に記憶されている伝票番号との一致が
認められない場合には、釣銭を支払えない旨を報知器４
３により報知して（図８ ステップ ニ）、釣銭詐取を
阻止する。

【００２８】給油途中において給油量の金額が金額記憶
手段３７に格納されている金額に一致した場合には（図
７ ステップ リ）、弁１７を閉弁して給油を強制的に
停止するとともに、ポンプモータ１３をＯＦＦとし（図
７ ステップ ヌ）、必要に応じて「前払された金額の
給油が終了しました」等の表示や報知を行う。この報知
によりノズル１０がノズル掛１１に戻されて、ノズルス
イッチ１２がＯＦＦになると（図７ ステップ ル）、
給油データがＰＯＳ９に伝送される（図７ ステップ
チ）。ＰＯＳ９は、この信号を受けて、給油伝票印字デ
ータを会計管理装置３に送信する。

【００２９】会計管理装置３は、投入金額に一致する給
油がなされて釣銭が存在しないので（図６ ステップ
ヘ）、特定の欄５９に機械読取可能な特定データの記録
を行うことなく、ただ給油データだけを対応する欄５
１、５２、５３、５４、５５、５６、５７に印刷した給
油伝票を発行する（図６ ステップ チ）。

【００３０】なお、この実施例においては代金を前払い
する場合について説明したが、給油終了後、たとえば２
２４７円分の給油が終了した後に、５０００円の代金の
投入を受け付け、釣り銭として２７５３円を放出する後
払い形式のものにも適用可能である。

【００３１】また、上述の実施例においては、文字印刷
用の記録ヘッドを用いて機械読取り可能な形態のデー
タ、つまりバーコードを印刷するようにしているが、通
常の文字でも機械読取りができるように特徴を明確にし
た文字を印刷したり、また機械読取り可能なデータを印
刷できる他の記録ヘッド、例えば磁気データ記録ヘッド
を用いる場合には、これを記録するのに適した記録領
域、例えば着磁領域を予め形成しておくとよい。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
投入された貨幣を鑑別する手段、釣銭額及び給油データ
を可視可能に、また伝票を特定するための特定データを
機械読取り可能に伝票用紙に記録して給油伝票を発行す
る伝票発行手段、及び給油伝票に記録されている特定デ
ータと給油終了時のデータとの一致性を判断して釣り銭
を放出する釣銭支払い手段とを備えるようにしたので、
複数台の給油ユニットを有する設備においても可及的に
少ない台数の釣銭支払い装置を設備しても、給油データ
の一致性を判定して釣銭の詐取を阻止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における給油装置の一実施例を示すブロ
ック図である。

【図２】本発明が適用された給油所の一例を示す図であ
る。

【図３】給油装置の一実施例を示す構成図である。

【図４】同上装置に適した給油伝票の一実施例を示す図
である。

【図５】同上装置における一時記憶手段を模式的に示す
図である。

【図６】同上装置の動作のうち、会計管理装置の動作示
すフローチャートである。

【図７】同上装置の動作のうち、給油ユニットの動作を
示すフローチャートである。

【図８】同上装置における釣銭支払い装置の動作を示す
フローチャートである。

【符号の説明】

１、１ 給油装置 ２ 給油ユニット ３ 会計管理装置 ４ 表示器 ７ 釣銭支払い機 ９ ＰＯＳ ２１ 貨幣鑑別機

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入された貨幣を鑑別する手段、釣銭
   額、及び給油データを可視可能に、また伝票を特定する
   ための特定データを機械読取り可能に伝票用紙に記録し
   て給油伝票を発行する伝票発行手段及び前記特定データ
   を読み取るデータ読取り手段と、該データ読取り手段か
   らのデータと給油終了時のデータとの一致性を判断して
   釣り銭を放出する釣銭支払い手段とを備えてなる給油装
   置。
2. 【請求項２】 前記釣銭支払い手段は、釣銭が必要な給
   油データだけを格納する一時記憶手段を備え、また前記
   伝票発行手段は、釣銭が不要な場合には前記給油データ
   だけを特定データと共に印刷する請求項１の給油装置。
3. 【請求項３】給油データを印刷する欄、及び特定データ
   を機械読取り可能に印刷する欄とを備えた給油伝票。
4. 【請求項４】前記特定データが伝票番号であって、バー
   コードにより構成されている請求項２の給油伝票。