JP4067807B2 - (メタ)アクリル酸(塩)系重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子量分布の狭い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は洗剤ビルダー、スケール防止剤、増粘剤、凝集剤として水溶液や粉末で使用できることが数多く開示されている他、特開平6−57251号公報、特開平11−508927号公報や特開平11−265085号公報等にも該重合体の用途が開示されている。また、近年(メタ)アクリル酸(塩)系重合体では、種々の添加剤における配合性や種々の塩基での中和や官能基での変性、電子部品関係での使用等でより金属の少ない、言い換えれば中和度の低い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が望まれている。特開2000−290638号公報、特開2000−129282号公報、特開2000−5097997号公報に記載されているように、特に高分子量で中和度の低い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が望まれている。
【0003】
これら(メタ)アクリル酸(塩)を主体とする重合性単量体は周知のラジカル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱することによって重合反応を行うと、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した用途で使用する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体及びその製造方法は多数開示されているが、従来の方法で製造された(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は保存時に粘度が増加したり、保存時に分子量が変動する場合があった。特にアクリル酸(塩)重合体水溶液が酸性のときには、この問題が顕著に現れる。
【0005】
具体的には、過硫酸塩等の過酸化物を開始剤として(メタ)アクリル酸(塩)系単量体を水溶液重合して(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は製造される。製造直後に上記用途で使用する場合には、当初期待される性能が発揮されるが、保存時に該重合体の水溶液が増粘してしまい、使用するときには目的の性能が発揮されず、さらに、ポンプなどでの水溶液の移送ができないという問題が起きる場合がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、保存安定性の良好な(メタ)アクリル酸(塩)系重合体とこの重合体を効率的に製造する技術を提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
発明者等は、上記従来の問題を解決すべく鋭意検討した結果、重合反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と該重合開始剤含有水溶液とを連続的に滴下して重合を開始させ、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御することで、Mw/MnまたはMw/Mp比が小さい分子量が均一な(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が製造でき、該重合体は粘性が低いことを見出し、および、重合時の重量平均分子量(Mw0w)に対する重合2週間後の重量平均分子量(Mw2w)の変動率が所定の数値以下のものは粘性を発揮せず安定であること、および重合開始剤の投与後にさらに重合開始剤を添加し、所定時間熟成させることで変動率の少ない(メタ)アクリル酸(塩)系重合体がえらることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、上記課題は、以下の(1)〜(8)によって解決される。
【0008】
(1)(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法であって、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含み、該段階(A)が40〜110分で、該段階(B)と該段階(C)との合計が50分以上で、該段階(C)が30分以上であり、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御して重合し、得られる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する重合開始剤の量が、該重合体調製直後の水溶液に対して10質量ppm以下であることを特徴とする、中和度が30モル%以下であり、重量平均分子量が100,000〜300,000である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
【0009】
【数3】
【0010】
(2)(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法であって、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含み、該段階(A)が40〜110分で、該段階(B)と該段階(C)との合計が50分以上で、該段階(C)が30分以上であり、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御して重合し、得られる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する(メタ)アクリル酸(塩)単量体の量が、該重合体調製直後の水溶液に対して3,000質量ppm以下であることを特徴とする、中和度が30モル%以下であり、重量平均分子量が100,000〜300,000である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
【0011】
【数4】
【0012】
(3)該段階(C)の後に、還元剤を添加する段階(D)をさらに含むことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の製造方法。
【0013】
(4)該重合開始剤が、過硫酸塩である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、重量平均分子量(Mw0w)が10,000〜1,000,000の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体であって、重合時の重量平均分子量(Mw0w)に対する重合2週間後の重量平均分子量(Mw2w)の下記数式で示される変動率(%)が、6%以下である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体である。
【0019】
【数5】
【0020】
(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合させて製造するため、残存する単量体や重合開始剤によって製造後の重合体の重量平均分子量が変動する。このため、該重合体を水溶液として保存すれば重量平均分子量の変動による粘度が増加が発生した。その変動は製造後2週間にわたって発生し、2週間後にはその大半が収まる。この変動時期と、変動と粘度との関係を調べたところ、製造直後の重合体の重量平均分子量に対する2週間後の重量平均分子量の変動が6%以下、より好ましくは5%以下、特に好ましく3%以下であれば安定性に優れ、これを水溶液に調製した場合にも粘度を増加させることがなく、作業性に優れることが判明した。
【0021】
また、本発明の第二は、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2〜(5+Mw/35,000)の範囲、好ましくは3〜(5+Mw/50,000)、より好ましくは3.5〜(5+Mw/60,000)、特に好ましくは4〜(5+Mw/80,000)の範囲内にあることを特徴とする、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体である。該Mw/Mnは、重量平均分子量によって変化するため、例えばMw/Mnは、重量平均分子量が120,000の場合には2〜(5+Mw/35,000)すなわち2〜8.4であり、好ましくは3〜(5+Mw/50,000)すなわち3〜7.4であり、より好ましくは3.5〜(5+Mw/60,000)すなわち3.5〜7.0であり、特に好ましくは4〜(5+Mw/80,000)すなわち4〜6.5が好ましい範囲となる。いずれの重量平均分子量においても、該Mw/Mnが(5+Mw/35,000)を超えると、種々の用途で添加されたポリマーは分子量が不均一となるため、性能に効果のある部分が少なくなるので、添加量が増大するといった問題点が生じることがある。
【0022】
また、該重合体は、重量平均分子量(Mw)が50,000〜1,000,000、好ましくは70,000〜500,000、より好ましくは80,000〜300,000、特に好ましくは100,000〜200,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)とピークトップ分子量(MP)との比(Mw/Mp)が1.10〜2.25、好ましくは1.2〜2.2、より好ましくは1.3〜2.1、特には1.4〜2.1であることが好ましい。この該重合体の重量平均分子量が50,000未満、または1,000,000を超えるとミスト抑制剤や半導体素子研磨剤として十分な性能が発揮されないといった問題が生じることがある。なお、本明細書における重量平均分子量、数平均分子量は、実施例の分子量測定の項で記載した方法によって測定した数値である。
【0023】
本発明の第一および第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)を主とする重合体のことをいう。具体的には、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)100〜70モル%及びその他共重合可能な単量体(b)由来の構造単位(II)0〜30モル%(但し、(I)と(II)の合計量は100モル%である。)からなる重合体があげられ、好ましくは、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)100〜80モル%及びその他共重合可能な単量体(b)由来の構造単位(II)0〜20モル%からなる。より好ましくは炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)100〜90モル%及びその他共重合可能な単量体(b)由来の構造単位(II)0〜10モル%からなる重合体である。さらに好ましくは、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)100〜95モル%及びその他共重合可能な単量体(b)由来の構造単位(II)0〜5モル%からなる(但し、(I)と(II)の合計量は100モル%である。)重合体である。最も好ましくは炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)100モル%からなる重合体である。上記炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)は、アクリル酸(塩)、メタクリル酸(塩)、クロトン酸(塩)由来の構造単位であり、好ましくはアクリル酸(塩)、メタクリル酸(塩)由来の構成単位であり、より好ましくはアクリル酸(塩)由来の構成単位である。これら単量体は1種または2種以上含んでもよい。
【0024】
(メタ)アクリル酸(塩)とは、(メタ)アクリル酸及び/または(メタ)アクリル酸塩である。(メタ)アクリル酸塩としては特に限定はされないが、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩;(メタ)アクリル酸アンモニウム;(メタ)アクリル酸有機アミン塩等を1種または2種以上含んでいてもよい。
【0025】
その他共重合可能な単量体(b)由来の構造単位(II)は、特に限定されるものではなく、必要に応じて併用してもよい。例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体及び不飽和多価カルボン酸系不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸単量体;上記不飽和ジカルボン酸系単量体、上記不飽和多価カルボン酸系単量体または上記不飽和スルホン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;2−ヒドキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシアクリル酸、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有不飽和単量単量体及びこれらのアルキレンオキシド付加体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のカチオン性単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸等の含リン単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等を挙げることができる。これらの単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
本発明の第一および第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の中和度は、重合体の全酸基の中和度が95モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下、最も好ましくは10モル%以下である。この該重合体の中和度が95モル%を超えると添加剤の種類によっては、配合性や後反応による変性の制限等の問題がある。なお、(メタ)アクリル酸は、それ自体の酸性のために得られる重合体の重量平均分子量や数平均分子量が変動しやすい。特に中和度が30モル%以下の場合にはその変動が顕著である。本発明は、中和度が30モル%以下の酸性度の高い重合体においても分子量の分布が狭く、変動が少ない点で極めて安定した(メタ)アクリル酸(塩)系重合体である。
【0027】
上記(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、反応器内の単量体濃度と重合開始剤濃度とを所定範囲に調整しながら重合させることで製造することができる。すなわち、本発明の第三は、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法であって、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の全量添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含むことを特徴とする、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法である。この方法によれば、重合開始剤および単量体の残存量の少ない(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を製造することができ、得られた重合体の保存安定性に優れる。該方法によれば、本発明の第一および第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を製造することができるが、該(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、他の製造方法によって製造してもよい。
【0028】
本発明の方法で製造する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体は、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)由来の構造単位(I)を主とする重合体のことをいう。使用する(メタ)アクリル酸(塩)は、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)100〜70モル%及びその他共重合可能な単量体(b)0〜30モル%(但し、(I)と(II)の合計量は100モル%である。)からなるものがあげられ、好ましくは、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)100〜80モル%及びその他共重合可能な単量体(b)0〜20モル%からなる。より好ましくは炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)100〜90モル%及びその他共重合可能な単量体(b)0〜10モル%からなるものである。さらに好ましくは、炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)100〜95モル%及びその他共重合可能な単量体(b)0〜5モル%からなる(但し、(I)と(II)の合計量は100モル%である。)ものである。最も好ましくは炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)100モル%からなるものである。上記炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)は、アクリル酸(塩)、メタクリル酸(塩)、クロトン酸(塩)であり、好ましくはアクリル酸(塩)、メタクリル酸(塩)であり、より好ましくはアクリル酸(塩)である。これら単量体は1種または2種以上含んでもよい。
【0029】
(メタ)アクリル酸(塩)とは、(メタ)アクリル酸及び/または(メタ)アクリル酸塩である。(メタ)アクリル酸塩としては特に限定はされないが、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩;(メタ)アクリル酸アンモニウム;(メタ)アクリル酸有機アミン塩等を1種または2種以上含んでいてもよい。
【0030】
その他共重合可能な単量体(b)は、特に限定されるものではなく、必要に応じて併用してもよい。例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体及び不飽和多価カルボン酸系不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸単量体;上記不飽和ジカルボン酸系単量体、上記不飽和多価カルボン酸系単量体または上記不飽和スルホン酸系単量体を、1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で部分中和または完全中和してなる中和物;2−ヒドキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシアクリル酸、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有不飽和単量体及びこれらのアルキレンオキシド付加体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のカチオン性単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸等の含リン単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等を挙げることができる。これらの単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液を構成する溶媒は、水系溶媒が用いられ、特に好ましくは水単独で用いられるが、必要に応じて親水性有機溶媒を水に適宜添加してもよい。上記親水性有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上適宜選んで使用できる。親水性有機溶媒の添加割合は、水との混合溶媒全量に対し、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。この割合が20質量%を超えると、該重合体が分離及び/または沈殿する恐れがある。なお、(メタ)アクリル酸(塩)濃度は、該水溶液中に10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。
【0032】
本発明の製造方法は、上記(メタ)アクリル酸(塩)を主成分とする単量体成分を水系溶媒にて重合し、(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を得るものである。この際、段階(A)として反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤の一部とを徐々に添加して重合を開始させる。(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の添加方法は、単量体成分炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)及びその他共重合可能な単量体(b)の使用量の一部を反応器に初期に仕込み次いで残部を連続的に滴下するか、全量を連続的に滴下する。本発明では、全使用量の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、最も好ましくは全量を、実質的に連続的に滴下することにより反応系に添加する。滴下の割合が50質量%未満であると、重合初期に重合が急激に進行してしまい、温度及び分子量の制御が困難になる。
【0033】
本発明では、反応器への(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量の仕込み終了時までに重合開始剤を徐々に添加することが必要である。この反応器への単量体の仕込みは、20分〜5時間、より好ましくは30分〜3時間、特には1〜2時間で行なう。このように反応器への単量体の仕込みと重合開始剤の仕込みとを連続的に行なうことで、反応器内の重合体濃度と重合開始剤濃度とをほぼ一定に保つことができるため、得られる重合体の分子量が製造後も安定する。
【0034】
使用する重合開始剤としては特に限定されるものではないが、過酸化物などをあげることができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、アゾビスイソブチルニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ−t−ブチルパーオサイド、t−ブチルヒドロパーオサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの1種類のみであっても2種類以上含んでいてもよいが、過酸化水素、過硫酸塩、有機過酸化物、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩が好ましく、過酸化水素、過硫酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩がより好ましく、過硫酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩がさらに好ましい。また、重合開始剤として過酸化物と還元剤や金属塩等を組み合わせてもよい。還元剤や金属塩等は、特に限定されるものではないが、亜硫酸水素ナトリウムやFe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、V2+、V3+、VO2+等が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウム、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+が好ましく、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+がより好ましい。Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+を併用することにより、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が狭くなる。上記重合開始剤の添加量は、目的の分子量によって適宜設定すればよい。なお、滴下時の重合開始剤の濃度は、特に限定されないが、過硫酸塩が開始剤である場合には、好ましくは3〜50質量%水溶液、より好ましくは5〜40質量%水溶液、さらに好ましくは10〜30質量%水溶液である。アゾ系化合物の開始剤である場合には、好ましくは0.1〜5質量%水溶液、より好ましくは0.3〜3質量%水溶液、さらに好ましくは0.5〜2質量%水溶液である。なお、重合開始剤と還元剤や金属塩を組み合わせる時の還元剤や金属塩の添加量は特に限定は無いが、金属塩の場合には重合終了時の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に対して0.1ppm〜1,000ppmが好ましく、0.5ppm〜500ppmがより好ましく、1ppm〜300ppmがさらに好ましい。金属塩の添加量が0.1ppm未満であると分散度を狭くする効果がなく、1,000ppmを超えるともはや添加の効果が無く、経済的面から好ましくない。
【0035】
次いで、段階(B)として、該反応器に更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる。この際、添加する重合開始剤は、段階(A)で使用できるもの添加できるが、段階(A)と同じ物であっても異なってもよい。また、重合開始剤量は、単量体水溶液に対して、100〜10,000質量ppm、好ましくは200〜8,000質量ppm、より好ましくは300〜5,000質量ppm、特に好ましくは500〜3,000質量ppmとする。また、重合開始剤の添加時間は、段階(A)の後1分以上3時間、好ましくは5分以上3時間、より好ましくは10分以上2時間、特には15分以上1時間半である。(メタ)アクリル酸(塩)単量体滴下終了後1分未満に重合開始剤の滴下を終了すると、(メタ)アクリル酸(塩)単量体が大量に残存し、重合体の重量平均分子量が変動しやすく、該重合体水溶液の粘度が上がる等の安定性が悪くなる。一方、重合開始剤の滴下を3時間を超えて行うと、該重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が大きくなり、さらに生産性も低くなり経済的面から好ましくない。このように、単量体滴下終了後に更に重合開始剤を添加することで、残存する単量体成分を大幅に低減でき、得られる該重合体の安定性が高くなる。
【0036】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法では、必要に応じて、重合に悪影響を及ぼさない範囲内で、分子量調整剤として、重合開始剤と併用して連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ジ亜リン酸、ジ亜リン酸塩、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸等が挙げられるが特に限定されず、これらを単独で用いてもよく、2種以上の併用系でもよい。使用量としては、特に限定はないが、質量比で開始剤量の3倍以内であることが好ましい。3倍を超えて使用しても、もはや添加効果は現れず、該重合体の純分の低下を招き、好ましくない。また、連鎖移動剤の添加方法は適宜設定すればよい。
【0037】
本発明では、次いで段階(C)として、反応器への該重合開始剤の添加後に該反応液を熟成させる。このように段階(B)の後に熟成時間を設けることで、重合開始剤の残存量を低減することができ、得られる重合体の重量平均分子量の変動を抑制することができる。「熟成」とは、段階(B)の後に、反応器に単量体と重合開始剤とを添加することなく、反応器内の単量体の重合反応を促進する工程をいう。この段階(C)で特定する熟成時間は、30分以上5時間、好ましくは40分〜3時間、特に好ましくは60分〜2時間で十分である。なお、段階(B)と段階(C)との合計は50分以上、好ましくは55分〜5時間、特には60分〜3時間である。
【0038】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法における中和度は、特に限定されないが、該重合体の全酸基の中和度が99モル%を超えると強アルカリ性の腐食条件となり、高温では製造設備が腐食する恐れがあるので、中和度は95モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下、最も好ましくは10モル%以下である。該単量体の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類水酸化物;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物であり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0039】
中和は単量体を反応器に供給する前に予め行われてもよいし、段階(A)、(B)、(C)のいずれでも、更に熟成後、すなわち段階(C)の後であってもよい。重合開始から、重合終了時までの中和度は上記範囲内であれば、一定である必要は無く、重合前半の中和度と重合後半の中和度が異なってもよい。
【0040】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法における重合温度は、特に限定されるものではないが、分子量、重合濃度等によって適宜設定すればよい。例えば、分子量100万以下の該重合体を製造する場合には、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、重合溶媒の沸点で行うのが最も好ましい。重合時の温度を60℃未満にすると、重合開始剤の分解効率が悪くなり、該重合体に大量の単量体成分が残存する恐れがある。
【0041】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法における重合濃度は、重合終了時の濃度が10質量%以上、好ましくは15〜50質量%であり、これに見合うように滴下物の濃度調整を行うが、分散度が小さい(分子量分布が狭い)該重合体を製造する場合には、重合時の単量体濃度が変わらないほうがよい。即ち、単量体成分を全量滴下する場合には、初期に反応器内に仕込む水はできる限り少なくし、該重合体濃度ができるだけ同じになるように、単量体と重合溶媒を滴下すればよい。さらに、単量体の滴下時間も短くすることで、重合初期から重合終了までの濃度の変化を小さくできるので、好ましい。
【0042】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法における重合圧力は、特に限定されず、加圧、常圧(大気圧)、減圧いずれかでのよく、場合により適宜設定すればよいが、常圧が好ましい。
【0043】
本発明では、段階(C)の後に、例えば反応器の温度が、70℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下になったら、反応器に過酸化物分解促進剤を添加して、残存する重合開始剤を分解してもよい。70℃を越えると過酸化物分解促進剤が消失してしまい、残存している重合開始剤を消失させることができない恐れがある。また、添加時間は、1分から2時間、好ましくは5〜90分、より好ましくは10〜60分である。
【0044】
このような促進剤としては還元剤が一般的に挙げられるが特に限定されるものではない。還元剤として、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩類;チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム等のL−アスコルビン酸類;亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩;ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム等の酸塩類;ホスフィン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム等のホスフィン酸類;鉄塩、銅塩等の重金属塩類が挙げられる。好ましくは亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウムが挙げられ、さらに好ましくは亜硫酸水素ナトリウムが挙げられる。これらの1種類のみであっても2種類以上含んでいてもよい。
【0045】
反応器に添加する過酸化物分解促進剤の量は、特に限定されないが、該水溶液に対して5,000質量ppm以下、好ましくは3,000質量ppm以下、より好ましくは2,000質量ppm以下、さらに好ましくは1,000質量ppm以下、最も好ましくは700質量ppm以下である。この過酸化物分解促進剤の量が5,000質量ppmを超えるともはや添加量に見合う効果は得られず、不純物が増加する結果となり、使用する用途によっては、充分な性能が発揮されないといった問題を生じる。使用する促進剤は、固体でもよいが、水溶液に溶解してしようすることが簡便である。
【0046】
本発明の第三の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体製造方法における該重合体の分子量は、重量平均分子量で10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜800,000、より好ましくは30,000〜700,000、さらに好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜300,000である。この該重合体の重量平均分子量が10,000未満、または1,000,000を超えるとミスト抑制剤や半導体素子研磨剤として十分な性能が発揮されないといった問題が生じることがある。
【0047】
本発明の第三の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法における、分子量1,000未満の量は、該重合体全量の10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。分子量1,000未満の割合が10質量%を超えるとミスト抑制剤や半導体素子研磨剤として十分な性能が発揮されないといった問題が生じることがある。さらに、安全性の問題が生じる場合もある。
【0048】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法では、反応液中の重合体の濃度は、特に限定はされないが、該重合体の分子量及び使用目的によって適宜設定すればよい。例えば、分子量50,000以下では5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜45質量%であり、分子量50,000〜500,000では1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%であり、分子量500,000以上では0.1〜40質量%、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。該重合体の濃度が下限未満であると輸送時のコストがかかり、上限以上であると水溶液粘度が非常に高くなり、ポンプでの輸送やドラムからの抜き出しが困難になるなどの問題が起こることがある。
【0049】
本発明の製造方法によれば、得られた(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する重合開始剤の量は、該重合体調製後の水溶液に対して10ppm以下である。このため、該重合体に含まれる単量体の重合による分子量上昇を押さえ、低分子量物が増加するのを押さえる効果が絶大となり、該重合体の安定性が非常に高くなる。重合開始剤の量は、好ましくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、さらに好ましくは3質量ppm以下、最も好ましくは1質量ppm以下である。
【0050】
また、第三の製造方法で得られる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に含まれる残存する(メタ)アクリル酸(塩)単量体の量は、該重合体に対して3,000質量ppm以下、好ましくは2,000質量ppm以下、より好ましくは1,000質量ppm以下、さらに好ましくは500質量ppm以下、最も好ましくは300質量ppm以下である。このように(メタ)アクリル酸(塩)単量体の量が3,000質量ppm以下であるから、保存時に分子量が上がったり、低分子量が増えたりする等、該重合体の安定性を悪化させることがない。
【0051】
なお、上記段階(A)において、反応器内の単量体濃度と重合開始剤濃度とを所定範囲に調整しながら重合させると、特に、本発明の第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を好ましく製造することができる。すなわち、本発明の第四は、予め溶媒を投入した反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを滴下して重合する段階(A)を含む(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法において、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御して重合することを特徴とする、本発明の第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法である。
【0052】
【数6】
【0053】
ここに、「(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下速度」とは、反応器に投入された(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の平均の滴下速度であり、「単量体滴下速度」とは、反応器に投入した(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の平均の滴下速度であり、「重合開始剤滴下速度」とは、単量体を投入している時に反応器に投入した重合開始剤平均の滴下速度であり、「溶媒」とは、単量体を投入している時に反応器に投入した溶媒の平均の滴下速度である。この溶媒は、単量体および/または重合開始剤溶液として添加してもよいし、単独で添加してもよい。
【0054】
反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量を仕込み、これに重合開始剤含有水溶液を添加する方法では、重合初期に重合が急激に進行してしまい、温度及び分子量の制御が困難になる。これに対し、反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを滴下して重合を開始させ、かつ反応液中の(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%、特に好ましくは30〜40質量%に制御すると、反応液中の(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度が一定濃度範囲に維持されるため、極めてMw/MnやMw/Mpで示す分子量分布の狭い均一な(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が得られるのである。該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度が10質量%を下回ると、得られた重合体が希薄であるため輸送が大量に必要となり煩雑である。60質量%を越えると分子量分布が広がってしまう。なお、該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度は、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の滴下および重合開始剤含有水溶液の投与によって経時的に変動する値であり、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御するとは、単量体が滴下されている間の全体としての平均であり、単量体、重合開始剤溶媒の滴下速度を変化させる場合には、単量体滴下時間の間一時は10〜60質量%をはずれてもよいが、平均をした場合には10〜60質量%の範囲に入っている必要がある。
【0055】
この(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を上記範囲内に制御するには、予め溶媒を投入した反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを滴下する際に、両者の滴下量を制御することで容易に達成することができる。例えば、反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液を滴下するノズルと重合開始剤含有水溶液を滴下するノズルとを設け、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを等量づつ滴下すれば、予め反応器に投入した溶媒量にもよるが、反応液中に含まれる(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度は、ほぼ一定範囲に維持できる。
【0056】
反応器としては(メタ)アクリル酸(塩)系重合体製造用の通常の反応器を使用することができる。この際、予め反応器に投入する溶媒としては、水系溶媒が用いられ、特に好ましくは水単独で用いられるが、必要に応じて親水性有機溶媒を水に適宜添加してもよい。上記親水性有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上適宜選んで使用できる。親水性有機溶媒の添加割合は、水との混合溶媒全量に対し、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。この割合が20質量%を超えると、該重合体が分離及び/または沈殿する恐れがある。反応器に投入する溶媒量は、最終的な反応液量の5〜20質量%、好ましくは7〜48質量%、より好ましくは9〜45質量%、特には10〜40質量%である。
【0057】
次いで、該反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液を滴下するが、該水溶液は、前記炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体(a)の少なくとも1種を含み、更に前記その他共重合可能な単量体(b)の1種以上を、前記重合溶媒に溶解させた水溶液である。(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液を調製する溶媒としては、前記反応器に投入した重合溶媒と同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度は、該水溶液中に10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。この範囲であれば、重合開始後の反応器内の(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を上記範囲に調整することが容易だからである。本発明では、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液を40〜110分、好ましくは50〜100分、より好ましくは60〜90分、特に好ましくは70〜80分で滴下する。40分を下回ると重合速度が遅くなり生産効率が低下し、110分を越えると急激に重合が進行するため、均一な分子量分布の重合体が得られない場合がある。
【0058】
また、反応器に滴下する重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、上記第三の製造方法で記載したものを同様に使用することができる。なお、滴下時の重合開始剤の濃度は、特に限定されないが過硫酸塩が開始剤である場合には好ましくは、3〜50質量%水溶液、より好ましくは5〜40質量%水溶液、さらに好ましくは10〜30質量%水溶液である。アゾ系化合物の開始剤である場合には、好ましくは、0.1〜5質量%水溶液、より好ましくは0.3〜3質量%水溶液さらに好ましくは0.5〜2質量%水溶液である。また、上記重合開始剤の反応器への最終的な添加量は、目的の分子量によって適宜設定することができる。
【0059】
また、重合開始剤を含有する水溶液も(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液同様に、40〜110分、好ましくは50〜100分、より好ましくは60〜90分、特に好ましくは70〜80分で滴下する。(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを等量づつ滴下することで、分子量分布の均一な重合体が得られるからである。なお、該段階Aは、反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液および溶媒とを滴下して重合する段階であり、単量体の添加後に重合開始剤や溶媒のみを添加する時期が存在しても該段階Aに含まれる。本発明は、単量体重合時の反応器内の単量体濃度を一定範囲にすることで、分子量分布の均一な(メタ)アクリル酸(塩)系単量体を製造する点に特徴があり、重合開始剤や溶媒を添加する際にも単量体の重合が行なわれ、かつその濃度が変化するためこれを制御することが有効だからである。
【0060】
本発明は、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御し、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を一定範囲に維持しつつ重合反応を行なうことで、Mw/MnやMw/Mp比で示す分子量分布が狭く均一性の高い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を得ることができるが、この段階(A)に次いで、段階(B)として、該反応器に更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させてもよい。これによって(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の残存量が少ない、より均一な分子量組成の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を得ることができるからである。この際、添加する重合開始剤量は、段階(A)で使用できるものを添加することができるが、段階(A)で使用したものと同一でも異なっていてもよい。添加量は、単量体水溶液に対して、100〜10,000質量ppm、好ましくは200〜8,000質量ppm、より好ましくは300〜5,000質量ppm、特に好ましくは500〜3,000質量ppmとする。また、重合開始剤の添加時間は、段階(A)の後1分〜3時間、好ましくは5分〜3時間、より好ましくは10分〜2時間、特には15分〜1時間半とすることが好ましい。(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下終了後1分未満に重合開始剤の滴下を終了すると、(メタ)アクリル酸(塩)系単量体が大量に残存し、重合体の重量平均分子量が変動しやすい。一方、重合開始剤の滴下を3時間を超えて行うと、該重合体のMw/Mnが大きくなる場合があり、さらに生産性も低くなり経済的面から好ましくない。
【0061】
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法では、必要に応じて、重合に悪影響を及ぼさない範囲内で、分子量調整剤として、重合開始剤と併用して連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ジ亜リン酸、ジ亜リン酸塩、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸等が挙げられるが特に限定されず、これらを単独で用いてもよく、2種以上の併用系でもよい。使用量としては、特に限定はないが、重量比で開始剤量の3倍以内であることが好ましい。3倍を超えて使用しても、もはや添加効果は現れず、該重合体の純分の低下を招き、好ましくない。また、連鎖移動剤の添加方法は適宜設定すればよい。
【0062】
本第四の製造方法では、このような段階(A)に次いで、上記段階(C)または段階(B)および段階(C)を行なうことで、第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を製造することができる。
【0063】
本発明の第四の製造方法では、反応液中の重合体の濃度は、特に限定はされないが、該重合体の分子量及び使用目的によって適宜設定すればよい。例えば、分子量50,000以下では5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜45質量%であり、分子量50,000〜500,000では1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%であり、分子量500,000以上では0.1〜40質量%、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。該重合体の濃度が下限未満であると輸送時のコストがかかり、上限以上であると水溶液粘度が非常に高くなり、ポンプでの輸送やドラムからの抜き出しが困難になるなどの問題が起こることがある。
【0064】
本発明の第四の製造方法によれば、得られた第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する重合開始剤の量は、該重合体調製後の水溶液に対して10質量ppm以下である。このため、該重合体に含まれる単量体の重合による分子量上昇を押さえ、低分子量物が増加するのを押さえる効果が絶大となり、該重合体の分子量分布が狭く均一な分子量の重合体を得ることができる。重合開始剤の量は、好ましくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、さらに好ましくは3質量ppm以下、最も好ましくは1質量ppm以下である。
【0065】
また、第二の(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に含まれる残存する(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の量は、該重合体に対して3,000質量ppm以下、好ましくは2,000質量ppm以下、より好ましくは1,000質量ppm以下、さらに好ましくは500質量ppm以下、最も好ましくは300質量ppm以下である。このように(メタ)アクリル酸(塩)系単量体の量が3,000質量ppm以下であるから、製造後の保存時に分子量が上がったり、低分子量が増えたりする等、該重合体の安定性を悪化させることがない。
【0066】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0067】
≪分子量測定≫
アクリル酸(塩)系重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ともにGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定した。なお、測定条件、装置などは以下の通りである。
【0068】
GPCのカラムとしては、昭和電工製のGF−7MHQ(商品名)を用いた。
【0069】
移動相としては、リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)の純水を加えて全量を5000gとし、その後0.45μmのメンブランフィルターでろ過した水溶液を用いた。
【0070】
検出器としては、ウォーターズ製のモデル481型を用い、検出波長UV214nmとした。
【0071】
ポンプとしては、株式会社日立製作所製のL−7110(商品名)を用いた。
【0072】
移動相の流量は、0.5ml/分とし、温度は35℃とした。検量線は、創和科学製のポリアクリル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。
【0073】
≪粘度測定≫
25%アクリル酸(塩)重合体を300mlのトールビーカーに入れ、完全に蓋をしたものを25℃の恒温槽に浸した。60分後、恒温槽から素早く取り出し、蓋を外してからB型粘度計(ブルックフィールド社製、デジタル粘度計、型式:DV−I+)(スピンドル:LV2,60回転)を用いて測定した。測定値は、回転を始めてから3分後の値とした。
【0074】
(実施例1)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)3.25gを純水650.0gに溶解した水溶液(NaPS▲1▼と称す)を重合開始から80分間に渡って、NaPS1.6gを純水160.0gに溶解した水溶液(NaPS▲2▼と称す)を重合開始80分後から40分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0075】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体1とする)を得た。得られた重合体1の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表1、表7および表8に示す。
【0076】
なお、各実施例および比較例における(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度(質量%)の具体的な算出方法を実施例7を用いて示すと、以下のようになる。
【0077】
【数7】
【0078】
(実施例2〜5)
実施例1と同様にして、表1にまとめた通りの初期仕込量、滴下量、滴下時間、熟成時間で重合した。中和率は0%である。得られた重合体13〜5の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表1、表7および表8に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
(実施例6)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)4.0gを純水810.0gに溶解した水溶液を重合開始から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持した。室温まで冷却した後、0.73gの亜硫酸水素ナトリウム(以下SBSと略す)を加え、30分間攪拌して重合を完了した。中和率は0%である。
【0081】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体6とする)を得た。得られた重合体6の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表2、表7および表8に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
(実施例7)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)4.0gを純水810.0gに溶解した水溶液を重合開始から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持した。室温まで冷却した後、0.73gのL-アスコルビン酸(以下Ascと略す)を加え、30分間攪拌して重合を完了した。中和率は0%である。
【0084】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体7とする)を得た。得られた重合体7のの重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表3、表7および表8に示す。
【0085】
【表3】
【0086】
(実施例8)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0g、および硫酸銅5水和物0.0176gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)2.50gを純水650.0gに溶解した水溶液(NaPS▲1▼と称す)を重合開始から80分間に渡って、NaPS2.50gを純水160.0gに溶解した水溶液(NaPS▲2▼と称す)を重合開始80分後から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0087】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体8とする)を得た。得られた重合体8の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表4、表7および表8に示す。
【0088】
(実施例9、10)
実施例8と同様にして、表4にまとめた通りの初期仕込量、滴下量、滴下時間、熟成時間で重合した。中和率は0%である。得られた重合体9,10の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表4、表7および表8に示す。
【0089】
【表4】
【0090】
(実施例11)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)4.0gを純水810.0gに溶解した水溶液を重合開始から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0091】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体11とする)を得た。得られた重合体11の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表5、表7および表8に示す。
【0092】
【表5】
【0093】
(比較例1)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)640.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から120分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)3.75gを純水120.0gに溶解した水溶液を重合開始から130分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後50分間に渡って、沸点還流状態を維持した。室温まで冷却した後、0.73gの亜硫酸水素ナトリウム(以下SBSと略す)を加え、30分間攪拌して重合を完了した。中和率は0%である。
【0094】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、比較重合体2とする)を得た。得られた比較重合体12の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、Mw/Mn、Mw/Mpを測定した。その結果並びに(メタ)アクリル酸(塩)系単量体滴下中の単量体濃度等を表6、表7および表8に示す。なお、表7の単量体濃度(%)は、質量%を示す。
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】
(結果)
実施例5の重合体5のように、Mw/Mp比が小さい、すなわち分子量分布が均一な重合体は粘度が503mPasと高く、その一方、比較重合体1のようにMw/Mp比が大きい、すなわち分子量分布が広い重合体は、粘度が低いことが判明した。
【0099】
(実施例12)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)3.25gを純水650.0gに溶解した水溶液(NaPS▲1▼と称す)を重合開始から80分間に渡って、NaPS1.6gを純水160.0gに溶解した水溶液(NaPS▲2▼と称す)を重合開始80分後から40分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0100】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体12とする)を得た。得られた重合体12の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表9に示す。
【0101】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体12の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。併せて、重合直後の粘度と2週間保存した後の比較重合体12の原液の粘度も表14に示す。
【0102】
(実施例13)
実施例12と同様にして、表9にまとめた通りの初期仕込量、滴下量、滴下時間、熟成時間で重合した。中和率は0%である。得られた重合体13の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表9に示す。
【0103】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体13の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。
【0104】
【表9】
【0105】
(実施例14)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)4.0gを純水810.0gに溶解した水溶液を重合開始から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持した。室温まで冷却した後、0.73gの亜硫酸水素ナトリウム(以下SBSと略す)を加え、30分間攪拌して重合を完了した。中和率は0%である。
【0106】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体14とする)を得た。得られた重合体14の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表10に示す。
【0107】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体14の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。
【0108】
【表10】
【0109】
(実施例15)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0g、および硫酸銅5水和物0.0176gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)2.50gを純水650.0gに溶解した水溶液(NaPS▲1▼と称す)を重合開始から80分間に渡って、NaPS2.50gを純水160.0gに溶解した水溶液(NaPS▲2▼と称す)を重合開始80分後から100分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0110】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体15とする)を得た。得られた重合体15の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表11に示す。
【0111】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体15の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。
【0112】
(実施例16、17)
実施例15と同様にして、表11にまとめた通りの初期仕込量、滴下量、滴下時間、熟成時間で重合した。中和率は0%である。得られた重合体16、17の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表11に示す。
【0113】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体16、17の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。
【0114】
【表11】
【0115】
(実施例18)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)640.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から120分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)5.0gを純水120.0gに溶解した水溶液を重合開始から130分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0116】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、重合体18とする)を得た。得られた重合体18の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定した。その結果を表12に示す。
【0117】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の重合体18の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。
【0118】
【表12】
【0119】
(比較例2)
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)200.0gを初期仕込し、攪拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、攪拌下、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)450.0gを重合開始から75分間に渡って、過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)3.0gを純水810.0gに溶解した水溶液を重合開始から75分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後25分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。中和率は0%である。
【0120】
このようにして、固形分濃度25.0%のポリアクリル酸(以下、比較重合体2とする)を得た。得られた比較重合体2の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mn、残存単量体量を測定した。その結果を表13に示す。
【0121】
また、上記保存方法で重合2週間保存した後の比較重合体2の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分散度Mw/Mnを測定し、変動率を算出した。結果を表14に示す。あわせて、重合直後の粘度と2週間保存した後の比較重合体2の原液の粘度も表14に示す。
【0122】
【表13】
【0123】
【表14】
【0124】
(結果)
実施例12〜18で調製した重合体12〜18は、製造後の重量平均分子量が12700〜158000の範囲にあり、かつ製造2週間後の重量平均分子量が12900〜156000の範囲にあり、2週間後の変動率は0〜1.96という、極めて数値の変動が少ない重合体であった。これに対し、比較重合体2は、2週間の保存で重量平均分子量が159000から169000に増加し、変動率は6.28にも達した。
【0125】
また、重合直後の重合体水溶液の粘度と重合2週間後の重合体水溶液の粘度とを測定した結果、比較重合体2では粘度の増加が著しいにもかかわらず、重合体12では、粘度の増加は認められなかった。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、製造2週間後にも重量平均分子量の変動が6%以下である、極めて保存安定性に優れる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が提供される。また、本発明によれば、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の全量添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含むことで、残存単量体および残存重合開始剤量の少ない(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を、従来の装置を用いて簡便に製造することができる。
【0127】
また、本発明によれば、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2〜(5+Mw/35,000)の範囲内にある、極めて分子量分布の狭い(メタ)アクリル酸(塩)系重合体が提供される。また、本発明によれば、反応器に(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液と重合開始剤含有水溶液とを滴下し、反応液中の(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御することで、従来の設備をそのまま使用して(メタ)アクリル酸(塩)系重合体を簡便に製造することができる。
Claims (6)
- (メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法であって、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含み、該段階(A)において、該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液及び該重合開始剤の滴下時間が40〜110分で、該段階(B)と該段階(C)との合計が50分以上で、該段階(C)が30分以上であり、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御して重合し、得られる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する重合開始剤の量が、該重合体調製直後の水溶液に対して10質量ppm以下であることを特徴とする、中和度が30モル%以下であり、重量平均分子量が100,000〜300,000である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
- (メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液に重合開始剤を添加して重合する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製法であって、反応器に該(メタ)アクリル酸(塩)系単量体含有水溶液の全量と該重合開始剤とを徐々に添加して重合を開始させる段階(A)と、次いでこれに更に重合開始剤を添加しつつ重合を継続させる段階(B)と、該重合開始剤の添加後に該反応液を熟成させる段階(C)とを含み、該段階(A)が40〜110分で、該段階(B)と該段階(C)との合計が50分以上で、該段階(C)が30分以上であり、該段階(A)において、反応液中の下記式で示す(メタ)アクリル酸(塩)系単量体濃度を10〜60質量%に制御して重合し、得られる(メタ)アクリル酸(塩)系重合体に残存する(メタ)アクリル酸(塩)単量体の量が、該重合体調製直後の水溶液に対して3,000質量ppm以下であることを特徴とする、中和度が30モル%以下であり、重量平均分子量が100,000〜300,000である(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
- 該(メタ)アクリル酸系単量体が、(メタ)アクリル酸(塩)である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 該段階(A)において、重合開始剤とともに、Fe 2+ 、Fe 3+ 、Cu + およびCu 2+ からなる群から選ばれる少なくとも1種を組み合わせる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 該段階(C)の後に、還元剤を添加する段階(D)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 該重合開始剤が、過硫酸塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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