JP4642316B2 - (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法に関する。本発明の製造方法によって製造される(メタ)アクリル酸系重合体は、洗剤ビルダーやスケール防止剤などとして用いられ得る。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸系重合体は、洗剤ビルダー、スケール防止剤、分散剤などとして有用であり、広く用いられている。(メタ)アクリル酸系重合体は、所望する(メタ)アクリル酸系重合体のモノマーを重合させることによって製造されうる。
【0003】
重合方法としては、水溶液中に溶解させた(メタ)アクリル酸系重合体のモノマーを水溶液重合させる手法が、本発明者らによって提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、開始剤として過硫酸塩および重亜硫酸塩を用いてモノマーを重合することによって、(メタ)アクリル酸系重合体を製造する方法を開示している。かような方法によって、重合体末端にスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸系重合体を、効率よく製造することができる。製造される(メタ)アクリル酸系重合体は各種性能、特に耐ゲル性に優れるため、洗剤ビルダーやスケール防止剤として有用である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−315115号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載されている技術によって、優れた特性を有する(メタ)アクリル酸系重合体が製造されうる。しかしながら、洗剤ビルダーやスケール防止剤として用いられる場合には、化合物中に含まれる不純物は、可能な限り少ないことが好ましい。
【0006】
そこで、本発明が目的とするところは、製造される(メタ)アクリル酸系重合体中に含まれる不純物量を低減する手段を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、重合反応液中の(メタ)アクリル酸系モノマーを重合させることによる、(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法であって、前記重合反応液は、開始剤として、1種以上の過硫酸塩および1種以上の重亜硫酸塩を含み、さらに、前記重合反応液は、重金属イオンを含むことを特徴とする(メタ)アクリル酸重合体の製造方法である。
【0008】
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法においては、重合反応液中に、重金属イオン、好ましくは鉄イオンが含まれる。重合反応液中に重金属イオンが含まれていると、開始剤効率が向上し、より少ない開始剤量で重合体を合成しうる。つまり、同一のモノマーから、同等の分子量を有する重合体を合成する際、使用する開始剤量を減少させうる。その結果、(メタ)アクリル酸系重合体中に含まれる開始剤由来の不純物量を低減させうる。
【0009】
本発明の製造方法は、重金属イオンを重合反応液に添加するといった容易な手法によって、効果的に不純物を低減させうる。このため、工業的に適用する際に発生する設備コストが比較的小さく、製造される製品の競争力が増大する。
【0010】
本発明の製造方法を用いて製造された(メタ)アクリル酸系重合体中には、不純物含有量が少ない。このため、(メタ)アクリル酸系重合体が適用される製品の品質が向上する。
【0011】
また、使用する開始剤量が少ないと、製造コスト的に有利である。その上、使用する開始剤量を減少させれば、重合反応液から生じる亜硫酸ガスの量を減少させうる。このため、重合反応における安全性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、製造される(メタ)アクリル酸系重合体中に含まれる不純物を低減させるべく鋭意検討を行った。そして、(メタ)アクリル酸系重合体の合成において、開始剤として用いられる過硫酸塩および重亜硫酸塩によって生成する不純物に着目して本発明を完成させた。
【0013】
上述の通り、過硫酸塩および重亜硫酸塩を開始剤として用いることによって、低分子量の(メタ)アクリル酸系重合体を、効率よく製造することができる。しかしながら、例えば、過硫酸塩として過硫酸ナトリウムを用いた場合には、不純物として硫酸ナトリウムが生成する。かような不純物を生成する手段としては、不純物の原料である過硫酸塩または重亜硫酸塩の使用量を減少させる手段が考えられる。ところが、過硫酸塩または重亜硫酸塩の使用量を減少させると、開始剤の不足により、生成する(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量が増加してしまう。例えば、(メタ)アクリル酸系重合体を洗剤ビルダーとして用いる場合には、必要以上の分子量の増加は抑制することが所望される。また、合成の自由度を向上させる上でも、重量平均分子量の小さい(メタ)アクリル酸系重合体を製造する方法が必要である。
【0014】
本発明者らは、重合反応液に重金属イオンを含ませることによって、使用する過硫酸塩または重亜硫酸塩の使用量を減少させうることを見出した。メカニズムは明らかではないが、重金属イオンを重合反応液に含ませることによって、過硫酸塩および重亜硫酸塩の、開始剤としての効率を向上させうる。そのため、少ない過硫酸塩および/または重亜硫酸塩で、従来と同程度の反応を進行させうる。開始剤として用いられる過硫酸塩および/または重亜硫酸塩の使用量を減少させれば、不純物の生成量も減少する。その上、本発明の効果を得るために加えられる重金属イオンは微量であるため、重金属イオン由来の不純物は、殆ど発生しない。
【0015】
次に、本発明の製造方法の実施形態について、詳細に説明する。
【0016】
(メタ)アクリル酸系重合体は、重合反応液において、(メタ)アクリル酸系モノマーを、開始剤を用いて重合させることによって合成される。まずは、重合に用いられる各成分について説明する。
【0017】
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体が挙げられる。
【0018】
(メタ)アクリル酸系モノマーの通常の滴下量は、最終的な中和後に得られる重合体溶液の質量に対して30〜60質量%である。この範囲内で(メタ)アクリル酸系モノマーを配合すれば、生産性の点で有益である。
【0019】
重合反応液の溶媒は、好ましくは水性の溶媒であり、より好ましくは水である。(メタ)アクリル酸系モノマーの溶媒への溶解性を向上させるために、モノマーの重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。加えられる有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。
【0020】
重合反応液中は、開始剤として、1種以上の過硫酸塩および1種類以上の重亜硫酸塩を含む。過硫酸塩および重亜硫酸塩を開始剤系として用いて重合することにより、(メタ)アクリル酸系重合体の末端にはスルホン酸基が導入されうる。スルホン酸基が導入されることにより、(メタ)アクリル酸系重合体は、良好な耐ゲル性を示しうる。
【0021】
過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加比率は、質量比で過硫酸塩1に対して、重亜硫酸塩は0.5〜10の範囲内であることが好ましい。過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が0.5未満であると、重亜硫酸塩による効果が十分ではなくなり、末端にスルホン酸基を導入することができなくなる恐れがある。また、過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が0.5未満であると、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量が高くなる傾向にある。一方、過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が10を超えると、重亜硫酸塩による効果が添加比率に伴うほど得られない恐れがある。ただし、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量が、この範囲に限定されるわけではない。具体的な過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量は、使用用途や使用環境に応じて決定されるべきである。例えば、(メタ)アクリル酸系重合体が洗剤ビルダーとして用いられる場合には、重合平均分子量が高すぎると、性能が低下する恐れがある。したがって、重量平均分子量が必要以上に増大しないように留意して、配合量を決定すればよい。
【0022】
過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加量は、使用される(メタ)アクリル酸系モノマー1モルに対する過硫酸塩および重亜硫酸塩の通常の配合量は、2〜20gである。この範囲内で過硫酸塩および重亜硫酸塩を添加すると、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の末端にスルホン酸基を導入しやすい。
【0023】
過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウムが挙げられる。重亜硫酸塩としては、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウムが挙げられる。必要であれば、亜硫酸塩やピロ亜硫酸塩などを用いてもよい。
【0024】
得られる(メタ)アクリル酸系重合体の末端にスルホン酸基を導入するためには、ある程度の量の過硫酸塩および重亜硫酸塩が配合される必要がある。しかしながら、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量が多すぎると、これらの化合物由来の不純物の生成量も増大する。また、開始剤として配合される重亜硫酸塩が分解して発生する亜硫酸ガスは、重合反応時の作業員の安全性や周辺環境へ悪影響を及ぼす。したがって、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量は少ないことが好ましい。本発明においては、重金属イオンを重合反応液中に配合することによって、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量を低減することを可能にした。
【0025】
即ち、本発明においては、重合反応液は、重金属イオンを含む。重金属とは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。具体的な重金属としては、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられる。2種以上の重金属が用いられてもよい。重合反応液は、これらのイオンを含む。好ましくは、重合反応液は、鉄イオンを含む。重金属イオンのイオン価については特に限定しない。例えば、重金属として鉄が用いられる場合には、重合反応中に溶解している鉄イオンは、Fe2+であっても、Fe3+であってよい。これらが組み合わされていても良い。
【0026】
重金属イオンは、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いて添加されうる。その際に用いられる重金属化合物は、重合反応液中に含有されることを所望する重金属イオンに応じて決定される。溶媒として水が用いられる場合には、水溶性の重金属塩が好ましい。水溶性の重金属塩としては、モール塩(Fe(NH42(SO42・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガンなどが挙げられる。
【0027】
重金属イオンの含有量は、特に限定されないが、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して好ましくは0.1〜10ppmである。重合反応完結時とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体がアルカリ成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
【0028】
重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しない恐れがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、重合体の色調の悪化を来たす恐れがある。また、重金属イオンの含有量が多いと、洗剤ビルダーとして用いられた際の汚れや、スケール防止剤として用いられた際のスケールが、増加するおそれがある。
【0029】
重合方法については、特に限定されない。好ましい実施形態の一つは、重金属イオンが予め配合された水溶液中に、(メタ)アクリル酸系モノマー、開始剤としての過硫酸塩および重亜硫酸塩を滴下する方法である。(メタ)アクリル酸系モノマーを含む溶液、過硫酸塩を含む溶液、および重亜硫酸塩を含む溶液を滴下することによって、各成分は重合反応液中で反応する。各溶液の濃度については、特に制限はない。
【0030】
各成分の滴下時間は、通常は60分〜420分であり、好ましくは90分〜360分である。(メタ)アクリル酸系モノマーは、一部または全量を反応系中に予め仕込まれてもよい。各成分によって、滴下時間が異なっていてもよい。
【0031】
滴下時間が30分以下であると、開始剤として添加される過硫酸塩および重亜硫酸塩によって生じる効果が減少し、スルホン酸導入が不十分となる恐れがある。一方、滴下時間が240分を超える場合には、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性の点で問題がある。ただし、事情がある場合には、上記範囲を外れても構わない。
【0032】
各成分の滴下速度は特に限定されるものではない。例えば、滴下の開始から終了を通じて、滴下速度は一定であってもよく、必要に応じて、滴下速度を変化させてもよい。重合体の製造効率を高めるためには、滴下終了後の重合反応液における固形成分の濃度、すなわちモノマーの重合によって生じる固形分の濃度が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上になるように、各成分を滴下させる。滴下終了後の重合反応液における固形成分の濃度が40質量%以上となるような条件で反応を行させる場合には、重合反応液は酸性であることが好ましい。具体的には、重合反応は酸性側(中和度40mol%未満)でなされると、重合反応液の粘度の上昇を抑制しうる。
【0033】
(メタ)アクリル酸系モノマーの重合における重合温度は、好ましくは25〜99℃、より好ましくは50〜95℃、さらに好ましくは、70℃以上90℃未満である。重合温度が25℃未満の場合には、得られる重合体の重量平均分子量が上昇し、また、不純物の生成量が増加する恐れがある。また、重合時間が長くなるため、重合体の生産性が低下する。一方、重合温度が99℃を超える場合には、開始剤として用いられる重亜硫酸塩が分解して亜硫酸ガスが多量に発生する恐れがある。液相中に溶解した亜硫酸ガスは、不純物の原因物質となり得るため、亜硫酸ガスが多量に発生すると、得られる重合体中の不純物量が増加する恐れがある。また、気相中の亜硫酸ガスの回収コストが増加する。なお、重合温度とは、重合反応液の温度をいう。重合温度の測定方法や制御手段については、特に限定されず、一般に使用される装置を用いて測定すればよい。
【0034】
重合時の圧力は、特に限定されるものではなく、常圧下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であってもよい。
【0035】
低分子量の重合体を得るためには、重合反応は酸性条件下で行われることが好ましい。具体的には、中和度は、好ましくは40mol%未満であり、より好ましくは20mol%未満であり、さらに好ましくは10mol%未満である。重合反応中の中和度が高いと不純物が多量に生成する恐れがある。重合反応中の中和度の下限値は特に制限されないが、重合反応中の中和度が低すぎると、亜硫酸ガスの発生量が増加する恐れがある。これらのバランスを考えると、重合反応中の中和度は5mol%程度に保つとよい。
【0036】
中和度の測定方法については、一定の再現性を有する測定方法であれば、特に制限はない。例えば、実施例において記載する方法を用いることができる。また、中和度は、重合反応液中において用いられるモノマーの量(mol)に応じて、アルカリ成分または酸性分を適宜加えることによって、制御されうる。酸性条件下で重合反応を進行させて得られた重合体の中和度を上昇させるためには、水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分を添加するとよい。
【0037】
酸性条件下で重合反応を行うことにより、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、従来の製造方法では、場合によっては必要であった濃縮工程を省略することができる。それゆえ、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
【0038】
酸性条件下で重合を行う場合には、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の中和度は、重合が終了した後に、アルカリ成分を適宜添加することによって制御される。アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類等が挙げられる。アルカリ成分は、1種類のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
上述の反応によって、(メタ)アクリル酸系重合体が合成されうる。本願において(メタ)アクリル酸系重合体とは、(メタ)アクリル酸系モノマー、即ち、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体をモノマーとして形成されるホモポリマーをいう。好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸をモノマーとするホモポリマーである。ただし、本願でいうホモポリマーは、中和度によって変化する複数の繰り返し単位を有していても良い。例えば、メタクリル酸をモノマーとして重合した場合において、−(COOH)の一部が−(COONa)になっていても、酸または塩基を用いれば同一の構造になる場合には、ホモポリマーの概念に含まれるものとする。
【0040】
また、本願におけるホモポリマーは、完全なホモポリマーでなくてもよく、本願における効果を妨げない範囲の微量の他成分を含んでいても良い。具体的には、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体は、主成分であるモノマーユニットの他に、3質量%未満の他成分を含有してもよい。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体は、好ましくは2質量%未満の他成分、より好ましくは1質量%未満の他成分、さらに好ましくは0.5質量%未満の他成分、特に好ましくは0質量%の他成分を含む。なお、「0質量%の他成分を含む」とは、通常の測定によって他成分が検出されない重合体、即ち、完全なホモポリマーであることを意味する。
【0041】
得られる(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、好ましくは500〜30,000であり、より好ましくは1,000〜10,000である。重量平均分子量がこの範囲内であれば、(メタ)アクリル酸系重合体は、分散能、キレート能、および耐ゲル性といった各種性能を最も効果的に発揮することができる。
【0042】
分散剤やスケール防止剤に用いられる分子量1,000以上の水溶性重合体では、分子量が1,000に近づくほど、分散能および耐ゲル性は高い性能を示す。一方、キレート能は、水溶性重合体の分子量が大きいほど高い性能を示す。それゆえ、分散能、キレート能、および耐ゲル性の三つの性能を全て良好に向上させることは困難であった。
【0043】
本発明の製造方法によって調製される(メタ)アクリル酸系重合体は、その末端にスルホン酸基が導入されうる。末端に、スルホン酸基が導入されている場合には、分子量が比較的大きくても分散能および耐ゲル性は良好なものとなる。特に、分子量が大きいにもかかわらず、耐ゲル性は非常に良好である。
【0044】
本発明の製造方法によって製造される(メタ)アクリル酸系重合体は、分散能、キレート能、耐ゲル性などの各種特性に優れる。その上、使用する開始剤が少ないため、不純物含有量が少なく、製造コストも低い。かような特徴を有する(メタ)アクリル酸系重合体は、洗剤ビルダー、無機顔料の分散剤、スケール防止剤など各種用途において、非常に有用である。
【0045】
なお、本発明の製造方法を実施するにあたっては、前記特許文献1などの公知技術を適用してもよく、本発明の技術的範囲は、本明細書において記載する具体的実施形態に限定されない。また、本発明の製造方法によって製造された(メタ)アクリル酸系重合体を各種用途に適用するにあたっては、公知技術を適宜参照すればよく、特に限定されるわけではない。新たに開発された手段を用いても良い。
【0046】
【実施例】
続いて、本発明の効果について、以下の実施例を参照して説明する。
【0047】
<実施例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、175.0gの純水および0.0081gのFe(NH42(SO42・6H2O(モール塩)を仕込んだ。重合反応完結時における重合反応液の全質量に対する、重金属イオンとしての鉄イオンの濃度を算出したところ、鉄イオンの濃度は1ppmであった。この水溶液を撹拌しながら、90℃まで昇温させた。
【0048】
次に、約90℃に保持された重合反応液中に、撹拌しながら、(1)モノマーとして、450.0g(5.0mol)の80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と略す」、(2)中和度を制御する目的で、20.8g(0.25mol)の48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」と略す)、(3)過硫酸塩として、66.7gの15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」と略す)、および、(4)重亜硫酸塩として、71.4gの35%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」と略す)を、別々の滴下ノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAおよび48%NaOHについては180分間、35%SBSについては175分間、15%NaPSについては185分間とした。滴下は連続的に行われ、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。
【0049】
なお、系中に投入された全モノマーに対する開始剤の使用量は、下記式に従って算出される「対モノマー投入量」を用いて、比較した。
【0050】
【数1】
Figure 0004642316
【0051】
上記式からも明らかなように、開始剤の「対モノマー投入量」とは、(メタ)アクリル酸系重合体を重合するために、重合反応液中に投入されたモノマー1molあたり使用された開始剤量(g)を意味する。
【0052】
本実施例においては、過硫酸塩としての過硫酸ナトリウムについての対モノマー投入量は2.0g/molであった。また、重亜硫酸塩としての重亜硫酸ナトリウムについての対モノマー投入量は5.0g/molであった。
【0053】
滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃に保持して重合を完結させた。重合完結後、重合反応液を放冷し、375.0g(4.50mol)の48%NaOHを、撹拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。なお、前述の「重合反応完結時における重合反応液の全質量に対する、重金属イオンとしての鉄イオン(Fe)の濃度」は、この時点での重合反応液の全質量を基準として算出した。
【0054】
中和後の重合反応液における固形分濃度は45質量%であった。得られたポリアクリル酸ナトリウムの最終中和度は95mol%であった。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は4900であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0055】
得られた重合体の中和度は、以下の手順に従って測定した。
【0056】
▲1▼ 重合反応液の中和滴定を行い、滴定曲線を作成した。ここで変曲点をむかえるまでに加えた水酸化ナトリウムの量をA(mol)とした。
【0057】
▲2▼ 水酸化ナトリウムが加えられた重合反応液の固形分濃度を測定した。
【0058】
▲3▼ ▲2▼で求めた濃度と、水酸化ナトリウムが滴下される前の重合反応液の質量から、重合体の質量を算出した。この質量の値を、モノマーのナトリウム塩の分子量で割り、モノマーユニットの量B(mol)を算出した。
【0059】
▲4▼ 得られた重合体の中和度を、下記式:
【0060】
【数2】
Figure 0004642316
【0061】
により算出した。
【0062】
<実施例2>
重合反応液に添加されるモール塩の質量を0.0244gにした以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は4500であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0063】
<実施例3>
重合反応液に添加されるモール塩の質量を0.0814gにした以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は4200であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0064】
<実施例4>
重合反応液に添加されるモール塩の質量を0.0242gにし、所期仕込の水量を178.0gとし、35%SBSの滴下量を57.1g(対モノマー投入量=4.0g/mol)とした以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は6000であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0065】
<実施例5>
重合反応液に添加されるモール塩の質量を0.0242gにし、所期仕込の水量を197.0gとし、15%NaPSの滴下量を33.3g(対モノマー投入量=1.0g/mol)とした以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は5200であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0066】
<実施例6>
重合反応液に添加されるモール塩の質量を0.0240gにし、所期仕込の水量を204.0gとし、15%NaPSの滴下量を16.7g(対モノマー投入量=0.5g/mol)とした以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は6000であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0067】
<比較例1>
モール塩を添加しない以外は、実施例1の手順に準じて、ポリアクリル酸ナトリウムを得た。また、得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は5900であった。重合体の合成条件および得られた重合体の特性を、まとめて表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004642316
【0069】
表1に示されるように、重金属イオンを重合反応液に含ませる事によって、開始剤の効率が向上する。例えば、実施例1と比較例1とを比較すれば、僅か1ppmの重金属イオンを重合反応液に加えることによって、得られる重合体の重量平均分子量が約2割も小さくなっている。これは、重金属イオンの添加によって、開始剤の効率が上昇しているためと推測される。
【0070】
実施例1〜3において示されるように、重金属イオンの濃度が増加するに従って、得られる重合体の重量平均分子量は減少した。このように、開始剤の効率に関して重金属イオンが影響しており、量の増加とともにその効果も増加する。
【0071】
実施例4(Mw=6000)、実施例6(Mw=6000)、および比較例1(Mw=5900)は、過硫酸塩および重亜硫酸塩の使用量が異なるにもかかわらず、同程度の重量平均分子量の重合体が得られた。このことから、僅かの重金属イオンを重合反応液に加えることによって、過硫酸塩および重亜硫酸塩の使用量を減少させうることがわかる。つまり、比較例1の重合体を作成するためには、2.0g/molのNaPS(過硫酸塩)および5.0g/molのSBS(重亜硫酸塩)が必要であった。僅かの重金属イオンを重合反応液に加えるだけで、実施例6においては、NaPSの使用量を0.5g/molに減少させうる。このことは、NaPS由来の不純物が、単純計算で75%減少することを意味する。このように、本発明の製造方法によって、不純物の大幅な低減が図られる。
【0072】
【発明の効果】
重合反応液中に重金属イオンを含ませることによって、生成する(メタ)アクリル酸系重合体中に含まれる不純物量が低下する。不純物が少ない(メタ)アクリル酸系重合体を用いることにより、該重合体が適用される製品の品質も向上する。
【0073】
使用する開始剤量が少ないと、製造コスト的に有利である。その上、使用する開始剤量を減少させれば、重合反応液から生じる亜硫酸ガスの量を減少させうる。このため、重合反応における安全性が向上する。

Claims (4)

  1. 重合反応液中の(メタ)アクリル酸系モノマーを重合させることによる、(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法であって、
    前記重合反応液は、開始剤として、1種以上の過硫酸塩および1種以上の重亜硫酸塩、前記過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が0.5〜10の質量比を含み、
    さらに、過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加量が使用される(メタ)アクリル酸モノマー1モルに対し2〜7gであり、
    前記重合反応液は、鉄イオンを含み、アルカリ成分を当該重合中に中和度が40mol%未満になるよう添加し、かつ重合反応完結時における重合反応液の全質量に対する前記鉄イオンの濃度は、0.1〜10ppmであり、
    前記重合は、70〜99℃の温度で行なわれることを特徴とするアクリル酸またはメタクリル酸をモノマーとするホモポリマーの製造方法。
  2. 得られた(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、500〜30000である、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法。
  3. 得られた(メタ)アクリル酸系重合体は、洗剤ビルダーとして用いられる、請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法。
  4. 得られた(メタ)アクリル酸系重合体は、当該重合体の末端にスルホン基を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法。
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