JP4056364B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な風合いを有し、ウエットバック量の少ない吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品におけるトップシートとして、繊維径の異なる2層以上の層を有する多層構造の不織布を用いることが知られている。例えば本出願人は先に、トップシートとして用いられる不織布において、着用者の肌対向側の層に繊維径の大きな繊維を用い且つ吸収体対向側の層の繊維径の小さな繊維を用いることで、毛管力に勾配を生じさせ、液の引き込み性を高めることを提案した(特許文献1参照)。
【0003】
前記の技術では不織布の厚みを考慮することで風合い面にも配慮しているものの、着用者の肌対向側の層にその下層よりも繊維径の大きな繊維を用いると、その高剛性に起因して、不織布はごわごわした感触を呈しがちとなり、嵩高さに起因する柔らかさは与えるものの滑らかさに起因する柔らかさに影響を与えてしまうことが判明した。また、繊維間の空隙が大きいので、吸収体に吸収された排泄物の色が外部から視認され易く、清潔なイメージを使用者に与えづらいことも判明した。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−178133号公報
【0005】
従って、本発明は、良好な滑らかさと柔らかさを備えた風合いを有し、また吸収体に吸収された排泄物の色に対する隠蔽性が高い吸収性物品を提供することを目的とする。
また本発明は、ウエットバック量の少ない吸収性物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは意外にも、多層構造の不織布からなるトップシートにおいて、従来の層構造とは逆に、着用者の肌対向面に位置する上層に細径の繊維を用い、該上層に隣接する下層に上層よりも太径の繊維を用い且つ該下層の坪量をコントロールすることで、トップシートの風合いを良好にでき且つウエットバック量を低減させ得ることを知見した。
【0007】
本発明は前記知見に基づきなされたもので、表面層としての第1の層と該第1の層に隣接して配された第2の層とを有し、前記第1の層の構成繊維の繊維径が11〜18μmで、前記第2の層の構成繊維の繊維径が19〜31μmであり、前記第1の層及び前記第2の層の坪量がそれぞれ7〜30g/m2で、全坪量が14〜60g/m2である不織布からなるトップシートを備え、前記第1の層側が着用者の肌に対向するように該不織布が配されている吸収性物品であって、
前記第1の層及び前記第2の層の構成繊維がそれぞれ親水化処理されており、且つ前記第1の層の構成繊維は、前記第2の層の構成繊維に比べて、水との接触で親水化度が低下し易いように親水化されており、
前記第1の層を構成する疎水性繊維の表面には、親水化剤としてノニオン性界面活性剤が塗布されており、
前記第2の層を構成する疎水性繊維の表面には、親水化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエーテル変性シリコーン又はエチレンオキサイド付加多価アルコールの脂肪酸エステルが塗布されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、一般に液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在配置された液保持性の吸収体とを備えている。そして、トップシートとして以下に詳述する不織布が用いられている。バックシート及び吸収体としては、この種の吸収性物品に通常用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えばバックシートとしては、透湿性を有するか又は有さない熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。吸収体としてはパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合体をティッシュペーパー等の紙で包んだ構造ものや、高吸収性ポリマーの粒子からなる層の上下をパルプからなる層でサンドイッチした構造のものを用いることができる。
【0009】
トップシートを構成する不織布は多層構造であり、典型的には2層構造である。2層構造の不織布は、表面層としての第1の層と該第1の層に隣接した配された第2の層とからなる。そして該不織布は、第1の層側が着用者の肌に対向するように吸収性物品に配される。
【0010】
着用者の肌に対向する第1の層は、その構成繊維の繊維径が11〜18μmであり、好ましくは11〜15μmである。繊度では1.3〜2.2dtex、特に1.3〜2dtexであることが好ましい。これに対して、吸収体に対向する第2の層は、その構成繊維の繊維径が、第1の層の構成繊維のそれよりも太い19〜31μmであり、好ましくは19〜28μmである。繊度では3.3〜6.7dtex、特に3.3〜5.6dtexであることが好ましい。つまり、本発明においては、着用者の肌に対向する第1の層に細い繊維を用い、吸収体に対向する第2の層に、第1の層よりも太い繊維を用いている。尚、第1の層及び第2の層は、それらの構成繊維のすべてが前記範囲の繊維径を有することが好ましいが、本発明の所望の効果を損なわない範囲において、前記範囲外の繊維が少量含まれることは許容される。なお繊維径は、不織布の電子顕微鏡観察において、10カ所の位置での標準的な太さの繊維を対象として測定され、その平均値を算出したものである。
【0011】
着用者の肌に対向する第1の層に含まれる細い繊維は剛性が低いので、トップシートの肌対向面が柔軟な風合いを呈するようになる。また、同坪量の太い繊維を用いる場合に比べて繊維の本数が多くなることから、トップシートの肌対向面のざらつき感がなくなり滑らかな風合いを呈し、着用者に対して一層柔らかな印象を与えるとともに、吸収体に吸収された排泄物の色に対する隠蔽性も高くなる。隠蔽性が高くなることは、使用者に対して、吸収性物品が清潔であるという好印象を与える。
【0012】
従来、トップシートの肌対向面に細い繊維を用いると、ウエットバック量が多くなるので、細い繊維はトップシートの肌対向面に用いるべきでないと考えられてきた。しかし、本発明者らが種々検討した結果、細い繊維からなる層に隣接して該繊維よりも太い繊維、具体的には前述の通り19〜31μmの繊維からなる層(第2の層)を配し、且つ該太い繊維からなる層の坪量を所定量以上に大きくすることで、ウエットバック量を低減させ得ることが判明した。ウエットバック量が低減する理由は次の通りであると考えられる。太い繊維は剛性が高いことから、不織布の製造工程、吸収性物品がパッケージ詰めされている状態、或いは吸収性物品の装着中に圧縮力を受けても圧縮され難い。従って第2の層はその嵩高さが維持される。つまり、大きな繊維間距離が維持される。その結果、第2の層の毛管力は弱くなり、吸収体に吸収されている液が第2の層へ移行しづらくなる。つまりウエットバック量が少なくなる。
【0013】
第2の層を嵩高くしてウエットバック量を低減させるには、その構成繊維として前述の範囲の繊維径を有するものを用いることに加えて、剛性の高い繊維を用いることが好ましい。この観点から、第2の層の構成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。これらの繊維は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは剛性の高い材料であることから、これを含む複合繊維であるポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維や、ポリエチレンテレフタレート繊維を用いることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維の場合、その繊維径は19〜31μm、特に19〜27.7μm程度の太径であることが好ましい。複合繊維の形態としては、芯鞘型(同芯及び偏芯)やサイド・バイ・サイド型が挙げられる。これらの繊維がステープルファイバーである場合その繊維長は38〜60mm程度であることが好ましい。第2の層は前述の繊維のみから構成されていてもよく、或いはその他の繊維を付加的に含んでいてもよい。その他の繊維としては例えば、隠蔽性や毛管力をコントロールすること目的として配合される、繊維径が11〜19μmの繊維が挙げられる。この繊維は、第2層全量に対して30重量%以下配合されることが好ましい。
【0014】
一方、第1の層を構成する繊維としては、繊維径が小さく且つ密度の高い樹脂から構成された繊維を用いることが好ましい。この理由は、繊維の剛性を維持しつつ、トップシートの嵩高さが増し、且つその嵩高さが維持され、しかもトップシートにおける肌対向面が一層柔軟な風合いを呈するようになるからである。また、同坪量の低密度の繊維を用いる場合に比べて繊維間の空間が若干多くなるので、隠蔽性を低下させない程度においてトップシートにおける肌対向面のざらつき感がなくなり、一層滑らかな風合いを呈し且つウェットバック量が低減するからである。そのような繊維としては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。これらの繊維は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンやポリプロピレンに比べて密度が高いことから、これを含む複合繊維であるポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。またポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることで、トップシートの肌対向面がより一層滑らかになり、風合いが一層良好になるという利点もある。加えて、ポリエチレンテレフタレートはポリエチレンよりも融点が高いので、後述するエアスルー法やヒートロール法で不織布を製造した場合には、ポリエチレンの融点付近温度で熱処理してもポリエチレンテレフタレートの溶融が起こらず、その結果ポリエチレンテレフタレートの剛性が不織布にコシを与え、単なる柔らかさではなく、しっかりとした柔軟性を与える。複合繊維の形態及びその繊維長は第2の層の場合と同様とすることができる。第1の層は前述の繊維のみから構成されていてもよく、或いはその他の繊維を付加的に含んでいてもよい。例えば通液性や肌触りをコントロールすることを目的として、繊維径17.4〜19μmの繊維を、第1の層全量に対して0.1〜20重量%程度配合することができる。
【0015】
第1の層の坪量は7〜30g/m2であり、好ましくは8〜20g/m2である。第1の層の坪量が7g/m2未満では、第1の層に満足すべき風合いを付与できず、30g/m2超では、第1の層の毛管力が高くなり、第1の層から第2の層への液の移行が円滑に行われにくくなる。一方、第2の層の坪量に関しては、先に述べた通りウエットバック量を低減させる観点から一定量以上の坪量が必要であり、具体的には7〜30g/m2であり、好ましくは10〜25g/m2である。第2の層の坪量が7g/m2未満では、第1の層と吸収体との間に疎な空間を十分に形成することができずウエットバック量を低減させることが困難となり、30g/m2超では、不織布全体の剛性が高くなり過ぎて、その風合いが低下する傾向にある。
【0016】
第1の層と第2の層との坪量の大小関係に特に制限はなく、吸収性物品の具体的な用途に応じ、第1の層の坪量を大きくしたり、逆に第2の層の坪量を大きくすることができる。特に第1の層の坪量と第2の層の坪量との比(前者/後者)が0.4〜3、特に0.5〜2.5、とりわけ0.5〜2であると、第1の層の風合いを維持しつつ、第2の層の毛管力を十分に下げるのに必要な繊維間距離を十分に維持することができる。その結果トップシートとしての風合いを良好にでき且つウェットバック量を低減させることができる。
【0017】
第1の層及び第2の層を含む不織布全体の坪量は14〜60g/m2であり、18〜45g/m2であることが好ましい。不織布全体の坪量が14g/m2未満では、不織布の強度が不十分となり吸収性物品の加工性が悪くなってしまう。また60g/m2超では、不織布の通液性が十分でなくしかも経済的でない。不織布の厚みは、0.5〜3mm、特に0.5〜2mmであることが、不織布の柔らかさを維持でき、また繊維間距離を維持できるので好ましい。また後述するように、この不織布の下に薄い吸収体を配する場合には、吸液性と表面の風合い(滑らかさ及び柔らかさ)とを両立することができるので好ましい。
【0018】
第1の層の構成繊維は、その初期において(つまり、吸収性物品の使用前において)親水性を示す。第1の層の構成繊維が親水性を示すことで、該繊維の表面が濡れ易くなり、第1の層の構成繊維の細径化に起因する毛管力の上昇を抑制することができ、ウエットバック量を一層低減させることができる。この観点から、第1の層の構成繊維は疎水性繊維に親水化処理が施されたものとする。一方、第2の層に関しても、その構成繊維は初期において親水性を示す。これによって第1の層を透過してきた液が、第2の層を円滑に透過して吸収体へと導かれるようになる。第2の層の構成繊維は、疎水性繊維に親水化処理が施されたものとする
【0019】
第1の層及び第2の層それぞれの構成繊維の親水化の程度に関し、各層の構成繊維がそれぞれ親水化処理されており、且つ第1の層の構成繊維は、第2の層の構成繊維に比べて、水との接触で親水化度が低下し易いように親水化されている。各層の構成繊維の親水化度をこのようにコントロールすることで、ウエットバック量を更に一層低減させることができる。各層の構成繊維の親水化度のコントロールは次のように行う。第1の層に関しては、親水化剤としてノニオン性界面活性剤を主体としたものを使用する。具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのような、水との接触で繊維表面から比較的容易に離脱する物質を用い、該親水化剤を疎水性繊維の表面に塗布する。第2の層に関しては、親水化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエーテル変性シリコーン、エチレンオキサイド付加多価アルコールの脂肪酸エステルのような、水と接触しても繊維表面から容易には離脱しない物質を用い、該親水化剤を疎水性繊維の表面に塗布する。或いは、第2の層の構成繊維として親水性の繊維を用いるか、又は親水性の繊維を混合してもよい。
【0020】
なお第1の層又は第2の層には、これらの層の親水性をコントロールする目的で、コットン繊維やレーヨン繊維をこれらの層の全量に対して0.1〜5重量%程度配合してもよい。更にエアスルー不織布の隠蔽性を高めることを目的として、第1の層又は第2の層を構成する繊維に酸化チタン等の顔料を、繊維の重量に基づき3重量%以下の量で配合してもよい。
【0021】
本発明で用いられる不織布としては、各種不織布製造方法で得られたものを用いることができる。特にエアスルー法又はヒートロール法で得られたものであることが、良好な風合い、嵩高さ等の点から好ましい。エアスルー法は、カードウエブなどの繊維ウエブを、通気性のネットやドラムの上に載置し、熱風を吹き付けることで構成繊維の交点を熱融着させて不織布化する方法である。ヒートロール法は、カードウエブなどの繊維ウエブを、所定温度に加熱した彫刻ロールと平滑ロールとの間、又は一対の平滑ロール間に通して挟圧することで構成繊維の交点を熱融着させて不織布化する方法である。これら2つの方法のうち、風合いが一層良好で、また一層嵩高い不織布が得られる点から、エアスルー法を用いることが好ましい。
【0022】
前述した製造方法から明らかなように、エアスルー法で得られた不織布(以下、エアスルー不織布ともいう)は、ネット又はドラム対向面(以下、ネット対向面ともいう)と、熱風の吹き付け面(以下、吹き付け面ともいう)との2つの面を有している。エアスルー不織布におけるこれら2つの面のうち、ネット対向面が、着用者の肌に対向するように該不織布をおむつに配することが好ましい。つまり、エアスルー不織布の製造方法において、第1の層側がネット対向面側となるように不織布を製造する。逆に言えば、第2の層側が吹き付け面となるように不織布を製造し、第2の層側が吸収体に対向する側となるように該不織布をおむつに配する。エアスルー不織布をこのように配する理由は、ネット対向面は毛羽立ちが少ないこと、及びネット対向面は平滑であり引っかかり感が少ないこと等によるものである。
【0023】
次に、本発明において用いられる不織布の好ましい製造方法を、2層構造のエアスルー不織布の製造を例にとり説明する。先ず、第1の繊維ウエブ及び第2の繊維ウエブを製造する。第1の繊維ウエブは繊維径11〜18μmの細い繊維から構成されている。一方、第2の繊維ウエブは繊維径19〜31μmの太い繊維から構成されている。各繊維ウエブの製造方法としては、例えば繊維としてステープルファイバーを用いる場合にはカード法を用いることができる。各ウエブを構成する繊維が疎水性である場合には、親水化剤を用いて親水化処理を施す。このとき、各ウエブを構成する繊維の親水化度は前述したようにコントロールすることが好ましい。
【0024】
第2の繊維ウエブ上に第1の繊維ウエブを重ね合わせ、エアスルー法によってウエブを不織布化する。先ず、重ね合わせ状態にあるウエブを通気性材料からなるネット又はドラム上に載置する。このとき、第1の繊維ウエブがネット又はドラムに対向するようにウエブを載置する。通気性材料としては一般に金属製のワイヤーメッシュ、パンチングメタルなどが用いられる。
【0025】
ウエブがネット又はドラム上に載置された状態下に、第2の繊維ウエブ側、即ち太い繊維からなるウエブ側から熱風を吹き付けて、ウエブにおける繊維どうしの交点を熱融着させる。この操作によってエアスルー不織布が得られる。熱風の温度は、用いる繊維にもよるが例えばポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの複合繊維を用いる場合には130〜140℃程度とすることができる。熱風の吹き付け速度は50〜100m/分程度とすることができ、そのときの吹き付け時間は5〜30秒程度とすることができる。ウエブの搬送速度は、用いる繊維の種類やウエブの坪量にもよるが、一般に10〜120m/分程度とすることができる。
【0026】
得られたエアスルー不織布には、付加的に超音波エンボス加工や熱ロールエンボス加工を施してもよい。これによって、不織布の風合いが一層向上し、また肌との接触面積が一層低下する。このようにして得られたエアスルー不織布は、そのままインラインで、或いは一旦巻き取られた後の別工程で、吸収性物品の製造工程に供され、トップシートの構成部材として用いられる。
【0027】
本発明において用いられる不織布は、概ねあらゆる吸収体上に配置しても柔らかさを示すものである。吸収体としては例えば、着用者対向側にパルプのみからなる層を有し、その下側に高吸収性ポリマーを主体とする吸収保持層を有するタイプの吸収体も挙げられるが、とりわけ高吸収性ポリマーとパルプとを混合したタイプの吸収体の上に前記不織布を配置すると、ウェットバックを抑える効果が高くなるので好ましい。このタイプの吸収体を用いる場合、高吸収性ポリマーとパルプとの混合比(重量比)が40/60〜70/30であると、ウェットバックを抑える効果が一層高くなる。
【0028】
吸収体を薄くして吸収性物品としての着用性(フィット性)や携帯性を高めようとする場合にトップシートとして前記不織布を用いると、それらの特性が妨げられずに吸収性物品の風合いが高まるので好ましい。吸収体の厚みが5mm以下、とりわけ3mm以下である場合に前記不織布は特に有用である。加えて、吸収体を薄くすることに起因して吸収体を硬せざるを得ない場合があるが、そのような場合であっても前記不織布を用いると着用者に吸収体の硬さを直接感じさせないという利点もある。
【0029】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えばトップシートを構成する不織布においては、第2の層の下側に1層以上の付加的な層を更に配してもよい。
【0030】
本発明は、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナなどを始めとする各種吸収性物品に適用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)からなる繊維径14.8μm(繊度2dtex)の芯鞘型複合繊維を原料として用い、カード法によって第1の繊維ウエブを製造した。坪量は15g/m2であった。これとは別に、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)からなる繊維径21.9μm(繊度4.4dtex)の芯鞘型複合繊維を原料として用い、カード法によって第2の繊維ウエブを製造した。坪量は15g/m2であった。
【0033】
第2の繊維ウエブ上に第1の繊維ウエブを重ね合わせ、両者をワイヤーメッシュからなる金属製の無端縁ネット上に載置した。このとき、第1の繊維ウエブがネットに対向するようにウエブを載置した。ネットを20m/分の速度で走行させながら、第2の繊維ウエブの側から温度140℃の熱風を60m/分の速度で18秒間吹き付けた。これによりウエブの構成繊維の交点を熱融着させ、坪量30g/m2のエアスルー不織布を得た。得られた不織布は、繊維径14.8μmの繊維からなる第1の層と繊維径21.9μmの繊維からなる第2の層(繊度2dtexの細繊度の繊維からなる第1の層と、繊度4.4dtexの太繊度の繊維からなる第2の層)との2層構造であった。
【0034】
得られたエアスルー不織布を使い捨ておむつのトップシートとして用いた。またバックシートとしてポリエチレン製の透湿フィルムを用い、吸収体としてフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との積繊体(パルプ/ポリマー重量比=50/50)を台紙で包んだものを用いた。吸収体上に直接トップシートを配し、常法に従い使い捨ておむつを製造した。このとき、トップシートとして用いられるエアスルー不織布を、その第1の層側がおむつにおける肌対向面となるように、おむつに配した。つまり、エアスルー不織布における吹き付け面が、おむつにおける吸収体対向面となるようにした。
【0035】
〔実施例2〜7並びに比較例1及び2〕
第1の層及び第2の層の構成繊維として表1に示すものを用い、実施例1と同様にしてエアスルー不織布及び使い捨ておむつを得た。
【0036】
得られたおむつについて、以下の方法でトップシートの風合いを評価すると共にウエットバック量及び反射率を測定した。結果を以下の表1に示す。
【0037】
〔トップシートの風合い〕
20人の女性をモニターにして官能試験を行い、以下の評価基準でおむつにおけるトップシートの風合いを点付けし、その平均点を算出した。官能試験の項目は柔らかさ、滑らかさ、肌触りとし、比較例1のおむつにおけるトップシートを基準とした。
評価基準
+5点…良い
+4点…やや良い
+3点…どちらでもない(比較例1)
+2点…やや悪い
+1点…悪い
【0038】
〔ウエットバック量〕
使い捨ておむつの中央部のトップシート上から生理用食塩水200gを吸収させ10分間放置した。次いで、生理用食塩水の吸収部位上にアドバンテック製のNo.4Aろ紙20枚重ね、更にその上に荷重を2分間加えて生理食塩水をろ紙に吸収させた。荷重は10cm×10cmの面積に34.3Nが加わるようにした。2分経過後荷重を取り除き、生理食塩水を吸収したろ紙の重量を測定した。この重量から吸収前のろ紙の重量を差し引き、その値をウェットバック量とした。
【0039】
〔反射率〕
日本電色工業(株)製の色差計SZG−Σ80を用い、以下の条件で測定し以下の計算式から算出した。反射率はトップシートの隠蔽性の指標となるものであり、その値が大きいほど隠蔽性が高いことを意味する。
測定条件:
・測定部径φ30mm(これに合わせて内部レンズをφ30mm用とした)
・回数10回
・波長500nm
計算式:
反射率(%)=[(r−r0)/(100−r0)]×100
式中rは不織布の値であり、r0は黒色基準板の値である。
【0040】
【表1】
Figure 0004056364
【0041】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜7の使い捨ておむつ(本発明品)は、そのトップシートが良好な風合いを呈し、また隠蔽性が高いことが判る。更にウエットバック量も少ないことが判る。これに対して、比較例1及び2のおむつはウエットバック量は少ないものの、トップシートの風合い及び隠蔽性は実施例1〜7のおむつよりも劣ることが判る。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の吸収性物品は、良好な滑らかさと柔らかさを備えた風合いを有し、また吸収体に吸収された排泄物の色に対する隠蔽性が高いものである。また、本発明の吸収性物品はウエットバック量の少ないものである。

Claims (3)

  1. 表面層としての第1の層と該第1の層に隣接して配された第2の層とを有し、前記第1の層の構成繊維の繊維径が11〜18μmで、前記第2の層の構成繊維の繊維径が19〜31μmであり、前記第1の層及び前記第2の層の坪量がそれぞれ7〜30g/m2で、全坪量が14〜60g/m2である不織布からなるトップシートを備え、前記第1の層側が着用者の肌に対向するように該不織布が配されている吸収性物品であって、
    前記第1の層及び前記第2の層の構成繊維がそれぞれ親水化処理されており、且つ前記第1の層の構成繊維は、前記第2の層の構成繊維に比べて、水との接触で親水化度が低下し易いように親水化されており、
    前記第1の層を構成する疎水性繊維の表面には、親水化剤としてノニオン性界面活性剤が塗布されており、
    前記第2の層を構成する疎水性繊維の表面には、親水化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエーテル変性シリコーン又はエチレンオキサイド付加多価アルコールの脂肪酸エステルが塗布されている吸収性物品
  2. 前記不織布がエアスルー法で得られたものであり、前記第2の層側が熱風の吹き付け面側である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記第1の層の構成繊維がポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維である請求項1又は2記載の吸収性物品。
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