JP3977821B2 - 電子写真感光体の製造方法および製造装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3977821B2
JP3977821B2 JP2004130308A JP2004130308A JP3977821B2 JP 3977821 B2 JP3977821 B2 JP 3977821B2 JP 2004130308 A JP2004130308 A JP 2004130308A JP 2004130308 A JP2004130308 A JP 2004130308A JP 3977821 B2 JP3977821 B2 JP 3977821B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
roll
cylindrical substrate
charge generation
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004130308A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005315908A (ja
Inventor
幹男 角井
孝嗣 小幡
正紀 木ノ元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004130308A priority Critical patent/JP3977821B2/ja
Priority to CNB2005100666757A priority patent/CN100351705C/zh
Priority to US11/114,007 priority patent/US7781137B2/en
Publication of JP2005315908A publication Critical patent/JP2005315908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3977821B2 publication Critical patent/JP3977821B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/043Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure
    • G03G5/047Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure characterised by the charge-generation layers or charge transport layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C1/00Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating
    • B05C1/04Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length
    • B05C1/08Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line
    • B05C1/0813Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line characterised by means for supplying liquid or other fluent material to the roller
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0525Coating methods

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、たとえば複写機、プリンターなどの画像形成装置に用いられる電子写真感光体の製造方法および製造装置に関する。
複写機、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、中空円筒状の円筒状基体の外周面に有機の感光層が塗布されて形成されている。最近、電子写真感光体の多くは、高性能化の要求に応じて開発が重ねられた結果、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、さらに一部の感光体ではその外層に耐久性を向上させるための保護層が順次塗布された積層構造を有する感光層が設けられるに至っている。
本明細書では、中間層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層で構成される層を総称して感光層と呼ぶ。なお中間層およびまたは保護層は、電子写真感光体の性能向上のために設けられるものであり、必須のものではないので、電荷発生層と電荷輸送層とからなる層および電荷発生層と電荷輸送層とが一層で構成される層もまた感光層と呼ぶけれども、電荷発生層と電荷輸送層との積層部分のみ、および電荷発生層と電荷輸送層とが一層で構成される層部分のみを指して光導電層と呼ぶこともある。
この電子写真感光体に設けられる感光層は、薄膜でかつ均一な厚さであることが要求される。したがって、感光層をより薄くかつ均一な厚さで塗布して高機能化を実現するべく、またより低コストでの塗布を可能にするべく、新しい塗布方法の開発検討が行われている。
電子写真感光体用素管である円筒状基体の外周面に感光層を塗布する方法としては、従来からスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法等が知られている。しかしながら、従来知られている塗布法では、均一な塗膜が得られなかったり、生産効率が悪いなどの問題がある。
たとえばスプレー塗布法は、塗布液をスプレーノズルから微細粒として噴出させて塗布を行うので、塗布後の外観は良好であるけれども、1回の塗布によって形成される層の厚みが薄いので、所望の層厚を得るためには、複数回の塗布を繰り返さなければならない。また、一度に多量の塗布液を塗布すると塗布液が垂れて、厚みの不均一な塗布層が形成されるという問題がある。さらに、塗布液を噴出させて塗布することによって塗布液中の揮発成分が容易に揮散してしまうので、塗布液の粘度が上がり、形成された塗布層にオレンジピール(表面にオレンジ肌状のうねりが生ずる現象)が発生するという問題がある。
また浸漬塗布法は、電子写真感光体用素管である円筒状基体の一端部を保持し、円筒の軸線を塗布液の液面に対して垂直にした状態で塗布液に浸漬し、その後塗布液から引上げることによって、円筒状基体の表面に感光層を塗布する方法であり、電子写真感光体の製造に多用されている。しかしながら、浸漬塗布法によって塗布される層厚(膜厚と呼ぶこともある)は、塗布液から円筒状基体を引上げる引上速度、塗布液の粘度、塗布液に含まれる揮発成分の蒸発速度などに大きく依存するので、これらを厳密に制御しなければならない。また円筒状基体を塗布液から上下方向に引上げるので、重力の作用によって塗布液が円筒状基体の表面を伝わって垂れ落ち、円筒状基体の引上げ方向上側の膜厚が下側の膜厚よりも薄くなるという問題がある。また、円筒状基体の下部に溜まった塗液は、乾燥性が低下するので、充分に乾燥する前に次層が塗布されると次層の塗液と混合されていわゆるコンタミネーションを生じることがある。
このような膜厚の不均一を解消するには、引上速度を厳密に制御する必要があるけれども、その制御は難しく、さらには均一な厚みを有する塗膜を形成するには、浸漬後の引上速度を遅くせざるを得ないという基本的な問題もある。また、本来塗布する必要のない円筒状基体の内部および端面にまで塗膜が形成されるので、円筒状基体の内部および端面に形成された塗膜を剥離しなければならないという問題もある。さらに、塗布液に円筒状基体を浸漬するので、塗布液を貯留する槽には、円筒状基体の全長が浸漬されるに足る量の塗布液を常に収容しておかなければならない。このように、塗膜形成に必要とされる量を超える量の塗布液を、常に準備しておかなければならないので、塗布液の使用効率が悪くなるという問題がある。そこで、塗布液の使用効率を高めるために、使用の機会毎に新たな塗布液を準備するのではなく、既に使用実績があり貯留槽に収容されている塗布液に、新たに作製した必要量の塗布液を追加し、何度も同じ塗布液を使用する方法がとられている。しかしながら、塗布液の粘度および特性は、経時変化するとともに新たに加えられた塗布液との微妙な差異によって変化するので、塗布作業毎に毎回塗布条件の最適化を行わなければならず、作業効率が低下していた。
またブレード塗布法は、円筒状基体を臨み、円筒状基体に近接する位置にブレードを配置し、ブレードに塗布液を供給し、ブレードによって円筒状基体に塗布液を塗布し、円筒状基体を1回転させた後ブレードを後退させる塗布法である。この方法では高い生産性を得ることができるけれども、ブレードを後退させる際、塗布液の表面張力によって円筒状基体に塗布された塗膜の一部が盛上がり、膜厚が不均一になるという問題がある。
上記以外の方法として、塗布ロールに膜厚を規制した塗布液の膜を形成し、塗布ロールを臨み塗布ロールに近接もしくは当接するように配置される円筒状基体と塗布ロールとを、それぞれ回転させながら塗布ロールから円筒状基体に塗布液を転写塗布するロールコート法と、円筒状基体を臨んで設けられるノズルから液滴を吐出させるインクジェットによって塗布液を塗布するインクジェット法がある。
ロールコート法は、生産に必要なベース塗布液が少量であり塗液使用効率が良好である。しかしながら、ロールコート法においても、塗布後、塗布ロールと円筒状基体とを引離す際、塗布液の表面張力によって余分な塗布液が円筒状基体に付着する現象、いわゆる液引き現象が生じやすい。また、この液引き現象に起因して塗膜に継ぎ目が残り、膜厚が不均一となった結果、画像の欠陥が生じるという問題がある。なお、ここで継ぎ目とは、塗布ロールと円筒状基体との離間時に、余分な塗布液が付着して膜厚が不均一になった部分のことである。
この継ぎ目の発生を防止する従来技術がいくつか提案されている。たとえば、円筒状基体を1回転以上回転させて塗布を終了した後、円筒状基体を塗料供給ロールから離間し、円筒状基体を回転させ続けて塗膜面のレベリング(膜厚の均一化)を図る方法がある(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示される方法では、あらかじめレベリングされるべき塗料溜まりの量を見越して、精密な膜厚制御を行わなければならず、また完全に継ぎ目をなくすことは困難であるという問題がある。
また、塗布後、塗布ロールと円筒状基体とを離間する際に塗布ロール上の塗料膜厚を減少させることによって、継ぎ目の発生を防止する方法がある(たとえば、特許文献2参照)。また塗布後、塗布ロール上の塗料の膜厚と、塗布ロールと円筒状基体とで形成される間隙との関係を規定し、その状態から塗布ロール上の塗料の量を減少させ、塗布ロールと円筒状基体との塗料の繋がりを切断する方法がある(特許文献3参照)。しかしながら、特許文献2および特許文献3に開示される方法では、いずれによっても画像欠陥の発生を完全に防止するに足る水準まで継ぎ目を抑制することができなかった。さらに、これらの方法は、塗布時および離間時において、塗布条件を厳密に制御しなければならないので、高い生産効率を望むことができないという問題がある。
また塗布後、塗布ロールと円筒状基体との離間速度を制御する方法が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4に開示される方法によっても、先の特許文献2および特許文献3の方法と同様に、画像欠陥の発生を完全に防止するに足る水準まで継ぎ目を抑制することができなかった。
また、塗布ロールと円筒状基体との周速を変えることによって塗膜にリブを形成させ、その状態で塗布ロールと円筒状基体とを離間する方法も提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、特許文献5に開示される方法では、塗膜にリブを形成させるので、低沸点の溶媒を用いると、リブを解消して均一化するためのレベリング時間が不足して塗膜が波打ち、また高沸点の溶媒を用いると、上記レベリング時間を充分にとることができるけれども、乾燥に長時間を必要とするので、生産効率が極めて悪くなるという問題がある。さらに、リブを形成させるためには、ロール径、周速、ギャップ、塗料粘度、表面張力等の種々の条件を厳密に決めなければならないので、塗布条件の決定が難しく、かつ塗布液組成、装置構成の設定許容範囲が狭められるという問題がある。特に、電荷発生層および中間層は形成された膜厚が薄いので、リブを形成する条件設定が非常に難しく、かつリブを形成させても短時間で乾燥が進み、レベリングのための時間を充分に確保することができず、均一な膜厚の層を得ることが困難である。
ところでインクジェット法は、微小なノズルから塗布液を液滴として射出し、被塗布物に付着させる方法である。ノズルヘッドの構造すなわち塗布液を射出させる方式には、ピエゾ素子の振動圧によって塗布液を押出すピエゾ方式と、ヒーターに通電し昇温して塗布液中に気泡を発生させ、気泡の膨張圧によって塗布液を押出すバブルジェット(登録商標)方式/サーマル方式とがある。インクジェット法は、射出される液滴を直線的に非常に精度よく飛翔させることができ、かつ、ノズル1つ1つの射出動作を制御できるので、マスキングも不要で塗着効率が非常に高いという利点を有し、また、インク貯蔵タンクを取替えるだけで容易に塗布液を交換することができるとともに、塗布液の使いきりが可能であることから生産効率が非常に高いという利点を有する。
インクジェット法を用いて円柱または円筒状の被塗布物表面に塗膜を形成する従来技術として、被塗布物を水平に保持して回転させるとともに、吐出ノズルを被塗布物の表面に沿って被塗布物の回転軸方法に移動させるというものがある(特許文献6参照)。この特許文献6では、塗布液の溶剤としてテトラヒドロフランを単独に用いた例が開示される。しかしながら、溶剤にテトラヒドロフランを用いると、その沸点が低すぎて溶剤揮発が早いので、吐出ノズルの吐出部分において塗布液が乾燥しノズル詰まりを生じるおそれがあるとともに、塗着後のレベリング性が充分ではないという問題がある。
また他の従来技術では、塗布液に圧力をかけて複数の微小ノズルから筋状に連続して飛翔させて被塗布物に塗布する方法が提案される(特許文献7参照)。しかしながら、特許文献7に開示される方法では、各ノズルを単独で制御することはできず、また、圧力をかけるポンプと吐出ノズルとの間をチューブで繋ぐため、加圧と吐出とにタイムラグが生じ、各ノズルを単独で制御できるインクジェット法に比べて精度、レスポンスとも悪くなるという問題がある。
被塗布物として具体的に電子写真感光体を考慮すれば、20μm〜40μm程度の厚さを有する電荷輸送層の形成にインクジェット法を用いると、数十μmという微小なノズルから液滴を吐出するので、複数層の重ね塗りが必要となり、塗布速度が遅く生産効率が極めて低下するという問題がある。また均一な厚みで塗布することが難しく、乾燥によってノズルの目詰まりを生じやすくなるので、塗布液を長時間安定して吐出させることが困難になるという問題がある。
一方、インクジェット法は厚さの薄い電荷発生層の形成に適しているが、形成される層が薄膜であるので、薄膜材料である塗布液の物性管理が難しい。一般に高粘度の塗布液は、顔料が沈降しにくく液組成の均一性が確保しやすいけれども、吐出性が悪くなり、低粘度の塗布液は、吐出性を確保しやすいけれども、顔料が沈降/凝集しやすくノズル目詰まりの原因となる。
また、一般的に電荷発生層と電荷輸送層とは、離れた位置に配される塗布装置でそれぞれ塗布形成されるので、それぞれの塗布装置まで被塗布物を輸送する輸送装置が必要となり、さらに輸送装置に被塗布物を乗せ替える搬送装置も必要となり、設備投資コストが高いという問題がある。
したがって、電子写真感光体の製造に際しては、単一の装置で電荷発生層と電荷輸送層とを形成することができ、また高効率で使用塗布液の少なくて済む製造方法および装置が希求されている。
特開平3−12261号公報 特開平11−216405号公報 特開2000−325863号公報 特開平11−276958号公報 特開2000−84472号公報 特開平2−272567号公報 特開平11−19554号公報
本発明の目的は、均一な厚みの塗膜を有し、高品質低コストの積層型電子写真感光体を効率よく生産する製造方法および製造装置を提供することである。
本発明は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層との少なくとも2層が積層して形成される電子写真感光体の製造方法において、
電荷発生層は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液がインクジェット方式で塗布されることによって形成され、
電荷輸送層は、電荷発生層の上に電荷輸送層用塗布液がロールコート方式で塗布されることによって形成され、
ロールコート方式では、
塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)が、0.7〜1.4であり、
円筒状基体を塗布ロールから離間させるとき、円筒状基体の周速V1と塗布ロールの周速V2との比R(=V1/V2)が、1.2〜15.0であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また本発明は、電荷発生層用塗布液は、粘度が10mPa・s以下であることを特徴とする。
また本発明は、電荷発生層用塗布液は、120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒を5〜40重量%含有することを特徴とする。
また本発明は、高沸点溶媒が、シクロヘキサノン、ピロリドンおよびn−メチルピロリドンからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
また本発明は、インクジェット方式における電荷発生層用塗布液の吐出が、ピエゾ方式によって行われることを特徴とする。
本発明は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層との少なくとも2層を積層して形成する電子写真感光体の製造装置において、
円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液を吐出することによって電荷発生層を形成するインクジェット式塗布手段と、
電荷発生層の上に電荷輸送層用塗布液を塗布する塗布ロール、塗布ロールに電荷輸送層用塗布液を供給する塗布液供給手段、塗布ロールから電荷輸送層用塗布液が転写される円筒状基体を支持する基体支持手段、基体支持手段に支持される円筒状基体を回転駆動させる第1駆動手段、塗布ロールを回転駆動させる第2駆動手段を備えて電荷発生層の上に電荷輸送層を形成するロールコート式塗布手段と、
インクジェット式塗布手段およびロールコート式塗布手段の動作を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、
塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)が、0.7〜1.4、
円筒状基体を塗布ロールから離間させるとき、円筒状基体の周速V1と塗布ロールの周速V2との比R(=V1/V2)が、1.2〜15.0になるようにロールコート式塗布手段を制御することを特徴とする円筒状基体に対する電子写真感光体の製造装置である。
また本発明は、インクジェット式塗布手段が、基体支持手段に装着されて円筒状基体の上方に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、電荷発生層と電荷輸送層とが積層される構成を備える電子写真感光体は、電荷発生層がインクジェット方式で形成され、電荷輸送層が電荷発生層の上にロールコート法で形成される。このことによって、均一な厚みの塗膜を有する高品質の電子写真感光体が、低コストで効率よく生産される。
塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)を、0.7〜1.4の範囲内に設定して塗膜を形成することによって、ほとんどの条件下でリブを生じることなく均一な塗膜を形成できる。
また円筒状基体と塗布ロールとの離間の際、円筒状基体の周速V1を塗布ロールの周速V2より速くすると、塗膜を形成する電荷輸送層用塗布液には、離間方向に張力が加えられるだけでなく、回転方向にも急激にせん断力が加えられるので、橋かけ構造が形成されることなく電荷輸送層用塗布液が切断される。その結果、塗膜の継ぎ目が形成されることがないので、円筒状基体の表面に均一な厚みの塗膜が形成される。特に、離間する際の円筒状基体と塗布ロールの周速の比R(=V1/V2)を、1.2〜15.0の範囲に設定することによって、確実に継ぎ目の発生を防止することができる。周速の比Rが1.2未満であると、せん断力が不足するので、継ぎ目の発生を充分に防止することができず均一な厚みの塗膜が得られない。周速の比Rが15.0を超えると、円筒状基体の離間前後における速度上昇の程度が大きくなり過ぎるので、加速度に起因して塗膜が波打つようになり、均一な厚みの塗膜を得ることができなくなる。
また本発明によれば、電荷発生層用塗布液は、粘度が10mPa・s以下である。電荷発生層用塗布液の粘度がこのような好適値であることによって、吐出安定性が高い水準で保持され、液適量の著しい変化、吐出不良、ノズル目詰まりなどの発生が防止される。したがって、均一な膜厚の電荷発生層を安定して生産することが可能である。
また本発明によれば、電荷発生層用塗布液は、120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒を5〜40重量%含有し、高沸点溶媒が、好ましくはシクロヘキサノン、ピロリドンおよびn−メチルピロリドンからなる群より選択される1種または2種以上である。電荷発生層用塗布液が高沸点溶媒を適量含有することによって、ノズルでの塗布液の乾燥が防止されるので、ノズル詰まりが防止されて安定した吐出性が維持される。また、塗布後のレベリング性が向上するので、均一な電荷発生層の塗布膜が得られる。
また本発明によれば、インクジェット方式における電荷発生層用塗布液の吐出が、ピエゾ方式によって行われるので、コゲーション発生の恐れが無く、また可燃性の溶剤等に着火する恐れも無い。
また本発明によれば、電子写真感光体の製造装置には、電荷発生層を形成するインクジェット式塗布手段と、塗布ロールを含んで構成されて電荷輸送層を形成するロールコート式塗布手段とが備えられる。このように構成される装置では、電荷発生層と電荷輸送層とを1つの装置内で形成することが可能であり、複数の装置を必要としないので、設備投資額を節減することができる。また非常に少量の塗布液にて塗布することができるので、少量多品種生産に対しても高効率の生産が可能となる。さらに塗布液の使用量が少ないので、生産に伴う廃液が少なく環境負荷を軽減できる。
塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)を、0.7〜1.4の範囲内に設定して塗膜を形成することによって、ほとんどの条件下でリブを生じることなく均一な塗膜を形成できる。
また円筒状基体と塗布ロールとの離間の際、円筒状基体の周速V1を塗布ロールの周速V2より速くすると、塗膜を形成する電荷輸送層用塗布液には、離間方向に張力が加えられるだけでなく、回転方向にも急激にせん断力が加えられるので、橋かけ構造が形成されることなく電荷輸送層用塗布液が切断される。その結果、塗膜の継ぎ目が形成されることがないので、円筒状基体の表面に均一な厚みの塗膜が形成される。特に、離間する際の円筒状基体と塗布ロールの周速の比R(=V1/V2)を、1.2〜15.0の範囲に設定することによって、確実に継ぎ目の発生を防止することができる。周速の比Rが1.2未満であると、せん断力が不足するので、継ぎ目の発生を充分に防止することができず均一な厚みの塗膜が得られない。周速の比Rが15.0を超えると、円筒状基体の離間前後における速度上昇の程度が大きくなり過ぎるので、加速度に起因して塗膜が波打つようになり、均一な厚みの塗膜を得ることができなくなる。
また本発明によれば、インクジェット式塗布手段が円筒状基体の上方に位置するように設けられるので、電荷輸送層形成時における円筒状基体の当接、離間運動を、スムースに行うことができる。
本発明の実施態様である電子写真感光体の製造方法は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層との少なくとも2層が積層して形成される積層型の電子写真感光体を製造する方法である。本発明の製造方法によれば、電荷発生層は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液がインクジェット方式で塗布されることによって形成され、電荷輸送層は、電荷発生層の上に電荷輸送層用塗布液がロールコート方式で塗布されることによって形成される。
電荷発生層は、その膜厚が通常1μm以下と薄く塗重ね回数が少なくて済むので、低固形分で数mPa・sの低粘度溶液でも良好な分散性を示し、インクジェット方式で形成することに適している。
電荷輸送層は、その膜厚が通常20μm以上の厚膜である。厚膜の電荷輸送層の形成にインクジェット方式を用いようとすると、吐出性確保のため低固形分、低粘度溶液を調製する必要があり、そのため、塗重ね回数が非常に多くなり、塗工時間が非常に長くなってしまう。また、低固形分の塗布液を重ね塗りすることから乾燥性を確保するために揮発性の高い溶剤を使用する必要があり、吐出ノズル付近での乾燥固化によるノズル詰まり、また導電性基体へ付着後のレベリング不良が懸念される。したがって、電荷輸送層は、上記の問題を生じることのないロールコート方式で形成されることが好ましい。
なお、中間層の膜厚は、1μ程度の薄膜で塗布液粘度も数mPa・sと低粘度のものが用いられるが、酸化チタンのような比重が高く沈降性の高い顔料を用いるので、インクジェット方式によると、ノズル部分で顔料が沈降、凝集を起こしやすく、吐出不良を引起こすおそれが高い。また、酸化チタンは非常に堅牢でノズルを磨耗させやすく、耐久性が低下するので、中間層は、浸漬塗布方式またはロールコート方式で形成されることが好ましい。
図1は積層型の電子写真感光体の製造に用いられる製造装置1の構成を簡略化して示す平面図であり、図2は図1に示す電子写真感光体の製造装置1に備わるインクジェット式塗布手段50の構成を示す図である。
電子写真感光体の製造装置1(以後、単に製造装置1と略称する)は、大略円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液を吐出することによって電荷発生層を形成するインクジェット式塗布手段50と、電荷発生層の上に電荷輸送層をロール塗布にて形成するロールコート式塗布手段20と、インクジェット式塗布手段50およびロールコート式塗布手段20の動作を制御する制御手段12とを含む構成である。
ロールコート式塗布手段20は、円筒状基体5に電荷輸送層用塗布液3を転写する塗布ロール2(アプリケータロールとも呼ぶ)と、塗布ロール2に電荷輸送層用塗布液3を供給する塗布液供給手段4と、円筒状基体5を支持する基体支持手段17と、円筒状基体5を回転駆動させる第1駆動手段6と、塗布ロール2を回転駆動させる第2駆動手段7と、円筒状基体5が回転する周速を検出する第1周速検出手段8と、塗布ロール2が回転する周速を検出する第2周速検出手段9と、円筒状基体5の回転回数を検出する回転回数検出手段10と、円筒状基体5を塗布ロール2に対して近接離反するように移動させることのできる離間手段11と、回転回数検出手段10の検出出力に応答し、塗布ロール2に対して円筒状基体5が離反する方向に移動するように離間手段11の動作を制御するとともに、円筒状基体5が回転する周速と塗布ロール2が回転する周速とのうちいずれか一方の周速が他方の周速よりも速くなるように第1および第2駆動手段6,7の動作を制御する制御手段12と、さらに塗布ロール2を臨んで配置される円筒状部材13および円筒状部材13と塗布ロール2との間隙を調整する調整部材14とを有する膜厚調整手段15を含んで構成され、上記各部材は基台16上に配設される。
基台16上には、一対の第1チョック21a,21bが設けられ、この第1チョック21a,21bには不図示の軸受が備えられ、該軸受に一対の軸棒部材22a,22bが回転自在にそれぞれ支持される。円筒状基体5は、軸受を介して第1チョック21a,21bに支持される軸棒部材22a,22bに着脱自在に装着される。したがって、第1チョック21a,21bおよび軸棒部材22a,22bが、前述の基体支持手段17を構成する。第1チョック21a,21bは、基台16上の不図示の軌道に乗るように設けられ、軌道に案内されて円筒状基体5の軸線に対して直交する方向である矢符23方向に移動することができる。
一方の軸棒部材22aの円筒状基体5が装着される側と反対側の端部24は、第1駆動手段6である電動機の出力軸に連結される。したがって、一方の軸棒部材22aは、第1駆動手段6の駆動力によって、回転駆動され、円筒状基体5が軸棒部材22a,22bに装着されているとき、円筒状基体5が第1駆動手段6によって回転駆動される。第1駆動手段6の出力軸の軸棒部材22aが連結される側と反対側には、回転回数検出手段10であるエンコーダが装着され、この回転回数検出手段10によって、第1駆動手段6の回転回数、ひいては円筒状基体5の回転回数を検出することができる。また一方の軸棒部材22aには、第1周速検出手段8である回転速度センサーが装着され、この第1周速検出手段8によって、第1駆動手段6の回転速度、ひいては円筒状基体5の周速を検出することができる。
塗布ロール2は、軸棒部材22a,22bに装着された円筒状基体5を臨み、円筒状基体5の軸線に対して軸線が平行になるように配置される。塗布ロール2は、基台16上に固設される一対の第2チョック25a,25bに備えられる不図示の軸受に、その軸棒26を介して回転自在に支持される。塗布ロール2の軸棒26の一端部は、第2駆動手段7である電動機の出力軸に連結される。したがって、塗布ロール2は、第2駆動手段7の駆動力によって、回転駆動される。また塗布ロール2の軸棒26には、第2周速検出手段9である回転速度センサーが装着され、この第2周速検出手段9によって、第2駆動手段7の回転速度、ひいては塗布ロール2の周速を検出することができる。
第2チョック25a,25bには、基台16表面に平行方向かつ外方に向って立上がるように支持部材29a,29bがそれぞれ設けられ、支持部材29a,29bには、第1チョック21a,21bが配置される方に向けてエアシリンダ30a,30bがそれぞれ装着される。エアシリンダ30a,30bのロッドの先端部は、基台16表面に平行方向かつ外方に向って立上がるようにして第1チョック21a,21bに形成される第1突起部31a,31bに取付けられる。エアシリンダ30a,30bは、不図示の配管によって空圧ユニット32に接続され、空圧ユニット32から供給されるエアによって、ロッドを矢符23方向に進退させることができる。このエアシリンダ30a,30bのロッドの進退によって、軌道に乗るように設けられる第1チョック21a,21bが、固設される第2チョック25a,25bに対して近接離反するように矢符23方向に移動、すなわち、第1チョック21a,21bに支持される円筒状基体5が、第2チョック25a,25bに支持される塗布ロール2に対して近接離反するように移動する。エアシリンダ30a,30b、配管および空圧ユニット32は、離間手段11を構成する。
本実施の形態では、塗布液供給手段4は、電荷輸送層用塗布液3をその内部空間に貯留するパンによって構成され、パンに貯留される電荷輸送層用塗布液3の液面が、塗布ロール2の外周面の少なくとも一部に接触することのできる配置になるように基台16上に設けられる。このことによって、回転する塗布ロール2が、パンに貯留される電荷輸送層用塗布液3を、その外周面に付着させて塗布に用いることができる。
本実施の形態の製造装置1は、前述のように塗布ロール2に供給された電荷輸送層用塗布液3の膜厚を調整する膜厚調整手段15をさらに含む。膜厚調整手段15に備えられる円筒状部材13には、本実施の形態ではメタリングロール13が用いられる。メタリングロール13は、その軸棒34を介して、不図示の軸受をそれぞれ備える一対の第3チョック35a,35bに回転自在に支持される。第3チョック35a,35bは、第1チョック21a,21bと同様に、基台16上の不図示の軌道に乗るように設けられ、軌道に案内されて矢符23方向に移動することができる。
調整部材14は、第1チョック21a,21bに形成された第1突起部31a,31bと同様にして、第2チョック25a,25bに形成される第2突起部36a,36bおよび第2突起部36a,36bに対向するように第3チョック35a,35bに形成される第3突起部37a,37bと、第2突起部36a,36bと第3突起部37a,37bとの間に設けられるおねじ部材38とを含んで構成される。おねじ部材38は、たとえば頭部が第2突起部36a,36bに回転自在に装着され、おねじの刻設された部分が第3突起部37a,37bに形成されるめねじ部に螺合される。おねじ部材38の頭部を回転させることによって、おねじ部材38の回転運動が、おねじ部材38に螺合する第3突起部37a,37bの形成された第3チョック35a,35bの直進運動に変換されて矢符23方向に移動する。このことによって、第3チョック35a,35bが、第2チョック25a,25bに対して近接離反するように移動、すなわち塗布ロール2に対してメタリンロール13が近接離反するように移動し、塗布ロール2とメタリングロール13とによって形成される間隙である電荷輸送層用塗布液3の膜厚を調整することができる。
なお、調整部材14は、おねじ部材38を用いる構成に限定されるものではなく、第2チョック25a,25bと第3チョック35a,35bとの間に、エアシリンダまたは油圧シリンダなどを設け、これを動作させることによって塗布ロール2とメタリングロール13との間隙を調整するように構成されても良い。
メタリングロール13の軸棒34の一端部は、第3駆動手段39である電動機の出力軸に連結される。メタリングロール13は、第3駆動手段39の駆動力によって、回転駆動することができる。またメタリングロール13の軸棒34には、第3周速検出手段40である回転速度センサーが装着され、この第3周速検出手段40によって、第3駆動手段39の回転速度、ひいてはメタリングロール13の周速を検出することができる。
塗布ロール2の外周面に付着した電荷輸送層用塗布液3はメタリングロール13との間の間隙を通過し、この間隙を通過する際に間隙の大きさに従って電荷輸送層用塗布液3の膜厚が調整される。膜厚の調整された電荷輸送層用塗布液3が、塗布ロール2から円筒状基体5に転写される。塗布ロール2とメタリングロール13とによる膜厚調整は、より詳細には、塗布ロール2とメタリングロール13とを、同一方向にそれぞれ回転させながら、2つのロール間隙を狭めたり、またはメタリングロール13の周速を上げることによっても、電荷輸送層用塗布液3の膜厚を調整(この場合は減少)させることができる。なお、メタリングロール13は、1本に限定されることなく2本以上配してもよく、また回転方向が隣接するロールに対して同方向に回転されてもよく逆方向に回転されてもよく、さらに回転させることなく固定した状態で膜厚調整に用いることもできる。
一般的に、図1に示すような製造装置1のロールコート式塗布手段20における乾燥塗膜の厚さLは、式(1)で与えられるので、式(1)に基づいて塗膜厚さを調整することができる。
L=Kαηg・√(R)・√(R )/Rγ …(1)
ここで、K;係数(ロール径に固有な係数)
α;塗工液の固形分濃度(vol%)
γ;塗工液の表面張力
η;塗工時のせん断速度における粘度
g;は塗布ロールとメタリングロールとの間隙寸法
;メタリングロールの周速
;塗布ロールの周速
R;円筒状基体の周速
製造装置1には、さらに電荷輸送層用塗布液3のクリーニング手段41が設けられる。クリーニング手段41は、メタリングロール13の表面に付着する電荷輸送層用塗布液3を掻取り、塗布液供給手段4であるパンに回収する。クリーニング手段41は、クリーニングブレード42と、クリーニングブレード42を支持する第4チョック43a,43bと、もう一つの調整部材44a,44bとを含んで構成される。
第4チョック43a,43bは、前述の第1チョック21a,21bと同様にして基台16上に設けられ、矢符23方向に移動することができる。クリーニングブレード42は、板状の部材であり、その長手方向が、メタリングロール13の軸線方向に延びるように配置され、その短手方向の端部によって、メタリングロール13表面に付着する電荷輸送層用塗布液3を掻取る。クリーニングブレード42は、第4チョック43a,43bの支持部で角変位可能に支持され、その短手方向がメタリングロール13に臨む角度を変化させることによってクリーニングブレード42とメタリングロール13との間隙の大きさを調整し、電荷輸送層用塗布液3の掻取量を調整することができる。またもう一つの調整部材44a,44bを調整することによって、第3チョック35a,35bと第4チョック43a,43bとの距離、すなわちメタリングロール13とクリーニングブレード42とで形成される間隙の大きさを調整し、電荷輸送層用塗布液3の掻取量を調整しても良く、さらに前述のクリーニングブレード42の角変位と併用しても良い。なおもう一つの調整部材44a,44bは、前述の調整部材14a,14bと同様に構成されるので、説明を省略する。
次にロールコート式塗布手段20とともに製造装置1の主要部を構成するインクジェット式塗布手段50について説明する。インクジェット式塗布手段50は、基体支持手段17に装着され、円筒状基体5の上方に位置するように設けられる。インクジェット式塗布手段50は、吐出ノズルを備える塗工部51と、塗工部51が移動可能に装着されるガイドレール部52と、塗工部51に電荷発生層用塗布液を供給する電荷発生層用塗布液供給部53と、塗工部51と電荷発生層用塗布液供給部53とに接続されて電荷発生層用塗布液の搬送流路を形成する搬送チューブ54とを含んで構成される。
電荷発生層用塗布液供給部53は、電荷発生層用塗布液を貯留する貯留槽を備える。塗工部51は、電荷発生層用塗布液供給部53から搬送チューブ54を介して供給される電荷発生層用塗布液を液滴55として円筒状基体5に向けて吐出する。塗工部51に備えられ、液滴55を吐出させる吐出ノズルは、ピエゾ方式によって、ノズル内の電荷発生層用塗布液に機械的圧力を加えて液滴55として吐出させる。ピエゾ方式は、たとえば圧電素子に対して電圧を印加したときのひずみを利用することによって実現される。
インクジェット方式における液滴の吐出方法には、ピエゾ方式以外にサーマル方式があるけれども、これらの発熱体を用いて塗布液に対して局所的に熱を加えて気泡を発生させる方式では、コゲーションによる吐出不良の恐れがある。コゲーションとは、塗布液中の着色成分の熱分解によって生じる物質、塗布液中に含まれる微量の無機不純物、凝集物などが熱源上に付着・堆積し、その結果熱源による塗布液の加熱が充分に実施できなくなり、塗布液の安定した吐出が持続できなく現象をいう。ピエゾ方式では、コゲーションを生じることがなく、塗布液の安定した吐出を持続させることができるので、特に薄膜層を形成するのに適している。また、電子写真感光体の作製に用いられる溶剤は可燃性を有するものが多いので、熱を発生しにくいピエゾ方式が安全上好ましい。
ガイドレール部52は、たとえば金属製の棒状部材であり、円筒状基体5の軸線と平行になるように基体支持手段17に着脱自在に装着される。したがって、ガイドレール部52に装着される塗工部51は、円筒状基体5に対して一定の距離を保つようにして、ガイドレール部52に案内されて、円筒状基体5の軸線方向に平行に移動することができる。なお、塗工部51の移動は、たとえばガイドレール部52をラックに形成し、塗工部51に電動機および電動機の出力軸にピニオンを設けることによって実現できる。
インクジェット式塗布手段50によって円筒状基体5上に電荷発生層を形成することに用いられる電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質と、結着樹脂と、溶媒とを含み、特に 120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒を5〜40重量%含有する。この電荷発生層用塗布液に含まれる高沸点溶媒は、シクロヘキサノン、ピロリドンおよびn−メチルピロリドンからなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。また電荷発生層用塗布液は、その粘度が10mPa・s以下になるように調整される。
電荷発生層用塗布液に含まれる高沸点溶媒が、5重量%未満では、ノズルからの吐出性および塗布後のレベリング性が悪くなり、40重量%を超えると、塗布後の乾燥性が極端に低下して垂れが生じて膜厚の均一性が悪くなる。したがって、高沸点溶媒の含有量を5〜40重量%とした。
また電荷発生層用塗布液の粘度が10mPa・sを超えると、ノズルから吐出される液滴が小さくなり、吐出安定性が低下して均一な膜厚の塗膜を形成することが困難になる。なお、粘度の下限値は、特に限定されないが、極端に粘度が低下すると、ノズル内での塗布液の保持が悪化する(漏れる)おそれがあるので、1mPa・s以上であることが好ましい。この電荷発生層用塗布液の粘度は、たとえば東機産業株式会社製の回転式E型粘度計によって測定することができる。
図3は、製造装置1の主要構成部の電気的接続を簡略化して示すブロック図である。制御手段12は、中央処理装置(略称CPU)を備える処理回路である。また制御手段12には、メモリ55が備えられ、メモリ55には、製造装置1の全体動作を制御するプログラムならびに塗布によって製造する電子写真感光体および塗布液の種類と特性とに応じて予め定められる塗布条件、すなわちインクジェット式塗布手段50による塗布条件と、ロールコート式塗布手段20による塗布条件とが、テーブルデータとして記憶されている。
インクジェット式塗布手段50による塗布条件は、円筒状基体5に対して電荷発生層用塗布液を塗布する際における円筒状基体5の周速、塗工部51がガイドレール部52に案内されて移動する移動速度、塗工部51から吐出される液滴55の吐出量(吐出速度)、円筒状基体5の回転回数などである。
ロールコート式塗布手段20による塗布条件は、円筒状基体5に対して塗布ロール2で塗布する際における第1駆動手段6による円筒状基体5の周速u1、第2駆動手段7による塗布ロール2の周速u2、第3駆動手段39によるメタリングロール13の周速u3、円筒状基体5と塗布ロール2との周速比r(=u1/u2)、塗布開始後円筒状基体5と塗布ロール2とを離間させるタイミングを決定するための円筒状基体5の回転回数、さらに円筒状基体5と塗布ロール2とを離間させるときにおける、円筒状基体5の周速V1、塗布ロール2の周速V2、円筒状基体5と塗布ロール2との周速比R(=V1/V2)および離間手段11による離間速度などである。
回転回数検出手段10、第1周速検出手段8、第2周速検出手段9および第3周速検出手段40が、制御手段12に接続され、それぞれの検出出力である円筒状基体5の塗布開始後の回転回数、円筒状基体5の周速、塗布ロール2の周速およびメタリングロール13の周速が入力される。また制御手段12には、離間手段11、第1駆動手段6、第2駆動手段7、第3駆動手段39および塗工部51が接続される。制御手段12は、回転回数検出手段10、第1周速検出手段8、第2周速検出手段9および第3周速検出手段40からの検出出力に応じ、制御プログラムおよび予め定められる塗布条件に基づいて離間手段11、第1駆動手段6、第2駆動手段7、第3駆動手段39および塗工部51の動作を制御する。
以下製造装置1による円筒状基体5に対する電荷発生層用塗布液および電荷輸送層用塗布液3の塗布について説明する。本実施の形態では、電荷発生層が電荷輸送層の下層として形成される。したがって、電荷輸送層塗布液の塗布よりも先に電荷発生層用塗布液が、円筒状基体5に塗布される。
円筒状基体5に対する電荷発生層用塗布液の塗布は、軸線まわりに回転する円筒状基体5に対して、塗工部51が円筒状基体5の軸線方向に平行に移動しながら電荷発生層用塗布液を吐出することによって行われる。
円筒状基体5の回転速度を、製造する電子写真感光体の種類に応じて予め定められる周速に設定して動作を開始する。動作開始後、第1周速検出手段8が、円筒状基体5の周速を実測してその検出出力を制御手段12へ入力する。制御手段12は、第1周速検出手段8の検出出力に応じ、前述のテーブルデータから与えられる電荷発生層用塗布液の吐出量および塗工部51の移動速度になるように、塗工部51の動作を制御する。回転回数検出手段10によって検出される回転回数が、テーブルデータに定められる所定回数に達したとき、すなわち電荷発生層の塗布厚さが所望の厚さに達したとき、制御手段12は、塗工部51の吐出動作および移動動作を停止するように動作制御する。このようにして、円筒状基体5に電荷発生層がインクジェット方式にて形成される。
電荷発生層が形成された円筒状基体5に対する電荷輸送層用塗布液の塗布は、塗布ロール2の外周面が塗布液供給手段4であるパンに貯留される電荷輸送層用塗布液3中を通過することによって、塗布ロール2表面上に形成される電荷輸送層用塗布液3の膜厚を、膜厚調整手段15で調整した後、円筒状基体5を塗布ロール2に予め定める間隙を有するように近接させ、塗布ロール2上に形成された塗膜が、該塗膜に接触する円筒状基体5に転写されるようにして行われる。
塗布を開始後、円筒状基体5は、膜厚を均一にするために、回転回数が1回以上、20回以下の範囲になるように回転される。なお回転回数は、1.5〜10回が好ましく、より好ましくは2〜5回である。円筒状基体5の回転回数が、1回未満であると未塗布の外周面が残るので均一な塗膜が得られない。20回を超えると、作業時間が長くかかり、生産効率が低下する。したがって、回転回数を1〜20回とした。
なお、円筒状基体5に転写される電荷輸送層用塗布液3の膜厚は、前述の膜厚調整手段15によるメタリングロール13と塗布ロール2との間隙の大きさの他にも、塗布ロール2と円筒状基体5の周速、電荷輸送層用塗布液3の物性、円筒状基体5および塗布ロール2の表面の材質、円筒状基体5と塗布ロール2との間隙の大きさなどの調整によって制御することができる。
塗布ロール2で円筒状基体5に塗布する際、すなわち塗布ロール2から円筒状基体5へ塗膜を転写しているときの円筒状基体5の周速u1と塗布ロール2の周速u2との比r(=u1/u2)は、0.7〜1.4に設定されることが好ましい。
以下、比rの範囲限定理由を説明する。一般的に、円筒状基体5の周速u1と塗布ロール2の周速u2との比rに対する円筒状基体5表面における塗布液の流動状態は、比rによって異なり、比rが高くなると塗布液が連続的に凹凸となるリブが形成され、塗膜の厚さが不均一になる。このリブ発生の下限条件は、キャピラリー数Caと形態パラメータH0/D(H0:円筒状基体5と塗布ロール2との間隔の1/2、D:円筒状基体5の半径)との関係で整理され、結果的にキャピラリー数Caおよび形態パラメータH0/Dに対する影響因子であるロール径、間隙の大きさ、周速、塗布液の粘度、表面張力によって定まることが知られている。円筒状基体5に均一な膜厚の塗膜を形成するには、このようなリブの発生を防止することが重要であり、円筒状基体5と塗布ロールと2の周速の比rを、0.7〜1.4の範囲内に設定して塗膜を形成することによって、ほとんどの条件下でリブを生じることなく均一な塗膜を形成できる。
電荷輸送層用塗布液3の塗布を開始した後、円筒状基体5の回転回数が予め定める回数に達したことを回転回数検出手段10によって検出すると同時に、その検出出力に応じて制御手段12が、離間手段11の動作を制御して円筒状基体5を塗布ロール2から離間させ、また第1および第2駆動手段6,7の動作を制御して円筒状基体5の周速V1が、塗布ロール2の周速V2よりも速くなるようにする。このとき、円筒状基体5の周速V1と塗布ロール2の周速V2との比R(=V1/V2)が、1.2〜15.0になるようにすることが好ましい。
塗布ロール2と円筒状基体5とを離間させると同時にいずれか一方の周速が他方の周速よりも速くなるように制御するけれども、ここでは、円筒状基体5の寸法が、塗布ロール2の寸法よりも小さいので、高速度化の対象とするには寸法の小さい円筒状基体5の方が有利であるので、円筒状基体5の周速V1が、塗布ロール2の周速V2よりも速くするように設定される。
塗布ロール2で円筒状基体5に電荷輸送層用塗布液3を塗布している状態における円筒状基体5の周速u1および塗布ロール2の周速u2と、離間と同時に設定される円筒状基体5の周速V1および塗布ロール2の周速V2とは、それぞれ同一であっても良く、また異なる値に定められても良い。たとえば、前述の比r(=u1/u2)が、1.4になるように設定されて塗布されている場合、塗布ロール2と円筒状基体5とを単に離間させるだけで、円筒状基体5の周速の方が、塗布ロール2の周速よりも速い状態を実現することができる。しかしながら、多くの場合、塗布状態では円筒状基体5の周速u1と塗布ロール2の周速u2とは同じ値、すなわち比rが1.0に設定されるので、塗布ロール2の周速を離間の前後で同一(u2=V2)になるようにし、円筒状基体5の周速を離間と同時に速くして周速V1が周速u1よりも速くなるように制御する方法がとられる。
本実施の形態では、周速比Rの制御は、回転回数検出手段10によって所定の回転回数に達したことが検出されると同時に、該出力に応答し、制御手段12が、メモリ55にストアされている塗布条件に該当するテーブルデータを読出し、テーブルデータに指定されている周速V1およびV2になるように、第1および第2駆動手段6,7に対して回転動作制御信号を出力して行われる。
周速比Rの制御方法は、上記に限定されるものではなく、たとえば、塗布時には円筒状基体の回転軸に負荷をかけて周速を遅くしておき、離間時にその負荷を取除くことによって、円筒状基体の周速を速くする方法、また反対に離間時に塗布ロールに負荷をかけることによって塗布ロールの周速を遅くして相対的に円筒状基体の周速を速くする方法、また回転軸に負荷をかける手段として、回転軸に摩擦体を設置しブレーキを配置する方法もしくは回転軸をクラッチで繋ぎそのクラッチの接続強度により負荷を変更する方法などを用いて円筒状基体もしくは塗布ロールの周速を変化させる方法であっても良い。
塗布ロール2と円筒状基体5とを離間させる際における円筒状基体5の周速V1と塗布ロール2の周速V2とが同じであると、両者を離間させているにも関わらず円筒状基体5上の塗膜と塗布ロール2上の塗膜とが表面張力の作用によって伸び、円筒状基体5と塗布ロール2との間に電荷輸送層用塗布液3の連接部を形成する。この電荷輸送層用塗布液3の連接部は、円筒状基体5と塗布ロール2との間に、あたかも橋をかけたように形成されるので、便宜上これを橋かけ構造と呼ぶ。
一般的に膜厚が薄いと、その部分の溶剤濃度が早く減少するので、膜厚の薄い部分は他の部分より表面張力が高くなる。前述の橋かけ構造部分は、その膜厚が薄いので、電荷輸送層用塗布液が、円筒状基体および塗布ロール表面上の塗膜から橋かけ構造部分に流れる。さらに、円筒状基体と塗布ロールとの離間が進み、橋かけ構造が切れると、橋かけ構造の切断部にエッジが形成され、前述と同様にエッジ部に電荷輸送層用塗布液が流れてエッジ部分の電荷輸送層用塗布液量が増加する。このようにして電荷輸送層用塗布液量が増加したエッジ部分は、円筒状基体を回転させてレベリングを行っても充分に均一化されず、膜厚の厚い継ぎ目を形成する。
一方本実施の形態では、円筒状基体5と塗布ロール2との離間の際、円筒状基体5の周速V1を塗布ロール2の周速V2より速くすると、塗膜を形成する電荷輸送層用塗布液3には、離間方向に張力が加えられるだけでなく、回転方向にも急激にせん断力が加えられるので、橋かけ構造が形成されることなく電荷輸送層用塗布液3が切断される。その結果、前述のような塗膜の継ぎ目が形成されることがないので、円筒状基体5の表面に均一な厚みの塗膜が形成される。特に、離間する際の円筒状基体5と塗布ロール2との周速の比R(=V1/V2)を、1.2〜15.0の範囲に設定することによって、確実に継ぎ目の発生を防止することができる。比Rの範囲は、好ましくは1.3〜8.0である。周速の比Rが1.2未満であると、せん断力が不足するので、継ぎ目の発生を充分に防止することができず均一な厚みの塗膜が得られない。周速の比Rが15.0を超えると、円筒状基体5の離間前後における速度上昇の程度が大きくなり過ぎるので、加速度に起因して塗膜が波打つようになり、均一な厚みの塗膜を得ることができなくなる。したがって、周速比Rを1.2〜15.0とした。
また塗布ロール2と円筒状基体5とを離間させることによって、せん断力と張力とを作用させて橋かけ構造を形成することなく両者の塗膜を切断後、円筒状基体5の回転を、予め定める時間継続し、円筒状基体5表面の塗膜をある程度乾燥させることが好ましい。たとえば円筒状基体5に塗布された電荷輸送層用塗布液3の溶媒が高沸点の場合、円筒状基体5への電荷輸送層用塗布液塗布後、塗布ロール2と円筒状基体5とを離間した後も、塗膜を構成する電荷輸送層用塗布液3が流動性を有しているので、重力の作用によって、塗膜が下方に垂れて均一な厚みの塗膜が形成できなくなることがある。なお、溶媒として比較的揮発性の高い溶剤を用いた場合、溶剤が揮発することによる乾燥を防止するために、塗布ロール2および円筒状基体5の部分または基台16上に塗布装置1全体を覆うカバー部材を設けて略密閉状態とすることも、均一な厚みの塗膜を形成するために有効である。
図4は、本発明の実施の第2形態である製造装置に備わるロールコート式塗布手段60のロール構成部分の断面図である。本実施の形態の製造装置に備わるロールコート式塗布手段60は、実施の第1形態の製造装置1に備わるロールコート式塗布手段20に類似するので、構成を示す平面図を省略するとともに、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のロールコート式塗布手段60においては、塗布ロール61は、少なくとも表層部が弾性を有する素材から成り、塗布ロール61から円筒状基体5に電荷輸送層用塗布液3を転写している状態では、第1駆動手段6による円筒状基体5の回転方向(矢符63)と、第2駆動手段7による塗布ロール61の回転方向(矢符64)とが逆な場合であり、円筒状基体5と塗布ロール61とが電荷輸送層用塗布液3を介して当接するように配置、すなわち特定のニップ圧を持って配置される場合である。本実施の形態のロールコート式塗布手段60は、塗布ロール61と円筒状基体5とが、逆方向に回転するナチュラルロールコーティングに構成される。
塗布ロール2の少なくとも表層部を構成する弾性素材としては、シリコーンゴム、有機ポリサルファイドゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、ニトロスルホン化ポリエチレン、スチレン・ブタジエンゴムなどのゴム、またシリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂、また前述のゴムにフッ素樹脂などをコーティングしたものが挙げられる。
またロールコート式塗布手段60では、クリーニング手段が省かれ、もう一つのメタリングロール62が設けられ、メタリングロール13が、塗布ロール2の逆方向の矢符65方向に回転し、もう一つのメタリングロール62が、塗布ロール2と同一方向であってメタリングロール13と逆方向の矢符66方向に回転する。塗布ロール2とメタリングロール13との間隙、および2本のメタリングロール13,62の間隙は、調整部材14a,14bおよび調整部材44a,44bによって、所望の値になるように調整される。
塗布液供給手段4に貯留される電荷輸送層用塗布液3に、もう一つのメタリングロール62の一部が浸漬され、もう一つのメタリングロール62に付着した電荷輸送層用塗布液3が、メタリングロール13を介して塗布ロール61に供給され、該塗布ロール61から円筒状基体5に転写塗布される。塗膜厚さは、メタリングロール13,62間およびメタリングロール13と塗布ロール61との間に形成される間隙寸法を主とし、その他塗布液の物性、各ロールの周速、ニップ圧、塗布ロール61の材質などによって決定される。
ナチュラルロールコーティングの場合、第1および第2駆動手段6,7の動作制御によって、離間時における塗布ロール61と円筒状基体5との周速を、周速V1と周速V2とを設定する以外に以下のような周速比R制御をすることもできる。たとえば、離間前の円筒状基体5の周速u1が、塗布ロール61の周速u2よりも速い設定である場合、塗布ロール61の表層が弾性体で構成されるので、塗布ロール61と円筒状基体5とをニップ圧をかけて当接させることによって、塗布ロール61が円筒状基体5に対する摩擦体、すなわちブレーキの役目を果たす。この状態から円筒状基体5と塗布ロール61とを離間すると、同時に円筒状基体5に働いていた摩擦力であるブレーキ作用が無くなる。この摩擦力が無くなることによって、円筒状基体5は、塗布ロール61よりも速い周速で回転することができるようになり、円筒状基体5の周速を離間と同時に瞬時に変化させて、塗布ロール61の周速よりも速くすることができる。
図5は、電子写真感光体70の構成を簡略化して示す部分断面図である。電子写真感光体70は、実施の第1形態または第2形態の製造装置によって作製される。図5に例示する電子写真感光体70は、円筒状基体である導電性支持体71の上に中間層72、中間層72の上に電荷発生物質76を含む電荷発生層73、電荷発生層73の上に電荷輸送物質77を含む電荷輸送層74を備える積層型感光体である。電荷発生層73と電荷輸送層74とは、光導電層75を形成する。この電子写真感光体70は、中間層72と電荷輸送層74とがロールコート式塗布手段20によって形成され、電荷発生層73がインクジェット式塗布手段50によって形成される。
中間層72は、導電性支持体71から光導電層75への電荷の注入を防止し、電子写真感光体70の帯電性の低下を防止する。この中間層72の形成された電子写真感光体70によれば、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑制されるので、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止できる。また導電性支持体71の表面の欠陥を中間層72が被覆することによって、均一な表面が得られるので、光導電層75の成膜性を高めることができる。また光導電層75の導電性支持体71からの剥離を抑え、導電性支持体71に対する接着性を向上させることができる。
光導電層75を備える電子写真感光体70の表面をチャージャなどで負に帯電し、電荷発生層73に吸収波長を有する光を照射すると、電荷発生層73中に電子および正孔の電荷が発生する。正孔は、電荷輸送層74に含まれる電荷輸送物質77によって電子写真感光体70の表面に移動され、表面の負荷電を中和し、電荷発生層73中の電子は、正電荷が誘起された導電性支持体71の側に移動し、正電荷を中和することによって、積層型感光体70が機能する。
また、図5に例示する電子写真感光体70は、最外層が電荷輸送層74、すなわち光導電層75が電子写真感光体70の表面を構成するけれども、これに限定されることなく、光導電層75の上に保護層が設けられるように構成されてもよい。保護層を設けることによって、光導電層75の耐刷性を向上させることができるとともに、電子写真感光体70の表面を帯電させる際のコロナ放電により発生するオゾンまたは窒素酸化物などの化学的悪影響を防止することができる。さらに、導電性支持体71の導電性のむらを抑制するために、導電性支持体71の上であって中間層72の下にカーボンペーストまたは銀ペーストなどの導電性を付与した塗膜を形成しても良い。
以下電子写真感光体70の層構成と構成材料とについて詳細に説明する。
導電性支持体71の材料としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、炭素粒子、金属粒子などの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。導電性支持体71の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、入射するレーザ光と電子写真感光体内で反射された光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥を発生させることがある。導電性支持体71の表面に前述のような乱反射処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
中間層72は、たとえば、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷん、カゼインおよびN−メトキシメチル化ナイロンなどから形成される。これらには、酸化チタン、酸化錫または酸化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。中間層72の膜厚は、約0.1〜10μmである。このような中間層72は、前述のように導電性支持体71と光導電層75との接着層としての役割を果たし、加えて、導電性支持体71から電荷が光導電層75へ流れ込むのを抑制するバリア層としても作用する。このようにして中間層72は電子写真感光体70の帯電特性を維持するので、電子写真感光体70自身の寿命を延ばすことができる。
電荷発生層73の電荷発生物質76としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多環キノン系化合物およびペリレン系化合物などが挙げられる。有機染料としては、チアピリリウム塩およびスクアリリウム塩などが挙げられる。中でもフタロシアニン系化合物が好適であり、特にチタニルフタロシアニン化合物を用いることが最適である。これら列挙した顔料および染料の他に、電荷発生層73には、化学増感剤または光学増感剤を添加してもよい。化学増感剤として、電子受容性材料、たとえば、テトラシアノエチレンおよび7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、アントラキノンおよびp−ベンゾキノンなどのキノン類、ならびに、2,4,7−トリニトロフルオレノンおよび2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどのニトロ化合物が挙げられる。光学増感剤として、キサンテン系色素、チアジン色素およびトリフェニルメタン系色素などの色素が挙げられる。これらの電荷発生物質の中でも、有機顔料または有機染料などの有機光導電性化合物が好適に用いられる。
電荷発生層73を形成するための電荷発生層用塗布液は、前述の電荷発生物質76をバインダ樹脂とともに、適当な溶媒中に分散させることによって得られる。バインダ樹脂としては、具体的に、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、ポリアクリレートなどが用いられる。
溶媒としては、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、ピロリドン、n−メチルピロリドンなどを混合して用いることができる。
これらの溶媒の中でも120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒であるシクロヘキサノン、ピロリドン、n−メチルピロリドンから選ばれる1種または2種以上が、電荷発生層用塗布液中に5〜40重量%の範囲に含有されることが好ましい。なお、電荷発生層用塗布液の溶媒としては、上記のもの以外に、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系および芳香族系のいずれの溶媒系を混合して用いてもよい。いずれにしても、電荷発生物質、バインダ樹脂および溶媒の組成比を調整することによって、電荷発生層用塗布液の粘度が10mPa・s以下になるように設定される。このことによって、ノズル詰まりが防止されて安定した吐出性が維持されるとともに、塗布後のレベリング性を向上させることができる。
電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェーカ、超音波分散機などによって粉砕して溶剤に分散し、必要に応じたバインダ樹脂を加えて作製される。この電荷発生層用塗布液が、インクジェット式塗布手段50によって中間層72の上に塗布され、乾燥硬化されて電荷発生層73が形成される。このようにして形成される電荷発生層73の膜厚は、約0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは約0.1〜1μmである。
電荷輸送層74は、電荷発生物質76で発生した電荷を受入れ輸送する能力を有する電荷輸送物質77をバインダ樹脂中に含有させることによって得られる。電荷輸送物質77としては、ホール輸送物質および電子輸送物質を用いることができる。
ホール輸送物質としては、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体などを挙げることができる。また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセンなどまたはポリシラン等が挙げられる。
電子輸送物質としては、たとえば、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレン誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、フルオレノン誘導体、キサントン誘導体、フェナントラキノン誘導体、無水フタール酸誘導体、ジフェノキノン誘導体等の有機化合物、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独または2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層74のバインダ樹脂には、電荷輸送物質77との相溶性に優れるものが選ばれる。具体例としては、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびそれらの共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノール樹脂などの樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂を使用しても良い。これらの樹脂は、単独で使用されてもよく、また2種以上混合されて使用されてもよい。前述した樹脂の中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、また成膜性および電位特性などにも優れているので、これらをバインダ樹脂に用いることが特に好ましい。
電荷輸送層74には、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて、可塑剤または表面改質剤などの添加剤を添加しても良い。可塑剤としては、たとえばビフェニル、塩化ビフェニル、ベンゾフェノン、o−ターフェニル、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、各種フルオロ炭化水素、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などを挙げることができる。表面改質剤としては、シリコンオイル、フッ素樹脂等が挙げられる。また電荷輸送層74には、機械的強度の増強および電気的特性の向上を図るために、無機化合物または有機化合物の微粒子を添加しても良く、さらに必要に応じて酸化防止剤および増感剤などの各種添加剤を添加しても良い。このことによって、電位特性が向上するとともに、電荷輸送層用塗布液としての安定性が高まり、また電子写真感光体を繰返し使用した際の疲労劣化を軽減し、耐久性を向上させることができる。
酸化防止剤には、ヒンダードフェノール誘導体またはヒンダードアミン誘導体が好適に用いられる。ヒンダードフェノール誘導体とヒンダードアミン誘導体とは、混合されて使用されてもよい。
電荷輸送層用塗布液3は、適当な溶剤中に電荷輸送物質77およびバインダ樹脂ならびに必要に応じて添加剤を溶解または分散することによって得られる。電荷輸送層用塗布液3に用いられる溶剤には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類、安息香酸メチルまたは酢酸エチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤からなる群から選ばれる1種が単独で、または2種以上が混合されて使用される。また前述した溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することもできる。
電荷輸送層74は、電荷輸送層用塗布液3を、電荷発生層73上にロールコート式塗布手段20で塗布することによって形成される。電荷輸送層74の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下である。電荷輸送層74の膜厚が5μm未満であると、電子写真感光体70表面の帯電保持能が低下する。電荷輸送層74の膜厚が50μmを超えると、電子写真感光体70の解像度が低下する。したがって、5μm以上50μm以下とした。
前述したように電子写真感光体の最外層として、すなわち光導電層の上に保護層が設けられる構成であってもよい。保護層を設けることによって、光導電層の耐刷性を向上させることができるとともに、電子写真感光体の表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾンまたは窒素酸化物などの光導電層に対する化学的悪影響を防止することができる。保護層としては、たとえば樹脂、無機フィラー含有樹脂または無機酸化物などからなる層が用いられる。
保護層に使用される樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。また、保護層には、その他耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの樹脂に硬度の高い無機フィラーまたは有機フィラーを添加することができる。
これらフィラーの平均粒径は、0.02μm〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜1μmである。平均粒径が、0.02μm未満であると、保護層の耐摩耗性が弱くなり、電子写真感光体の寿命が短くなる。平均粒径が、3μmを超えると、光が保護層によって散乱しやすくなり、解像度の低下を引起こす。
保護層に添加されるフィラーの具体例としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、硫酸バリウム、ITO、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、高分子電荷輸送材料微粉末のうちから選択される1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
これらのフィラーは、分散性向上、表面性改質などの理由から無機物、有機物で表面処理されても良い。一般に撥水性処理として、シランカップリング剤で処理したもの、フッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理もしくは高分子材料などと共重合処理させたものなどが挙げられ、無機物処理として、フィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものなどが挙げられる。
フィラーは、バインダ樹脂および/または電荷輸送物質、分散溶媒とともに粉砕、もしくはそのまま分散され、保護層として塗布される。塗布によって形成される保護層中のフィラー含有量は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未満であると、耐摩耗性が充分ではなく、50重量%を超えると、保護層の透明性が損なわれ、感度低下を招来する。分散溶媒としてはメチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用される。
粉砕工程を加える場合はボールミル、サンドミル、振動ミルなどを用いる。また保護層中には、ホールあるいは電子を効率よく輸送することを目的に、前述した電荷輸送物質であるホール輸送物質あるいは電子輸送物質を添加しても良い。また、帯電性の向上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールが、同一分子中に存在する化合物などを添加することもできる。さらに、可塑剤および/またはレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものを用いることができ、添加する場合の使用量は、結着樹脂に対して30重量%以下が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、またはオリゴマーが使用され、添加する場合の使用量は結着樹脂に対して、1重量%以下が適当である。
また、保護層を少なくとも硬化型樹脂からなる層で構成する場合、材料の分野で公知である種々の架橋反応、たとえばラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合などを用いることができる。また、表面エネルギの低い硬化した保護層を実現させるために、公知の方法でシリコーン構造、パーフルオロアルキル構造、長鎖アルキル構造などを有する材料を架橋反応させても良い。保護層の膜厚は、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上3μm以下である。保護層の膜厚が0.5μm未満であると、ブレードまたは帯電ローラの接触などによる外力をうけたとき、保護層が下層の光導電層との界面から剥離しやすくなる。これは、保護層の膜厚が薄い場合、外力をうけた時に保護層自体では抗し切れずに光導電層との界面に常時力が負荷され、それが、長期にわたると負荷されている力によって界面にずれが生じやすくなるためと考えられる。また、摩耗により保護層全てが電子写真感光体の寿命前に消失する可能性がある。保護層の膜厚が5μmを超えると、キャリアが保護層内を移動する過程において拡散するので、文字太り等が生じやすくなり、かつ感度低下および繰返しによる残留電位上昇が起こる。
以下本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
導電性支持体として、直径:30mm、長さ:360mmのExpand Draw法(ED法)により形成したアルミニウム製無切削円筒管を用いた。
酸化アルミニウム(Al)および二酸化ジルコニウム(ZrO)で表面処理を行った樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製:TTO−D−1)9重量部および共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製:CM8000)9重量部を、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加えた後、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層形成用塗布液を調製した。この中間層形成用塗布液を塗工槽に満たし、導電性支持体を塗工槽に浸漬した後引上げることによって、膜厚1.0μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
次いで、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)によるX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン顔料1重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業社製;商品名:#6000−C)1重量部と、テトラヒドロフラン83重量部と、シクロヘキサノン15重量部とを、ペイントシェーカにて12時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。
中間層の形成された導電性支持体を実施の第2形態の製造装置に装着し、導電性支持体の上方位置に設けたインクジェット式塗布手段である塗布装置(シャープ株式会社製:AJ2000改造機)のヘッドから、上記の電荷発生層用塗布液を、60rpmで回転している導電性支持体上に1ドット30plとなるように吐出し、自然乾燥させて厚さ約0.2μmの電荷発生層を中間層上に形成した。
さらに、電荷輸送物質である構造式(I)で示されるトリフェニルアミンダイマー(
Triphenylamine dimer:略称TPD)10重量部と、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製:ユーピロンZ300)16重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1重量部と、ジフェニルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製:KF−50)0.008重量部とを、キシレン104重量部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、製造装置のロールコート式塗布手段(図4に示すナチュラルロールコーティング方式)によって、電荷発生層上に塗布した。電荷輸送層用塗布液を導電性支持体の電荷輸送層上に転写塗布している状態における塗布ロール、メタリングロールおよび導電性支持体の周速を、すべて10m/minとした。また、メタリングロールともう一つのメタリングロールとの間隙を170μm、メタリングロールと塗布ロールとの間隙を100μmとした。
まず、全ロールおよび導電性支持体を回転させつつ、塗布液供給手段から電荷輸送層用塗布液をメタリングロールの外周面に供給し、2つのメタリングロールによって均一な厚みの塗膜を形成させた。その後、塗布ロールを、回転させながら前述の間隙寸法になるまでメタリングロールに近接させ、メタリングロール表面の塗膜を塗布ロールに転写した。次いで、前述のようにして中間層と電荷発生層とを形成した導電性支持体を、回転させながら塗布ロールに接触させて塗布を開始した。
塗布開始後、導電性支持体が、予め定めておいた所定の回転回数である2回に達したとき、導電性支持体を塗布ロールから、離間速度を50mm/secで離間させた。離間と同時に、導電性支持体の周速を先の10m/minから18m/minに増速した。塗布ロールの周速は、離間前後において同一の10m/minのままとした。したがって、離間させるときの導電性支持体の周速V1と、塗布ロールの周速V2との周速比R(=V1/V2)が、1.8となるように調整した。また塗布ロールと導電性支持体とを離間した状態で、導電性支持体の回転を20秒間継続した。その後、120℃にて1時間乾燥させ、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。以上のようにして、実施例1の電子写真感光体を作製した。
Figure 0003977821
(実施例2)
電荷発生層の分散液として、シクロヘキサノンに代えてピロリドンとした以外は実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
(実施例3)
電荷発生層の分散液として、シクロヘキサノンに代えてn−メチルピロリドンとした以外は実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
(実施例4)
電荷発生層の分散液として、シクロヘキサノンを35重量部、テトラヒドロフランを63重量部とした以外は実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
電荷発生層および電荷輸送層を浸漬塗布法により成膜したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
以上の各電子写真感光体作製途中における諸特性を評価するとともに、作製した各電子写真感光体を、タンデム画像形成方式を用いたフルカラー複写機(シャープ株式会社製:AR−C260)に搭載し、常温常湿下(25℃/50%)で画像形成を行い諸特性を評価した。
以下評価対象とした特性ごとに評価方法と評価基準とを説明する。
(インクジェット吐出性評価)
中間層の形成された導電性支持体1本に電荷発生層用塗布液を塗布した後、インクジェット式塗布装置のノズルをチェックした。評価基準は次のようである。
○:ノズル詰まりなく良好
×:ノズルが詰まる
(電荷発生層用塗布液の保存安定性評価)
サンプル瓶に電荷発生層用塗布液を採取し、サンプル瓶中で25℃の温度下に1週間放置後、沈降、凝集物の有無を確認した。評価基準は次のようである。
○:沈降、凝集物なし
△:沈降あるが容易に再分散可、凝集なし
×:沈降、凝集物あり
(外観評価)
電荷発生層および電荷輸送層をそれぞれ形成後、各層の塗膜を目視観察して外観を評価した。評価基準は次のようである。
○:均一で良好
×:不均一で不良
(ハーフトーン画像均一性)
ハーフトーン画像とは、画像の濃淡を白黒のドットによって階調表現した画像のことである。各電子写真感光体を、上記の画像形成装置AR−C260に搭載して形成したハーフトーン画像を目視観察し、ハーフトーン画像均一性を評価した。評価基準は次のようである。
○:実使用上問題なし
×:実使用上問題あり
(画像欠陥)
各電子写真感光体を、上記の画像形成装置AR−C260に搭載して形成したテストチャートを目視観察し、かぶり・黒点等の欠陥を評価した。評価基準は次のようである。
○:実使用上問題なし
×:実使用上問題あり
(作製時間)
塗布液の作製に要した時間を除き、塗布工程に要した時間を指標として作製時間を評価した。評価基準は、浸漬塗布の場合3.5min以下、インクジェット塗布の場合3.0min以下、ロールコート塗布の場合1.0min以下を生産性良好(〇)、各塗布において基準時間を超えると生産性不良(×)とした。
評価結果を合わせて表1に示す。なお表1中の各電荷発生層用塗布液の粘度は、東機産業株式会社製の回転式E型粘度計で測定した。本発明の方法によって作製された実施例1〜4の電子写真感光体では、作製途中における諸特性が良好であり、形成された画像の品質にも優れ、作製所要時間も短く、総合評価が良好であった。一方、電荷発生層および電荷輸送層を浸漬塗布法で形成した比較例1の電子写真感光体は、諸持性に問題がないけれども、作製に長時間を要し、生産性に問題があるという結果であった。
Figure 0003977821
積層型の電子写真感光体の製造に用いられる製造装置1の構成を簡略化して示す平面図である。 図1に示す電子写真感光体の製造装置1に備わるインクジェット式塗布手段50の構成を示す図である。 製造装置1の主要構成部の電気的接続を簡略化して示すブロック図である。 本発明の実施の第2形態である製造装置に備わるロールコート式塗布手段60のロール構成部分の断面図である。 電子写真感光体70の構成を簡略化して示す部分断面図である。
符号の説明
1 電子写真感光体の製造装置
2 塗布ロール
3 電荷輸送層用塗布液
4 塗布液供給手段
5 円筒状基体
6 第1駆動手段
7 第2駆動手段
8 第1周速検出手段
9 第2周速検出手段
10 回転回数検出手段
11 離間手段
12 制御手段
13,62 メタリングロール
14,44 調整部材
15 膜厚調整手段
16 基台
17 基体支持手段
20,60 ロールコート式塗布手段
39 第3駆動手段
40 第3周速検出手段
41 クリーニング手段
50 インクジェット式塗布手段
51 塗工部
52 ガイドレール部
53 電荷発生層用塗布液供給部
54 搬送チューブ
70 電子写真感光体
71 導電性支持体
72 中間層
73 電荷発生層
74 電荷輸送層
75 光導電層

Claims (7)

  1. 円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層との少なくとも2層が積層して形成される電子写真感光体の製造方法において、
    電荷発生層は、円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液がインクジェット方式で塗布されることによって形成され、
    電荷輸送層は、電荷発生層の上に電荷輸送層用塗布液がロールコート方式で塗布されることによって形成され、
    ロールコート方式では、
    塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)が、0.7〜1.4であり、
    円筒状基体を塗布ロールから離間させるとき、円筒状基体の周速V1と塗布ロールの周速V2との比R(=V1/V2)が、1.2〜15.0であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 電荷発生層用塗布液は、
    粘度が10mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 電荷発生層用塗布液は、
    120℃以上の沸点を有する高沸点溶媒を5〜40重量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 高沸点溶媒が、
    シクロヘキサノン、ピロリドンおよびn−メチルピロリドンからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. インクジェット方式における電荷発生層用塗布液の吐出が、
    ピエゾ方式によって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層との少なくとも2層を積層して形成する電子写真感光体の製造装置において、
    円筒状基体または円筒状基体上に形成される中間層の上に電荷発生層用塗布液を吐出することによって電荷発生層を形成するインクジェット式塗布手段と、
    電荷発生層の上に電荷輸送層用塗布液を塗布する塗布ロール、塗布ロールに電荷輸送層用塗布液を供給する塗布液供給手段、塗布ロールから電荷輸送層用塗布液が転写される円筒状基体を支持する基体支持手段、基体支持手段に支持される円筒状基体を回転駆動させる第1駆動手段、塗布ロールを回転駆動させる第2駆動手段を備えて電荷発生層の上に電荷輸送層を形成するロールコート式塗布手段と、
    インクジェット式塗布手段およびロールコート式塗布手段の動作を制御する制御手段とを含み、
    制御手段は、
    塗布ロールから円筒状基体へ塗膜を転写しているとき、円筒状基体の周速u1と塗布ロールの周速u2との比r(=u1/u2)が、0.7〜1.4、
    円筒状基体を塗布ロールから離間させるとき、円筒状基体の周速V1と塗布ロールの周速V2との比R(=V1/V2)が、1.2〜15.0になるようにロールコート式塗布手段を制御することを特徴とする円筒状基体に対する電子写真感光体の製造装置。
  7. インクジェット式塗布手段が、
    基体支持手段に装着されて円筒状基体の上方に設けられることを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体の製造装置。
JP2004130308A 2004-04-26 2004-04-26 電子写真感光体の製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP3977821B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004130308A JP3977821B2 (ja) 2004-04-26 2004-04-26 電子写真感光体の製造方法および製造装置
CNB2005100666757A CN100351705C (zh) 2004-04-26 2005-04-26 电子照相感光体的制造方法及制造装置
US11/114,007 US7781137B2 (en) 2004-04-26 2005-04-26 Method and apparatus for producing electrophotographic photoreceptor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004130308A JP3977821B2 (ja) 2004-04-26 2004-04-26 電子写真感光体の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005315908A JP2005315908A (ja) 2005-11-10
JP3977821B2 true JP3977821B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=35136870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004130308A Expired - Fee Related JP3977821B2 (ja) 2004-04-26 2004-04-26 電子写真感光体の製造方法および製造装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7781137B2 (ja)
JP (1) JP3977821B2 (ja)
CN (1) CN100351705C (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076657A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP4872601B2 (ja) * 2006-10-27 2012-02-08 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5074091B2 (ja) * 2007-05-07 2012-11-14 有限会社日本健康科学研究センター 蚊に刺されることを防ぐフィルム忌避製剤
JP5430354B2 (ja) * 2009-11-02 2014-02-26 キヤノン株式会社 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5361665B2 (ja) * 2009-11-02 2013-12-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US8210654B2 (en) 2010-05-28 2012-07-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection device with electrodes to generate electric field within chamber
WO2012115650A1 (en) 2011-02-24 2012-08-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Coating for extending lifetime of an organic photoconductor
US9482970B2 (en) 2012-03-30 2016-11-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Organic photoconductors having protective coatings with nanoparticles
US20130344424A1 (en) * 2012-06-22 2013-12-26 Krzysztof Nauka Organic photoconductors and methods of manufacturing the same
US8841053B2 (en) 2012-07-19 2014-09-23 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Organic photoconductors with latex polymer overcoat layers
JP6310179B2 (ja) * 2013-01-31 2018-04-11 積水化学工業株式会社 ゲル塗工機及びリチウムイオン二次電池の製造装置
US9701064B2 (en) * 2013-07-15 2017-07-11 Xerox Corporation Digital manufacturing system for printing three-dimensional objects on a rotating core

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2644582B2 (ja) 1989-04-14 1997-08-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法
JPH0312261A (ja) 1989-06-12 1991-01-21 Canon Inc 円筒状物体の塗布方法
JPH1119554A (ja) * 1997-07-03 1999-01-26 Mitsubishi Chem Corp 塗液の塗布方法及び装置
GB9726810D0 (en) * 1997-12-19 1998-02-18 Zeneca Ltd Compounds composition & use
JPH11216405A (ja) * 1998-01-29 1999-08-10 Dainippon Ink & Chem Inc 円筒状基体への塗料塗布方法及び装置、並びに電子写真用感光体ドラムの製造方法
JPH11276958A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Dainippon Ink & Chem Inc 円筒状基体への塗料塗布方法及び装置、並びに電子写真用感光体ドラムの製造方法
JP3969885B2 (ja) * 1998-03-31 2007-09-05 キヤノン株式会社 インク、カラーフィルタ、液晶パネル、コンピュータ及びカラーフィルタの製造方法
JP2000084472A (ja) * 1998-09-11 2000-03-28 Dainippon Ink & Chem Inc 円筒状基体への塗料塗布方法及び電子写真用感光体ドラムの製造方法
JP2000325863A (ja) * 1999-05-20 2000-11-28 Dainippon Ink & Chem Inc 円筒状基体への塗料塗布方法および電子写真用感光体ドラムの製造方法
US6245475B1 (en) * 1999-12-16 2001-06-12 Xerox Corporation Process of spray forming photoreceptors with ink nozzles
EP1158365B1 (en) * 2000-05-18 2011-12-21 Du Pont De Nemours (Deutschland) Gmbh Process and apparatus for coating on printing cylinders
US7645490B2 (en) * 2001-12-20 2010-01-12 Atlas Roofing Corporation Method and composition for coating mat and articles produced therewith
JP3841286B2 (ja) * 2002-06-21 2006-11-01 株式会社リコー 電子写真感光体の製造方法、該製造方法により作製された電子写真感光体並びにそれを用いた電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP2004031077A (ja) 2002-06-25 2004-01-29 Toshiba Corp 有機el表示パネル製造のためのインクジェット塗布装置および塗布方法
JP4008871B2 (ja) * 2003-09-19 2007-11-14 シャープ株式会社 円筒状基体に対する塗工液の塗布方法および塗布装置ならびに電子写真感光体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005315908A (ja) 2005-11-10
US20050238989A1 (en) 2005-10-27
US7781137B2 (en) 2010-08-24
CN1690867A (zh) 2005-11-02
CN100351705C (zh) 2007-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7781137B2 (en) Method and apparatus for producing electrophotographic photoreceptor
JP4008871B2 (ja) 円筒状基体に対する塗工液の塗布方法および塗布装置ならびに電子写真感光体の製造方法
KR101835145B1 (ko) 유기 필름을 포함하는 잉크 기반 디지털 인쇄를 위한 이미징 부재
CN103430104B (zh) 电子照相感光构件、处理盒和电子照相设备以及电子照相感光构件的制造方法
KR101645777B1 (ko) 전자사진 감광체, 프로세스 카트리지 및 전자사진 장치, 전자사진 감광체의 제조 방법
JP4442641B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2006227400A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法、ならびに該電子写真感光体を備える画像形成装置
CN104950604B (zh) 电子照相感光构件及其制造方法、处理盒和电子照相设备
JP2009058789A (ja) 電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP4488960B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法および製造装置
JP2007188003A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP4044509B2 (ja) 円筒状基体に対する塗液の塗布装置および塗布方法ならびに該方法によって製造される電子写真感光体およびそれを備える電子写真装置
JP3841286B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、該製造方法により作製された電子写真感光体並びにそれを用いた電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP4732943B2 (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP3875977B2 (ja) 電子写真感光体用塗料組成物、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体および画像形成装置
JP6708467B2 (ja) 円筒状の基体の塗膜除去方法および電子写真感光体の製造方法
JP4606343B2 (ja) 積層体の製造方法および電子写真感光体ならびに画像形成装置
JP2006047695A (ja) 電子写真感光体の製造方法およびその方法で製造される電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を備える画像形成装置
JP4250487B2 (ja) 電子写真装置、プロセスカートリッジ及びファクシミリ装置
JP2006133303A (ja) 電子写真感光体の製造方法および該製造方法によって製造される電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を備える画像形成装置
JP2014178365A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP2000325863A (ja) 円筒状基体への塗料塗布方法および電子写真用感光体ドラムの製造方法
JP2013134490A (ja) 電子写真感光体の製造方法および前記製造方法で製造された電子写真感光体
JP4921243B2 (ja) プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2006084578A (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3977821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees