JP2000325863A - 円筒状基体への塗料塗布方法および電子写真用感光体ドラムの製造方法 - Google Patents

円筒状基体への塗料塗布方法および電子写真用感光体ドラムの製造方法

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JP2000325863A
JP2000325863A JP11140804A JP14080499A JP2000325863A JP 2000325863 A JP2000325863 A JP 2000325863A JP 11140804 A JP11140804 A JP 11140804A JP 14080499 A JP14080499 A JP 14080499A JP 2000325863 A JP2000325863 A JP 2000325863A
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roll
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application roll
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Wataru Suenaga
渉 末永
Koichi Saito
弘一 斎藤
Satoshi Usami
智 宇佐美
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール塗布法を用いて従来法の持つ欠点を解
消し、簡単な制御で、円筒状基体の外周面に効率よく、
良好な画像特性を得るための塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 塗布ロールに供給された塗料を円筒状基
体に塗布する円筒状基体への塗料塗布方法において、円
筒状基体と塗布ロールを非接触状態で同一方向に回転し
つつ塗料を塗布し、塗料が円筒状基体に転写された後、
塗布ロール上に存在する塗料の膜厚をT1、円筒状基体
と塗布ロールとの間隙をG1とすると、T1≦G1を満
足する条件下で塗料を定常状態となし、その状態から塗
布ロール上の塗料の量を減少して円筒状基体上の塗料と
塗布ロール上の塗料との繋がりを切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用感光体
ドラムの製造方法に好適な円筒状基体への塗料塗布方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体ドラムには、アルミニ
ウムで構成された中空円筒状基体の外周面に電子写真用
感光体塗料として下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
順次塗布、積層した感光層を形成しているものがある。
感光層は薄膜でかつ均一な厚さであることが要求される
が、低コスト化の要求も強いため、生産性に優れた塗布
方法の開発検討が行われている。円筒状基体の外周面に
電子写真用感光体塗料を塗布して感光層を形成する方法
としては、従来からスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレ
ード塗布法等の方法が知られている。しかしながら、従
来の塗布法においては、均一な塗膜が得られなかった
り、生産効率が悪いなどの欠点があった。
【0003】例えばスプレー塗布法では、電子写真用感
光体塗料に沸点の低い溶媒を用いると、塗料が円筒状基
体の外周面に到達する途中で塗料中に含まれる溶媒が揮
発し塗料の固形分濃度が増大するために、円筒状基体に
到達したときには外周面に充分に広がらずに塗膜表面が
凹凸になり、塗膜表面の平滑性が得られず均一な塗膜が
得られないという欠点があった。
【0004】逆に沸点の高い溶媒を用いると、塗料が円
筒状基体の外周面に付着してレベリング(膜厚の均一
化、以下同じ)はするが、溶剤の揮発が遅いために塗膜
の固定が遅延してしまう。したがって、塗膜の固定化が
不十分な状態で塗布を続けると所望の膜厚が厚い場合に
は塗料だれが起こり、やはり均一な膜厚の塗膜が得られ
なかった。これを回避するために数回に分割して塗料を
塗布することも考えられるが、塗布および指触乾燥状態
(指で触れても痕跡が残らない程度に乾燥した状態)に
なるまでの乾燥を繰り返して所望の膜厚を得なければな
らず、時間もかかり極めて煩雑であった。
【0005】浸潰塗布法によれば塗膜表面の平滑性は改
善されるものの、円筒状基体の内部や端面にまで塗膜が
形成される。円筒状基体の内部や端面に形成された塗膜
はフランジ等を取り付ける際の障害となるため、この円
筒状基体を電子写真用感光体ドラムとする際には、円筒
状基体の内部や端面に一度形成された塗膜を除去しなけ
ればならない。また、使用される機種によっては円筒状
基体の外周面端部に一度形成された塗膜を除去しなけれ
ばならないため、除去工程が必要となり、生産性を阻害
する要因となっていた。
【0006】さらに、塗膜の膜厚は塗料物性と浸漬した
後の引き上げ速度に大きく支配され、等速度で引き上げ
ると円筒状基体の上端と下端とで膜厚差が発生する。こ
れを解消するためには引き上げ速度を制御する必要があ
るが、その制御は難しく、さらには均一な塗膜を形成す
るために浸潰した後の引き上げ速度を遅くせざるを得な
いという基本的な問題もあり、高い生産効率が得られな
かった。
【0007】ブレード塗布法は円筒状基体の長さ方向に
近接する位置にブレードを配置してブレードに塗料を供
給し、円筒状基体を1回転させた後ブレードを後退させ
る塗布法である。この方法では高い生産性は得られるも
のの、ブレードを後退させる際、塗料の表面張力により
円筒状基体に塗布された塗膜の一部が盛り上がるため膜
厚が不均一になるという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記以外の方法として
ロール塗布法がある。ロール塗布法は、円筒状基体に対
して所定のギャップをあけて配置した塗布ロールから塗
料を供給し、その後円筒状基体と塗布ロールとを離間す
ることを基本とする塗布方法である。特開昭48−90
746号公報によれば、円筒状基体に対してドクターロ
ールを平行に配置し、そのドクターロールに樹脂を供給
し、これをドクターロールを介して円筒状基体に塗布せ
しめることにより均一な膜厚で継ぎ目のない光導電層が
形成される。
【0009】しかるに、電子写真に要求される画質のレ
ベルが年々高くなり、本発明者等の検討によれば、前記
特開昭48一09746号で開示された手法のみではそ
の要求を十分に満足させることは困難となってきてい
る。つまり、特開昭48−09746号が提案された当
時に問題とされた膜厚均一性、継ぎ目大きさでは現在要
求される画質を満足させることはできない。
【0010】本発明は、ロール塗布法を用いて従来法の
持つ欠点を解消し、簡単な制御で、円筒状基体の外周面
に効率よく、良好な画像特性を得るための塗膜形成方法
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するために、ロール塗布法における円筒状基体上の
塗膜の挙動について詳紬な検討を行った。以下この検討
内容について説明する。初めに、円筒状基体と塗布ロー
ルとの回転方向について、図1、図2にづき説明する。
図1、図2において、1は被塗布物である円筒状基体、
2は塗布ロールであり、各々矢印(実線)方向に回転す
る。つまり、図1には円筒状基体1と塗布ロール2とが
同一方向に回転する場合を示し、図2には円筒状基体1
と塗布ロール2とが反対方向に回転する場合を示してい
る。5は塗料であり、塗布ロール2から円筒状基体1ヘ
転移、塗布される。塗料5は円筒状基体1と塗布ロール
2との回転方向の影響を受け、各々矢印(鎖線)の方向
に流動する。
【0012】図2に示すように円筒状基体1と塗布ロー
ル2とが互いに反対方向に回転すれば、転移起点91に
おいて円筒状基体1に塗布された塗料5は転移終点92
を経由して円筒状基体1の回転に伴い転移起点91に戻
る。従って、塗布ロール2によって次々に供給される塗
料5の一部は円筒状基体1と塗布ロール2との間の間隙
(ギャップ)を通過することができないこととなる。通
過できなかった塗料5は転移起点91近傍に蓄積され、
塗料溜まり8を形成する。この状態で円筒状基体1を塗
布ロール2から離間すると、この塗料溜まり8に相当す
る部分が突出して塗膜の均一性を阻害する。塗料溜まり
8が形成される前に円筒状基体1を塗布ロール2から離
問することも考えられるが、その場合には円筒状基体1
の外周全面に塗料を均一に塗布することができない。
【0013】これに対し、図1に示すように円筒状基体
1と塗布ロール2の回転方向を同一方向にすれば、塗料
溜まりは発生しないか、発生してもわずかな量となる。
すなわち、塗布ロール2により搬送されてきた塗料は、
矢印(鎖線)方向に転移起点91から円筒状基体1の回
転に伴いその大部分が円筒状基体1の外周面を経由して
転移終点92に達する。したがって、塗布ロール2から
円筒状基体1へ塗料が転移され続けても転移起点91に
塗料溜まりは発生しないか、発生してもわずかな量とな
るのである。以上の理由により、本発明では円筒状基体
と塗布ロールとを同一方向に回転することとした。
【0014】次に、円筒状基体と塗布ロールとの問に生
ずる塗料の繋がり、つまりメニスカスについて図3を参
照しつつ説明する。図3のように円筒状基体1上の塗料
と塗布ロール2上の塗料が表面張力によって繋がってい
る部分がメニスカス9であり、図3(A)のように円筒
状基体1と塗布ロール2が離れていても、図3(B)、
(C)のように円筒状基体1と塗布ロール2が非常に近
づいていても、いずれの場合にも塗料の表面張力により
斜線部分で示すメニスカス9が形成されることになる。
図3(B)、(C)の違いは、塗布ロール2上に存在す
る塗料の膜厚をT1、円筒状基体1と塗布ロール2との
間隙をG1とすると、前者はT1<G1、後者はT1>
G1となっている点である。なお、図3(A)もT1<
G1となっている。また、塗布ロール2上に存在する塗
料の膜厚T1とは、メニスカス9以外の部分の厚さをい
う。
【0015】本発明者等は、塗布ロール2上の塗料が円
筒状基体1に転移された後に、図3(A)〜(C)の各
状態において塗料を定常状態となし、その状態から塗布
ロール上の塗料の量を減少させて円筒状基体上の塗料と
塗布ロ一ル上の塗料の繋がりを切断することにより得ら
れた電子写真用感光体ドラムを用いて画質の評価を行っ
たところ、図3(A)および(B)により得られた電子
写真用感光体ドラムのほうが、図3(C)により得られ
た電子写真用感光体ドラムに比べて画質が優れているこ
とを確認した。
【0016】本発明は以上の知見に基づくものであり、
塗布ロールに供給された塗料を円筒状基体に塗布する円
筒状基体の製造方法において、円筒状基体と塗布ロール
を非接触状態で同一方向に回転しつつ塗料を塗布し、塗
料が円筒状基体に転写された後、塗布ロール上に存在す
る塗料の膜厚をT1、円筒状基体と塗布ロールとの間隙
をG1とすると、T1≦G1を満足する条件下で塗料を
定常状態となし、その状態から塗布ロール上の塗料量を
減少させて円筒状基体上の塗料と塗布ロール上の塗料と
の繋がりを切断することを特徴とする。
【0017】また本発明によれば、塗布ロールに供給さ
れた電子写真用感光体塗料を電子写真用感光体ドラム基
体に塗布後乾燥する電子写真用感光体ドラムの製造方法
において、電子写真用感光体ドラム基体と塗布ロールと
を非接触状態で同一回転方向に回転しつつ電子写真用感
光体塗料を塗布し、電子写真用感光体塗料が電子写真用
感光体ドラム基体に転移された後、塗布ロール上に存在
する電子写真用感光体塗料の膜厚をT1、電子写真用感
光体ドラム基体と塗布ロールとの間隙をG1とすると、
T1≦G1を満足する条件下で電子写真用感光体塗料を
定常状態となし、その状態から塗布ロール上の電子写真
用感光体塗料の量を減少させて電子写真用感光体ドラム
基体上の電子写真用感光体塗料と塗布ロール上の電子写
真用感光体塗料の繋がりを切断する電子写真用感光体ド
ラムの製造方法が提供される。
【0018】以下本発明をより詳細に説明する。円筒状
基体1と塗布口一ル2の間に存在するメニスカス近傍の
塗料の挙動を図4および図5に基づき説明する。なお、
図4はT1>G1の条件を満足する定常状態から、塗布
ロール2上の塗料の量を減少させて円筒状基体1上の塗
料と塗布ロール2上の塗料との繋がりを切断する過程
を、また図5はT1<G1の条件を満足する定常状態か
ら、塗布ロール2上の塗料の量を減少させて円筒状基体
1上の塗料と塗布ロール2上の塗料との繁がりを切断す
る過程を示している。
【0019】図4のように、T1>G1の定常状態から
塗布ロール2上の塗料の量を減少させていくと、図4
(A)のようにメニスカス9の塗料溜まりが凸部(c)
となって残る。さらに塗布ロール2上の塗料供給量を減
少させていくと、塗料の表面張力がメニスカス9を維持
させようとして、図4(B)のように円筒状基体1上の
塗料膜厚が減少して凹部(b)が生じる。ついで、図4
(C)のように円筒状基体1上の塗料と塗布ロール2上
の塗料の繋がりが切断されると、円筒状基体1には継ぎ
目として凸部(a)が残るとともに、凹部(b)、凸部
(c)も消滅せずに残存する。
【0020】一方、図5のように、T1<G1の定常状
態から塗布ロール2上の塗料供給量を減少させていく場
合には、図5(A)のようにメニスカス9の幅が狭いた
めに塗料溜まりによる凸部(c)は小さくなる。さらに
塗布ロール2上の塗料の量を減少させていくと、図5
(B)のようにメニスカス9を維持させようとして生じ
る凹部(b)も消滅、または残存する程度が小さくな
る。そして、図5(C)のように円筒状基体1上の塗料
と塗布ロール2上の塗料の繋がりが切断されると、円筒
状基体1には凸部(a)も消滅、または残存する程度を
小さくすることができる。
【0021】本発明において、円筒状基体1上の塗料と
塗布ロール2上の塗料の繋がり切断する前に、塗布ロー
ル上の塗料が定常状態となっている必要がある。この定
常状態を得るためには、ギャップを一定に維持したまま
円筒状基体、塗布口ールの回転を継続する必要がある。
塗料の物性、回転条件等の諸条件により変動するが、少
なくとも、ギャップを固定したままで円筒状基体、塗布
ロールを1回転、望ましくは3回転以上回転する。
【0022】以上のような凸部(a)、凸部(c)およ
び凹部(b)を有する塗膜が被覆された電子写真用感光
体ドラムを用いて印字試験を行ったところ、画質に最も
影響を与えるのは凹部(b)であることが判明した。つ
まり、凸部(a)(凸部(c))の高さと凹部(b)の
深さが同一であったとしても、凸部(a)(凸部
(c))に対応する部分に比べて凹部(b)に対応する
部分の画質が劣るのである。したがって、本発明におい
ては、T1≦G1を満足する条件下で塗料を定常状態と
することとした。そして、この凹部(b)の深さを極力
低減することが画質向上のために非常に重要であること
がわかった。そして、前記凹部は塗膜の最小膜厚tmi
nとして定義すると、塗膜の平均膜厚taveとの関係
で、tave−tmin/taveが0.07以下、望
ましくは0.03以下であれば良好な画像特性が得られ
る。もっとも、凸部(a)、(c)も小さい方が望まし
く、最大膜厚をtmaxとすると、tmax一tave
/taveが0.1以下、望ましくは0.05以下であ
ることが推奨される。
【0023】上記凸部(a)、凹部(b)についてはニ
ュートン流体のレベリング性を記述するOrchard
一Rhodesの式により説明される。詳細は、「塗料
の流動と塗膜形成」(中道敏彦著、技報堂出版)に説明
されているので、引用する。すなわち、メニスカス9が
切断されたときの継ぎ目の凹部(b)と凸部(a)の差
をAo、t時間後の継ぎ目の凹部(b)と凸部(a)の
差をAt、メニスカス9の幅をλ、円筒状基体1上の平
均膜厚をh、塗料の表面張力をγ、塗料の粘度をηとす
れば、下式(1)のように表すことができる。
【0024】
【数1】
【0025】従って、レベリングによりできるだけ短時
問の内に凹部(b)と凸部(a)の差Atが0に近づく
ための条件は、式(1)より、メニスカス9の幅λが小
さく、塗料の表面張力γが大きく、塗料の粘度を低くす
ることが好ましいことがわかる。特に表面張力について
は、室温での塗料の表面張力が26×10-3N/m以上
であることが望ましい。表面張力がこれより低い場合、
特に20×10-3N/mよりも低い場合には、凹部
(b)と凸部(a)の差が0に近づくまでに時問を要
し、また塗布ロール上の塗料を減少させても円筒状基体
上の塗料と塗布ロール2上の塗料の繋がりであるメニス
カス9が切断されにくい。
【0026】このメニスカス9の幅λを小さくするため
には、円筒状基体1と塗布ロール2との間隔を広げるこ
とが有効である。本発明では、上述のように、T1≦G
1を満足する条件下で塗料を定常状態とするが、T1≦
G1とすることによりメニスカス9の幅λを小さくする
ことも可能となる。
【0027】本発明において、T1≦G1を満足する条
件下で塗料を定常状態となし、その状態から塗布ロール
上の塗料の量を減少させて円筒状基体上の塗料と塗布ロ
ール上の塗料の繋がりを切断する。
【0028】塗布ロール上の塗料の量を減少させるため
には、塗布ロールの近傍に塗料膜厚制御手段を配置し、
塗布ロールと塗料膜厚制御手段との間隙を、定常状態の
ときよりも狭くすればよい。膜厚制御手段としてはドク
ターブレード、あるいはロールを用いることができる。
膜厚制御手段としてロールを用いる場合には、塗布ロー
ルと同一方向にそのロールを回転させつつ、その回転数
を増大させることにより塗布ロール上の塗料の量を減少
することができる。
【0029】本発明において、塗料を円筒状基体に転移
する際には、T1>G1となっていてもかまわない。こ
のようにしておく方が、塗布ロール上の過剰塗料を円筒
状基体に速やかに転移させることができる。また、塗布
ロールに近接配置させた膜厚制御手段と塗布ロールとの
間隙を円筒状基体と塗布ロールとの問隙より大きくし、
塗布ロール上の過剰塗料を円筒状基体に転移させる方法
もある。さらに、円筒状基体に過剰な塗料をディスベン
サー等により供給しても良い。
【0030】なお、円筒状基体に形成させるべき乾燥後
の膜厚は、塗料の不揮発分、粘度等の塗料特性、および
塗布ロール上の塗料の膜厚、円筒状基体又は塗布ロール
の回転速度等を調整することで決定される。
【0031】また、塗布ロール上の塗料の厚さT1は以
下のように測定することができる。つまり、周知のマイ
クロメータヘッド(0−25mm 0.001mmレベ
ルのもの)により塗料塗布前の塗布ロール表面を基準点
(ゼロ点)とし、塗料転移時にはマイクローメータヘッ
ドのスピンドルを塗布ロールから十分後退させる。その
後、塗料が定常状態となったらスピンドルが塗料に接触
するまで前進させる。そのときの読みとり値が塗布ロー
ル上の塗料の厚さT1である。なお、マイクロメータヘ
ッドは、塗布ロールに対して固定させる必要があること
はいうまでもない。また、本発明を実行する上でこの方
法に限定されるものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態に基づき
説明する。図6、図7は各々本発明を実施するための装
置構成の1実施形態を示す斜視図、側面図である。図
6、図7において、1は被塗布物である円筒状基体、2
は塗布ロール、3はメタリングロール(膜厚制御手
段)、4はクリーニングドクタ、5は塗料である。
【0033】円筒状基体1、塗布ロール2およびメタリ
ングロール3は、図示しない回転機構により矢印方向へ
回転可能に設置されている。また、円筒状基体1と塗布
ロール2とは塗布ロール2から円筒状基体1へ塗料が転
移できる程度のギャップを介して近接配置され、また塗
布ロール2とメタリングロール3とは塗料5を貯留でき
る程度のギャップを介して近接配置されている。塗料5
は図示しない塗料供給手段により塗布ロール2、メタリ
ングロール3およびクリーニングドクタ4とにより形成
されり、塗料貯留部51に貯留される。
【0034】塗料貯留部51から塗布ロール2およびメ
タリングロール3との間のギャップを通過して塗料5は
塗布ロール2の外周面に供給されるが、この一定幅のギ
ャップ、およびメタリングロール3と塗布ロール2との
周速比とにより塗布ロール2の外周面に供給される塗料
5が計量される。更に、塗布ロール2の外周面の塗料の
表面性も周速比にて決定される。
【0035】塗布ロール2およびメタリングロール3と
の間のギャップは、初めに円筒状基体1に塗料を転移さ
せるために、円筒状基体1および塗布ロール2との間の
ギャップより広くする必要がある。この場合、円筒状基
体1に塗料を転移させることを目的としているので、転
移が可能であるならば、塗布ロール2およびメタリング
ロール3との問のギャップの幅、あるいは、円筒状基体
1および塗布ロール2との問のギャップの幅に制限が加
えられるものではない。
【0036】この状態で塗布ロール2およびメタリング
ロール3を矢印方向に回転することにより塗布ロール2
の外周面の塗料5の膜厚が均一になる結果、円筒状基体
1の外周面に塗布される塗料の膜厚も速やかに均一なも
のとなる。次に、円筒状基体1に塗料が転移した後、塗
布ロール2上の膜厚を円筒状基体1および塗布ロール2
との問のギャップ以上になるように設定して円筒状基体
1の塗料膜厚が安定した後、塗布ロール2とメタリング
ロール3のギャップを減少させるか、あるいはメタリン
グロール3の回転数を増大させることにより塗布ロール
2上の塗料の量を減少させて、円筒状基体1上の塗料と
塗布ロール2上の塗料の繋がりを切断する。その後、円
筒状基体1と塗布ロール2とを離間させる。このとき、
円筒状基体1上の塗料の膜厚制御は、塗布ロール2およ
びメタリングロール3との間のギャップ、塗料の粘度、
不揮発分によりおこなっても良い。なお、以上の形態で
はメタリングロール3を回転しているが、回転すること
なく固定状態とすることもできる。
【0037】以上の実施形態では、メタリングロール3
および塗布ロール2とのギャップを利用することにより
塗布ロール2外周面の塗料5の量を制御するとともに膜
厚の均一化を図っているが、図8に示すように塗料槽5
2に貯留した塗料5中に塗布ロール2を浸潰するととも
に、所定量の塗料を供給するための膜厚制御手段として
ギャップ設定用ドクター6を所定幅のギャップを介して
塗布ロール2に配置しても良い。この状態で、塗布ロー
ル2を回転させることにより、塗布ロール2外周面の塗
料5の膜厚を均一化するとともに、塗料膜厚を制御する
ことができる。
【0038】また、図9に示すように板状の膜厚制御手
段61を塗布ロール2の接線方向に所定幅のギャップを
介して配置する、あるいは図10に示すような円筒体の
外周に段差を設けた膜厚制御手段62を塗布ロール2と
所定幅のギャップを介して配置することもできる。図
9、図10に示す膜厚制御手段61、62によれば、図
8に示したギャップ設定用ドクター6と同様に塗料5の
膜厚の均一性を向上させるとともに、塗料膜厚を制御す
ることができる。
【0039】円筒状基体と塗布ロールとのギャップ幅は
塗布する塗料の種類、円筒状基体上に最終的に形成する
膜厚によって、10μm〜1000μmの範囲で、かつ
塗布ロールと膜厚制御手段との間のギャップ幅と同等か
それ以上の値で設定すればよい。また、塗布ロールと膜
厚制御手段との間のギャップ幅も、塗布する塗料の種
類、円筒状基体上に最終的に形成する膜厚によって、1
0μm〜1000μmの範囲で設定すればよい。
【0040】塗料が塗布される際の円筒状基体の回転の
周速は3m/min〜50m/minの範囲とすること
が、また塗布ロールの回転の周速は3m/min〜50
m/minの範囲とすることが好ましい。円筒状基体お
よび塗布ロールの周速が遅いとその外周面に塗膜が形成
される時間が長くなり生産性に好ましくなく、逆に周速
が速すぎると遠心力により塗料が飛散する恐れがあるか
らである。
【0041】円筒状基体の回転の周速と塗布ロールの回
転の周速の比(円筒状基体の周遠/塗布ロールの周速)
は、0.5〜2.0の範囲が好ましく、0.6〜1.6
の範囲がさらに好ましい。また、塗布ロールと円筒状基
体の径の比が1/4〜10の範囲であれば、本発明を問
題なく実施することができる。
【0042】円筒状基体を塗布ロールから離問した後
に、形成された塗膜のレベリングと風乾をかねて円筒状
基体の回転を継続し、回転を停止しても塗料だれが生じ
ないことを確認して、熱風循環式乾燥機に入れて完全に
乾燥させる。
【0043】比較的揮発性の高い溶剤を用いた場含、溶
剤揮発による乾燥を防止するために塗布ロール部分、円
筒状基体部分あるいはその周囲全体等を略密閉状態とす
るような容器あるいは遮蔽壁等で覆うことも有効であ
る。
【0044】円筒状基体の材料としては、例えば、鉄、
アルミニウム、銅、マンガン、シリコン、マグネシウ
ム、亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モ
リブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属
又はこれらの合金、あるいはポリエステルなどの樹脂に
アルミニウム等の導電性材料を蒸着したもの等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0045】円筒状基体が電子写真用感光体ドラムを対
象とする場合、形成される感光層は、電荷発生材料と電
荷輸送材料とが同一の層内に存在する単層型であって
も、電荷発生材料を含有する層と電荷輸送材料を含有す
る層とを積層してなる積層型であってもよい。
【0046】単層型の感光層は、電荷発生材料と電荷輸
送材料とをバインダー樹脂溶液に分散あるいは溶解した
塗布液を、円筒状基体の外周面に塗布後乾燥して形成す
ることができる。
【0047】積層型の感光層は、電荷発生材料の微粒子
を必要に応じてバインダー樹脂溶液に分散した塗料を円
筒状基体の外周面に塗布後乾燥して電荷発生層を形成
し、その上に、電荷輸送機能を有する化合物をバインダ
ー樹脂溶液に溶解した塗料を塗布後乾燥して電荷輸送層
を形成することにより得ることができる。また、上記と
は逆に、円筒状基体の外周面に電荷輸送層を形成した
後、電荷発生層を形成させても良い。電子写真用感光体
ドラムにおける感光層の膜厚は、単層型電子写真用感光
体の場合には、5〜100μmの範囲が好ましく、10
〜50μmの範囲が特に好ましい。
【0048】また、積層型電子写真用感光体の場合に
は、電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、0.0
1〜1μmの範囲が特に好ましく、電荷輸送層の膜厚は
5〜100μmの範囲が好ましく、10〜50μmの範
囲が特に好ましい。
【0049】本発明による塗布方法は、塗料の粘度によ
らず適用できる。積層型電子写真感光体の電荷発生層お
よび電荷輸送層の塗布に好ましい。また、単層型電子写
真感光体および積層型電子写真感光体に必要に応じて用
いられる後述の接着層あるいはバリア層(下引き層)の
塗布に好ましい。
【0050】電荷輸送材料としては、正孔輸送材料およ
び/又は電子輸送材料を用いることができる。正孔輸送
材料としては、低分子化合物では、例えば、ピレン系、
カルバゾール系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキ
サジアゾール系、ピラゾリン系、アリールアミン系、ア
リールメタン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチル
ベン系、ブタジエン系等の化合物が挙げられる。また、
高分子化合物としては、例えば、ポリ−N一ビニルカル
バゾール、ハロゲン化ポリーN−ビニルカルバゾール、
ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ボリビニ
ルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチル
カルバゾールーホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリ
マー、ポリシラン等が挙げられる。
【0051】電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキ
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。電荷輸送材料は、ここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、また、その使用に際しては単独、あ
るいは2種類以上混合して用いることができる。
【0052】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレンーブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコンーアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのバインダー樹脂は、単
独又は2種類以上混合して用いられる。また、これらの
バインダー樹脂とともに可塑剤、増感剤、表面改質剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0053】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフイン、各種フルオロ炭化水素等
が挙げられる。
【0054】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレツト、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0055】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。円筒状基体と感光層
との接着性を向上させたり、円筒状基体から感光層への
自由電荷の注入を阻止するため、円筒状基体と感光層と
の間に、必要に応じて接着剤層あるいはバリア層(下引
き層)を設けることもできる。
【0056】上記の電荷発生材料、電荷輸送材料をバイ
ンダー樹脂溶液に分散、溶解する場合には、バインダー
を溶解する溶剤として、バインダーの種類によっても異
なるが、下に位置する層を溶解しないものの中から選択
するよう配慮する。
【0057】具体的な有機溶剤としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアル
コール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン
等のケトン類;テオラヒドロフラン、アニソール等のエ
ーテル類;N、N一ジメチルホルムアミド、N、N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルセロソルブ、ジグライム等のエ
ーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジエチメル等
のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
スルホキシドおよびスルホン類;塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1、1、2−トリクロロエタン等
の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o
−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられ
る。これらを用いて上記の電荷発生材料をバインダー樹
脂溶液に分散、溶解する場合には、バインダーを溶解す
る溶剤として、バインダーの種類によっても異なるが、
下に位置する層を溶解しないものの中から選択するよう
配慮する。更に、単一溶剤あるいは混合溶剤は表面張力
の高い溶剤系が好ましい。表面張力の大きさとして、2
0×10-3N/m以上が好ましく、特に26×10-3
/m以上が好ましい。
【0058】電荷発生材料としては、例えば、フタロシ
アニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン
系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン
系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリ
フェニルメタン系顔料、アズレニウム染料、スクウェア
リウム染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン染
料、キサンテン染料、チアジン染料、シアニン系染料等
の種々の有機顔料、染料や、更にアモルファスシリコ
ン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合
金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化
亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0059】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、またその使用に際しては単独、ある
いは2種類以上混合して用いることができる。電荷発生
材料の微粒子を必要に応じてバインダー樹脂溶液中に分
散した分散液を塗布、乾燥させてなる電荷発生層の場含
には、電荷発生材料とバインダー樹脂との使用割合は、
重量比で10:1〜1:10の範囲が好ましく、特に好
ましい範囲は6:1〜1:2である。
【0060】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド脂、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルブチラール、ボリビニルフオル
マール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらのバインダー樹脂は、単独
又は2種類以上混合して用いられる。
【0061】また、これらのバインダー樹脂とともに可
塑剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤として
は、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、o−ターフ
ェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフ
タレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、
メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフイ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる
【0062】円筒状基体と感光層との接着性を向上させ
たり、円筒状基体から感光層への自由電荷の注入を阻止
するため、円筒状基体と感光層との間に、必要に応じて
接着剤層あるいはバリア層(下引き層)を設けることも
できる。
【0063】これらの層に用いられる材料としては、前
記バインダーに用いられる高分子化合物の他、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、カルボ
キシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラ
テックス、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化錫、
酸化チタン等が挙げられる。
【0064】接着剤あるいはバリアとしての機能を付与
する物質はここに挙げたものに限定されるものではな
く、その使用に際しては単独、あるいは2種類以上混合
して用いることができる。
【0065】接着剤あるいはバリア層を設ける場合の膜
厚は、0.005μm以上12μm以下が良く、好まし
くは0.01μm以上2μm以下である。
【0066】上記の電化発生材料をバインダー樹脂溶液
に分散、溶解する場合には、バインダーを溶解する溶剤
として、バインダーの種類によっても異なるが、下に位
置する層を溶解しないものの中から選択するよう配慮す
る。更に、単一溶剤あるいは混合溶剤は表面張力の高い
溶剤系が好ましい。表面張力の大きさとして、26×1
-3N/m以上が好ましく、特に30×10-3N/m以
上が好ましい。
【0067】具体的な有機溶剤としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアル
コール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン
等のケトン類;N、N−ジメチルホルムアミド、N、N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、ジグライム等の
エーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジエチル等
のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
スルホキシドおよびスルホン類;塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1、1、2−トリクロロエタン等
の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o
−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらの溶剤
は、単独又は2種類以上混含して用いられる。
【0068】上記バインダーおよび溶剤とともに適宜サ
ンドミル、ボールミルやアトライターを用いて約1μm
以下の微粒子状の分散体となるように分散を行い、作製
した塗料あるいは.バインダー溶液の粘度としては、5
0×10-3Pa・sec以下が好ましく、特に10×1
-3Pa・sec以下が好ましい。
【0069】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0070】(実施例1)表面処理として硬質クロムメ
ッキを施した表面粗さ3.2S、長さ260mm、外径
65mmの炭素鋼製塗布ロール2と、同じ仕様のメタリ
ングロール3と、被塗布物である円筒状基体1とを図6
に示すように配置した。円筒状基体1はアルミニウムか
らなり、長さ254mm、外径30mm、肉厚1mmの
中空構造を有する。電子写真用感光体ドラムを得る目的
でこの円筒状基体1に、はじめ下引き層塗料を塗布し
た。
【0071】下引き層塗料は、可溶性ナイロン「CM8
000」(東レ株式会社製)3.5部をキシレン9.6
部、エチルアルコール48.3部、およびベンジルアル
コール38.6部からなる混合溶剤に溶解して調整し
た。この下引き層塗料の室温における粘度および表面張
力は、9.35×10-3Pa・secおよび27×10
-3N/mであった。
【0072】円筒状基体1は、図示しない回転駆動装置
に連結され正逆回転可能なベアリングを有した把持機構
で両端が把持されている。その把持機構は、塗布ロ一ル
2に対して近接、離問可能な図示しない移動装置に載置
されている。
【0073】円筒状基体1と塗布ロール2とは、塗料転
移の際のギャップ幅が50μm、塗布時にはギャップ幅
が300μmとなるように移動装置を設定している。ま
た、塗布ロール2とメタリングロール3との間のギャッ
プ幅は100μmに設定した。
【0074】円筒状基体1と塗布ロール2との回転方向
は同一方向で、塗布ロール2とメタリングロール3との
回転方向も同一方向である。周速は、円筒状基体1が1
0m/min、塗布ロール2が10m/min、メタリ
ングロール3が塗料転移および塗布時は2m/minと
なるように設定し、塗料貯留部51より前記下引き層塗
料を供給した。円筒状基体1、塗布ロール2、およびメ
タリングロール3を回転させて、塗布ロール2外周面に
均一な膜厚の塗膜を形成した。
【0075】その後、円筒状基体1を前述のギャップ幅
になるまで塗布ロール2に近接させた。これにより塗布
ロール2上の塗料は円筒状基体1に転移、塗布を開始し
た。転移開始から1秒間回転させ、メニスカスを維持し
た状態で、円筒状基体1と塗布ロール2とのギャップ幅
を300μmに設定し、そのまま回転状態を維持して定
常状態を得た。前述のマイクロメータヘッドを用いた測
定方法により定常状態の塗布ロール2上の塗料の膜厚を
測定したところ90μmであった。以下次に、メタリン
グロール3の周遠を12m/minに上げることによ
り、塗布ロール2上の塗料の量を減少させてメニスカス
を切断し、その後、円筒状基体1と塗布ロール2とを離
間した。
【0076】下引き層が塗布された下引き層塗布円筒状
基体1は、そのまま3分間回転させながら風乾した後、
速やかに熱風循環式乾燥機で100℃で10分間乾燥し
た。乾燥後の膜厚を分光反射干渉膜厚計「TFM−12
0」((株)オーク製作所製)で測定したところ、0.
8μmであった。また、下引き層塗布円筒状基体1の表
面には、離間に際し生じる継ぎ目ムラは、目視観察では
見出せなかった。
【0077】(実施例2)実施例1で外周面に下引き層
を塗布した下引き層塗布円筒状基体1に、実施例1で使
用した塗布装置を用いて、電荷発生層を塗布した。
【0078】電荷発生層塗料は、α型オキシチタニウム
フタロシアニン0.6部およびブチラール樹脂「エスレ
ックBH−3」(積水化学(株)製)0.6部を、イソ
プロピルアルコール49.4部およびシクロヘキサノン
49.4部からなる混含溶媒に添加し、平均粒径1.0
mmのガラスビーズとともに分散、混含して調整した。
この電荷発生塗料の室温における粘度および表面張力
は、8.12×-3Pa・secおよび26.1×10-3
N/mであった。
【0079】下引き層塗布円筒状基体1は、実施例1と
同様に図示しない回転駆動装置に連結され正逆回転可能
なベアリングを有した把持機構で両端が把持されてい
る。その把持機構は、塗布ロール2に対して近接、離問
可能な図示しない移動装置に載置されている。
【0080】下引き層塗布円筒状基体1と塗布ロール2
とは、塗料転移の際のギャップ幅が50μm、塗布時に
はギャップ幅が250μmとなるように移動装置を設定
している。また、塗布ロール2とメタリングロール3と
の間のギャップ幅は100μmに設定した。
【0081】下引き層塗布円筒状基体1と塗布ロール2
との回転方向は同一方向で、塗布口ール2とメタリング
ロール3との回転方向も同一方向である。周速は、下引
き層塗布円筒状基体1が10m/min、塗布ロール2
が10m/min、メタリングロール3が塗料転移およ
び塗布時は2m/minとなるように設定し、塗料貯留
部51より電荷発生層塗料を供給した。下引き層塗布円
筒状基体1、塗布ロール2、およびメタリングロール3
を回転させて、塗布ロール2外周面に均一な膜厚の塗膜
を形成した。
【0082】その後、下引き層塗布円筒状基体1を前述
のギャップ幅になるまで塗布ロール2に近接させた。す
ると、塗布ロール2上の塗料は下引き層塗布円筒状基体
1に転移、塗布を開始した。転移開始から1秒間回転さ
せ、メニスカスを維持した状態で、下引き層塗布円筒状
基体1と塗布ロール2とのギャップ幅を250μmに設
定し、そのまま回転状態を維持した。前述のマイクロメ
ータヘッドを用いた測定方法により定常状態の塗布ロー
ル2上の塗料の膜厚を測定したところ90μmであっ
た。次に、メタリングロール3の周速を12m/min
に上げて、塗布ロール2上の塗料供給量を減少させてメ
ニスカスを切断し、その後、下引き層塗布円筒状基体1
と塗布ロール2とを離間した。
【0083】電荷発生層が塗布された電荷発生層塗布円
筒状基体1は、そのまま2分間回転させながら風乾した
後、速やかに熱風循環式乾燥機で100℃で10分間乾
燥した。
【0084】乾燥後の膜厚を分光反射干渉膜厚計「TF
M一120」((株)オーク製作所製)で測定したとこ
ろ、0.2μmであった。また、電荷発生層塗布円筒状
基体1の表面には、離間に際し生じる継ぎ目ムラは、目
視観察では見出せなかった。
【0085】(実施例3)実施例2で外周面に電荷発生
層を塗布した電荷発生層塗布円筒状基体1に、実施例1
で使用した塗布装置を用いて、電荷輸送層を塗布した。
【0086】電荷輸送層塗料は、化学式(1)
【0087】
【化1】
【0088】で示されるアリールアミン化合物20部、
ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製の「ユー
ピロンZ一200」)25部、および抗酸化剤1部を、
シクロヘキサノン90部およびキシレン22部からなる
混含溶媒に溶解させて固形分を29%に調製した。この
とき電荷輸送塗料の粘度および表面張力は、7.00×
10-3Pa・secおよび34.5×10-3N/mであ
つた
【0089】電荷発生層塗布円筒状基体1は、実施例1
と同様に図示しない回転駆動装置に連結され正逆回転可
能なベアリングを有した把持機構で両端が把持されてい
る。その把持機構は、塗布ロール2に対して近接、離間
可能な図示しない移動装置に載置されている。
【0090】電荷発生層塗布円筒状基体1と塗布ロール
2とは、塗料転移の際のギャップ幅が50μm、塗布時
にはギャップ幅が300μmとなるように移動装置を設
定している。また、塗布ロール2とメタリングロール3
との間のギャップ幅は最初に580μmに設定した。
【0091】電荷発生層塗布円筒状基体1と塗布ロール
2との回転方向は同一方向で、塗布ロール2とメタリン
グロール3との回転方向も同一方向である。周速は、電
荷発生層塗布円筒状基体1が10m/min、塗布ロー
ル2が10m/min、メタリングロール3が塗料転移
および塗布時は1m/minとなるように設定し、塗料
貯留部51より電荷輸送層塗料を供給した。電荷発生層
塗布円筒状基体1、塗布ロール2、およびメタリングロ
ール3を回転させて、塗布ロール2外周面に均一な膜厚
の塗膜を形成した。
【0092】その後、電荷発生層塗布円筒状基体1を前
述のギャップ幅になるまで塗布ロール2に近接させた。
これにより塗布ロール2上の塗料は電荷発生層塗布円筒
状基体1に転移し、塗布を開始した。転移開始から5秒
間回転させ、メニスカスを維持した状態で、電荷発生層
塗布円筒状基体1と塗布ロール2とのギャップ幅を30
0μmに設定し、そのまま回転状態を維持した。次に、
塗布ロール2とメタリングロール3とのギャップ幅を1
80μmに再設定し、電荷発生層塗布円筒状基体1と塗
布ロール2との間のメニスカス、および塗布ロール2と
メタリングロール3との間のメニスカスが形成されたま
まの状態で5秒問回転状態を維持することにより、定常
状態を得た。前述のマイクロメータヘッドを用いた測定
方法により定常状態の塗布ロール2上の塗料の膜厚を測
定したところ180μmであった。次に、塗布ロール2
とメタリングロール3との間隔を30μmに狭め、塗布
ロール2上の塗料の量を減少させることによりメニスカ
スを切断し、その後、電荷発生層塗布円筒状基体1と塗
布ロール2とを離間した。
【0093】電荷輸送層が塗布された電荷輸送層塗布円
筒状基体1は、そのまま20分問回転させながら風乾さ
せた後、速やかに熱風循環式乾燥機で140℃で45分
間乾燥させた。
【0094】乾燥後の膜厚を高周波渦電流式膜厚計
((株)ケット科学研究所製「LH一300C」)で測
定したところ、29.5μmであった。また、電荷輸送
層塗布円筒状基体1の表面には、離間に際し生じる継ぎ
目ムラは、目視観察から見出せなかつた。以上によって
得られた電荷輸送層塗布円筒状基体1を、電子写真用感
光体ドラム(A)とする。
【0095】(実施例4)実施例1と同様にして下引き
層塗布円筒状基体1を得た。次に、電荷発生層塗料を、
α型オキシチタニウムフタロシアニン0.6部およびブ
チラール樹脂「エスレックBH−3J(積水化学(株)
製)」0.6部を、キシレン49.4部およびシクロヘ
キサノン49.4部からなる混合溶媒に添加し、平均粒
径1.0mmのガラスビーズとともに分散、混含して調
整した以外は、実施例2と同様にして、電荷発生層塗布
円筒状基体1を得た。
【0096】このとき電荷発生層塗料の粘度および表面
張力は、4.40×10-3Pa・secおよび31.5
×10-3N/mである。なお、前述のマイクロメータヘ
ッドを用いた測定方法により定常状態の塗布ロール2上
の塗料の膜厚を測定したところ90μmであった。
【0097】乾燥後の膜厚を分光反射千渉膜厚計で測定
したところ、0.2μmであった。また、目視観察から
電荷発生層塗布円筒状基体1の表面には、離間に際し生
じる継ぎ目ムラは見出せなかつた。
【0098】(実施例5)実施例4で得られた電荷発生
層塗布円筒状基体1に電荷輸送層塗料を塗布した。次
に、電荷輸送層塗料を、化学式(1)で示されるアリー
ルアミン化合物20部、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦
斯化学(株)製の「ユーピロンZ一200」)25部、
および抗酸化剤1部を、アニソール90部およびトルエ
ン22部からなる混合溶媒に溶解させて固形分を20%
に調製した以外は、実施例3と同様にして、電荷輸送層
塗布円筒状基体1を得た。
【0099】このとき電荷輸送層塗料の粘度および表面
張力は、8.00×10-3Pa・secおよび35.5
×10-3N/mである。なお、この場合の塗布ロール2
上の塗料の膜厚は180μmであった。
【0100】乾燥後の膜厚を高周波渦電流式膜厚計で測
定したところ、28.6μmであった。また、電荷輸送
層塗布円筒状基体1の表面には、離間に際し生じる継ぎ
目ムラは、目視観察からは見出せなかった。以上により
得られた電荷輸送層塗布円筒状基体1を電子写真用感光
体ドラム(B)とする。
【0101】(比較例1)実施例1と同様にして下引き
層塗布円筒状基体1を得た。次に、実施例2で使用した
電荷発生層塗料を用いて電荷発生層を塗布した。
【0102】下引き層塗布円筒状基体1と塗布ロール2
とは、塗布時にはギャップ幅が30μmとなるように、
また塗布口一ル2とメタリングロール3との問のギャッ
プ幅は当初から45μmに設定した。次に、下引き層塗
布円筒状基体1を回転させつつ、前記ギャップ幅になる
ように、塗布ロール2に近接させた。すると、塗布ロー
ル2上の塗料は、下引き層塗布円筒状基体1に転移・塗
布した。その状態を、3秒間維持して定常状態を得た後
に塗布ロール2から下引き層塗布円筒状基体1を離間し
た以外は、実施例2と同様にして電荷発生層塗布円筒状
基体1を得た。前述のマイクロメータヘッドを用いた測
定方法により定常状態の塗布ロール2上の塗料の膜厚を
測定したところ40μmであった。
【0103】乾燥後の膜厚を前記分光反射干渉膜厚計で
測定したところ、0.2μmであった。また、電荷発生
層塗布円筒状基体1の表面には、離間に際し生じる継ぎ
目ムラが目視観察により明確に観察された。
【0104】次に、実施例3と同様にして電荷輸送層塗
布円筒状基体1を得た。乾燥後の膜厚を前記高周波渦電
流膜厚計で測定したところ、31μmであった。以上に
より得られた電荷輸送層塗布円筒状基体1を、電子写真
用感光体ドラム(C)とする。
【0105】(比較例2)実施例1と同様にして下引き
層塗布円筒状基体1を得た後、実施例2と同様にして電
荷発生層塗布円筒状基体1を得た。次に、実施例3で使
用した電荷輸送層塗料を用いて、電荷輸送層を塗布し
た。
【0106】電荷発生層塗布円筒状基体1と塗布ロール
2とは、塗料転移の際のギャップ幅が80μm、塗布時
も80μmとなるように移動装置を設定している。ま
た、塗布ロール2とメタリングロール3との間のギャッ
プ幅は200μmに設定した。
【0107】電荷発生層塗布円筒状基体1と塗布ロール
2との回転方向は同一方向で、塗布ロール2とメタリン
グロール3との回転方向も同一方向である。周速は、電
荷発生層塗布円筒状基体1が10m/min、塗布ロー
ル2が10m/min、メタリングロール3が塗料転移
および塗布時は1m/minとなるように設定し、塗料
貯留部51より電荷輸送層塗料を供給した。電荷発生層
塗布円筒状基体1、塗布ロール2、およびメタリングロ
ール3を回転させて、塗布ロール2外周面に均一な膜厚
の塗膜を形成した。
【0108】その後、電荷発生層塗布円筒状基体1を前
述のギャップ幅になるまで塗布ロール2に近接させた。
これにより塗布ロール2上の塗料は電荷発生層塗布円筒
状基体1に転移し、塗布を開始した。転移開始から5秒
間回転を継続することにより定常状態を得た。前述のマ
イクロメータヘッドを用いた測定方法により定常状態の
塗布ロール2上の塗料の膜厚を測定したところ180μ
mであった。次に、塗布ロール2とメタリングロール3
とのギャップ幅を30μmに狭め、塗布ロール2上の塗
料の量を減少させることによりメニスカスを切断し、そ
の後、電荷発生層塗布円筒状基体1と塗布ロール2とを
離間した。
【0109】電荷輸送層が塗布された電荷輸送層塗布円
筒状基体1は、そのまま20分間回転させながら風乾さ
せた後、速やかに熱風循環式乾燥機で140℃で45分
間乾燥させた。
【0110】乾燥後の膜厚を前記高周波渦電流式膜厚計
で測定したところ、32.3μmであった。また、電荷
輸送層塗布円筒状基体1の表面には、離間に際し生じる
継ぎ目ムラが目視観察により明確に観察された。以上に
より得られた電荷輸送層塗布円筒状基体1を、電子写真
用感光体ドラム(D)とする。
【0111】(評価)この様にして作成した電子写真用
感光体ドラム(A)、(B)、〈C)、(D)をジェン
テック(株)製試験装置CYNTHlA−88X3DC
を用いて、スコロトロン方式で−5.5kVでコロナ放
電し、暗所で1秒間保持した後、白色光で露光し、周方
向の帯電特性を調べた。帯電特性としては、無露光表面
電位(Vo、平均値)、残留表面電位(VL、平均値 )
および残留表面電位(VL))の最大値と最小値の差
(δVL)を測定した。その結果を、表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】δVLは、表面が平滑であればその値が小
さくなる傾向を示す。したがって、電子写真用感光体ド
ラム表面上の継ぎ目が大きくなるとその影響を受けて大
きな値を示すことになる。つまり、δVLは、継ぎ目の
大小を判定する基準となる。
【0114】表1より、本発明による電子写真用感光体
ドラム(A)、(B)では、いずれも継ぎ目の影響であ
るδVLは小さい値を示すが、それ以外の電子写真用感
光体ドラム(C)、(D)では、その値が非常に大き
い。また、これらの電子写真用感光体ドラムを用いて、
作製から1日後に印字試験を行って目視観察をしたとこ
ろ、画像特性は電子写真用感光体ドラム(A)、(B)
では良好であったが、(C)、(D)では継ぎ目部分に
濃淡ムラが生じた。
【0115】(膜厚分布)実施例3、実施例5、比較例
2でそれぞれ得られた電子写真用感光体ドラム(A)、
(B)、(D)の周方向の膜厚分布を図11に示す。こ
のグラフより、(A)、(B)では均一な膜厚分布が得
られていることが分かるが、(D)では継ぎ目部分の凹
凸が大きく、特に画像特性に影響を及ぼす凹部(図11
中、ドラム周方向の位置の60度付近に相当)の大きさ
が非常に大きいことが分かる。
【0116】
【発明の効果】本発明によって、円筒状基体の外周面に
均一な塗膜の感光層を有する電子写真用感光体ドラム
を、効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円筒状基体と塗布口一ルを同一方向に回転さ
せた場合を示す模式図。
【図2】 円筒状基体と塗布口一ルを反対方向に回転さ
せた場合を示す模式図。
【図3】 円筒状基体と塗布ロールを同一方向に回転さ
せて、両者の間に形成されるメニスカス部分の一例を示
す模式図。
【図4】 T1>G1の状態から、円筒状基体と塗布ロ
ールとの間に形成されるメニスカス部分が切断されると
きの状態を示す模式図。
【図5】 T1<G1の状態から、円筒状基体と塗布ロ
ールとの間に形成されるメニスカス部分が切断されると
きの状態を示す模式図。
【図6】 本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図7】 本発明の一実施形態を示す側面図。
【図8】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図9】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図10】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図11】 実施例3、実施例5、および比較例2で得
られた電子写真用感光体ドラムの周方向の膜厚分布を示
すグラフ。
【符号の説明】
1・・・円筒状基体 2・・・塗布ロール 3・・・メタリングロール(膜厚制御手段) 4・・・クリーニングドクタ 5・・・塗料 6・・・ギャッブ設定用ドクタ(膜厚制御手段) 8・・・塗料溜まり 9・・・メニスカス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布ロールに供給された塗料を円筒状基
    体に塗布する円筒状基体への塗料塗布法法において、円
    筒状基体と塗布ロールを非接触状態で同一方向に回転し
    つつ塗料を塗布し、塗料が円筒状基体に転写された後、
    塗布ロール上に存在する塗料の膜厚をT1、円筒状基体
    と塗布ロールとの間隙をG1とすると、T1≦G1を満
    足する条件下で塗料を定常状態となし、その状態から塗
    布ロール上の塗料の量を減少して円筒状基体上の塗料と
    塗布ロール上の塗料との繋がりを切断することを特徴と
    する円筒状基体への塗料塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記定常状態は、G1を一定に維持する
    ことにより得られるものである請求項1に記載の円筒状
    基体への塗料塗布方法。
  3. 【請求項3】 室温における表面張力が26×10-3
    /m以上の塗料を用いる請求項1または2に記載の円筒
    状基体への塗料塗布方法。
  4. 【請求項4】 塗布ロールに供給された電子写真用感光
    体塗料を電子写真用感光体ドラム基体に塗布後乾燥する
    電子写真用感光体ドラムの製造方法において、電子写真
    用感光体ドラム基体と塗布ロールとを非接触状態で同一
    方向に回転しつつ電子写真用感光体塗料を塗布し、電子
    写真用感光体塗料が電子写真用感光体ドラム基体に転写
    された後、塗布ロール上に存在する電子写真用感光体塗
    料の膜厚をT1、電子写真用感光体ドラム基体と塗布ロ
    ールとの間隙をG1とすると、T1≦G1を満足する条
    件下で電子写真用感光体塗料を定常状態となし、その状
    態から塗布ロール上の電子写真用感光体塗料の量を減少
    して電子写真用感光体ドラム基体上の電子写真用感光体
    塗料と塗布ロール上の電子写真用感光体塗料の繋がりを
    切断することを特徴とする電子写真用感光体ドラムの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記定常状態は、G1を一定に維持する
    ことにより得られる請求項4に記載の電子写真用感光体
    ドラムの製造方法。
  6. 【請求項6】 室温における表面張力が26×10-3
    N/m以上の塗料を用いる請求項4または5に記載の電
    子写真用感光体ドラムの製造方法。
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