JPH11216405A - 円筒状基体への塗料塗布方法及び装置、並びに電子写真用感光体ドラムの製造方法 - Google Patents

円筒状基体への塗料塗布方法及び装置、並びに電子写真用感光体ドラムの製造方法

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JPH11216405A
JPH11216405A JP1753898A JP1753898A JPH11216405A JP H11216405 A JPH11216405 A JP H11216405A JP 1753898 A JP1753898 A JP 1753898A JP 1753898 A JP1753898 A JP 1753898A JP H11216405 A JPH11216405 A JP H11216405A
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JP
Japan
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coating
cylindrical substrate
roll
paint
applicator roll
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JP1753898A
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English (en)
Inventor
Wataru Suenaga
渉 末永
Nagaro Ariga
長郎 有賀
Katsuji Minagawa
勝治 皆川
Koichi Saito
弘一 斎藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な制御で、円筒状基体の外周面に効率よ
く均一な塗膜を形成する。 【解決手段】 塗布ロール2に供給された塗料を円筒状
基体1に塗布する円筒状基体への塗料塗布方法におい
て、円筒状基体1と塗布ロール2を同一方向に回転しつ
つ塗料を塗布し、塗布ロール2と円筒状基体1とを離間
する際に塗布ロール2上の塗料膜厚5を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
画像装置に使用する電子写真用感光体ドラム、定着ドラ
ム等の円筒形状をした物体の表面に塗膜を形成させるた
めの塗料塗布装置及び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体ドラムには、アルミニ
ウムで構成された中空円筒状基体の外周面に電子写真用
感光体塗料として下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
順次塗布、積層した感光層を形成しているものがある。
感光層は薄膜でかつ均一な厚さであることが要求される
が、低コスト化の要求も強いため、生産性に優れた塗布
方法の開発検討が行われている。円筒状基体の外周面に
電子写真用感光体塗料を塗布して感光層を形成する方法
としては、従来からスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレ
ード塗布法等の方法が知られている。しかしながら、従
来の塗布法においては、均一な塗膜が得られなかった
り、生産効率が悪いなどの欠点があった。
【0003】例えばスプレー塗布法では、電子写真用感
光体塗料に沸点の低い溶媒を用いると、塗料が円筒状基
体の外周面に到達する途中で塗料中に含まれる溶媒が揮
発し塗料の固形分濃度が増大するために、円筒状基体に
到達したときには外周面に充分に広がらずに塗膜表面が
凹凸になり、塗膜表面の平滑性が得られず均一な塗膜が
得られないという欠点があった。
【0004】逆に沸点の高い溶媒を用いると、塗料が円
筒状基体の外周面に付着してレベリング(膜厚の均一
化、以下同じ)はするが、溶剤の揮発が遅いために塗膜
の固定が遅延してしまう。したがって、塗膜の固定化が
不十分な状態で塗布を続けると所望の膜厚が厚い場合に
は塗料だれが起こり、やはり均一な膜厚の塗膜が得られ
なかった。これを回避するために数回に分割して塗料を
塗布することも考えられるが、塗布及び指触乾燥状態
(指で触れても痕跡が残らない程度に乾燥した状態)に
なるまでの乾燥を繰り返して所望の膜厚を得なければな
らず、時間もかかり極めて煩雑であった。
【0005】浸漬塗布法によれば塗膜表面の平滑性は改
善されるものの、円筒状基体の内部や端面にまで塗膜が
形成される。円筒状基体の内部や端面に形成された塗膜
はフランジ等を取り付ける際の障害となるため、この円
筒状基体を電子写真用感光体ドラムとする際には、円筒
状基体の内部や端面に一度形成された塗膜を剥離しなけ
ればならない。また使用される機種によっては円筒状基
体の外周面端部に一度形成された塗膜を剥離しなければ
ならないため、剥離工程が必要となり、生産性を阻害す
る要因となっていた。
【0006】さらに、塗膜の膜厚は塗料物性と浸漬した
後の引き上げ速度に大きく支配され、等速度で引き上げ
ると円筒状基体の上端と下端とで膜厚差が発生する。こ
れを解消するためには引き上げ速度を制御する必要があ
るが、その制御は難しく、さらには均一な塗膜を形成す
るために浸漬した後の引き上げ速度を遅くせざるを得な
いという基本的な問題もあり、高い生産効率が得られな
かった。
【0007】ブレード塗布法は円筒状基体の長さ方向に
近接する位置にブレードを配置してブレードに塗料を供
給し、円筒状基体を1回転させた後ブレードを後退させ
る塗布法である。この方法では高い生産性は得られるも
のの、ブレードを後退させる際、塗料の表面張力により
円筒状基体に塗布された塗膜の一部が盛り上がるため膜
厚が不均一になるという欠点があった。
【0008】またさらに、上記以外の方法としてロール
塗布法があるが、被塗布物が円筒状基体であることによ
る特殊性、即ち、被塗布物である円筒状基体が回転する
ことで、一旦塗布された面が、何度も繰り返し塗布部に
戻ってくることにより、塗料溜まりが発生し、膜厚の不
均一を発生させるという問題点があった。
【0009】この塗料溜まりの発生を回避するために、
例えば、特開平3−12261号公報には、円筒状基体
が1回転してその外周全面に塗料が塗布された時点で、
円筒状基体をロールから離間することを提案している。
しかし、円筒状基体が1回転しかしない場合には、均一
な塗膜を得ることは難しく、更に、ロールから離間する
際に発生する塗料の継ぎ目が残る問題点が残る。
【0010】また同公報には、円筒状基体を1回転以上
回転させて塗布を終了した後、円筒状基体を塗料供給ロ
ールから離間し、円筒状基体を回転させ続けて塗膜面の
レベリング(膜厚の均一化)を図る方法が開示されてい
るが、この方法では、あらかじめレベリングされるべき
塗料溜まりの量を見越して、精密な膜厚制御を行わなけ
ればならなかった。
【0011】また特開平2ー222743号公報にも,
塗料供給用円筒状ロールの周面に形成された塗料膜を被
塗装円筒体の周面に一層だけ転写し、被塗装円筒体と塗
料供給用円筒状ロールの接触を断つ方法が開示されてい
るが、前述したように塗料の継ぎ目が残る問題点は解決
されない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
の塗布方法の持つ欠点を解消し、簡単な制御で、塗布ロ
ールを円筒状基体から離間する際の塗料継ぎ目の発生を
抑制し、円筒状基体の外周面に効率よく均一な塗膜を形
成する手法の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実状
に鑑みてロール塗布方法について鋭意検討したところ、
被塗布物である円筒状基体と円筒状基体に塗料を塗布す
る塗布ロールとを同一方向に回転すること、および、塗
布ロールを円筒状基体から離間する際に塗布ロール上の
塗料膜厚を減少させることにより、円筒状基体に継ぎ目
がなく、かつ均一な塗膜を形成できることを知見した。
さらに本発明者は、塗膜の均一性を確保する上で、円筒
状基体と塗布ロール(以下アプリケータロールという)
の周速の比(円筒状基体の周速/アプリケータロールの
周速)も重要であることも知見した。
【0014】本発明の円筒状基体への塗料塗布方法は以
上の知見に基づくものであり、塗布ロールに供給された
塗料を円筒状基体に塗布する円筒状基体への塗料塗布方
法において、円筒状基体と塗布ロールを同一方向に回転
しつつ塗料を塗布し、塗布ロールと円筒状基体とを離間
する際に塗布ロール上の塗料膜厚を減少させることを特
徴とする。
【0015】本発明においては、円筒状基体とアプリケ
ータロールの周速の比(円筒状基体の周速/アプリケー
タロールの周速)を0.5〜2.0の範囲とすることが
好ましい。
【0016】さらに、本発明においては、円筒状基体へ
の塗料塗布後に、円筒状基体をアプリケータロールから
離間した状態で回転を継続することがより好ましい。
【0017】以上の本発明塗料塗布方法は、円筒状基体
とアプリケータロールとを近接配置し、このアプリケー
タロールに供給された塗料を円筒状基体に塗布する円筒
状基体への塗料塗布装置において、円筒状基体の回転方
向と同一方向に回転するアプリケータロールと、アプリ
ケータロールに近接配置された塗料膜厚制御手段を有す
る円筒状基体への塗料塗布装置により実施することがで
きる。
【0018】前記塗料膜厚制御手段としては、円筒状部
材または板状部材を用いることができる。そして、アプ
リケータロールと円筒状基体をと離間させる際に塗料膜
厚制御手段を、アプリケータロールとのギャップを減少
するように移動させることにより、アプリケータロール
上の塗膜の膜厚を減少させることができる。なお円筒状
基体、アプリケータロールの回転機構、塗料膜厚制御手
段の移動のための機構は、従来公知の機構を用いればよ
い。
【0019】また本発明によれば、電子写真用感光体ド
ラム基体とアプリケータロールとを近接配置し、このア
プリケータロールに供給された電子写真用感光体塗料を
電子写真用感光体ドラム基体に塗布後乾燥する電子写真
用感光体ドラムの製造方法において、電子写真用感光体
ドラム基体とアプリケータロールとを電子写真用感光体
ドラム基体の周速とアプリケータロールの周速の比(電
子写真用感光体ドラム基体の周速/アプリケータロール
の周速)が0.5〜2.0の範囲で同一回転方向に回転
しつ塗料を塗布し、アプリケータロールと電子写真用感
光体ドラム基体とを離間する際にアプリケータロール上
の塗料膜厚を減少させる電子写真用感光体ドラムの製造
方法が提供される。
【0020】なお、本発明において近接とは、円筒状基
体とアプリケータロールとが、または、アプリケータロ
ールと塗料膜厚制御手段とが、塗料を介して接触してい
る状態をいい、離間とは近接状態が解除された状態をい
う。
【0021】以下、本発明の円筒状基体への塗布方法及
び装置について詳細に説明する。初めに、本発明におい
て円筒状基体とアプリケータロールを同一方向に回転す
る理由及びアプリケータロールを円筒状基体から離間す
る際にアプリケータロールに供給された塗料の膜厚を減
少させる理由について図7及び図8に基づき説明する。
【0022】図7及び図8において、1は被塗布物であ
る円筒状基体、2はアプリケータロールであり、各々矢
印(実線)方向に回転する。つまり、図7には円筒状基
体1とアプリケータロール2とが同一方向に回転する場
合を示し、図8には円筒状基体1とアプリケータロール
2とが反対方向に回転する場合を示している。5は塗料
であり、アプリケータロール2から円筒状基体1へ転
移、塗布される。塗料5は円筒状基体1とアプリケータ
ロール2との回転方向の影響を受け、各々矢印(鎖線)
の方向に流動する。
【0023】図8に示すように円筒状基体1とアプリケ
ータロール2とが互いに反対方向に回転すれば、転移起
点91において円筒状基体1に塗布された塗料5は転移
終点92を経由して円筒状基体1の回転に伴い転移起点
91に戻る。したがって、アプリケータロール2によっ
て次々に供給される塗料5の一部は円筒状基体1とアプ
リケータロール2との間のギャップを通過することがで
きないこととなる。通過できなかった塗料5は転移起点
91近傍に蓄積され、塗料溜まり8を形成する。この状
態で円筒状基体1をアプリケータロール2から離間する
と、この塗料溜まり8に相当する部分が突出して塗膜の
均一性を阻害する。塗料溜まり8が形成する前に円筒状
基体1をアプリケータロール2から離間することも考え
られるが、その場合には円筒状基体1の外周全面に塗料
を均一に塗布することができない。
【0024】これに対し、図7に示すように円筒状基体
1とアプリケータロール2の回転方向を同一方向にすれ
ば、塗料溜まりは発生しないか、発生してもわずかな量
となる。すなわち、アプリケータロール2により搬送さ
れてきた塗料は、矢印(鎖線)に示すように、転移起点
91から円筒状基体1の回転に伴いその大部分が円筒状
基体1の外周面を経由して転移終点92に達する。した
がって、アプリケータロール2から円筒状基体1へ塗料
が転移され続けても、転移起点91に塗料溜まり8は発
生しない。離間する前は、アプリケータロールからの塗
料の供給と円筒状基体1からの塗料の戻りが定常状態と
なり一定になるので、円筒状基体1の塗料膜厚は一定と
なる。
【0025】ここで、円筒状基体1とアプリケータロー
ル2とを離間させるとき、円筒状基体1とアプリケータ
ロール2との間隔は広がっていくので、表面張力が働い
ている間は円筒状基体1への塗料転移量は増加してい
く。この表面張力が無くなったとき、円筒状基体への塗
料供給は無くなるが、増加した分の塗料は凸状の継ぎ目
として残る。即ち、離間の際の塗料転移量増加が継ぎ目
の原因となる。ところが、離間に際して、アプリケータ
ロール2上の塗料膜厚が減少すれば、継ぎ目の原因とな
る塗料転移量は減少し、継ぎ目は抑制される。特に、ア
プリケータロール2上に塗料がない状態では、円筒状基
体1に転移した塗料膜厚が一定でないとしても、アプリ
ケータロール2が掻き取りロールの効果を示し、凹凸部
分を平滑にする。従って、円筒状基体1とアプリケータ
ロール2とを離間させるとき、アプリケータロール2に
供給される塗料の膜厚を減少させることにより継ぎ目の
ない均一な塗膜を有する円筒状基体を得ることができ
る。
【0026】なお、アプリケータロール2に供給される
塗料の膜厚を減少させることにより継ぎ目のない均一な
塗膜を形成する効果は、円筒状基体1とアプリケータロ
ール2とが同一方向に回転している場合に有効である。
すなわち、円筒状基体1とアプリケータロール2とが反
対方向に回転していると、前述のように塗料溜まりが発
生しているため、アプリケータロール2に供給される塗
料の膜厚を減少させたとしても、塗料溜まりの塗料が継
ぎ目形成原因となるからである。
【0027】円筒状基体とアプリケータロールの回転方
向を同一方向にすることにより、塗料溜まりの発生をな
くし、または抑制することはできるが、円筒状基体外周
に形成された塗膜の均一性を速やかに得るには、アプリ
ケータロールと円筒状基体とを離間させるまではアプリ
ケータロール上の塗料膜厚を均一にすることが重要であ
る。アプリケータロール外周面の塗膜の厚さを均一にす
る手法については後述するが、アプリケータロールを塗
料中に浸漬してその外周面に塗料を付着させたのみで
は、円筒状基体に均一な塗膜を速やかに形成することは
困難である。
【0028】次に、円筒状基体とアプリケータロールの
周速の比(円筒状基体の周速/アプリケータロールの周
速)を、0.5〜2.0の範囲とすることが望ましい理
由について説明する。円筒状基体とアプリケータロール
の周速の比が小さすぎると、円筒状基体とアプリケータ
ロールの回転方向を同一にしても転移起点に塗料溜まり
が形成される傾向になり、また円筒状基体に形成される
塗膜にすじ状のむらが発生する。逆に円筒状基体とアプ
リケータロールの周速の比が大きすぎると転移終点に塗
料溜まりが形成される傾向になり、また円筒状基体に形
成される塗膜にすじ状のむらが発生する。以上より、本
発明においては円筒状基体とアプリケータロールの周速
の比(円筒状基体の周速/アプリケータロールの周速)
を、0.5〜2.0、さらには0.6〜1.5の範囲と
することが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態に基づき
説明する。図1、図2は各々本発明の1実施形態を示す
斜視図、側面図である。図1、図2において、1は被塗
布物である円筒状基体、2はアプリケータロール(アプ
リケータロール)、3はメタリングロール(塗料膜厚制
御手段)、4はクリーニングドクタ、5は塗料である。
【0030】円筒状基体1、アプリケータロール2及び
メタリングロール3は、図示しない回転機構により矢印
方向へ回転可能に設置されている。また、円筒状基体1
とアプリケータロール2とはアプリケータロール2から
円筒状基体1へ塗料が転移できる程度のギャップを介し
て近接配置され、またアプリケータロール2とメタリン
グロール3とは塗料5を貯留できる程度のギャップを介
して近接配置されている。塗料5は塗料槽52に貯留さ
れ、この塗料5にアプリケータロール2の下部が浸漬さ
れている。
【0031】アプリケータロール2の外周面に付着した
塗料5はメタリングロール3との間のギャップを通過し
て円筒状基体1に転移されるが、塗料5が通過するこの
ギャップ幅によりアプリケータロール2の外周面に供給
される塗料5の膜厚を制御することができる。つまり、
アプリケータロール2及びメタリングロール3を矢印方
向に回転させながら、この2つのロール間のギャップを
狭めることにより、アプリケータロール2の外周面の塗
料5の膜厚を減少させることができる。他に、メタリン
グロール3の周速を上げることによっても、塗料5の膜
厚を減少させることがもできる。
【0032】以上のようにして、塗料膜厚を制御できる
が、円筒状基体1とアプリケータロール2とを離間させ
るまでは、上記条件を固定して、アプリケータロール2
の外周面の塗料5の膜厚を均一にして、円筒状基体1の
外周面に塗布される塗料の膜厚を均一にすることが望ま
しい。なお、以上の形態では、メタリングロール3を回
転しているが、回転することなく固定状態とすることも
できる。
【0033】以上の実施形態では、メタリングロール3
を用いることによりアプリケータロール2外周面の塗料
5の膜厚を変化させているが、図3に示すように塗料槽
52に貯留した塗料5中にアプリケータロール2を浸漬
するとともに、所定量の塗料を供給するための塗料膜厚
制御手段としてギャップ設定用ドクタ6を所定幅のギャ
ップを介してアプリケータロール2に近接配置してもよ
い。この形態によれば、アプリケータロール2を回転さ
せつつ、ギャップ設定用ドクタ6とアプリケータロール
2との間のギャップを一定に保持ればアプリケータロー
ル2外周面の塗料5の膜厚を均一化することができる
し、このギャップを狭くすればアプリケータロール2外
周面の塗料5の膜厚を減少させることができる。
【0034】また、図4に示すように板状の膜厚制御手
段61をアプリケータロール2の接線方向に所定幅のギ
ャップを介して配置する、あるいは図5に示すような円
筒体の外周に段差を設けた膜厚制御手段62をアプリケ
ータロール2と所定幅のギャップを介して近接配置する
こともできる。図4、図5に示す膜厚制御手段61、6
2によれば、図3に示したギャップ設定用ドクタ6より
も塗料5の膜厚の均一性を向上することができるし、膜
厚を変化させることもできる
【0035】円筒状基体とアプリケータロールとが近接
するとは塗料を介して接触している状態であることを先
に述べたが、具体的なギャップ幅は塗布する塗料の種
類、円筒状基体上に最終的に形成する膜厚によって、1
0μm〜1000μmの範囲で、かつアプリケータロー
ルと膜厚制御手段との間のギャップ幅と同等かそれ以下
の値で設定すればよい。また、アプリケータロールと膜
厚制御手段との間のギャップ幅も、塗布する塗料の種
類、円筒状基体上に最終的に形成する膜厚によって、1
0μm〜1000μmの範囲で設定すればよい。
【0036】塗料が塗布される際の円筒状基体の回転の
周速は3m/min〜50m/minの範囲とすることが、ま
たアプリケータロールの回転の周速は3m/min〜50
m/minの範囲とすることが好ましい。円筒状基体及び
アプリケータロールの周速が遅いとその外周面に形成さ
れる塗膜の膜厚均一性が不十分であり、逆に周速が速す
ぎると遠心力により塗料が飛散する恐れがあるからであ
る。
【0037】円筒状基体の回転の周速とアプリケータロ
ールの回転の周速の比(円筒状基体の周速/アプリケー
タロールの周速)は、前述のように0.5〜2.0の範
囲が好ましく、0.6〜1.5の範囲がさらに好まし
い。また、アプリケータロールと円筒状基体の径の比が
1/4〜10の範囲であれば、本発明を問題なく実施す
ることができる。
【0038】本発明塗布方法においては、円筒状基体外
周面に塗料が1層塗布された時点、換言すれば円筒状基
体が1回転を越えた時点でアプリケータロールから離間
させることができる。即ち、アプリケータロールから塗
料が円筒状基体の外周面に転移を開始し、円筒状基体に
塗布される膜厚の変化に応じてアプリケータロールの膜
厚を変化させることができるからである。
【0039】その1例を図6に示す。図6は、アプリケ
ータロール2とメタリングロール3との間のギャップを
狭い状態でスタートし、次第にギャップ幅を拡大、固定
した後、次第にギャップ幅を狭くするという塗布工程後
に、円筒状基体1をアプリケータロール2から離間した
状態を示す図である。円筒状基体1の外周面の塗料は、
Sの位置から転移が開始し、Eの地点で終了している。
【0040】以上では円筒状基体が1回転した後に円筒
状基体をアプリケータロールから離間する例であるが、
もちろん、円筒状基体が数回回転して塗膜が均一に形成
された後に円筒状基体をアプリケータロールから離間す
ることもできる。このときは、離間する際にできるだけ
速やかにアプリケータロールの塗料膜厚を減少する必要
がある。
【0041】円筒状基体をアプリケータロールから離間
した後は、速やかに、熱風循環乾燥機に入れて完全に乾
燥させても良い。
【0042】比較的揮発性の高い溶剤を用いた場合、溶
剤揮発による乾燥を防止するためにアプリケータロール
部分、円筒状基体部分あるいはその周囲全体等を略密閉
状態とするような容器あるいは遮蔽壁等で覆うことも有
効である。
【0043】円筒状基体の材料としては、例えば、鉄、
アルミニウム、銅、マンガン、シリコン、マグネシウ
ム、亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モ
リブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属
又はこれらの合金、或いはポリエステルなどの樹脂にア
ルミニウム等の導電性材料を蒸着されたもの等が挙げら
れるが、ここに挙げたものに限定されるものではない。
【0044】円筒状基体が電子写真用感光体ドラムを対
象とする場合、形成される感光層は、電荷発生材料と電
荷輸送材料とが同一の層内に存在する単層型であって
も、電荷発生材料を含有する層と電荷輸送材料を含有す
る層とを積層してなる積層型であってもよい。
【0045】単層型の感光層は、電荷発生材料と電荷輸
送材料とをバインダー樹脂溶液に分散或いは溶解した塗
布液を、円筒状基体の外周面に塗布後乾燥して形成する
ことができる。
【0046】積層型の感光層は、電荷発生材料の微粒子
を必要に応じてバインダー樹脂溶液に分散した塗料を円
筒状基体の外周面に塗布後乾燥して電荷発生層を形成
し、その上に、電荷輸送機能を有する化合物をバインダ
ー樹脂溶液に溶解した塗料を塗布後乾燥して電荷輸送層
を形成することにより得ることができる。また、上記と
は逆に、円筒状基体の外周面に電荷輸送層を形成した
後、電荷発生層を形成させても良い。
【0047】電子写真用感光体ドラムにおける感光層の
膜厚は、単層型電子写真用感光体の場合には、5〜50
μmの範囲が好ましく、15〜40μmの範囲が特に好
ましい。
【0048】また、積層型電子写真用感光体の場合に
は、電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、0.0
1〜1μmの範囲が特に好ましく、電荷輸送層の膜厚は
5〜50μmの範囲が好ましく、15〜40μmの範囲
が特に好ましい。
【0049】電荷発生材料としては、例えば、フタロシ
アニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン
系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン
系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリ
フェニルメタン系顔料、アズレニウム染料、スクウェア
リウム染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン染
料、キサンテン染料、チアジン染料、シアニン系染料等
の種々の有機顔料、染料や、更にアモルファスシリコ
ン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合
金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化
亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0050】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、またその使用に際しては単独、或い
は2種類以上混合して用いることができる。電荷発生材
料の微粒子を必要に応じてバインダー樹脂溶液中に分散
した分散液を塗布、乾燥させてなる電荷発生層の場合に
は、電荷発生材料とバインダー樹脂との使用割合は、重
量比で10:1〜1:10の範囲が好ましく、特に好ま
しい範囲は6:1〜1:2である。
【0051】電荷輸送材料としては、正孔輸送材料及び
/又は電子輸送材料を用いることができる。正孔輸送材
料としては、低分子化合物では、例えば、ピレン系、カ
ルバゾール系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキサ
ジアゾール系、ピラゾリン系、アリールアミン系、アリ
ールメタン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチルベ
ン系、ブタジエン系等の化合物が挙げられる。また、高
分子化合物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニル
アクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカ
ルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマ
ー、ポリシラン等が挙げられる。
【0052】電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキ
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。電荷輸送材料は、ここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0053】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのバインダー樹脂は、単
独又は2種類以上混合して用いられる。また、これらの
バインダー樹脂とともに可塑剤、増感剤、表面改質剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0054】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、各種フルオロ炭化水素等
が挙げられる。
【0055】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0056】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。円筒状基体と感光層
との接着性を向上させたり、円筒状基体から感光層への
自由電荷の注入を阻止するため、円筒状基体と感光層と
の間に、必要に応じて接着剤層或いはバリア層(下引き
層)を設けることもできる。
【0057】これらの層に用いられる材料としては、前
記バインダーに用いられる高分子化合物の他、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、カルボ
キシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラ
テックス、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化錫、
酸化チタン等が挙げられる。
【0058】接着剤或いはバリアとしての機能を付与す
る物質はここに挙げたものに限定されるものではなく、
その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用
いることができる。
【0059】接着剤層或いはバリア層を設ける場合の膜
厚は、0.005μm以上12μm以下が良く、好まし
くは0.01μm以上2μm以下である。
【0060】上記の電荷発生材料、電荷輸送材料をバイ
ンダー樹脂溶液に分散、溶解する場合には、バインダー
を溶解する溶剤として、バインダーの種類によっても異
なるが、下に位置する層を溶解しないものの中から選択
するよう配慮する。
【0061】具体的な有機溶剤としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、ベンジルアル
コール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン
等のケトン類;N、N−ジメチルホルムアミド、N、N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、ジグライム等の
エーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジエチル等
のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
スルホキシド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1、1、2−トリクロロエタン等の
脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o−
キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらの溶剤
は、単独又は2種類以上混合して用いられる。
【0062】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0063】(実施例1)表面処理として硬質クロムメ
ッキを施した表面粗さ3.2S、長さ510mm、外径
200mmの炭素鋼製アプリケータロール2と、同じ仕
様のメタリングロール3と、被塗布物である円筒状基体
1とを図2に示すように配置した。円筒状基体1は、ア
ルミニウムからなり、長さ254mm、外径30mm、
肉厚1mmの中空構造を有する。電子写真用感光体ドラ
ムを得る目的でこの円筒状基体1にはじめに下引き用塗
料を塗布した。
【0064】下引き層用塗料は、可溶性ナイロン(東レ
株式会社製の「CM−8000」)4.0部をエタノー
ル57.6部およびベンジルアルコール38.4部から
なる混合溶剤に溶解して調製した。
【0065】円筒状基体1は、図示しない回転駆動装置
に連結され正逆回転可能なベアリングを有した把持機構
で両端が把持されている。この把持機構は、アプリケー
タロール2に対して近接、離間可能な図示しない移動装
置に載置されている。円筒状基体1とアプリケータロー
ル2とは、当初は離間しているが、塗布時にはギャップ
幅が10μmとなるように移動装置を設定している。ま
た、アプリケータロール2とメタリングロール3との当
初のギャップ幅は80μmに設定した。
【0066】円筒状基体1とアプリケータロール2との
回転方向は同一方向で、アプリケータロール2とメタリ
ングロール3との回転方向も同一方向である。周速は、
円筒状基体が20m/min、アプリケータロールが2
0m/min、メタリングロールが11m/minとな
るように設定し、塗料漕52より前記下引き層用塗料を
供給した。
【0067】円筒状基体1、アプリケーターロール2、
及びメタリングロール3を回転させて、アプリケータロ
ール2外周面に均一な塗料膜厚を形成させた。
【0068】その後、円筒状基体1を前述のギャップ幅
になるまでアプリケータロール2に近接させた。これに
より、アプリケータロール2上の塗料は円筒状基体1に
転移、塗布を開始した。転移開始から3秒間そのままの
回転を維持した後、円筒状基体とアプリケータロール2
との離間と直前に、アプリケータロール2とメタリング
ロール3とのギャップ幅を80μmから10μmに変更
した。
【0069】円筒状基体1は、下引き層が塗布された
後、速やかに熱風循環式乾燥機で120゜Cで5分間乾
燥させた。
【0070】乾燥後の膜厚を分光反射干渉膜厚計
((株)オーク製作所製「TFM−120」)で測定し
たところ、0.8μmであった。
【0071】(実施例2)実施例1で外周面に下引き層
を塗布した円筒状基体1(以後、下引き層塗布円筒状基
体と記す)に、実施例1で使用した塗布装置を用いて、
電荷発生層を塗布した。
【0072】電荷発生層用塗料は、α型オキシチタニウ
ムフタロシアニン0.8部及びブチラール樹脂(積水化
学(株)製の「エスレックBH−3」)0.8部を、イ
ソプロピルアルコール68.88部及びシクロヘキサノ
ン29.52部からなる混合溶媒に添加し、平均粒径
1.0mmガラスビーズと共に分散、混合して調製し
た。
【0073】被塗布物である下引き層塗布円筒状基体1
は、実施例1と同様に、図示しない回転駆動装置に連結
され正逆回転可能なベアリングを有した把持機構で両端
が把持されている。この把持機構は、アプリケータロー
ル2に対して近接、離間可能な図示しない移動装置に載
置されている。
【0074】下引き層塗布円筒状基体1とアプリケータ
ロール2とは、当初離間しているが、塗布時にギャップ
幅が10μmとなるように移動装置を設定している。ま
た、アプリケータロール2とメタリングロール3との当
初のギャップ幅は80μmに設定した。
【0075】下引き層塗布円筒状基体1とアプリケータ
ロール2との回転方向は同一方向で、アプリケータロー
ル2とメタリングロール3との回転方向も同一方向であ
る。周速は、下引き層塗布円筒状基体1が10.0m/
min、アプリケータロール2が10.0m/min、
メタリングロールが5.9m/minとなるように設定
し、塗料貯蔵部51より前記電荷発生層用塗料を供給し
た。
【0076】下引き層塗布円筒状基体1、アプリケータ
ロール2、及び、メタリングロール3を回転させて、ア
プリケータロール2外周面上に均一な塗料膜厚を形成さ
せた。
【0077】その後、下引き層塗布円筒状基体1を回転
させつつ前述のギャップ幅になるまでアプリケータロー
ル2に近接させた。これによりアプリケータロール2上
の塗料は円筒状基体1に転移、塗布を開始した。転移開
始から3秒間そのまま回転状態を維持した後、下引き層
塗布円筒状基体1とアプリケータロール2との離間の直
前に、アプリケータロール2とメタリングロール3との
ギャップ幅を80μmから10μmに変更した。
【0078】電荷発生層が塗布された下引き層円筒状基
体1は、電荷発生層用塗料が塗布された後、速やかに熱
風循環式乾燥機で120゜Cで5分間乾燥した。
【0079】乾燥後の膜厚を分光反射干渉膜厚計
((株)オーク製作所製「TFM−120」)で測定し
たところ、0.3μmであった。
【0080】(実施例3)実施例2で外周面に電荷発生
層を塗布した円筒状基体1(以後、電荷発生層塗布円筒
状基体1と記す)に実施例1、2で使用した塗布装置を
用いて、電荷輸送層を塗布した。
【0081】電荷輸送層用塗料は、化学式(1)で示さ
れるアリールアミン化合物12部とポリカーボネート樹
脂(三菱ガス化学(株)製の「ユーピロンZ−20
0」)12部を、シクロヘキサノン22.8部、メチル
エチルケトン15.2部、及びキシレン38部からなる
混合溶媒に溶解させて調製した。
【0082】
【化1】
【0083】電荷発生層塗布円筒状基体1は、実施例1
と同様に、図示しない回転駆動装置に連結され正逆回転
可能なベアリングを有した把持機構で両端が把持されて
いる。この把持機構は、アプリケータロール2に対して
近接、離間可能な図示しない移動装置に設置されてい
る。
【0084】電荷発生層塗布円筒状基体1とアプリケー
タロール2とは、当初は離間しているが、塗布時にギャ
ップ幅が20μmとなるように移動装置を設定してい
る。また、アプリケータロール2とメタリングロール3
との当初のギャップ幅は150μmに設定した。
【0085】電荷発生層塗布円筒状基体1とアプリケー
タロール2との回転方向は同一方向で、アプリケータロ
ール2とメタリングロール3との回転方向も同一方向で
ある。また、周速は電荷発生層塗布円筒状基体1が1
0.0m/min、アプリケータロール2が10.0m
/min、メタリングロール3が3m/minとなるよ
うに設定し、塗料貯蔵部51より前記電荷輸送層用塗料
を供給した。
【0086】電荷発生層塗布円筒状基体1、アプリケー
タロール2、及び、メタリングロール3を回転させて、
アプリケータロール外周面に均一な塗料膜厚を形成させ
た。
【0087】その後、電荷発生層塗布円筒状基体1を回
転させつつ前述のギャップ幅になるまでアプリケータロ
ール2に近接させた。これによりアプリケータロール2
上の塗料は電荷発生層塗布円筒状基体1に転移、塗布を
開始した。転移開始から3秒間そのまま回転状態を維持
した後、電荷発生層塗布円筒状基体1とアプリケータロ
ール2との離間の直前に、アプリケータロール2とメタ
リングロール3とのギャップ幅を80μmから10μm
に変更した。
【0088】電荷輸送層を塗布された電荷輸送層塗布円
筒状基体1は、電荷輸送層が塗布された後、速やかに熱
風循環式乾燥機で120℃で60分間乾燥させた。
【0089】乾燥後の膜厚を高周波渦電流式膜厚計
((株)ケット科学研究所製「LH−300C」)で測
定したところ、25.0μmであった。軸方向の膜厚分
布を図9に、円周方向の膜厚分布を図10に示す。
【0090】以上で得られた電子写真用感光体ドラムを
用いて作製から1日後に印字試験を行ったところ、画像
特性は良好であった。 (比較例1)実施例2で得られた電荷発生層塗布円筒状
基体1を用い、アプリケータロール2とメタリングロー
ル3とのギャップ幅を変更しないで離間する以外は、実
施例3と同様にして、電荷輸送層を塗布した。塗布後
に、実施例3と同様に乾燥した後に膜厚を測定した。軸
方向の膜厚分布を図9に、円周方向の膜厚分布を図10
に示す。
【0091】比較例1により得られた電子写真用感光体
ドラムを用いて作成から1日後に印字試験を行ったとこ
ろ、印字画像にムラがあった。
【0092】
【発明の効果】本発明によって、円筒状基体の外周面に
均一な塗膜の感光層を有する電子写真用感光体ドラム
を、効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】 本発明の一実施形態を示す側面図。
【図3】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図4】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図5】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図6】 本発明の他の実施形態を示す側面図。
【図7】 円筒状基体とアプリケータロールを同一方向
に回転させた場合を示す模式図。
【図8】 円筒状基体とアプリケータロールを反対方向
に回転させた場合を示す模式図。
【図9】 実施例3、比較例1で得られた電子写真用感
光体ドラムの軸方向の膜厚分布を示すグラフ。
【図10】 実施例3、比較例1で得られた電子写真用
感光体ドラムの周方向方向の膜厚分布を示すグラフ。
【符号の説明】
1・・・円筒状基体 2・・・アプリケータロール(アプリケータロール) 3・・・メタリングロール(塗料膜厚制御手段) 4・・・クリーニングドクタ 5・・・塗料 6・・・ギャップ設定用ドクタ(塗料膜厚制御手段) 8・・・塗料溜まり

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布ロールに供給された塗料を円筒状基
    体に塗布する円筒状基体への塗料塗布方法において、 円筒状基体と塗布ロールを同一方向に回転しつつ塗料を
    塗布し、 塗布ロールと円筒状基体とを離間する際に塗布ロール上
    の塗料膜厚を減少させることを特徴とする円筒状基体へ
    の塗料塗布方法。
  2. 【請求項2】 塗布ロール上の塗料膜厚を当初は均一に
    制御することを特徴とする請求項1に記載の円筒状基体
    への塗料塗布方法。
  3. 【請求項3】 円筒状基体の周速と塗布ロールの周速の
    比(円筒状基体の周速/塗布ロールの周速)が0.5〜
    2.0の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の円筒状基体への塗料塗布方法。
  4. 【請求項4】 円筒状基体への塗料塗布後に、円筒状基
    体を塗布ロールから離間した状態で回転を継続すること
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗料塗布方
    法。
  5. 【請求項5】 円筒状基体と塗布ロールとを近接配置
    し、この塗布ロールに供給された塗料を円筒状基体に塗
    布する円筒状基体への塗料塗布装置において、 円筒状基体の回転方向と同一方向に回転する塗布ロール
    と、 塗布ロールに近接配置された塗料膜厚制御手段を有する
    ことを特徴とする円筒状基体への塗料塗布装置。
  6. 【請求項6】 塗料膜厚制御手段が円筒状部材からなる
    ことを特徴とする請求項5に記載の円筒状基体への塗料
    塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗料膜厚制御手段が板状部材からなるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の円筒状基体への塗料塗
    布装置。
  8. 【請求項8】 塗料膜厚制御手段は、当初は塗布ロール
    とのギャップを均一に保持するが、塗布ロールを円筒状
    基体から離間させる際に塗布ロールとのギャップを減少
    することを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の円
    筒状基体への塗料塗布装置。
  9. 【請求項9】 電子写真用感光体ドラム基体と塗布ロー
    ルとを近接配置し、この塗布ロールに供給された電子写
    真用感光体塗料を電子写真用感光体ドラム基体に塗布後
    乾燥する電子写真用感光体ドラムの製造方法において、 電子写真用感光体ドラム基体と塗布ロールとを電子写真
    用感光体ドラム基体の周速と塗布ロールの周速の比(電
    子写真用感光体ドラム基体の周速/塗布ロールの周速)
    が0.5〜2.0の範囲で同一回転方向に回転しつつ塗
    料を塗布し、塗布ロールと電子写真用感光体ドラム基体
    円筒状基体とを離間する際に塗布ロール上の塗料膜厚を
    減少させることを特徴とする電子写真用感光体ドラムの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100351705C (zh) * 2004-04-26 2007-11-28 夏普株式会社 电子照相感光体的制造方法及制造装置
US7393415B2 (en) 2003-09-19 2008-07-01 Sharp Kabushiki Kaisha Method and apparatus for applying coating liquid to cylindrical substrate and method for producing electrophotographic photoreceptor and electrophotographic photoreceptor produced by the production method
US7402209B2 (en) 2003-10-24 2008-07-22 Sharp Kabushiki Kaisha Apparatus and method for applying coating liquid to cylindrical substrate, and electrophotographic photoreceptor produced by that method and electrophotographic apparatus provided with the same

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