JPH06250412A - 有機電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

有機電子写真感光体の製造方法

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JPH06250412A
JPH06250412A JP3508393A JP3508393A JPH06250412A JP H06250412 A JPH06250412 A JP H06250412A JP 3508393 A JP3508393 A JP 3508393A JP 3508393 A JP3508393 A JP 3508393A JP H06250412 A JPH06250412 A JP H06250412A
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JP
Japan
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coating
substrate
coating liquid
photosensitive member
tank
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JP3508393A
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English (en)
Inventor
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Mitsuhiro Shinobu
充弘 忍
Makoto Kurokawa
誠 黒川
Kazuyuki Arai
和幸 新居
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高耐刷性対応の、電荷発生層(膜厚
〜0.1μm以下)の浸漬塗布においてもすじ状の塗布
ムラが発生せず、均一で良質な画像特性を有する機能分
離型の有機電子写真感光体の提供。 【構成】 機能分離型の有機電子写真感光体をオーバー
フロー方式での浸漬塗布法により形成する際、 塗布槽内径:2R(mm) 円筒状導電性基体径:2r(mm) 基体の塗液への浸漬速度:v(mm/sec) と表した時、 πr2 /πR2 ×v>5 (但し、R>r+1(m
m)) で表される関係式を満たす塗布槽、感光体基体、基体浸
漬速度を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタに使
用される塗布ムラのない、且つ良質な画像特性を有する
電子写真感光体の製造方法に関する。特に、高感度、高
耐刷性を有する電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体において、有機系
の光導電性材料は開発が進み、従来より用いられてきた
無機系の光導電性材料よりも多く使用されるようになっ
た。有機系材料を用いた感光体は感度、耐久性及び環境
に対する安定性等に若干の問題はあるが、毒性、コス
ト、材料設計の自由度等の点において無機材料に比べ多
くの利点がある。
【0003】一般に有機電子写真感光体は、単層型と機
能分離(積層)型に分類される。積層型の層構成は2層
又は3層から成り、2層構成の場合は導電性基体の上に
電荷発生層、その上に電荷輸送層という構成になってお
り、3層の場合は導電性基体の上に下引き層、その上に
順次電荷発生層及び電荷輸送層という構成になってい
る。これらの感光層は各層を構成するための有機系光導
電性材料を結着剤樹脂と共に有機溶剤に溶解又は分散さ
せて感光体塗布液として調整し、この感光体塗布液を導
電性基体の上に順次塗布、乾燥させることにより製造さ
れる。
【0004】電子写真感光体の更なる研究により、前述
の有機系材料の欠点であった感度について改良がなされ
た。その高感度化の手段としては、 (1)電荷輸送能の大きい材料の使用 (2)電荷発生能の大きい材料の使用 が挙げられる。
【0005】通常使用されている電子写真感光体の電荷
輸送能(ホールモビリティー)は10-6cm2 /v・s
ec程度である。通常電荷輸送層の膜厚は10〜20μ
mであるが、高耐久化、高速化のために、10-5cm2
/v・sec以上で、20〜40μmの膜厚の電荷輸送
層を有する電子写真感光体の製造が研究されている。他
方、エレクトロンは電荷発生層中を基体側へ移動するの
であるが、通常エレクトロンモビリティーはホールモビ
リティーに対して10-2程度小さい。このため高速化を
計るために電荷発生能の高い電荷発生材料の開発と電荷
発生層の薄膜化が研究されている。例えば、複写速度が
40枚/分以下である電子写真感光体の電荷発生層の膜
厚は0.1〜2μm程度であるが、複写速度40枚/分
を超えると、電荷発生層の膜厚が0.1μm未満でない
とエレクトロンの基盤への移動速度が律速となり、残留
電位の上昇や感度低下の欠点を招くことになる。
【0006】有機電子写真感光体の塗布方法としては、
スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード
法、リング法、浸漬法等が挙げられる。特に浸漬塗布方
法は、感光体塗布液を満たした塗布槽に導電性基体を浸
漬した後に、一定速度又は逐次変化する速度で引き上げ
ることにより、感光層を形成する方法であるが、比較的
簡単で、生産性及びコストの点で優れているため、電子
写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
【0007】一般に浸漬塗布の場合、塗布膜厚(湿潤膜
厚)と塗布液物性値と塗布速度の関係は式(1)で表さ
れる。
【0008】 h=K(ηv/ρgsinα)■ (1) [h:塗布膜厚(湿潤膜厚),v:塗布速度,ρ:塗布
液比重,η:塗布液粘度,α:接触角,K:定数(0.
9〜1.9),n=定数(0.5〜0.7)]式(1)
から塗布膜厚は、塗布速度及び塗布液及び塗布液の比重
・粘度で制御できることがわかる。具体的には、膜厚の
薄い感光体を作成するには、、塗布液粘度を下げるか塗
布速度(引上速度)を遅くする(方法)が挙げられる。
【0009】生産時においては、上記の浸漬塗布は基体
を交換しながら連続的に行なわれる。しかし連続塗布時
には塗布液上部からの溶剤蒸発による被膜形成、空気中
からのダストの混入、塗布液の槽内部での濃度不均一が
生じ塗布欠陥を生じる原因となっている。
【0010】この欠点を解消する方法として、基体の浸
漬により液面上昇した塗布液を塗布槽からあふれさせ、
このオーバーフローした塗布液を攪拌タンクに戻し、ダ
スト、被膜等をろ過により除去し、溶剤等を追加して粘
度を調整した後、再び塗布槽に供給するオーバーフロー
方法が提案されている(特開昭57−5047)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】オーバーフロー方式は
塗布膜厚が0.2μm以上(乾燥膜厚)の塗布膜を形成
する場合には有効な方法であるが、塗布膜厚が0.1μ
m以下の場合には、オーバーフローの際の塗布液の流れ
によって、塗布膜にムラが生じ、これが感度ムラの原因
となり電子写真感光体の良品率の低下を招くこととな
る。
【0012】すなわち、導電性基体を塗布液に浸漬させ
て塗布液を塗布槽からあふれさせる(オーバーフローさ
せる)際に、あふれる塗布液の流れが基体表面に沿って
生じ、これによってすじ状のムラが塗布膜に生じる。特
に、浸漬する際に槽からあふれる塗布液の流量が少ない
場合、流体は必ず低い所から流れ出すため、塗布槽のあ
る決った箇所から必ずあふれる。このため、基体浸漬中
に、ある一定の塗布液の流れが生じてしまい、すじ状の
塗布ムラとなる。
【0013】この塗布ムラは、円筒状基体を塗布液に浸
漬処理する際の塗布液の流れが原因であり、基体表面へ
の塗布液の吸着の仕方が塗布ムラの発生に影響している
と考えられ、特に電荷発生層の膜厚が比較的薄い(0.
1μm以下)場合に生じる欠陥である。
【0014】この問題を解決する手段として、特願平3
−243580号又は特願平4−8566号に開示した
手段が挙げられるが、前者は基体浸漬中に浸漬速度を変
化させるため基体昇降機の制御プロセスが複雑となる。
また、後者は塗布槽の形状が非常に複雑なため、加工精
度の問題、加工コスト高等の問題がある。
【0015】オーバーフロー方式での浸漬塗布の問題点
は、次のようにまとめられる。
【0016】(1) オーバーフロー方式で基体を浸漬
塗布する際に、あふれる塗布液の流れによりすじ状の塗
布ムラを発生する。
【0017】(2) これはコピー画像において黒すじ
状の画像欠陥となる。
【0018】(3) 特に、電荷発生層膜厚が比較的薄
いもの(〜0.1μm以下)で発生しやすい。
【0019】(4) このすじ状の塗布ムラの発生は、
基体表面へ塗布液が吸着する際の塗布液の流れが原因で
あり、特にオーバーフローさせる際にあふれる塗布液の
流量が少ないと基体の周囲に一定の流れを生じてしま
い、すじ状ムラが発生しやすくなる。
【0020】(5) これらの原因により、均一で良質
な画像特性を有する有機電子写真感光体を提供すること
ができない。
【0021】そこで、本発明は、(1) オーバーフロ
ー方式での浸漬塗布、特に高感度、高耐刷性対応の、膜
厚が比較的薄い電荷発生層(膜厚〜0.1μm以下)の
浸漬塗布の時でも、すじ状の塗布ムラが発生することが
ない、(2) 均一で良質な画像特性を有する有機電子
写真感光体を安価で容易に提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究の
結果、オーバーフロー方式での浸漬塗布方法によって有
機電子感光体を形成する際に、塗布槽内径:2R(m
m)、円筒状基体内径:2r(mm)、基体の塗布液へ
の浸漬速度:v(mm/sec)と表した時、πr2
πR2 ×v>5(但し、R>r+1(mm))で表され
る関係式を満たす塗布槽、円筒状基体、及び基体浸漬速
度を採用することによって、塗布ムラのない、且つ感度
のバラツキも小さい高速化に対応した有機電子写真感光
体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明
を成すに至った。
【0023】
【作用】本発明の作用を図に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明の浸漬塗布方法の説明図であ
る。
【0025】昇降機4に取りつけられたアームにより懸
吊されている導電性基体1を昇降モータ5の駆動により
下降させ塗布槽2の中の塗布液3へ浸漬する。次いで、
昇降モータ5の駆動により塗布液3から導電性基体1を
引き上げることにより感光層を形成する。塗布後、循環
ポンプ6により塗布液3を攪拌タンク7から塗布槽2へ
送液し、塗布槽2からオーバーフローして攪拌タンク7
に循環することにより、塗布液の粘度調整・攪拌・ろ過
等をおこなう。所定の時間循環した後に、循環ポンプを
停止し次の基体の塗布を行なう。
【0026】次いで図2は、本発明における、塗布槽、
基体、浸漬速度の関係を示した詳細図である。
【0027】本発明の特徴は、塗布液へ基体浸漬の際、
あふれる塗布液の流量を大きくすることにより、あふれ
る塗布液の流れを一定の流れとせず、無秩序な流れとし
てすじ状の塗布ムラを発生させないことにある。塗布液
のあふれる流量を大きくする方法としては、 図2−a) 基体内径と比べあまり大きくない径の塗布
槽を用いる。
【0028】図2−b) 基体浸漬速度を速くする。
【0029】の2種類及び両者混合方式が挙げられる。
【0030】いずれも、前述のπr2 /πR2 ×v>5
(但しR>r+1(mm))で表される関係式を満たす
時、塗布ムラを発生しない。
【0031】上述の関係式のうち、基体浸漬速度は8〜
15mm/sec、好ましくは10〜12mm/sec
が良い。速度が遅すぎると、塗布時間長によりコスト高
を招き、また、本発明の効果も小さくなる。また、速す
ぎる場合も塗布ムラを起こす原因となる。これより、例
えば基体直径が50mmの場合、好ましい塗布槽内径
は、約60〜80mmとなる。また、基体直径が80m
mの場合は、塗布槽内径は約100〜130mmとな
る。
【0032】次に、本発明を更に詳細に説明する。
【0033】本発明で用いる電子写真感光体の導電性基
体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレ
ス、真ちゅう等の金属の円筒状基体または薄膜シート、
またはアルミニウム、錫合金、酸化インジウム等をポリ
エステルフィルムあるいは紙、金属フィルムの円筒状基
体などに蒸着したものが挙げられる。
【0034】感光体層の接着性改良、塗布性改良、基体
上の欠陥の被覆及び基体から電荷発生層への電荷注入性
改良などのために下引き層が設けられることが有る。下
引き層の材料としては、ポリアミド、共重合ナイロン、
カゼイン、ポリビニルアルコール、セルロース、ゼラチ
ン等の樹脂が知られている。これらを各種有機溶剤に溶
解し、膜厚が0.1〜5μm程度になるように導電性基
体上に塗布される。また、下引層中には、必要に応じ
て、特に下引層の体積抵抗率の設計、低温/低湿環境下
での繰り返えしエージング特性の改善等の理由で、酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、シリカ、
酸化アンチモン等の無機顔料が分散含有されることが知
られている。
【0035】本発明の電荷発生層は、光照射により電荷
を発生する電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公
知の結合剤、可塑剤、増感剤を含有し、乾燥膜厚が0.
1μm以下となるように形成される。
【0036】電荷発生材料としては、ペリレン系顔料、
多環キノン系顔料、フタロシアニン顔料、金属フタロシ
アニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色
素、チアピリリウム色素、及びカルバソール骨格、スチ
リルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベン
ゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノ
ン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾ
ール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するア
ゾ顔料などが挙げられる。
【0037】本発明の電荷輸送層は、電荷発生材料が発
生した電荷を受け入れこれを輸送する能力を有する電荷
輸送材料及び結着剤を必須成分とし、必要に応じて公知
のレベリング剤、可塑剤、増感剤を含有し、乾燥膜厚が
5〜70μmとなるように形成される。
【0038】電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−r−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキソ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、ヒドラゾン誘導体等の電子供与性物質、或いはフ
ルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデ
ノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、イ
ンデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ
[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導
体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受
容性物質などが挙げられる。
【0039】電荷輸送層を構成する結着剤としては、電
荷輸送材料と相溶性を有するものであれば良く、例えば
ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリ
ルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げら
れる。
【0040】本発明の電子写真感光体の製造方法は公知
の浸漬塗布方法を適用し得る。その一例を以下に述べ
る。
【0041】例えば、アゾ系顔料などの電荷発生材料
が、必要に応じて、結合剤、可塑剤、増感剤と共に適当
な溶剤、例えば、シクロヘキサノン、ベンゼン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、エチルエーテル、アセトン、
エタノール、クロルベンゼン、メチルエチルケトン等に
分散した塗布液の導電性基体を公知の方法で浸漬し、引
き挙げ、乾燥して導電性基体上に電荷発生層を形成す
る。
【0042】次いで、例えば、ヒドラゾン系化合物など
の電荷輸送材料及び結着剤が、必要に応じてレベリング
剤、可塑剤、増感剤とし共に適当な溶剤、例えば、ジク
ロロエタン、ベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサ
ン、エチルエーテル、アセトン、エタノール、ジクロロ
ベンゼン、メチルエチルケトン等に溶解した塗布液に電
荷発生層が塗布された導電性基体を公知の方法で浸漬
し、引き上げ、乾燥して電荷輸送層を形成する。
【0043】上述の本発明の電子写真感光体の製造方法
は、オーバーフロー方式での浸漬塗布処理による、膜厚
が比較的薄い電荷発生層(膜厚〜0.1μm以下)の形
成に特に有効であり、塗布ムラのない、且つ感度のバラ
ツキも小さい電荷発生層を得ることができ、それにとも
ない良質な画像特性を有する電子写真感光体を得ること
ができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はその要旨をこえない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
【0045】実施例1 電荷発生層を形成する塗布液として、ジブロムアンスア
ンスロン1重量部、ブチラール樹脂(エスレックBM−
2、積水化学(株)製)1重量部、シクロヘキサノン1
20重量部を調合し、ボールミルにて12時間分散した
ものを製造した。この塗布液を円筒状のアルミニウム導
電性基体の表面に乾燥膜厚が0.08μmとなるように
塗布し、80℃30分間乾燥して電荷発生層とした。
【0046】次に電荷輸送層を形成する塗布液として、
ブタジエン系電荷輸送材(1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエン、高砂香料(株)製)1重量部、ポリカーボネー
ト樹脂(パンライトL−1225、帝人化成(株)製)
1重量部をジクロロメタン10重量部に溶解したものを
製造した。この塗布液を電荷発生層の上に乾燥膜厚が2
5μmとなるように浸漬塗布方法にて塗布し、80℃、
1時間の乾燥により電荷輸送層を形成し、電子写真感光
体を作成した。
【0047】電荷発生層塗布の際、基体直径を80m
m、塗布槽内径を100mm、基体の浸漬速度を10m
m/secで行なった。
【0048】(関係式=6.4>5)得られた感光体を
所定の複写機に搭載しコピーを行なったが、塗布液の流
れによるすじ状のムラのない良質な画像が得られた。
【0049】以下、実施例1と同様の感光液を用いて塗
布槽内径、基体浸漬速度の条件を下記表1に示すように
変化させて、実施例2〜4及び比較例1〜3の実験を行
なったところ、本発明で規定する関係式で表される条件
を満たす場合には、すじ状の塗布ムラは発生せず、条件
を満たさない場合は、いずれもすじ状の塗布ムラを発生
し、コピー画像においても黒すじ状の画像欠陥を生じ、
良質で均一な画像特性を有する有機電子写真感光体を提
供することができなかった。
【0050】
【表1】
【0051】実施例5 実施例1と同様の処方にて感光体を作成した。この際、
感光体基体直径を50mm、塗布槽径を60mm、CG
塗布液の基体浸漬速度を10mm/secで行なった。
【0052】(関係式=6.9>5)得られた感光体を
所定の複写機に搭載しコピーを行なったが、塗布液の流
れによるすじ状のムラの無い良質な画像を得られた。
【0053】以下、実施例5と同様の感光液を用いて塗
布槽内径、基体浸漬速度の条件を下記表2に示すように
変化させて、実施例6及び比較例4,5の実験を行なっ
たところ、本発明で規定する関係式で表される条件を満
たす場合には、すじ状ムラが発生せず、満たさない場合
は、塗布ムラ不良が発生した。
【0054】
【表2】
【0055】実施例7 共重合ナイロン樹脂(CM4000:東レ(株)製)6
重量部をメタノール94重量部に溶解し、下引層用塗液
を作成した。この塗布液を円筒状のアルミニウム導電性
基体表面に下引層膜厚が1.5μmとなるように塗布
し、100℃30分間の加熱乾燥を施こした。
【0056】次いで下引き層の上に順次、電荷発生層、
電荷輸送層を形成した。電荷発生層を形成する塗液とし
てε型銅フタロシアニン(リオフォトンEPPC、東洋
インキ(株)製)2重量部、ブチラール樹脂(エスレッ
クBL−1、積水化学(株)製)1重量部、テトラヒド
ロフラン100重量部を調合し、ボールミルにて8時間
分散したものを作成した。この塗液を浸漬塗布方法にて
乾燥膜厚が0.09μmとなるように塗布し、80℃3
0分間乾燥して電荷発生層とした。
【0057】次に電荷輸送層を形成する塗液として、ブ
タジエン系電荷輸送材(1,1−ビス(p−ジエチルア
ミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジ
エン、高砂香料(株)製)1重量部、ポリカーボネート
樹脂(パンライトL−1225、帝人化成(株)製)1
重量部、シリコーン系レベリング剤(KF−96、信越
化学工業(株)製)0.0001重量部をジクロロメタ
ン10重量部に溶解し、電荷輸送層を形成する塗液を調
整した。この塗液を電荷発生層の上に乾燥膜厚が17μ
mとなるように浸漬塗布方法にて塗布し、80℃1時間
の乾燥により電荷輸送層を形成しLBP用電子写真感光
体を作成した。
【0058】この際、円筒状基体直径を30mm、塗布
槽径を50mm、基体の塗布槽への浸漬速度を15mm
/secで行なった。
【0059】(関係式=5.4>5)得られた感光体は
実施例1,5と同様に良質な画像特性を有していた。
【0060】以下実施例7と同様の感光液を用いて、塗
布槽径、基体浸漬速度の条件を下記表3に示すように変
化させて、実施例8及び比較例6,7の実験を行なっ
た。いづれも、本発明で規定する関係式で表される条件
を満たす場合には、塗布ムラが発生せず、満たさない場
合は、すじ状ムラの有る不良ドラムが生じた。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明で規定する塗布条件
を用いることにより、高感度、高耐刷性対応の、電荷発
生層(膜厚〜0.1μm以下)の浸漬塗布においてもす
じ状の塗布ムラを発生させることなく、常に均一で良質
な画像特性を有する有機電子写真感光体を提供すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬塗布方法の説明図である。
【図2】本発明における、塗布槽、基体、浸漬速度の関
係を示す詳細図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 4 塗布槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 新居 和幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体を塗布液に浸漬させて塗布液
    を塗布槽からあふれさせた後に基体を引上げることで塗
    布を施し、塗布が完了した後に、このあふれた塗布液を
    再び塗布槽に供給するオーバーフロー方式での浸漬塗布
    法により有機電子写真感光体を形成する際、 塗布槽内径:2R(mm) 円筒状導電性基体径:2r(mm) 基体の塗液への浸漬速度:v(mm/sec) と表した時、 πr2 /πR2 ×v>5 (但し、R>r+1(m
    m)) で表される関係式を満たす塗布槽、感光体基体、基体浸
    漬速度を用いたことを特徴とする有機電子写真感光体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 塗布液が、電荷発生層を形成する塗布液
    であることを特徴とする請求項1記載の有機電子写真感
    光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 電荷発生層を膜厚0.1μm以下で形
    成することを特徴とする請求項2記載の有機電子写真感
    光体の製造方法。
JP3508393A 1993-02-24 1993-02-24 有機電子写真感光体の製造方法 Pending JPH06250412A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014048326A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の製造方法及び製造装置

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