JP4568674B2 - 電子写真感光体製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
浸漬法の問題として、チキソトロピー性塗布液を循環した際に、塗工槽内に局所的に粘度上昇した塗布液のよどみが発生してしまうということがある。このため、塗工液の流れを制御して液のよどみが発生しないようにすることが必要である。
よどみが発生したまま生産を続けると、円筒状基体を浸漬塗付時に粘度上昇した塗布液が基体表面に付着し、塗膜厚みムラとなり、複写機にて画像出しすると画像濃淡ムラとして品質面の致命的な問題が生じる。
また、塗工槽内のよどみを除去しようとして、生産を止め内部を攪拌すれば、生産性が低下する問題を起こし、もしくは塗工槽内に攪拌用インペラ等を設置したとしてもインペラの摺動部からの異物発生、インペラにより槽内が乱流となり基体に流れムラ発生等の他欠陥を発生させてしまうおそれがある。
チキソトロピー性の塗布液を使用した際、液の性質状、静置しておけば、ゲル状に固まって粘度上昇し、揺り動かすと、動いている間だけゾルに変わって流動性が現れる。このため、局所的な粘度上昇は、塗工槽内が整流化されずに液の流動がほとんど無く、渦となるような流れのよどみ箇所があると発生する。
これにおいては、整流層全体に塗布液の流れを発生させることができなく、中心部に塗布液が流れやすく、壁面側の球状物体間で塗布液の流速が遅くなるため、チキソトロピー性塗布液を循環した際に壁面側の球状物体同士の隙間で塗布液の粘度上昇が発生する。このことにより、粘度上昇した塗布液が円筒状基体に付着すると濃淡ムラとなり画像欠陥となるという問題を有している。
しかし、実際には、チキソトロピー性塗布液を循環した際に整流板の下方のテーパー部内で淀み個所が発生し、塗布液の粘度上昇が発生し、このことより、粘度上昇した塗布液が円筒状基体に付着すると濃淡ムラとなり画像欠陥となる。
円筒状基体を浸漬引き上げを行い、塗膜形成中にこの粘度上昇した塗布液が円筒状基体に付着すると濃淡ムラとなり画像欠陥となる。
また、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の電子写真感光体製造装置によれば、塗工槽よりオーバーフローする流れを、感光体基体個別に制御することが可能となり、高品質な塗膜を形成することができた。
また、請求項14に係る電子写真感光体製造方法により、粘度上昇の発生しない塗工槽にて浸漬塗布を行うことで、濃淡ムラのない均一な塗膜を成形された電子写真感光体を製造することができるようになった。
また、請求項15、16に記載の発明により、濃淡ムラのない均一な塗膜を成形された電子写真感光体により高画質な画像が得られるようになった。
この装置は、塗布液ストックタンク1よりポンプ等の送液装置2にて塗布液を塗工槽4の下方より流入させ、上端よりオーバーフローをさせて液面高さを制御し、かつ電子写真感光体基体を同時に多数本を浸漬して塗工する一浴構造の塗工槽4を有している。
一浴構造の塗工槽4には、感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部9と、集合部11と一つ以上のテーパー状流入液拡散部6とが設けられており、各テーパー状流入液拡散部6には、2枚以上の整流板3が設けられており、これにより槽内の流れを整流化するようになされている。
整流板3は、塗工槽のテーパー状流入液拡散部6の所定位置に着脱自在に配置されており、例えば粘度が異なる塗工液を適用するごとに、異なる開口率、孔径の整流板と入れ替えることができるようになされている。
設置箇所:図1のテーパー状流入液拡散部の上側及び下側の2枚
整流板3の穴径:φ2mm
孔配列ピッチ:3mmで60度千鳥配列
槽内平均流速は、0.003m/s〜0.02m/sであることが好ましい。
〔支持体〕
電子写真感光体を構成する導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着、またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、およびそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理した管等を使用できる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されているエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として適用できる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体として適用できる。
感光層は、単層型でも積層型でもよいが、先ず、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を、用いる。
電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を適用できる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を適用でき、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。
これらの電荷発生物質は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を適用でき、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
これらの電荷発生物質は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し、0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部とする。
適用可能な溶剤としては、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好適である。これらは単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法が適用できる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤等を添加してもよい。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
また、電荷輸送層の膜厚は、解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。
下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
感光層が上記のような積層構成をとる場合、感光層中に含有されるべき有機硫黄系化合物は電荷輸送層に含有させるようにすることがより好ましい。
単層の感光層には、上述した電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等について同様のものを適用できる。
感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、上述の硫黄系化合物、及び結着樹脂を、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は、5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
保護層は、フィラー材料を結着樹脂とともに適当な溶剤を介して分散せしめるとともに、ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物を添加、溶解させ、これを感光層上に塗布、乾燥することにより形成される。
感光体の最表層である保護層にヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物を併用することにより、長期間の繰り返し使用によるオゾン等の活性ガスから感光体の劣化を抑制するため、耐摩耗性だけでなく画像安定性を飛躍的に向上させることが可能となる。
フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点からは、特に、ポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素等が挙げられる。
これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機フィラーである無機顔料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
さらに、これらのフィラーは、少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。
フィラーの分散性の低下は、残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことにより、その影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。
表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
なお、イオン化ポテンシャル(Ip)は、分光学的に求める方法、電気化学的に求める方法等、種々の方法を用いて測定することができる。
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが、保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
フィラーの平均一次粒径が0.01μm以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μm以上の場合には、フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保護層を多層にする方が、膜中におけるフィラーの均一性の面からより好ましい。
そうすることによって、残留電位の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対し、より一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、この樹脂は、その上層として形成する感光層が溶剤を用いて塗布形成されることを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
更に、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。
このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次浸漬塗工し、塗膜を目視確認した。なお、電荷発生層の塗布工程にてチキソトロピー性の塗布液を用い所定時間本発明装置もしくは従来装置にて循環後に浸漬塗布を行った。
実施例に用いた電荷発生層の塗布液構成を以下に示す。
以下の材料を分散して下引き層塗布液を調合した。
メラミン樹脂 5重量部
酸化チタン 20重量部
シクロヘキサノン 35重量部
メチルエチルケトン 35重量部
ジスアゾ顔料 1重量部
ポリビニルブチラール 0.5重量部
シクロヘキサノン 40重量部
メチルエチルケトン 60重量部
ボールミル分散後、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンを加えて電荷発生層塗布液
とした。
下記式(1)に示す電荷輸送剤 4重量部
シクロヘキサノン 45重量部
テトラヒドロフラン 45重量部
シリコンオイル 0.001重量部
を溶解して電荷輸送層塗布液を調合した。
なお、電荷発生層は、乾燥膜厚0.2μm、電荷輸送層は23μmになるような条件で行った。
使用されるチキソトロピー性の顔料分散型塗工液は3.5mPa・sであった。
実施例において直管部における平均流速は、0.008m/sであった。
〔実施例1〕
φ2mm、開効率40%の多孔状の整流板3を2枚、テーパー部6の上下に設置した。
請求項2、3に記載されている発明に関する「個数」については、集合部11の外形が、471mm×246mmであるため、471mm側を3分割、246mm側を2分割し、6個を配置した。
請求項8に記載されている発明に関する「テーパー角度」については、30度程度となるように、高さを200mmとし、内部に十字状の仕切り板10を設置した。
請求項10、11、12、13に記載されている発明に関する「直管部」は、円筒状基体の外径より30mm大きいφ60mmとし、高さを60mmとする。
循環ポンプには、ケーシング及びインペラがPTFEライニングが施された遠心式マグネットポンプを使用し、直管部における槽内平均流速を0.006m/sとして循環させた。
図3にその概略構成図を示すように、1枚多孔状整流板21を具備する装置を適用した。
〔比較例2〕
図4にその概略構成図を示すように、球状の整流層22を具備する装置を適用した。
〔比較例3〕
図5にその概略構成図を示すように、フロート方式の装置を適用した。
整流板が無いものを適用した。その他の条件は、実施例1と同様とした。
〔実施例3〕
テーパー状流入液拡散部6を1個とした。その他の条件は、実施例1と同様とした。
〔実施例4〕
テーパー状流入液拡散部6の高さを50mmとした。その他の条件は、実施例1と同様とした。
〔実施例5〕
直管部9の内径をφ40mm、高さを50mmとした。その他の条件は、実施例1と同様とした。
○:感光体塗膜に濃淡ムラの発生なし
×:感光体塗膜に濃淡ムラの発生あり
とし、5段階で評価した(数字の大きい方が評価が高い)。
比較例3の評価結果から、淀みによる濃淡ムラの発生は確認されなかったが、浸漬、引上げ速度を上げるとフロートと塗工槽内壁との隙間が狭いため、引上げ時に隙間の流速が一部分的に速くなってしまい、縦筋状の濃淡ムラが発生した。
このことから、テーパー状流入拡散部6は、少なくとも集合部11の一辺を200mm以下ごと、更には150mm以下ごとに区切って複数個配列させた構成とする方が望ましいことが確かめられた(請求項2、3の発明の効果)。
なお、ハーフトーン画像は2×2ドット画像であるものとし、感光体は1時間循環後に塗工を行ったもの、6時間循環後に塗工を行ったもの、及び1日循環後に塗工を行ったものを各5本抽出し、評価サンプルとした。
評価結果を下記表2に示す。
2 送液装置
3 整流板
4 塗工槽
5 フロート
6 テーパー状流入液拡散部
8 整流層(球状物体)
9 直管部
10 十字状仕切り板
11 集合部
21 整流板
22 整流層
Claims (16)
- 塗布液ストックタンクから送液装置によって塗布液を塗工槽下方より流入させ、上端よりオーバーフローをさせて液面高さを制御し、かつ電子写真感光体基体を同時に多数本を浸漬して塗工する一浴構造の塗工槽を有する電子写真感光体製造装置であって、
前記一浴構造の塗工槽は、感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部と、集合部と、一つ以上のテーパー状流入液拡散部とを具備しており、
各テーパー状流入液拡散部に、千鳥配列された複数の孔を有する二枚の整流板が設けられ、
該二枚の整流板は、前記テーパー状流入液拡散部における液流入口と、液流出口と、に設けられていることを特徴とする電子写真感光体製造装置。 - 前記テーパー状流入液拡散部は、少なくとも集合部の一辺が200mm以下ごとで区切られており、一つ以上が配列されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記テーパー状流入液拡散部は、集合部の一辺が150mm以下ごとで区切られて、一つ以上が配列されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記整流板は、浸漬塗工中に前記電子写真感光体基体と干渉しないように、当該感光体基体が浸漬最下端位置より下方に二枚設置されており、そのうちの上部に設置される一枚は、前記テーパー状流入液拡散部上方で前記集合部内形と同程度の内径であり、そのうちの最下部に設置される一枚は、前記テーパー状流入液拡散部下方で塗布液流入配管内径と同程度の内径であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記塗布液は、粘度が1mPa・s〜800mPa・sであり、且つ、槽内平均流速が0.003m/s〜0.02m/sであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記多孔板の開口率は、30%から60%の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記多孔板の孔径は、φ0.5mm以上φ5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記テーパー状流入液拡散部のテーパー角度は、45度以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記テーパー状流入液拡散部の内部に十字状の仕切り板が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部の内径は、少なくとも感光体基体外径より14mm以上大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部の内径が、感光体基体外径より30mm以上大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部の高さは、少なくとも感光体基体外径の高さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 前記感光体基体個別毎に同配列に設けられた直管部の高さは、感光体基体外径の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体製造装置。
- 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の塗工槽にて電子写真感光体を製造することを特徴とする電子写真感光体製造方法。
- 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電子写真感光体製造装置にて塗工されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
- 感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなる電子写真感光体であることを特徴とする請求項15に記載の電子写真感光体。
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