JP2003195539A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成方法

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JP2003195539A
JP2003195539A JP2001396233A JP2001396233A JP2003195539A JP 2003195539 A JP2003195539 A JP 2003195539A JP 2001396233 A JP2001396233 A JP 2001396233A JP 2001396233 A JP2001396233 A JP 2001396233A JP 2003195539 A JP2003195539 A JP 2003195539A
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JP2001396233A
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Tomoko Kanazawa
朋子 金澤
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Tomoki Nakamura
知己 中村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子写真感光体の特性において機械的耐久性
が高く、表面平滑性が良好な感光体,感光体表面に直接
接触する転写ベルトを用いた転写手段を有する画優形成
装置においても、感光体に傷が生じにくいため感光体の
長期寿命にわたって画像不良のない特性を維持できる。 【解決手段】 感光層のバインダー樹脂として一般式
〔1〕で表される樹脂を含有する電子写真感光体と、該
感光体表面のトナー像を転写ベルトにより被転写体に転
写し、該転写ベルトにより転写された被転写体を搬送す
る手段を有する画像形成装置、また、導電性基体上に電
荷発生材料、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を少なく
とも含有する感光層を有する電子写真感光体を用いた電
子写真画像形成方法において、最表面層にバインダー樹
脂として一般式〔1〕で表される樹脂を含有する感光体
体、該感光体上のトナー像を転写ベルトにより被転写体
に転写する画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザプ
リンタなどの電子写真装置及び画像形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の光導電性素材と
してはSe、CdS、ZnO等の無機材料が用いられて
いたが、毒性等に問題を有している、耐刷性が低い、温
度特性に問題がある、などのことから、近年では無公害
で成膜性に優れ、且つ材料の選択範囲の広さから有機光
導電性材料を用いた電子写真感光体の開発が盛んに行わ
れている。このような有機系感光体の構成としては、支
持体上に電荷発生材料をバインダー樹脂に分散させた層
(電荷発生層)と電荷輸送材料をバインダー樹脂に分散
させた層(電荷輸送層)をこの順で積み重ねた積層構造
や、電荷発生材料および電荷輸送材料の両方をバインダ
ー樹脂に分散させた単層構造、支持体上に電荷輸送層、
電荷発生層をこの順で積層させた逆二層型等、様々な構
成が提案されている。中でも感光層として電荷発生層上
に電荷輸送層をこの順で積層させた機能分離型の感光体
は、電子写真特性や耐久性に優れ、材料選択の自由度も
高く感光体特性を様々に設計できることから広く実用化
されている。
【0003】しかしながら、現在実用化されている有機
感光体の主な課題は耐久性であり、中でも繰り返し使用
時の膜削れおよび、膜の電気的、化学的変化に起因する
帯電電位の低下および残留電位の上昇などの特性変化を
起こしやすいと云う問題がある。つまりこれらは、帯電
および露光による潜像作成、トナー像の転写紙への転
写、感光体表面残留トナーをブレード等で除去すると云
った過程が幾度ともなく繰返される画像形成プロセスの
中において、感光層の耐刷性が充分でないこと、画像形
成プロセス中で暴露される光もしくはオゾンおよび窒素
酸化物による膜中の有機光導電性化合物の変性や分解が
引き起こされることが主要因であり、現状、実用上の耐
久性にはまだまだ制限がある。
【0004】画像形成プロセスの中で電子写真感光体に
要求される性能は、例えば帯電された時に表面電位が高
く、キャリア保持率が大きく、光感度が高く、しかもあ
らゆる環境下においても特性変動が少ないこと、また、
膜強度が高く、繰り返し使用における耐摩耗性に優れて
おり、ライフを通じて特性安定性が高いこと、さらには
生産効率を向上させる為に、物理的にも化学的にもより
安定した感光体塗布液であることが要求されている。こ
れらの要求に対して感光体の表面層となるバインダー樹
脂の役割は非常に重要であると云える。
【0005】このような感光体に使用されるバインダー
としてはビスフェノールA型のポリカーボネートが用い
られてきた。しかし、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ートは、高分子の結晶性が高いためその溶液はゲル化を
起こしやすく、短期間で塗布液が使用不可能となるとい
う欠点を有している。また塗布により膜形成を行なう
と、膜表面に結晶性ポリカーボネートが析出して収率が
低下したり、複写機中での使用時に、析出した凸部にト
ナーが付着してクリーニングされず、クリーニング不良
による画像欠陥を生じたりする。また、上記ビスフェノ
ールA型ポリカーボネートをバインダー樹脂として用い
た電子写真感光体は、電子写真複写機の感光体として用
いると、現像工程やクリーニング工程でこすられ感光層
表面に傷が付きやすく、感光層が摩耗しやすいという欠
点をもっている。
【0006】また、複写機内部でコロナ放電により発生
するオゾン量を低減する手段として、感光体表面に接触
式の帯電部材を接触させる方法が提案されている。この
方法は発生オゾン量の低減には効果があるものの、感光
体を擦過する部材の増加により、繰り返し使用時の膜削
れが大きくなると言う欠点も有している。これらの欠点
を解消するために、ビスフェノールAと他の重合成分と
のコポリマーも検討されているが、いまだ十分ではな
い。また、感光層表面にビスフェノールZ型ポリカーボ
ネート樹脂をバインダーとして用いることにより、耐久
性を改良する技術も提案されている(特開平3−207
8号公報)。しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート樹脂をバインダーとして用いた感光体は耐刷性、耐
摩耗性は良好であるものの、初期感度が悪く、高温高湿
下での繰り返し使用すると残留電位が上昇すると言う欠
点も有している。また、新規な特定構造のポリカーボネ
ート樹脂も提案されている(特許登録2531852
号)。さらに欠点を補うために2種以上の樹脂を混合す
ることが検討されている。例えば、ビスフェノールA型
ポリカーボネート樹脂とビスフェノールZ型ポリカーボ
ネート樹脂(特許登録1735655号)、対称性ジオ
ールを用いた樹脂と非対称性ジオールを用いた樹脂(特
開平6−317917号公報)などが挙げられる。しか
し近年のドラムの小径化、プロセスの高速化に伴って電
気的、化学的、機械的にさらなる電子写真感光体の耐久
性の向上が必要である。
【0007】−方、感光体上に形成したトナー像を紙等
の披転写体上に転写する転写装置には、コロナ放電下に
転写を行なうコロナ転写が一般的に行なわれているが、
オゾンが発生するため、環境保護の観点からも好ましく
なく、感光体の劣化も早くなるため感光体の寿命が短く
なるという欠点がある。そのため、最近では金属バイア
スローラ転写や導電性ゴムバイアスローラ転写等の接触
ローラ転写の方法もあるが、感光体とバイアスローラの
微細な突起部との間に放電が生じて、クラック現象が発
生するという欠点がある。更に、転写後被転写体と急激
に離れる為、被転写体上のトナーと感光体の残留電荷と
の間に電気的作用が働き、被転写体上のトナー像が乱さ
れる恐れがある。また、近年のプロセスの高速化に伴
い、これらクラック現象や転写不良はより顕著となる。
【0008】プロセスの高速化は感光体寿命の長期化を
要求し、接触ローラ転写において、特定構造のポリカー
ボネート樹脂を用いることも提案されているが、ローラ
転写では感光体とローラとの接触幅が小さいので、転写
が不十分であり特にプロセスが高速化するにつれ、転写
性を確保できなくなるという欠点がある(特開平6−3
17917号公報、特開2001−56576号公
報)。これらローラの問題点を改良するため、近年転写
ベルトを用いた転写方法が増加している(特開平2−3
8236号公報、特開平4−74440号公報)。特
に、転写ズレを発生しにくいので、カラーの複写機、プ
リンタ等に用いられることが多い。しかし、転写ベルト
は感光体との密着性に優れ、転写性が良く、高速化にも
耐え得るという利点もあるが、その反面、感光体との接
触面積が大きい為、感光体の摩耗量が増加するという欠
点も派生してしまう。プロセスの高速化に対応するため
には、より耐久性の高い感光体と、高速化に耐え得る、
優れた転写性を持ち合わせた画像形成装置の開発が望ま
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真感光体の特性において、光感度特性、帯電特性、繰
り返し使用における特性安定性にすぐれる上に、機械的
耐久性が高く、表面平滑性が良好な感光体の提供にあ
り、従って、感光体表面に直接接触する転写ベルトを用
いた転写手段を有する画像形成装置においても、感光体
に傷が生じにくいため感光体の長期寿命にわたって画像
不良のない特性を維持できる画像形成装置および画像形
成方法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機感光体を
用いた電子写真画像形成装置において、前記感光層のバ
インダー樹脂として下記一般式〔1〕で表される樹脂を
含有する電子写真感光体と、該感光体表面のトナー像を
転写ベルトにより被転写体に転写し、該転写ベルトによ
り転写された被転写体を搬送する手段を有する画像形成
装置、および、導電性基体上に電荷発生材料、電荷輸送
材料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する感光層を
有する電子写真感光体を用いた電子写真画像形成方法に
おいて、最表面層にバインダー樹脂として下記一般式
〔1〕で表される樹脂を含有する感光体上に静電潜像を
形成する潜像形成工程と、該感光体上のトナー像を転写
ベルトにより被転写体に転写し、該転写ベルトにより転
写された被転写体を搬送する工程とを含むことを特徴と
する画像形成方法によって達成される。
【0011】
【化3】 (式中、R、R、R、R、R、R、R
びRは各々水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換の
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10の環状炭化
水素残基、置換、無置換のアリール基を表す。Lは整数
である。)
【0012】さらに、化合物の粘度平均分子量を特定
し、感光体のプロセススピードを特定することで、本発
明を完成するに至った。
【0013】(作用)感光層のバインダ樹脂として前記
一般式〔1〕で表される樹脂を含有すると、光感度特
性、繰り返し使用における特性安定性、機械的耐久性に
優れ、かつ接触式転写手段を有する画像形成装置で繰り
返し使用に供した時にも摩耗量が小さい電子写真感光体
を提供でき、その感光体を用いることで、該感光体表面
のトナー像を感光体との接触面積が大きい転写ベルトに
より被転写体に転写し、該転写ベルトにより転写された
被転写体を搬送する手段を設けた画像形成装置を提供す
ることが可能となる。
【0014】また、前記一般式〔1〕で表される樹脂の
粘度平均分子量30,000以上70,000以下であ
ることが必要である。粘度平均分子量が30,000以
下の場合、相溶性が高く、電気特性の繰返し安定性に優
れるが耐刷性の低下が著しくなり、70,000以上だ
と耐刷性は向上するものの、溶液粘度の上昇から電荷輸
送材料との混合に長時間を要したり、塗布膜のムラが発
生しやすく生産性が低下する。
【0015】感光体のプロセススピードが350mm/
sec以上であることが必要である。感光体のプロセス
スピードが350mm/sec以下の場合、感光層のバ
インダ樹脂として前記一般式〔1〕で表される樹脂を含
有する感光体を用いなくとも、接触転写方式、特に転写
ベルトを用いても感光体の寿命を通じて良好な転写性及
び画質を維持することが可能であるが、350mm/s
ec以上の高速になると、それだけ感光体の長期寿命も
求められ、感光層のバインダ樹脂として一般式〔1〕で
表される樹脂を含有する感光体を用いることで、感光体
との接触面積が大きい転写ベルトを用いても感光体の摩
耗量が小さく、転写性及び画質を維持しながら感光体の
長期寿命を全うすることが可能となる。
【0016】感光層のバインダ樹脂として一般式〔1〕
で表される樹脂を含有すると、光感度特性・繰り返し使
用における特性安定性、機械的耐久性に優れ、かつ接触
式転写手段を有する画像形成装置で繰り返し使用に供し
た時にも摩耗量が小さい電子写真感光体を提供でき、そ
の感光体を用いることで、該感光体表面のトナー像を感
光体との接触面積が大きい転写ベルトにより被転写体に
転写し、該転写ベルトにより転写された被転写体を搬送
する手段を有する画像形成方法を用いることが可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について図面を参
照して詳細に説明する。図1〜5に本発明の一実施の形
態である感光体を示す。図中、1は導電性支持体を、2
は電荷発生材料、3は電荷輸送材料を、4、4’は感光
層を、5は電荷発生層を、6は電荷輸送層を、8は中間
層(下引き層)を示す。図1の感光体は、導電性支持体
上に電荷発生層と電荷輸送層を積層した積層型感光体を
示す図である。図2の感光体は、導電性支持体上に逆に
電荷輸送層と電荷発生層を積層した積層型感光体を示す
図である。図3の感光体は、感光層に電荷発生材料と電
荷輸送材料とを含有する単層型感光体を示す図である。
図4の感光体は、中間層及び電荷発生層と電荷輸送層の
3層からなる積層型感光体を示す図である。図5の感光
体は、中間層及び感光層からなる感光体を示す図であ
る。
【0018】導電位支持体1としては、例えば、アルミ
ニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス、クロ
ム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、
金、白金等の金属及び合金材料を用いることができ、そ
の他にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金や
酸化インジウム等を蒸着または塗布したポリエステルフ
ィルム、紙及び金属フィルム、導電性粒子を含有したプ
ラスチックや紙、ならびに導電性ポリマーを含有するプ
ラスチック等を用いることができる。これらの材料は、
円筒状、円柱状、または薄膜シート状に加工して用いら
れる。
【0019】導電性支持体1と感光層4との間には中間
層(下引き層)8を導入してもよい。下引き層として
は、一般にアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコ
ール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタ
ン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層、または有機層
に無機顔料としてアルミニウム、銅、錫、亜鉛、チタン
などの金属あるいは酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化
チタン等の金属酸化物などの導電性または半導電性微粒
子を含有させたものが一般に用いられている。酸化チタ
ンの結晶形としては、アナターゼ型とルチル型、アモル
ファスなどがあるが、いずれを用いてもよく、また2種
以上混合してもよい。酸化チタン粒子の表面は、Al
、ZrO等もしくはその混合物などの金属酸化物
で被覆させたものを用いることが好ましい。
【0020】下引き層に含有されるバインダー樹脂とし
ては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、
デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の
樹脂を用いることができるが、好ましくはポリアミド樹
脂が用いられる。この理由は、バインダー樹脂の特性と
して、下引き層の上に感光体層を形成する際に用いられ
る溶媒に対して溶解や膨潤などが起こらないことや、導
電性支持体との接着性に優れ、可とう性を有すること等
の特性が必要とされるからである。ポリアミド樹脂のう
ちより好ましくは、アルコール可溶性ナイロン樹脂を用
いることができる。例えば、6−ナイロン、66−ナイ
ロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイ
ロン等を共重合させたいわゆる共重合ナイロンや、N−
アルコキシメチル変性ナイロン、N−アルコキシエチル
変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた
タイプなどである。
【0021】本発明において下引き層用塗布液に使用さ
れる有機溶剤としては一般的な有機溶剤を使用すること
ができるが、バインダー樹脂としてより好ましいアルコ
ール可溶性ナイロン樹脂を用いる場合には、炭素数1〜
4の低級アルコール群と、例えば、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1・2−ジクロロエタン、1・2−ジクロ
ロプロパン、トルエン、テトラヒドロフラン,1・3−
ジオキソラン等の他の有機溶媒よりなる群とから選ばれ
た単独系及び混合系の有機溶媒からなることが好まし
い。ここで、上記の有機溶媒を混合することによリアル
コール系溶媒単独よりも酸化チタンの分散性が改善さ
れ、塗布液の保存安定性の長期化や塗布液の再生が可能
となる。又、下引き層用塗布液中に導電性支持体を浸漬
塗布して下引き層を形成する際、下引き層の塗布欠陥や
ムラを防止し、その上に形成される感光層が均−に塗布
できることより、膜欠陥の無い非常に優れた画像特性を
有する電子写真感光体を形成することができる。
【0022】下引き層の製造方法としては、上記無機顔
料に溶剤とバインダー樹脂を加えボールミル、ダイノー
ミル、超音波発振機等の分散機を用いて分散して作製し
た下引き層用塗液を用い、シートの場合にはベーカーア
プリケーター、バーコーター、キャスティング、スピン
コート等、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング
法、濃漬塗布法等により作製できる。
【0023】電荷発生層5は、光照射により電荷を発生
する電荷発生材料2を含有し、必要に応じて公知の結合
剤、可塑剤、増感剤を含有する。電荷発生材料2として
は、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物等のペリレン系
顔料、キナクリドン、アントラキノン等の多環キノン系
顔料、金属及び無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金
属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、スクエア
リウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、
及びカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリ
フェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサ
ジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨
格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリル
カルバゾール骨格を有するアゾ顔料等が挙げられる。特
に高い電荷発生能を有する顔料としては、無金属フタロ
シアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フ
ローレン環及びフルオレノン環を含有するビスアゾ顔
料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料が挙げられ、高い感度を有する感光体を提供すること
ができる。更にオキソテタニルフタロシアニンの内、X
繰回折スペクトルのブラッグ角(2±0.2°)27.
3°に回折ピークを示す結晶型は更に高感度であるので
より好ましい。
【0024】電荷発生層5の製造方法としてはこれらの
電荷発生材料2の微粒子に有機溶媒を加え、ボールミ
ル、サンドグラインダー、ペイントシェーカー、超音波
分離機等によって粉砕、分散して得られる塗液を用い、
シートの場合にはベーカーアプリケーター、バーコータ
ー、キャスティング、スピンコート等、ドラムの場合に
はスプレー法、垂直リング法、浸漬塗工法により作製さ
れる。また結着性を増すためにバインダー樹脂として、
例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリ
アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオ
ナール、ポリビニルブチラール、フエノキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹胎、メラミン樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、セルロースエステル、セルロースエ
ーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種
バインダー樹脂を加えてもよい。その膜厚は通常0.0
5〜5μmが好ましく、特に0.1〜1μmが好適であ
る。また、電荷発生層5には必要に応じて、塗布性を改
善するためのレベリング剤や酸化防止乱増感剤等の各種
添加剤を含んでいてもよい。
【0025】電荷発生層5の上に設けられる電荷輸送層
6は、電荷発生材料2で発生した電荷を受け入れ、これ
を輸送する能力を有する電荷輸送材料3と、結着剤を必
須成分とし、電荷輸送材料3としては、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−N−カルバゾリ
ルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルム
アルデヒ縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス
(4−ジべンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導
体、フエニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフ
ェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合
物、トリフェニルメタン系化合物、スチルべン系化合
物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジ
ン化合物等の電子供与性材料、或いはフルオレノン誘導
体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘
導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン
誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリ
ン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、ク
ロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性材料等が挙げら
れる。
【0026】この中でも下記構造を有する特定のブタジ
エン系化合物、スチリル系化合物、アミン化合物は材料
自体のホール輸送能力が高いため、樹脂比率の高い状態
でも高感度を維持できるので本発明では、より好適であ
る。その一例を下記に示す。ブタジエン化合物としては
次の構造式で示される化合物が挙げられる。
【0027】
【化4】 (式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ
置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar〜Ar
の少なくとも1つは置換基として置換アミノ基を有す
るアリール基である。nは0または1を示す。)
【0028】具体的には次の構造式化6〜化17で示さ
れる化合物が挙げられる。
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】スチリル系化合物としては次の構造式で示
される化合物が挙げられる。
【化7】 〔式中、Arは置換基を有しても良いアリール基を表
し、Arは置換基を有しても良いフェニレン基、ナフ
テレン基、ビフェニレン基、あるいはアントリレン基を
表し、R17は水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を表し、Xは水素原子、置換基を有しても良
いアルキル基または置換基を有しても良いアリール基を
表し、Yは置換基を有しても良いアリール基等を表わ
す。〕
【0031】具体的には次の構造式化18〜化33で示
される化合物が挙げられる。
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】アミン系化合物としては次の構造式で示さ
れる化合物が挙げられる。
【化12】 〔式中、R18〜R23は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基またはアルコキシ基を表し、p、q、r、s、
t、uは1〜5の整数を表す。〕
【0036】具体的には次の構造式化34〜化39で示
される化合物が挙げられる。
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】これらの電荷輸送材料3が、バインダー樹
脂に結着した形で電荷輸送層6が形成される。電荷輸送
屠6に使用される結着剤樹脂は、本発明の前記一般式
〔1〕で示されるバインダー樹脂が用いられる。一般式
〔1〕で示されるバインダー樹脂は構造が非対称である
ため結晶化しにくく、なおかつ嵩張る基がないため溶液
から乾固される際には密に充填することができ強固に製
膜ができるため、耐耗性に優れている。分子量として
は、感光体の電気特性、繰り返し安定性、耐刷性の面か
ら前記一般式〔1〕のポリカーボネート樹脂は粘度平均
分子量が30,000以上70,000以下であること
が好ましい。粘度平均分子量が30,000以下の場
合、相溶性が高く電気特性の繰返し安定性に優れるが耐
刷性の低下が著しくなり、70,000より大きい場
合、耐刷性は向上するものの、溶液粘度の上昇から電荷
輸送材料との混合に長時間を要したり、塗布膜のムラが
発生しやすく生産性が低下する。
【0039】本発明は表面層に、前記一般式〔1〕で表
される樹脂を含有する感光体上に静電潜像を形成する潜
像形成工程と、該感光体上のトナー像を転写ベルトによ
り被転写体に転写し、該転写ベルトにより転写された被
転写体を搬送する工程とを含むことを特徴とする画像形
成方法にて用いることを特徴としている。
【0040】
【化15】 (式中、R、R、R、R、R、R、R
びRは各々水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換の
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10の環状炭化
水素残基、置換、無置換のアリール基を表す。Lは整数
である。)
【0041】一般式[1]で示される繰り返し単位に
は、具体的には下記の構造式、化40〜化44で表され
るような樹脂がある。
【化16】 さらに、下記一般式〔2〕で示される樹脂とブレンドす
るとオゾンやNOx等の化学的変化に対して強くするこ
とができる。一般式〔2〕で示されるバインダー樹脂は
ガス透過率が小さいため、オゾンやNOxなど感光体特
性を劣化させるガスの浸透を防ぐことができるためであ
る。これらの樹脂は電荷輸送材料と相溶性に優れ、耐久
性にも優れている。
【0042】
【化17】 (式中、R、R10、R11、R12、R13、R
14、R15、及びR16は各々水素原子、ハロゲン原
子、置換、無置換の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
4〜10の環状炭化水素残基、置換、無置換のアリール
基を表す。Zは置換若しくは未置換の炭素環または置換
若しくは未置換の複素環を形成するのに必要な原子群で
ある。mは整数である。)
【0043】一般式〔2〕で示される繰り返し単位に
は、具体的には下記の構造式、化45〜化49で表され
るような樹脂がある。
【化18】
【0044】これらの樹脂のブレンドは電荷輸送材料と
相溶性に優れ、耐久性にも優れている。両バインダー樹
脂の混合比率としては2:8から8:2が好ましく、こ
れより一般式〔1〕で表される繰り返し単位を主成分と
する樹脂が少ない場合には、所望の機械的強度が得られ
ず、キズが発生しやすくなる。逆にこれより一般式
〔2〕で表される繰り返し単位を主成分とする樹脂が少
ない場合には、オゾン、NOxによる劣化から画像にハ
ーフトーン白抜け、黒帯が発生しやすくなる。
【0045】一方、一般式〔2〕のポリカーボネート樹
脂は粘度平均分子量が15,000〜35,000であ
ることが好ましい。粘度平均分子量が15,000未満
の場合、帯電プロセスにて発生されるオゾン、NOx等
に対する画像安定性(ハーフトン白抜け、黒帯発生)は
向上するものの、耐刷性の低下が著しくなり、35,0
00より大きい場合、耐刷性は向上するものの初期感度
の低下、繰り返し使用時、残留電位の上昇および画像安
定性の低下が大きくなる。
【0046】またこれらの材料を溶解させる溶剤は、メ
タノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等の脂肪
族、ハロゲン炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼン、ト
ルエン等の芳香族類等である。電荷輸送材料/バインダ
ー樹脂比率は、通常10/6〜10/15程度である
が、本発明では耐摩耗性向上の観点から10/14〜1
0/20が好適である。本発明の電荷輸送層用塗布液に
は、成膜性、可とう性、塗布性等を向上させる為に、可
塑剤、酸化防止剤、軌紫外線吸収剤、レベリング剤等の
添加刺を含有させてもよい。
【0047】10/14より電荷輸送材料が多い場合、
感度特性は良好であるものの、帯電特性、膜の機械的強
度、帯電プロセスにて発生されるオゾン、NOx等に対
する画像安定性(HT白抜け、黒帯発生)が低下し、1
0/20よリバインダー樹脂が多い場合では逆に帯電特
性、機械的強度、画像安定性は良好であるものの感度特
性の低下が著しくなる。また電荷輸送層の膜厚は、約1
0〜約50μm、好ましくは約10〜約35μmであ
る。
【0048】酸化防止剤としては一般に樹脂などに添加
して利用される酸化防止剤をそのまま使用することがで
きる。例えば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダー
ドアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジア
ミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫
黄化合物、有機燐化合物などを配合して用いてもよい。
レベリング剤としては、シリコンオイル類や側鎖にパー
フルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマ
ーが使用でき、使用量は結着樹脂100重量部に対し0
〜1重量部が適当である。
【0049】電荷輸送層用の塗布液は、電荷輸送材料、
バインダー樹脂および添加剤を計量し、所定量の有機溶
媒に同時に溶解させて作製する方法でも問題はなく−般
的であるが、まず、バインダー樹脂を溶媒中に溶解させ
たのちに電荷輸送材料を投入、溶解させる方法が中でも
好ましい。この方法によれば、バインダー樹脂への電荷
輸送材料の分子分散性が向上され、膜中での潜在的かつ
局所的な電荷輸送剤の結晶化が抑制されることにより、
初期感度の向上、繰り返し使用時の電位安定性、良好な
画像特性等が付与される。塗布方法としては、下引き層
及び電荷発生層と同様の方法が用いられる。電荷輸送材
料を溶解(または分散)させる適当な溶剤としては、電
荷発生材料を分散する溶剤と実質的に異ならず、電荷発
生材料に関して列挙した溶剤の中から選択できる。特に
好ましい溶剤は、テトラヒドロフランである。
【0050】次いで画像形成装置の一例を該略説明図で
説明する。尚、本発明に係る画像形成装置は以下に記載
の内容に限定されるものではない。図6は、有機感光体
を搭載したプリンタ/複写複合機を示す図である。プリ
ンタ/複写複合機9は、該感光体10、半導体レーザ1
1、帯電器12、現像器13、転写装置14、定着器1
5、クリーナ16を含んで構成される。感光体10は、
図示しない駆動手段によって図中の矢符21の方向に回
転可能なようにして、複合機に搭載される。半導体レー
ザ11からのレーザビームは、感光体10の表面に対し
てその長手方向(主走査方向)に繰り返し走査される。
感光体10を回転させ、レーザビームを上述のようにし
て走査して結像させることによって、感光体10の表面
には静電潜像が形成される。
【0051】帯電器12は、半導体レーザ11の結像点
よりも感光体10の回転方向上流側に設けられ、感光体
10の表面を均−に帯電させる。帯電器12はコロナ放
電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器に
正または負の直流電圧がかけられている。前記帯電手段
としては導電性ブラシまたは導電性ローラー等、接触式
帯電器を用いても良い。帯電器12には前記直流電圧に
加え更に交流電圧を重畳して脈流電圧を印可するように
してもよい。現像器13は、前紀結像点よりも回転方向
下流に設けられ、感光体10にトナーを供給し、静電潜
像をトナー像として現像する。転写紙は、感光体10へ
の露光と同期して、現像器13の更に回転方向下流側に
設けられる転写装置14に与えられ、トナー像が転写紙
に転写される。転写装置14は給電ロ−ラ17と複数個
の保持ローラ18、及びローラ間に架け渡された絶縁性
の転写ベルト19とから構成されている。該転写ベルト
19の帯電は給電ローラ17との圧接により行なわれ
る。また、該転写ベルト19は上記感光体10の外周面
の一部に接触していると共に、転写クリーニングブレー
ド20にも接触している。転写クリーニングブレード2
0は転写ベルト19に付着したトナー等を掻き落として
転写ベルト19を清掃するものである。
【0052】本発明に好ましく用いられる転写ベルトの
材質に、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレー
ト等が知られているが、ゴム等のベルト基体にフツ素系
樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート等の誘導層をコ
ーティングして電気抵抗を持たせると、なお好ましい。
また、ポリカーボネートのベルトにおいては、製造過程
でカーボン量を調節して、抵抗値を制御することも可能
である。さらに、転写ベルトに流れる電流は画像形成装
置によっても異なるが、40〜60μAが好ましい。
【0053】転写紙は転写ベルト19と図示されない搬
送ガイドによって定着器15に搬送されて、トナー像が
転写紙に定着される。このようにして画像が形成された
転写紙は排紙される。尚、転写装置14の更に回転方向
下流側であって前記帯電器12の回転方向上流側には、
感光体10表面に残留するトナーを清掃するクリーナ1
6が図示されない除電ランプと共に設けられる。感光体
10を回転させることによって画像形成が繰り返され
る。尚、複合機の構成は図に示されるものに限らず、本
発明に係る感光体が使用可能であれば、異なる構成であ
ってもかまわない。また、複合機に限らず、プリンタ、
複写機単独であってもかまわない。
【0054】また、感光体10を、帯電器12、現像器
13及びクリーナ16のうちの少なくともいずれか1つ
と一体的に構成して、プロセスカートリッジとしてもか
まわない。例えば、感光体10、帯電器12、現像器1
3及びクリーナ16の全てを組み込んだプロセスカート
リッジ、感光体10、帯電器12及び現像器16を組み
込んだプロセスカートリッジ、感光体10とクリーナ1
6とを組み込んだプロセスカートリッジ、感光体10と
現像器17とを組み込んだプロセスカートリッジが構成
可能である。プロセスカートリツジを用いると、メンテ
ナンスパーツの交換が容易となる。また現像器13とし
ては、接触式及び非接触式のうち少なくともいずれか一
方を用いてもかまわない。本発明による感光体は耐摩耗
性に優れるため、クリーナ16としては、プレードクリ
ーナやブラシクリーナ等を用いてもかまわない。
【0055】[実施例]以下に、実施例及び比較例を用い
て本発明を更に具体的説明するが、本発明はこれら実施
例などにより何ら限定されるものではない。 (実施例1)酸化チタン7重量部と共重合ナイロン(東
レ製 CM8000)13重量部を、メチルアルコール
159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部の混
合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理
し中間層用塗液を調整した。この塗液を塗布槽に満た
し、導電性支持体として直径100mm、全長350m
mのアルミニウム製のドラム状支持体を、浸漬し引き上
げ、自然乾燥して膜厚1μmの中間層を形成した。次い
で、チタニルフタロシアニン1重量部、ブチラール樹脂
1重量部をメチルエチルケトン98重量部に混合しペイ
ントシェーカーにて分散処理して得られた電荷発生層用
塗液を上記中間層上に塗布、自然乾燥して膜厚0.4μ
mの電荷発生層を形成した。
【0056】続いて、例示の構造式〔化34〕で示され
るアミン化合物70重量部、構造式〔化35〕で示され
るアミン化合物30重量部、構造式〔化40〕で示され
る繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均
分子量50,000)80重量部と構造式〔化45〕で
示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘
度平均分子量21,500)80重量部、2.6−ビス
−tert−ブチル−4−メチルフェノール10重量部
を混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分23
wt%の電荷輸送層用塗液を作り、上記電荷発生層上に
塗布、120℃にて−時間乾燥し膜厚29μmの電荷輸
送層を形成した。
【0057】(実施例2)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化45〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を含有せず、
構造式〔化40〕で示される繰返し単位を有するポリカ
ーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)160
重量部のみとした他は実施例1と同様にしてサンプルを
作製した。
【0058】(実施例3)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化40〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を120重量
部、構造式〔化45〕で示される繰返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂を30重量部とした他は実施例1と
同様にしてサンプルを作製した。
【0059】(実施例4)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化40〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を30重量
部、構造式〔化45〕で示される繰返し単位を有するポ
リカーボネート樹脂を120重量部とした他は実施例1
と同様にしてサンプルを作製した。
【0060】(実施例5)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化40〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を粘度平均分
子量25,000のものを用いた他は実施例1と同様に
してサンプルを作製した。
【0061】(実施例6)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化40〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を粘度平均分
子量75,000のものを用いた他は実施例1と同様に
してサンプルを作製したが、電荷輸送層塗布液が高粘度
のため膜厚ムラが発生した。このため、導電性支持体と
してアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚さ100μm)を用い、この上に、中間
層、電荷発生層、電荷輸送層をアプリケーターにより塗
布し乾燥してサンプルを作製した。膜厚、乾燥条件は実
施例1と同様にした。完成したサンプルを実施例1で用
いたものと同じ形状のドラム状支持体に貼り付け評価用
サンプルとした。
【0062】(実施例7)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化45〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を粘度平均分
子量10,000のものを用いた他は実施例1と同様に
してサンプルを作製した。
【0063】(実施例8)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化45〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を粘度平均分
子量39,000のものを用いた他は実施例1と同様に
してサンプルを作製したが、電荷輸送層塗布液が高粘度
のため膜厚ムラが発生した。このため導電性支持体とし
てアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ100μm)を用い、この上に、中間
層、電荷発生層、電荷輸送層をアプリケーターにより塗
布し乾燥してサンプルを作製した。膜厚、乾操条件は実
施例1と同様にした。完成したサンプルを実施例1で用
いたものと同じ形状のドラム状支持体に貼り付け評価用
サンプルとした。
【0064】(実施例9)実施例1において電荷輸送層
用の電荷輸送材料として構造式〔化7〕で示されるブタ
ジエン化合物を用いた他は実施例1と同様にしてサンプ
ルを作製した。 (実施例10)実施例1において電荷輸送層用の電荷輸
送材料として構造式〔化25〕で示されるスチリル系化
合物を用いた他は実施例1と同様にしてサンプルを作製
した。 (実施11)実施例1において電荷輸送層用の電荷輸送
材料として4−ジベンジルアミノ−2−メチルベンズア
ルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンを用いた他は
実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
【0065】(実施例12)酸化チタン7重量部と共重
合ナイロン13重量部をメチルアルコール159重量部
と1,3−ジオキソラン106重量部の混合溶剤に加
え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理し中間層用
塗液を調整した。この塗液を塗布槽に満たし、導電性支
持体として直径100mm、全長350mmのアルミニ
ウム製のドラム状支持体を、浸漬し引き上げ、自然乾燥
して膜厚1μmの中間層を形成した。
【0066】次いで、電荷発生材料としてオキソテタニ
ルフタロシアニン8重量部をテトラヒドロフラン100
重量部に混合しペイントシェーカーにて分散処理した
後、例示の構造式〔化34〕で示されるアミン化合物7
0重量部、構造式〔化35〕で示されるアミン化合物3
0重量部、構造式〔化40〕で示される繰返し単位を有
するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,00
0)80重量部と構造式〔化45〕で示される繰返し単
位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量2
1,500)80重量部、2,6−ビス−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール10重量部、テトラヒドロ
フラン1170重量部を混合し、撹拌して感光層用塗液
を作製した。この塗液を塗布槽に満たし、導電性支持体
として直径100mm、全長350mmのアルミニウム
製のドラム状支持体を、浸漬し引き上げ、120℃で1
時間乾燥して膜厚28μmの図5に示される構成の本発
明の単層型感光体を形成した。
【0067】(実施例13)実施例1において構造式
〔化40〕で示される繰返し単位を有するポリカーボネ
ート樹脂を粘度平均分子量30,000のものを用いた
他は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。 (実施例14)実施例1において構造式〔化45〕で示
される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂を粘度
平均分子量32,200のものを用いた他は実施例1と
同様にサンプルを作製した。 (比較例1)実施例1において電荷輸送層用のバインダ
ー樹脂として下記一般式〔化50〕で表わされる変性ポ
リカーボネート樹脂160重量部のみとした他は実施例
1と同様にしてサンプルを作製した。
【0068】
【化19】
【0069】(比較例2)実施例1において電荷輸送層
用のバインダー樹脂として構造式〔化45〕で示される
繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分
子量21,500)160重量部のみとした他は実施例
1と同様にしてサンプルを作製した。 (比較例3)実施例1の感光体を、実施例及び比較例
1、2で評価した試作複写機に装着し、転写手段を接触
式導電性ゴムバイアスローラ転写に変更して同様の評価
を行った。
【0070】(評価) ・初期画像の評価 ゴム状ベルト基体に誘導層をコーティングした転写ベル
トを装備した図6に示した構造をもち、プロセススピー
ドが420mm/secの試作複写機に試作した電子写
真感光体を搭載し、ハーフトーン画像を確認した。
【0071】・電位の評価 次に、現像槽を取り出し、その代わりに現像部位に表面
電位計(Trek社製Mode1344)をセットし、
黒ベタ原稿の電位VO、白ベタ原稿の電位VLを測定し
た。なお、実施例12においては、帯電、転写の極性を
正帯電に改造し評価した。 ・耐久性の評価 表面電位計を取り出し、再び現像槽を評価用複写機に搭
載し、A4、20万枚のコピーを行つた後、初期と同様
に測定を行い、繰返し使用時の変化を評価した。実施例
1〜14、及び比較例1〜3のサンプルの評価結果を表
1に示す。
【0072】(比較例4)実施例1の感光体を、実施例
及び比較例1、2で評価した試作複写機に装着し、プロ
セススピードを300mm/secに変更して同様の評
価を行った。評価結果を表1に示す。 (比較例5)比較例1の感光体を、比較例4で評価した
駄作複写機に装着し、同様の評価を行った。評価結果を
表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】本発明の一般式〔1〕で示される樹脂と好
ましい電荷輸送杉料を用いた実施例では、いずれも光感
度特性、繰り返し使用における特性安定性、機械的耐久
性に優れ、感光体に傷が生じないことがわかる。しか
し、実施例5や実施例7のように好ましい分子量より小
さい分子量の樹脂を用いたものは若干摩耗量の多い結果
となった。逆に、実施例6や実施例8のように好ましい
分子量より大きい分子量の樹脂を用いた場合には、浸漬
塗布が困難でアプリケーター塗布やスプレー塗布での作
製が必要である。また好ましい電荷輸送材料以外を用い
た実施例11では、若干、感度が低く露光調整が必要で
あった。また、これら積層感光体と実施例12の単層型
感光体を比較すると積層型感光体の方が、感度が良好で
あることがわかる。
【0075】一方、本発明以外の樹脂を用いた比較例1
ではブレードや紙との摩擦によるキズが多発した。一般
式〔2〕で示される化合物のみを用いた比較例2では、
低感度であり画像調整しても良好な画像を得ることが出
来なかった。また、実施例2では、繰り返し使用によっ
てオゾンやNOxに暴露された部分が劣化し、若干画像
ムラが発生したが回復性があるため、実使用上問題とは
ならなかった。また、比較例3では転写ローラであるこ
とから、磨耗量はやや小さいが、感光体との間にわずか
にクラックが発生するためVOが低下し、画像も転写不
良によるムラや文字細り等が発生した。比較例4、5で
はプロセススピードが小さいため、繰り返しの疲労によ
り感度がやや低下し、若干濃度低下を起こした程度で実
使用上問題とはならず、比較例5も本発明以外の樹脂を
用いているが、軽微な傷が発生したに留まり、実使用上
問題とはならなかった。実施例1及び比較例1、4、5
から、プロセススピードが小さければ本発明以外の樹脂
を用いても、ほぼ問題ない画質を得られるが、プロセス
スピードが大きくなると、本発明の樹脂を用いること
で、繰返しの使用でも良好な画質を得ることが可能にな
った。
【0076】
【発明の効果】本発明により、高感度で、繰り返し安定
性に優れ、かつ電子写真感光層の機械的耐久性が高い感
光体と、転写ベルトを用いた画像形成装置の組み合わせ
によって転写不良が発生せず、感光体に傷が生じないた
め画像不良が発生しない画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を積
層した積層型感光体を示す図。
【図2】導電性支持体上に逆に電荷輸送層と電荷発生層
を積層した積層型感光体を示す図。
【図3】感光層に電荷発生材料と電荷輸送材料を含有す
る単層型感光体を示す図。
【図4】中間層及び電荷発生層と電荷輸送層の3層から
なる積層型感光体を示す図。
【図5】中間層及び感光層からなる感光体を示す図。
【図6】感光体を搭載したプリンタ/複写複合機を示す
図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生材料 3 電荷移動材料 4、4′ 感光層 5 電荷発生層 6 電荷移動層 8 中間層(下引き層) 9 プリンタ/複写複合機 10 感光体 11 半導体レーザ 12 帯電器 13 現像器 14 転写装置 15 定着器 16 クリーナ 17 給電ローラ 18 保持ローラ 19 転写ベルト 20 転写クリーニングブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 知己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA19 AA20 BA12 BA13 BA39 BB26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に電荷発生材料、電荷輸送
    材料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する感光層を
    有する電子写真感光体を用いた画像形成装置において、
    感光層のバインダー樹脂として下記一般式〔1〕で表さ
    れる樹脂を含有する電子写真感光体と、該感光体表面の
    トナー像を転写ベルトにより被載写体に転写し、該転写
    ベルトにより転写された被転写体を搬送する手段を有す
    る画像形成装置。 【化1】 (式中、R、R、R、R、R、R、R
    びRは各々水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換の
    炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10の環状炭化
    水素残基、置換、無置換のアリール基を表す。Lは整数
    である。)
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕で表される樹脂が粘度平均
    分子量30,000以上70,000以下であることを
    特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 感光体のプロセススピードが350mm
    /sec以上であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に電荷発生材料、電荷輸送
    材料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する感光層を
    有する電子写真感光体を用いた電子写真画像形成方法に
    おいて、最表面層のバインダー樹脂として下記一般式
    〔1〕で表される樹脂を含有する感光体上に静電潜像を
    形成する潜像形成工程と、該感光体上のトナー像を転写
    ベルトにより被転写体に転写し、該転写ベルトにより転
    写された被転写体を搬送する工程とを含むことを特徴と
    する画像形成方法。 【化2】 (式中、R、R、R、R、R、R、R
    びRは各々水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換の
    炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10の環状炭化
    水素残基、置換、無置換のアリール基を表す。Lは整数
    である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007102199A (ja) * 2005-09-07 2007-04-19 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体
JP2007164089A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Kyocera Mita Corp 積層型電子写真感光体および画像形成装置
JP2007256783A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Kyocera Mita Corp 積層型電子写真感光体及び画像形成装置

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