JP6310179B2 - ゲル塗工機及びリチウムイオン二次電池の製造装置 - Google Patents

ゲル塗工機及びリチウムイオン二次電池の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゲル塗工機及びリチウムイオン二次電池の製造装置に関する。
従来より、リチウムイオン二次電池の製造は、正極板と負極板とを、これらの間にセパレータを介装させて積層し、ラミネートフィルム等のケーシング内に収納した後、ケーシング内に電解液を注入して正極板と負極板との間に介在させて密封し、積層された正極板と負極板のそれぞれに接続された電極端子をケースから突出させて行っている(例えば、下記特許文献1)。
そして、前記ケーシング内への電解液の注入は、内部を負圧雰囲気下にしたチャンバーと呼ばれる容器内に前記積層体を収容したケーシングを置き、真空引きをして行っている。
特開2010−102871号公報
ところで、近年、リチウムイオン二次電池は、5kWh〜10kWhの住宅用の定置電池又は23.4kWhの車載用電池等の大容量の二次電池としてのニーズが高まっており、リチウムイオン電池のセルも大型化している。
しかし、上記したように、チャンバー内で真空引きを行って電解液を注入するという方法でリチウムイオン二次電池を製造したのでは、セルの大型化に伴うチャンバーの大型化、真空引き装置の大型化により製造設備費用が押し上げられるとともに、注液の長時間化により、製造効率を上げられず、安価なリチウムイオン二次電池を広く提供することを困難とするという問題となっていた。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、コスト高等の要因となっている注液工程を省き、ゲル状の電解質を用いて、安価かつ効率的にリチウムイオン二次電池を製造することができる装置を提供することを課題とする。
本発明は、正極板、負極板及びこれら正極板と負極板との間に介装されるセパレータの少なくともいずれかにゲル状の電解質を介装させるゲル塗工機において、前記ゲル状の電解質を移送させる配管と、該配管の先端側に取り付けられるとともにガイドレールに沿って摺動自在に設けられ、先端開口部を有して前記ゲル状の電解質を前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの少なくともいずれかの表面に塗工して前記ゲル状の電解質を配する塗工ノズルと、を備え、前記配管は、フレキシブル配管と、前記ガイドレールに摺動自在に支持され前記フレキシブル配管及び前記塗工ノズルの間を接続するノズル固定配管と、からなり、前記塗工ノズルの内部には、前記塗工ノズルの幅方向に延びる拡散流路と、一端が前記拡散流路に連通するとともに、他端が前記先端開口部に連通する複数の分岐流路と、が設けられ、前記塗工ノズル及び前記配管は、加温されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の分岐流路は、前記塗工ノズルの幅方向に等間隔で設けられていることが好ましい。
この構成によれば、正極板及び負極板の積層工程でゲル状の電解質を配することにより、簡便かつ短時間で正極板と負極板との間に電解質を配することができる。そして、ゲル状の電解質を配するにあたり、ゲル状の電解質を塗工直前まで適切に温度管理することが可能となる。
本発明は、前記塗工ノズルの先端開口部は、前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの少なくともいずれかにゲル状の電解質を配する領域の幅に沿って延在するように一又は複数設けられていることが好ましい。
この構成によれば、前記先端開口部からゲル状の電解質を帯状に塗工することができるため、ゲル状の電解質を効率的かつ均質に配することができる。
本発明は、前記塗工ノズルは、ゲル状の電解質を配した前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの表面を押圧する押し当て部を備えていることが好ましい。
この構成によれば、塗工されたゲル状の電解質を正極板、負極板又はセパレータに効率的に浸透させることができる。
リチウムイオン二次電池の製造装置において、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲル塗工機を備えていることを特徴とする。
また、前記塗工ノズルの温度は、前記ゲル状の電解質のゲル化温度10℃以上に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、上記した作用機能を有するリチウムイオン二次電池の製造装置を用いることができる。
本発明によれば、正極板及び負極板の積層工程においてゲル状の電解質を配することにより、簡便かつ短時間で正極板と負極板との間に電解質を介装させることができるとともに、ゲル状の電解質を塗工直前まで温度管理してゲル状の電解質を均質に配することができるため、簡便、短時間でかつより高品質なリチウムイオン二次電池を製造することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態として示したゲル塗工機を備えたリチウムイオン二次電池の製造装置により製造されたリチウムイオン二次電池を模式的に示した斜視図である。 本発明の一実施形態として示したゲル塗工機を備えたリチウムイオン二次電池の製造装置を示した正面図である。 本発明の一実施形態として示したゲル塗工機を備えたリチウムイオン二次電池の製造装置を示した側面図である。 本発明の一実施形態として示したゲル塗工機の塗工ノズルを示した図であり、(a)は(b)をX−X線で矢視した断面図、(b)は正面図、(c)はその側面図、(d)はその底面図である。 本発明の一実施形態として示したゲル塗工機の変形例を示す要部側面図である。
本発明の一実施形態リチウムイオン二次電池の製造装置を用いて製造される図1に示す多層の膜電極積層体1は、正極板2と、セパレータ3と、負極板4とを順に積層し、ゲル状電解質(不図示)を正極板2と負極板4との間に配し、更に上下に積層された複数の正極板2,2・・の一端部2a,2a・・を接合して端子用タブ5を接合し、複数の負極板4,4・・の一端部4a,4a・・を接合して端子用タブ6を接合したものである。
この多層の膜電極接合体1は、ラミネートフィルム等により形成された筐体7内に配置されて、例えばリチウムイオン二次電池等の積層型電池Pとなる。
図1,図2に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造装置11は、電極板積層装置12とゲル塗工機10とを備えて構成されている。
電極板積層装置12は、積層ステージ13、積層する正極板2及び負極板4を収容しておく収容部14A,14B、正極板2,負極板4それぞれの保持アーム15A,15B、保持アーム15A,15Bを支持する支持板16、セパレータ3を折り返しながら正極板2と負極板4との間に介装させるセパレータ介装機17(図3では省略)を備えている。
積層ステージ13は、正極板2及び負極板4を載置できる表面積を有し、その上面で正極板2、負極板4及びセパレータ3を積層させる作業台である。この積層ステージ13は、上下動可能に構成されており、正極板2、セパレータ3及び負極板4が積層されて積層体1aの厚みが増すに連れて漸次下降するようになっている。
積層ステージ13の両側方には、積層ステージ13から同距離だけ離間した位置にシート状の正極板2の平板面を鉛直方向に向けて重ね収容した正極板用の収容部14Aと、正極板2と同様にして負極板4を収容した負極板用の収容部14Bとが設置されている。
なお、正極板2は、例えば正極活物質、導電助剤及びバインダーとなる結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを用いて構成された正極活物質層が集電体両面に形成さたもので、矩形その他の所定の形状に打ち抜かれた枚葉状態で収容部14Aに重ねて載置されている。
また、負極板4は、例えば炭素粉末や黒鉛粉末等からなる炭素材料と、ポリフッ化ビニリデンのような結着剤とを溶媒に分散させてなる負極用スラリーを用いて構成された負極活物質層が、銅(Cu)からなる集電体に形成されたもので、矩形その他の所定の形状に打ち抜かれた枚葉状態で収容部14Bに重ねて載置されている。
保持アーム15A,15Bは、正極板2の保持用と負極板4の保持用とが水平方向に左右対称となるよう支持板16に一対固定されている。
保持アーム15A,15B同士の間は、一方の保持アーム15A(15B)が収容部14A(14B)に上方から対向配置した際に、他方の保持アーム15B(15A)が積層ステージ13に上方から対向配置し得る距離で支持板16に固定されている。そして、一方の保持アーム15Aが正極板2の収容部14Aの上方に位置して正極板2を保持するときに他方の保持アーム15Bが積層ステージ13の上方に位置して負極板4を積層することができ、他方の保持アーム15Bが負極板4の収容部14Bの上方に位置して負極板4を保持するときに一方の保持アーム15Aが積層ステージ13の上方に位置して正極板2を積層することができるようになっている。
セパレータ介装機17は、ロール18から引き出された帯状のセパレータ3の延在方向中間を保持するセパレータ保持部19を備えている。セパレータ保持部19は、一対の保持アーム15A,15Bの間に配置され、保持アーム15A,15Bの水平方向の動きに同期して水平方向に往復運動し、セパレータ3を折り返しながら左右に移動し、いわゆるつづら折りにできるように構成されている。
なお、セパレータ3は、不織布等を基材として形成されたものであり、材質として、特に限定されないが、セルロース、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)やポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂等が用いられる。セパレータ3は、その内部に空隙部を有しており、セパレータ3の一方の板面から他方の板面に向かってゲル状の電解質を通過させることができるようになっている。特に不織布の場合、空隙部の空隙率が40%未満の場合、ゲル状の電解質を通過させることが困難となり、90%以上の場合セパレータ3の強度が弱くなり多層の膜電極接合体1の作製工程において破損するおそれがある。したがって、セパレータ3の空隙率は、40%〜90%とされている。
なお、セパレータ3の空隙率とは、セパレータ3全体の体積に占める空隙部の体積の割合、すなわち「{1−(セパレータを構成する物体の体積)/(セパレータ全体の体積)}×100」を意味する。この場合のセパレータ3全体の体積は、例えば、セパレータ3の表面積と厚みを用いて算定するか、もしくはセパレータの板面の一定面積分を切り出し、切り出されたセパレータ3の板面の面積と厚みの値を用いて算定すればよく、または、セパレータ3の表面単位面積当たりの重量(g/m2)の値を用いても算出してもよい。一方、セパレータ3を構成する物体(例えば不織布である場合には、不織布を構成する繊維)の体積は、切り出されたセパレータ3の重量を測定するとともに、例えば、島津製アキュアピックII 1340等の測定器を用いて、切り出されたセパレータ3の密度を測定し、前記重量を前記密度で割ることによって算出することができる。なお、ここで「セパレータ全体の体積」とは、セパレータ3の外郭(輪郭)で決定される見かけ上の体積を意味する。
次に、ゲル塗工機10について説明する。
図3に示すように、ゲル塗工機10は、ゲル状の電解質を移送させる配管21と、配管21の先端側に取り付けられ、ゲル状の電解質を積層ステージ13上に配されたセパレータの3表面に塗工してゲル状の電解質を配する塗工ノズル22とを備えているとともに、塗工ノズル22が加温可能に構成されている。
配管21としては、フレキシブル配管21Aと直線状に延びた金属製配管21Bとが備えられている。金属製配管21Bは、ガイドレール23に摺動自在に支持されており、先端に固定した塗工ノズル22と共に水平方向(矢印L1,L2方向)に進出及び後退自在となっている。
図4(a)〜(d)に示すように、塗工ノズル22は、所定の厚さ及び幅寸法をもって略直方体形状に形成されたノズル上部26とノズル上部26の下面に連設され、直方体形状の壁部の厚さ寸法を漸次小としたノズル下部28とを備えている。
ノズル上部26の内部には、ゲル状の電解質の供給口Sから幅方向(矢印L3方向)両端に向かって延びた拡散流路24と、拡散流路24の下方に連通するよう幅方向(矢印L3方向)に略等間隔で設けられた複数の分岐流路25,25,・・とが形成さている。
ノズル下部28には、その厚さ方向中間部に形成され、複数の分岐流路25,25・の全てに連通して下方に開口する溝状の長孔流路(先端開口部)27が形成されている。
そして、塗工ノズル22は、拡散流路24、分岐流路25及び溝状の長孔流路27を介してゲル状の電解質を移送させることにより、長孔流路27の先端開口部29からゲル状の電解質を幅方向(矢印L3方向)に沿った帯状に配するようになっている。
なお、長孔流路27の開口寸法は特に限定されないが、本実施形態では塗工ノズル22の移動方向に対する正極板2又は負極板4の幅寸法よりも大きい長さ寸法で開口されている。
塗工ノズル22の流路24,25,27の周壁には、加熱部Kが備えられ、流路24,25,27を所定の温度(例えば40度〜100度、望ましくは60度〜80度)に加温できるようになっている。この塗工ノズル22の温度設定は、使用するゲル状の電解質の配合により決定されるため、ゲル状の電解質のゲル化温度以上で、望ましくはゲル化温度+10℃以上がよい。ただし、過剰な高温になるとゲル状の電解質の粘度が低くなり、塗工性に支障をきたすため、適度な温度帯に調整する必要がある。
以上の構成を有するゲル塗工機10は、図3に示すように、配管21Bの延在方向を積層装置12の保持ノズル15A,15B間方向に直交する方向に向けて、配管21Bをガイドレール23に沿って摺動させることにより、塗工ノズル22が積層ステージ13上に進出し又は積層ステージ13から後退し得る位置に配置されている。
なお、ゲル状の電解質とは、例えば、高分子マトリックス及び非水電解液(すなわち、非水溶媒及び電解質塩)をゲル化させて表面に粘着性を生じさせたものである。
また、ゲル状の電解質は、例えば下方から順に正極板2、セパレータ3、負極板4を積層し、セパレータ3と負極板4との板面間に配された時に、負極板4を押圧することなくセパレー3タ内及びセパレータ3と正極板2との板面間に全て流動してしまうことのない粘度、すなわち、負極板4をその表面から押圧することによってゲル状の電解質が徐々にセパレータに浸透し、正極板2側に到達することができる粘度であって、かつ、セパレータ3上に略均一に塗工できる範囲の粘度のものが用いられる。具体的には、ゲル状の電解質の粘度が100Pa・S以下である場合には、ゲル状の電解質はセパレータ3よりも下方に流動してしまいセパレータ3と負極板4との間に殆ど残らないため、セパレータ3よりも上方の負極活物質層にゲル状の電解質を浸透させることができない。また、ゲル状の電解質の粘度が10000Pa・S以上である場合、ゲル状の電解質の粘度が高過ぎて正極板2及び負極板4の活物質層上に均一に塗工できない。したがって、ゲル状の電解質の粘度は、100Pa・S〜10000Pa・Sの範囲に設定され、ゲル状の電解質の正極活物質層、セパレータ3及び負極活物質層への円滑かつ良好な浸透及びロバスト性を持たせることを考慮すると、100Pa・S〜5000Pa・Sであることが望ましい。また前述のように、ゲル状の電解質の粘度は、温度による依存性があるため、適切な温度帯で調整することが望ましく、さらには、ゲル状の電解質はチキソトロピー性を示す為、液圧送による圧力によっても流動性が変動する。したがって、ゲル状の電解質は、適切な範囲で条件設定を行われる必要がある。
また、上記ゲル状の電解質の粘度の測定は、レオメーター(粘弾性測定装置。具体的には、例えばハーケ社製レオストレス600)を使用し、高分子マトリックスの流動性が確保できる温度(例えば高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF−HFP)を使用した場合には80℃)でゲル状の電解質1gを加温して流動性のある状態とし、このゲル状の電解質に0.1〜10(1/sec)のせん断速度を与えた時のせん断応力を測定して、式「せん断応力=せん断速度×粘度」から算出することができる。なお、レオメーターで粘度を測定する場合、材料の物性やせん断速度によっては、せん断応力が変化する場合があるので、せん断速度を変化させてせん断応力の変化を見て、粘度を算出することが好ましい。そして、せん断応力(=粘度)が上記範囲でほぼ一定の場合には、当該粘度を確定させ、せん断応力が変化する場合には、平均値を算出して用いればよい。
高分子マトリックスとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のアルキレンエーテルをはじめ、ポリエステル、ポリアミン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン等が用いられる。
非水溶媒は、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;スルホラン等のスルホン化合物、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物等、単独または2種類以上を混合して調製される。
また、電解液をゲル状の電解質にする場合には、アセトニトリル等のニトリル化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル化合物:ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物を単独または2種類以上を混合して調製される。
電解質塩としては、特に限定されないが六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩等が使用できる。
次に、本実施形態のゲル塗工機10を用いた図1に示す多層の膜電極接合体1の製造方法について、図2,図3を用いて説明する。この多層の膜電極接合体1を製造するにあたっては、まず、アルミ箔等よりなる集電体上に正極活物質層を形成した枚葉状の正極板2を収容部14Aに載置しておく。
また、銅箔等よりなる集電体の両面に負極活物質層13を形成した枚葉状の負極板4を収容部14Bに載置しておく。
そして、電極板積層装置12を用いて、仮想線で示すように負極板4を保持アーム15Bで保持した後、積層ステージ13上に支持板16を移動させる。そして、保持アーム15A,15Bを下降させて保持アーム15Bを離し負極板4を積層ステージ13上に載置すると、これと同時に保持アーム15Aによって正極板2を保持する。
次に保持アーム15A,15Bを上昇させて正極板2を保持した保持アーム15Aを積層ステージ13の上方に向けて移動させると、保持アーム15A,15Bの間で支持板16に固定されたセパレータ保持部19が保持アーム15A,15Bの移動に同期して先に積層ステージ13を通過し、セパレータ保持部19に挟持されたセパレータ3が負極板4の上面にセパレータ3を被せる。
そこで、保持アーム15Aが積層ステージ13上に位置する前に支持板16の動きを止め、ゲル塗工機10を駆動し、塗工ノズル22を積層ステージ13上に進出させ、積層ステージ13上に位置するセパレータ3にゲル状の電解質を配する。
この際、塗工ノズル22は、正極板2,負極板4の幅方向よりも大きい幅寸法を有しているため、塗工ノズル22を一往復させるだけでセパレータ3を含んで負極板4上の全体にゲル状の電解質を配することができる。また、塗工ノズル22が加熱部Kを有し加温されているので、塗工ノズル22に達したゲル状の電解質を所望の温度にすることができるので、ゲル状の電解質が均質に配される。
そして、塗工ノズル22が後退した後に、支持板16を保持アーム15B側に更に移動させ、保持アーム15Aを積層ステージ13上に移動させる。
保持アーム15Aが積層ステージ13上に位置したら、保持アーム15A,15Bを下降させて負極板4及びセパレータ3の上に正極板2を載置するとともに、仮想線で示すように保持アーム15Bによって負極板4を保持する。そして、再び保持アーム15Bを積層ステージ13に向けて移動させると、これに同期して移動するセパレータ保持部19が先に積層ステージ13を通過し、セパレータ3を正極板2上に被せるので、この後、保持アーム15Bが積層ステージ13上に位置する前に、塗工ノズル22を積層ステージ13上に進出させてゲル状の電解質を塗工する。
塗工ノズル22によりゲル状の電解質を塗工した後は、塗工ノズル22は積層ステージ13上から後退するので、保持アーム15Bを積層ステージ13上に移動させ、負極板4を載置する。
以上の動作を繰り返すことにより、負極板4、セパレータ3、ゲル状の電解質、正極板2・・・がこの順に積層された積層体1aが製作されるので、図1に示すように、この積層体1aの正極板2,2・・の端部2aを溶接して端子タブ5を接続するとともに、負極板4,4・・の端部4aを溶接して端子タブ6を接続して多層の膜電極接合体1を作製し、更にこの多層の膜電極接合体1をラミネートフィルム7等で前記端子タブを突出させて密封し、リチウムイオン二次電池Pを得る。
以上のように、ゲル塗工機10を備えたリチウムイオン二次電池の製造装置11によれば、正極板2、セパレータ3、負極板4を順に積層するプロセスにおいてゲル状の電解質を配するようになっているため、電解液を筐体内に注液する場合のように、積層体1aをラミネートフィルム等の筐体7に収容した後で内部を負圧雰囲気下にしたチャンバーを用いることなく、リチウムイオン二次電池Pを簡便に製造することができる。したがって、注液及びエージング時間を割愛して製造効率を高められるとともに、チャンバー,真空引き設備を用いることなく安価なリチウムイオン二次電池Pを製造することができるという効果が得られる。
そして、ゲル状の電解質を塗工する際には、適切な温度管理が必要となるが、ゲル塗工機10によれば、塗工ノズル22に加熱部Kを備え、ゲル状の電解質の塗工直前まで電解質を適切に温度管理することができるため、セパレータ3に対して均質かつ好適にゲル状の電解質を塗工してゲル状の電解質を配することが可能となり、ゲル状の電解質を用いて高品質なリチウムイオン二次電池Pを製造することが可能となるという効果が得られる。
また、ゲル塗工機10は、塗工ノズル22がゲル状の電解質を塗工する対象となる正極板2及び負極板4の幅寸法よりも大きい幅寸法をもって帯状にゲル状の電解質を塗工することができるため、積層された正極板2、セパレータ3又は負極板4に効率的かつ均一の厚さで好適にゲル状の電解質を配することができるという効果が得られる。
特に、複数の分岐流路25,25・・からこれに連通する長孔流路27内にゲル状の電解質を偏りなく充填することができる。したがって、塗工ノズル22によれば、長孔流路27からゲル状の電解質を均質な厚さで塗工し、ゲル状の電解質を均質に配し易くすることができるという効果が得られる。
なお、上記の実施形態において、ゲル塗工機10は、電極板積層装置12に設置したが、ゲル塗工機10の適用対象は、上述した電極板積層装置12に限定されるものではなく、例えば、ロール状に巻回された各正極板2、セパレータ3及び負極板4を帯状に延出させて、これらを一方向に搬送しながらいわゆる「Roll to Roll」で連続して各工程の作業を行うことができる装置にも有効に用いることができ、上記実施形態の場合と同様の作用及び効果を得ることができる。
また、上記の実施形態においては、ゲル状の電解質10をセパレータ3に配したが、ゲル状の電解質10は、正極板2及び負極板4のいずれか一方又は双方にも配してもよい。
また、塗工ノズル22は、正極板2、負極板4又はセパレータ3の表面に塗工されたゲル状の電解質を押圧する押し当て部を備えているとより好ましい。この場合、塗工されたゲル状の電解質を、正極板2、負極板4及びセパレータ3に好適に浸透させてゲル状の電解質を配し、リチウムイオン二次電池Pの性能を向上させることができる。
また、配管21A,21Bの少なくとも一部が加温可能であることが好ましい。
この場合、ゲル状の電解質をより安定的に温度管理できる。
また、塗工ノズル22に設けられた長孔流路27は、一つとされているが、複数設けられたものであってもよい。
また更に、上記のゲル塗工機10は、塗工ノズル22が配管21Bの一端部にのみ設けられた構成としたが、図5に示すように配管21Bの両端部に塗工ノズル22を設けた構成としてもよい。
この場合、電極板積層装置12を対向配置させ、ゲル状の電解質を塗工するタイミングを計って配管21Bを移動させることにより、塗工ノズル22,22を用いてリチウムイオン二次電池を複数のラインで効率的に製造することが可能となる。
また、ターンテーブル上で積層体を製造する場合にも、配管21Bの両端に塗工ノズル22を設けたゲル塗工機10を好適に適用することができる。
1 多層の膜電極積層体
2 正極板
3 セパレータ
4 負極板
10 ゲル塗工機
11 リチウムイオン二次電池の製造装置
21 配管
22 塗工ノズル
27 長孔流路(先端開口部)

Claims (6)

  1. 正極板、負極板及びこれら正極板と負極板との間に介装されるセパレータの少なくともいずれかにゲル状の電解質を介装させるゲル塗工機において、
    前記ゲル状の電解質を移送させる配管と、
    該配管の先端側に取り付けられるとともにガイドレールに沿って摺動自在に設けられ、先端開口部を有して前記ゲル状の電解質を前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの少なくともいずれかの表面に塗工して前記ゲル状の電解質を配する塗工ノズルと、を備え、
    前記配管は、フレキシブル配管と、前記ガイドレールに摺動自在に支持され前記フレキシブル配管及び前記塗工ノズルの間を接続するノズル固定配管と、からなり、
    前記塗工ノズルの内部には、
    前記塗工ノズルの幅方向に延びる拡散流路と、
    一端が前記拡散流路に連通するとともに、他端が前記先端開口部に連通する複数の分岐流路と、が設けられ、
    前記塗工ノズル及び前記配管は、加温されていることを特徴とするゲル塗工機。
  2. 前記複数の分岐流路は、前記塗工ノズルの幅方向に等間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゲル塗工機。
  3. 前記塗工ノズルの先端開口部は、前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの少なくともいずれかにゲル状の電解質を配する領域の幅に沿って延在するように一又は複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル塗工機。
  4. 前記塗工ノズルは、ゲル状の電解質を配した前記正極板、前記負極板又は前記セパレータの表面を押圧する押し当て部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル塗工機。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のゲル塗工機を備えたリチウムイオン二次電池の製造装置。
  6. 前記塗工ノズルの温度は、前記ゲル状の電解質のゲル化温度10℃以上に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造装置。
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