JP2013134490A - 電子写真感光体の製造方法および前記製造方法で製造された電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法および前記製造方法で製造された電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】 浸漬塗布法において、粘度の低い塗布液を用いた場合であっても、塗布液の飛散を抑制して高品質な電子写真感光体を製造できる製造方法、およびその製造方法で製造された電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 浸漬工程で、円筒形状の基体を、一方端が閉塞され、他方端が開放された状態で、粘度が50mPa・s以下の塗布液に、開放された他方端側から浸漬させる。形成工程は、浸漬させた基体を塗布液中から引上げることによって、基体の外周面に塗布液からなる塗布層を形成する形成工程であって、基体の他方端が塗布液の液面よりも上方にあって、塗布液の表面張力によって基体の他方端と塗布液の一部とが接触した状態にある期間に、閉塞された一方端側から基体内部の空気の吸引を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に、好適に用いられる電子写真感光体を製造する製造方法および前記製造方法で製造された電子写真感光体に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、中空円筒状の導電性基体の外周面に有機光導電材料による感光層が形成されたものである。電子写真感光体の多くは、高性能化の要求に応じて開発が重ねられた結果、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を備え、さらに一部の感光体ではその上に耐久性を向上させるための保護層が順次形成された積層構造の感光層を有する機能分離型の感光体が実用化されている。
薄い感光層を高い厚さ均一性で塗布して高機能化を実現すると同時に、低コストで塗布を可能にするべく塗布方法の検討も行われている。導電性基体となる電子写真感光体用素管の外周面に感光層を塗布する方法としては、従来からスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ロールコート法などが知られているが、中でも浸漬塗布法は、その生産効率の高さから最も多用されている方法である。
浸漬塗布法による感光体の製造では、円筒形状を有する被塗布物の一方端を閉塞し、他方端を開放した状態で、開放側の端部から感光層を形成したい部分の深さまで塗布液槽に収容される塗布液中に被塗布物を浸漬し、その後、基体を引上げることで被塗布物表面に塗布液を塗布して感光体層を形成するというものである。
ここで、浸漬塗布法により被塗布物表面に塗布層を形成する場合、塗布層の厚みと塗布液の物性との関係は、下記式(1)で示される。
h=K(ηV) …(1)
(ただし、h:塗布層の厚み、η:塗布液の粘度、V:塗布速度、K:定数、n:定数)
ここで塗布速度Vとは被塗布物の表面に対する塗布液の相対移動速度である。塗布速度Vは、塗布液が供給または循環されるように循環設備が組み込まれていない、もしくは循環設備が組み込まれているが供給および循環を一時的に停止している塗布液槽中に1本の被塗布物が浸漬される場合では、被塗布物の引上げに伴って、塗布液中から出た被塗布物の体積分だけ引き上げ時に塗布液面も下がることから、塗布液槽の大きさ、被塗布物の大きさ、および被塗布物を引上げる速度である引上げ速度により決定され、下記式(2)で表される。
V=S×B/(B−A) …(2)
(ただし、S:引上げ速度、A:被塗布物の外径、B:円筒形状の塗布液槽の内径)
他方、循環設備が組み込まれ、塗布液が常時供給または循環されるような塗布装置では、塗布液中から出た被塗布物の体積分以上の充分な塗布液量が常時供給されることで、被塗布物の引上げに伴う塗布液面の低下がないことから、塗布速度は引上げ速度と一致する。
式(1)によれば、塗布層の厚みhは塗布速度Vおよび塗布液の粘度ηにより制御される。具体的には、塗布層の厚みhを薄くする場合、塗布速度Vおよび塗布液の粘度ηの少なくともいずれか一方を小さくすることで達成される。逆に塗布層の厚みhを厚くする場合、塗布速度Vおよび塗布液の粘度ηの少なくともいずれか一方を大きくすることで達成される。塗布速度Vは、式(2)に示すように、被塗布物の引上げ速度Sを変化させることだけでなく、被塗布物の外径A、塗布液槽の内径Bを変えることによっても変化させることができる。たとえば、引上げ速度Sが同じであっても、被塗布物の外径Aが小さければ塗布速度Vは小さくなり、被塗布物の外径Aが大きければ塗布速度Vは大きくなる。塗布液槽の内径Bが大きければ塗布速度Vは小さく、内径Bが小さければ塗布速度Vは大きくなる。
塗布液の粘度は、たとえば、有機系光導電性材料と結着樹脂との配合比を変える、結着樹脂として分子量の異なるものを用いるといったような、塗布液の組成を変えることにより変化させることができる。具体的には、有機系光導電性材料の配合比を高くすれば塗布液の粘度は低くなり、結着樹脂の配合比を高くすれば塗布液の粘度は高くなる。また、結着樹脂として分子量の低いものを選択すれば塗布液の粘度は低くなり、結着樹脂として分子量の高いものを選択すれば塗布液の粘度は高くなる。
しかしながら、有機系光導電性材料と結着樹脂との配合比および結着樹脂の種類は、感光体の感度、応答性、機械的強度などに影響を及ぼすので、通常、有機系光導電性材料および結着樹脂を含む固形分と溶媒との混合比を変えることにより粘度の調整を行う。具体的には、固形分の濃度を高くすると塗布液の粘度が高くなる。
浸漬塗布方法ではこのように塗布速度および塗布液の粘度を設定し、塗布層の厚みを予め定める好ましい厚みに調整する。しかしながら、このように塗布速度および塗布液の粘度を設定しても、塗布液と外気とのわずかな温度差による浸漬された被塗布物内部の空気の膨張、塗布液中の溶剤の蒸発による気体の発生などによって閉塞される被塗布物内部の気体の体積が増加するなどの原因により開放側の端部から気泡を生じることが多く、このような気泡が引上げ中に発生すると、塗布液槽内の塗布液表面が揺れて塗布速度が変化してしまい、所望の厚みの塗布層を形成することが困難となる。また、気泡の発生量が常に一定とは限らず、塗布速度が引上げ中に変化してしまうので、被塗布物の塗布面にむらが生じ、均一な塗布層の形成に支障となる。
そこで、被塗布物内部の気体の体積増加による気泡の発生を防止する方法が提案されている。特許文献1では、被塗布物の内部に空気が閉塞される状態で被塗布物を開放側から塗布液中に浸漬して、引上げる際に開放側端部と塗布液面とが離れる直前に被塗布物内部の空気を開放する方法が提案されている。
特許文献1に記載されている浸漬塗布方法によれば、開放側端部と塗布液面とが離れる直前に被塗布物内部の空気を開放することによって、開放側端部からの気泡発生や塗布液面の乱れをなくし塗布むらを防止している。
特許文献1記載の方法では、塗布液中から引上げる際に、開放側の端部を塞ぐように塗布液の薄い膜が形成されることがある。この下端部の塗布液膜は、時間の経過、溶剤の蒸発により弾けることがあり、塗布液膜が弾ける際には、塗布液膜を形成していた塗布液が被塗布物の周囲に飛散することとなる。
近年の画像形成装置では高速化、小型化のために、搭載される感光体サイズも小さくなる傾向にあり、1つの塗布液槽の中にできるだけ多くの被塗布物を一度に浸漬し、塗布液を塗布することによって、感光体の生産効率をより高めることが求められている。このような1つの塗布液槽中に複数の被塗布物を一度に浸漬させて塗布層の形成を行う場合、上記の塗布液膜の飛散は、次のような問題を惹起する。
隣合う被塗布物同士の間隔が小さいと、飛散した塗布液の飛沫が隣合う他の被塗布物に形成される塗布層に付着し、製品としての電子写真感光体の外観品質を低下させるという不具合が生じる。さらに、上記のような塗布液の飛沫は、軸線方向が鉛直に保持される被塗布物の軸線方向における中心付近にまで達することがあり、感光体として用いる際に出力画像への影響も懸念される。
塗布液が飛散するという問題は、下引層、電荷発生層、電荷輸送層の各層を、浸漬塗布方法によって形成するたびに生じる可能性がある。各層形成ごとに飛散が生じて、欠陥が相乗的に増加すると、感光体の電気特性および機械特性の均一性が低下し、出力画像に重大な欠陥を及ぼしかねない。
このような問題に対して、複数の被塗布物を同時に浸漬塗布するとともに、飛散する塗布液の影響を低減できる浸漬塗布装置、塗布方法が提案されている。特許文献2記載の浸漬塗布装置は、複数の隣合う被塗布物同士の間隔を20mm以上とすることにより、塗布液膜が飛散して隣合う被塗布物に付着するのを解消し、均一な塗布層を形成することができるとされている。また特許文献3には、塗布液が収容された塗布液槽から被塗布物を引き上げていく際に、その開放側端部と塗布液面とが離反する時に被塗布物内部の空気を閉塞側端部から吸引することで、開放側端部に形成された塗布液膜を被塗布物内部の空気と共に吸い込み、被塗布物周囲への飛沫の発生を防止する方法が記載されている。
特開2003―140367号公報 特開平6−262113号公報 特開2006―337759号公報
上記の様に、電子写真感光体の生産効率拡大と品質向上に向けた製造方法がいくつか提案されているが、浸漬塗布法のメリットである高い生産効率を維持しつつ、高い外観品質、出力画像品質を持つ電子写真感光体を製造するには、未だ十分ではない。
たとえば、特許文献2記載の浸漬塗布装置は、被塗布物の開放側に形成される塗布液膜を形成していた塗布液の飛散が低減されるように提案されたものではなく、飛散することを前提に、塗布液が隣合う被塗布物に付着しないように被塗布物同士の間隔を長めに設定するものである。すなわち、塗布液の飛沫が飛散するという問題は根本的には解決されない。また、被塗布物同士の間隔を長めに設定することによって、一度に処理できる被塗布物の本数が減少し、浸漬塗布装置自体の大型化などの問題も生じる。
また、特許文献3記載の製造方法では、開放側端部に形成される塗布液膜が安定して存在する場合には効果的であるが、塗布液の組成によっては、開放側端部が塗布液面から離反して早々に塗布液膜が飛散してしまい、被塗布物内部の空気を吸引する時には既に塗布液膜が飛散した後となっており、吸引動作を実施しても塗布液膜の飛沫付着による不良が改善されないことがある。特に、層厚が薄い下引き層や電荷発生層を形成するような粘度の低い塗布液では、開放側端部に形成される塗布液膜が安定して存在し得ないため、吸引の効果がほとんど見込めない。
本発明の目的は、浸漬塗布法において、粘度の低い塗布液を用いた場合であっても、塗布液の飛散を抑制して高品質な電子写真感光体を製造できる製造方法、およびその製造方法で製造された電子写真感光体を提供することである。
本発明は、円筒形状の基体を、一方端が閉塞され、他方端が開放された状態で、粘度が50mPa・s以下の塗布液に、開放された他方端側から浸漬させる浸漬工程と、
浸漬させた基体を塗布液中から引上げることによって、基体の外周面に塗布液からなる塗布層を形成する形成工程であって、基体の他方端が塗布液の液面よりも上方にあって、塗布液の表面張力によって基体の他方端と塗布液の一部とが接触した状態にある期間に、閉塞された一方端側から基体内部の空気の吸引を行う形成工程とを含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また本発明は、前記塗布液の粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記形成工程の前記期間は、基体の他方端と塗布液の液面との距離が0〜5mmとなる期間であることを特徴とする。
また本発明は、前記形成工程の前記期間中に、基体の引き上げを1〜10秒間中断し、中断中に前記吸引を行うことを特徴とする。
また本発明は、円筒形状の基体と、
上記の電子写真感光体の製造方法によって基体の外周面に形成された塗布層を乾燥して得られる感光層と、を備えることを特徴とする電子写真感光体である。
本発明によれば、浸漬工程で、円筒形状の基体を、一方端が閉塞され、他方端が開放された状態で、粘度が50mPa・s以下の塗布液に、開放された他方端側から浸漬させる。形成工程は、浸漬させた基体を塗布液中から引上げることによって、基体の外周面に塗布液からなる塗布層を形成する形成工程であって、基体の他方端が塗布液の液面よりも上方にあって、塗布液の表面張力によって基体の他方端と塗布液の一部とが接触した状態にある期間に、閉塞された一方端側から基体内部の空気の吸引を行う。
これにより、上記のような期間に基体内部の吸引を行うことで、粘度の低い塗布液を用いた場合であっても、塗布液の飛散を抑制して高品質な電子写真感光体を製造できる。
また本発明によれば、前記塗布液の粘度が20mPa・s以下のように、非常に低い粘度の塗布液を用いた場合であっても、塗布液の飛散を抑制することができる。
また本発明によれば、基体の他方端と塗布液の液面との距離が0〜5mmとなる期間に吸引することで、確実に塗布液の飛散を抑制することができる。
また本発明によれば、前記形成工程の前記期間中に、基体の引き上げを1〜10秒間中断し、中断中に前記吸引を行う。引上げ速度が速い場合には、吸引を行う期間が短くなってしまうので、基体の引上げを中断することで中断時間だけ期間を延ばすことができ、引上げ速度が速い場合でも吸引を行うことができる。
また本発明によれば、電子写真感光体が、円筒形状の基体と、上記の電子写真感光体の製造方法によって基体の外周面に形成された塗布層を乾燥して得られる感光層と、を備えるので、感光層に欠陥がなく、高品質の画像形成を行うことができる。
浸漬塗布装置11の構成を簡略化して示す側面図である。 本発明の実施形態である電子写真感光体の製造方法の概要を説明する図である。 被塗布物12を塗布液13から引上げるときの塗布液面13aの状態を段階的に示した模式図である。 積層型電子写真感光体の構成を示す断面図である。 単層型電子写真感光体の構成を示す断面図である。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、円筒形状の基体であって、一方端が閉塞され、他方端が開放された基体を、粘度が50mPa・s以下の塗布液に、開放された他方端側から浸漬させる浸漬工程と、浸漬させた基体を塗布液中から引上げることによって、基体の外周面に塗布液からなる感光層を形成する形成工程であって、引上げ中に、基体の他方端が塗布液の液面よりも上方にあって、塗布液の表面張力によって基体の他方端と塗布液の一部とが接触した状態にある期間に、閉塞された一方端から基体内部の空気を吸引する形成工程とを含むことを特徴とする。
本実施形態では、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層をそれぞれ感光層とよぶ場合、全ての層を併せて感光層とよぶ場合がある。
以下では、まず本発明の製造方法に好適に用いられる浸漬塗布装置について説明し、その後電子写真感光体の製造方法について詳細に説明する。
図1は、浸漬塗布装置11の構成を簡略化して示す側面図である。浸漬塗布装置11は、感光層を構成するための有機系光導電性材料、たとえば、電荷発生層を構成するための電荷発生物質、電荷輸送層を構成するための電荷輸送物質などの材料を結着樹脂とともに有機溶剤などの溶媒に溶解または分散させた感光層用塗布液を、導電性基体の外周面上または導電性基体に形成された他の層上に塗布して塗布液層を形成する。導電性基体および塗布液の種類については後述する。
浸漬塗布装置11は、被塗布物12に形成すべき感光層の成分を含む塗布液13を収容し、複数の被塗布物12が浸漬される塗布液槽14と、円筒形状の被塗布物12の一方端部12aを鉛直方向上側にし、一方端部12aを閉塞して把持する把持装置15と、把持装置15により把持される被塗布物12を塗布液槽14に対して鉛直方向上方および下方に移動させる昇降装置16と、送給配管17および還流配管18を含み塗布液槽14内の塗布液13を循環させる循環装置19とを含んで構成される。
被塗布物12は、後述する塗布液槽14に貯留される塗布液13が塗布される対象物であって、感光層が形成されていない導電性基体または他の感光層が既に形成されている導電性基体である。被塗布物12は、円筒形状に形成され、一方端部12aは把持装置15により閉塞されて支持され、他方端部12bは開放される。被塗布物12は、塗布液槽14に貯留される塗布液13に浸漬されて引上げられることにより、塗布液槽14中の塗布液13が被塗布物12の表面に付着し、塗布液層が形成される。塗布液槽14には、複数の被塗布物12が同時に浸漬される。
塗布液槽14は、被塗布物12に形成すべき感光層の成分を含む塗布液13を貯留し、塗布液13に被塗布物12を浸漬するための容器である。塗布液槽14は、把持装置15によって複数の被塗布物12同士を間隔dで隣合うように把持し、被塗布物12をたとえば40本同時に浸漬させることのできる大きさを有する。塗布液槽14の上部には、複数の被塗布物12を浸漬させることにより塗布液槽14から溢れ出す塗布液13を一時的に貯留するためのオーバーフロー槽20が備えられる。
把持装置15は、円筒形状の被塗布物12の一方端部12aを鉛直方向上側にし、一方端部12aを閉塞することにより、被塗布物12の軸線が、塗布液13の液面13a(以後、塗布液面13aとも称する)に対して直交するように把持し、かつ塗布液13中に被塗布物12が浸漬される間、塗布液13が被塗布物12内部に入り込むのを防止する。把持装置15としては、たとえば、バルーンチャック、Oリングチャック、メカチャックなどを用いることができる。把持装置15は、塗布液槽14に浸漬される被塗布物12の数以上の数が備えられ、複数の把持装置15は、隣合う被塗布物12の間隔がdとなるように、また、すべての被塗布物12の開放側の端部12bの位置が同じ位置となるように設けられる。
把持装置15には、被塗布物12の閉塞される側の一方端部12aから被塗布物12内部の空気を吸引する吸引手段21が備えられる。吸引手段21は、引き上げ中に、被塗布物12の開放される側の他方端部12bと塗布液面13aとが塗布液13の表面張力によって接触して繋がっている期間に被塗布物12内部の空気を吸引する。吸引手段21が吸引動作を行う期間は、後述の制御手段22により検知される。
吸引手段21としては、たとえば、吸引ポンプと、空気抜きバルブとを含むものを用いることができる。吸引手段21は、空気抜きバルブを開いて被塗布物12内部の空気を吸引する。吸引手段21による被塗布物12内部の空気の吸引を開始するタイミングおよび吸引時間は、装置全体の動作を制御する制御手段22により制御され、その詳細については後述する。
昇降装置16は、軸受23に回転自在に支持されて鉛直方向に延びるおねじ部材24と、おねじ部材24に螺合するめねじ部材25と、おねじ部材24が挿通するようにしてめねじ部材25上に固着される保持部材26と、保持部材26に一端部が固着されて水平方向に延び、被塗布物12を把持する複数の把持装置15を支持する支持体27と、おねじ部材24を回転させるためのモータ28と、モータ28の回転駆動力をおねじ部材24に伝える歯車列29とを含んで構成される。昇降装置16は、塗布液槽14を挟んで1対以上が対向して設けられるけれども、図1においては1つだけを図示している。モータ28の回転駆動力が歯車列29によっておねじ部材24に伝達し、おねじ部材24を回転させ、おねじ部材24に螺合するめねじ部材25が矢符30方向に移動する。めねじ部材25の移動により、めねじ部材25に装着された支持体27が鉛直方向上方および下方に移動し、支持体27の移動とともに把持装置15に把持される被塗布物12が矢符30方向に移動する。被塗布物12を塗布液槽14に浸漬させる場合、支持体27が下降するようにモータ28を回転させ、被塗布物12を塗布液槽14から引上げる場合、モータ28を下降の場合とは逆に回転させて支持体27を上昇させる。モータ28の回転による支持体27の昇降速度は、制御手段22により制御される。また、モータ28の回転により昇降する支持体27に把持装置15を介して支持される被塗布物12の開放側の他方端部12bの位置は、不図示の位置検知手段により検知され、位置検知手段による検知結果は制御手段22に入力される。
支持体27の昇降速度、すなわち塗布液槽14に浸漬される被塗布物12の昇降速度の中でも、被塗布物12を塗布液槽14から引上げる速度である引上げ速度は、被塗布物12に形成される塗布層の厚みに影響するものである。このような引上げ速度は、形成したい塗布液層の厚みに応じて設定される。引上げ速度としては、塗布液槽14の大きさ、被塗布物12同士の間隔dの大きさにもよるが、たとえば、1.0〜10.0mm/sの範囲であることが好ましい。引上げ速度が1.0mm/s未満であると、引上げ速度が遅くなりすぎ、製造効率が上がらないうえに、塗布液層を形成できないおそれがある。一方、引上げ速度が10.0mm/sを超えると、薄い塗布層の形成が困難となり、塗布液が大きく揺れることによる塗布むらを生じやすくなる。
循環装置19は、オーバーフロー槽20から回収される塗布液13を貯留するための攪拌槽31と、一端が塗布液槽14に接続されかつ他端が攪拌槽31に接続されて、攪拌槽31に貯留される塗布液13を塗布液槽14に送給する送給配管17と、一端がオーバーフロー槽20に接続されかつ他端が攪拌槽31に接続されて、オーバーフロー槽20に貯留される塗布液13を撹拌槽31に回収して環流させるための還流配管18と、攪拌槽31の内部に設けられ、モータ32の回転により回転し攪拌槽31中の塗布液13を攪拌する攪拌翼33と、攪拌槽31に貯留される塗布液13の粘度を測定する粘度測定手段34と、塗布液13中の溶媒が蒸発することなどにより粘度測定手段34で測定される粘度が予め定める基準値よりも高くなると、攪拌槽31に溶媒を追加供給する溶媒供給手段35とを含んで構成される。また、攪拌槽31には、塗布液13の分散性を安定させるために、超音波発生装置などの塗布液分散装置が備えられてもよい。
送給配管17には、循環ポンプ36と、循環ポンプ36よりも送給配管17の塗布液13送給方向である矢符37方向下流側に設けられるフィルタ38とが備えられる。循環ポンプ36は、攪拌槽31に貯留される塗布液13を塗布液槽14側に送給する。フィルタ38は、送給配管17内を流過する塗布液13に含まれる金属粉などの異物を除去する。
循環装置19によれば、オーバーフロー槽20に接続される還流配管18により、塗布液槽14から溢れ出す塗布液13が攪拌槽31内に回収されて貯留される。攪拌槽31内では、攪拌翼33によって塗布液13が攪拌され、粘度測定手段34によりその粘度が測定される。粘度測定手段34により測定される粘度は、溶媒供給手段35に備えられる不図示の制御部に入力され、測定される粘度の値が予め定める値よりも高くなると、粘度を下げるために溶媒供給手段35から溶媒が撹拌槽31に供給される。このことによって、攪拌槽31内の塗布液13は常に一定の好適な粘度に保持される。攪拌槽31内で攪拌される塗布液13は、循環ポンプ36により送給配管17を流過して塗布液槽14内に戻される。その際、塗布液13はフィルタ38により異物が除去される。このように、塗布液13を塗布液槽14と攪拌槽31との間で循環させることにより、塗布液槽14に収容される塗布液13の粘度および塗布液面13aの位置が常に一定に保持される。
塗布液槽14に収容される塗布液13の液面13aの位置は、不図示の液面検知手段により検知され、液面検知手段による検知出力は、制御手段22に入力される。なお、循環装置19は被塗布物12の浸漬時、および引上げ時には停止することもできるし、常時作動させることもできる。常時作動させる場合、被塗布物12の引上げに伴う、塗布槽14中の塗布液13の体積減少分を補うだけの塗布液量を循環ポンプ36で供給することにより、引き上げ中でも塗布液面が下がることなく、常に一定に保つことができるので、引上げ速度を大きくし、生産効率を高めることができる。
本発明における液面の位置は、被塗布物12が浸漬される箇所から離れた場所で検知される位置であって、たとえば被塗布物12の浸漬および引き上げによって変動するような局所的な液面の位置ではない。
このような液面の位置の検知手段としては、一般的な液面計を用いることができる。液面計としては、たとえばフロート金属管式、バランスウェイト式、丸硝子式などがあり、以下では、フロート金属管式液面計を例に、本発明の液面位置の検知手段を説明する。
液面位置の検出手段は、金属製筒(チャンバー)と、その中に挿入されるマグネット内臓のフロートとから構成される。チャンバーには、フロートのマグネットに反応してフロートの位置を表示する表示器が内蔵されており、表示器を目視で確認できるようにチャンバーの一部がガラス製となっている。チャンバーの上下には対象となる塗布液槽14に設置するためのフランジが設けられ、下側フランジが液面より下方の位置に、上側フランジが液面よりも充分に上方の位置になるように塗布液槽14の壁部に設置される。設置後はチャンバー内部と塗布液槽14の内部とが繋がることになる。そのため、塗布液槽14に塗布液が投入されると、同時にチャンバー内にも塗布液が下側フランジから導入され、チャンバー内のフロートが液面の上昇と共に浮き上がり、表示器にはフロートの位置が表示される。チャンバー内の液面位置は塗布液槽14の液面位置と一致していることから、表示器に示されたフロートの位置から液面の位置を検出することができる。
このような検知手段を用いることで、被塗布物12の浸漬および引き上げによって局所的な液面の変動に影響を受けずに液面の位置を検出することができる。
制御手段22は、前述のように、被塗布物12の開放側の端部12bの位置および塗布液槽14に貯留される塗布液面13aの位置を検知する各検知手段から、その検知結果が入力される。また制御手段22には、時間を計測する計時手段が備えられる。計時手段としては、たとえば、商用電源の周波数に応じて時間を計る手段などを用いることができる。制御手段22は、被塗布物12の引上げ中において、検知される被塗布物12の開放側の他方端部12bの位置と、塗布液槽14に貯留される塗布液面13aの位置とが等しくなる時点を開始点として、そこから被塗布物12の開放側の他方端部12bが予め定められる距離を引き上げるまでの期間に被塗布物12内部の空気の吸引を行うように吸引手段21を制御する。または、予め定められた距離を引上げた時点で、引き上げを中断し、被塗布物12内の空気を吸引するように吸引手段21を制御する。
制御手段22は、被塗布物12の開放側の他方端部12bの位置が塗布液面13aの位置と等しくなった時点を開始点として、引き上げ中に、被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面13aとが塗布液13の表面張力によって接触して繋がっている期間に、被塗布物12内部の空気の吸引を行うように吸引手段21を制御する。
吸引動作は、被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面13aとの距離が0〜5mm(0mmよりも大きく5mm以下)までの間に行うことがさらに好ましい。被被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面13aとの距離が0mm以下の場合、実質的に、被塗布物12の開放側の他方端部12bが塗布液13の中に位置していることになるので、吸引によって塗布液を吸い込んでしまい、被塗布物12内部や吸引装置が塗布液13により汚染してしまうおそれがある。開放側端部12bと塗布液面とが繋がっている状態を維持できる距離は塗布液の種類によって異なるが、概ね低粘度であるほど短くなる傾向にある。そのため、本発明では、開放側端部12bと塗布液面13aとの距離が長くとも5mmとなるまでの期間に吸引を行うことで効果的に塗布液の飛散を抑制することができる。
以下では、浸漬塗布装置11を用いた電子写真感光体の製造方法について説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、前述のように、浸漬工程と形成工程とからなり、形成工程には、引き上げ工程と吸引工程とが含まれる。
図2は、本発明の実施形態である電子写真感光体の製造方法の概要を説明する図である。まず浸漬工程では、モータ28を回転させて、把持装置15に把持された被塗布物12を支持する支持体27を下降させ、図2(a)に示すように、塗布液13が満たされる塗布液槽14に被塗布物12を浸漬する。このとき把持装置15に把持される側の被塗布物12の一方端部12aは把持装置15により閉塞され、被塗布物12は、開放側の他方端部12bから塗布液13中に浸漬される。被塗布物12は、図2(b)に示すように、感光層を形成したい深さまで浸漬される。このとき被塗布物12の内部に存在する空気は一方端部12aと他方端部12b近傍の塗布液面との間で閉塞された状態となる。被塗布物12の浸漬は、この状態で一時停止され、次いで引上げ工程に供される。なお、被塗布物12を浸漬させ一時停止させる時間は、たとえば1.0〜30.0秒間程度である。
引上げ工程では、モータ28を浸漬工程の場合とは逆に回転させて、把持装置15に把持される被塗布物12を支持する支持体27を上昇させ、被塗布物12を塗布液13中から引上げる。この引上げにより、被塗布物12に塗布層39が形成される。
ここで本発明の吸引工程を、より詳細に図3を用いて説明する。図3は、被塗布物12を塗布液13から引上げるときの塗布液面13aの状態を段階的に示した模式図である。図3(a)は被塗布物12が塗布液13中から引上げられている途中段階であり、先の図2(b)に相当する。次いで引上げが進行し、図3(b)では被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面13aとが一致する。そして、さらに引き上げが進むと、図3(c)のように、被塗布物12の開放側の他方端部12bが塗布液面13aよりも上方にあるが、塗布液13の表面張力により、開放側の他方端部12bと、塗布液13の一部である、他方端部12bに最も近い表層部分13bとが接触して、繋がっている期間となる。
この繋がり部分は、さらに引き上げが進行することで、図3(d)のように、不完全ではあるが開放側の他方端部12bから被塗布物12の軸心までの間に塗布液膜13cを形成することとなる。このときの塗布液膜13cは、被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面と13aとの両方で繋がっているため安定して存在できる。その後、引き上げが進行し、図3(e)に示すように、他方端部12bと塗布液面13aとの繋がりが完全に切れ、他方端部12bのみに塗布液膜40が形成されることとなる。
複数の被塗布物12を1つの塗布液槽14に浸漬する製造方法では、この塗布液膜40が弾けて塗布液13が飛散することによって、隣合う被塗布物41に形成される塗布層42が飛散した塗布液13の飛沫によって汚染されてしまう。このような塗布液の飛散を抑制するために吸引工程を実施するのであるが、50mPa・s以下の低粘度の塗布液では、この塗布液膜が長時間存在することができず、すぐに飛散してしまい、吸引できないことが多い。そのため本発明の吸引工程は、図3(b)から(e)に至る間の、図3(c)、(d)のように被塗布物12の開放側の他方端部12bが塗布液13中から引上げられた際に、開放側の他方端部12bと塗布液表面13aとが塗布液の表面張力により繋がっている期間、すなわち塗布液膜が開放側の他方端部12bに完全に形成されてしまう前に吸引する。
吸引工程では、吸引手段21によって、閉塞される側の一方端部12aから被塗布物12内部の空気を吸引する。なお吸引工程は、被塗布物12を引上げながら行ってもよく、引上げを中断して行ってもよい。中断する場合、吸引工程は、中断後、1〜10秒間で実施されることが好ましい。本発明の吸引工程は塗布液面13aの直上で実施するため、10秒間を超えると塗布液13の溶剤蒸気により、被塗布物下部の塗布層厚みに影響したり、塗布むらの発生に繋がる。中断期間が1秒間未満であると、塗布速度が速い場合、吸引可能な期間が短く、吸引装置の制御に大きな負荷をかけるおそれがある。
吸引工程では、図2(d)に示すように、被塗布物12内部の空気を矢符21a方向に吸引することにより、被塗布物12を引上げたときに開放側の他方端部12bと塗布液面13aとの間に安定して発生している塗布液膜40を被塗布物12内部に吸引するものである。このように被塗布物12の内部に塗布液膜40を吸引することにより、不安定な塗布液膜が開放側の他方端部12bに形成されることを抑制し、塗布液の飛散を被塗布物12の内部および矢符43が示すような開放側の端部12bから塗布液面13aに向かう側に変化させるとともに、飛散した塗布液の飛沫43を被塗布物12内部側に吸引することができる。このことによって、不安定な塗布液膜40が形成されやすい低粘度の塗布液を使用しても、塗布液が飛散することなく、隣合う被塗布物41に形成される塗布層42に付着するのを防止することができる。
吸引手段21によって被塗布物12内部の空気を吸引するタイミングは、前述のように制御手段22によって制御され、被塗布物12の開放側の他方端部12bと塗布液面13aとの距離が0〜5mmとなる期間に行うことが特に好ましい。また、吸引手段21による被塗布物12内部の空気を吸引する時間は、0秒間よりも長く、5秒間よりも短いことが好ましい。
このようにして被塗布物12の外周面に塗布層39が形成されると、少なくとも自然乾燥するか、または熱風および遠赤外線などの加熱手段によって強制的に乾燥させることで、塗布層39に含まれる溶媒を蒸発させ、順次必要な感光層を形成し、電子写真感光体の製造を完了する。なお、塗布層39の乾燥に加熱手段を用いる場合、乾燥は、たとえば40〜130℃の温度で、10分間〜2時間行うことが好ましい。
以上のように、本発明の製造方法によれば、形成工程において、浸漬された被塗布物12を引上げるときに、開放側の他方端部12bと塗布液面13aとの間で塗布液膜40が安定して存在している期間に、吸引することができるので、隣合って配置される被塗布物41に形成される塗布層42に塗布液の飛沫43が付着するのを防止することができる。このことによって、低粘度の塗布液を使用しても、製造される電子写真感光体の品質を高く維持することができる。
本発明で用いられる塗布液13は、粘度が50mPa・s以下と低粘度のものである。この粘度では被塗布物12の開放側の他方端部12bに形成される塗布液膜40が安定して存在することができないため、塗布液膜40の完全な形成後、すなわち、塗布液膜40が塗布液面13aを離れてしまってからの吸引では間に合わないため、上記のような期間に吸引することで、本発明の効果が発揮される。また、粘度が20mPa・s以下では、さらに塗布液が飛散し易くなるので、本発明の製造方法がより効果的である。本発明の製造方法において、50mPa・sを超える粘度の塗布液を用いた場合は、被塗布物12の開放側の端部他方12bと塗布液面13aとの間に形成される、塗布液の表面張力による液膜の強度が高いため、吸引工程では、この液膜を破ることができず、塗布液そのものを吸引してしまい、被塗布物の内部および吸引装置を汚染してしまうおそれがある。
塗布液の粘度は、試料中に挿入した振動子(感応板)の振幅を制御し、その振動子の駆動電流を測定して粘度を求める「振動式粘度計」、細管に試料を流して細管の両端の圧力差から粘度を求める「毛細管粘度計」、試料中に円筒形や球形の物体を落とし、一定距離を落下する時間から粘度を求める「落体式粘度計」、試料中に円筒形や円錐型の回転子を入れ、その回転トルクを測定して粘度を求める「回転式粘度計」、試料を一定容積のカップに満たし、その下部にある細孔からの試料の流出時間から粘度を求める「カップ式粘度計」などの一般的な粘度計により測定することができる。
これらの中でも、回転式粘度計、振動式粘度計は連続測定が可能であり、測定データを電気信号で取り出すことができるため、生産ラインに容易に組み込むことが可能であり、好適である。
測定温度としては、実際の生産ラインでの製造条件の温度に設定される。本発明のような浸漬塗布法の場合では、およそ15℃〜30℃の範囲が好適であり、実際の製造条件の温度において、塗布液13の粘度が50mPa・s以下であればよい。
以下、本発明の製造方法に用いられる導電性基体および感光層用塗布液について説明する。本発明の製造方法によって製造される電子写真感光体は、導電性基体と感光層と備える。感光層は、有機機能性材料、結着樹脂などの感光層の成分を溶媒に溶解または分散させた塗布液を、浸漬塗布装置11によって導電性基体上に均一な厚さで塗布し、得られた塗布液層を乾燥させることにより形成される。
本発明の製造方法で製造される電子写真感光体の構成としては、積層型電子写真感光体および単層型電子写真感光体がある。図4は、積層型電子写真感光体の構成を示す断面図であり、図5は、単層型電子写真感光体の構成を示す断面図である。
図4に示すような積層型電子写真感光体は、導電性基体1の外周面上に、下引き層7を設け、さらにその上に感光層4である電荷発生層5と電荷輸送層6とをこの順に積層させた構造である。図5に示すような単層型電子写真感光体は、導電性基体1の外周面上に、下引き層7を設け、さらにその上に電荷輸送物質と電荷発生物質とを含有する単層の感光層4を積層させた構造である。
電子写真感光体用素管である導電性基体1の材料としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリオキシメチレンおよびポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、炭素粒子、金属粒子などの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。導電性基体1の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスではレーザ光の波長が揃っているので、入射するレーザ光と電子写真感光体内で反射された光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。導電性基体の表面に前述のような乱反射処理を施すことによって、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。導電性基体1の形状としては、本発明では円筒形状のものが使用できる。
導電性基体1の外周面には下引き層7が設けられてもよい。導電性基体1と感光層4との間に下引き層7が無い場合、導電性基体1から感光層4に電荷が注入され、その帯電電位が低下し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少して、かぶりなどの画像欠陥が発生する。特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合、露光によって表面電荷が減少した部分にトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される『黒ポチ』と呼ばれる画像かぶりが発生し、著しい画質不良が生じる。すなわち、導電性基体1または感光層4の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ポチなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となる。
しかしながら、下引き層7を設けることによって導電性基体1から感光層4へ電荷が注入されることを抑制できるので、感光層4の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、かぶりなどの画像欠陥が発生することを防止できる。また下引き層7は導電性基体1表面の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層4の成膜性を高めることができる。また感光層4の導電性基体1からの剥離を抑え、導電性基体1と感光層4との接着性を向上させることができる。
下引き層7には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。樹脂層を形成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2種以上を含む共重合体樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどを挙げることができる。
下引き層7は、金属酸化物などの粒子を含有してもよい。これらの粒子を含有させることによって、下引き層7の体積抵抗値を調節し、導電性基体1から感光層4への電荷の注入をさらに抑制することができるとともに、各種環境下において電子写真感光体の電気特性の安定性を維持することができる。金属酸化物粒子としては、たとえば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどの粒子を挙げることができる。下引き層7に金属酸化物などの粒子を含有させる場合、たとえば、前述の樹脂が溶解した樹脂溶液中に、これらの粒子を分散させて下引き層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体1上に塗布することによって下引き層7を形成することができる。
樹脂溶液の溶剤には、前述の有機溶剤の他に、水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグライム系なども用いられる。また、これらの溶剤を2種以上混合した混合溶剤を用いることもできる。
前述の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルまたは超音波分散機などを用いる一般的な方法を使用することができる。
下引き層形成用塗布液中の樹脂および金属酸化物の合計含有量Cは、下引き層形成用塗布液に使用されている溶剤の含有量Dに対し、C/Dが重量比で1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂と金属酸化物との比率(樹脂/金属酸化物)は重量比で90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
下引き層形成用塗布液の粘度としては、50mPa・s以下となるように調整することで、本発明の電子写真感光体の製造方法が適用でき、塗布液膜の飛散による不良を発生することなく、均一な下引き層を形成することが可能である。
下引き層7の膜厚は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。下引き層7の膜厚が0.01μmより薄いと、実質的に下引き層7として機能しなくなり、導電性基体1の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができず、導電性基体1から感光層4への電荷の注入も防止することができなくなるので、感光層4の帯電性の低下が生じる。他方、下引き層7の膜厚が20μmよりも厚いと、下引き層7を均一に形成することが困難になり、また感度特性も低下するので好ましくない。
電荷発生層5は、光を吸収することによって電荷を発生させる電荷発生物質を主成分として含有する。電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴまたはチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドまたはペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンまたはピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンまたは無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系色素、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシンなどに代表されるアクリジン系色素、メチレンブルー、メチレングリーンなどに代表されるチアジン系色素、カプリブルーまたはメルドラブルーなどに代表されるオキサジン系色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、チオインジゴ系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、キナクリドン系色素、キノリン系色素、レーキ系色素、アゾレーキ系色素、ジオキサジン系色素、アズレニウム系色素、トリアリルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素等の種々の有機顔料、染料、さらにアモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることができる。これらの電荷発生物質は、1種を単独でまたは2種以上を組合して使用できる。
電荷発生層5の形成方法としては、本発明では、溶剤中に電荷発生物質を分散して得られる電荷発生層形成用塗布液を導電性基体1上に、上記の浸漬塗布法で形成する。
バインダ樹脂には、たとえばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、およびこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2種以上を含む共重合体樹脂などからなる群から選ばれる1種を単独で、または2種以上が混合されて使用される。共重合体樹脂の具体例としては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。バインダ樹脂は、前述のものに限定されることなく、一般に用いられる公知の樹脂をバインダ樹脂として使用することができる。
溶剤には、たとえばテトラクロロプロパンまたはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、イソホロン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。また、これらの溶剤を2種以上混合した溶剤を用いることもできる。
電荷発生物質とバインダ樹脂との混合比率は、電荷発生層全体の重量を100%とすると、電荷発生物質が10重量%〜99重量%の範囲にあることが好ましい。電荷発生物質が10重量%未満では感度不足となる。他方、電荷発生物質が99重量%を超えると電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少するので、画像欠陥、特に黒ポチが多く発生する。
バインダ樹脂溶液中に電荷発生物質を分散させる前処理として、電荷発生物質を粉砕機によって予め粉砕処理してもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などを挙げることができる。
電荷発生物質をバインダ樹脂溶液中に分散させる場合、用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように最適な条件を選択することが望ましい。
さらに電荷発生層5には、必要に応じてホール輸送材料、電子輸送材料、酸化防止剤、分散安定剤、増感剤などの各種添加剤を添加してもよい。これにより電気特性が向上すると共に、塗布液としての保存安定性も高まる。また、電子写真感光体を繰返し使用した際の疲労劣化を軽減し、耐久性を向上させることもできる。
電荷発生層5は、前述したように電荷発生層形成用塗布液を調製し、調整された塗布液を本発明の製造方法で被塗布物の表面上に塗布することによって形成される。本発明で用いられる電荷発生層形成用塗布液の粘度としては、50mPa・s以下となるように調整された塗布液であり、この粘度で調整された塗布液を用いることで、本発明の製造方法によって欠陥の無い、高品質な電荷発生層5を形成することができる。電荷発生層5の膜厚は、0.05μm以上5.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。電荷発生層5の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、電荷発生量の不足から感度が悪化する。電荷発生層5の膜厚が5.0μmを超えると、電荷発生層5の内部での過剰な電荷移動が感光体表面の電荷を消去していく過程が強く現れ、帯電性が低下する。
電荷輸送層6は、電荷発生層5で発生した電荷を受入れ、輸送する能力を有する電荷輸送物質をバインダ樹脂中に含有させることによって得られる。電荷輸送物質としては、ホール輸送物質および電子輸送物質を用いることができる。ホール輸送物質としては、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体などを挙げることができる。また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマーとしては、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール-ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセンなど、またはポリシラン等が挙げられる。
電子輸送物質としては、たとえばベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレン誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、フルオレノン誘導体、キサントン誘導体、フェナントラキノン誘導体、無水フタル酸誘導体、ジフェノキノン誘導体等の有機化合物、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独または2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層6のバインダ樹脂には、電荷輸送物質との相溶性に優れるものが選ばれる。具体例としては、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびそれらの共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノール樹脂などの樹脂類を挙げることができる。また、これらの樹脂を部分的に架橋させた熱硬化性樹脂を使用しても良い。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。前述した樹脂の中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、また成膜性および電気特性などにも優れているので、これらをバインダ樹脂に用いることが特に好ましい。
電荷輸送物質(A)とバインダ樹脂(B)との比率(A/B)は、重量比で10/12〜10/30である。比率(A/B)が10/30未満でありバインダ樹脂の比率が高くなると、現状の電荷輸送物質の電荷輸送能では、充分な応答性が得られなくなる。また比率(A/B)が10/12を超えバインダ樹脂の比率が低くなると、耐刷性が低下し、感光層4の摩耗量が増加する。従って、比率(A/B)を、10/12以上10/30以下とした。
電荷輸送層6には、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて、可塑剤または表面改質剤などの添加剤を混合しても良い。可塑剤としては、たとえばビフェニル、塩化ビフェニル、ベンゾフェノン、o−ターフェニル、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、各種フルオロ炭化水素、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などを挙げることができる。表面改質剤としては、シリコーンオイル、フッ素樹脂等が挙げられる。
また電荷輸送層6には、機械的強度の増加、及び電気的特性の向上を図るために、無機化合物または有機化合物の微粒子を添加しても良く、さらに必要に応じて酸化防止剤および増感剤などの各種添加剤を添加しても良い。このことによって、電位特性が向上するとともに、塗工液としての保存安定性が高まり、また電子写真感光体を繰返し使用した際の疲労劣化を軽減し、耐久性を向上させることができる。
酸化防止剤には、ヒンダードフェノール誘導体またはヒンダードアミン誘導体が好適に用いられる。ヒンダードフェノール誘導体は、電荷輸送物質に対して0.1重量%以上50重量%以下の範囲で使用されることが好ましい。ヒンダードアミン誘導体は電荷輸送物質に対して0.1重量%以上50重量%以下の範囲で使用されることが好ましい。また、ヒンダードフェノール誘導体とヒンダードアミン誘導体とは、混合されて使用されてもよい。この場合、ヒンダードフェノール誘導体およびヒンダードアミン誘導体の合計使用量が、電荷輸送物質に対して0.1重量%以上50重量%以下の範囲にあることが好ましい。ヒンダードフェノール誘導体の使用量、ヒンダードアミン誘導体の使用量、またはヒンダードフェノール誘導体およびヒンダードアミン誘導体の合計使用量が電荷輸送物質に対して0.1重量%未満であると、塗布液の保存安定性の向上および電子写真感光体の耐久性の向上に充分な効果を発現することができない。また50重量%を超えると感度特性に悪影響を及ぼす。
電荷輸送層形成用塗布液に用いられる溶剤には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類、安息香酸メチルまたは酢酸エチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤からなる群から選ばれる1種を単独で、または2種以上を混合して使用できる。また前述した溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することもできる。
電荷輸送層6の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下である。電荷輸送層6の膜厚が5μm未満であると、電子写真感光体表面の帯電保持能が低下する。他方、電荷輸送層6の膜厚が50μmを超えると、電子写真感光体の解像度が低下する。したがって、5μm以上50μm以下とした。
さらに必要であれば、感光層4表面を保護するために表面保護層を設けてもよい。表面保護層には、熱可塑性樹脂や、光または熟硬化性樹脂を用いることができる。
以下本発明の実施例について説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
金属酸化物微粒子として酸化チタン(昭和電工社製:TS−043[酸化チタン90重量%、無水二酸化ケイ素10重量%])60重量部、もう1種類の金属酸化物微粒子として、Al、SiO・nHO処理を施した酸化チタン(テイカ社製:MT−500SA[酸化チタン90重量%、Al(OH) 5重量%、SiO・nHO 5重量%])60重量部、バインダ樹脂としてポリアミド樹脂(ダイセル・デグサ社製:X1010)30重量部を、溶剤としてメタノール276重量部とテトラヒドロフラン553重量部、n−プロパノール92重量部の混合溶剤と共に横型ビーズミルの攪拌タンクに投入し、容積16500mlの横型ビーズミル本体には分散メディアとして直径0.5mmの窒化ケイ素製ビーズを80%の容積量まで投入した。そしてダイヤフラムポンプを介して攪拌タンクから分散機本体へ送液することで15時間循環しながら分散し、固形分濃度が14.0重量%の下引き層形成用塗布液64000mlを調製した。
この下引層用塗布液を、図1に示す浸漬塗布装置11を用いて浸漬塗布した。塗布時における下引き層形成用塗布液の粘度は12.6mPa・sであった。なお、本実施例で用いた浸漬塗布装置11は、隣合う被塗布物同士の間隔dが45mmで、被塗布物を一度に40本処理することができるもので、各塗布液槽の内径は70mmである。塗布においては、導電性基体として、内径28.5mm、肉厚0.75mm、全長340mmのアルミニウム製導電性基体を用い、上記下引き層形成用塗布液が収容された浸漬塗布装置11の塗布液槽に、導電性基体の上端部を1mm残すまで浸漬させてから5秒間停止し、2.0mm/sの一定速度で引上げた。引上げの際、導電性基体の開放側の端部の位置が塗布液面に等しくなった時を、期間の開始点として、そこから導電性基体の開放側の端部と塗布液面との距離が3.5mmとなったときに、導電性基体の閉塞側端部から0.5秒間、導電性基体内部の空気を吸引する吸引工程を行った。このようにして導電性基体表面へ下引き層形成用塗布液を塗布し、自然乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。同様の下引き層形成を、25パレット分(合計10000本)実施した。
次いで、電荷発生物質であるオキソチタニウムフタロシアニンとしてCu−Kα特性X線(波長:1.54Å)によるX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角(2θ±0.2度)27.2度に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニンの2.3重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製:エスレックBM−2)1.2重量部と、ジメトキシエタン96.5重量部とを混合しペイントシェーカにて分散処理して、固形分濃度3.5重量%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、先と同様の浸漬塗布装置11に収容して塗布を行った。塗布時における粘度は3.4mPa・sである。塗布においては、導電性基体の一方端部を閉塞し、他方端部を開放した状態で、下引層が形成された導電性基体を、開放側の他方端部から塗布液に浸漬し、導電性基体の上端部を1.2mm残すまで浸漬させてから7秒間停止し、2.3mm/sの一定速度で引上げた。引上げの際、導電性基体の開放側の他方端部の位置が塗布液面に等しくなった時点を開始点として、開始点から2.5mm引き上げたときに、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが2.5mmであるときに、導電性基体の閉塞側の一方端部から0.5秒間、導電性基体内部の空気を吸引する吸引工程を行った。以上のようにして電荷発生層形成用塗布液を塗布した後、自然乾燥して、25パレット分(合計10000本)の膜厚0.4μmの電荷発生層を下引き層上に形成した。
次いで、電荷輸送物質として下記構造式(I)のヒドラゾン系化合物10重量部、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製:ユーピロンZ400)16重量部、レベリング剤としてジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製:KF−96)0.0032重量部、酸化防止剤として(住友化学社製:スミライザーBHT)0.5重量部をテトラヒドロフラン106重量部に混合して固形分濃度20重量%、20℃における粘度が540mPa・sの電荷輸送層形成用塗布液を調整した。そして浸漬塗布法により上記電荷発生層上に塗布し、120℃で1時間の熱風乾燥を行い、25パレット分(合計10000本)の乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして実施例1の電子写真感光体10000本を作製した。
(実施例2)
下引き層の形成条件以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
下引き層形成用塗布液の溶剤としてメタノール452重量部と1,3−ジオキソラン302重量部の混合溶剤を用い、固形分濃度16.6重量%の下引き層形成用塗布液を調整して引上げ速度1.4mm/sの一定速度で引上げて、導電性基体上に下引き層を形成した。引上げる際の吸引工程として、導電性基体の開放側の他方端部の位置が塗布液面に等しくなった時点を開始点として、開始点から7.0mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが7.0mmであるときに4秒間吸引した。
なお、塗布時における下引き層形成用塗布液の粘度は、49.9mPa・sであった。下引き層形成時の被塗布物の開放側の他方端部と塗布液面との間の塗布液の表面張力による繋がり長さは概ね8.2mmであった。
ここで、繋がり長さとは、引上げ工程で開口側端部が塗布液面から離れていく際に、吸引動作を行わずに、開口側端部と塗布液面との間の表面張力による繋がりが自然に切れた時点での塗布液面と開口側端部との間の距離のことで、表面張力による繋がりの最大長さに相当する。
なお、本実施例では40本を一度に塗布できる浸漬塗布装置を使用しており、繋がり長さは、これら40本の中で最も早く繋がりが切れたときの長さとした。
(実施例3)
下引き層の形成条件以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
下引き層形成用塗布液の溶剤としてメタノール259重量部とテトラヒドロフラン519重量部、n−プロパノール86重量部の混合溶剤を用い、固形分濃度14.8重量%の下引き層形成用塗布液を調製して引上げ速度1.8mm/sの一定速度で引上げて、導電性基体上に下引き層を形成した。引上げる際の吸引工程として、導電性基体の開放側の他方端部の位置が塗布液面に等しくなった時点を開始点として、開始点から5.3mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが5.3mmであるときに1.3秒間吸引した。なお、塗布時における下引き層形成用塗布液の粘度は、19.7mPa・sであった。下引き層形成時の被塗布物の開放側の他方端部と塗布液面との間の塗布液の表面張力による繋がり長さは概ね6.1mmであった。
(実施例4)
引上げる際の吸引工程として、開始点から4.0mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが4.0mmであるときに3秒間吸引したこと以外は実施例2と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
(実施例5)
電荷発生層形成用塗布液の溶剤を1,3−ジオキソラン134重量部として電荷発生装用塗布液を調製し、引上げ速度4.8mm/sで引きあげて下引き層を形成した導電性基体表面上に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、さらに電荷発生層形成時の吸引工程で、開始点から5.0mm引き上げた時に、すなわち開放側の他方端部と塗布液面との距離rが5.0mmとなった時に、導電性基体の引上げを5秒間中断し、中断開始から3秒間経過後に0.5秒間吸引を実施したこと以外は実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。電荷発生層形成用塗布液は固形分濃度2.55重量%で塗布時における粘度は1.70 mPa・sであった。
(実施例6)
導電性基体の引上げを中断する中断時間を12秒間とした以外は実施例5と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
下引き層を形成するとき、および電荷発生層を形成するときに吸引工程を実施しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
下引き層を形成するときの吸引工程として、開始点から15.0mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが15.0mmであるときに吸引した。さらに、電荷発生層を形成するときの吸引工程として、開始点から12.0mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが12.0mmであるときに吸引した。
上記の各吸引工程では、吸引を開始する時点で、被塗布物の開放側端部と塗布液面との間の塗布液の表面張力による繋がりは、すでに完全に切れていた。これらの吸引工程以外は実施例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
下引き層形成用塗布液の溶剤としてメタノール215重量部とテトラヒドロフラン430重量部、n−プロパノール72重量部の混合溶剤を用い、固形分濃度17.3重量%の下引き層形成用塗布液を調製して引上げ速度1.0mm/sの一定速度で引上げた。塗布時における下引き層形成用塗布液の粘度は、69.6mPa・sであった。その引上げ時の吸引工程として、開始点から4.0mm引き上げた時に、すなわち開放側端部と塗布液面との距離rが4.0mmであるときに吸引した。
このような条件では、吸引工程で、大量の下引き層形成用塗布液が導電性基体内部に吸引されてしまい、導電性基体内の把持手段の手前まで汚染されてしまったため、以降の工程は中止した。
以上のようにして作製した各実施例および各比較例の電子写真感光体について目視検査を行った。そして、下引き層形成用塗布液の飛沫が付着しているか(不良項目名:UC液とび)、電荷発生層形成用塗布液の飛沫が付着しているか(不良項目名:CG液とび)を判断し、各塗布液の飛沫付着による不良発生率を算出して評価した。
また、実施例5と比較例4で作製した電子写真感光体については、それぞれの代表となる1本ずつをシャープ株式会社製デジタル複写機MX−M503Nに搭載して、接続したコンピュータからハーフトーン画像データを複写機に送信し、プリンターモードで出力して画像評価を行った。
以上の実施例、比較例で製造した電子写真感光体の吸引条件と目視観察の結果、および画像評価の結果を下記表1にまとめる。
表1に示すように、吸引を実施しなかった比較例1と、導電性基体の開放側端部と塗布液面との繋がりが切れたのちに吸引を実施した比較例2では、UC液とびとCG液とびによる不良率が共に高い結果となった。また、これら2つの比較例で、不良率の値は同程度であったことから、比較例2で実施したタイミングでの吸引は、UC液とびおよびCG液とび不良の改善には効果がないことを示している。
粘度が50mPa・sを超えた高粘度の下引き層形成用塗布液を用いたで比較例3では、塗布液を吸引して導電性基体内部が汚染されることとなった。
これに対して実施例1〜4では、下引き層、電荷発生層ともに液とび不良の発生は極僅かであり、下引き層形成用塗布液および電荷発生層形成用塗布液のような低粘度の塗布液を用いた場合でも、本発明の吸引工程では効果的に作用し、液とびによる不良発生を抑制していることが明らかである。
また、実施例5では、塗布速度が実施例1よりも倍以上としたために、被塗布物の開放側の他方端部と塗布液面とが繋がっている期間が短くなり、吸引制御に大きな負荷がかかるおそれがあったが、吸引を実施する前に被塗布物の引き上げを中断したことにより、安定して吸引を実施することができ、かつ、引上げを中断しても電荷発生層形成用塗布液の溶剤蒸気に暴露される時間が短かったことから、被塗布物の他方端部付近において、電荷発生層の膜厚にも影響はあらわれず、画像評価においても良好であった。
また、被塗布物の開放側の他方端部が塗布液面に達してから引上げを12秒間中断した実施例6では、その中断時間が長く、導電性基体の開放側の他方端部が電荷発生層形成用塗布液の溶剤蒸気に暴露されすぎたため、他方端部に付着した電荷発生層形成用塗布液の膜厚が薄くなった。これにより、導電性基体の他方端部付近で感度不足による若干の画像濃度の低下が発生してしまい、画像品質としては最良ではない状態であったが、UC液とびおよびCG液とび不良には充分な改善効果が見られ、形成した画像上に各種の液とびの跡は全く見られなかった。
以上の評価結果から、本発明の製造方法によって、粘度の低い塗布液を用いた場合であっても、塗布液の飛散を抑制して高品質な電子写真感光体を製造できることがわかった。
1 導電性基体
4 感光層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
7 下引き層
11 浸漬塗布装置
12 被塗布物
13 塗布液
13a 塗布液面
14 塗布液槽
15 把持装置
16 昇降装置
31 撹拌槽
39 塗布層

Claims (5)

  1. 円筒形状の基体を、一方端が閉塞され、他方端が開放された状態で、粘度が50mPa・s以下の塗布液に、開放された他方端側から浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた基体を塗布液中から引上げることによって、基体の外周面に塗布液からなる塗布層を形成する形成工程であって、基体の他方端が塗布液の液面よりも上方にあって、塗布液の表面張力によって基体の他方端と塗布液の一部とが接触した状態にある期間内に、閉塞された一方端側から基体内部の空気の吸引を行う形成工程とを含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記塗布液の粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記形成工程の前記期間は、基体の他方端と塗布液の液面との距離が0〜5mmとなる期間であることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記形成工程の前記期間中に、基体の引き上げを1〜10秒間中断し、中断中に前記吸引を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 円筒形状の基体と、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体の製造方法によって基体の外周面に形成された塗布層を乾燥して得られる感光層と、を備えることを特徴とする電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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