JP3748404B2 - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜を形成する方法及び装置に関し、より詳細には、スプレー塗布によって電子写真複写機、レーザービームプリンター、CRTプリンター、電子写真式製版システムなどの電子写真応用分野に広く用いることができる電子写真感光体を製造する方法及び装置並びに前記方法によって得られた電子写真感光体に関する。
【0002】
また、本発明の電子写真感光体を製造する方法及び装置は、電子写真感光体の製造ばかりでなく、スプレー塗布によって塗膜を得る他の用途においても適用することが可能である。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真用感光体の感光層にはセレン、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられてきた。
また、近年では、有機光導電性物質を感光層に用いる研究が盛んになり、更に最近では、光を吸収して電荷キャリアーを発生させる機能と、発生した電荷キャリアーを移動させる機能を分離した、電荷発生層及び電荷移動層の二層からなる機能分離型積層感光体が考案され研究の主流となっている。
【0004】
この機能分離型積層感光体はそれぞれ効率の高い電荷発生作用及び電荷輸送作用を有する有機化合物を組み合わせることにより高感度な感光体が得られ実用化に至っている。
【0005】
さらに、デジタル化・高画質化・高耐久化等の要請により、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けた感光体や、感光層の上に保護層などを設けた感光体が数多く考案されている。
【0006】
これらの下引き層、保護層などには無機・有機を問わず少なくとも微粒子を含むサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層を用いて帯電能向上、モアレ防止、画像欠陥防止、耐久性向上、耐候性向上など高い機能を発現する考案も数多くなされ、複写機に代表される各種電子写真プロセスを応用した画像形成機器の進歩に貢献している。
【0007】
一方、有機電子写真用感光体は一般に円筒状ドラム基体又は無端ベルト状基体等の上へ塗布することにより電子写真用感光体として製造されるが、その塗布方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法等の塗布方法が知られている。
以下、上記の各塗布法について述べる。
【0008】
<浸漬塗布法>
前記浸漬塗布法は、工業的に最も多く使用され数多くの改良研究もなされている方法ではあるが、この方法は、長径サイズが多い無端ベルト状基体や長尺円筒状ドラム基体に塗布する場合には大量に塗布液を消費するために製造コスト面で不利な塗布方法である。またこの塗布法は、基体を塗布液に浸漬させた後引き上げるというものであるため、積層型感光体の製造に適用した場合には先に塗布された膜から低分子化合物が溶出しやすく、機能低減につながりかねない。また、その際に溶出物が塗布液を汚染することがあるため、製造工程に与える影響が大きい。
特に、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた機能分離型積層感光体の上に保護層を形成する場合には、電荷移動層中の低分子電荷輸送化合物が溶出し、基本的な電荷輸送機能が低減する深刻な問題を発生させる。
【0009】
<ノズル塗布法>
ノズル塗布法は消費塗布液量が少ないため特に長径サイズが多い無端ベルト状基体や長尺円筒状ドラム基体の場合の製造に有利であるが、塗布開始部と終了部の重なる部分が厚くなり、解決のための技術的難易度が高い。
また、塗布装置へ要求される機械的精度が非現実的に高いため、工業的に利用するには不適である。
【0010】
<スプレー塗布法>
スプレー塗布法も消費塗布液量が少ないため特に長径サイズが多い無端ベルト状基体や長尺円筒状ドラム基体の場合の製造に有利であり、さらに塗布開始部と終了部の重なる部分の問題もなく、一部工業的に利用されている。
【0011】
また、汎用的な円筒状ドラム基体の場合でも、先に塗布された膜から低分子化合物が溶出しにくく、溶出による機能低減を防止できるため、特に電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた機能分離型積層感光体の保護層の形成には有利である。
【0012】
ところが、通常スプレー塗布では、塗膜表面平滑性を得るために塗布液に比較的蒸発速度の遅い溶媒を使用することが多く、スプレー動作終了後もスプレーを停止させた塗工機内での指触乾燥に時間を要するのが一般的である。
また、被塗物の移載などでスプレーを停止することもしばしばある。
【0013】
特に、少なくとも溶媒と微粒子とを含む微粒子分散液を塗布液とした場合には、スプレー停止時にスプレー塗布装置内で微粒子の沈降が進みやすく、沈降した微粒子はスプレーガンのつまりの原因となり、スプレー吐出量の安定性を悪化させ、塗膜ムラとなる。
【0014】
この点に関しては、一般的なスプレー塗布法が対象ではあるが、塗布液をスプレー塗布装置(スプレーガン)内に滞留させることなく供給し移動させているエアスプレー塗布方法および装置(特開平9−75794号公報)が提案されている。
【0015】
ところで、一般に電子写真感光体の下引き層、保護層などの塗布においては、その電気的特性の制約からサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層の形成が要求されるため、電子写真感光体をスプレー塗布により形成するためには微少流量を精度よく一定流量でスプレー塗布装置へ送液する必要がある。
【0016】
このような微少流量では、単純に塗布液がスプレー塗布装置から再び塗布液タンクに戻るような循環経路を設けただけではスプレー停止時におけるスプレー塗布装置内、および送液経路内での微粒子の沈降を十分に防止しきれず、スプレーガンのつまりが発生しやすい。
【0017】
実開昭58−174264号公報には塗布液循環型のスプレー塗布装置が開示されている。この装置は、塗布液タンク→ポンプ→塗布液給送管→スプレーガン→塗布液返送管→塗布液タンクという塗布液循環経路において、ポンプと塗布液給送管との間の経路と塗布液返送管とタンクとの間の経路とをバイパス管で結んで、分流させた塗布液によって強制的にタンク内の貯留液を撹拌させて溶液の沈殿を防止するものである。しかしながら、この装置は大流量で塗布を行うものであり、この装置におけるようにスプレー停止時に、スプレー塗布装置内、および送液経路内での微粒子の沈降を十分に防止できるような流量で送液した場合は、流量が多すぎて電子写真感光体に要求されるサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層の形成が困難となる。
【0018】
さらに、電子写真感光体をスプレー塗布により形成するために微少流量を精度よく一定流量でスプレー塗布装置へ送液する場合には、微粒子分散液供給装置内でも微粒子の沈降が進みやすい。
【0019】
特に、微粒子分散液供給装置として、ダイアフラムポンプやギアポンプなどの脈動が発生しやすい機構の液供給装置を使用しないで、一定流量でスプレー塗布装置へ送液することが可能なシリンジポンプを採用した場合には、スプレー停止時にシリンジポンプも停止させることが生産工程の効率上有効であるために、シリンダ内に分散液の滞留が発生し、微粒子の沈降が進みやすい。さらに、液のレオロジーが変化する場合もある。
【0020】
この場合は、スプレー塗布装置内の液容量に比して液供給装置内の液容量(シリンダ容量)がはるかに大きいために、スプレー塗布装置内での微粒子沈降が及ぼす悪影響に比べて、より深刻な事態を招くことになる。
【0021】
すなわち、その微粒子の沈降が進んだ状態でスプレーにより分散層を形成した場合には、微粒子含有量の少なくなった上澄み液をスプレーすることになり、その結果分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性が乏しくなり、電子写真感光体の電気特性・耐久性等に多大な悪影響を及ぼす。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、組成の均一な塗膜を形成することができる塗布方法及び塗布装置を提供することを目的とする。また、本発明は、微粒子を分散する液体を塗布液とする場合において、スプレー塗布装置の目詰まりを生じさせることがなく、かつ、組成の均一な塗膜を形成することができる塗布方法及び塗布装置を提供することを目的とし、より詳細には、スプレー停止時に液供給装置内、スプレー塗布装置内および送液経路内で常時液を流動させている循環型スプレー塗布法により、液組成の不均一化を防止して、均一な組成の塗膜を形成する方法及び装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の方法及び装置を用いて均一な組成の塗膜を形成した電子写真を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記の本発明の目的は、本発明の次の態様により達成することができる。
(1)少なくとも液供給装置、液を霧状にして噴霧するスプレー塗布装置および液が液タンクから前記液供給装置を経て前記スプレー塗布装置へ送液される送液経路とスプレー塗布装置から再び液タンクに戻る循環経路と循環用液加圧手段とを含む送液循環経路を有する循環型スプレー塗布装置を使用して、スプレー停止時に液供給装置内、スプレー塗布装置内および送液経路内で常時液を流動させる電子写真用感光体の製造方法であって、該液供給装置が、少なくともシリンダと該シリンダ内に可動自在に挿入されるビストン部を備えたピストンロッドと該ピストンロッドを駆動する手段とを備え、スプレー動作時は前記ピストンロッドを駆動することにより該塗布液を前記スプレー塗布装置に供給可能としたシリンジポンプであって、さらに該ピストンロッドは少なくとも液循環のための入口部、出口部および液流路を備え、スプレー停止時に塗布液をシリンダ内で流動可能としたシリンジポンプであることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
【0024】
(2)液を霧状にして噴霧する前記スプレー塗布装置が、少なくともノズルと空気キャップとを備え、前記ノズルに加圧供給された該液を前記空気キャップから噴出する圧縮空気により霧化可能としたエアスプレーガンであって、さらに該ノズルには霧化用液吐出部の他に少なくとも液供給口と液循環のための出口部とが設けられており、スプレー停止時には常時液をエアスプレーガン内で流動可能とした循環型エアスプレーガンであることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0025】
(3)前記送液循環経路が、液タンクと前記液供給装置の間の送液経路と、スプレー塗布装置と液タンクの間の循環経路とに、循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断する液圧遮断手段を各々に1個以上有しており、スプレー動作時に前記循環液圧を遮断して循環を停止するとともに、前記液供給装置と前記スプレー塗布装置の間の液圧を循環用液加圧手段が発生する液圧から遮断独立させて、液供給装置が発生する液圧力に等しくし、液供給装置が発生する液圧力でスプレーすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0026】
(4)前記循環用液加圧手段が発生する液圧による液の循環流量をFa( cc/min )、前記液供給装置が発生する液圧による液のスプレー塗布時の流量をFb( cc/min )とした時に、FaとFbの間にFa>Fbの関係が成立することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
【0027】
(5)少なくとも液供給装置、該液を霧状にして噴霧するスプレー塗布装置および該液が液タンクから前記液供給装置を経て前記スプレー塗布装置へ送液される送液経路とスプレー塗布装置から再び液タンクに戻る循環経路と循環用液加圧手段とを含む送液循環経路を有する電子写真用感光体の製造装置であって、該液供給装置が、少なくともシリンダと該シリンダ内に可動自在に挿入されるピストン部を備えたピストンロッドと該ピストンロッドを駆動する手段とを備え、スプレー動作時は前記ピストンロッドを駆動することにより該液を前記スプレー塗布装置に供給可能としたシリンジポンプであって、さらに該ピストンロッドは少なくとも液循環のための入口部、出口部および液流路を備え、スプレー停止時には常時液をシリンダ内で流動可能としたシリンジポンプであることを特徴とする電子写真用感光体の製造装置。
【0028】
(6)液を霧状にして噴霧する前記スプレー塗布装置が、少なくともノズルと空気キャップとを備え、前記ノズルに加圧供給された該液を前記空気キャップから噴出する圧縮空気により霧化可能としたエアスプレーガンであって、さらに該ノズルには霧化用液吐出部の他に少なくとも液供給口と液循環のための出口部とが設けられており、スプレー停止時には常時液をエアスプレーガン内で流動可能とした循環型エアスプレーガンであることを特徴とする上記(5)に記載の電子写真用感光体の製造装置。
【0029】
(7)前記送液循環経路が、液タンクと前記液供給装置の間の送液経路と、スプレー塗布装置と液タンクの間の循環経路とに、循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断する液圧遮断手段を各々に1個以上有しており、スプレー動作時に前記循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断して循環を停止するとともに、前記液供給装置と前記スプレー塗布装置の間の液圧を循環用液加圧手段が発生する液圧から遮断独立させて、液供給装置が発生する液圧力に等しくし、液供給装置が発生する液圧力でスプレーすることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の電子写真用感光体の製造装置。
【0030】
(8)導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む下引き層を有する電子写真感光体において、該下引き層を上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
【0031】
(9)導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む電荷発生層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層を上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって形成したこと特徴とする電子写真感光体。
【0032】
(10)導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層を上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
【0033】
(11)導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む保護層を有する電子写真感光体において、該保護層を上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の方法及び装置は、滞留によって液の均質性が損なわれるような液の塗布に好適であり、微粒子分散液、有機化合物及び/又は樹脂の溶解液、エマルション溶液等の塗布に適用できるが、特に、微粒子分散液をスプレー塗布するのに好適である。
【0041】
本発明の方法及び装置によって微粒子分散液を塗布した場合には、スプレーガンのつまりを防止し、さらに分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性を良好なものとし、かつサブμmから数μm程度の薄く均一な塗膜層を形成することができる。
本発明の塗布方法及び塗布装置は、例えば、電子写真感光体の感光体層等を形成するのに適しているが、感光体層の形成に限らず、塗膜の形成を行う他の技術分野においても適用することができる。
このため、以下では、塗布液として微粒子分散液を用いた場合について説明するが、本発明は微粒子分散液を用いた場合に限定されるものではないことはもちろんである。
【0042】
本発明において使用する液供給装置としては好ましくはシリンジポンプを用いることができる。シリンジポンプは、少なくともシリンダと該シリンダ内に可動自在に挿入されるピストン部を備えたピストンロッドと該ピストンロッドを駆動する手段とを備え、スプレー動作時は前記ピストンロッドを駆動することにより一定流量の液を前記スプレー塗布装置に供給可能としたものである。シリンジポンプとしては、シリンダ又はピストンロッド内に液流路を設けたものを用いることが好ましい。特に、ピストンロッド内に液流路を設けることが好ましく、例えば、ピストンロッドが少なくとも液循環のための入口部、出口部および液流路を備え、スプレー停止時には常時微粒子分散液をシリンダ内に滞留させることなく流動可能とすることができるシリンジポンプを用いることが好ましい。
【0043】
また、本発明において使用するスプレー塗布装置は、少なくとも塗料ノズルと空気キャップとを備え、前記塗料ノズルに加圧供給された液を前記空気キャップから噴出する圧縮空気により霧化可能としたエアスプレーガンであって、さらに該塗料ノズルには霧化用液吐出部の他に少なくとも液供給口と液循環のための出口部とが設けられており、スプレー停止時には常時液をエアスプレーガン内に滞留させることなく流動可能とした循環型エアスプレーガンであることがよい。
【0044】
さらに、本発明における、液が液タンクから前記液供給装置を経て前記スプレー塗布装置へ送液される送液経路とスプレー塗布装置から再び液タンクに戻るような循環経路と循環用液加圧手段とを含む送液循環経路は、塗布液タンクと前記液供給装置との間の送液経路と、スプレー塗布装置と塗布液タンクとの間の循環経路とに、循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断する液圧遮断手段を各々に1個以上有しており、スプレー動作時に前記循環液圧を遮断して循環を停止した時に、前記液供給装置と前記スプレー塗布装置との間の液圧を循環用液加圧手段が発生する液圧から遮断独立させて、液供給装置が発生する液圧力に等しくして、液供給装置が発生する液圧力でスプレーすることを可能とした送液循環経路であることが好ましい。
【0045】
本発明においては、「液供給装置」とは、主に塗布時のスプレー塗布装置の吐出圧力を担うものであり、「循環用加圧手段」とは、主に塗布装置全体の液循環を担うものである。そして、液供給装置は循環用加圧手段とスプレー塗布装置との間に配置することが好ましい。
【0046】
また、前記循環用液加圧手段が発生する液圧による分散液の循環流量をFa(cc/min)、前記微粒子分散液供給装置が発生する液圧による分散液のスプレー塗布時の流量をFb(cc/min)とした時に、FaとFbの間にFa>Fbの関係が成立すること好ましい。電子写真感光体を作製する上でのFaの好ましい流量は5〜100cc/minであり、Fbの好ましい流量は300〜1500cc/minである。
【0047】
本発明の詳細を図面によって説明する。ただし、図面は一例であり、本発明はこの形態に限定されるものではない。
【0048】
まず、スプレー停止時の動作について説明する。
図1は、本発明の全体図である。
塗布液タンク1へ投入され撹拌されている、微粒子分散液2は、循環用加圧手段3により加圧されて送液経路4を通り液供給装置6およびスプレー塗布装置7へ送液され、循環経路8を通り塗布液タンク1へ戻る。この時、送液経路4および循環経路8に設けられた液圧遮断手段5は解放状態である。循環用加圧手段としては、ギアポンプ、ダイアフラムポンプ等の微粒子の沈降を防止するのに十分な流量が出せる手段が好ましい。
【0049】
特に、スプレー停止時の液供給装置6の詳細を図2により説明する。
図2は、本発明の液供給装置の模式図である。この液供給装置は、シリンダ11、ピストン部17及びピストンロッド12からなるシリンジポンプであり、前記ピストンロッド12が循環液入口14、循環液出口15および循環液流路16を備えている。
図1に記載された循環用加圧手段3により加圧された微粒子分散液2は、送液経路4に接続されたピストンロッド12の循環液入口14から入ってピストンロッド12内部を貫通する循環液流路16を通り、循環液出口15からシリンダ11内部に供給される。
【0050】
その後、微粒子分散液2はシリンダ11内部を充満した後にシリンダ上部に接続された送液経路4からスプレー塗布装置7へ向かう。スプレー停止時には、液供給装置6も停止しており、ピストンロッド12は下死点に待機し停止している。
【0051】
シリンダ11の容量は、一回のスプレー塗布に必要な分散液の容量以上が好ましいが、必要以上に大きいとスプレー動作時の送液精度が悪化する原因となるために好ましくない。
【0052】
上記のような構成となっているため、スプレー停止時において、このシリンダ11内で微粒子分散液2を滞留させることなく流動可能となっている。従って、循環用加圧手段3では、スプレー塗布のための液圧力の大小に関わらず、十分な循環流量が得られるだけの液圧力をかけることができ、スプレー塗布装置7内およびシリンダ11内で微粒子の沈降を防止できる。
また、微粒子分散液2の循環する方向は、この方向に限定されない。
【0053】
すなわち、循環用加圧手段3からの送液経路4をシリンダ上部に接続し、微粒子分散液2はそこからシリンダ11内に供給され、シリンダ11内部を充満した後にピストンロッド12内部を貫通する循環液流路16を通りスプレー塗布装置7へ送られても良い。この場合はピストンロッドの循環液入口が15となり、出口が14となる。
【0054】
図3及び図4は、液供給装置の別の例を示した図である。
図3は、ピストン部17にも循環液流路を設けた例であり、これにより、シリンダ内の液が流動しないデッドスペースを低減する効果がある。また、図4は、循環液のシリンダへの導入口をシリンダ11の壁に設けた例を示す。
図4のAは、流路をピストンの上死点に設けた例であり、図4のBは、流路をピストンの下死点に設けた例である。また、図4のCは、ピストンの下死点に複数の流路を設けた例である。これらの構成によっても、シリンダ内の液が流動しないデッドスペースを低減する効果がある。
【0055】
また、スプレー停止時のスプレー塗布装置7の詳細を図面5により説明する。
図5は、本発明のスプレー塗布装置の模式図である。
微粒子分散液2は、液供給口24に接続された送液経路4から塗料ノズル21へ供給される。その後、分散液2は塗料ノズル21内部を充満し、循環出口25に接続された循環経路8を通り塗布液タンク1へ戻る。
スプレー停止時には、霧化用液吐出部23はニードル弁26により閉じている。
【0056】
塗料ノズル21はスプレーガン本体27と一体成形されていても、または脱着可能なようにねじ込み式でスプレーガン本体27に装着されていても良い。
また、ニードル弁26は塗料ノズル後端部(霧化用液吐出部23の対向側)でパッキン(図示せず)により液もれが防止された機構を備えることが望ましい。
【0057】
次に、スプレー動作時について説明する。
全体図である図1に記載の循環用加圧手段3による循環のための加圧を停止し、送液経路4と循環経路8に備えられた各々1個以上のバルブ等の液圧遮断手段5により循環液圧を遮断すると、液供給装置6とスプレー塗布装置7は循環系から独立する。
【0058】
その際には、送液経路4と循環経路8に備えられた各々1個以上のバルブ等液圧遮断手段5の動作順序は、循環上流側の送液経路4に備えられたバルブ等の液圧遮断手段5を先に動作させて液圧を遮断し、続いて、循環下流側の循環経路8に備えられたバルブ等の液圧遮断手段5を動作させることが望ましい。これにより、送液経路4と循環経路8に備えられた各々1個以上の液圧遮断手段5の間に残留する循環用加圧手段3による循環残圧が解放される。
液圧遮断手段5は、送液経路4側については液圧の安定性の観点から循環用加圧手段3と液供給装置6の間にあることが好ましい。
【0059】
それに引き続き、図2に示された液供給装置6では、ボールネジ13aを介したステッピングモータ13bの駆動力により下死点待機のピストンロッド12が上昇し始めることで、シリンダ11内では、循環時に供給され充満している分散液2に変動の極めて少ない液圧力が発生し、ピストンロッド12の上昇スピードの設定により、微少流量の分散液2を精度よく一定流量でスプレー塗布装置7へ送液することが可能となる。
【0060】
これら一連の動作により、送液経路4に備えられた液圧遮断手段5と循環経路8に備えられた液圧遮断手段5との間、すなわち、液供給装置6とスプレー塗布装置7内およびその間の液圧は、液供給装置が発生する液圧力に等しくなる。
【0061】
さらに、図5に示されたスプレー塗布装置7では、霧化用液吐出部23を閉じていたニードル弁26が開き、循環流量の大小に関わりなく、分散液2に加わったスプレー塗布のための液供給装置6が発生する液圧力により、霧化用液吐出部23からの変動の極めて少ない微少量の液吐出が可能となる。
【0062】
また、吐出された分散液2は、別供給経路(図示せず)を経由して空気キャップ22へ供給された霧化用エアーでスプレーされる。それにより、スプレー塗布におけるサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層の形成を可能とする。
【0063】
スプレー終了後は、再び送液経路4および循環経路8に設けられた液圧遮断装置は解放状態となり、循環用加圧手段3が動作することで循環が開始するところのスプレー停止時の状態となる。その際に、図2に示す液供給装置では、ピストンロッド12が下死点に戻り、待機状態となり停止する。
【0064】
スプレー停止時の循環流量とスプレー動作時の送液流量の関係については、スプレー停止時の循環流量をFa、スプレー動作時の送液流量をFbとした時、Faは液供給装置6とスプレー塗布装置7の中に微粒子の沈降が発生しない程度の大きな流量が必要となる。また、Fbはサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層の形成が可能な程度の少ない流量が必要となる。電子写真感光体の製造方法においては、両方の目的を同時に達成すること、すなわち、Fa>Fbの関係を満たすようにFaとFbの値を異なる値とする機能分離の考え方が重要であり、本発明はその考え方を具現化した電子写真感光体の製造方法である。
また、連続した長時間におよぶ製造工程での実施などの場合には、Fa>10Fbが特に好ましい。
【0065】
次に、本発明の態様の一つである電子写真感光体を製造する場合について図6〜8に基づいて説明する。
【0066】
図6は導電性支持体31上に下引き層32、電荷発生層(CGL)33、電荷輸送層(CTL)34の順に積層した機能分離型電子写真感光体の断面模式図である。
【0067】
図7は導電性支持体31上に電荷発生層(CGL)33、電荷輸送層(CTL)34、保護層35の順に積層した機能分離型電子写真感光体の断面模式図である。
【0068】
図8は導電性支持体31上に下引き層32、電荷発生層(CGL)33、電荷輸送層(CTL)34、保護層35の順に積層した機能分離型電子写真感光体の断面模式図である。
なお、電荷発生層(CGL)33と電荷輸送層(CTL)34の積層順序は逆でもよく、さらには電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む単層でもよい。
【0069】
導電性支持体としては、種々の公知のものが使用できるが、例えばアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、スチール等の金属ドラムおよびプラスチックフィルム、プラスチックドラム、ガラスドラム、紙などの基材表面に導電化処理を施したものが使用でき、基材に導電化処理したものとしては、金属箔をラミネートしたもの、金属、導電性酸化物などを蒸着あるいはスパッタしたものおよび金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、酸化錫などの導電性物質を必要に応じてバインダー樹脂と共に塗布したものなどが挙げられる。この内、好ましくは金属ドラム、導電化処理を施したプラスチックフィルム、プラスチックドラムが使用できる。
【0070】
下引き層32は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮し、感光層使用の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
【0071】
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッドーメラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
【0072】
また、必要に応じて、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物またはそれらの導電性処理品などの微粒子を加えてもよい。または、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の有機系微粒子を用いることができる。
【0073】
これらの下引き層32の塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる下引き層32の膜厚は、0.1〜15μm程度が適当であり、好ましくは0.3〜5μmである。
スプレーコートの場合には、本発明の製造方法が下引き層32の形成に適用できる。
【0074】
すなわち、本発明で用いる少なくとも溶媒と微粒子を含む微粒子分散液2は、構成材料として上記下引き層32用微粒子、樹脂材料群から選ばれ、ボールミル、アトライター、サンドミル等により適宜分散処理が施されて作成される。
【0075】
次に、電荷発生層33について説明する。
電荷発生層33は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることができる。電荷発生物質としては、無機系材料または有機系材料を用いることができる。
【0076】
無機系材料として、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0077】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などを用いることができる。
これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として使用しても良い。
【0078】
電荷発生層33に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0079】
また、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層33のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を用いてもよい。
【0080】
電荷発生層33を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法等が挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電重合法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられる。
【0081】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層33を設けるには、上述した材料を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。
【0082】
塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層33の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
スプレーコート法の場合には、本発明の製造方法が電荷発生層33の形成に適用できる。
【0083】
すなわち、本発明で用いる少なくとも溶媒と微粒子を含む微粒子分散液2は、構成材料として上記電荷発生物質微粒子、樹脂材料群から選ばれ、ボールミル、アトライター、サンドミル等により適宜分散処理が施され作成される。
【0084】
次に、電荷輸送層34について説明する。
電荷輸送層34は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂より構成され、これらの電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適宜溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。必要により電荷輸送物質、バインダー樹脂以外に、可塑剤、その他の酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加してもよい。
【0085】
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、公知の物質を用いることができる。たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0086】
正孔輸送物質としては、以下に挙げる電子供与性物質として公知の物質を用いることができる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、高分子電荷輸送層物質としては、その構造で分類すれば次のものがある。
【0087】
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
【0088】
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
【0089】
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
【0090】
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
【0091】
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0092】
また、電荷輸送層34のバインダー樹脂は、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
【0093】
電荷輸送層34の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。好ましくは10〜30μmが良好である。電荷輸送層34中に、ゴム、プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤や可塑剤を添加することもできる。
【0094】
電荷輸送層34中にレベリング剤を添加することもできる。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーを使用する事ができ、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
【0095】
電荷輸送層34中に微粒子を添加する事もできる。微粒子としては、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等無機系微粒子、または、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の有機系微粒子を使用する事ができる。
【0096】
塗工方法としては、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
微粒子を含む分散液をスプレーコート法に適用する場合には、本発明の製造方法が電荷輸送層34の形成に適用できる。
【0097】
すなわち、本発明で用いる少なくとも溶媒と微粒子を含む微粒子分散液2は、構成材料として上記電荷輸送物質、樹脂材料、微粒子群から選ばれ、ボールミル、アトライター、サンドミル等により適宜分散処理が施され作成される。
【0098】
次に保護層35について、説明する。
保護層は、微粒子とバインダー樹脂とから構成されるが、必要に応じて電荷輸送物質を添加することができる。
微粒子としては酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等無機系微粒子、または、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の有機系微粒子を使用する事ができる。
【0099】
これら微粒子は分散性向上などの理由から無機物、有機物で表面処理されてもよい。一般に撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したもの、あるいはフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したもの、無機物処理としてはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものを用いることができる。
【0100】
バインダー樹脂は、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
【0101】
必要に応じて添加できる電荷輸送物質は、電荷輸送層34に使用できるものが同じように使用できる。
【0102】
これらの保護層35の塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる保護層35の膜厚は、0.1〜20μm程度が適当であり、好ましくは0.5〜10μmである。
スプレーコートの場合には、本発明の製造方法が保護層35の形成に適用できる。
【0103】
すなわち、本発明で用いる少なくとも溶媒と微粒子を含む微粒子分散液2は、構成材料として上記保護層35用微粒子、樹脂材料群から選ばれ、ボールミル、アトライター、サンドミル等により適宜分散処理が施され作成される。
【0104】
上記電子写真感光体の各層32〜35の形成に使用できる塗布液用溶剤としては、各層構成材料との組み合わせを考慮し、種々の溶媒を用いて良い。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1、 2−ジメトキシエタン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0105】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。
電子写真感光体作成のための塗布液としてそれぞれ下記組成の分散液を調製した。特に断りのない限り、組成比は重量部を表す。
【0106】
Figure 0003748404
を100時間ボールミルにて分散した分散液。
【0107】
〔分散液B:電荷発生層用塗布液〕
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 132部
シクロヘキサノン 88部
を72時間ボールミルにて分散した分散液。
【0108】
〔分散液C1:電荷輸送層用塗布液〕
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
球形メラミン(エポスタ−S 日本触媒製) 1.6部
テトラヒドロフラン 200部
シクロヘキサノン 135部
1%シリコーンオイル(KF50信越シリコーン社製) 1部
テトラヒドロフラン溶液
下記の構造式(I)で表される電荷輸送物質 6部
(トリフェニルアミン誘導体)
を72時間ボールミルにて分散した分散液。
【0109】
【化1】
Figure 0003748404
【0110】
〔液C2:電荷輸送層用塗布液〕
テトラヒドロフラン200部、シクロヘキサノン135部に
1%シリコーンオイル(KF50信越シリコーン社製) 1部
テトラヒドロフラン溶液
構造式(I)で表される電荷輸送物質 6部
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
を溶解した溶解液。
【0111】
〔分散液D:保護層用塗布液〕
酸化チタン(CREL 石原産業社製) 2部
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製 Mv5万) 6部
テトラヒドロフラン 190部
シクロヘキサノン 70部
を24時間ボールミルにて分散した分散液。
【0112】
実施例1
図1に示す本発明の循環型スプレー法で、回転させたφ30mmアルミニウムシリンダー上に、分散液Aを使用して下引き層32をスプレー塗布した。その際、スプレー塗布装置7は、回転するφ30mmアルミニウムシリンダーから100mm離れた位置に保持され、軸方向に所定の速度で往復移動させながらスプレーした。スプレー動作中の分散液供給装置6からスプレー塗布装置7への送液流量は、10cc/minであった。
スプレー停止後、約20分間回転したままで指触乾燥し、その後に回転を止め被塗布物を取り出し、乾燥機により乾燥した。乾燥後の下引き層32の厚みは、5μmであった。
スプレー停止後の指触乾燥中および被塗布物の脱着中は、本発明の方法で分散液を循環させた。循環用液加圧手段3による循環流量は、800cc/minであった。
【0113】
次に、再びφ30mmアルミニウムシリンダーをセットして次のスプレーを開始した。1本目のスプレー塗布停止から約30分が経過していた。
この動作を10回繰り返して10本のサンプルを作成した。
その後、同様に分散液Bによる電荷発生層33、液C2による電荷輸送層34、分散液Dによる保護層35の順番で、それぞれ10回ずつスプレー動作、停止を繰り返し、電子写真感光体を10本作成し、その10本目を実施例1のサンプルとした。
【0114】
スプレー動作中の分散液供給装置6からスプレー塗布装置7への送液流量は、分散液Bによる電荷発生層33作成時は4cc/min、液C2による電荷輸送層34作成時は42cc/min、分散液Dによる保護層35作成時は15cc/minであった。
それぞれの乾燥後の厚みは、電荷発生層33が0.1μm、電荷輸送層34が20μm、保護層35が3μmであった。
【0115】
それぞれの液を交換する際に、分散液供給装置6のシリンダ11内およびスプレー塗布装置塗料ノズル21内を分解してみたところ、分散微粒子の沈降による堆積物は見あたらなかった。また、スプレー塗布装置塗料ノズル21先端におけるつまりも見あたらなかった。
【0116】
また、それぞれの10本目のスプレー開始時に、スプレー塗布装置7から吐出される液をサンプルビンに捕集して、各々実施例1液サンプルとした。
この液サンプルの重量測定後、THFにより十分樹脂等溶解成分を洗浄し、吸引ろ過により微粒子を分離し、溶剤分を乾燥した後、微粒子重量を測定することでサンプル液中の微粒子濃度を計算した。リファレンスとして、各分散液作成後の微粒子濃度も同様に測定した。その結果を表1に示す。実施例1液サンプルはリファレンスに対し、微粒子濃度がほとんど変化しておらず、分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性が良いことが代用特性として評価できる。
【0117】
比較例1
スプレー停止時に液圧遮断手段5によって循環を止めて、液供給装置6およびスプレー塗布装置7の中で分散液を滞留させておいた事以外は、実施例1と全く同じように感光体サンプルを10本作成した。その10本目を比較例1のサンプルとした。
【0118】
それぞれの液を交換する際に、分散液供給装置6のシリンダ11内およびスプレー塗布装置塗料ノズル21内を分解してみたところ、分散微粒子の沈降による堆積物が観察された。また、スプレー塗布装置塗料ノズル21先端におけるつまりが一部確認できた。
【0119】
また、同様に10本目作成時にスプレー塗布装置7から吐出される液をサンプルビンに捕集して、各々比較例1液サンプルとした。実施例1と同様の方法で液中微粒子濃度を測定した結果を表1に示す。実施例1液サンプルに比較して、微粒子濃度が低下しており、分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性の悪化が代用特性として評価できる。
【0120】
【表1】
Figure 0003748404
【0121】
実施例2
図1に示す本発明の循環型スプレー法で、回転させたφ30mmアルミニウムシリンダー上に、分散液Aによる下引き層32の後、同様に分散液Bによる電荷発生層33、分散液C1による電荷輸送層34の順番で、それぞれ10回ずつスプレー動作、停止を繰り返した事以外は、全く実施例1と同じように感光体サンプルを作成した。その10本目を実施例2のサンプルとした。
【0122】
それぞれの液を交換する際に、分散液供給装置6のシリンダ11内およびスプレー塗布装置塗料ノズル21内を分解してみたところ、分散微粒子の沈降による堆積物は見あたらなかった。また、スプレー塗布装置塗料ノズル21先端におけるつまりも見あたらなかった。
【0123】
また、同様に10本目作成時にスプレー塗布装置7から吐出される液をサンプルビンに捕獲採集して、各々実施例2液サンプルとした。実施例1と同様の方法で液中微粒子濃度を測定した結果を表2に示す。実施例2液サンプルはリファレンスに対し、微粒子濃度がほとんど変化しておらず、分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性が良いことが代用特性として評価できる。
【0124】
比較例2
スプレー停止時に液圧遮断手段5によって循環を止めて、液供給装置6およびスプレー塗布装置7の中で分散液を滞留させておいた事以外は、実施例2と全く同じように感光体サンプルを10本作成した。その10本目を比較例2のサンプルとした。
【0125】
それぞれの液を交換する際に、分散液供給装置6のシリンダ11内およびスプレー塗布装置塗料ノズル21内を分解してみたところ、分散微粒子の沈降による堆積物が観察された。また、スプレー塗布装置塗料ノズル21先端におけるつまりが一部確認できた。
【0126】
また、同様に10本目作成時にスプレー塗布装置7から吐出される液をサンプルビンに捕獲採集して、各々比較例2液サンプルとした。実施例1と同様の方法で液中微粒子濃度を測定した結果を表2に示す。実施例2液サンプルに比較して、微粒子濃度が低下しており、分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性の悪化が代用特性として評価できる。
【0127】
【表2】
Figure 0003748404
【0128】
続いて、作成した感光体サンプルを、帯電電位、光量の設定を行なった複写機イマジオMF200((株)リコー製)に装着して、テストチャートによる初期複写画像を評価した。さらに、1万枚の耐久性試験を実施した後に同様の複写画像を評価した。
その結果を表3に示す。
【0129】
実施例1および2では、初期、1万枚耐久後いずれの結果も良好な複写画像が得られた。しかし、比較例1および2では、初期でも濃度が低く、また、濃度ムラも発生した。
さらに、1万枚耐久後の複写画像では、加えて、濃度が低下し、地汚れも発生していた。
【0130】
【表3】
Figure 0003748404
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、スプレー停止時に液供給装置内、スプレー塗布装置内および送液経路内で常時微粒子分散液を滞留させることなく流動させている循環型スプレー塗布法により、スプレーガンのつまりを防止し、さらに分散液に含まれる固形分中の微粒子の含有割合と形成された分散層中の微粒子の含有割合の再現性が良好で、かつサブμmから数μm程度の薄く均一な分散層を含む電子写真感光体が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体概略図である。
【図2】液供給装置の一例を示す模式図である。
【図3】液供給装置の他の例を示す模式図である。
【図4】液供給装置のさらに他の例を示す模式図である。
【図5】スプレー塗布装置の模式図である。
【図6】下引き層を設けた機能分離型電子写真感光体の模式図である。
【図7】保護層を設けた機能分離型電子写真感光体の模式図である。
【図8】下引き層と保護層とを設けた機能分離型電子写真感光体の模式図である。
【符号の説明】
1 :塗布液タンク
2 :微粒子分散液
3 :循環用加圧手段
4 :送液経路
5 :液圧遮断手段
6 :液供給装置
7 :スプレー塗布装置
8 :循環経路
11:シリンダ
12:ピストンロッド
13:ピストンロッド駆動手段
13a:ボールネジ
13b:ステッピングモータ
14:循環液入口
15:循環液出口
16:循環液流路
17:ピストン部
21:塗料ノズル
22:空気キャップ
23:霧化用液吐出部
24:液供給口
25:循環出口
26:ニードル弁
27:スプレーガン本体
31:導電性支持体
32:下引き層
33:電荷発生層(CGL)
34:電荷輸送層(CTL)
35:保護層

Claims (11)

  1. 少なくとも液供給装置、液を霧状にして噴霧するスプレー塗布装置および液が液タンクから前記液供給装置を経て前記スプレー塗布装置へ送液される送液経路とスプレー塗布装置から再び液タンクに戻る循環経路と循環用液加圧手段とを含む送液循環経路を有する循環型スプレー塗布装置を使用して、スプレー停止時に液供給装置内、スプレー塗布装置内および送液経路内で常時液を流動させる電子写真用感光体の製造方法であって、該液供給装置が、少なくともシリンダと該シリンダ内に可動自在に挿入されるビストン部を備えたピストンロッドと該ピストンロッドを駆動する手段とを備え、スプレー動作時は前記ピストンロッドを駆動することにより該塗布液を前記スプレー塗布装置に供給可能としたシリンジポンプであって、さらに該ピストンロッドは少なくとも液循環のための入口部、出口部および液流路を備え、スプレー停止時に塗布液をシリンダ内で流動可能としたシリンジポンプであることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
  2. 液を霧状にして噴霧する前記スプレー塗布装置が、少なくともノズルと空気キャップとを備え、前記ノズルに加圧供給された該液を前記空気キャップから噴出する圧縮空気により霧化可能としたエアスプレーガンであって、さらに該ノズルには霧化用液吐出部の他に少なくとも液供給口と液循環のための出口部とが設けられており、スプレー停止時には常時液をエアスプレーガン内で流動可能とした循環型エアスプレーガンであることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記送液循環経路が、液タンクと前記液供給装置の間の送液経路と、スプレー塗布装置と液タンクの間の循環経路とに、循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断する液圧遮断手段を各々に1個以上有しており、スプレー動作時に前記循環液圧を遮断して循環を停止するとともに、前記液供給装置と前記スプレー塗布装置の間の液圧を循環用液加圧手段が発生する液圧から遮断独立させて、液供給装置が発生する液圧力に等しくし、液供給装置が発生する液圧力でスプレーすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記循環用液加圧手段が発生する液圧による液の循環流量をFa(cc/min)、前記液供給装置が発生する液圧による液のスプレー塗布時の流量をFb(cc/min)とした時に、FaとFbの間にFa>Fbの関係が成立することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 少なくとも液供給装置、該液を霧状にして噴霧するスプレー塗布装置および該液が液タンクから前記液供給装置を経て前記スプレー塗布装置へ送液される送液経路とスプレー塗布装置から再び液タンクに戻る循環経路と循環用液加圧手段とを含む送液循環経路を有する電子写真用感光体の製造装置であって、該液供給装置が、少なくともシリンダと該シリンダ内に可動自在に挿入されるピストン部を備えたピストンロッドと該ピストンロッドを駆動する手段とを備え、スプレー動作時は前記ピストンロッドを駆動することにより該液を前記スプレー塗布装置に供給可能としたシリンジポンプであって、さらに該ピストンロッドは少なくとも液循環のための入口部、出口部および液流路を備え、スプレー停止時には常時液をシリンダ内で流動可能としたシリンジポンプであることを特徴とする電子写真用感光体の製造装置。
  6. 液を霧状にして噴霧する前記スプレー塗布装置が、少なくともノズルと空気キャップとを備え、前記ノズルに加圧供給された該液を前記空気キャップから噴出する圧縮空気により霧化可能としたエアスプレーガンであって、さらに該ノズルには霧化用液吐出部の他に少なくとも液供給口と液循環のための出口部とが設けられており、スプレー停止時には常時液をエアスプレーガン内で流動可能とした循環型エアスプレーガンであることを特徴とする請求項に記載の電子写真用感光体の製造装置。
  7. 前記送液循環経路が、液タンクと前記液供給装置の間の送液経路と、スプレー塗布装置と液タンクの間の循環経路とに、循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断する液圧遮断手段を各々に1個以上有しており、スプレー動作時に前記循環用液加圧手段が発生する液圧を遮断して循環を停止するとともに、前記液供給装置と前記スプレー塗布装置の間の液圧を循環用液加圧手段が発生する液圧から遮断独立させて、液供給装置が発生する液圧力に等しくし、液供給装置が発生する液圧力でスプレーすることを特徴とする請求項5または6に記載の電子写真用感光体の製造装置。
  8. 導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む下引き層を有する電子写真感光体において、該下引き層を請求項1〜のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
  9. 導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む電荷発生層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層を請求項1〜のいずれかに記載の方法によって形成したこと特徴とする電子写真感光体。
  10. 導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層を請求項1〜のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
  11. 導電性基体上に少なくとも1層の微粒子を含む保護層を有する電子写真感光体において、該保護層を請求項1〜のいずれかに記載の方法によって形成したことを特徴とする電子写真感光体。
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