JP3977035B2 - 現像剤容器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置ともいう)に用いられる現像剤容器を製造する製造方法、現像剤容器、プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電式複写機、プリンタ等の画像形成装置(現像装置)においては画像形成(現像)を行うにあたって粉末トナーが使用されている。現像装置にて消費されたトナーを補給するためのトナーを収容する現像剤容器は、合成樹脂等で作られた円筒状もしくは直方体等の容器本体と、容器本体から画像形成装置(現像装置)にトナーを排出して補給するためのトナー排出開口を封止するシール部材によって構成されている。
【0003】
シール部材は、現像剤容器を製造工場から販売店やユーザーに送る過程(流通時)における何らかの振動や、間違って現像剤容器を落下させてしまった場合が生じても、上記トナー排出開口からトナーが漏れ出ないようにするためのものである。従って、トナー排出開口からトナーが漏れ出ることの無いようにシール部材は容器本体に適正に溶着されている。
【0004】
また、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0005】
このプロセスカートリッジ方式によれば、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0006】
このようなプロセスカートリッジは、現像手段としての現像ローラが設けられている現像室と、現像剤を収容する収容室と、を有しており、プロセスカートリッジの製造時、収容室に設けられた現像室へ通じるトナー排出(供給)開口を、上記シール部材で封止している。そして、プロセスカートリッジの使用を開始する前にユーザがシール部材を除去することによりトナーが収容室から現像室に供給される構成となっている。このような構成とすることによって、プロセスカートリッジの使用前において、トナーが漏れるのを防止している。
【0007】
前記シール部材としては、1枚のフィルムでシールし、使用開始時に前記フィルムの溶着部を容器本体から剥離して開口を開封するイージーピール方式と、フィルムの溶着部が容器本体に残るように、フィルムの一部引き裂くことで開口を開封する引き裂き方式と、がある。
【0008】
フィルムを引き裂く方式では、カバーフィルムとテアテープを一体化して、使用開始時にテアテープを引張りカバーフィルムをテアテープで引き裂いて開封するテアテープ方式と呼ばれるものや、1枚の引き裂きシール部材を用いる方法等があり、いずれも開封強度の低下や開口幅の制御が可能といった利点があるため、最近よく使用されている。なお、1枚の引き裂きシール部材を用いる方法については特開昭59−13262号公報、及び実開昭63−60164号公報等に提案されている。
【0009】
又、現像剤容器本体にシール部材を固定する方法としては、一般的にヒートシール、インパルスシール、高周波溶着、超音波溶着等の溶着によるものや、両面テープ、粘着テープ等の貼着によるもの等がある。特に、インパルスシールについては固定方法の一手段として、特開平5−6091号公報、特開平8−160727号公報等に挙げられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フィルムを引き裂く方式はユーザーの力によってシール部材を引き裂く構成であるので、可能な限り少ない力でシール部材を引き裂くような構成とするのが好ましいが、従来のフィルムを引き裂く方式では、上記流通時等において意図せずにシール部材が引き裂かれて開封されてしまう可能性があった。
【0011】
本発明の目的は、シール部材により現像剤容器の開口を良好にシールすることができる現像剤容器の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、シール部材により現像剤容器の開口が良好にシールされた現像剤容器を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、シール部材により現像剤収容室の開口が良好にシールされたプロセスカートリッジを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、現像剤容器の開口をシールするシール部材を良好に引き裂くことができる現像剤容器の製造方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、現像剤容器の開口をシールするシール部材を良好に引き裂くことができる現像剤容器を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、現像剤収容室の開口をシールするシール部材を良好に引き裂くことができるプロセスカートリッジを提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
主要な本発明は請求項の番号と同番号を付して示せば次の通りである。
【0021】
本出願に係る第1の発明は、現像剤容器本体の開口を開封するとき引き裂かれるシール部材に引き裂き部を形成する工程と、
前記開口を塞ぐように、電流を流すことで発熱する発熱体と前記現像剤容器本体との間に前記シール部材を挟み込む工程と、
前記発熱体に電流を流すことにより前記シール部材を前記現像剤容器本体に溶着する工程と、
を有する、シール部材により開口のシールがなされる現像剤容器の製造方法において、
前記発熱体による前記シール部材の溶着部は、前記開口を取り囲む取り囲み部と、前記シール部材の引き裂き方向における引き裂き開始側でかつ前記引き裂き方向と実質的に直交する方向における前記引き裂き部の外側に位置し前記シール部材の引き裂き開始部を補強する補強部と、を備え、
前記発熱体は、前記取り囲み部を形成する為の第1の発熱体と、前記補強部を形成する為の第2の発熱体と、を備え、
前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、互いに絶縁された独立した電流経路が形成されることを特徴とする現像剤容器の製造方法である。
【0022】
本出願に係る第13の発明は、現像剤を収容する現像剤容器本体と、
前記現像剤容器本体内現像剤を排出するための開口と、
前記開口をシールするシール部材であって、前記開口を開封するとき引き裂かれる引き裂き部を備えるシール部材と、
を有し、
電流が流されることで発熱する発熱体と前記現像剤容器本体との間に前記シール部材を挟み込んだ状態で前記発熱体に電流を流し、前記シール部材が前記現像剤容器本体に溶着されることで前記開口が塞がれた現像剤容器において、
前記発熱体による前記シール部材の溶着部は、前記開口を取り囲む取り囲み部と、前記シール部材の引き裂き方向における引き裂き開始側でかつ前記引き裂き方向と実質的に直交する方向における前記引き裂き部の外側に位置し前記シール部材の引き裂き開始部を補強する補強部と、を備え、
前記発熱体は、前記取り囲み部を形成する為の第1の発熱体と、前記補強部を形成する為の第2の発熱体と、を備え、
前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、互いに絶縁された独立した電流経路が形成されることを特徴とする現像剤容器である。
【0024】
本出願に係る第22の発明は、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって
像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像手段を保持する現像室と、
現像剤を収容する現像剤収容室であって、現像剤を前記現像室へ供給する開口を備える現像剤収容室と、
前記開口をシールするシール部材であって、前記開口を開封するとき引き裂かれる引き裂き部を備えるシール部材と、
を有し、
電流が流されることで発熱する発熱体と前記現像剤収容室との間に前記シール部材を挟み込んだ状態で前記発熱体に電流を流し、前記シール部材が前記現像剤収容室に溶着されることで前記開口が塞がれたプロセスカートリッジにおいて、
前記発熱体による前記シール部材の溶着部は、前記開口を取り囲む取り囲み部と、前記シール部材の引き裂き方向における引き裂き開始側でかつ前記引き裂き方向と実質的に直交する方向における前記引き裂き部の外側に位置し前記シール部材の引き裂き開始部を補強する補強部と、を備え、
前記発熱体は、前記取り囲み部を形成する為の第1の発熱体と、前記補強部を形成する為の第2の発熱体と、を備え、
前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、互いに絶縁された独立した電流経路が形成されることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に則して説明する。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態1の粉体、現像剤としてのトナーを収容する図6に示す現像剤容器としてのトナー補給容器10に用いるシール部材1について説明する。シール部材1はトナー収容容器本体2にインパルスシール方式を用いて溶着する構成となっている。
【0031】
なお、インパルスシール方式とは、図18に示すようにインパルス電流(短時間に大電流が流れて直ちに止むような電流で衝撃電流ともいう)を電極に流してシール部材1をトナー収容容器本体2に溶着固定させる方法である。本実施の形態1では、電極7はトナー収容容器本体2のトナー排出開口2aを取り囲むような電流回路を形成するように構成されている。また、発熱体としての電極7としては熱容量の小さいものを使用することで、短時間通電加熱を可能としている。そして、実施の形態1では、電極7(電極ユニット6c)によりトナー排出開口2aを塞ぐようにシール部材1をトナー収容容器本体2に所定の圧力で押圧させた後、電極7にインパルス電流を流して電極7を加熱することにより、シール部材1は電極7の熱により溶融され、電流を遮断した後もしばらく加圧状態を保ち、シール部材1とトナー収容容器本体2との溶着部が冷却した後に加圧を解除して電極7(電極ユニット6c)を離す方法を採用している。
【0032】
実施の形態1のシール部材1は図1に示すように4層構成であり、上から表層1a、レーザー遮断層1b、溶融層である引き裂きガイド層1c、接着層であるシーラント層1dとなっている。表層1aには厚さ12μmの2軸延伸ポリエステル、レーザー遮断層1bには厚さ7μmのアルミ箔、引き裂きガイド層1cには厚さ50μmの2軸延伸ポリエステル、シーラント層1dには厚さ50μmのポリエチレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体を用いた。
【0033】
図1にシール部材1の断面図を示す。上から表層1a、レーザー遮断層1b、引き裂きガイド層1c、シーラント層1dの構成になっている。
【0034】
表層1aは、シール部材1をトナー収容容器本体2に熱溶着するため耐熱性が必要であり、又、トナーシールとしてのシール性能を維持するために十分なフィルム強度を有する一方、開封時には引き裂かれるため引き裂き性能を有する必要がある。これより、表層1aは厚さ10〜20μm、より好ましくは12〜17μmの厚さの2軸延伸ポリエステルを用いることが望ましい。
【0035】
レーザー遮断層1bは、炭酸ガスレーザー光を吸収しないことは当然だが、レーザー加工時の熱溶融による輻射熱によって表層1aが損傷を受けるのを確実に防止する必要があり、更に、表層1aと同様、開封時には引き裂かれるため引き裂き性能を有する必要もあり、厚さ5〜15μm、より好ましくは7〜12μmの厚さのアルミ箔を用いることが望ましい。
【0036】
引き裂きガイド層1cは、炭酸ガスレーザー光を確実に吸収して熱溶融し、安定した引き裂き部1f(図4参照)を形成すると共に、引き裂き部1fの周辺は引き裂きガイドとして十分な強度を有することが必要であり、厚さ40〜70μm、より好ましくは40〜60μmの厚さの2軸延伸ポリエステルを用いることが望ましい。
【0037】
シーラント層1dは、トナー収容容器本体2に対し十分なシール性能、すなわち十分な接着強度が確保できる必要があり、厚さ40〜70μm、より好ましくは40〜60μmの厚さのエチレン酢酸ビニル共重合体を用いることが望ましい。
【0038】
以上、シール部材1の各層について説明したが、各層に求められる性能が満足できれば、材質、厚みは他の仕様でも構わない。
【0039】
このシール部材1のシーラント層1d側から炭酸ガスレーザーを用いて、主に引き裂きガイド層1cであるポリエステルを熱溶融して引き裂き部1fの溝1eを形成する。引き裂き部1fの溝1eを形成したシール部材1の断面図を図2に示す。図2に示した通り、引き裂き部1fの溝1eはレーザー遮断層1bであるアルミ箔層よりも下に形成され、炭酸ガスレーザー光を吸収して熱溶融する引き裂きガイド層1cのポリエステルと輻射熱で溶融するシーラント層1dに形成される。
【0040】
実施の形態1で用いた炭酸ガスレーザーの出力は8Wとした。なお、使用するレーザーの出力容量やシーラントの材質如何ではシーラント層1d自体が完全に溶融しきらず、図2のように引き裂き部1fの溝1eが形成されず、図3のように前記引き裂きガイド層1cのポリエステルと前記シーラント層1dに空隙1e′が形成される場合もある。
【0041】
次に、実施の形態1のシール部材1とトナー収容容器本体2との組立て工程について説明する。
【0042】
実施の形態1のシール部材1を図4に示す。実施の形態1のシール部材1はトナー収容容器本体2のトナー排出開口2aを封止する封止部1gと、封止部1gから突出して開封時に折り返して引っ張られる引出し部1hを有している。封止部1gと引出し部1hの接続部1iは引出し方向に対して45°の斜線とし、図5に示すように、この接続部1iに前記引き裂き部1fの先端エッジ部1j(シール部材1の引き裂き開始部)を形成した。
【0043】
拡大図を図5に示す。本構成の先端エッジ部1jの形状は、引き裂き易い形状であり、他の例として斜線部を円弧形状にしても構わない。図4に示した2本の引き裂き部1fは開封時にトナー収容容器本体2のトナー排出開口2aを全開させる位置に配置する。
【0044】
本発明では、シール部材1をインパルスシール方式によってトナー収容容器本体2に溶着固定する。実施の形態1のシール部材1をトナー収容容器本体2に組み立てた状態を図6に示す。
【0045】
具体的には、トナー排出開口2aの周囲にインパルスシールでシール部材1をトナー収容容器本体2に固定する。ここでインパルスシールについて説明する。
【0046】
まず、インパルスシーラー6を図15に示す。基本的には、溶着するパターン形状(所定の電流経路を為すような形状)を有した発熱体(以下、電極7という)と、それを支持するブロック材からなる電極ユニット6cとを有する構成となっている。トナー排出開口2aを塞ぐようにトナー収容容器本体2の外面に置かれたシール部材1に対して電極ユニット6cから一定の圧力で挟み込み、電極ユニット6cをシール部材1に接触させた状態でインパルス電流を電極に流し、電極7を発熱させてシール部材1を熱溶融させ、インパルス電流停止後も電極ユニット6cによりシール部材1をトナー収容容器本体2に加圧させた状態を維持し、シール部材1とトナー収容容器本体2との間での溶着部の冷却を行ってから電極ユニット6cをシール部材1から離す。
【0047】
次に電極ユニット6cについて説明する。電極ユニット6cの拡大図を図16、部分断面図を図17に示す。電極ユニット6cは主に電極支持ブロック6g、電極7、絶縁材6hで構成されている。電極7のシール部の形状は溶着部と同じ電流経路パターン形状である。電極7に電流を供給するための電流流出入口7cを電極7のパターン部の長手方向中央部(図18上の左右方向の中央部)に設けており、シール部材1を加熱するためのシール溶着面9に対し、電極支持ブロック6g側に90°折り曲げて形成している(図16参照)。電極7に対して電線6iに接続された電流流出入口7cから電極7の封止部電極7aへと不図示の電源から電線6iを介してインパルス電流を流して封止電極7aを発熱させる構成である。
【0048】
電流流出入口7cを電極7のパターン部の長手方向中央部に設けるのは、発熱体、即ち、電気抵抗体である電極7の電流経路のどの場所にもほぼ同等の電流が流れるようにして、電極7の位置に関わらず電極7を同等の温度に加熱したい為である。言い換えれば、加熱による電極7の温度分布による偏りがなくどの場所でも均一な温度を得たがためである。
【0049】
更に、図17に示した通り、電極ユニット6cの電極7周辺部の構成は、電極支持ブロック6gに絶縁材6hを配置し、その下に電極7を配置してから絶縁材6hで電極7を覆って電極支持ブロック6gに固定するようになっている。
【0050】
電極7は、熱容量の小さい材料が望ましく、具体的にはステンレスやニクロムリボン等が用いられるが、本実施の形態では厚さ0.3mmのステンレスを用いた。
【0051】
電極支持ブロック6gは電極7を支持し、シール部材1に対し均一に電極7が圧着できるよう支持する必要があるが、電極7で発生した熱を蓄熱することなく放熱できる材料が望ましい。
【0052】
また、電極7が安定した発熱状態を保つために電極支持ブロック6gの冷却を行う冷却機構を用いても良い。そして、本実施の形態では電極支持ブロック6gにアルミニウムブロックを用いている。
【0053】
絶縁材6hは電極7に流れた電流がリークしないように電極7と電極支持ブロック6gの間、更には電極7がシール部材1に直接接触して損傷を与えないためと電極支持ブロック6gとのずれがないように固定するために、電極7と被溶着体であるシール部材1との間に配置する必要がある。材質は、溶着時に熱と圧力がかかるため、耐熱性を有し強度のある材料が望ましく、主にテフロンクロスが用いられ、本実施の形態にも厚さ0.1mmのテフロンクロスを使用した。
【0054】
なお、この電極ユニット6cを構成する部材の材質、厚さ等の形状については、本実施の形態に限定されるものではなく、各部材に必要な性能が満足される範囲であれば、他のものでも構わない。
【0055】
電極7の溶着部パターン3の形状(電流経路形状)を図7に示す。溶着部パターン3は、トナー排出開口2aを取り囲むように構成される取り囲み部であるトナー排出開口封止部3aと、シール部材1の引き裂き性を安定化させるために引き裂き開始部を補強し且つ引き裂き部の外側に位置する補強部としての突形状シール部3bから成っている。
【0056】
特に、シール部材1の引き裂き性の向上、シール部材1の引き裂き開始時の強度を低下させるために(ユーザビリティーの向上を図るため)、トナー排出開口封止部3aの短手部3a1(先端側及び後端側両方)においては山型形状とし、更に確実なシール部材1の引き裂き開封(特に引き裂き開始時)を行うために、シール部材1の引き裂き部1fの先端エッジ部1j(図5参照)の外側の脇を押えるべく突形状シール部3bとした(図7参照)。
【0057】
なお、この短手部3a1の山型形状は実際のシール部の幅や溶着可能なスペース次第で平形状を選択しても良い。
【0058】
同様に実施の形態1での電極7の形状を図18に示す。図7の溶着部パターン3の形状と電極7のシール相当部(トナー排出開口封止部3aと封止部電極7a、突形状シール部3bと突形状電極7b)とはそれぞれ同一形状であり、更にシール相当部の長手中央部に電流流出入口7cを設けている。電極支持ブロック6gに対し、折曲部7c1を90°折り曲げて固定する。この電極7の形状について、シール相当部は実際のシール部と同一形状である必要があるが、電流流出入口7cの位置や形状等はインパルスシールによるシール性能が満足でき、すなわち十分かつ均一な発熱状態が得られ、溶着工程に支障が無ければどのような構造であっても構わない。
【0059】
この溶着部パターン3の形状に合った電極ユニット7cをインパルスシーラー6に装着して、トナー排出開口2aを塞ぐようにシール部材1をトナー収容容器本体2の外面に溶着固定した。
【0060】
シール条件は、電極ユニット6cによるシール部材1への圧力:0.5MPa(直径50mmのシリンダー6a)、電極7に印加する電圧:15V、加熱時間(電圧(電流)印加時間):0.5sec、保持時間(電圧(電流)印加を停止してから圧力を掛け続ける時間):1secとした。このシール条件は、実施の形態1に限られたものではなく、シール部材1及びトナー収容容器本体2の材質、シール部の面積、シール部の幅等により適宜選択することが望ましい。
【0061】
次に実施の形態1のシール部材1の開封時の様子を図8、図9に示す。
【0062】
シール部材1の折り返されている引出し部1hを引張り、シール部材1の引き裂き部1fに沿って引き裂いてトナー収容容器本体2のトナー排出開口2aを開け、トナーを排出させることが可能になる。
【0063】
特に、本実施の形態ではインパルスシール方式を採用しているため、開封性能が向上し確実に開封することができる。また、開封による開口幅(引き裂き方向と略直交する方向の幅)を良好に制御することもできる。具体的に以下に説明する。
【0064】
図10にシール部材1の引き裂き開封開始部の拡大図を示す。
【0065】
シール部材1は、トナー収容容器本体2のトナー排出開口2aを封止する封止部1gと、開封時に引っ張られ、封止部1gより突出して折り返された自由端である引出し部1hとを有し、封止部1gと引出し部1hとの接続部1iに引き裂き部1fの先端エッジ部1jが形成されている。接続部1iの形状は円弧状、又は、シール部材1の引き裂き方向に対して斜線形状となっている。
【0066】
実施の形態1のシール部材1を開封する時に、シール部材1の折り返された引出し部1hを引張り、シール部材1の溶着部を残すようにシール部材1の引き裂き部1fに沿ってシール部材1の一部を引き裂くのだが、引き裂き開始時にシール部材1の先端エッジ部1jが確実に裂けるためには、その外側の脇にある突形状シール部3bがしっかりと固定されているのが好ましい。すなわち、先端エッジ部1jの裂け強度よりも十分強固に突形状シール部3bが溶着されていれば、突形状シール部3bが剥れることなく先端エッジ部1jを良好に引き裂くことができる。逆に、先端エッジ部1jの裂け強度よりも突形状シール部3bの溶着強度が弱いと裂けずに剥れてしまい、結果的に開封強度の上昇や開口幅の制御ができなくなってしまう。
【0067】
よって、突形状シール部3bの接着強度が重要になるが、本実施の形態で採用しているインパルスシール方式がこの接着強度を強固にするのに最も適している。
【0068】
従来のように突形状シール部3bをヒートシール方式で行うと、加熱したシール治具でシール部材1をトナー収容容器本体2に対して押圧した後、シール治具を持ち上げる時に、シール部材1のシーラント層1dはまだ溶融状態であり、冷却固化する前にシール治具の圧力がかからなくなるため、接着強度が低下する可能性があった。
【0069】
又、図10に示した通り、突形状シール部3bはシール部材1の端部1kよりも突出させて強固に押えるのだが、その際、シーラント層1dのはみ出し部1d′が生じる場合があり、ヒートシールのシール治具に付着して、シール治具の上昇とともにシール部材1を引き剥がしたり、脱落したりする場合があった。
【0070】
これに対し本実施の形態のインパルスシール方式では、シール治具(電極ユニット6c)をトナー収容容器本体2に向けてシール部材1に圧着させて保持してからインパルス電流を流して電極7を発熱させシール部材1のシーラント層1dを溶融させる。
【0071】
その直後に電流を停止させて、熱溶融させたシーラント層1dを冷却固化する間、電極ユニット6cの加圧状態は保持されるので、溶着が終了し電極ユニット6cが上昇する時には十分な接着強度が出ており、又、溶融したシーラント層1dが電極ユニット6cに付着することも無い。
【0072】
よって、インパルスシール方式を用いることで、トナー排出開口封止部3aと共に突形状シール部3bの十分な接着強度が得られ、シール部材1の引き裂き開封時に溶着部の剥れ等を防止することが可能になり、容易に確実に開封することができる。
【0073】
実施の形態1のトナー補給容器10を用いて、開封テストを行った結果、開封強度20N〜29N(2〜3kgf)程度で安定しており、又、開封も確実に引き裂き部1fで引き裂けて開口することができた。
【0074】
又、溶着部の浮き(シール部材1とトナー収容容器本体2との間に空間が生じる現象)や、シール部材1の剥れ、シーラント層1dの電極ユニット6cの表面への付着等も見られず、シール部材1の溶着状態も良好であった。
【0075】
上記説明では、シール部材1に引き裂き部1fをレーザー照射により形成してから、シール部材1をトナー収容容器本体2に溶着したが、工程の順番を逆にして、先にシール部材1をトナー収容容器本体2に溶着してから、シール部材1に引き裂き部1fをレーザー照射により形成しても良い。
【0076】
また、電極7への電圧の印加は、シール部材1をトナー収容容器本体2に押し付けた後に行っていたが、工程の順番を逆にして、先に電極7への電圧の印加を行ってから、シール部材1をトナー収容容器本体2に押し付けても良い。なお、電極7に電圧圧の印加をしてからシール部材1をトナー収容容器本体2に押し付けるまでの時間は可及的に短い方が好ましい。なぜなら、早く電流を流し過ぎると、電極7の耐久寿命が短くなってしまうからである。
【0077】
当然ながら、電極7へ電流を流す工程と、シール部材1をトナー収容容器本体2に押し付ける工程とを、ほぼ同時に行っても良いのは言うまでもない。
【0078】
(実施の形態2)
実施の形態2では、シール部材1として、トナー排出開口2aを封止するカバーフィルム4と、そのカバーフィルム4に裏打ちされ、略トナー排出開口2aの幅と同等の幅にカバーフィルム4を引き裂いて開口を形成するテアテープ5を用いたものであり、それ以外の部分は実施の形態1と同じである。実施の形態2でのシール部材1のフィルム層の構成を図11、図12に示す。
【0079】
トナー排出開口2aを封止するカバーフィルム4は、
延伸発泡ポリプロピレンで厚さ140μm(表層4a)、
EVA系シーラント4bで厚さ20μm、
の層構成からなり、開口を形成するテアテープ5は、
ポリエステルで厚さ16μm(第一層5a)、
延伸ナイロンで厚さ25μm(第二層5b)、
低密度ポリエチレンで厚さ30μm(第三層5c)、
EVA系シーラントで厚さ40μm(第四層5d)、
の層構成になっている。
【0080】
カバーフィルム4とテアテープ5は熱溶着にてEVA系シーラント4bと第一層5aの間で一体化させてシール部材1とし、実施の形態1と同様にインパルスシール方式によってトナー排出開口2aを塞ぐようにトナー収容容器本体2に溶着される。
【0081】
実施の形態2についても、シール部材1の引き裂き開封開始部の拡大図を図13に示す。
【0082】
実施の形態2と同様に溶着部パターン3の突形状シール部3bによってテアテープ5の脇を十分に溶着固定させることができるので、確実にカバーフィルム4を引き裂き開封させることができる。この場合は引き裂き開始部4cから引き裂きが始まる。
【0083】
特に、実施の形態2のカバーフィルム4はフィルムの裂け性を向上させるためにフィルムの膜強度を低下させているので、インパルスシール方式によりシールすることで、ヒートシール方式のような溶融状態での引張りが無く、フィルムに対するダメージも少なくすることができ確実にシールすることができる。
【0084】
実施の形態2についても、トナー補給容器10を用いて、開封テストを行った結果、実施の形態1と同様に開封強度20N〜29N(2〜3kgf)程度で安定しており、又、開封も確実に引き裂き部1fで引き裂けて開口することができた。
【0085】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1のインパルスシールの溶着部パターン3の形状、すなわち電極ユニット6cの構成を一部変更させたものである。実施の形態3の溶着部パターン3の形状を図14に示す。実施の形態3では、溶着部パターン3の形状において、トナー排出開口封止部3aと突形状シール部3bとを分割させ、トナー排出開口封止部3aと突形状シール部3bとで各々独立した電流経路となるような電極構成とした。
【0086】
実施の形態3にて溶着部パターン3の形状を分割したのは、トナー排出開口封止部3aに対し突形状シール部3bを意図的に強固に溶着させる場合や逆に弱めに溶着させる等突形状シール部3bの溶着強度を独立して各々制御するためである。このような構成とすることで、トナー排出開口封止部3aと突形状シール部3bとを良好にトナー収容容器本体2に溶着することができた。
【0087】
実施の形態1のようなトナー排出開口封止部3aと突形状シール部3bを一体とした電極ユニット6cでも十分な接着強度が得られるが、より強固な接着強度を得たい場合や突形状シール部の長さが長くなる場合には、実施の形態3のように突形状シール部を分割させて別の回路で独立制御させることによって、突形状シール部3bの末端まで十分で適正な電流を流することにより図20に示す突形状電極7bを所望の温度に発熱させ、強固な溶着強度を得ることが望ましい。なお、シール部材1を引き裂き開始するときの引き裂き安定性を向上する目的から、トナー排出開口封止部3aよりも突形状シール部3b側の方のトナー収容容器本体2への溶着力を強めるのが好ましい。
【0088】
具体的に電極ユニット6cの構成について説明する。
【0089】
実施の形態3での電極ユニット6cの拡大図を図19、部分断面図を図20に示す。
【0090】
図19に示した通り、実施の形態3では実施の形態1に対しトナー排出開口封止部3a側の封止部電極7aとそれを支持する電極支持ブロック6gと、溶着部パターン3の突形状シール部3b側の突形状電極7bとそれを支持する電極支持ブロック6jとが別部材として独立した構成となっている。絶縁材6hと各電極7a,7bの関係は実施の形態1と同じである。
【0091】
更に、実施の形態3の突形状部電極7bの電極ユニット6cの拡大斜視図を図21に示す。突形状部電極7bはシール部材1の引き裂き部1fの先端エッジ部1jの外側の脇を押えるために2箇所離れて存在しているが、シール面7b1,7b2以外の部分は電極支持ブロック6jに沿って折り曲げられ、シール面7b1,7b2とは異なる部分で連結して回路を形成している。
【0092】
具体的には、図21に示すように、電極支持ブロック6jに沿って折り曲げられる電流流出入口7d1から電流が流れ、シール面7b1を通過した後、電極支持ブロック6jの背面の連結部7eを流れて、他のシール面7b2を通過後他の電流流出入口7d2から流出するという電気回路(電流経路)が形成される。もちろん、他の電流流出入口7d2から逆の順序で電流が流れる場合も同様である。
【0093】
上記構成により、2箇所離れた突形状部を1つの回路で制御することが可能になる。
【0094】
なお、電極ユニット6cの構成は性能を満足することを前提に実施の形態3に限定されるものではなく、特に突形状部電極7bの電極支持ブロック6jについては、電極7bの折り曲げ形状、電流流出入口7d1,7d2の位置等適宜選択することが可能である。
【0095】
実施の形態3では突形状部電極7bを封止部電極7aとは別の電気回路で制御するので、封止部電極7a側に対し独立して制御することが可能になり、シール条件も電流値や電圧(電流)印加時間、圧力を封止部電極7aに対して独立に設定することができる。
【0096】
各電極7a,7bの圧力を別個に設定する場合、例えば、封止部電極7a側よりも突形状部電極7b側の電極ユニット6jのシール部材1への進入量(圧力)を大きくしても良い。なお、この場合、進入量を大きくすることにより、溶着部パターン3のトナー排出開口封止部3aの突形状シール部寄りの箇所が浮き気味になりシール性能が不安定になる可能性があるので、圧力は各電極7a,7b共ほぼ同じに設定して、電流値、電圧(電流)印加時間の少なくとも一方を個別に設定する方が好ましい。
【0097】
実施の形態3では、トナー排出開口封止部3aのシール条件を圧力:0.5MPa(直径50mmのシリンダー6a)、電圧:15V、加熱時間:0.5sec、保持時間:1sec、突形状シール部3bのシール条件を電圧:18V、加熱時間:0.7sec、保持時間:0.8secとした。
【0098】
これにより、突形状シール部3bのシール強度は増加し、より確実に引き裂き開封することができるようになった。
【0099】
なお、インパルスシールの電極ユニット6cにおいて封止部電極7aと突形状部電極7bとの間は電流制御のために絶縁する構成が望ましい。
【0100】
具体的には図22に示した通り両電極7a,7b間に絶縁材6hを配置する構成が望ましい。なお、溶着部パターン3としては両者間にごく僅かの隙間が生じるが、両電極間の寸法を管理すれば隙間は最小限に抑えられるため、引き裂き開封性にもシール性にも全く影響は無かった。
【0101】
又、実施の形態3の場合には、突形状シール部3bの溶着を制御できるので、逆にシーラント層1dのはみ出し部1d′の防止等で突形状シール部3bのみ若干シール強度を弱くすることも可能である。
【0102】
なお、実施の形態3は基本的にトナー排出開口封止部3aと突形状シール部3bとを同時に溶着する構成であるが、溶着部パターン3及び電極ユニット6cの設計上スペースが足りない場合やインパルスシーラー6のメンテナンス等について都合が良い場合には、別々の工程にて溶着しても構わない。この場合でも実施の形態3でのシール部材1の開封性能向上は達成でき、インパルスシールによる効果は十分に得られる。
【0103】
実施の形態3でのトナー補給容器10についても、開封テストを行った結果、開封強度20N(2kgf)程度で安定しており、又、開封もより確実に引き裂き部1fで引き裂けて開口することができた。
【0104】
更に、実施の形態3では高いシール性能を維持することができ、トナー補給容器10の物流、環境テストにおいてもトナー漏れ等のトラブルは全く無かった。
【0105】
(実施の形態4)
実施の形態4は実施の形態2のシール部材1において、実施の形態3の電極ユニット6cを用いた例であり、それ以外は実施の形態2と同じである。実施の形態4についても、シール部材1の引き裂き開始部4cの脇にある突形状シール部3bが分割されていて、実施の形態3と同様の制御が可能になり、十分な接着強度が得られ、確実に引き裂き開封させることができる。
【0106】
実施の形態4についても、トナー補給容器10を用いて、開封テストを行った結果、実施の形態1と同様に開封強度20N〜29N(2〜3kgf)程度で安定しており、又、開封も確実に引き裂き部1fで引き裂けて開口することができた。
【0118】
(実施の形態
次に、本発明のプロセスカートリッジの好適な実施の形態について、図23から図25を用いて説明する。図23は本発明のプロセスカートリッジBを適用した電子写真画像形成装置の一つの実施の形態(レーザービームプリンタA)の構成説明図、図24はその外観斜視図である。また、図25は本発明の実施の形態を適用したプロセスカートリッジBの側断面図である。
【0119】
まず、図23を用いて電子写真画像形成装置の一例として、レーザービームプリンタAについて説明する。このレーザービームプリンタAは、図23に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体102(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。図23に示すレーザービームプリンタAは、その内部にプロセスカートリッジBが装着されている。プロセスカートリッジBは、ドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラム107と称す)と、感光体ドラム107を帯電する帯電ローラ108と、トナー像を形成する現像手段109を有する。
【0120】
まず、帯電ローラ108によって感光体ドラム107に帯電を行い、次いで、この感光体ドラム107に光学手段101から画像情報に応じたレーザー光を照射して、前記感光体ドラム107に画像情報に応じた潜像を形成する。そして、この潜像を現像手段109によって現像してトナー像を形成する。このとき前記トナー像の形成と同期して、給紙カセット103aにセットした記録媒体102を、ピックアップローラ103b、搬送ローラ103c、103d及びレジストローラ対103eにより反転搬送する。次いで、前記感光体ドラム107に形成したトナー像を、転写手段としての転写ローラ104に電圧を印加することによって記録媒体102上に転写する。その後、トナー像の転写を受けた記録媒体102を搬送ガイド103fで定着手段105へと搬送する。この定着手段105は、駆動ローラ105cと、ヒータ105aを内蔵する定着ローラ105bを有する。そして、通過する記録媒体102に熱及び圧力を加えて、転写されたトナー像を定着させる。この記録媒体102を排出ローラ対103g,103h,103iで搬送し、反転経路103jを通して排出トレイ106へと排出する。この排出トレイ106はレーザービームプリンタAの装置本体114の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ103kを動作させることにより、反転経路103jを介することなく、排出ローラ対103mによって記録媒体102を排出することもできる。実施の形態6においては、前記ピックアップローラ103b、搬送ローラ103c,103d,レジストローラ対103e、搬送ガイド103f、排出ローラ対103g,103h,103i及び排出ローラ対103mによって搬送手段103を構成している。
【0121】
25を用いてプロセスカートリッジBについて詳述する。プロセスカートリッジBは、トナーを収納する現像剤収容室としてのトナー枠体111と、現像ローラ109c等の現像手段109を保持する現像室としての現像枠体112とを結合した状態のものを有している。
【0122】
トナー枠体111はトナー補給口111i(トナーを供給する開口)を有し、このトナー補給口111iから現像枠体112内へトナーを補給する。そしてプロセスカートリッジBは、感光体ドラム107、クリーニングブレード110a等のクリーニング手段110及び、帯電ローラ108を取り付けたクリーニング枠体113を、前記トナー枠体111及び前記現像枠体112を結合したものに結合して構成している。このプロセスカートリッジBは、操作者によって装置本体114に着脱可能なものである。
【0123】
プロセスカートリッジBにおいて、帯電手段である前記帯電ローラ108は感光体ドラム107に接触して設けられており、この帯電ローラ108は感光体ドラム107に従動回転するものである。画像形成の際には、まず、感光層を有する感光体ドラム107が回転して、その表面を帯電ローラ108への印加電圧に
よって一様に帯電する。
【0124】
次いで、レーザービームプリンタAに設けられた光学手段101からの画像情報に応じたレーザービーム光を、露光開口部101eを介して感光体ドラム107へ照射し、感光体ドラム107上に潜像を形成する。そして、この潜像を可視化するために、トナーを用いて現像手段109によって現像を行う。
【0125】
なお、光学手段101は、レーザーダイオード101a、ポリゴンミラー101b、レンズ101c、反射ミラー101dを有している。
【0126】
前記現像手段109は、感光体ドラム107の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム107に形成された潜像を現像するものである。現像手段109は、トナー枠体111内のトナーをトナー送り部材109bの回転によって、トナー補給開口111iを通じて現像ローラ109cへ送り出す。
【0127】
そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ109cを回転させると共に、現像ブレード109dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ109cの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム107の現像領域へ供給する。
【0128】
そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム107へ転移させることによって、トナー像を形成して可視像化する。ここで、現像ブレード109dは、現像ローラ109cの周面のトナー量を規定すると共に、摩擦帯電電荷を付与するものである。また、この現像ローラ109cの近傍には、現像室内のトナーを循環させるトナー攪拌部材109eを回動可能に取り付けている。
【0129】
次に、装置本体114に設けられた転写ローラ104に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム107に形成されたトナー像を記録媒体102に転写した後に、クリーニング手段110によって感光体ドラム107上の残留トナーを除去する。
【0130】
クリーニング手段110は、感光体ドラム107に当接して設けられた弾性クリーニングブレード110aによって、感光体ドラム107に残留したトナーを掻き落として、除去トナー溜め110bへ集めるものである。
【0131】
プロセスカートリッジBには、画像情報に応じた光を感光体ドラム107へ照射するための露光開光部101e、及び、感光体ドラム107を記録媒体102に対向するための転写開口部113nが設けてある。
【0132】
詳しくは、露光開口部101eはクリーニング枠体113に設けられており、また、転写開口部113nは現像枠体112とクリーニング枠体113との間に構成される。
【0133】
このようなプロセスカートリッジBのトナー枠体111には、プロセスカートリッジBの使用前には、トナー補給口111iは前述した実施の形態1から5の何れかが施工され、トナー枠体111内に充填したトナーを封止している。
【0134】
すなわち、トナー枠体111は図6に示すところのトナー収容容器本体2に対応し、トナー補給口111iはトナー補給口2aに対応する。
【0135】
従って、封止についての詳しい説明については、上記の実施の形態1〜の何れか1つを援用する。
【0136】
25に示すように、プロセスカートリッジBの使用前には、トナー枠体111にはトナー補給口111iを覆うようにシール部材1が設けられており、トナー枠体111内のトナーを封止している。即ちトナー補給口111iはシール部材1によりシールされる開口である。
【0137】
そして、シール部材1の引出し部1hは、その先端部をプロセスカートリッジBの外へ出している。プロセスカートリッジBの使用にあたっては、まず引出し部1hを引いて、トナー補給口111iを封止しているシール部材1を開封する。そして、シール部材1を開封したプロセスカートリッジBをレーザービームプリンタAに装着して、上述のように現像を行う。
【0138】
23、図24を用いて、プロセスカートリッジBのレーザービームプリンタAへの装着について説明する。レーザービームプリンタAは、ヒンジ35aを中心に開閉部材35を開放すると、装置本体114の左右の内壁に前下りのガイドレール(不図示)が見える。
【0139】
このガイドレ−ルに感光体ドラム107と同軸上にある円筒形ガイド、及び、この円筒形ガイドの後ろにある細長い位置決めガイド(いずれも不図示)を挿入して、装置本体114の位置決め溝に円筒形ガイドを嵌め込む。
【0140】
逆に、装置本体114に装着されたプロセスカートリッジBを取り外すときには、上記とは反対の手順で前記ガイドレールに沿ってプロセスカートリッジBを引き抜くことにより行う。
【0141】
実施の形態に示すプロセスカートリッジBにおいても、実施の形態1のトナー補給容器10同様に、シール部材1を用いてインパルスシールで溶着することにより、シール部材1を確実に引き裂いて開封させることができ、ガイド外れや層間剥離現象等は見られず、又、十分なシール性が得られた。
【0142】
更に実施の形態において、実施の形態2〜に係る各シール部材1及び各インパルスシールの電極ユニット6cの構成を用いてシール部材1を溶着することにより、各実施の形態と同様の効果が得られた。
【0144】
なお、プロセスカートリッジBとしては、上記電子写真画像形成装置に着脱可能な構成であって、上記現像剤収容室及び上記現像室を少なくとも有する構成であれば良い。また、プロセスカートリッジBとして、上記現像剤収容室及び現像室の他に電子写真感光体を有する構成や、電子写真感光体と共に、帯電手段、クリーニング手段のうちのいずれか1つを一体的に有する構成であっても良い。
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真方式を用いて記録媒体に画像を形成するも装置をいう。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0145】
(比較例1)
本例は、シール部材1をヒートシールによってトナー収容容器本体2に溶着固定した以外は実施の形態1と同じである。すなわち、溶着部パターン3の形状も実施の形態1と同じであり、図6及び図10に示すように引き裂き開始部である先端エッジ部1jの外側の脇をシール突形状シール部3bによってヒートシール方式で溶着を行った。
【0146】
しかしながら、このような構成である場合、ごく稀に溶着部パターン3の突形状シール部3bに浮きが発生しているものが生じたり、シーラント層1dのはみ出し部1d′がシール治具に付着する場合があった。
【0147】
又、トナー収容容器本体2の生産量の増加や金型の老朽化によって新しい金型を製作する等でトナー収容容器本体2を作成するための金型の数が増加した際に均一なシール状態を確保することが困難になり、結果的に溶着部パターン3の突形状シール部3bのシールが弱くなる場合があり、適正なシール条件を見出すのに多大な時間を要した。
【0148】
以上説明したように、上記各実施の形態によれば、トナー排出開口を封止するシール部材の十分なシール性能と安定した開封性能を得ることができる。
また、電極の溶着部パターンの形状において、トナー排出開口封止部と突形状シール部とを分割させ、各々別々の回路で電流を流して溶着させる構成をとることにより、突形状シール部のシール条件を自由に制御することができるため、シール条件選定のラチチュードを広げることができる。
【0149】
【実施例】
実施に形態の説明に併記した。
【0150】
【発明の効果】
本願発明は、発熱体は、取り囲み部を形成する為の第1の発熱体と、補強部を形成する為の第2の発熱体と、を備え、第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、互いに絶縁された独立した電流経路が形成される」構成とした事により、電流を流すことで発熱する発熱部材を用いた溶着方法においても、補強部を確実に加熱して溶着することができ、引き裂き部における確実な引き裂きを得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1、3、4、のシール部材の層構成を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1、3、4、のシール部材に形成された引き裂き溝を示す図4のA−A断面図である。
【図3】 シール部材に形成された空隙を示す図4のA−A断面図である。
【図4】 実施の形態1、3、4、のシール部材を示す正面図である。
【図5】 実施の形態1、3、4、のシール部材の接続部と先端エッジ部を示し、図4の一部拡大図である。
【図6】 シール部材開封前の状態を示すトナー補給容器の斜視図である。
【図7】 実施の形態1、2、のシール部材の溶着部パターンを示す平面図である。
【図8】 シール部材の開封過程を示すトナー補給容器の斜視図である。
【図9】 シール部材開封後の状態を示すトナー補給容器の斜視図である。
【図10】 シーラント層のはみ出し部を示したシール部材の接続部の拡大正面図である。
【図11】 実施の形態2のシール部材を示す正面図である。
【図12】 実施の形態2におけるシール部材の層構成を示す断面図である。
【図13】 実施の形態2のシール部材で引き裂き開始部を示す拡大正面図である。
【図14】 実施の形態3、4、5のシール部材の溶着部パターンを示す平面図である。
【図15】 インパルスシーラーを示す正面図である。
【図16】 実施の形態1、2、の電極ユニットを示す正面図である。
【図17】 実施の形態1、2、の電極ユニットの構成を示す縦断面図である。
【図18】 実施の形態1、2、の電極を示す平面図である。
【図19】 実施の形態3、4、5の電極ユニットを示す正面図である。
【図20】 実施の形態3、4、5の電極ユニットの基本構成を示す縦断面図である。
【図21】 実施の形態3、4、5の突形状部電極と電極支持ブロックを示す斜視図である。
【図22】 実施の形態3、4、5の電極ユニットで絶縁材挿入後の実用構成を示す縦断面図である。
【図23】 レーザービームプリンターの縦断面図である。
【図24】 レーザービームプリンターの斜視図である。
【図25】 プロセスカートリッジの縦断面図である。
【符号の説明】
1…シール部材 1a…表層 1b…レーザー遮断層 1c…引き裂きガイド層(溶融層) 1d…シーラント層(接着層) 1d′…はみ出し層 1e…引き裂き溝 1e′…空隙 1f…引き裂き部 1g…封止部 1h…引出し部 1i…接続部 1j…先端エッジ部 1k…端部
2…トナー収容容器本体 2a…トナー排出開口
3…溶着部パターン 3a…トナー排出開口封止部 3a1…短手部 3b…突形状シール部
4…カバーフィルム 4a…表層 4b…EVA系シーラント 4c…引き裂き開始部
5…テアテープ 5a…第一層 5b…第二層 5c…第三層 5d…第四層
6…インパルスシーラー 6a…シリンダー 6c…電極ユニット 6g…電極支持ブロック 6h…絶縁材 6i…電極支持ブロック 6j…電極支持ブロック
7…電極 7a…封止部電極 7b…突形状部電極 7b1,7b2…シール面 7c…電流流出入口 7c1…折曲部 7d1,7d2…電流流出入口 7e…連結部
9…シール溶着面
35…開閉部材 35a…ヒンジ
101…光学手段 101a…レーザーダイオード 101b…ポリゴンミラー 101c…レンズ 101d…反射ミラー 101e露光開口部
102…記録媒体
103…搬送手段 103a…給紙カセット 103b…ピックアップローラ 103c,103d…搬送ローラ 103e…レジストローラ対
103f…搬送ガイド 103g,103h,103i…排出ローラ対
103j…反転経路 103k…フラッパ 103m…排出ローラ対
104…転写ローラ
105…定着手段 105a…ヒータ 105b…定着ローラ
105c…駆動ローラ
106…排出トレイ
107…感光体ドラム
108…帯電ローラ
109…現像手段 109c…現像ローラ 109b…トナー送り部材
109c…現像ローラ 109d…現像ブレード 109eトナー攪拌部材
110…クリーニング手段 110a…クリーニングブレード 110b…除去トナー溜め
111…トナー枠体(現像剤収容室) 111i…トナー補給口
112…現像枠体
113…クリーニング枠体 113n…転写開口部
114…装置本体
A…レーザービームプリンタ
B…プロセスカートリッジ
P…矢印

Claims (12)

  1. 現像剤容器本体の開口を開封するとき引き裂かれるシール部材に引き裂き部を形成する工程と、
    前記開口を塞ぐように、電流を流すことで発熱する発熱体と前記現像剤容器本体との間に前記シール部材を挟み込む工程と、
    前記発熱体に電流を流すことにより前記シール部材を前記現像剤容器本体に溶着する工程と、
    を有する、シール部材により開口のシールがなされる現像剤容器の製造方法において、
    前記発熱体による前記シール部材の溶着部は、前記開口を取り囲む取り囲み部と、前記シール部材の引き裂き方向における引き裂き開始側でかつ前記引き裂き方向と実質的に直交する方向における前記引き裂き部の外側に位置し前記シール部材の引き裂き開始部を補強する補強部と、を備え、
    前記発熱体は、前記取り囲み部を形成する為の第1の発熱体と、前記補強部を形成する為の第2の発熱体と、を備え、
    前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、互いに絶縁された独立した電流経路が形成されることを特徴とする現像剤容器の製造方法。
  2. 前記第1の発熱体に流す電流と前記第2の発熱体に流す電流とを互いに独立して制御することを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  3. 前記取り囲み部の前記現像剤容器本体に対する溶着力よりも強い溶着力で前記補強部を前記現像剤容器本体に溶着することを特徴とする請求項2に記載の現像剤容器の製造方法。
  4. 前記取り囲み部を前記現像剤容器本体に溶着する工程と、前記補強部を前記現像剤容器本体に溶着する工程とを別々に行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の現像剤容器の製造方法。
  5. 前記発熱体と前記現像剤容器との間に前記シール部材を挟み込んだ後、前記発熱体に電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  6. 前記シール部材に前記引き裂き部を形成した後、前記発熱体と前記現像剤容器本体との間に前記シール部材を挟み込むことを特徴とする請求項5に記載の現像剤容器の製造方法。
  7. 前記発熱体と前記現像剤容器との間に前記シール部材を挟み込むのと同時に前記発熱体に電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  8. 前記発熱体に衝撃電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  9. 前記引き裂き部は前記シール部材に対してレーザー光を照射することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  10. 前記発熱体により前記シール部材を熱溶融させた後、前記発熱体への通電を停止させることを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
  11. 前記発熱体への通電を停止させてから所定時間経過する間、前記発熱体と前記現像剤容器本体との間に前記シール部材を挟み込んだ状態を維持することを特徴とする請求項10に記載の現像剤容器の製造方法。
  12. 前記第1の発熱体と前記第2の発熱体の間に、絶縁材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器の製造方法。
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