JP3776958B2 - トナー容器用蓋材フィルム及びトナー容器 - Google Patents

トナー容器用蓋材フィルム及びトナー容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機等に用いられるトナー等粉体を収納したトナー容器の粉体取り出し開口部を密封しているトナー容器用蓋材フィルム及びこれを用いたトナー容器に関し、更に詳しくは、あらかじめ設けられた引き裂きガイドとなるレーザ加工線に沿って開口時に確実に開封可能とし、更に確実な直線開封性を有すると共に、引き裂き方向と直角方向に対しても十分なフィルム強度を有するトナー容器用蓋材フィルム及びこれを用いたトナー容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述のようなトナー粉体を収納する容器成形品本体および蓋材フィルムより構成される粉体容器は、開口部の構造を簡単にできて、しかも、密封がより完全に行われることから広く用いられている。
特に、補給用のトナー容器にあっては、容器を複写機等にセットしてから蓋材フィルムを剥がしてトナー補給を行い、それによってトナー飛散による汚れの発生を防止することが容易になし得ることから多く用いられている。
このトナー容器においては、複写機等にセットしてから蓋材フィルムを剥がすために、該蓋材フィルムの一端を複写機等の容器出し入れ扉付近に設けたスリット部から機外に出し、その一端を引き出すことにより蓋材フィルムを剥離する方法である。
この場合、蓋材フィルムは容器部分を越えて長い折り返し部分を有することも多く用いられている。
このようなトナー粉体容器は、トナーの容量の関係等でトナー粉体容器の開口部をシールして容器内にトナーを密封し、容器から粉体を流出させる際には蓋材フィルムの一部を剥離して、前記開口部より小さな補給口を開口させる方法も多く用いられている。
この方法を用いれば、トナー容器の大小、トナー容器の容量に関わらず、蓋材フィルムの開口部分を常に一定に保てるという利点がある。
この場合には、蓋材フィルムは、容器開口部より小さな補給口を定位置に一定の幅で開口することが必要となる。
例えば、特開昭59−13262号公報には、このような開口部分を持たせる蓋材フィルムの一例として、蓋材フィルムがトナー容器の成形品開口部とほぼ一致する大きさの蓋材フィルムとこれを覆う成形品容器開口部より小さな補給口に沿ってなる一定の幅の蓋材フィルムからなり、剥離時には蓋材フィルムに沿って開口部を形成することにより常に一定の開口部分が得られるトナー容器用蓋材フィルムが提案されている。
また、本発明者等は、先に、特願平7−114663号において、蓋材フィルムが一体化された1ピースの少なくとも2層以上の耐熱性基材層および熱融着性シーラント層からなり、開封時の引き裂き線に沿って連続する又はミシン目状の切断線が、積層包装材料の少なくとも1層に設けられているトナー容器用蓋材フィルムを既に提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術においては、蓋材フィルムが、少なくとも2種類のフィルムより構成されるものは、言うまでもなく、これは蓋材フィルムの成形品容器への装着時に2重のシール作業を必要とするため煩雑な工程となることは明らかである。
また、上記のトナー容器用蓋材フィルムとしては、定位置開封可能な厳密な直線開封性が要求されるとともに、搬送運搬および使用時の落下衝撃等へも耐えうることも必要であり、引き裂き方向および、引き裂き方向と直角方向においても一定以上のフィルム強度を有することが必要である。
更に、積層した蓋材フィルムの少なくとも1層に開封用切溝を予め設ける従来の技術においては、積層体の最外層に開封用切溝を予め設けることが発明の要旨であり、この場合には引き裂き時に最外層から熱融着シーラント層または中間層の間で層間剥離、いわゆるデラミ現象を生じるという問題点がある。
この現象は、最外層と熱融着シーラント層または中間層間の層間強度と、容器と熱融着シーラント層との間の接着強度との競争であり、後者が非常に強い熱接着強度を有する場合には、蓋材フィルムに層間剥離が生じる恐れがあるという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の従来の技術の問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、蓋材フィルムが、多層フィルムより構成され、開封時に切り裂こうとする線に沿って引き裂きガイドとなる少なくとも1本以上のレーザ加工線が、積層材料の少なくとも1層以上に連続、またはミシン目状に不連続に前記小さな補給口に沿って設けることにより、1枚の多層フィルムで上記の従来の技術と同様の効果が得られ、更に該多層フィルムが、トナー容器に接着するための接着層、炭酸ガスレーザ光を引き裂き方向に沿って照射することにより引き裂きガイドが形成される引き裂きガイド層、レーザ光により加工されないレーザ反射層、前記引き裂きガイドに沿った易引き裂き性を有する耐熱フィルム層がこの順に設けられた多層構成にすることにより、この引き裂きガイドとなるレーザ加工線が炭酸ガスレーザ加工によって容易に形成され、良好な直線定位置開封性と共に蓋材フィルムの強度をも維持することが可能であり、更に引き裂き時のデラミを防止することが可能であることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明は、トナー容器に設けられた開口部を塞いで粉体トナーを密封するトナー容器用蓋材フィルムであって、トナー容器からトナーを排出するための前記開口部より小さな排出口を開口させるとき一部が引き裂かれるトナー容器用蓋材フィルムにおいて、前記トナー容器に接着するための接着層、炭酸ガスレーザ光を引き裂き方向に沿って照射することにより引き裂きガイドが形成される引き裂きガイド層、レーザ光により加工されないレーザ反射層、前記引き裂きガイドに沿った易引き裂き性を有する耐熱フィルム層がこの順に設けられた多層構成としたことを特徴とするトナー容器用蓋材フィルム及びこれを用いたトナー容器に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施例および図面に従って更に詳細に説明する。
ただし本実施例および図面は、本発明の一例であり、これにより本発明の内容が限定されることはない。
まず、本発明のトナー容器用蓋材フィルムについて説明すると、図1は、本発明にかかるトナー容器用蓋材フィルムの一例を示す平面図であり、而して、図1に示すように、トナー容器用蓋材フィルム1は、トナ−容器の開口部を密閉する部分の蓋部2と開封時に手等でもって引き裂くための把手部3とからなり、更に該蓋部2に引き裂きガイドとなる少なくとも一本以上のレ−ザ加工線4、4が、把手部3と同じ幅の延長線上に設けられた構成からなるものである。
而して、本発明にかかるトナー容器用蓋材フィルムは、所定のフィルムを積層した多層フィルムからなるものである。
その一例を挙げれば、図2の(A)、および図2の(B)は、本発明にかかるトナー容器用蓋材フィルムの層構成を示す断面図である。
すなわち、図2の(A)に示すように、本発明にかかる蓋材フィルムは、最外層から順に、易引き裂き性を有する耐熱フィルム層5、レーザ光により加工されない層6、レーザ光により加工されて引き裂きガイドとなる層7、接着層8から構成される。
あるいは、図2の(B)に示すように、本発明にかかる蓋材フィルムは、最外層から順に、易引き裂き性を有する耐熱フィルム層5、レーザ光により加工されない層6、レーザ光により加工されて引き裂きガイドとなる層7、粘着剤層9から構成される。
上記の図2の(A)および図2の(B)において、4は、レ−ザ光の照射により刻設された開封時に引き裂きガイドとなる切溝、切れ目等からなるレ−ザ加工線を表し、Rは、レ−ザ光を表す。
上記の例は、本発明の2、3の例示であり、これに限定されるものではない。
また、上記において、上記の図2の(B)の場合、粘着剤層9は、後述するトナ−容器の開口部のフランジ部と密接着する部分に相当する箇所に設けられていればよく、必ずしも全面に設ける必要はない。
【0007】
上記の本発明において、本発明にかかる蓋材フィルムを構成する素材について説明すると、まず、易引き裂き性を有する耐熱フィルム層5としては、1軸または2軸に延伸されたフィルム、または1軸または2軸に延伸された発泡フィルムが好適に用いられる。
その材質としては、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用することができ、特に、これらは、耐熱性の面から好適に用いることができる。
本発明においては、この層はレーザ加工されない為、積層体全体の強度維持層、特に引き裂き方向と直角方向の強度維持に有効に作用する。
本発明において、1軸または2軸に延伸されたフィルムの厚さとしては、10ないし40μm位、また、1軸または2軸に延伸された発泡フィルムの厚さとしては、30μmないし150μm位が好ましい。
【0008】
次に、本発明において、レーザ光により加工されない層6としては、アルミニウム箔またはアルミ蒸着層が好適に用いられる。
本発明において、レーザ加工は、シーラント面から行われる為、レーザ光はこの層で遮断、反射され、結果として最外層の易引き裂き性を有する耐熱フィルム層5はレーザ加工されない。
また、この層自身もレーザ加工されない為、アルミニウム箔層を用いた場合には強度維持層としても作用する。
上記において、アルミニュウム箔の厚さとしては、5μmないし20μm位が好ましい。
【0009】
次にまた、本発明において、レーザ光により加工されて引き裂きガイドとなる層7は、炭酸ガスレーザにより加工され、切溝、切れ目等が刻設され、引き裂きガイドとして作用する。
この層を構成する素材としては、ポリエステル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム等、あるいはこれらの積層体が該層として特に好適に用いられる。
該層の厚みは、十分なガイドとして作用するために少なくとも20μm以上が好ましく、20μm以下の場合には引き裂き時にガイド外れが発生する恐れがあり、本発明においては、30μmないし100μm位が望ましい。
【0010】
次にまた、本発明において、接着層8としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびこれらのブレンド物等の熱融着層シーラント層が好適に用いられる。
また、各種接着性ポリオレフィンであるイージーオープンフィルム等も好適に用いられる。
その厚さとしては、10μmないし100μm位が好ましい。
更に各種粘着剤、ホットメルト等を全面またはシール部分に沿ってパターンでコーティングすることも勿論可能である。
【0011】
次に、本発明において、上記の素材を使用して蓋材フィルムとしての多層フィルムを製造するときの積層法について説明すると、これらフィルムの積層方法はとくに限定されず、上記の各層をポリエチレン等を介して貼り合わせる共押出し法を用いて積層して多層化することも勿論可能である。
また、本発明においては、接着剤を介して各層を張り合わせるドライラミネート法等も使用可能であり、またその両者を組み合わせることも勿論可能であり、特に限定されるものではない。
【0012】
次に、本発明において、前記小さな補給口に沿って形成され、開封時に切り裂こうとする線に沿う少なくとも1本以上のレ−ザ加工線は、連続状または不連続状のいずれの加工線でもよく、これらは、炭酸レーザによりに設けることが可能である。
本発明において、炭酸ガスレーザは、高分子フィルムへの吸収率の差異を用いて蓋材フィルムとしての多層フィルムの特定層のみのフィルム層にハーフカットして切溝ないし切れ目等を刻設することができ、該切溝ないし切れ目に沿った開封性を持たせるのに好適に用いることができる。
本発明においては、レーザ加工される層は、引き裂きガイドとなる層7および接着層8であり、この場合、レーザ光照射は内面の接着層側から行う。
本発明において、レーザの加工条件は、多層フィルムの構成、厚み、および移動速度によって任意に調整可能であり特に限定されない。
また、連続線または不連続線等、また切溝ないし切れ目等の大きさ、構造等の選択もレーザ発振を電気的に制御することで任意に可能であり特に限定されないが、ミシン目状の不連続線の場合には直線引き裂き性を維持しつつ、積層フィルムの強度も維持することが可能で更に好ましい。
また、本発明において、トナー容器用蓋材フィルムへレーザ加工する方法としては、予め積層したフィルム原反に対して巻き取り状態でレーザ加工し、後に図1のように裁断し、成形品容器本体の開口部のフランジ部へ熱融着する方法、あるいは先に蓋材フィルムとしての多層フィルムを図1のように裁断した後に、枚葉状態でレーザ加工したのちに成形品容器本体の開口部のフランジ部へ熱融着する方法等で固定する方法のいずれもが可能であり特に限定されない。
【0013】
次に、本発明において、蓋材フィルムとしての多層フィルムをトナ−容器に使用する形態について説明すると、図3および図4は、本発明にかかるトナ−容器の概略の構成を示す斜視図である。
図3および図4に示すように、トナ−容器10は、現像装置にトナ−を供給するためのトナ−供給用開口部11を有すると共に該開口部11の周縁にフランジ部12が設けられ、更に容器内にトナ−を充填するためのトナ−充填口13がいずれかの面に設けられた容器本体14と、フランジ部12に接着され、トナ−供給用開口部11を密封すると共に開封によりこのトナ−供給用開口部11よりも小さいトナ−供給口15を形成するトナ−容器用蓋材フィルム1とを備えるものである。
上記において、トナ−容器用蓋材フィルム1の構成については、前述のとおりであり、容器本体14と該容器本体14とトナ−容器用蓋材フィルム1との関係等について説明する。
【0014】
図3および図4に示すように、トナ−容器10においては、トナ−供給用開口部11の周縁に設けられているフランジ部12の表面に、前述のトナ−容器用蓋材フィルム1が、その接着層8または粘着剤層9の面を対向させて重ね合わされて、その両者がヒ−トシ−ル等によって熱溶着され、これにより、トナ−供給用開口部が密封されている。
而して、画像形成用のトナ−は、容器本体14の側面に設けられているトナ−充填口13から容器本体14内に充填されており、このトナ−容器10を複写機等の画像形成装置のトナ−供給部に装着した状態でトナ−容器用蓋剤フィルム1の把手部3を掴んで矢印方向に引っ張ることによりトナ−容器用蓋剤フィルム1の一部が、レ−ザ加工線4に沿って引き剥がされることにより開口するトナ−供給口15からトナ−が画像形成装置の所定の位置に供給される。
尚、トナ−充填口13は、容器本体14内にトナ−を充填した後、例えば、紙、樹脂フィルム、樹脂成形蓋等からなる適当な充填口封鎖部材により封鎖される。
上記において、容器本体14は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、その他の樹脂等を使用して射出成形法等により成形して製造することができる。
通常、該容器本体は、カ−ボンブラック等の帯電防止剤等を添加して成形されるものである。
【0015】
【実施例】
次に、本発明について実施例を挙げて更に詳細に説明する。
実施例1
東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリプロピレン(商品名、パイレンOT)(OPP)、日本製箔株式会社製のアルミニウム箔(Al)、東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリエステル(商品名、エスペット)(PET)および東セロ株式会社製のシ−ラント(商品名、CMPS−008C)を、従来公知のウレタン系接着剤を使用したドライラミネ−ション法にて貼り合わせ、下記構成からなる積層体を作成した。
厚さ15μmのOPP/厚さ7μmのAl/厚さ50μmのPET/厚さ30μmのシ−ラント
次に、発振波長10.6μの炭酸ガスレ−ザ機(米国、シンラッド社製、機械名、48−1−28W)を使用して、出力10W、搬送速度12m/分でシ−ラント面よりレ−ザを照射し、PET層50μmおよびシーラント層30μmに連続線からなる加工切り溝を形成した。
【0016】
実施例2
東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリプロピレン(商品名、パイレンOT)(OPP)、日本製箔株式会社製のアルミニウム箔(Al)、東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリエステル(商品名、エスペット)(PET)、ユニチカ株式会社製の2軸延伸ナイロン(商品名、エンブレム)(NY)および東セロ株式会社製のシ−ラント(商品名、CMPS−008C)を、従来公知のウレタン系接着剤を使用したドライラミネ−ション法にて貼り合わせ、下記構成からなる積層体を作成した。
厚さ15μmのOPP/厚さ7μmのAl/厚さ38μmのPET/厚さ15μmのNY/厚さ30μmのシ−ラント
次に、発振波長10.6μの炭酸ガスレ−ザ機(米国、シンラッド社製、機械名、48−1−28W)を使用して、出力10W、搬送速度12m/分でシ−ラント面よりレ−ザを照射し、PET/NY/シ−ラント層に連続線からなる加工切り溝を形成した。
【0017】
実施例3
東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリプロピレン(商品名、パイレンOT)(OPP)、日本製箔株式会社製のアルミニウム箔(Al)、東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリエステル(商品名、エスペット)(PET)を、従来公知のウレタン系接着剤を使用したドライラミネ−ション法にて貼り合わせた後、最内層に粘着剤を、前述の図2の(B)に示すように塗布し、下記構成からなる積層体を作成した。
厚さ15μmのOPP/厚さ7μmのAl/厚さ50μmのPET/厚さ10μmの粘着剤層
次に、発振波長10.6μの炭酸ガスレ−ザ機(米国、シンラッド社製、機械名、48−1−28W)を使用して、出力10W、搬送速度12m/分でシ−ラント面よりレ−ザを照射し、PET層50μmに連続線からなる加工切り溝を形成した。
【0018】
比較例1
東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリエステル(商品名、エスペット)(PET)、出光石油化学株式会社製の2軸延伸ナイロン(商品名、ユニアスロン)(ONy)、東セロ株式会社製のシ−ラント(商品名、CMPS−008C)をウレタン系接着剤を使用したドライラミネ−ション法にて貼り合わせ、下記構成からなる積層体を作成した。
厚さ12μmのPET/厚さ15μmのONy/厚さ30μmのシ−ラント
次に、上記の実施例1におけるレ−ザ機で、出力4W、搬送速度30m/分でPET面よりレ−ザを照射し、ポリエステル層およびナイロン層に連続線からなる加工切り溝を形成した。
【0019】
比較例2
東洋紡績株式会社製の2軸延伸ポリエステル(商品名、エスペット)(PET)、日本石油化学株式会社製高密度ポリエチレン(商品名、バリ−ラHG)(HDPE)、東セロ株式会社製のシ−ラント(商品名、CMPS−008C)をウレタン系接着剤を使用したドライラミネ−ション法にて貼り合わせ、下記構成からなる積層体を作成した。
厚さ16μmのPET/厚さ20μmのHDPE/厚さ30μmのシーラント
次に、上記の実施例1におけるレ−ザ機で、出力4W、搬送速度30m/分でPET面よりレ−ザを照射し、ポリエステル層のみに連続線からなる加工切り溝を形成した。
【0020】
試験例1
上記で製造した各積層体のサンプルをレ−ザ照射後に前述の図1に示す形状に裁断し、これを前述の図3に示すようにポリスチレンを主体とする容器本体のトナ−供給口の周縁に形成されているフランジ部に、シ−ラント側から140℃、4Kgで3秒間で熱融着して固定し、これを折り返し部の先端部から前述の図4に示す矢印方向に引き出して引き裂き性を調べた。
【0021】
試験例2
上記で製造した各積層体のサンプルのレ−ザ加工部について、引き裂き方向と直角方向(TD方向)の引張り強度を調べた(25mm幅、引張り速度100mm/分)。
【0022】
上記の試験例の結果を次の表1に示す。
Figure 0003776958
【0023】
実施例1、実施例2および実施例3のサンプルでは、いずれも、直線引き裂き性および強度等において良好であった。
これに対し、比較例1および比較例2のサンプルでは、上記で明らかなように、比較例1では直線引き裂き性は良好であっものの、シ−ラントのみが残ることからTD方向の強度が不足した。
また、比較例2では接着強度が弱く層間でデラミが発生した。
【0024】
【発明の効果】
本発明により、複写機等に用いられるトナー等粉体を収納したトナー容器の粉体取り出し開口部を密封している蓋材用フィルムを定位置で常に開口することが可能であり、トナー容器の大小に関わらず一定の排出口を設けることが1枚の蓋材用フィルムで可能となり、産業上極めて有用である。
特に、本発明においては、トナー容器において、トナー供給用開口部が開封により該トナー供給用開口部より小さいトナー排出口を形成するトナー容器用蓋フィルムにより密封され、かつトナー容器用蓋フィルムは、一枚の部材からなるので、容器本体とトナー容器用蓋フィルムとのシール作業が一回で済み、シール作業の工程が単純化されると共にコストの低減化を図ることができるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー容器用蓋材フィルムの一例を示す平面図である。
【図2の(A)】トナー容器用蓋材フィルムの層構成の一例を示す断面図である。
【図2の(B)】トナー容器用蓋材フィルムの層構成の一例を示す断面図である。
【図3】トナ−容器の構成を示す斜視図である。
【図4】トナ−容器の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 トナー容器用蓋材フィルム
2 蓋部
3 把手部
4 レ−ザ加工線
5 易引き裂き性を有する耐熱フィルム層
6 レ−ザ光により加工されない層
7 レ−ザ光により加工されて引き裂きガイドとなる層
8 接着層
9 粘着剤層

Claims (8)

  1. トナー容器に設けられた開口部を塞いで粉体トナーを密封するトナー容器用蓋材フィルムであって、トナー容器からトナーを排出するための前記開口部より小さな排出口を開口させるとき一部が引き裂かれるトナー容器用蓋材フィルムにおいて、
    前記トナー容器に接着するための接着層、炭酸ガスレーザ光を引き裂き方向に沿って照射することにより引き裂きガイドが形成される引き裂きガイド層、レーザ光により加工されないレーザ反射層、前記引き裂きガイドに沿った易引き裂き性を有する耐熱フィルム層がこの順に設けられた多層構成としたことを特徴とするトナー容器用蓋材フィルム。
  2. 前記耐熱フィルム層を1軸または2軸に延伸された易引き裂き性フィルム、或いは1軸または2軸に延伸された易引き裂き性発泡フィルムとすることを特徴とする請求項1のトナー容器用蓋材フィルム。
  3. 前記レーザ反射層をアルミニウム箔又はアルミ蒸着層とすることを特徴とする請求項1又は2のトナー容器用蓋材フィルム。
  4. 前記引き裂きガイド層をポリエステル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルムまたはその両者の積層体とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかのトナー容器用蓋材フィルム。
  5. 粉体トナーを収容する容器本体と、前記容器本体に設けられた開口部と、前記開口部を塞いでトナーを密封する蓋材フィルムであってトナーを排出するための前記開口部より小さな排出口を開口させるとき一部が引き裂かれるフィルムと、を有するトナー容器において、
    前記蓋材フィルム、前記容器本体に接着するための接着層、炭酸ガスレーザ光を引き裂き方向に沿って照射することにより引き裂きガイドが形成される引き裂きガイド層、レーザ光により加工されないレーザ反射層、前記引き裂きガイドに沿った易引き裂き性を有する耐熱フィルム層がこの順に設けられた多層構成としたことを特徴とするトナー容器。
  6. 前記耐熱フィルム層を1軸または2軸に延伸された易引き裂き性フィルム、或いは1軸または2軸に延伸された易引き裂き性発泡フィルムとすることを特徴とする請求項5のトナー容器。
  7. 前記レーザ反射層をアルミニウム箔又はアルミ蒸着層とすることを特徴とする請求項5又は6のトナー容器。
  8. 前記引き裂きガイド層をポリエステル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルムまたはその両者の積層体とすることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかのトナー容器。
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