JP4219457B2 - 容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部を有する容器本体に接着されて容器の開口部を密封する蓋材用フィルムに関し、特に、一方の端部より他の端部に直線状に一定幅に引き裂かれて開封できる蓋材用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば複写器等のトナーのような飛散しやすい粉体を所定装置に供給する方法として、粉体を収納してある容器を装置内に装入し、その後容器の開口部に密着されている蓋材用フィルムを直線状に引き裂いて開封し、粉体を装置内に供給することは従来より行われている。つまり、粉体を収納してある容器を装置に装入してから開封するため蓋材用フィルムの一端を開封用把持部として装置より外部に出し、これを引っ張ることによって蓋材用フィルムを直線状に引き裂き開封するのであるが、開封幅が一定しないという問題があった。
【0003】
このような問題点を解決する手段として、例えば米国特許第5,523,828号に示されているように、容器本体に接着している開封開始部(蓋材用フィルムの開封用把持部の根本部分)に切り込みを設け、また、特開平8−328369号には積層材料の少なくとも1層には開封時に引き裂かれてトナー供給口の周縁を形成すべき線に沿って連続する又はミシン目状の不連続な切断線を設けており、特開平9−80889号には多層フィルムの積層材料の少なくとも1層には連続する又はミシン目状に不連続に切断線を設け、該多層フィルムが最外層から、易引き裂き性を有する耐熱フィルム、レーザ光により加工されない層、レーザ光により加工されて引き裂きガイドとなる層、接着層の順に積層されているなどのフィルムを使用することが提案されている。
しかし、このような容器においては、通常、輸送時の安全性を考慮して、容器開口部に接着されている蓋材用フィルムが強固に接着されている。従って、開封に際して、接着部が所定の幅よりも広くまたは狭く剥離することがある。これを防止するため開封開始部及び接着部に切り込みを設けても、切り込みを深く入れると内容物収納部にまで切り込みが到達する恐れがあったり、或いは、切断線を設けても開封するときに接着部において開封する方向が所望の方向からずれることがあるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は上記のような問題点を解決すべく種々検討した結果、開封開始時に剥離させる接着部分によって開封幅が多少ずれることがあるとの認識に立ち、開封すべき幅は別途、開封案内手段によってコントロ−ルすることにより、直線状に引き裂かれる合成樹脂フィルムを使用すれば、開封開始部の幅にかかわりなく、所定の力で安定して、一定の幅で開封できることを見出し、本発明を完成したもので、本発明の目的は容器を開封するにあたり、蓋材用フィルムが接着部の影響を受けることなく所望の幅で引き裂き開封することができる蓋材用フィルム及び容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願の請求項1の発明は、容器の開口縁部に設けられた接着部により容器の開口部に密着され、前記接着部間を一定の幅で引き裂いて開封される蓋材用フィルムを前記開口縁部に接着した容器であって、前記蓋材用フィルムは、直線引き裂き性を有する合成樹脂フィルムを少なくとも1層含む積層体よりなり、それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部を備えた第一の開封案内手段と開封に際し前記蓋材用フィルムを引っ張るための開封把持部とを有するとともに、前記容器は、少なくとも開封を開始する側の前記容器の開口部端部と容器端部との間の開口縁部に設けられた前記薄肉部のそれぞれの少なくとも一部が前記接着部上から前記容器の開口部側に存在するように前記蓋材用フィルムを前記開口縁部に接着させたことを特徴とする容器であり、請求項2の発明は、それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部よりなる第二の開封案内手段を前記第一の開封案内手段と前記容器の開口部との間に有することを特徴とする請求項1記載の容器である。そして、請求項3の発明は、前記接着部は、開封を開始する側において前記開口部と平行に前記容器の端部にまで設けられるとともに、開封を開始する側の前記容器の開口部端部と容器端部との間の開口縁部おいて開封を開始する側に向く凸状に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の容器である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に述べる。
本発明における直線引き裂き性を有する合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂又はこれらを発泡させたものを一軸又は二軸延伸したフィルム、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(PET)等を一軸又は二軸延伸したフィルム、或いは、これらのフィルムにミシン目を入れたり、レーザー光線などで切断線を入れたフィルムを挙げることができる。そして、本発明の蓋材用フィルムはこれらのフィルムの積層体である。積層体としては、これらのフィルムは何層あってもよいが、2〜3層で全部の層が直線引裂き性を有することが好ましい。
【0007】
本発明はこのようなフィルムを有する積層体に、それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部を備えた第一の開封案内手段を設ける。該案内手段は薄肉部のみ又は薄肉部と切り込み部によって形成される。切り込み部は容器本体の開口部と蓋材との接着部より内側へ入ると、内容物が漏れる可能性があるので、切り込み部は接着部より内側に入らないようにする必要がある。切り込み部は開封開始部まで延設されていてもよい。切り込み部を設けることによって薄肉部への開封誘導が容易となる。該案内手段は1本であっても、複数本であっても良く、また、枝分かれしていても良い。本発明の蓋材用フィルムは開封把持部を有する。開封把持部は、本願の蓋材用フィルムを引き裂いて開封するとき該部分を持って引き裂くものである。開封把持部の形状としては引っ張り易い形状が良いが、特定の形状に限定はされず、自由な形状が可能である。ただ、蓋材用フィルム全体で矩形となるようにすると製造が容易となる。そして、開封把持部の根本に切り込みを設けても良い。
【0008】
第1の開封案内手段で接着部における開封線が万が一、薄肉部より逸脱した場合に備えて、それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部よりなる第2の開封案内手段を設けても良い。この案内手段は第1の案内手段と同様に、複数本であっても一対であって、また、枝分かれしていても良い。本願は、また、上記の蓋材用フィルムを容器開口部に接着した容器を発明の要旨とする。容器としては、金属製、合成樹脂製等何れでも良く、その大きさも問わない。ここで接着とは接着剤を用いた接着だけではなく、熱接着でも良い。従って、容器を合成樹脂製とし、蓋材用フィルムに熱接着層を形成しておけば熱接着が可能なので好ましい。そして、接着部の剥離を軽くするために接着部分は開口縁部にて凸状に形成されている。蓋材用フィルムの開封開始部側両端部にも開口縁部との接着部が存在する様にしておく。このようにしておくことによって蓋材用フィルムが押さえられ、開封開始部より引裂きが容易となるので好ましい。
【0009】
本発明にかかる蓋材用フィルム及び容器を図をもって具体的に説明する。
図1は本発明にかかる蓋材用フィルムを接着した容器の上面図である。蓋材用フィルム2は容器1の開口部3を覆うように接着している。即ち、接着部4は開口部に平行に容器の端部まで設けられ、同時に開口部端部と容器端部の間の開口縁部5では凸状に接着部4が設けられ、これらの接着によって容器の開口部は封緘されている。蓋材用フィルム2は容器1の端部の開封開始部7より外方に開封把持部6が突出している。蓋材用フィルム2は接着部より内方に薄肉部よりなる第1開口案内手段8が設けられて、所定の引き裂き幅Aになるようにコントロ−ルされている。このような蓋材用フィルムを開封把持部をもって180度反転して引っ張ると、蓋材用フィルム1は原則的には開封把持部の幅で引き裂かれ、実質的に開封把持部が接着部に到達する。開封把持部は凸状部より接着部を剥離しつつ進行する。開封線が第1開封案内手段8に到達すると、開封線は薄肉部上を伝播して接着部を越えて、開口部3側へと進む。接着部を越えてしまえば進行方向を狂わせる要素は存在しなくなるから、開封線は薄肉部の終点まで第1の開封案内手段によって案内される。薄肉部の終点からは、本発明では直線引き裂き性を有するフィルムを積層しているので開封線は直線状に進む。すなわち、引き裂き幅は所定の引き裂き幅Aになるようにコントロ−ルされ、その後Aの幅で引き裂かれて他の端部Bに到達する(図2参照)。したがって、ミシン目や切断線を入れて直線引き裂き性を付与したフィルムを使用する場合、第1や第2の開封案内手段の終点の位置が、所定の引き裂き幅Aになる様に留意する必要がある。この様な観点からはミシン目や切断線と、第1や第2の開封案内手段は同時に形成することが好ましい。
図3は他の態様の図面であって、第1の開封案内手段に続いて第2の案内手段9を設けた場合であり、又、第1の開封案内手段8が枝分かれをした場合及び第2の開封案内手段が複数の薄肉部より形成されている場合を示す。
【0010】
【実施例及び比較例】
次に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。試料としてドライラミネーション法を用いて下記仕様の積層材料を作成した。
また、各試料の積層材料に発振波長(10.6μ)の炭酸ガスレーザーで図1のようなC字状の開封案内手段を設けたものを実施例とし、設けてないものを比較例とした。なお、開封案内手段はポリエチレンのみを残して基材2層をカットし、薄肉部とした。
結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表から明らかなように、切断線が設けられ直線状に引き裂かれる加工がされた、もしくは直線引き裂き性を有する合成樹脂フィルムを少なくとも1層有する積層材料は、開封案内手段が設けられていれば確実に所定の開口幅に引き裂けることが確認された。
以上、本発明をトナー容器について説明したが、本発明の蓋材用フィルム及び容器は他の容器にも適用可能である。また、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明を種々変更しても差し支えない。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、本発明の蓋材用フィルムは、第1開封案内手段を設けてあるので、開封に際しては、接着部の影響を受けることがないので、直線引き裂き性を有する合成樹脂フィルムの性能が生かされ開封把持部を引っ張ることによって確実に所定の開封幅に直線状に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる蓋材用フィルムを容器に接着した状態の上面図。
【図2】 本発明にかかる蓋材用フィルムを直線状に切り裂いた状態を示す。
【図3】 本発明にかかる他の蓋材用フィルムを容器に接着した状態の上面図。
【符号の説明】
1 容器上面 2 蓋材用フィルム 3 容器の開口部
4 開封把持部 5 開口縁部 6 開封把持部
7 開封開始部 8 第1開封案内手段 9 第2開封案内手段
Claims (3)
- 容器の開口縁部に設けられた接着部により容器の開口部に密着され、前記接着部間を一定の幅で引き裂いて開封される蓋材用フィルムを前記開口縁部に接着した容器であって、前記蓋材用フィルムは、直線引き裂き性を有する合成樹脂フィルムを少なくとも1層含む積層体よりなり、それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部を備えた第一の開封案内手段と開封に際し前記蓋材用フィルムを引っ張るための開封把持部とを有するとともに、前記容器は、少なくとも開封を開始する側の前記容器の開口部端部と容器端部との間の開口縁部に設けられた対をなす前記薄肉部のそれぞれの少なくとも一部が前記接着部上から前記容器の開口部側に存在するように前記蓋材用フィルムを前記開口縁部に接着させたことを特徴とする容器。
- それぞれが対になって対向して設けられ、対向する薄肉部同士の終点で該終点間の幅に引き裂き幅をコントロールする薄肉部よりなる第二の開封案内手段を前記第一の開封案内手段と前記容器の開口部との間に有することを特徴とする請求項1記載の容器。
- 前記接着部は、開封を開始する側において前記開口部と平行に前記容器の端部にまで設けられるとともに、開封を開始する側の前記容器の開口部端部と容器端部との間の開口縁部おいて開封を開始する側に向く凸状に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の容器。
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