JP3962089B2 - 2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法 - Google Patents

2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法 Download PDF

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Description

本発明は、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)へのシアン化水素(HCN)の付加反応及びその際得られたメチルメルカプトプロピオン酸アルデヒド−シアノヒドリン(MMP−CH)の、硫酸を用いる加水分解によって得られる反応混合物からMHAを単離するが、この場合、反応混合物を、液−液抽出システム中で本質的に水と混合不可能な有機溶剤と接触させて、溶剤と、反応混合物から変換されたMHAとを有する抽出溶液を形成させ、MHAを、前記抽出溶液からの抽出物として蒸発によって取得する2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の取得法に関するものである。
2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)は、ラセミ形での必須アミノ酸のメチオニンヒドロキシ類似体であり、該アミノ酸と同様に動物栄養における重要な添加物質である。家畜の育成の場合、MHAは、公知のアミノ酸と同様の成長刺激作用の性質を示している。
MHAは、多くの場合、濃縮水溶液の形で使用されるが、この場合、該濃縮水溶液は、モノマーとともに、一定量のオリゴマー、主として二量体及び三量体の線状エステル酸を含有している。前記オリゴマーの含量は、製造条件及び選択された濃度に左右される。しかしながら、前記オリゴマー低い栄養効率及び流動性への望ましくない影響により、オリゴマーのパーセントでの含量を低く保持することが望ましい。市販の調製物は、全体の濃度が88〜90重量%の場合に、オリゴマーの総和に対して、約27モル%に相応し、モノマー/オリゴマー比3:1に相応する24重量%まで含有している。
MHAの製造のための一般的な方法は、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド又はMMPとも呼称される3−メチルチオプロピオンアルデヒドから出発し、シアン化水素を用いてMMP−シアンヒドリン又はMMP−CHとも呼称される2−ヒドロキシ4−メチルチオブチロニトリルに変換される(反応式I)。
Figure 0003962089
引き続き、生じたMMP−シアンヒドリンは、常法により、強鉱酸、例えば硫酸又は塩酸を用いて加水分解して、MHA−アミドとも呼称される2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチルアミドの中間体(反応式II)
Figure 0003962089
を介して、メチオニンヒドロキシ類似体(MHA)にされる(反応式III)。
Figure 0003962089
前記加水分解は、1工程又は2工程で実施することができるが、この場合、「工程」とは、MMP−CHの加水分解のために、1回又は2回鉱酸及び/又は水が添加されるということ、即ち、工程の回数は、添加工程の回数に相応するということである。
より詳細な公知技術水準については、
欧州特許出願公開第0142488号明細書、以下D1、同第0143100号明細書、以下D2、同第0330527号明細書、以下D3及び国際公開番号WO−A−94/28717号に対応する欧州特許第93924374号明細書、以下D4が挙げられる。
MHAの取得のための類似方法は、例えばD1の記載から公知である。D1は、硫酸を用いる2工程加水分解の高濃度水溶液としての液状形でのMHAの取得に用いられている。
D1の記載により、MHAは、定義された濃度条件及び温度条件下に、アミド段階を介して、過剰量の鉱酸を用いて実施された加水分解反応後に、溶剤抽出を用いて得られるが、この場合、水と部分的に混合可能な特定の溶剤が使用される。
D1中の記載に相応して、抽出溶液からのMHAの取得の際のD1に記載された方法の固有の特徴は、この取得に、残留抽出物(MHA)に対して、少なくとも約5重量%の水の存在下での有機溶剤の除去が含まれるようにして実施されていることにある。MHAは、抽出溶液から蒸留によって取得されており(実施例を見よ)、この場合、蒸気蒸留が有利である。蒸気蒸留の間の抽出溶液からの溶剤の除去によって、得られた排出物は、MHAと水との混合物である。従ってこの結果、蒸気蒸留により、排出物が少なくとも5重量%の水を含有しているようにして行われる。
D1中の別の箇所では、蒸留の際のカラム条件を、カラム中の全てであるが、しかし、少なくとも塔底部分で液相が水5重量%を有しているように調節することが記載されている。
そこから、十分な量の水が存在せずに、抽出溶液からのMHAの取得の間に、場合によっては望ましくない副生成物(二量体又はオリゴマー)の形成の増大が予測される。
更に、蒸留の際の水蒸気が、例えば相応する抽出剤との低沸点の共沸混合物の形成によって、MHA溶液から抽出剤を完全に除去するための推進剤として使用される。
本質的に同類の方法の別の実施態様は、D2中に記載されている。D1の上位概念とは異なり、MMP−CHの加水分解は鉱酸を用いて行われており、これにより、H2SO4の代わりのHClの選択的な使用可能性が言及されている。鉱酸加水分解からのMHAの単離の変法又は液−液抽出の際の抽出物の後処理に関連する全体として3つの別の変法が開示されている。
D2に記載の第一の態様の場合、加水分解物は、該加水分解物中に含有されている固体の全ての本質的な画分を予め分離せずに、有機溶剤と接触させられている。更にその際、D2によれば、抽出の条件は、抽出物及び水性抽残液が、液相だけであり、この液相は、抽出後の相分離の際に形成されるように調節されている。
前記の第一の態様の場合の欠点は、抽出物が、加水分解物中の加水分解の際に形成された全ての塩含量で負荷されていることであり、これにより、加水分解物及び相応して溶剤も、相対的に高い質量の流れになる。この結果、溶剤蒸発及び濃縮のための相応して高いエネルギーコスト並びに相応する溶剤損失のためのコスト並びに抽出及び蒸発における相応する大きな集成装置のためのコストがかかる。従って、この方法の前記の箇所での運転及び投資コストの割合の削減は、(殊に、この種の装置の大きさ及びこれに関連した節約の可能性に関連して)望ましい。
抽出物から均一な液相として得られた抽残液は、D1もしくはD2もしくはD4によれば、ストリッピング又は蒸留によって、溶剤残分を除去しなければならないが、これは、望ましくない付加的な費用がかかる。
第二の態様の場合、D2は、抽出物からの有機溶剤の分離に関連している。これについは、抽出物を蒸気蒸留することによって分離が生じるが、この場合、溶剤は、分離され、かつ水性MHAから塔底画分が形成されると記載されている。
殊に、蒸気の使用の際の欠点は、引き続き、望ましくない付加的な費用、例えば蒸留、ストリッピングによって溶剤を除去し、次に、処理中の適当な箇所に返送しなければならないかまたは費用をかけて廃棄処理、例えば焼却しなければならないような、溶剤で負荷された復水の発生量の増大である。従って、付加的なストリップ蒸気の回避が望ましい。
最終的に、D2は、第三の態様において、液−液抽出のために使用すべき溶剤の種類に重点をおいている。適当な溶剤の選択のために注意すべき基準には、殊に以下の点が含まれる:
◆ 溶剤の沸点は、60℃〜200℃の間でなければならない;
◆ 加水分解物と溶剤との間の平衡状態でのMHAの分配係数は、少なくとも約2でなければならない。
◆ 抽出物と水相との間の平衡状態での溶剤の分配係数は、少なくとも1でなければならない。
◆ 溶剤中の水の溶解度は、室温で12重量%を上回ってはならない。
60〜200℃のこの場合に使用すべき相対的に高い沸点範囲は、抽出物の蒸発の際に、生成物を損傷させることがあるような相対的に高い温度並びに付加的な助剤、例えばストリッピング蒸気を必要とするが、こうしたことは望ましくない。
しかしながら、D1及びD2の方法の場合の本質的な欠点の1つは、鹸化の際に発生し、その上更に、その他の点では相対的に穏和な液−液抽出法でのMHAの単離のための方法に不利な負担となる著量の塩負荷分である。必然的に生じるアンモニウム塩混合物の後処理は、多くの場合、経済的に有利ではなく、保管は、環境の観点から極めて憂慮すべきことであり、条件があまり厳格でない場所についても、近い将来、法律により禁止されるに違いない。
確かに、鹸化からの塩廃棄物量を削減するか又は全く回避するための試みがないわけではないが、しかし、この場合に達成された利点は、通常、一連の別の欠点を甘受するか又はD1及びD2に記載の穏和な処理を不要にして達成されたのである。
D3には、溶剤を用いずに済み、かつ濃厚なMHA水溶液を直接生じるが、この場合、副産物として、市販可能な形での結晶性の硫酸アンモニウムが得られるような、鹸化剤として硫酸を使用する1段階の加水分解法が開示されている。前記の目的は、過剰量の鉱酸及び生じた二硫酸アンモニウムが中性の硫酸塩に変化するまで、鹸化混合物を水酸化アンモニウム溶液で中和させることによって達成されるが、この場合、2つの液相が生じ、この液相は、分離させ、かつ蒸発させて、一方ではMHA液、他方では結晶性の硫酸アンモニウムが取得される。この場合、実際に生成物が消失せず、塩で負荷された排水を生じないように、種々の濾過工程及び返送工程が組み合わされている。生じたMHAは、D1により得られた生成物と同等の品質である。
しかしながら、前記の相対的に環境に配慮した方法にも、いくつかの欠点がある。1つには、本発明の出願人が、前記の方法の後処理の際に確認したことによれば、硫酸の相対的に大きな希釈率(20〜50%)によって制限されるが、完全なシアノヒドリン変換を行うために記載されたものよりも明らかに多くの酸過剰量を使用しなければならない。また、2つの液相をきれいに分離できるようにするため、中和の間の塩の析出を回避するには、より高い希釈率で作業しなければならない。もう1つには、単離された硫酸アンモニウムが、粘着性の粘稠度で、しかも強烈な匂いが染み着いているので、例えば洗浄濾過又は再晶出のような後処理が不可避的であり、このことによってこの方法は付加的に高価になっている。また、この方法は、予想に反して、蒸発工程で、比較されたD1の方法よりも多くのエネルギーを消費する。更に、濾過/遠心分離並びにフローチャート中に記載されていない硫酸アンモニウムの乾燥を用いる2つの別個の経路を有する固体処理は、コスト集約的で、装置的に極めて高価である。
D4は、前記のジレンマからの部分的な解決策を約束するものである。D4には、硫酸を用いて2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブチロニトリルの加水分解によって2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸を製造する際に生じる、硫酸塩を含有する廃液流からの硫酸の回収が開示されている。
硫酸アンモニウム、二硫酸アンモニウム及び/又は硫酸を含有する残分からの硫酸の回収は、MMA製造にとっては、公知技術となって既に久しく、アセトシアンヒドリンの鹸化の残分についてと全く同様に知られており、いわゆるSK装置(スプリット・コンタクト装置)における生じた鹸化及び抽出の廃液流の燃焼によって達成される。
この場合、当業者に普及した方法で、まず、SO2が分解生成物として製造され、これが、接触により酸化してSO3にされ、最終的に硫酸にされる。次に、生じた硫酸を、再度鹸化工程に返送することができるが、他方、「塩負荷分」の前記の別の成分は、本質的に燃焼ガスの形で見出すことができる。
しかし、穏和な前記の方法もそうであるように、この方法にも欠点がある。D1及びD2に記載の方法の場合、硫酸塩濃度が相対的に僅かであるが、しかしいずれにせよ、SK装置中に直接供給するためには少なすぎる廃液流が生じる。濃縮又は別の工程からの濃縮された廃液流との混合による増大は、通常不可欠である。SK装置の運転に使用される他の溶液は、50重量%を上回るスルフェート塩含量を有する。より高い濃度は、更に有利である。しかしながら、蒸発によるMHA単離廃液の濃縮は、廃液の高い腐食性により、蒸発装置のための特殊な材料選択に始まって特別な安全予防措置にいたるまで、費用がかかり高価なものになるような相対的に高価な試みである。
本明細書中に記載され、考察された公知技術水準並びに公知方法に関連する欠点を前にして、本発明の課題は、反応生成物の後処理に関連してできるだけ簡単かつ安価であり、二量体、オリゴマー及び副生成物の含量ができるだけ少なく、できるだけ高濃度にされた生成物を生じることになるような、冒頭に記載されたタイプの2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の製造のための1つの別の方法を記載することである。この場合、新規方法は、可能性に応じて、液−液抽出におけるMHA単離工程の簡単な実施可能性の利点を残しているが、しかし同時に、塩含有排水中の生じた塩廃棄物をできるだけ簡単かつ合理的に廃棄処理できるようにするものでなければならない。殊に、この場合特に使用可能で、従って、処理工程中で再利用可能な硫酸の回収のためのスプリット・コンタクト装置(Spalt-Kontakt-Anlage)中に直前の廃液流を直接供給できる処理工程が提供されなければならない。
前記課題並びに他の詳細には記載されていない課題は、請求項1の特徴部の特徴を有する冒頭に記載された種類の方法を用いて解決される。
有利な変法は、請求項1に従属する方法の請求項中で保護されている。
反応混合物の塩含量を、液−液抽出の前に、それぞれ反応混合物の無機成分の総和に対して約50重量%を上回り、有利に55重量%(wt/wt)を上回るようにすることによって、本発明によれば、卓越した品質でMHA液を製造でき、同時に容易に想到できない方法で、必然的に生じる塩の問題を解決するが、しかし、少なくとも驚異的に改善されている方法を提供される。殊に更に、塩濃度を、加水分解後であるが、しかし、液−液抽出の前であり、従って、いずれの場合にもSK装置と可能な接続の直前ではなく、適当な方法で高める多数の顕著な利点に関連している。
前記の利点には、就中、
◆ その他の点ではSK装置中への供給の前に生じる蒸発を完全に省略できる。
◆ 濃縮すべき溶液は、その特殊な組成により、前記の処理時点には攻撃性が極めて少なく、従って殊に腐食性も少ないので、抽出の前の濃縮のためには、処理技術的により簡単で、ひいてはより安価な装置で十分である。
◆ 前記の処理時点への蒸発の少なくとも部分的な移動の場合、全体的に改善されたエネルギー結合を生じる。既に温度処理された(熱い)加水分解物が蒸発するので、まだ、抽出によって冷却されていない抽残液はエネルギー消費が少ない。
◆ 蒸発による濃縮の際に、加水分解物の望ましくない底沸点成分の分離が改善される。
◆ MHA−アミドの加水分解は、希釈されて実施できる、これにより、結果としてより完全な化学変換が生じる。加水分解をできるだけ完全に進行させるために、より希釈された硫酸(40重量%未満)を使用することは硫酸を用いるMHA−アミドの加水分解の際に、より良好であるので、引き続き有機溶剤を用いる抽出が不十分に進行するのではないかと恐れることなく、少量の強い濃硫酸をMHA−アミドの加水分解に使用できる。濃縮によって、分配係数の悪化が回避され、殊に、抽出の際には少量のMHAが抽残液中に残留している。
従って、本発明による方法は、殊に、組成によりSK装置中での後処理に一層好適である抽残液の準備と関連して鹸化並びに加水分解物からのMHAの取得の際の有利な硫酸濃度に対する要求をも充足するものであり、この場合、同時にエネルギーバランスが全体的に著しく改善されている。
この場合、約50重量%を上回る加水分解物中の塩の濃度は、SK装置を用いる後の後処理に既に十分に使用可能な濃度である。有利に、55〜60重量%の範囲内である。なかでも特に好ましくは、それぞれ、反応混合物の無機成分の総和に対して約60〜80重量%に反応混合物の塩含量を調節することである。「有機遊離塩基」に対する含量と言うこともできる前記の値の測定のためには、本質的に、含水量、硫酸含量及び硫酸イオンもしくはアンモニウムイオンの含量が参照される。これらは、加水分解物の主要な無機成分である。
濃縮の概念には、本発明の範囲内では、一般に、(重量%での有機成分を含有しない塩基=「有機遊離塩基」に対する)塩濃度の増大が含まれる。
有利な本発明による変法の場合、MMPへのHCNの付加反応及び生じたMMP−CHのH2SO4を用いる加水分解によって生じた反応混合物(加水分解物)に、濃縮のために、適当な量の硫酸アンモニウムを添加する。従って、塩の濃度は、添加物によって増大する。特に、前記の変法には、多くの大きな利点がある。
前記のように、原理的に2つの相異なる効果が考慮される。1つには、加水分解反応は、できるだけ完全に行うことができなければならず、このためには、MHA−アミド鹸化の際に存在する水中での相対的に少ないアミド濃度が適しているように思われる。このことから、必然的にMHA及び硫酸水素アンモニウムからの希釈された溶液が生じる。もう1つには、抽出にとっては、加水分解物の含水量を減少させること、即ち、水相中のMHA濃度をできるだけ高くすることが一層有用である。
従って、D1及びD2によれば、約40重量%未満の硫酸濃度で加水分解されるが、しかし、これにより、必然的にMHA及び硫酸水素アンモニウムからの希釈された溶液が生じることになる。引き続く抽出を改善するために、D1/D2によれば、硫酸水素アンモニウムが、無水アンモニアの添加によって中性の硫酸アンモニウムに変えられている。これにより、確かに溶液の腐食挙動は改善するが、しかし、抽出の作業に不利な影響を及ぼすことがある固体が析出することになりうる。従って、D1/D2によれば、析出した塩を再度溶解させるために、事後に再度水を添加することがある。しかしこの場合、MHAもしくは塩の濃度は、再度抽出を妨げることがあるので、あまり大きく低下させてはならない。
これとは異なり、本発明による硫酸アンモニウムの添加によって、MHAアミドの加水分解をより希釈されて実施することが可能になり、これにより、加水分解工程で、より一層完全に変換することになり、同時に、中和される必要はない。即ち、無水アンモニア及び場合による再希釈は、不要である。
有利の実施態様の場合、本発明の方法は、MHAの単離の前に、塩析のために2つの相を形成しつつ有効な量の硫酸アンモニウムを添加するようにして実施される。
確かに、D1/D2から、高い塩濃度(最善は硫酸水素アンモニウム)の存在下にMHAを「塩析」し、これにより、分配係数に対して有用な影響を及ぼすことは公知である。しかしながら、D1/D2によれば、抽出を妨げることもあるので、二相系は回避されなければならないとのことである。これとは異なり、硫酸アンモニウムの添加による二相系は、抽出工程にとって特に有用であり、抽出工程に全体としてプラスの影響を及ぼすことが見出された。従って、例えば1つの変法の場合、本発明により得られた二相混合物には、2つの清澄な相が形成され、1回だけ分離される必要がある程度に溶剤を添加することができる。
その上更に、MHA取得法の前記の箇所での硫酸アンモニウムの添加には、生成物の節約の一般的な利点がある。硫酸アンモニウムの添加によって、一方的にアンモニウム塩濃度だけが増大し、MHA濃度は同時には増大しない。目的生成物の他の熱負荷(変色)は不要にできるが、これとは異なり、硫酸アンモニウムの溶解によって温度低下が生じる。それにもかかわらず、分配係数には有用な影響が及ぼされている。
硫酸アンモニウム添加の検討された変法には、生成物の節約の際に、疑う余地のない利点があるにもかかわらず、本発明による方法の選択的な変法の場合には、反応混合物(加水分解物)の塩濃度を蒸発によって増大させるのが有利である。
抽残液中の塩濃度に応じて、刊行物D1、D2又はD4の記載によれば、抽残液ストリップ工程で分離されなければならない溶剤の塔底流出量が増大することがある。これとは異なり、本発明によれば、こうして回収された溶剤は、強酸性の媒体中での熱負荷によって、副生成物で汚染されており、従って、抽出システム中への直接的な再循環に適していないことが確認された。
驚異的なことに、本発明の範囲内では、既に、塔底生成物の若干の冷却により、水性抽残液と有機性抽残液との二相混合物が生じており、この場合、97%を上回る有機性抽残液は溶剤からなり、該有機性抽残液は分離容器中での簡単な分離の直後に他の付加的な費用なしに抽出システム中に返送でき、これにより、溶剤損失を最小にすることができる。
従って、塩濃度が蒸発によって増大される本発明による方法の特に有利な変法は、抽出システムから、少なくとも3つの液相が直接生じることによって特徴付けられる。
この場合、確かに原理的には、均一な抽残液及び2つの液相からなる抽出物が形成される可能性があり、
この場合、第一の液相としての抽出物は、本質的にMHA、溶剤及び少量の水からなり、他方、第二の液相としては、本質的に水、MHA及び少量の塩からなるが、しかし、本発明による変法の際に、均一な抽出物及び2つの液相からなる抽残液が形成される場合が更に有利である。前記の場合、抽残液が第一の液相として主としてアンモニウム塩及び水からなり、少量がMHA及び有機溶剤からなり、他方、第二の液相として主として有機溶剤及び少量が水及びMHAからなる場合に特に好ましい。
この場合、本発明の方法の有利な変法において、本来の蒸発に引き続く工程は、第二の液相が、0.01〜0.5重量%の量でMHAを含有し、90〜99重量%の量で溶剤を含有し、かつ0.1〜10重量%の量で水を含有し、他方、第一の液相は、20〜50重量%の量で水を含有し、0.01〜0.5重量%の量でMHAを含有し、かつ50〜80重量%の量で塩を含有するが、この場合、それぞれの相の成分は、100重量%にならなければならないものとするように実施される。
MHAの取得のための蒸発に使用された抽出溶液は、反応混合物から、抽出によって取得される。勿論原則的にこのためには、既に冒頭に記載された一連の性質を有する従来技術で公知の全ての有機溶剤が使用可能である。抽出のために使用された有機溶剤は、本質的に水と混合不可能でなければならない。勿論、有機溶剤と水との部分的な混合可能性は許容可能である。液−液抽出の際の物質分離にとって問題となる溶剤とは、その多数が、化学的不活性及び水に対する僅かな可溶性の条件を充足するものである。一般に、溶剤中での水の可溶性は、室温で、約15重量%を上回らず、有利に10重量%を上回らないのが有利である。適当な溶剤には、約60℃〜約200℃、有利に約70℃の沸点を有するものが有利である。抽出されたMHAを含有する溶剤と、溶剤及びMHA加水分解物の接触後に残留する水性抽残液との分配係数は、平衡状態でのMHAに対して少なくとも約2でなければならない。有利に、前記の分配係数は少なくとも4である。また、抽出溶液と洗浄水との平衡状態でのMHAに対する分配係数は、約1.0を下回ってはならない。更に、溶剤は、低い毒性を示すものでなければならない。
一連のケトン、アルデヒド及びカルボン酸エステルは、抽出のための溶剤として特に適している。特に有利な溶剤は、相対的に少ない分子量を有するケトン、例えばメチル−n−プロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン及びジイソブチルケトンである。抽出に同様に好適な溶剤は、アルデヒド、例えばn−ブチルアルデヒド及びエステル、例えばエチルアセテート、n−ブチルアセテート、n−プロピルアセテート及びイソプロピルアセテートである。また、アルコールを使用することもできるが、しかし、アルコールは、水との種々の可溶性、緩徐な相分離及びMHAとの反応の傾向によりあまり有利ではない。
これらの、従来技術で既に使用されたか又は推奨された溶剤は、勿論、本発明にもある程度の使用可能性を有するが、これらの溶剤とは異なり、全く驚異的なことに、抽出の際の溶剤としてのエーテル化合物の使用により、大きな利点自体がもたらされることが明らかになった。本発明により使用可能なエーテルには、就中、式I:
1−O−R2 (I)
〔式中、R1及びR2は、互いに独立に同一又は異なる直鎖状又は分枝鎖状のC1〜C5−アルキルである〕で示されるものが含まれる。
就中、以下のエーテル化合物が該当する:
Figure 0003962089
エーテル化合物については、1つには、過酸化物を形成する傾向がないか又はごく僅かに形成する傾向があるにすぎないもの、例えばMTBEが有利である。また有利に不斉エーテルである。
もう1つには、完全かつ簡単に目的生成物から除去できるので、60℃未満の沸点を有する化合物が極めて好ましい。
本発明の範囲内では、前記の全ての基準を充足するメチル第三ブチルエーテル(MTBE)の使用がなかでも特に有用である。
抽出自体は、原則的に連続的又は断続的に実施することができる。断続的処理法には、例えば撹拌釜が適している。しかしながら有利には、抽出は、溶剤と水相との間の物質移動の促進のために形成された抽出帯域を有する連続的な向流抽出装置中で実施される。従って、例えば抽出を、連続的な向流ミキサー分離器のカスケード中、充填塔、有利にパルスカラムまたは可動板を有するカラムとしての多孔板塔、回転ディスクカラムまたは遠心分離抽出器中で実施することは有利である。特に有利な実施態様の場合、液−液抽出用の多孔板塔中で実施される。断続的又はパルス流は、折り返し形であり、従って迅速な流速の意味では連続的ではないが、本明細書との関連において、「連続的」と見なされる。
抽出過程は、有利に、溶剤層を抽出帯域中で連続層として製造し、かつ保持するように調節される。
最終生成物の塩含量を最小にするためには、抽出物は、場合によっては水で洗浄される。しかしながら、生じた抽出溶液の特定の濃度範囲内では、殊に、硫酸塩含量0.5重量%未満の場合及びできるだけ更に希釈してはならないような流出する抽残液の塩濃度に関連して洗浄を不要にすることができる。連続的な向流抽出システムの場合、加水分解物が液−液抽出システムの中に導入される場所の、有機物の流れの方向に対して上流の場所で、水との混合によって抽出物を洗浄することができる。従って例えば垂直なカラムの場合、比重が有利に1未満である溶剤を使用しつつ、加水分解物水溶液が導入される供給場所の下方の場所で溶剤がカラムの中に導入され、加水分解物溶液の供給場所の上方の場所で洗浄水がカラムの中に導入される。
抽出過程の生産性は、抽出システムの内部での溶剤相について相対的に低い粘度を予定するために若干高められた温度で作業することによって向上する。また、使用された有機溶剤の沸点を下回るまでの温度での作業により、有機相と水相との間のMHA分配係数に対してなお若干有用な影響を及ぼすことが判明した。
本発明の範囲内では、MHAは、既に記載したように蒸発によって抽出溶液から取得することができる。
即ち、本発明は、もう1つの実施態様の場合、殊に、例えば硫酸を用いるMMP−CHの加水分解によって得られる反応混合物の液−液抽出から入手可能である抽出溶液の蒸発に関するものである。この場合有利に、蒸発は、残留抽出物が、4重量%未満、有利に2重量%未満の水を含有しているような程度に実施される。この場合、容易に想到できない方法で、特に低いオリゴマー含量及び二量体含量を有する高濃縮されたMHA液が得られる。公知の従来技術に鑑み、公知の文献(D1及びD2)から推測できるよりも少ない含水量で、達成できることは、より一層驚異的なことである。
特に有利な本発明による実施態様の場合、有機溶剤は、蒸発段階での抽出溶液の滞留時間を短縮できる集成装置を用いる蒸発の際に除去される。従って、有機溶剤は、流下薄膜型蒸発器、薄層蒸発器及び/又は短絡型蒸発器又はこの種の集成装置を用いる蒸発の際に抽出溶液から分離される。
「この種の集成装置を用いる」という概念とは、本発明の範囲内では、抽出溶液の滞留時間が短い前記の集成装置と、抽出溶液から溶剤を分離するための当業者にも公知の装置とを組み合わせることができるということである。この場合、組み合わせのために使用された集成装置とは、必ずしも、滞留時間が短い集成装置でなければならないというものではない。就中、ここでは、また選択に応じて蒸気又は別の適当なストリッピング剤の導入のために設けられていてもよい蒸留塔を挙げることができる。また、記載された滞留時間が短い集成装置の多くを含む組み合わせも可能である。
本発明による方法の有利な変法の場合、抽出溶液の蒸発を、できるだけ少ない残留溶剤含量が生じるような程度に実施することが有利である。これは、例えば前記の蒸発器の中にストリッピング剤を直接入れる際に、例えば複数の前記の集成装置と、付加的な集成装置としてか又は前記の集成装置に統合されて蒸発器システム中含まれていてもよいストリッピング段階との組み合わせによって達成される。
蒸発のための特殊な条件は、必要に応じて、抽出際に使用された特殊な溶剤により変動する。原則的に、抽出溶液の滞留時間の短い分離集成装置を使用する蒸発にとっては、蒸発の間の圧力が600ミリバール以下、有利に400ミリバール以下、特に有利に200ミリバール以下であることが有利である。
蒸発の際に使用すべき温度は、通常、同様に分離すべき溶剤に左右される。しかしながら、蒸発の間の温度が150℃を上回らないように意図されており、従って、本発明の範囲内でも特に有利である。前記の温度が明らかに上回っている場合には、意図された生成物が熱損傷してしまうことがある。この場合、蒸発の間の温度とは、生成物と短時間接触できるようにされた蒸発集成装置の表面との生成物の接触温度のことである必要はない。むしろ、蒸発の間の温度とは、蒸発集成装置中の平均温度のことである。蒸発集成装置の表面の温度は、疑わしい場合には、150℃よりもはるかに高くともよい。使用された蒸発集成装置の場合に接触時間の短さが重要である。これによって、接触温度が明らかに150℃を上回っている場合であっても熱損傷が回避される。
温度分布に関連して、本発明の範囲内では、残留抽出物の温度が、蒸発集成装置からの出口付近で30〜100℃、有利に50〜95℃及び特に有利に70〜90℃である場合に、生成物の品質にとって特に有利であることが判明した。
既に記載したように、残留抽出物の滞留時間は、意図されたMHA生成物の品質及び組成にとって決定的である。本発明による方法の有利な別の態様の場合、蒸発の際の残留抽出物の滞留時間は、1.5時間を超過するものではない。これは、滞留時間が極めて短い蒸発段階を少なくとも1つ有する全蒸発システムにおける滞留時間に関するものである。滞留時間が極めて短い集成装置中での滞留時間は、全滞留時間について記載された最大1.5時間の滞留時間とは異なり、むしろ分単位又はそれ以下に定められている。いずれの場合も、本発明の範囲内では有利であるが、蒸発が、専ら薄層蒸発器及び/又は流下薄膜型蒸発器及び/又は短絡型蒸発器からなるにすぎない場合には、前記の集成装置中の滞留時間は、1時間を超過せず、有利に40分間である。
また、もう1つの態様の場合、本発明による方法は、硫酸を用いる加水分解によって得られた反応混合物からのMHAの単離のために、MMP−CHの加水分解自体を改善している。従って、本発明による有利な実施態様の場合、MMP−CHの加水分解は、第一の工程で、MMP−CHが、30〜90℃、有利に50〜70℃の温度で、1.0:0.5〜1:1.0、有利に1:0.6〜1:0.95のMMP−CH対H2SO4のモル比で60〜85重量%、有利に65〜80重量%の硫酸を用いて、主としてMHAアミドを取得しつつ加水分解されるように行われる。この場合、主としてMMP−シアンヒドリンからMHAアミドが発生するが、この場合更に主として、生じた混合物は、反応していないMMP−シアンヒドリンを含有していない。別の言葉で言えば、これは、加水分解がほとんど定量的に進行しているということである。
本明細書中のMHA取得の上記の他の変法を用いた場合、特に有利な目的生成物が単離可能である。改善されたMHAは、本発明によれば、モノマーのMHA、MHA二量体及びMHAオリゴマーの総和としてのMHA全体(=MHA全体)が95重量%を上回り、並びに水は0.1重量%を上回りかつ5重量%未満であることによって特徴付けられる。殊に、本発明にとっては、モノマーのMHA、MHA二量体及びMHAオリゴマーの総和としての98重量%を上回るMHA並びに含水量0.1から2重量%未満までを有し、かつ25℃で100mm2/sを上回る動粘度を有することによって特徴付けられるMHAを、大きな品質損失なしに得られることが有利であることが判明した。この場合、驚異的なことに、キャノン・フェンスケにより測定した、貯蔵及び希釈後の高濃縮物(即ち有効分含量少なくとも98重量%のMHA)の動粘度は、88重量%の生成物の動粘度に匹敵するものであることが判明した。室温で約300日の貯蔵後の高濃縮物の場合に生じる、二量体及びオリゴマー含量が相対的に高い約50重量%であるにもかかわらず、貯蔵された高濃縮物を水で約88重量%に希釈した際に、その動粘度が、相応する貯蔵試験の際に専ら二量体及びオリゴマーの重量濃度が約25重量%にすぎない88重量%の市販の製品の動粘度に相応している。希釈された高濃縮物並びに市販の製品の2つの場合に、平衡状態が達成された。前記の事実は、極めて驚異的なことであり、かつ本発明による製造された高濃縮物−MHA変法にとっては大きな利点であることが判明した。二量体及びオリゴマーの含量が、MHAの粘度を実際の後処理にとっては一般に不利な妨げとなることに関連して、いわゆる高濃縮物の場合の高い出発含量にもかかわらず、有利な粘度を有する容易にポンプ輸送可能でひいては輸送可能な混合物を得ることができることは一層驚異的なことであった。これには、殊に、粘度及び就中高い有効分含量により、少量の水を運搬することになるので、高濃縮物を経済的に運搬できるようになるが、それにもかかわらず、目的地の飼料工場で、水で希釈して市販の濃度にでき、不利なより高い粘度を甘受する必要はないという多くの利点がある。
更に、本発明の範囲内では、加水分解反応の適当な実施の際に、滞留時間が極めて短い本発明により使用すべき穏和な蒸発と組み合わせることにより、品質的に特に有用なMHAが得られるということが判明した。特に有利に製造可能なMHAは、就中、MHAの総和に対して10モル%以下、有利に7モル%以下の二量体及びオリゴマーからなる総和の含量によって顕著である。これは、従来技術で広まってしまった先入観とは異なり、二量体及びオリゴマー割合が極めて少ないことによって、好適な短時間の運搬形にされる高濃度のMHAが入手可能であるということを意味するものである。その上、貯蔵時間に応じて、より長い運搬時間のためには、規模を増大させつつ形成される二量体及びオリゴマーを、水の添加及び高められた温度の作用によって再度単量体のMHAに変換するのが有利である。
更に、本発明の範囲内では、高濃度のMHA生成物を飼料用補助剤の製造に使用することが可能である。この場合、MHA濃縮物と水、メチオニン及び/又はMHAの塩(有利にアンモニウムMHA)(場合によってはNH4−MHAの製造のためのNH3)の混合によって、基本的に市場によって必要とされる全ての栄養的価値を、品質を損なわずに製造可能であることが判明した。
とりわけ極めて驚異的なことに、本発明の実施の際に、混合物が、適当な混合成分、例えば水、メチオニン及び/又はアンモニウムMHAの添加によって蒸発段階からの意図されたMHA生成物の出口から得られるだけでなく、同様に及び更に特に有利に、アンモニウムMHAとの混合物の場合には、蒸発からのMHA生成物の中に直接アンモニアを導入することができる。この場合、添加されたアンモニア量に応じて、MHAの望ましい量がアンモニウムMHAに変換される。
以下に、本発明を、添付した図面に基づき更に詳細に説明する。これらの図面の中で、
図1は、MHA加水分解物中の塩分離及び液−液相分離後のMHA単離のためのフローチャートを示すが、この場合、経路1)、2)及び3)は、互いに独立に進行することができる;
図2は、同様に本発明による方法の1つの実施態様の略示的フローチャートを示すが、この場合、液−液相分離をしない塩分離が設定されており、かつこの図面でも経路1)及び2)は、互いに独立している;
図3は、本発明の別の実施態様のフローチャートの略図を示すが、この場合、MHAは、塩分離せずに単離されている;
図4は、本発明のもう1つの実施態様のフローチャートを示すが、この場合、MHAは、塩含量の増大後に取得されている;および
図5は、本発明の方法の実施に適する装置の略図を示し;
図6は、本発明の方法の実施に適するもう1つの装置の略図を示している。
図1中に示された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は、硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキシル類似体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き続き、40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて40重量%を上回るMHA濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相が生じている。
蒸発の際に得られた水は、凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この場合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温度付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物(LS)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはストリッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉に直接供給される。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であってもよい(いわゆるSK−装置)。
蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、室温を上回る温度で、しかし、高くとも蒸発温度で互いに分離される。
主として生じたアンモニウム塩を含有する下方の水相は、溶解した塩の主要部分が晶出するまでの間冷却される。(経路1)もしくは2))粉のために必要な温度は、30℃未満である。得られた塩結晶体は、遠心分離又は濾過によって上清液から分離される。塩結晶体は、なお付着している有用物質(MHA)の除去のために、適当な有機溶剤を用いるかあるいはまた水又は塩水溶液を用いて洗浄することができる。
上記の主としてMHAを含有する有機相並びに水性濾液及び場合による有機濾液は分離されるかあるいは部分的にか又は完全に予め混合した後に一緒に液−液抽出システムに供給され(経路1)もしくは2))、有機溶剤を用いて少なくとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なくとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなり、引き続き、有利に硫酸の回収のための装置に供給される(経路1)抽残液及び場合によってはその上更に、主として溶剤及び僅少量のMHAもしくは水からなり、かつ抽出システムの中に返送できる有機抽残液に分離される。
有機抽出溶液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発した溶剤及び場合による相応する含水量は、凝縮によって回収され、かつ抽出段階に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMHA濃度に調節される。
塩結晶体は、場合により行われた塩洗浄後に、精製もしくは状態調節段階に供給することができるが(経路1))、この場合、相応する量のNH3の添加及び引き続く晶出及び乾燥によって市販可能な硫酸アンモニウムが製造されるかあるいはまた粗製製品として乾燥に直接供給される。あるいはまた塩結晶体は、殊に水中への溶解後に、60%を上回る濃縮溶液として硫酸の回収のための装置に供給される(経路2))。この場合、フィルター湿潤の塩結晶体を抽出段階の抽残液中に溶解し、その際得られた、75重量%を上回る塩含量の高濃縮された塩溶液を硫酸回収に供給することは、このために少なくとも60重量%の塩含量が必要とされ、その上更に全ての他の濃度の増大は、この種の装置のエネルギーバランスの改善に寄与するので、特に有利である。この場合、濃縮は、殊に前記方法から得られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸発なしに可能である。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解段階に返送することができる。
あるいはまた、水相を、塩分離せずに直接、抽出の抽残液と一緒に硫酸の回収のための装置に供給することも有利である(経路3))。またこの場合、塩含量は、有利に明らかに60重量%を上回っている。この場合、MHAの理論値の約2.5%の損失が生じるが、これは、水相中になお溶解して存在しているのである。しかしながらこの場合、従来の方法と異なり(D2参照)、殊に溶剤蒸発もしくは溶剤濃縮に関してエネルギーの著しい節約に関連している抽出のための入口流量、ひいては溶剤使用量をもほぼ半減させることができるので、抽出段階もしくは蒸発段階の負担の著しい軽減は本質的な利点である。
図2中に記載された2段階の加水分解反応の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は、硫酸水溶液を用いて変換されて、メチオニンヒドロキシ類似体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き続き、40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて、40重量%を上回るMHA濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相を生じている。
蒸発の際に得られた水は凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この場合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温度付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物(LS)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはストリッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉に直接供給される。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であってもよい。
蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、少なくとも塩結晶体及び均一な有機水相から懸濁液が生じるまでの間一緒に冷却される。この場合、有利に室温になるまで冷却される。
塩結晶体は、遠心分離又は濾過によって上清液相から分離される。塩結晶体は、なお付着している有用物質(MHA)の除去のために、適当な有機溶剤あるいはまた水又は塩水溶液で洗浄される。
濾液及び場合による有機濾液は分離されるかあるいは部分的にか又は完全に予め混合した後に一緒に液−液抽出システムに供給され、有機溶剤を用いて少なくとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なくとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなり、引き続き有利に硫酸の回収のための装置に供給される(経路1))水性抽残液に分離される。
有機抽出液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発した溶剤及び場合による相応する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMHA濃度に調節される。
塩結晶体は、場合により行われた塩洗浄後に、精製もしくは状態調節段階に供給することができるが(経路1))、この場合、相応する量のNH3の添加及び引き続く晶出及び乾燥によって市販可能な硫酸アンモニウムが製造されるかあるいはまた粗製製品として乾燥に直接供給される。
あるいはまた塩結晶体は、殊に水中への溶解後に、60%を上回る濃縮溶液として硫酸の回収のための装置に供給される(経路2))。この場合、フィルター湿潤の塩結晶体を抽出段階の抽残液中に溶解し、その際得られた、75重量%を上回る塩含量の高濃縮された塩溶液を硫酸回収に供給することは、このために少なくとも60重量%の塩含量が必要とされ、その上更に全ての他の濃度の増大は、この種の装置のエネルギーバランスの改善に寄与するので、特に有利である。この場合、濃縮は、殊に前記方法から得られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸発なしに可能である。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解段階に返送することができる。
図3中に記載された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は、硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキシ類似体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き続き、40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて、40重量%を上回るMHA濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相を生じている。
蒸発の際に得られた水は凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この場合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温度付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物(LS)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはストリッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉に直接供給される。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であってもよい(例えばSK装置)。
蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、場合によっては一緒に冷却されるが、しかし塩結晶体が形成されない場合に限る。
蒸発の生成物は、液−液抽出システムに供給され、かつ有機溶剤を用いて少なくとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なくとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなり、引き続き有利に硫酸の回収のための装置に供給される水性抽残液に分離される。この場合に望ましい、少なくとも60重量%の塩濃度は、なかでも主として第一の加水分解物の蒸発の程度に左右される。この場合確かに、前記の蒸発の程度は、過剰な濃縮によって抽出システム内部に塩結晶体が形成されない程度にのみ大きくともよいことが観察される。従って、これによって達成可能な塩濃度は、図1もしくは2中に示された処理過程の場合よりも少ない。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解工程に返送できる。
有機抽出後は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発した溶剤及び場合による相応する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMHA濃度に調節される。
図4中に記載された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は、硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキシ類似体の酸(MHA)にされている。生じた、40重量%未満のMHA濃度を有する第一のMHA加水分解物は、引き続き、蒸発冷却されるが、この場合、温度は、100℃未満の反応温度から出発して、適当なより低い温度、例えば60℃にまで低下させられ、同時に、不快な匂い特性を有する低沸点物(LS)の画分は、少量の水蒸気と一緒に上流により、有利に真空に引かれつつ及び場合によってはストリッピングガス、例えば空気を用いて分離され、かつ予め濃縮せずに燃焼炉に直接供給することができる。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であってもよい。
均一なMHA加水分解物溶液への引き続く(NH42SO4および/またはNH4HSO4の添加によって、該MHA加水分解物溶液中に含有されている塩濃度は、2つの液相が発生するまでの間増大するが、しかしこの場合、溶解していない固体の主要量は残留していない。
2つの液相は、室温を上回る温度で、互いに分離する(経路1))。主としてMHAを含有する上方の有機相は、液−液抽出システムに供給され(経路1))、かつ有機溶剤を用いて、少なくとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なくとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなる水性抽残液に分離される。
この抽残液は、引き続き有利に、液−液相分離からの生じたアンモニウム塩を主として含有する下方の水相と一緒に硫酸の回収のための装置に供給される(経路1))。
この場合、MHAの理論値の約2.5%の損失が生じるが、これは、なお水相中になお溶解して存在しているのである。
この場合、殊に引き続く溶剤蒸発もしくは溶剤濃縮に関してエネルギーの著しい節約に関連している抽出のための入力流量、ひいては溶剤使用量をも明らかに減少させることができるので、抽出段階もしくは蒸発段階の負担の著しい軽減は本質的な利点である。
有機抽出液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発した溶剤及び場合による相応する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMHA濃度に調節される。
また、2つの液相を一緒に液−液抽出システムに供給することもできる(経路2))。この場合に生じる抽残液、即ち、60%を上回って濃縮された塩溶液は、このために少なくとも60重量%の塩含量が必要とされ、その上更に全ての他の濃度の増大は、この種の装置のエネルギーバランスの改善に寄与するので、硫酸の回収のための装置に直接供給することができる(経路2))。この場合、濃縮は、殊に前記方法から得られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸発なしに可能であり、これは大きな利点である。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解段階に返送することができる。
以下の製造例により、本発明の対象は更に明らかになる:
分析による測定法及び定義
MMP−シアンヒドリン、MHAアミドもしくはMHAモノマーの含量を、プロセス溶液中で、定量的にHPLCにより、外部標準(純水物質)との比較によって定めた。
MHA全体の含量=MHAアミド(場合による)+(=全MHA) MHAモノマー+MHA(二量体+オリゴマー)
を、KBr/KBrO3測定溶液を用いるチオエーテル官能基の滴定測定によって定め、かつ相応するMHAモノマー当量の総和として[重量%]もしくは[g]もしくは[モル]もしくは[モル%]で表した。
MHA二量体+MHAオリゴマー(DIM+OLI)の含量を、全MHAとMHAモノマー(+場合によりMHAアミド)との差の計算によって定め、かつ相応するMHAモノマー当量の総和として[重量%]もしくは[g]もしくは[モル]もしくは[モル%]で表した。
含水量は、カール・フィッシャーによる滴定によって定め、溶剤の含量は、GC又は引き算によって定め、硫酸塩もしくはアンモニウム含量は、標準法によるイオンクロマトグラフィーによって定め、全塩含量は、硫酸塩含量もしくはアンモニウム含量の換算又は引き算によって定めた。
例 1:MHA加水分解溶液の連続的製造
2段階の撹拌釜カスケード中で、50℃の温度及び60分間の平均全滞留時間で、97.7%のMMP−シアンヒドリン4.2kg/h(31.3モル/h)及び65%の水性H2SO44.5kg/h(29.7モル/h)の連続的供給によって、MHA−アミド溶液全部で8.7kg/hを製造した。MHAアミド溶液を、水3.6kg/hを用いる連続的希釈後に、後接続された反応管を有する2段階の撹拌釜カスケード中で、90〜110℃の温度及び180分間の平均全滞留時間で反応させて、MHA加水分解溶液12.3kg/hにした。第一に生じる反応溶液を、100ミリバールの圧力で蒸発システム中への連続的搬入によって濃縮し、その際、排出口で50℃の温度に冷却した。その際生じた予備蒸発させたMHA加水分解物(10.8kg/h)は、以下の分析による組成を有していた:
Figure 0003962089
例 2:MHA−MTBE抽出溶液の製造
試験 1
底部排出弁を有する5リットルの撹拌容器中で、MHA加水分解物2.5kg(例1に記載されたようにして製造した全MHAの43.7重量%)にMTBE1.5kg(工業的品質)を添加し、RTで10分間、強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。この工程を、新鮮な溶液を用いて全部で4回繰り返した。
有機相もしくは水性抽残液相を、それぞれ合わせ、かつ分析した。[重量%]での相の組成を、以下の表1中に記載する。
Figure 0003962089
試験 2
MHA加水分解物2.5kgと、MHA−MTBE抽出溶液の蒸発の際に(例3を参照)回収しておいたMTBE1.5kgを用いて試験1を繰り返した。[重量%]での組成は、以下の表2により明らかである。
Figure 0003962089
例 3:MHA高濃厚物の製造
図5中には、例3に使用した装置の構造が略示されている。前記装置は、本質的に以下の装置からなる:
Figure 0003962089
図5に関連する方法の記載
抽出物から生じるMHA−MTBE抽出溶液を、貯蔵容器001から、外側から加熱されるサムベイ蒸発器002中に連続的に供給する。002からの排出物を、ニードル弁を介して、同様に加熱されたサムベイ蒸発器003中に供給し、そのMHA生成物排出物を捕集容器004中で捕集し、かつ該捕集容器中で分析する。溶剤からなる粘稠な留出物を、005及び006の2つの濃縮システムの捕集容器中で捕集し、かつ該捕集容器から抽出のために返送することができる(例2、試験2を参照のこと)。
試験 3
例2の試験1からのMHA−MTBE抽出溶液、0.95l/h(0.85kg/h)の使用
サムベイ 002:
圧力 250ミリバール
温度:
・加熱ジャケット 125℃
・排出口 79℃
塔底部排出物002中のMHA高濃厚物の組成
全MHA:98.0重量%
2O:0.5重量%
サムベイ 003:
圧力 50ミリバール
温度:
・加熱ジャケット 140℃
・排出口 90℃
・蒸気 30℃
塔底部排出物003中のMHA高濃厚物の組成
Figure 0003962089
サムベイ蒸発器の塔底部排出物003から、上記の組成を有するMHA高濃縮物0.36kg/hが得られた。
試験 4
例2の試験2からのMHA−MTBE抽出溶液0.96l/h(0.86kg/h)の使用
サムベイ 002:
圧力 250ミリバール
温度:
・加熱ジャケット 125℃
・排出口 96℃
塔底部排出物002中のMHA高濃厚物の組成
全MHA:98.5重量%
2O:0.9重量%
サムベイ 003:
圧力 50ミリバール
温度:
・加熱ジャケット 120℃
・排出口 100℃
・蒸気 28℃
塔底部排出物003中のMHA高濃厚物の組成
Figure 0003962089
サムベイ蒸発器の塔底部排出物003から、上記の組成を有するMHA高濃縮物0.36kg/hが得られた。
例 4:液/液相分離及び液/固体相分離による抽出前のMHA加水分解物からの塩の回収(図1参照)
試験 5:液/液相分離を用いるMHA分離及びMTBEを用いる液/液抽出
50ミリバールの圧力で全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(219.4g)を含有するMHA加水分解物502gを蒸発させて、全MHA50重量%の含量にした。この濃厚物(438.7g)は、2つの液相からなっており、T=65℃で互いに分離した。前記の2つの相の組成は、表3中に記載されている:
Figure 0003962089
水相を、冷却してT=26℃にした。この場合に生じたNH4HSO4+(NH42SO4からなる塩結晶体を濾別した。表4中に記載された組成が得られた:
Figure 0003962089
塩結晶体を、MTBE10gと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ得られた有機濾液(6.0g)を分析した(MTBE蒸発損失4.8g):
全MHA=7.4重量%≒0.44g≒理論値の0.2%
塩結晶体のMHA損失:塩洗浄なし理論値の0.2%及び塩洗浄あり理論値の0%。
洗浄した塩結晶体を乾燥させ(35.8g)、かつ分析した:
SO4 -2 80.5重量%
NH4 + 18.5重量%
塩理論値の22.3%。
有機相(292.4g)、水性濾液(103.6g)及び有機濾液(6.0g)を、MTBE232gで洗浄し、かつRTで短時間強力に撹拌した。撹拌の終了後に、2つの生じた液相を互いに分離した。互いに分離された相は、表5中に記載された組成を有していた:
Figure 0003962089
本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。
塩結晶体(35.8g)を、61℃で抽残液(159g)中に清澄溶解させた。こうして得られた塩溶液は、以下の組成を有していた:
全MHA 1.4重量%≒理論値の1.3%
2O 20.7重量%
塩 77.9重量%
特に有利に、こうして得られた溶液は、その塩含量が明らかに60重量%を上回っているので、硫酸の再取得のための装置に供給することができる。
試験 6:液−液相分離を用いるMHA分離及びMIBKを用いる液−液抽出
全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(220.7g)を含有するMHA加水分解物505gを、50ミリバールの圧力で蒸発させて全MHA49.9重量%の含量にした。この濃厚物(440g)は、2つの液相からなっており、T=60℃で互いに分離した。相の組成は、表6中に記載されている:
Figure 0003962089
水相を、冷却してT=20℃にした。この場合に生じたNH4HSO4+(NH42SO4からなる塩結晶体を濾別した。該塩結晶体の組成は、表7により明らかである。
Figure 0003962089
塩結晶体を、MIBK14gと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ得られた有機濾液(1.8g)を分析した。
全MHA=9重量%≒1.2g≒理論値の0.56%塩結晶体のMHA損失、理論値の0.1%未満。
洗浄した塩結晶体を乾燥させ(40g)、かつ分析した:
SO4 -2 80.7重量%
NH4 + 18.8重量%
塩理論値の22.3%
有機相(299g)、水性濾液(83g)及び有機濾液(13.8g)を、MIBK250gで洗浄し、かつRTで短時間、強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を、互いに分離した。前記の液相は、表8中に記載された組成を有していた。
Figure 0003962089
本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出もしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。
例 5:液固体相分離による抽出前のMHA加水分解物からの塩の回収(図2参照)
試験 7:液−液相分離を用いないMHA分離
全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(220.7g)を含有するMHA加水分解物505gを、50ミリバールの圧力で蒸発させて全MHA49.9重量%の含量にした。この濃厚物(440g)を冷却してRTにし、この場合、塩結晶体及び均一な液相からなる懸濁液が得られ、濾過によって分離した。表9中に示された組成が見出された。
Figure 0003962089
塩結晶体を、MIBKと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ有機濾液(41.6g)を分析した:
全MHA:52.5重量%≒21.8g≒理論値の9.9%。
洗浄した塩結晶体を乾燥させ(52.8g)、かつ分析した:
全MHA6.1重量%=理論値の1.5%
SO4 2-75重量%
NH4 +18.4重量%
塩93.9重量%=理論値の30.7。
洗浄された塩結晶体のMHA損失は、理論値の1.5%であった。
濾液(342.4g)を、RTでMIBK244g中に収容し、かつ有機濾液(41.6g)を添加し、この場合、水性液相が沈降した。2つの液相を互いに分離し、かつ表10中に示した組成を見出した。
Figure 0003962089
本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出もしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。
塩結晶体中の全MHAの残量は、溶剤又は水で更に後洗浄することによって更に減少させることができる。水を用いる後洗浄は、有利に、NH4HSO4水溶液および/または(NH42SO4水溶液を用いて行われ、これは再度有利に数回使用され、遅くともその完全な負荷の達成の際に、該溶液中に溶解した全MHAの際抽出のために抽出システムへ返送される。
MHA含有有機濾液は、有機濾液および/または水性濾液からのMHA単離のために、溶剤抽出システムに直接返送することができる。この場合有利に、理論値に対して約0.5〜12.5%のMHA損失が回避される。
例4及び5からの塩結晶体は、相応する量のNH3の添加及び引き続く結晶化によって市販可能な(NH42SO4に加工するのに適している。同様に、前記結晶体は、直接又は水又は適当なNH4HSO4もしくは(NH42SO4又は前記の2つの塩を含有する溶液に溶解後に、H2SO4回収のための装置に供給することができる。
例 6:MHA加水分解物の液−液抽出(図3参照)
試験 8:MTBEを用いる抽出
全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(43.7g)を含有するMHA加水分解物100gを、RTでMTBE60gと混合し、かつ短時間強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。結果は、表11中にまとめられている:
Figure 0003962089
試験 9:MIBKを用いる抽出
全MHA43.7重量%を含有するMHA加水分解物100gを、試験8と同様にしたMIBK60gを用いて抽出した(表12):
Figure 0003962089
2つの1段階溶剤抽出の比較により明らかなように、有機抽出液は、MTBEの場合(試験8)に、望ましくない無機アンモニウム塩の量が、MIBKの場合(試験9)のほぼ半分を抽出するにすぎない。更に、MTBEの使用の際には、少量のMHAまでもが抽残液相を介して消失してしまう。
例 7:塩含量の増大後のMHA単離(図4参照)
試験 10:液−液相分離及び液−液抽出を用いるMHA分離
(NH42SO423gを、T=60℃で全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(261.3g)を含有するMHA加水分解物598g中に溶解した。この溶液(621g)は、2つの液相からなっており、T=60℃で互いに分離した。以下の組成(表13)を見出した:
Figure 0003962089
約60重量%の塩含量を有する水相は、硫酸回収のための装置に直接供給することができる。
有機相(416g)を、MTBE250gと混合し、RTで短時間、強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。表14は、該液相の組成を示している。
Figure 0003962089
本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。
水相(205g)及び抽残液(144g)を合わせた。こうして得られた塩溶液(349g)は、以下の組成を有していた:
全MHA 5.6重量%
2O 35.3重量%
塩 59.1重量%
約60%の塩溶液は、硫酸の回収のための装置に直接供給することができる。他の濃厚物は、加水分解物中の増大した塩装入量及び抽残液からの連続的抽出及び完全なMHA分離によって達成することができる。
試験 11:液−液抽出を用いるMHA分離
試験10と同様にして、(NH42SO423gを、MHA加水分解物598g中に溶解した。2つの液相(620g)からなる生じた混合物にMTBE372gを添加し、T=40℃で強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。結果は、表15にまとめてある。
Figure 0003962089
本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。
60重量%を上回る塩含量を有する抽残液波、硫酸の回収のための装置に直接供給することができる。
試験10並びに試験11は、残留スルフェート塩含量が既に極端に少ないので、水を用いる有機抽出溶液の洗浄を不要にできる。これは、こうして処理技術的な付加的費用並びに抽残液の望ましくない希釈を回避することができるので極めて有利である。
例4、5、6又は7中で得られた有機抽出溶液は、実際に完全な溶剤不含になり、かつ5重量%未満の含水量になるまで、例2又は8と同様にして連続的に蒸発させることができる。こうして得られたMHA高濃厚物は、相応する状態調節によって異なるMHA生成物混合物に変えることができる。
例 8:図6に関する方法の記載
図6中には、例8で使用した装置の構造を略示してある。使用された符号は、以下の装置を示し、使用された装置は、本質的にこれらの装置からなる:
(001) 抽出カラム、例えば長さ3m、内径2.1cm、孔底60個、加熱された二重ジャケットを有する脈動した孔底カラム;
(002) 薄層蒸発器、例えば交換面積0.08m2、加熱された二重ジャケットを有するサムベイ蒸発器;
(003) 濃縮システム、例えば水冷ガラス冷却器;
(004/005) 回収された水もしくは溶剤用の捕集容器;
(006) 有機中残液及び水性中残液用の相分離器;
(007) 溢流する抽出溶液用の洗浄帯域
MHA加水分解段階から生じるMHA加水分解物は、本質的にMHA(モノマー+二量体+オリゴマー+場合によってはアミド)、(NH42SO4および/またはNH4HSO4並びに水からなり、抽出温度への予備加熱の前に、40番目の塔底板の上方で抽出カラム001の中に導入される。溶剤(この場合、メチルイソブチルケトン=MIBK)を、同様に予備加熱してカラムの底部にポンプ輸送する(向流原理)。付加的に、カラムの溢流を、水洗いを用いる洗浄帯域中に送り込み洗浄相を加水分解物入口流に返送する。主として(NH42SO4および/またはNH4HSO4並びに水を含有する水性抽残液並びに主として溶剤からなる有機抽残液を冷却しつつ、塔底部で一緒に取り出す。2つの相を、相分離器006中で分離し、有機抽残液を抽出システムに返送し、水性抽残液を搬出する。主としてMHA、溶剤並びに水を含有する抽出溶液を、塔頂部で導出させ、引き続き、洗浄帯域007の通過後にサムベイ蒸発器002中に供給する。ここで、真空及びに引き、かつH2O蒸気並びにN2流を付加的に吹き込みつつ、蒸発器の溢流の直前に、MIBK及びH2Oを抽出溶液から一緒に除去する。サムベイ溢流中で2重量%未満のH2Oが検出可能であり、かつ溢流するMHA高濃厚物が実際には溶剤不含であるような程度に蒸発を実施した。
蒸発器002から生じる溶剤/水混合物を、まず、003中で濃縮し、かつ分離のために分離容器の中へ移送した。水もしくは溶剤を、それぞれ捕集容器004もしくは005中で捕集し、そこから、抽出システム中に返送した。サムベイ溢流を、冷却して室温にして、生成物捕集容器中へ導通した。
抽出溶液の組成を、洗浄帯域007の後に直接分析し、水性抽残液もしくは有機抽残液の組成を、それぞれ相分離器006の後に直接分析した。
MHA高濃厚物の組成を、サムベイ塔底溢流中で流出位置の後に直接測定した。
抽出のために使用されたMHA加水分解物溶液を、MMP−シアンヒドリン114.7kg(874モル)及び65%のH2SO4131.9kg(874モル、1.00モル当量)から、耐圧性の400−l−撹拌釜中で、50℃の温度及び60分間の滞留時間、引き続き、H2O96.7kgを用いる希釈及び90℃及び120分間の滞留時間で製造した。粗製加水分解物溶液を、反応の終了後に、真空に引くことによって、存在する揮発性の副生成物を除去し、引き続き分析した。抽出のために使用されたMHA加水分解物のその際得られた組成は、例8の試験12に記載されている。
試験 12:MMP−シアンヒドリン及び1.0モル当量のH2SO4からのMHA加水分解物の使用
抽出の際の使用:
流速 −MIBK 6.7kg/h
−MHA加水分解物 12.3kg/h
−全MHA 4.9kg/h
−洗浄H2O 1.3kg/h
−MIBK/加水分解物 0.55[−]
MHA加水分解物の組成:
−全MHA: 39.5重量%
−MHA: 94.7モル%
−DIM+OLI: 5.3モル%
−H2O: 28.7重量%
−SO4 2-: 27.5重量%
−(NH4HSO4): 33.2重量%
抽出(001):
温度: 60℃(平均)
組成
−抽出溶液: MIBK 44.7重量%(計算)
全MHA 41.8重量%
2O 13.5重量%
−水性抽残液 MIBK 77.5ppm
全MHA 0.1重量%
−有機抽残液 MIBK 97.5重量%
(流速0.017kg/h)
蒸発 002
圧力 600ミリバール
サムベイ −温度
加熱ジャケット中 180℃
塔頂部 85℃
塔底部 測定せず
−ストリップ蒸気 0.5kg/h
−ストリップガスN2 100l/h
塔底溢流中のMHA高濃厚物の組成:
全MHA 98重量%
MHA 86モル%
DIM+OLI 14モル%
2O 2重量%
MIBK 40ppm
サムベイ塔底溢流から、上記の組成を有するMHA高濃厚物約4.9kg/hが得られた。有機抽残液を、抽出カラム中に返送した。水性抽残液を廃棄処分のために直接かつ更に後処理せずに搬出した。
こうして、カラムの塔底溢流から残留溶剤の除去のためのもう1つの蒸留段階もしくはストリップ段階を節約することができた。更に、穏和な条件下で第三の液相として抽出カラムから取出された有機抽残液を、更に精製せずに、前記抽出カラムに直接再度供給することができた。

Claims (17)

  1. メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)への青酸(HCN)の付加反応及びその際得られた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(MMP−CH)の、硫酸を用いる加水分解によって得られる反応混合物から2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MA)を単離し、この場合、反応混合物を、液−液抽出システム中で、本質的に水と混合不可能な有機溶剤と接触させて、溶剤と、反応混合物から変換されたMHAとを有する抽出溶液を形成させ、MHAを、前記抽出溶液からの抽出物として蒸発によって取得するMHAの取得法において、MMP−CHの加水分解を、第1工程で、1:0.5〜1:1.0のモル比のMMP−CH:H2SO4で60〜85%の硫酸を用いて、30〜90℃の温度で本質的に2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチルアミド(MHAアミド)を得つつMMP−CHを加水分解し、第2工程で、水を添加しつつH2SO4を更に添加せずに、140℃までの温度で前記MHAアミドを加水分解し、反応混合物の塩含量を、液−液抽出の前に、反応混合物の非有機成分の総和に対して約>50重量%(wt/wt)、有利に>55重量%(wt/wt)の濃度にするようにして実施することを特徴とする、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の取得法。
  2. MMPへのHCNの付加反応及び生じたMMP−CHの硫酸を用いる加水分解によって生じた反応混合物に硫酸アンモニウムを添加する、請求項1に記載の方法。
  3. MHAの単離の前に、塩析に有効な量の硫酸アンモニウムを添加する、請求項2に記載の方法。
  4. 塩濃度を、蒸発によって増大させる、請求項1に記載の方法。
  5. 抽出システムから少なくとも3つの液相を直接生じさせる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 均質な抽出物及び2つの液相からなる抽残液を形成させる、請求項5に記載の方法。
  7. 第一の液相としての抽残液が、主としてアンモニウム塩と水とからなり、ごく一部がMHAと有機溶剤とからなり、第二の液相としての抽残液が、主として有機溶剤からなり、ごく一部が水とMHAとからなる、請求項6に記載の方法。
  8. 第一の液相が、水20〜50重量%、MHA0.01〜0.5重量%及び塩50〜80重量%の量で含有し、第二の液相が、MHA0.01〜0.5重量%、溶剤90〜99.9重量%及び水0.1〜10重量%の量で含有し、この場合、各相の成分は100重量%になる、請求項7に記載の方法。
  9. 1:0.6〜1:0.95のMMP−CH:H2SO4のモル比で加水分解する、請求項1に記載の方法。
  10. 溶剤として1種以上のエーテルを添加する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 不斉エーテルを添加する、請求項10に記載の方法。
  12. <60℃の沸点を有するエーテルを添加する、請求項11に記載の方法。
  13. メチル第三ブチルエーテル(MTBE)を添加する、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 抽出溶液を、<4%の含水量にまで蒸発させ、残りの溶剤を生じた濃厚液から留去する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 水蒸気を用いてストリッピングする、請求項14に記載の方法。
  16. 溶剤除去後に、<4%の含水量を有する生成物が生じる、請求項14又は15に記載の方法。
  17. <3%の含水量を有する生成物が生じる、請求項16に記載の方法。
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