JP2000502110A - 2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法 - Google Patents

2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法

Info

Publication number
JP2000502110A
JP2000502110A JP9523255A JP52325597A JP2000502110A JP 2000502110 A JP2000502110 A JP 2000502110A JP 9523255 A JP9523255 A JP 9523255A JP 52325597 A JP52325597 A JP 52325597A JP 2000502110 A JP2000502110 A JP 2000502110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mha
weight
extraction
liquid
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9523255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3962089B2 (ja
Inventor
ハッセベルク ハンス―アルブレヒト
ハッセルバッハ ハンス―ヨアヒム
フートマッハー クラウス
ヘフナー フォルカー
ハインツェル ハラルト
イェーガー バルバラ
Original Assignee
デグッサ アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デグッサ アクチエンゲゼルシャフト filed Critical デグッサ アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2000502110A publication Critical patent/JP2000502110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3962089B2 publication Critical patent/JP3962089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/26Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C319/28Separation; Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/14Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of sulfides
    • C07C319/20Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of sulfides by reactions not involving the formation of sulfide groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups
    • C07C323/50Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C323/51Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton
    • C07C323/52Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated

Abstract

(57)【要約】 メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)への青酸(HCN)の付加反応及びその際に得られるメチルメルカプトプロピオンアルデヒドーシアンヒドリン(MMP−CH)の、硫酸を用いる加水分解によって得られる反応混合物からMHAを単離し、この場合、反応混合物を、本質的に水と混合不可能な有機溶剤と、液−液抽出システム中で接触させて、溶剤と、反応混合物から変換されたMHAとを有する抽出溶液を形成させ、MHAを、前記抽出溶液からの抽出物として蒸発によって取得する際の公知の方法により、装置の運転に塩含有廃液流の蒸発を必要とするSK装置を用いるカップリングによる硫酸塩廃液流問題が解決される。本発明によれば、反応混合物の塩含量を、液−液抽出の前に、反応混合物の非有機性成分の総和に対して、約>50重量%(wt/wt)、有利に>55重量%の濃度にすることによって、方法全体のエネルギー収支を改善し、強力な腐食性溶液の蒸発を回避し、加水分解工程における変換率を上昇させ、かつ抽出の際の分配係数を改善することができる。飼料用添加物質。

Description

【発明の詳細な説明】 2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の 取得法 本発明は、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)へのシアン化水 素(HCN)の付加反応及びその際得られたメチルメルカプトプロピオン酸アル デヒド−シアノヒドリン(MMP−CH)の、硫酸を用いる加水分解によって得 られる反応混合物からMHAを単離するが、この場合、反応混合物を、液−液抽 出システム中で本質的に水と混合不可能な有機溶剤と接触させて、溶剤と、反応 混合物から変換されたMHAとを有する抽出溶液を形成させ、MHAを、前記抽 出溶液からの抽出物として蒸発によって取得する2−ヒドロキシ−4−メチルチ オ酪酸(MHA)の取得法に関するものである。 2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)は、ラセミ形での必須アミノ 酸のメチオニンヒドロキシ類似体であり、該アミノ酸と同様に動物栄養における 重要な添加物質である。家畜の育成の場合、MHAは、公知のアミノ酸と同様の 成長刺激作用の性質を示している。 MHAは、多くの場合、濃縮水溶液の形で使用されるが、この場合、該濃縮水 溶液は、モノマーとともに 、一定量のオリゴマー、主として二量体及び三量体の線状エステル酸を含有して いる。前記オリゴマーの含量は、製造条件及び選択された濃度に左右される。し かしながら、前記オリゴマー低い栄養効率及び流動性への望ましくない影響によ り、オリゴマーのパーセントでの含量を低く保持することが望ましい。市販の調 製物は、全体の濃度が88〜90重量%の場合に、オリゴマーの総和に対して、 約27モル%に相応し、モノマー/オリゴマー比3:1に相応する24重量%ま で含有している。 MHAの製造のための一般的な方法は、メチルメルカプトプロピオンアルデヒ ド又はMMPとも呼称される3−メチルチオプロピオンアルデヒドから出発し、 シアン化水素を用いてMMP−シアンヒドリン又はMMP−CHとも呼称される 2−ヒドロキシ4−メチルチオブチロニトリルに変換される(反応式I)。 引き続き、生じたMMP−シアンヒドリンは、常法により、強鉱酸、例えば硫 酸又は塩酸を用いて加水分解して、MHA−アミドとも呼称される2−ヒドロキ シ−4−メチルチオブチルアミドの中間体(反応式II) を介して、メチオニンヒドロキシ類似体(MHA)にされる(反応式III)。 前記加水分解は、1工程又は2工程で実施することができるが、この場合、「 工程」とは、MMP−CHの加水分解のために、1回又は2回鉱酸及び/又は水 が添加されるということ、即ち、工程の回数は、添加工程の回数に相応するとい うことである。 より詳細な公知技術水準については、 欧州特許出願公開第0142488号明細書、以下D1、同第0143100号 明細書、以下D2、同第0330527号明細書、以下D3及び国際公開番号W O−A−94/28717号に対応する欧州特許第93924374号明細書、 以下D4が挙げられる。 MHAの取得のための類似方法は、例えばD1の記載から公知である。D1は 、硫酸を用いる2工程加水分解の高濃度水溶液としての液状形でのMHAの取得 に用いられている。 D1の記載により、MHAは、定義された濃度条件 及び温度条件下に、アミド段階を介して、過剰量の鉱酸を用いて実施された加水 分解反応後に、溶剤抽出を用いて得られるが、この場合、水と部分的に混合可能 な特定の溶剤が使用される。 D1中の記載に相応して、抽出溶液からのMHAの取得の際のD1に記載され た方法の固有の特徴は、この取得に、残留抽出物(MHA)に対して、少なくと も約5重量%の水の存在下での有機溶剤の除去が含まれるようにして実施されて いることにある。MHAは、抽出溶液から蒸留によって取得されており(実施例 を見よ)、この場合、蒸気蒸留が有利である。蒸気蒸留の間の抽出溶液からの溶 剤の除去によって、得られた排出物は、MHAと水との混合物である。従ってこ の結果、蒸気蒸留により、排出物が少なくとも5重量%の水を含有しているよう にして行われる。 D1中の別の箇所では、蒸留の際のカラム条件を、カラム中の全てであるが、 しかし、少なくとも塔底部分で液相が水5重量%を有しているように調節するこ とが記載されている。 そこから、十分な量の水が存在せずに、抽出溶液からのMHAの取得の間に、 場合によっては望ましくない副生成物(二量体又はオリゴマー)の形成の増大が 予測される。 更に、蒸留の際の水蒸気が、例えば相応する抽出剤との低沸点の共沸混合物の 形成によって、MHA溶液 から抽出剤を完全に除去するための推進剤として使用される。 本質的に同類の方法の別の実施態様は、D2中に記載されている。D1の上位 概念とは異なり、MMP−CHの加水分解は鉱酸を用いて行われており、これに より、H2SO4の代わりのHClの選択的な使用可能性が言及されている。鉱酸 加水分解からのMHAの単離の変法又は液−液抽出の際の抽出物の後処理に関連 する全体として3つの別の変法が開示されている。 D2に記載の第一の態様の場合、加水分解物は、該加水分解物中に含有されて いる固体の全ての本質的な画分を予め分離せずに、有機溶剤と接触させられてい る。更にその際、D2によれば、抽出の条件は、抽出物及び水性抽残液が、液相 だけであり、この液相は、抽出後の相分離の際に形成されるように調節されてい る。 前記の第一の態様の場合の欠点は、抽出物が、加水分解物中の加水分解の際に 形成された全ての塩含量で負荷されていることであり、これにより、加水分解物 及び相応して溶剤も、相対的に高い質量の流れになる。この結果、溶剤蒸発及び 濃縮のための相応して高いエネルギーコスト並びに相応する溶剤損失のためのコ スト並びに抽出及び蒸発における相応する大きな集成装置のためのコストがかか る。従って、この方法の前記の箇所での運転及び投資コストの割合の削減は、( 殊に、この種の装置の大きさ及びこれに関連した節約の可能性に関連して)望ま しい。 抽出物から均一な液相として得られた抽残液は、D1もしくはD2もしくはD 4によれば、ストリッピング又は蒸留によって、溶剤残分を除去しなければなら ないが、これは、望ましくない付加的な費用がかかる。 第二の態様の場合、D2は、抽出物からの有機溶剤の分離に関連している。こ れについては、抽出物を蒸気蒸留することによって分離が生じるが、この場合、 溶剤は、分離され、かつ水性MHAから塔底画分が形成されると記載されている 。 殊に、蒸気の使用の際の欠点は、引き続き、望ましくない付加的な費用、例え ば蒸留、ストリッピングによって溶剤を除去し、次に、処理中の適当な箇所に返 送しなければならないかまたは費用をかけて廃棄処理、例えば焼却しなければな らないような、溶剤で負荷された復水の発生量の増大である。従って、付加的な ストリップ蒸気の回避が望ましい。 最終的に、D2は、第三の態様において、液−液抽出のために使用すべき溶剤 の種類に重点をおいている。適当な溶剤の選択のために注意すべき基準には、殊 に以下の点が含まれる: ◆ 溶剤の沸点は、60℃〜200℃の間でなければならない; ◆ 加水分解物と溶剤との間の平衡状態でのMHAの分配係数は、少なくとも約 2でなければならない。 ◆ 抽出物と水相との間の平衡状態での溶剤の分配係数は、少なくとも1でなけ ればならない。 ◆ 溶剤中の水の溶解度は、室温で12重量%を上回ってはならない。 60〜200℃のこの場合に使用すべき相対的に高い沸点範囲は、抽出物の蒸 発の際に、生成物を損傷させることがあるような相対的に高い温度並びに付加的 な助剤、例えばストリッピング蒸気を必要とするが、こうしたことは望ましくな い。 しかしながら、D1及びD2の方法の場合の本質的な欠点の1つは、鹸化の際 に発生し、その上更に、その他の点では相対的に穏和な液−液抽出法でのMHA の単離のための方法に不利な負担となる著量の塩負荷分である。必然的に生じる アンモニウム塩混合物の後処理は、多くの場合、経済的に有利ではなく、保管は 、環境の観点から極めて憂慮すべきことであり、条件があまり厳格でない場所に ついても、近い将来、法律により禁止されるに違いない。 確かに、鹸化からの塩廃棄物量を削減するか又は全く回避するための試みがな いわけではないが、しかし、この場合に達成された利点は、通常、一連の別の欠 点を甘受するか又はD1及びD2に記載の穏和な処理 を不要にして達成されたのである。 D3には、溶剤を用いずに済み、かつ濃厚なMHA水溶液を直接生じるが、こ の場合、副産物として、市販可能な形での結晶性の硫酸アンモニウムが得られる ような、鹸化剤として硫酸を使用する1段階の加水分解法が開示されている。前 記の目的は、過剰量の鉱酸及び生じた二硫酸アンモニウムが中性の硫酸塩に変化 するまで、鹸化混合物を水酸化アンモニウム溶液で中和させることによって達成 されるが、この場合、2つの液相が生じ、この液相は、分離させ、かつ蒸発させ て、一方ではMHA液、他方では結晶性の硫酸アンモニウムが取得される。この 場合、実際に生成物が消失せず、塩で負荷された排水を生じないように、種々の 濾過工程及び返送工程が組み合わされている。生じたMHAは、D1により得ら れた生成物と同等の品質である。 しかしながら、前記の相対的に環境に配慮した方法にも、いくつかの欠点があ る。1つには、本発明の出願人が、前記の方法の後処理の際に確認したことによ れば、硫酸の相対的に大きな希釈率(20〜50%)によって制限されるが、完 全なシアノヒドリン変換を行うために記載されたものよりも明らかに多くの酸過 剰量を使用しなければならない。また、2つの液相をきれいに分離できるように するため、中和の間の塩の析出を回避するには、より高い希釈率で作業しなけれ ばならない。もう1つには、単離された硫酸アンモニウムが、粘着性の粘稠度で 、しかも強烈な匂いが染み着いているので、例えば洗浄濾過又は再晶出のような 後処理が不可避的であり、このことによってこの方法は付加的に高価になってい る。また、この方法は、予想に反して、蒸発工程で、比較されたD1の方法より も多くのエネルギーを消費する。更に、濾過/遠心分離並びにフローチャート中 に記載されていない硫酸アンモニウムの乾燥を用いる2つの別個の経路を有する 固体処理は、コスト集約的で、装置的に極めて高価である。 D4は、前記のジレンマからの部分的な解決策を約束するものである。D4に は、硫酸を用いて2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブチロニトリルの加水分 解によって2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸を製造する際に生じる、硫 酸塩を含有する廃液流からの硫酸の回収が開示されている。 硫酸アンモニウム、二硫酸アンモニウム及び/又は硫酸を含有する残分からの 硫酸の回収は、MMA製造にとっては、公知技術となって既に久しく、アセトシ アンヒドリンの鹸化の残分についてと全く同様に知られており、いわゆるSK装 置(スプリット・コンタクト装置)における生じた鹸化及び抽出の廃液流の燃焼 によって達成される。 この場合、当業者に普及した方法で、まず、SO2 が分解生成物として製造され、これが、接触により酸化してSO3にされ、最終 的に硫酸にされる。次に、生じた硫酸を、再度鹸化工程に返送することができる が、他方、「塩負荷分」の前記の別の成分は、本質的に燃焼ガスの形で見出すこ とができる。 しかし、穏和な前記の方法もそうであるように、この方法にも欠点がある。D 1及びD2に記載の方法の場合、硫酸塩濃度が相対的に僅かであるが、しかしい ずれにせよ、SK装置中に直接供給するためには少なすぎる廃液流が生じる。濃 縮又は別の工程からの濃縮された廃液流との混合による増大は、通常不可欠であ る。SK装置の運転に使用される他の溶液は、50重量%を上回るスルフェート 塩含量を有する。より高い濃度は、更に有利である。しかしながら、蒸発による MHA単離廃液の濃縮は、廃液の高い腐食性により、蒸発装置のための特殊な材 料選択に始まって特別な安全予防措置にいたるまで、費用がかかり高価なものに なるような相対的に高価な試みである。 本明細書中に記載され、考察された公知技術水準並びに公知方法に関連する欠 点を前にして、本発明の課題は、反応生成物の後処理に関連してできるだけ簡単 かつ安価であり、二量体、オリゴマー及び副生成物の含量ができるだけ少なく、 できるだけ高濃度にされた生成物を生じることになるような、冒頭に記載された タイプの2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MH A)の製造のための1つの別の方法を記載することである。この場合、新規方法 は、可能性に応じて、液−液抽出におけるMHA単離工程の簡単な実施可能性の 利点を残しているが、しかし同時に、塩含有排水中の生じた塩廃棄物をできるだ け簡単かつ合理的に廃棄処理できるようにするものでなければならない。殊に、 この場合特に使用可能で、従って、処理工程中で再利用可能な硫酸の回収のため のスプリット・コンタクト装置(Spalt-Kontakt-Anlage)中に直前の廃液流を直 接供給できる処理工程が提供されなければならない。 前記課題並びに他の詳細には記載されていない課題は、請求項1の特徴部の特 徴を有する冒頭に記載された種類の方法を用いて解決される。 有利な変法は、請求項1に従属する方法の請求項中で保護されている。 反応混合物の塩含量を、液−液抽出の前に、それぞれ反応混合物の無機成分の 総和に対して約50重量%を上回り、有利に55重量%(wt/wt)を上回る ようにすることによって、本発明によれば、卓越した品質でMHA液を製造でき 、同時に容易に想到できない方法で、必然的に生じる塩の問題を解決するが、し かし、少なくとも驚異的に改善されている方法を提供される。殊に更に、塩濃度 を、加水分解後であるが、しかし、液−液抽出の前であり、従って、いずれの場 合にもSK装置と可能な接続の直前ではなく、適当な 方法で高める多数の顕著な利点に関連している。 前記の利点には、就中、 ◆ その他の点ではSK装置中への供給の前に生じる蒸発を完全に省略できる。 ◆ 濃縮すべき溶液は、その特殊な組成により、前記の処理時点には攻撃性が極 めて少なく、従って殊に腐食性も少ないので、抽出の前の濃縮のためには、処理 技術的により簡単で、ひいてはより安価な装置で十分である。 ◆ 前記の処理時点への蒸発の少なくとも部分的な移動の場合、全体的に改善さ れたエネルギー結合を生じる。既に温度処理された(熱い)加水分解物が蒸発す るので、まだ、抽出によって冷却されていない抽残液はエネルギー消費が少ない 。 ◆ 蒸発による濃縮の際に、加水分解物の望ましくない底沸点成分の分離が改善 される。 ◆ MHA−アミドの加水分解は、希釈されて実施できる、これにより、結果と してより完全な化学変換が生じる。加水分解をできるだけ完全に進行させるため に、より希釈された硫酸(40重量%未満)を使用することは硫酸を用いるMH A−アミドの加水分解の際に、より良好であるので、引き続き有機溶剤を用いる 抽出が不十分に進行するのではないかと恐れることなく、少量の強い濃硫酸をM HA−アミドの加水分解に使用できる。濃縮 によって、分配係数の悪化が回避され、殊に、抽出の際には少量のMHAが抽残 液中に残留している。 従って、本発明による方法は、殊に、組成によりSK装置中での後処理に一層 好適である抽残液の準備と関連して鹸化並びに加水分解物からのMHAの取得の 際の有利な硫酸濃度に対する要求をも充足するものであり、この場合、同時にエ ネルギーバランスが全体的に著しく改善されている。 この場合、約50重量%を上回る加水分解物中の塩の濃度は、SK装置を用い る後の後処理に既に十分に使用可能な濃度である。有利に、55〜60重量%の 範囲内である。なかでも特に好ましくは、それぞれ、反応混合物の無機成分の総 和に対して約60〜80重量%に反応混合物の塩含量を調節することである。「 有機遊離塩基」に対する含量と言うこともできる前記の値の測定のためには、本 質的に、含水量、硫酸含量及び硫酸イオンもしくはアンモニウムイオンの含量が 参照される。これらは、加水分解物の主要な無機成分である。 濃縮の概念には、本発明の範囲内では、一般に、(重量%での有機成分を含有 しない塩基=「有機遊離塩基」に対する)塩濃度の増大が含まれる。 有利な本発明による変法の場合、MMPへのHCNの付加反応及び生じたMM P−CHのH2SO4を用い る加水分解によって生じた反応混合物(加水分解物)に、濃縮のために、適当な 量の硫酸アンモニウムを添加する。従って、塩の濃度は、添加物によって増大す る。特に、前記の変法には、多くの大きな利点がある。 前記のように、原理的に2つの相異なる効果が考慮される。1つには、加水分 解反応は、できるだけ完全に行うことができなければならず、このためには、M HA−アミド鹸化の際に存在する水中での相対的に少ないアミド濃度が適してい るように思われる。このことから、必然的にMHA及び硫酸水素アンモニウムか らの希釈された溶液が生じる。もう1つには、抽出にとっては、加水分解物の含 水量を減少させること、即ち、水相中のMHA濃度をできるだけ高くすることが 一層有用である。 従って、D1及びD2によれば、約40重量%未満の硫酸濃度で加水分解され るが、しかし、これにより、必然的にMHA及び硫酸水素アンモニウムからの希 釈された溶液が生じることになる。引き続く抽出を改善するために、D1/D2 によれば、硫酸水素アンモニウムが、無水アンモニアの添加によって中性の硫酸 アンモニウムに変えられている。これにより、確かに溶液の腐食挙動は改善する が、しかし、抽出の作業に不利な影響を及ぼすことがある固体が析出することに なりうる。従って、D1/D2によれば、析出した塩 を再度溶解させるために、事後に再度水を添加することがある。しかしこの場合 、MHAもしくは塩の濃度は、再度抽出を妨げることがあるので、あまり大きく 低下させてはならない。 これとは異なり、本発明による硫酸アンモニウムの添加によって、MHAアミ ドの加水分解をより希釈されて実施することが可能になり、これにより、加水分 解工程で、より一層完全に変換することになり、同時に、中和される必要はない 。即ち、無水アンモニア及び場合による再希釈は、不要である。 有利な実施態様の場合、本発明の方法は、MHAの単離の前に、塩析のために 2つの相を形成しつつ有効な量の硫酸アンモニウムを添加するようにして実施さ れる。 確かに、D1/D2から、高い塩濃度(最善は硫酸水素アンモニウム)の存在 下にMHAを「塩析」し、これにより、分配係数に対して有用な影響を及ぼすこ とは公知である。しかしながら、D1/D2によれば、抽出を妨げることもある ので、二相系は回避されなければならないとのことである。これとは異なり、硫 酸アンモニウムの添加による二相系は、抽出工程にとって特に有用であり、抽出 工程に全体としてプラスの影響を及ぼすことが見出された。従って、例えば1つ の変法の場合、本発明により得られた二相混合物には、2つの清澄な相が形成さ れ、1回だけ分離される必 要がある程度に溶剤を添加することができる。 その上更に、MHA取得法の前記の箇所での硫酸アンモニウムの添加には、生 成物の節約の一般的な利点がある。硫酸アンモニウムの添加によって、一方的に アンモニウム塩濃度だけが増大し、MHA濃度は同時には増大しない。目的生成 物の他の熱負荷(変色)は不要にできるが、これとは異なり、硫酸アンモニウム の溶解によって温度低下が生じる。それにもかかわらず、分配係数には有用な影 響が及ぼされている。 硫酸アンモニウム添加の検討された変法には、生成物の節約の際に、疑う余地 のない利点があるにもかかわらず、本発明による方法の選択的な変法の場合には 、反応混合物(加水分解物)の塩濃度を蒸発によって増大させるのが有利である 。 抽残液中の塩濃度に応じて、刊行物D1、D2又はD4の記載によれば、抽残 液ストリップ工程で分離されなければならない溶剤の塔底流出量が増大すること がある。これとは異なり、本発明によれば、こうして回収された溶剤は、強酸性 の媒体中での熱負荷によって、副生成物で汚染されており、従って、抽出システ ム中への直接的な再循環に適していないことが確認された。 驚異的なことに、本発明の範囲内では、既に、塔底生成物の若干の冷却により 、水性抽残液と有機性抽残液との二相混合物が生じており、この場合、97%を 上回る有機性抽残液は溶剤からなり、該有機性抽残液は分離容器中での簡単な分 離の直後に他の付加的な費用なしに抽出システム中に返送でき、これにより、溶 剤損失を最小にすることができる。 従って、塩濃度が蒸発によって増大される本発明による方法の特に有利な変法 は、抽出システムから、、少なくとも3つの液相が直接生じることによって特徴 付けられる。 この場合、確かに原理的には、均一な抽残液及び2つの液相からなる抽出物が 形成される可能性があり、この場合、第一の液相としての抽出物は、本質的にM HA、溶剤及び少量の水からなり、他方、第二の液相としては、本質的に水、M HA及び少量の塩からなるが、しかし、本発明による変法の際に、均一な抽出物 及び2つの液相からなる抽残液が形成される場合が更に有利である。前記の場合 、抽残液が第一の液相として主としてアンモニウム塩及び水からなり、少量がM HA及び有機溶剤からなり、他方、第二の液相として主として有機溶剤及び少量 が水及びMHAからなる場合に特に好ましい。 この場合、本発明の方法の有利な変法において、本来の蒸発に引き続く工程は 、第二の液相が、0.01〜0.5重量%の量でMHAを含有し、90〜99重 量%の量で溶剤を含有し、かつ0.1〜10重量%の量で水を含有し、他方、第 一の液相は、20〜50重 量%の量で水を含有し、0.01〜0.5重量%の量でMHAを含有し、かつ5 0〜80重量%の量で塩を含有するが、この場合、それぞれの相の成分は、10 0重量%にならなければならないものとするように実施される。 MHAの取得のための蒸発に使用された抽出溶液は、反応混合物から、抽出に よって取得される。勿論原則的にこのためには、既に冒頭に記載された一連の性 質を有する従来技術で公知の全ての有機溶剤が使用可能である。抽出のために使 用された有機溶剤は、本質的に水と混合不可能でなければならない。勿論、有機 溶剤と水との部分的な混合可能性は許容可能である。 液−液抽出の際の物質分離にとって問題となる溶剤とは、その多数が、化学的不 活性及び水に対する僅かな可溶性の条件を充足するものである。一般に、溶剤中 での水の可溶性は、室温で、約15重量%を上回らず、有利に10重量%を上回 らないのが有利である。適当な溶剤には、約60℃〜約200℃、有利に約70 ℃の沸点を有するものが有利である。抽出されたMHAを含有する溶剤と、溶剤 及びMHA加水分解物の接触後に残留する水性抽残液との分配係数は、平衡状態 でのMHAに対して少なくとも約2でなければならない。有利に、前記の分配係 数は少なくとも4である。また、抽出溶液と洗浄水との平衡状態でのMHAに対 する分配係数は、約1.0を下回ってはならない。更 に、溶剤は、低い毒性を示すものでなければならない。 一連のケトン、アルデヒド及びカルボン酸エステルは、抽出のための溶剤とし て特に適している。特に有利な溶剤は、相対的に少ない分子量を有するケトン、 例えばメチル−n−プロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン 、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン及び ジイソブチルケトンである。抽出に同様に好適な溶剤は、アルデヒド、例えばn −ブチルアルデヒド及びエステル、例えばエチルアセテート、n−ブチルアセテ ート、n−プロピルアセテート及びイソプロピルアセテートである。また、アル コールを使用することもできるが、しかし、アルコールは、水との種々の可溶性 、緩徐な相分離及びMHAとの反応の傾向によりあまり有利ではない。 これらの、従来技術で既に使用されたか又は推奨された溶剤は、勿論、本発明 にもある程度の使用可能性を有するが、これらの溶剤とは異なり、全く驚異的な ことに、抽出の際の溶剤としてのエーテル化合物の使用により、大きな利点自体 がもたらされることが明らかになった。本発明により使用可能なエーテルには、 就中、式I: R1−O−R2 (I) 〔式中、R1及びR2は、互いに独立に同一又は異なる 直鎖状又は分枝鎖状のC1〜C5−アルキルである〕で示されるものが含まれる。 就中、以下のエーテル化合物が該当する: エーテル化合物については、1つには、過酸化物を形成する傾向がないか又は ごく僅かに形成する傾向が あるにすぎないもの、例えばMTBEが有利である。 また有利に不斉エーテルである。 もう1つには、完全かつ簡単に目的生成物から除去できるので、60℃未満の 沸点を有する化合物が極めて好ましい。 本発明の範囲内では、前記の全ての基準を充足するメチル第三ブチルエーテル (MTBE)の使用がなかでも特に有用である。 抽出自体は、原則的に連続的又は断続的に実施することができる。断続的処理 法には、例えば撹拌釜が適している。しかしながら有利には、抽出は、溶剤と水 相との間の物質移動の促進のために形成された抽出帯域を有する連続的な向流抽 出装置中で実施される。従って、例えば抽出を、連続的な向流ミキサー分離器の カスケード中、充填塔、有利にパルスカラムまたは可動板を有するカラムとして の多孔板塔、回転ディスクカラムまたは遠心分離抽出器中で実施することは有利 である。特に有利な実施態様の場合、液−液抽出用の多孔板塔中で実施される。 断続的又はパルス流は、折り返し形であり、従って迅速な流速の意味では連続的 ではないが、本明細書との関連において、「連続的」と見なされる。 抽出過程は、有利に、溶剤層を抽出帯域中で連続層として製造し、かつ保持す るように調節される。 最終生成物の塩含量を最小にするためには、抽出物 は、場合によっては水で洗浄される。しかしながら、生じた抽出溶液の特定の濃 度範囲内では、殊に、硫酸塩含量0.5重量%未満の場合及びできるだけ更に希 釈してはならないような流出する抽残液の塩濃度に関連して洗浄を不要にするこ とができる。連続的な向流抽出システムの場合、加水分解物が液−液抽出システ ムの中に導入される場所の、有機物の流れの方向に対して上流の場所で、水との 混合によって抽出物を洗浄することができる。従って例えば垂直なカラムの場合 、比重が有利に1未満である溶剤を使用しつつ、加水分解物水溶液が導入される 供給場所の下方の場所で溶剤がカラムの中に導入され、加水分解物溶液の供給場 所の上方の場所で洗浄水がカラムの中に導入される。 抽出過程の生産性は、抽出システムの内部での溶剤相について相対的に低い粘 度を予定するために若干高められた温度で作業することによって向上する。また 、使用された有機溶剤の沸点を下回るまでの温度での作業により、有機相と水相 との間のMHA分配係数に対してなお若干有用な影響を及ぼすことが判明した。 本発明の範囲内では、MHAは、既に記載したように蒸発によって抽出溶液か ら取得することができる。即ち、本発明は、もう1つの実施態様の場合、殊に、 例えば硫酸を用いるMMP−CHの加水分解によって得られる反応混合物の液− 液抽出から入手可能である抽出溶液の蒸発に関するものである。この場合有利に 、蒸発は、残留抽出物が、4重量%未満、有利に2重量%未満の水を含有してい るような程度に実施される。この場合、容易に想到できない方法で、特に低いオ リゴマー含量及び二量体含量を有する高濃縮されたMHA液が得られる。公知の 従来技術に鑑み、公知の文献(D1及びD2)から推測できるよりも少ない含水 量で、達成できることは、より一層驚異的なことである。 特に有利な本発明による実施態様の場合、有機溶剤は、蒸発段階での抽出溶液 の滞留時間を短縮できる集成装置を用いる蒸発の際に除去される。従って、有機 溶剤は、流下薄膜型蒸発器、薄層蒸発器及び/又は短絡型蒸発器又はこの種の集 成装置を用いる蒸発の際に抽出溶液から分離される。 「この種の集成装置を用いる」という概念とは、本発明の範囲内では、抽出溶 液の滞留時間が短い前記の集成装置と、抽出溶液から溶剤を分離するための当業 者にも公知の装置とを組み合わせることができるということである。この場合、 組み合わせのために使用された集成装置とは、必ずしも、滞留時間が短い集成装 置でなければならないというものではない。就中、ここでは、また選択に応じて 蒸気又は別の適当なストリッピング剤の導入のために設けられていてもよい蒸留 塔を挙げることができる。また、記載された滞留時間が短い集成装置の多くを含 む組み合わせも可能である 。 本発明による方法の有利な変法の場合、抽出溶液の蒸発を、できるだけ少ない 残留溶剤含量が生じるような程度に実施することが有利である。これは、例えば 前記の蒸発器の中にストリッピング剤を直接入れる際に、例えば複数の前記の集 成装置と、付加的な集成装置としてか又は前記の集成装置に統合されて蒸発器シ ステム中含まれていてもよいストリッピング段階との組み合わせによって達成さ れる。 蒸発のための特殊な条件は、必要に応じて、抽出際に使用された特殊な溶剤に より変動する。原則的に、抽出溶液の滞留時間の短い分離集成装置を使用する蒸 発にとっては、蒸発の間の圧力が600ミリバール以下、有利に400ミリバー ル以下、特に有利に200ミリバール以下であることが有利である。 蒸発の際に使用すべき温度は、通常、同様に分離すべき溶剤に左右される。し かしながら、蒸発の間の温度が150℃を上回らないように意図されており、従 って、本発明の範囲内でも特に有利である。前記の温度が明らかに上回っている 場合には、意図された生成物が熱損傷してしまうことがある。この場合、蒸発の 間の温度とは、生成物と短時間接触できるようにされた蒸発集成装置の表面との 生成物の接触温度のことである必要はない。むしろ、蒸発の間の温度とは、蒸発 集成装置中の平均温度のことである。蒸発集成装置の 表面の温度は、疑わしい場合には、150℃よりもはるかに高くともよい。使用 された蒸発集成装置の場合に接触時間の短さが重要である。これによって、接触 温度が明らかに150℃を上回っている場合であっても熱損傷が回避される。 温度分布に関連して、本発明の範囲内では、残留抽出物の温度が、蒸発集成装 置からの出口付近で30〜100℃、有利に50〜95℃及び特に有利に70〜 90℃である場合に、生成物の品質にとって特に有利であることが判明した。 既に記載したように、残留抽出物の滞留時間は、意図されたMHA生成物の品 質及び組成にとって決定的である。本発明による方法の有利な別の態様の場合、 蒸発の際の残留抽出物の滞留時間は、1.5時間を超過するものではない。これ は、滞留時間が極めて短い蒸発段階を少なくとも1つ有する全蒸発システムにお ける滞留時間に関するものである。滞留時間が極めて短い集成装置中での滞留時 間は、全滞留時間について記載された最大1.5時間の滞留時間とは異なり、む しろ分単位又はそれ以下に定められている。いずれの場合も、本発明の範囲内で は有利であるが、蒸発が、専ら薄層蒸発器及び/又は流下薄膜型蒸発器及び/又 は短絡型蒸発器からなるにすぎない場合には、前記の集成装置中の滞留時間は、 1時間を超過せず、有利に40分間である。 また、もう1つの態様の場合、本発明による方法は、硫酸を用いる加水分解に よって得られた反応混合物からのMHAの単離のために、MMP−CHの加水分 解自体を改善している。従って、本発明による有利な実施態様の場合、MMP− CHの加水分解は、第一の工程で、MMP−CHが、30〜90℃、有利に50 〜70℃の温度で、1.0:0.5〜1:1.0、有利に1:0.6〜1:0. 95のMMP−CH対H2SO4のモル比で60〜85重量%、有利に65〜80 重量%の硫酸を用いて、主としてMHAアミドを取得しつつ加水分解されるよう に行われる。この場合、主としてMMP−シアンヒドリンからMHAアミドが発 生するが、この場合更に主として、生じた混合物は、反応していないMMP−シ アンヒドリンを含有していない。別の言葉で言えば、これは、加水分解がほとん ど定量的に進行しているということである。 本明細書中のMHA取得の上記の他の変法を用いた場合、特に有利な目的生成 物が単離可能である。改善されたMHAは、本発明によれば、モノマーのMHA 、MHA二量体及びMHAオリゴマーの総和としてのMHA全体(=MHA全体 )が95重量%を上回り、並びに水は0.1重量%を上回りかつ5重量%未満で あることによって特徴付けられる。殊に、本発明にとっては、モノマーのMHA 、MHA二量体及びMHAオリゴマーの総和としての98重量%を上回るMHA 並びに含水量0.1から2重量%未満までを有し、かつ25℃で100mm2/s を上回る動粘度を有することによって特徴付けられるMHAを、大きな品質損失 なしに得られることが有利であることが判明した。この場合、驚異的なことに、 キャノン・フェンスケにより測定した、貯蔵及び希釈後の高濃縮物(即ち有効分 含量少なくとも98重量%のMHA)の動粘度は、88重量%の生成物の動粘度 に匹敵するものであることが判明した。室温で約300日の貯蔵後の高濃縮物の 場合に生じる、二量体及びオリゴマー含量が相対的に高い約50重量%であるに もかかわらず、貯蔵された高濃縮物を水で約88重量%に希釈した際に、その動 粘度が、相応する貯蔵試験の際に専ら二量体及びオリゴマーの重量濃度が約25 重量%にすぎない88重量%の市販の製品の動粘度に相応している。希釈された 高濃縮物並びに市販の製品の2つの場合に、平衡状態が達成された。前記の事実 は、極めて驚異的なことであり、かつ本発明による製造された高濃縮物−MHA 変法にとっては大きな利点であることが判明した。二量体及びオリゴマーの含量 が、MHAの粘度を実際の後処理にとっては一般に不利な妨げとなることに関連 して、いわゆる高濃縮物の場合の高い出発含量にもかかわらず、有利な粘度を有 する容易にポンプ輸送可能でひいては輸送可能な混合物を得ることができること は一層驚異的なことであった。これには、殊に、粘 度及び就中高い有効分含量により、少量の水を運搬することになるので、高濃縮 物を経済的に運搬できるようになるが、それにもかかわらず、目的地の飼料工場 で、水で希釈して市販の濃度にでき、不利なより高い粘度を甘受する必要はない という多くの利点がある。 更に、本発明の範囲内では、加水分解反応の適当な実施の際に、滞留時間が極 めて短い本発明により使用すべき穏和な蒸発と組み合わせることにより、品質的 に特に有用なMHAが得られるということが判明した。特に有利に製造可能なM HAは、就中、MHAの総和に対して10モル%以下、有利に7モル%以下の二 量体及びオリゴマーからなる総和の含量によって顕著である。これは、従来技術 で広まってしまった先入観とは異なり、二量体及びオリゴマ一割合が極めて少な いことによって、好適な短時間の運搬形にされる高濃度のMHAが入手可能であ るということを意味するものである。その上、貯蔵時間に応じて、より長い運搬 時間のためには、規模を増大させつつ形成される二量体及びオリゴマーを、水の 添加及び高められた温度の作用によって再度単量体のMHAに変換するのが有利 である。 更に、本発明の範囲内では、高濃度のMHA生成物を飼料用補助剤の製造に使 用することが可能である。この場合、MHA濃縮物と水、メチオニン及び/又は MHAの塩(有利にアンモニウムMHA)(場合によ ってはNH4−MHAの製造のためのNH3)の混合によって、基本的に市場によ って必要とされる全ての栄養的価値を、品質を損なわずに製造可能であることが 判明した。 とりわけ極めて驚異的なことに、本発明の実施の際に、混合物が、適当な混合 成分、例えば水、メチオニン及び/又はアンモニウムMHAの添加によって蒸発 段階からの意図されたMHA生成物の出口から得られるだけでなく、同様に及び 更に特に有利に、アンモニウムMHAとの混合物の場合には、蒸発からのMHA 生成物の中に直接アンモニアを導入することができる。この場合、添加されたア ンモニア量に応じて、MHAの望ましい量がアンモニウムMHAに変換される。 以下に、本発明を、添付した図面に基づき更に詳細に説明する。これらの図面 の中で、 図1は、MHA加水分解物中の塩分離及び液−液相分離後のMHA単離のための フローチャートを示すが、この場合、経路1)、2)及び3)は、互いに独立に 進行することができる; 図2は、同様に本発明による方法の1つの実施態様の略示的フローチャートを示 すが、この場合、液−液相分離をしない塩分離が設定されており、かつこの図而 でも経路1)及び2)は、いに独立している; 図3は、本発明の別の実施態様のフローチャートの略 図を示すが、この場合、MHAは、塩分離せずに単離されている; 図4は、本発明のもう1つの実施態様のフローチャートを示すが、この場合、M HAは、塩含量の増大後に取得されている;および 図5は、本発明の方法の実施に適する装置の略図を示し; 図6は、本発明の方法の実施に適するもう1つの装置の略図を示している。 図1中に示された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は、 硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキシ ル類似体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き 続き、40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて40重量%を上回る MHA濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相が生じ ている。 蒸発の際に得られた水は、凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この 場合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温 度付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物( LS)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはス トリッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉 に直接供給される。前記の 燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であってもよい(いわゆるSK− 装置)。 蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、室温を上回る温度で、しかし、高く とも蒸発温度で互いに分離される。 主として生じたアンモニウム塩を含有する下方の水相は、溶解した塩の主要部 分が晶出するまでの間冷却される。(経路1)もしくは2))粉のために必要な 温度は、30℃未満である。得られた塩結晶体は、遠心分離又は濾過によって上 清液から分離される。塩結晶体は、なお付着している有用物質(MHA)の除去 のために、適当な有機溶剤を用いるかあるいはまた水又は塩水溶液を用いて洗浄 することができる。 上記の主としてMHAを含有する有機相並びに水性濾液及び場合による有機濾 液は分離されるかあるいは部分的にか又は完全に予め混合した後に一緒に液−液 抽出システムに供給され(経路1)もしくは2))、有機溶剤を用いて少なくと も2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なくと も1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなり、引き続き、 有利に硫酸の回収のための装置に供給される(経路1)抽残液及び場合によって はその上更に、主として溶剤及び僅少量のMHAもしくは水からなり、かつ抽出 システムの中に返送できる有機抽残液に分離される。 有機抽出溶液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発 した溶剤及び場合による相応する含水量は、凝縮によって回収され、かつ抽出段 階に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は 、状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオ ニン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいM HA濃度に調節される。 塩結晶体は、場合により行われた塩洗浄後に、精製もしくは状態調節段階に供 給することができるが(経路1))、この場合、相応する量のNH3の添加及び 引き続く晶出及び乾燥によって市販可能な硫酸アンモニウムが製造されるかある いはまた粗製製品として乾燥に直接供給される。あるいはまた塩結晶体は、殊に 水中への溶解後に、60%を上回る濃縮溶液として硫酸の回収のための装置に供 給される(経路2))。この場合、フイルター湿潤の塩結晶体を抽出段階の抽残 液中に溶解し、その際得られた、75重量%を上回る塩含量の高濃縮された塩溶 液を硫酸回収に供給することは、このために少なくとも60重量%の塩含量が必 要とされ、その上更に全ての他の濃度の増大は、この種の装置のエネルギーバラ ンスの改善に寄与するので、特に有利である。この場合、濃縮は、殊に前記方法 から得られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸発なしに可能である。こうして回 収された硫酸は、完全にか または部分的にMHA加水分解段階に返送することができる。 あるいはまた、水相を、塩分離せずに直接、抽出の抽残液と一緒に硫酸の回収 のための装置に供給することも有利である(経路3))。またこの場合、塩含量 は、有利に明らかに60重量%を上回っている。この場合、MHAの理論値の約 2.5%の損失が生じるが、これは、水相中になお溶解して存在しているのであ る。しかしながらこの場合、従来の方法と異なり(D2参照)、殊に溶剤蒸発も しくは溶剤濃縮に関してエネルギーの著しい節約に関連している抽出のための入 口流量、ひいては溶剤使用量をもほぼ半減させることができるので、抽出段階も しくは蒸発段階の負担の著しい軽減は本質的な利点である。 図2中に記載された2段階の加水分解反応の場合、MMP−シアンヒドリン( MMP−CH)は、硫酸水溶液を用いて変換されて、メチオニンヒドロキシ類似 体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き続き、 40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて、40重量%を上回るMH A濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相を生じてい る。 蒸発の際に得られた水は凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この場 合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温度 付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物(L S)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはスト リッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉に 直接供給される。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であって もよい。 蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、少なくとも塩結晶体及び均一な有機 水相から懸濁液が生じるまでの間一緒に冷却される。この場合、有利に室温にな るまで冷却される。 塩結晶体は、遠心分離又は濾過によって上清液相から分離される。塩結晶体は 、なお付着している有用物質(MHA)の除去のために、適当な有機溶剤あるい はまた水又は塩水溶液で洗浄される。 濾液及び場合による有機濾液は分離されるかあるいは部分的にか又は完全に予 め混合した後に一緒に液−液抽出システムに供給され、有機溶剤を用いて少なく とも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少なく とも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として塩及び水からなり、引き続き 有利に硫酸の回収のための装置に供給される(経路1))水性抽残液に分離され る。 有機抽出液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発し た溶剤及び場合による相応 する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階に返送される。この場合、 蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、状態調節の際に、望ましい 量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニン又はMHANH4塩の添 加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMHA濃度に調節される。 塩結晶体は、場合により行われた塩洗浄後に、精製もしくは状態調節段階に供 給することができるが(経路1))、この場合、相応する量のNH3の添加及び 引き続く晶出及び乾燥によって市販可能な硫酸アンモニウムが製造されるかある いはまた粗製製品として乾燥に直接供給される。 あるいはまた塩結晶体は、殊に水中への溶解後に、60%を上回る濃縮溶液と して硫酸の回収のための装置に供給される(経路2))。この場合、フィルター 湿潤の塩結晶体を抽出段階の抽残液中に溶解し、その際得られた、75重量%を 上回る塩含量の高濃縮された塩溶液を硫酸回収に供給することは、このために少 なくとも60重量%の塩含量が必要とされ、その上更に全ての他の濃度の増大は 、この種の装置のエネルギーバランスの改善に寄与するので、特に有利である。 この場合、濃縮は、殊に前記方法から得られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸 発なしに可能である。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMH A加水分解段階に返送することができる。 図3中に記載された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は 、硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキ シ類似体の酸(MHA)にされている。生じた第一のMHA加水分解物は、引き 続き、40重量%未満のMHA濃度から出発して蒸発させて、40重量%を上回 るMHA濃度、有利に45重量%を上回るMHA濃度にされて、2つの液相を生 じている。 蒸発の際に得られた水は凝縮され、かつ加水分解段階に返送されるが、この場 合、凝縮温度は、エネルギー経済的理由からできるだけ加水分解が行われる温度 付近で保持される。この場合に得られた、不快な匂い特性を有する低沸点物(L S)の画分は、水蒸気から十分に分離され、塔頂部を介して場合によってはスト リッピングガス、例えば空気を用いて除去され、有利に予め濃縮せずに燃焼炉に 直接供給される。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置の構成部材であって もよい(例えばSK装置)。 蒸発の塔底部から得られた2つの液相は、場合によっては一緒に冷却されるが 、しかし塩結晶体が形成されない場合に限る。 蒸発の生成物は、液−液抽出システムに供給され、かつ有機溶剤を用いて少な くとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅少量の水及び塩を含有する少な くとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主として 塩及び水からなり、引き続き有利に硫酸の回収のための装置に供給される水性抽 残液に分離される。この場合に望ましい、少なくとも60重量%の塩濃度は、な かでも主として第一の加水分解物の蒸発の程度に左右される。この場合確かに、 前記の蒸発の程度は、過剰な濃縮によって抽出システム内部に塩結晶体が形成さ れない程度にのみ大きくともよいことが観察される。従って、これによって達成 可能な塩濃度は、図1もしくは2中に示された処理過程の場合よりも少ない。こ うして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解工程に返送で きる。 有機抽出液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発し た溶剤及び場合による相応する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階 に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、 状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニ ン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMH A濃度に調節される。 図4中に記載された変法の場合、MMP−シアンヒドリン(MMP−CH)は 、硫酸水溶液を用いる2段階の加水分解反応で変換されて、メチオニンヒドロキ シ類似体の酸(MHA)にされている。生じた、40重量%未満のMHA濃度を 有する第一のMHA加水分解物は、引き続き、蒸発冷却されるが、この場合、温 度は、100℃未満の反応温度から出発して、適当なより低い温度、例えば60 ℃にまで低下させられ、同時に、不快な匂い特性を有する低沸点物(LS)の画 分は、少量の水蒸気と一緒に上流により、有利に真空に引かれつつ及び場合によ ってはストリッピングガス、例えば空気を用いて分離され、かつ予め濃縮せずに 燃焼炉に直接供給することができる。前記の燃焼炉は、硫酸の回収のための装置 の構成部材であってもよい。 均一なMHA加水分解物溶液への引き続く(NH42SO4および/またはN H4HSO4の添加によって、該MHA加水分解物溶液中に含有されている塩濃度 は、2つの液相が発生するまでの間増大するが、しかしこの場合、溶解していな い固体の主要量は残留していない。 2つの液相は、室温を上回る温度で、互いに分離する(経路1))。主として MHAを含有する上方の有機相は、液−液抽出システムに供給され(経路1)) 、かつ有機溶剤を用いて、少なくとも2つの相、即ち、溶剤及びMHA並びに僅 少量の水及び塩を含有する少なくとも1つの主として有機抽出溶液もしくは主と して塩及び水からなる水性抽残液に分離される。 この抽残液は、引き続き有利に、液−液相分離からの生じたアンモニウム塩を 主として含有する下方の水相と一緒に硫酸の回収のための装置に供給される(経 路1))。 この場合、MHAの理論値の約2.5%の損失が生じるが、これは、なお水相 中になお溶解して存在しているのである。 この場合、殊に引き続く溶剤蒸発もしくは溶剤濃縮に関してエネルギーの著し い節約に関連している抽出のための入口流量、ひいては溶剤使用量をも明らかに 減少させることができるので、抽出段階もしくは蒸発段階の負担の著しい軽減は 本質的な利点である。 有機抽出液は、抽出蒸発のためのシステムに供給されるが、この場合、蒸発し た溶剤及び場合による相応する含水量は、濃縮によって回収され、かつ抽出段階 に返送される。この場合、蒸発の塔底留出物として得られたMHA高濃縮物は、 状態調節の際に、望ましい量の水及び/又は相応する添加物質、例えばメチオニ ン又はMHANH4塩の添加によって、有利に78〜98重量%の望ましいMH A濃度に調節される。 また、2つの液相を一緒に液−液抽出システムに供給することもできる(経路 2))。この場合に生じる抽残液、即ち、60%を上回って濃縮された塩溶液は 、このために少なくとも60重量%の塩含量が必要とされ、その上更に全ての他 の濃度の増大は、この種の装置のエネルギーバランスの改善に寄与するので、硫 酸の回収のための装置に直接供給することができる(経路2))。この場合、濃 縮は、殊に前記方法から得 られる塩溶液のエネルギーを集中する蒸発なしに可能であり、これは大きな利点 である。こうして回収された硫酸は、完全にかまたは部分的にMHA加水分解段 階に返送することができる。 以下の製造例により、本発明の対象は更に明らかになる: 分析による測定法及び定義 MMP−シアンヒドリン、MHAアミドもしくはMHAモノマーの含量を、プ ロセス溶液中で、定量的にHPLCにより、外部標準(純水物質)との比較によ って定めた。 MHA全体の含量=MHAアミド(場合による)+ (=全MHA) MHAモノ マー+MHA(二量体+オリゴ マー) を、KBr/KBrO3測定溶液を用いるチオエーテル官能基の滴定測定によっ て定め、かつ相応するMHAモノマー当量の総和として[重量%]もしくは[g ]もしくは[モル]もしくは[モル%]で表した。 MHA二量体+MHAオリゴマー(DIM+OLI)の含量を、全MHAとM HAモノマー(+場合によりMHAアミド)との差の計算によって定め、かつ相 応するMHAモノマー当量の総和として[重量%]もしくは[g]もしくは[モ ル]もしくは[モル%]で表した。 含水量は、カール・フィッシャーによる滴定によって定め、溶剤の含量は、G C又は引き算によって定め、硫酸塩もしくはアンモニウム含量は、標準法による イオンクロマトグラフィーによって定め、全塩含量は、硫酸塩含量もしくはアン モニウム含量の換算又は引き算によって定めた。 例 1:MHA加水分解溶液の連続的製造 2段階の撹拌釜カスケード中で、5 0℃の温度及び60分間の平均全滞留時間で、97.7%のMMP−シアンヒド リン4.2kg/h(31.3モル/h)及び65%の水性H2SO44.5k g/h(29.7モル/h)の連続的供給によって、MHA−アミド溶液全部で 8.7kg/hを製造した。MHAアミド溶液を、水3.6kg/hを用いる連 続的希釈後に、後接続された反応管を有する2段階の撹拌釜カスケード中で、9 0〜110℃の温度及び180分間の平均全滞留時間で反応させて、MHA加水 分解溶液12.3kg/hにした。第一に生じる反応溶液を、100ミリバール の圧力で蒸発システム中への連続的搬入によって濃縮し、その際、排出口で50 ℃の温度に冷却した。その際生じた予備蒸発させたMHA加水分解物(10.8 kg/h)は、以下の分析による組成を有していた: 例 2:MHA−MTBE抽出溶液の製造 試験 1 底部排出弁を有する5リットルの撹拌容器中で、MHA加水分解物2.5kg (例1に記載されたようにして製造した全MHAの43.7重量%)にMTBE 1.5kg(工業的品質)を添加し、RTで10分間、強力に撹拌した。撹拌の 終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。この工程を、新鮮な溶液を用い て全部で4回繰り返した。 有機相もしくは水性抽残液相を、それぞれ合わせ、かつ分析した。[重量%] での相の組成を、以下の表1中に記載する。 試験 2 MHA加水分解物2.5kgと、MHA−MTBE抽出溶液の蒸発の際に(例 3を参照)回収しておいたMTBE1.5kgを用いて試験1を繰り返した。[ 重量%]での組成は、以下の表2により明らかである。 例 3:MHA高濃厚物の製造 図5中には、例3に使用した装置の構造が略示され ている。前記装置は、本質的に以下の装置からなる: 図5に関連する方法の記載 抽出物から生じるMHA−MTBE抽出溶液を、貯蔵容器001から、外側か ら加熱されるサムベイ蒸発器002中に連続的に供給する。002からの排出物 を、ニードル弁を介して、同様に加熱されたサムベイ蒸発器003中に供給し、 そのMHA生成物排出物を捕集容器004中で捕集し、かつ該捕集容器中で分析 する。溶剤からなる粘稠な留出物を、005及び006の2つの濃縮システムの 捕集容器中で捕集し、かつ該捕集容器から抽出のために返送することができる( 例2、試験2を参照のこと)。 試験 3 例2の試験1からのMHA−MTBE抽出溶液、0.95l/h(0.85k g/h)の使用 サムベイ 002: 圧力 250ミリバール 温度: ・加熱ジャケット 125℃ ・排出口 79℃ 塔底部排出物002中のMHA高濃厚物の組成 全MHA:98.0重量% H2O:0.5重量% サムベイ 003: 圧力 50ミリバール 温度: ・加熱ジャケット 140℃ ・排出口 90℃ ・蒸気 30℃ 塔底部排出物003中のMHA高濃厚物の組成 全MHA:99.0重量% MHA83.9モル% DIM+OLI16.1モル% H2O:0. 5重量% MTBE:10ppm未満 サムベイ蒸発器の塔底部排出物003から、上記の組成を有するMHA高濃縮 物0.36kg/hが得られた。 試験 4 例2の試験2からのMHA−MTBE抽出溶液0.961/h (0.86k g/h)の使用 サムベイ 002: 圧力 250ミリバール 温度: ・加熱ジャケット 125℃ ・排出口 96℃ 塔底部排出物002中のMHA高濃厚物の組成 全MHA:98.5重量% H2O:0.9重量% サムベイ 003: 圧力 50ミリバール 温度: ・加熱ジャケット 120℃ ・排出口 100℃ ・蒸気 28℃ 塔底部排出物003中のMHA高濃厚物の組成 全MHA:l00.0重量% MHA85.7モル% DIM+OLI 14.3モル% H2O:0.0重量% MTBE:1ppm未満 サムベイ蒸発器の塔底部排出物003から、上記の組成を有するMHA高濃縮 物0.36kg/hが得られた。 例 4: 液/液相分離及び液/固体相分離による抽 出前のMHA加水分解物からの塩の回収( 図1参照) 試験 5:液/液相分離を用いるMHA分離及びMT BEを用いる液/液抽出 50ミリバールの圧力で全MHA(例1に記載されたようにして製造された) 43.7重量%(219.4g)を含有するMHA加水分解物502gを蒸発さ せて、全MHA50重量%の含量にした。この濃厚物(438.7g)は、2つ の液相からなっており、T=65℃で互いに分離した。前記の2つの相の組成は 、表3中に記載されている: 水相を、冷却してT=26℃にした。この場合に生 じたNH4HSO4+(NH42SO4からなる塩結晶体を濾別した。表4中に記 載された組成が得られた: 塩結晶体を、MTBE10gと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ得られた有 機濾液(6.0g)を分析した(MTBE蒸発損失4.8g): 全MHA=7.4重量%≒0.44g≒理論値の0.2% 塩結晶体のMHA損失:塩洗浄なし理論値の0.2%及び塩洗浄あり理論値の0 %。 洗浄した塩結晶体を乾燥させ(35.8g)、かつ分析した: SO4 -2 80.5重量% NH4 + 18.5重量% 塩理論値の22.3%o 有機相(292.4g)、水性濾液(103.6g)及び有機濾液(6.0g )を、MTBE232gで洗浄し、かつRTで短時間強力に撹拌した。撹拌の終 了後に、2つの生じた液相を互いに分離した。互いに分離された相は、表5中に 記載された組成を有していた: 本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮 な溶剤を用いる1回ないし 数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中 での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。 塩結晶体(35.8g)を、61℃で抽残液(159g)中に清澄溶解させた 。こうして得られた塩溶液は、以下の組成を有していた: 全MHA 1.4重量%:理論値の1.3% H2O 20.7重量% 塩 77.9重量% 特に有利に、こうして得られた溶液は、その塩含量が明らかに60重量%を上 回っているので、硫酸の再取得のための装置に供給することができる。 試験 6:液−液相分離を用いるMHA分離及びMI BKを用いる液−液抽出 全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(220 .7g)を含有するMHA加水分解物505gを、50ミリバールの圧力で蒸発 させて全MHA49.9重量%の含量にした。この濃厚物(440g)は、2つ の液相からなっており、T=60℃で互いに分離した。相の組成は、表6中に記 載されている: 水相を、冷却してT=20℃にした。この場合に生じたNH4HSO4+(NH42SO4からなる塩結晶体を濾別した。該塩結晶体の組成は、表7により明ら かである。 塩結晶体を、MIBK14gと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ得られた有 機濾液(1.8g)を分析した。 全MHA=9重量%≒1.2g≒理論値の0.56%塩結晶体のMHA損失、理 論値の0.1%未満。 洗浄した塩結晶体を乾燥させ(40g)、かつ分析した: SO4 -2 80.7重量% NH4 + 18.8重量% 塩理論値の22.3%。 有機相(299g)、水性濾液(83g)及び有機濾液(13.8g)を、M IBK250gで洗浄し、かつRTで短時間、強力に撹拌した。撹拌の終了後に 、生じた2つの液相を、互いに分離した。前記の液相は、表8中に記載された組 成を有していた。 本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮 な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出もしくは複数の理論的分離段階を有する 1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させ ることができる。 例 5:液固体相分離による抽出前のMHA加水分解 物からの塩の回収(図2参照) 試験 7:液−液相分離を用いないMHA分離 全MHA(例1に記載されたようにして製造された )43.7重量%(220.7g)を含有するMHA加水分解物505gを、5 0ミリバールの圧力で蒸発させて全MHA49.9重量%の含量にした。この濃 厚物(440g)を冷却してRTにし、この場合、塩結晶体及び均一な液相から なる懸濁液が得られ、濾過によって分離した。表9中に示された組成が見出され た。 塩結晶体を、MIBKと一緒にフィルター上で洗浄し、かつ有機濾液(41. 6g)を分析した: 全MHA:52.5重量%≒21.8g≒理論値の9.9%。 洗浄した塩結晶体を乾燥させ(52.8g)、かつ分析した: 全MHA6.1重量%=理論値の1.5% SO4 2-75重量% NH4 +18.4重量% 塩93.9重量%=理論値の30.7。 洗浄された塩結晶体のMHA損失は、理論値の1.5%であった。 濾液(342.4g)を、RTでMIBK244g中に収容し、かつ有機濾液 (41.6g)を添加し、この場合、水性液相が沈降した。2つの液相を互いに 分離し、かつ表10中に示した組成を見出した。 本明細書中に記載された1階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮な 溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出もしくは複数の理論的分離段階を有する1 つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させる ことができる。 塩結晶体中の全MHAの残量は、溶剤又は水で更に後洗浄することによって更 に減少させることができる。水を用いる後洗浄は、有利に、NH4HSO4水溶液 および/または(NH42SO4水溶液を用いて行われ、これは再度有利に数回 使用され、遅くともその完全な負荷の達成の際に、該溶液中に溶解した全MHA の際抽出のために抽出システムへ返送される。 MHA含有有機濾液は、有機濾液および/または水性濾液からのMHA単離の ために、溶剤抽出システムに直接返送することができる。この場合有利に、理論 値に対して約0.5〜12.5%のMHA損失が回避される。 例4及び5からの塩結晶体は、相応する量のNH3の添加及び引き続く結晶化 によって市販可能な(NH42SO4に加工するのに適している。同様に、前記 結晶体は、直接又は水又は適当なNH4HSO4もしくは(NH42SO4又は前 記の2つの塩を含有する溶液に溶解後に、H2SO4回収のための装置に供給する ことができる。 例 6:MHA加水分解物の液−液抽出(図3参照) 試験 8:MTBEを用いる抽出 全MHA(例1に記載されたようにして製造された)43.7重量%(43. 7g)を含有するMHA加水分解物100gを、RTでMTBE60gと混合し 、かつ短時間強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離 した。結果は、表11中にまとめられている: 試験 9:MIBKを用いる抽出 全MHA43.7重量%を含有するMHA加水分解物100gを、試験8と同 様にしたMIBK60gを用いて抽出した(表12): 2つの1段階溶剤抽出の比較により明らかなように、有機抽出液は、MTBE の場合(試験8)に、望ま しくない無機アンモニウム塩の量が、MIBKの場合(試験9)のほぼ半分を抽 出するにすぎない。更に、MTBEの使用の際には、少量のMHAまでもが抽残 液相を介して消失してしまう。 例 7:塩含量の増大後のMHA単離(図4参照) 試験 10:液−液相分離及び液−液抽出を用いるM HA分離 (NH42SO423gを、T=60℃で全MHA(例1に記載されたよう にして製造された)43.7重量%(261.3g)を含有するMHA加水分解 物598g中に溶解した。この溶液(621g)は、2つの液相からなっており 、T=60℃で互いに分離した。以下の組成(表13)を見出した: 約60重量%の塩含量を有する水相は、硫酸回収のための装置に直接供給する ことができる。 有機相(416g)を、MTBE250gと混合し、RTで短時間、強力に撹 拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液相を互いに分離した。表14は、該液 相の組成を示している。 本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮 な溶剤を用いる1回ないし 数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階を有する1つのシステム中 での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで減少させることができる。 水相(205g)及び抽残液(144g)を合わせた。こうして得られた塩溶 液(349g)は、以下の組成を有していた: 全MHA 5.6重量% H2O 35.3重量% 塩 59.1重量%。 約60%の塩溶液は、硫酸の回収のための装置に直接供給することができる。 他の濃厚物は、加水分解物中の増大した塩装入量及び抽残液からの連続的抽出及 び完全なMHA分離によって達成することができる。 試験 11:液−液抽出を用いるMHA分離 試験10と同様にして、(NH42SO423gを、MHA加水分解物598 g中に溶解した。2つの液相(620g)からなる生じた混合物にMTBE37 2gを添加し、T=40℃で強力に撹拌した。撹拌の終了後に、生じた2つの液 相を互いに分離した。結果は、表15にまとめてある。 本明細書中に記載された1段階の抽出の抽残液からの全MHAの残量は、新鮮 な溶剤を用いる1回ないし数回の後抽出によってもしくは複数の理論的分離段階 を有する1つのシステム中での連続的抽出によって理論値の0.1%未満にまで 減少させることができる。 60重量%を上回る塩含量を有する抽残液波、硫酸の回収のための装置に直接 供給することができる。 試験10並びに試験11は、残留スルフェート塩含量が既に極端に少ないので 、水を用いる有機抽出溶液の洗浄を不要にできる。これは、こうして処理技術的 な付加的費用並びに抽残液の望ましくない希釈を回避することができるので極め て有利である。 例4、5、6又は7中で得られた有機抽出溶液は、 実際に完全な溶剤不含になり、かつ5重量%未満の含水量になるまで、例2又は 8と同様にして連続的に蒸発させることができる。こうして得られたMHA高濃 厚物は、相応する状態調節によって異なるMHA生成物混合物に変えることがで きる。 例 8:図6に関する方法の記載 図6中には、例8で使用した装置の構造を略示してある。使用された符号は、 以下の装置を示し、使用された装置は、本質的にこれらの装置からなる: (001) 抽出カラム、例えば長さ3m、内径2 .1cm、孔底60個、加熱された二 重ジャケットを有する脈動した孔底カ ラム; (002) 薄層蒸発器、例えば交換面積0.08 m2、加熱された二重ジャケットを有す るサムベイ蒸発器; (003) 濃縮システム、例えば水冷ガラス冷却 器; (004/005) 回収された水もしくは溶剤用の捕集容 器; (006) 有機中残液及び水性中残液用の相分離 器; (007) 溢流する抽出溶液用の洗浄帯域 MHA加水分解段階から生じるMHA加水分解物は 、本質的にMHA(モノマー+二量体+オリゴマー+場合によってはアミド)、 (NH42SO4および/またはNH4HSO4並びに水からなり、抽出温度への 予備加熱の前に、40番目の塔底板の上方で抽出カラム001の中に導入される。 溶剤(この場合、メチルイソブチルケトン=MIBK)を、同様に予備加熱して カラムの底部にポンプ輸送する(向流原理)。付加的に、カラムの溢流を、水洗 いを用いる洗浄帯域中に送り込み洗浄相を加水分解物入口流に返送する。主とし て(NH42SO4および/またはNH4HSO4並びに水を含有する水性抽残液 並びに主として溶剤からなる有機抽残液を冷却しつつ、塔底部で一緒に取り出す 。2つの相を、相分離器006中で分離し、有機抽残液を抽出システムに返送し、 水性抽残液を搬出する。主としてMHA、溶剤並びに水を含有する抽出溶液を、 塔頂部で導出させ、引き続き、洗浄帯域007の通過後にサムベイ蒸発器002中に供 給する。ここで、真空及びに引き、かつH2O蒸気並びにN2流を付加的に吹き 込みつつ、蒸発器の溢流の直前に、MIBK及びH2Oを抽出溶液から一緒に除 去する。サムベイ溢流中で2重量%未満のH2Oが検出可能であり、かつ溢流す るMHA高濃厚物が実際には溶剤不含であるような程度に蒸発を実施した。 蒸発器002から生じる溶剤/水混合物を、まず、003中で濃縮し、かつ分離のた めに分離容器の中へ移送し た。水もしくは溶剤を、それぞれ捕集容器004もしくは005中で捕集し、そこから 、抽出システム中に返送した。サムベイ溢流を、冷却して室温にして、生成物捕 集容器中へ導通した。 抽出溶液の組成を、洗浄帯域007の後に直接分析し、水性抽残液もしくは有機 抽残液の組成を、それぞれ相分離器006の後に直接分析した。 MHA高濃厚物の組成を、サムベイ塔底溢流中で流出位置の後に直接測定した 。 抽出のために使用されたMHA加水分解物溶液を、MMP−シアンヒドリン1 14.7kg(874モル)及び65%のH2SO4131.9kg(874モル 、1.00モル当量)から、耐圧性の400−1−撹拌釜中で、50℃の温度及 び60分間の滞留時間、引き続き、H2O96.7kgを用いる希釈及び90℃ 及び120分間の滞留時間で製造した。粗製加水分解物溶液を、反応の終了後に 、真空に引くことによって、存在する揮発性の副生成物を除去し、引き続き分析 した。抽出のために使用されたMHA加水分解物のその際得られた組成は、例8 の試験12に記載されている。 試験 12:MMP−シアンヒドリン及び1.0モル 当量のH2SO4からのMHA加水分解物の使用 抽出の際の使用: サムベイ塔底溢流から、上記の組成を有するMHA高濃厚物約4.9kg/h が得られた。有機抽残液を、抽出力ラム中に返送した。水性抽残液を廃棄処分の ために直接かつ更に後処理せずに搬出した。 こうして、カラムの塔底溢流から残留溶剤の除去のためのもう1つの蒸留段階 もしくはストリップ段階を節約することができた。更に、穏和な条件下で第三の 液相として抽出カラムから取出された有機抽残液を、更に精製せずに、前記抽出 カラムに直接再度供給することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,BR,BY,C A,CN,CZ,HU,JP,KP,KR,MX,NO ,NZ,PL,RU,SG,SI,SK,TR,UA, US,VN (72)発明者 クラウス フートマッハー ドイツ連邦共和国 D―63571 ゲルンハ ウゼン レルヒェンヴェーク 18 (72)発明者 フォルカー ヘフナー ドイツ連邦共和国 D―63505 ランゲン ゼルボルト アム ブリュール 8 (72)発明者 ハラルト ハインツェル ドイツ連邦共和国 D―60488 フランク フルト ザントプラッケンシュトラーセ 26 (72)発明者 バルバラ イェーガー ドイツ連邦共和国 D―63579 フライゲ リヒト アム ヒュッテンライン 11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)への青酸(HCN)の付 加反応及びその際得られたメチルメルカプトプロピオン酸アルデヒドーシアノヒ ドリン(MMP−CH)の、硫酸を用いる加水分解によって得られる反応混合物 からMHAを単離し、この場合、反応混合物を、液−液抽出システム中で、本質 的に水と混合不可能な有機溶剤と接触させて、溶剤と、反応混合物から変換され たMHAとを有する抽出溶液を形成させ、MHAを、前記抽出溶液からの抽出物 として蒸発によって取得する2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の 取得法において、MMP−CHの加水分解を、第1工程で、1:0.5〜1:1 .0のモル比のMMP−CH:H2SO4で60〜85%の硫酸を用いて、30〜 90℃の温度で本質的にMHAアミドを得つつMMP−CHを加水分解し、第2 工程で、水を添加しつつH2SO4を更に添加せずに、140℃までの温度で前記 MHAアミドを加水分解し、反応混合物の塩含量を、液−液抽出の前に、反応混 合物の非有機成分の総和に対して約>50重量%(wt/wt)、有利に>55 重量%(wt/wt)の濃度にするようにして実施することを特徴とする、2− ヒドロキ シ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の取得法。 2.MMPへのHCNの付加反応及び生じたMMP−CHの硫酸を用いる加水分 解によって生じた反応混合物に硫酸アンモニウムを添加する、請求項1に記載の 方法。 3.MHAの単離の前に、塩析に有効な量の硫酸アンモニウムを添加する、請求 項2に記載の方法。 4.塩濃度を、蒸発によって増大させる、請求項1に記載の方法。 5.抽出システムから少なくとも3つの液相を直接生じさせる、請求項1から4 までのいずれか1項に記載の方法。 6.均質な抽出物及び2つの液相からなる抽残液を形成させる、請求項5に記載 の方法。 7.第一の液相としての抽残液が、主としてアンモニウム塩と水とからなり、ご く一部がMHAと有機溶剤とからなり、第二の液相としての抽残液が、主として 有機溶剤からなり、ごく一部が水とMHAとからなる、請求項6に記載の方法。 8.第一の液相が、水20〜50重量%、MHA0.01〜0.5重量%及び塩 50〜80重量%の量で含有し、第二の液相が、MHA0.01〜0.5重量% 、溶剤90〜99.9重量%及び水0.1〜10重量%の量で含有し、この場合 、各相の成分は100重量%になる、請求項7に記載の方 法。 9.1:0.6〜1:0.95のMMP−CH:H2SO4のモル比で加水分解す る、請求項1に記載の方法。 10.溶剤として1種以上のエーテルを添加する、請求項1から9までのいずれ か1項に記載の方法。 11.不斉エーテルを添加する、請求項10に記載の方法。 12.<60℃の沸点を有するエーテルを添加する、請求項11に記載の方法。 13.メチル第三ブチルエーテル(MTBE)を添加する、請求項10から12 までのいずれか1項に記載の方法。 14.抽出溶液を、<4%の含水量にまで蒸発させ、残りの溶剤を生じた濃厚液 から留去する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。 15.水蒸気を用いてストリッピングする、請求項14に記載の方法。 16.溶剤除去後に、<4%の含水量を有する生成物が生じる、請求項14又は 15に記載の方法。 17.<3%の含水量を有する生成物が生じる、請求項16に記載の方法。
JP52325597A 1995-12-23 1996-12-05 2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法 Expired - Lifetime JP3962089B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19548538A DE19548538C2 (de) 1995-12-23 1995-12-23 Verfahren zur Gewinnung von 2-Hydroxy-4-methylthiobuttersäure (MHA)
DE19548538.6 1995-12-23
PCT/EP1996/005437 WO1997023452A1 (de) 1995-12-23 1996-12-05 Verfahren zur gewinnung von 2-hydroxy-4-methylthiobuttersäure (mha)

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000502110A true JP2000502110A (ja) 2000-02-22
JP3962089B2 JP3962089B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=7781282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52325597A Expired - Lifetime JP3962089B2 (ja) 1995-12-23 1996-12-05 2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法

Country Status (17)

Country Link
US (1) US6140536A (ja)
EP (1) EP0874811B1 (ja)
JP (1) JP3962089B2 (ja)
KR (1) KR100460364B1 (ja)
CN (1) CN1067377C (ja)
AU (1) AU717705B2 (ja)
BR (1) BR9612235A (ja)
DE (2) DE19548538C2 (ja)
ES (1) ES2160264T3 (ja)
ID (1) ID16007A (ja)
IN (1) IN190919B (ja)
MX (1) MX9804881A (ja)
MY (1) MY117493A (ja)
RU (1) RU2160730C2 (ja)
TR (1) TR199801190T2 (ja)
TW (1) TW371655B (ja)
WO (1) WO1997023452A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002037769A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2002105048A (ja) * 2000-09-25 2002-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルの製造方法
JP2002114758A (ja) * 2000-10-11 2002-04-16 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2002255927A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2007238552A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Sumitomo Chemical Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法および製造装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6017563A (en) 1997-07-25 2000-01-25 Novus International, Inc. Process for optimizing milk production
JP3942715B2 (ja) 1998-01-06 2007-07-11 パイオニア株式会社 有機elディスプレイパネル及びその製造方法
FR2780969B1 (fr) * 1998-07-10 2000-08-18 Rhone Poulenc Nutrition Animal Procede de separation de l'acide hydroxymethylthiobutyrique
DE102004041250A1 (de) * 2004-08-26 2006-03-02 Degussa Ag Herstellung von 2-Hydroxy-4-Methylthiobuttersäure
BR112013018092B1 (pt) 2011-02-23 2021-04-27 Evonik Operations Gmbh Método para produção de 2-hidróxi-4-(metiltio) butano nitrila a partir de 3- (metiltio) propanal e cianeto de hidrogênio, e uso de um produto de reação, que contém mmp-cianidrina
MY171361A (en) 2011-08-30 2019-10-10 Evonik Operations Gmbh Method for producing a methionine salt
DE102011081828A1 (de) 2011-08-30 2013-02-28 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Umsetzung von Methylmercaptopropionaldehyd aus Roh-Acrolein und Roh-Methylmercaptan
RU2571755C2 (ru) * 2013-10-23 2015-12-20 Андрей Вилорьевич Доронин Способ сернокислотной переработки сырья
EP3388523A1 (en) 2017-04-13 2018-10-17 Evonik Degussa GmbH Enzymatic method for producing 2-hydroxy-4-methylmercaptobutanoic acid (mha)
CN114349671B (zh) * 2022-03-18 2022-05-27 蓝星安迪苏南京有限公司 化合物及蛋氨酸羟基衍生物的制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3465194D1 (en) * 1983-11-14 1987-09-10 Monsanto Co Process for the preparation of liquid 2-hydroxy-methylthiobutyric acid
US4524077A (en) * 1983-11-14 1985-06-18 Monsanto Company Liquid 2-hydroxy-4-methylthiobutyric acid and process for the preparation thereof
ES2005784A6 (es) * 1988-02-22 1989-03-16 Desarrollo Tecnico Ind S A Soc Un procedimiento para preparar soluciones acuosas de acido 2-hidroxi-4-metil-tiobutirico.
US5498790A (en) * 1993-06-09 1996-03-12 Novus International, Inc. Regeneration of sulfuric acid from sulfate by-products of 2-hydroxy-4-(methylthio)butyric acid manufacture
DE4428608C1 (de) * 1994-08-12 1996-02-29 Degussa Verfahren zur Gewinnung von 2-Hydroxy-4-methylthiobuttersäure (MHA)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002037769A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP4517474B2 (ja) * 2000-07-25 2010-08-04 住友化学株式会社 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2002105048A (ja) * 2000-09-25 2002-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルの製造方法
JP4517486B2 (ja) * 2000-09-25 2010-08-04 住友化学株式会社 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルの製造方法
JP2002114758A (ja) * 2000-10-11 2002-04-16 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP4517491B2 (ja) * 2000-10-11 2010-08-04 住友化学株式会社 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2002255927A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Sumitomo Chem Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP4517520B2 (ja) * 2001-02-27 2010-08-04 住友化学株式会社 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法
JP2007238552A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Sumitomo Chemical Co Ltd 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法および製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
US6140536A (en) 2000-10-31
EP0874811B1 (de) 2001-06-13
BR9612235A (pt) 1999-07-13
RU2160730C2 (ru) 2000-12-20
DE19548538C2 (de) 1997-12-18
WO1997023452A1 (de) 1997-07-03
DE59607103D1 (de) 2001-07-19
MY117493A (en) 2004-07-31
EP0874811A1 (de) 1998-11-04
KR19990076661A (ko) 1999-10-15
AU1190697A (en) 1997-07-17
ES2160264T3 (es) 2001-11-01
TR199801190T2 (xx) 1998-11-23
CN1205688A (zh) 1999-01-20
TW371655B (en) 1999-10-11
MX9804881A (es) 1998-10-31
ID16007A (id) 1997-08-28
CN1067377C (zh) 2001-06-20
DE19548538A1 (de) 1997-06-26
KR100460364B1 (ko) 2005-05-20
JP3962089B2 (ja) 2007-08-22
AU717705B2 (en) 2000-03-30
IN190919B (ja) 2003-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000502110A (ja) 2―ヒドロキシ―4―メチルチオ酪酸(mha)の取得法
CN110785402B (zh) 一种分离长链氨基酸和二元酸的工艺
RU2130925C1 (ru) Способ получения 2-гидрокси-4-метилтиомасляной кислоты (гидроксианалогаметионина, гам), гам
CN105531245B (zh) 用于纯化包含2‑甲酰基‑呋喃‑5‑羧酸和2,5‑呋喃二羧酸的酸组合物的方法
US4524077A (en) Liquid 2-hydroxy-4-methylthiobutyric acid and process for the preparation thereof
JP3847337B2 (ja) 2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(mha)の製造方法および動物飼料補足剤としてのその使用
EP0143100B1 (en) Process for the preparation of liquid 2-hydroxy-methylthiobutyric acid
JPH051776B2 (ja)
EP1097130B1 (fr) Procede de preparation de l'acide hydroxymethylthiobutyrique
JP2002511081A (ja) 不飽和ジカルボン酸無水物のジメチルエステルを生成する方法
JP2020510076A (ja) 2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸の製造方法
CN111032621B (zh) 一种分离长链氨基酸和二元酸的工艺
JP2004210709A (ja) アルキルベンゼンスルホン化物の製造方法
JPH08143585A (ja) O,s−ジメチル n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法
EP1491528A1 (en) Process for producing 4,4-bisphenol sulfone
JPS63183556A (ja) アルカリ金属硫酸塩含量の少ないパラフィンスルホナート及び硫酸を単離する方法
JPH066551B2 (ja) メタクリル酸の精製分離方法
EP1468987B1 (en) Process for producing 2,4'-dihydroxydiphenyl sulfone
CN113816851A (zh) 一种醇酯十二粗品洗涤处理方法
KR20030005396A (ko) 폴리메틸 알칸산의 분리 및 생성된 폐기물의 처리 방법
IE44932B1 (en) The preparation of aralkanoic acids
JP2002114736A (ja) メタクリル酸の精製方法およびメタクリル酸メチルの製造方法
BE568172A (ja)
JPH0899934A (ja) 酪酸エステルの精製法
CH428681A (fr) Procédé pour concentrer des solutions aqueuses d'acide orthophosphorique

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20070309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term