JP3960797B2 - ポリ乳酸系ポリマー組成物、成形品及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性や耐衝撃性に優れる成形品が、成形性良く得られるポリ乳酸系ステレオコンプレックスポリマー組成物及び該ポリマー組成物から得られる耐熱性成形品に関する。さらに本発明は、耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性ポリマー及びその成形品が求められ、脂肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、乳酸系ポリマーは融点が140〜180℃と十分に高く、しかも透明性に優れるため、包装材料や透明性を生かした成型品等として大いに期待されている。
【0003】
しかしながら、乳酸系ポリマーの射出成形等による容器は、剛性には優れているが、耐熱性が低く、あるいは耐熱性と耐衝撃性が共に低く、例えば包装容器では熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されている。
【0004】
耐熱性を有するには成形加工時に金型冷却を長時間にするか、また、成形後に成形品をアニール処理して高度に結晶化する必要があった。しかし、成形時における長時間の冷却工程は実用的でなく、かつ結晶化が不十分になり易く、また、アニールによる後結晶化は成形品が結晶化する過程で変形しやすい欠点が有る。
【0005】
結晶化速度を上げる方法として、例えば、特開昭60−86156号公報には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の結晶化を促進するため、結晶核剤としてテレフタル酸とレゾルシンを主な構成単位とする全芳香族ポリエステル微粉末を添加することが記載されている。このように、結晶化を促進させるための核剤を添加する方法が知られている。
【0006】
一方、生分解性を有するポリマーにこのような添加剤を加える例として、特開平5−70696号公報、特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報)、米国特許5180765号明細書、特表平6−504799号公報、特開平4−220456号広報、特開平2001−226571号公報が挙げられる。
【0007】
特開平5−70696号公報には、プラスチック製容器の材料として、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ポリ−3−ヒドロキシバリレート共重合体、ポリカプロラクトンあるいはポリ乳酸のような生分解性プラスチックに、平均粒径20μm以下の炭酸カルシウム、タルクを重量比で10〜40%混合することが開示されている。しかし、この技術は多量の無機充填剤の添加により廃棄後の生分解性プラスチックの分解を促進するものであり、ポリマーを結晶化させて耐熱性を向上させるものではない。
【0008】
特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報)には、ラクチド熱可塑性プラスチックへの、シリカ、カオリナイトのような無機化合物の充填剤の添加により、硬度、強度、温度抵抗性の性質を変えることが記載されており、その実施例には、L、DL−ラクチド共重合体に核剤として乳酸カルシウム5重量%を温度170℃の加熱ロールで5分間ブレンドしたところ、そのシートは剛性、強度がありかつ曇っていて、結晶化度が増加したことが記載されている。
【0009】
特表平6−504799号公報には、核剤として乳酸塩、安息香酸塩が記載されており、その実施例には、ポリラクチドコポリマーに1%の乳酸カルシウムを配合し、2分間の滞留時間で約85℃に保持した型で射出成形したが、結晶化が不十分のため、更に型中において約110〜135℃でアニーリングした例が記載されている。
【0010】
特開平8−193165号公報には、実際に乳酸系ポリマーに核剤として通常のタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を使用して射出成形を試みたが、結晶化速度が遅く、また成型物が脆いため、実用に耐えうる成形物を得ることができない。従って、このような乳酸系ポリマーは、通常のタルク、シリカ等を用いて一般の射出成形、ブロー成形、圧縮成形に使用しても、結晶化速度が遅く、得られる成形物の実用耐熱性が100℃以下と低く耐衝撃性も強くないために用途面に制約があると記載されている。
【0011】
特開平4−220456号公報には、核剤としてポリグリコール酸及びその誘導体をポリL−ラクチド等に加え、結晶化速度を上昇させることにより、射出成形サイクル時間を短縮させ、かつ、優れた力学的性質を有することが記載されている。射出成形の例として、核剤なしの場合の結晶化温度は、冷却時間60秒で22.6%、核剤添加で45.5%が例示されている。しかし、特開平8−193165号公報によると、実際に乳酸系ポリマーに核剤を入れないで射出成形を試みた所、特開平4−220456号公報に記載されているような、金型温度がガラス転移温度以上の条件では、成形することができなかったと記載されている。
【0012】
特開平2001−226571号公報にはポリ乳酸にリン酸エステル金属塩系の造核剤を添加することが記載されているが、ステレオポリマーについては記載されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、耐熱性及び耐衝撃性に優れる成形品が、成形性良く得られるポリ乳酸系ステレオコンプレックスポリマー組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、前記ポリマー組成物からなる耐熱性及び耐衝撃性に優れる成形品を提供することにある。さらに、本発明の目的は、前記ポリマー組成物から、耐熱性及び耐衝撃性に優れるポリ乳酸系ポリマー成形品を製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリ乳酸を主成分とするステレオコンプレックス形成可能なポリマーに、結晶核剤としてリン酸エステル金属塩を用いて、さらに好ましくは加えて結晶核剤として含水珪酸マグネシウム(タルク)を用いることにより、上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸と、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸とからなるポリ乳酸を主成分とするステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)100重量部に、少なくとも1種のリン酸エステル金属塩(B)0.01〜5.0重量部を含むポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0016】
本発明は、さらに、結晶核剤としてリン酸エステル金属塩(B)に加えて含水珪酸マグネシウム(タルク)0.1重量部以上を含む、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0017】
本発明は、L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸は、L−乳酸単位70〜100モル%と、D−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されており、及び/又は、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸は、D−乳酸単位70〜100%と、L−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されている、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0018】
本発明は、L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000であり、及び/又は、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000である、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0019】
本発明は、前記ポリL−乳酸と前記ポリD−乳酸の混合重量比が、(L): (D)=10:90〜90:10の範囲である、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0020】
本発明は、含水珪酸マグネシウム(タルク)の平均粒子径が、10μm以下である、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0021】
本発明は、少なくとも1種のリン酸エステル金属塩を含む、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0022】
本発明は、リン酸エステル金属塩(B)が、下記一般式(1)又は(2):
【化4】
(式(1)において、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R2 及びR3 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、M1 はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表し、pは1又は2を表し、qはM1 がアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子のときは0を表し、M1 がアルミニウム原子のときは1又は2を表す。)
【化5】
(式(2)において、R4 、R5 及びR6 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、M2 はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表し、pは1又は2を表し、qはM2 がアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子のときは0を表し、M2 がアルミニウム原子のときは1又は2を表す。)
で表わされる芳香族有機リン酸エステル金属塩の少なくとも1種を含む、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
【0023】
本発明は、結晶化促進剤(B)が、下記一般式(3):
【化6】
(式(3)において、R7 及びR8 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。但し、R7 及びR8 の少なくとも一方は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。R9 及びR10は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。但し、R9 及びR10の少なくとも一方は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で表わされるジベンジリデンソルビトール化合物、塩基性無機アルミニウム化合物及び脂肪族カルボン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種を含む、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0024】
本発明は、塩基性無機アルミニウム化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム又はハイドロタルサイト化合物から選ばれる少なくとも1種である、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0025】
本発明は、ステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)が、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルを含む、前記のポリ乳酸系ポリマー組成物である。
【0026】
本発明は、前記のいずれかのポリ乳酸系ポリマー組成物を成形して得られた耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品である。
【0027】
本発明は、前記のいずれかのポリ乳酸系ポリマー組成物を溶融し、走査型示差熱量計(DSC)における融点以下ガラス転移温度以上の範囲に温度設定された成形機の金型に充填し、結晶化させながら成形することを特徴とする、耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の製造方法である。
【0028】
本発明は、金型温度が、走査型示差熱量計(DSC)における結晶化開始温度以下結晶化終了温度以上の範囲に温度設定されている、前記の耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の製造方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明において、ステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)は、L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸と、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸とからなるポリ乳酸を主成分とする。前記ポリ乳酸は、ステレオコンプレックス形成可能であればよく、ポリ乳酸ホモポリマーの他、ポリ乳酸コポリマーを含む。また、ステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)は、ステレオコンプレックス形成可能な前記ポリ乳酸が主成分であれば、他のポリマーがブレンドされたものでも良い。
【0030】
L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸は、L−乳酸単位70〜100モル%と、D−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されていることが好ましい。同様に、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸は、D−乳酸単位70〜100%と、L−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されていることが好ましい。L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸、及びD−乳酸を主成分とするポリD−乳酸が、この範囲のモノマー単位から構成されていることにより、ステレオコンプレックスの形成が容易となる。
【0031】
前記ポリL−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000であることが好ましく、100,000〜250,000であることがより好ましい。同様に、前記ポリD−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000であることが好ましく、100,000〜250,000であることがより好ましい。前記ポリL−乳酸又は前記ポリD−乳酸の重量平均分子量が50,000未満の場合、得られる成形品の強度が不充分となる傾向にあり、重量平均分子量500,000を超える、ポリマー組成物の流動性が悪いため成形加工が困難となる傾向にある。
【0032】
前記ポリL−乳酸と前記ポリD−乳酸の混合重量比は、特に限定されないが、(L):(D)=10:90〜90:10の範囲であることが好ましい。この範囲とすることにより、ステレオコンプレックスの形成が容易となる。
【0033】
前記ポリL−乳酸は、30モル%までの乳酸以外の共重合成分単位を含む場合がある。同様に、前記ポリD−乳酸は、30モル%までの乳酸以外の共重合成分単位を含む場合がある。このような乳酸以外の共重合モノマー成分は、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他のモノマー成分である。他のモノマー成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれら種々の構成成分より成る各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
【0034】
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
【0035】
多価アルコールの例としては、ビスフェノールにエチレンオキサイドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。
【0036】
ヒドロキシカルボン酸の例としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。
【0037】
ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−又はγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0038】
ポリ乳酸は、従来公知の方法で合成されるものである。すなわち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集第44巻、3198−3199頁に記載のような乳酸モノマーからの直接脱水縮合、又は乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
【0039】
前記ポリL−乳酸又は前記ポリD−乳酸を得るに際して、直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を、前述のモノマー単位のモル%となるように用いる。また、開環重合を行う場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、meso−ラクチド、又はこれらの混合物のいずれのラクチドを、前述のモノマー単位のモル%となるように用いる。
【0040】
ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491-495 (1985)、及び Makromol Chem., 187, 1611-1628 (1986)等の文献に様々に記載されている。
【0041】
この重合反応に用いる触媒は、特に限定されるものではないが、公知の乳酸重合用触媒を用いることができる。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸スズ、β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等のスズ系化合物、粉末スズ、酸化スズ; 亜鉛末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜鉛系化合物; テトラプロピルチタネート等のチタン系化合物; ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物; 三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物; 酸化ビスマス(III) 等のビスマス系化合物; 酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム系化合物等を挙げることができる。
【0042】
これらの中でも、スズ又はスズ化合物からなる触媒が活性の点から特に好ましい。これらの触媒の使用量は、例えば開環重合を行う場合、ラクチドに対して0.001〜5重量%程度である。
【0043】
重合反応は、上記触媒の存在下、触媒種によって異なるが、通常100〜220℃の温度で行うことができる。また、特開平7−247345号公報に記載のような2段階重合を行うことも好ましい。
【0044】
ステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)は、ステレオコンプレックス形成可能な前記ポリ乳酸が主成分であれば、他のポリマーがブレンドされたものでも良い。他のポリマーとしては、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルのブレンドにより成形品に柔軟性、耐衝撃性を付与することができる。ブレンドの重量割合は、通常、前記ポリ乳酸100重量部に対して、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル10〜100重量部程度である。
【0045】
本発明において、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル(以下、単に「脂肪族ポリエステル」という)は、1種のポリマー又は2種以上のポリマーの複合でも良く、例えばポリマーとしては、脂肪族カルボン酸成分と脂肪族アルコール成分とからなるポリマーや、ε−カプロラクトンなど環状無水物を開環重合して得られた脂肪族ヒドロキシカルボン酸ポリマーなどが挙げられる。これらを得るには、直接重合して高分子量物を得る方法と、オリゴマー程度に重合した後、鎖延長剤等で高分子量物を得る間接的な方法がある。また脂肪族ポリエステルは、主として上記脂肪族モノマー成分を含んで構成されるポリマーであれば、共重合体であってもよく、あるいは他樹脂との混合物であってもよい。
【0046】
本発明に使用される脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの化合物、又はこれらの無水物や誘導体が挙げられる。一方、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール系化合物、及びこれらの誘導体が一般的である。これらの脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジオールはいずれも、炭素数2〜10のアルキレン基、シクロ環基又はシクロアルキレン基をもつモノマー化合物である。これら脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールの中から選択されたモノマー化合物の縮重合により脂肪族ポリエステルが製造される。カルボン酸成分或いはアルコール成分のいずれにおいても、2種以上用いても構わない。
【0047】
また、溶融粘度の向上のためにポリマー中に分岐を設ける目的で、脂肪族ポリエステルの成分として、3官能以上の多官能のカルボン酸、アルコール或いはヒドロキシカルボン酸を用いても構わない。これらの成分は、多量に用いると得られるポリマーが架橋構造を持ち、熱可塑性でなくなったり、熱可塑性であっても部分的に高度に架橋構造をもったミクロゲルを生じる場合がある。従って、これら3官能以上の成分は、ポリマー中に含まれる割合はごくわずかで、ポリマーの化学的性質、物理的性質を大きく左右するものではない程度に含まれる。多官能成分としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸或いはペンタエリスリットやトリメチロールプロパンなどを用いることができる。
【0048】
脂肪族ポリエステルの製造方法のうち、直接重合法は、上記の化合物を選択して化合物中に含まれる、あるいは重合中に発生する水分を除去しながら高分子量物を得る方法である。また、間接重合法は、上記化合物を選択してオリゴマー程度に重合した後、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物を使用して高分子量化する方法である。あるいはカーボネート化合物を用いて脂肪族ポリエステルカーボネートを得る方法がある。
【0049】
本発明のポリ乳酸系ポリマー組成物は、前記ポリ乳酸を主成分とするステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)100重量部に、結晶核剤として、少なくとも1種のリン酸エステル金属塩(B)0.01〜5.0重量部を含む。さらに、加えてポリ乳酸系ポリマー組成物は、含水珪酸マグネシウム(タルク)0.1重量部以上を含むことが好ましい。
【0050】
本発明において、リン酸エステル金属塩(B)に加え、含水珪酸マグネシウム(タルク)を含有することにより、ポリマー組成物の結晶核の形成が容易になり、結晶化がさらに促進されると共に、結晶サイズが微細化され、物理的特性がより向上できる。
【0051】
含水珪酸マグネシウム(タルク)の平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。10μmを超える平均粒子径の含水珪酸マグネシウム(タルク)用いても効果はあるが、10μm以下の場合はより結晶核の形成促進効果が高く、成形品の耐熱性がより向上できる。
【0052】
含水珪酸マグネシウム(タルク)の配合量は、0.1重量部以上、例えば0.1〜5.0重量部とすることが好ましく、0.1〜3.0重量部とすることがより好ましい。0.1重量部未満の配合量では、添加の効果があまり得られず、5.0重量部以上の配合量とすると、ポリマー組成物に白濁が生じることがあるので、透明性が要求される成形品用途には不向きである。また、含水珪酸マグネシウム(タルク)を、成形品の剛性を向上させる目的で無機フィラーとして用いて5.0重量部以上の配合量とすることも可能である。この場合には、含水珪酸マグネシウム(タルク)の配合量は、5.0重量部以上100重量部以下の範囲から適宜選択される。
【0053】
本発明において用いられる、リン酸エステル金属塩(B)の好ましいものとして、前記一般式(1)又は(2)で表される芳香族有機リン酸エステル金属塩が挙げられる。芳香族有機リン酸エステル金属塩(B)は、1種類のもの或いは複数種類のものを併用することも出来る。
【0054】
式(1)において、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。R1 で示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、イソブチルなどが挙げられる。R2 及びR3 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。R2 及びR3 で示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、アミル、第3アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第3オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、第3ドデシルなどが挙げられる。M1 は、Na、K、Li等のアルカリ金属原子、Mg、Ca等のアルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表す。pは1又は2を表し、qはM1 がアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子のときは0を表し、M1 がアルミニウム原子のときは1又は2を表す。
【0055】
式(1)で表されるリン酸エステル金属塩のうち、好ましいものとしては、例えば、R1 :H、R2 :t−ブチル基、R3 :t−ブチル基のものが挙げられる。
【0056】
式(2)において、R4 、R5 及びR6 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。R4 、R5 及びR6 で示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、式(1)におけるR2 及びR3 で挙げたのと同様のアルキル基が例示される。M2 は、Na、K、Li等のアルカリ金属原子、Mg、Ca等のアルカリ土類金属原子、亜鉛原子又はアルミニウム原子を表す。pは1又は2を表し、qはM2 がアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子のときは0を表し、M2 がアルミニウム原子のときは1又は2を表す。
【0057】
式(2)で表されるリン酸エステル金属塩のうち、好ましいものとしては、例えば、R4 :メチル基、R5 :t−ブチル基、R6 :メチル基のものが挙げられる。
【0058】
リン酸エステル金属塩系結晶核剤のうち市販されているものとしては、例えば旭電化(株)製アデカスタブNA−10、NA−11、NA−21、NA−30、NA−35等があり、それぞれの使用目的に応じて種類、グレードを任意に選択することができる。
【0059】
芳香族有機リン酸エステル金属塩の合成方法は特に限定されるものではなく、公知のいかなる方法により合成されたものでもよい。
【0060】
本発明のポリ乳酸系ポリマー組成物は、前記芳香族有機リン酸エステル金属塩の他に、さらに、前記一般式(3)で表わされるジベンジリデンソルビトール化合物、塩基性無機アルミニウム化合物及び脂肪族カルボン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種を含むことも好ましい。
【0061】
ジベンジリデンソルビトール化合物を表す式(3)において、R7 及びR8 は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。但し、R7 及びR8 の少なくとも一方は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。R7 及びR8 で示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチルなどが挙げられ、メチル基が好ましい。R9 及びR10は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。但し、R9 及びR10の少なくとも一方は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。R9 及びR10で示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、R7 及びR8 で挙げたのと同様のアルキル基が例示され、メチル基が好ましい。ジベンジリデンソルビトール化合物としては、R7 :メチル基、R8 :H、R9 :メチル基、R10:Hのものが好ましい。
【0062】
本発明に用いられる塩基性無機アルミニウム化合物とは、酸性物質の吸着能を有する無機アルミニウム化合物であり、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、下記式で表されるハイドロタルサイト類等が挙げられ、その粒径及び結晶水の有無にかかわらずに用いることができる。
【0063】
Lia Znb Mgc Ald (OH)a+2b+2c+3d-2CO3 ・nH2 O (4)
(式中、aは0〜5.0、bは0〜3.0、cは0.1〜6.0、dは1.0〜8.0を示し、nは0〜30を示す。
【0064】
本発明に用いられるハイドロタルサイト化合物としては、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−174270号公報、特開平6−248109号公報などに記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。ハイドロタルサイト化合物としては、前記一般式(4)で表される化合物が好ましく、特にリチウムを含有する化合物が好ましい。具体的には、Li1.8Mg0.6Al4 (OH)18CO3 ・3.6H2O、Li2Al4(OH)14CO3 ・4H2O 、Li1.6Mg1.2Al4 (OH)14CO3 、Li2.4Mg0.3Al4 (OH)13CO3 ・4.6H2O、Li3.2Mg2.4Al2 (OH)12CO3 ・3.3H2O、Li2.4Mg0.8Al6 (OH)20CO3 ・5.2H2Oなどが挙げられる。また、市販品としては富士化学株式会社製のLMA が挙げられる。
【0065】
また、上記ハイドロタルサイト化合物の表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックスなどで被覆したものも使用できる。
【0066】
本発明に用いられる脂肪族カルボン酸金属塩を構成する脂肪族カルボン酸としては、例えば、オクチル酸、ネオオクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸、トリアコンタン酸などの炭素原子数8〜30の脂肪族カルボン酸などが挙げられる。また脂肪族カルボン酸金属塩を構成する金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;その他の金属としては、アルミニウム、鉛、亜鉛などが挙げられる。これらは、塩基性であっても中性塩であってもよいが、好ましくは中性塩がよい。
【0067】
本発明において、リン酸エステル金属塩の添加量はステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)100重量部に対して0.01〜5.0重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部である。リン酸エステル金属塩の添加量が0.01重量部未満の場合は、添加の効果が不十分となる場合があり、一方、5.0重量部を越えるとポリ乳酸系ポリマーからの成形品の物性が低下するため好ましくない。リン酸エステル金属塩に加えて、さらに前記ジベンジリデンソルビトール化合物、塩基性無機アルミニウム化合物及び脂肪族カルボン酸金属塩から選ばれる少なくとも一種を用いる場合には、これらの使用量には特に制限はないが、前記ポリマー(A)100重量部に対して0.1〜5.0重量部でリン酸エステル金属塩に対して0.1〜10倍量となる範囲で用いることが好ましい。これらの添加量および使用割合は、乳酸系ポリマーの種類や、目的の成形品に応じて適宜選択される。
【0068】
本発明において、リン酸エステル金属塩および必要に応じて用いられる含水珪酸マグネシウム(タルク)、ジベンジリデンソルビトール化合物、塩基性無機アルミニウム化合物及び脂肪族カルボン酸金属塩を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、乳酸系ポリマー粉末あるいはペレットと添加剤各成分とをそれぞれドライブレンドで混合してもよく、添加剤成分の一部をプリブレンドして他の成分を後でドライブレンドしても構わない。例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合し、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混練すれば良い。この混合混練は、通常120〜220℃程度の温度で行われる。また、乳酸系ポリマーの重合段階で、添加剤成分を添加しても構わない。また、添加剤各成分を高濃度で含有するマスターバッチを生成し、これを乳酸系ポリマーに添加する方法などを用いることができる。
【0069】
さらに本発明におけるポリ乳酸系ポリマー組成物には、必要に応じて、従来公知の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、他の核形成剤等の各種添加剤が配合されていても良い。
【0070】
本発明は、上記ポリ乳酸系ポリマー組成物から得られる耐熱性成形品及びその製造方法にも関する。
【0071】
ポリ乳酸系ポリマー組成物を結晶化するには、成形物を結晶化可能な温度でアニーリングする方法があるが、アニーリングの結晶化過程で成形品が変形しやすい欠点がある。そこで、ポリ乳酸系ポリマー組成物組成物を成形するときに、成形金型を結晶化可能な温度に設定し、一定時間保持する方法が考えられる。
【0072】
本発明においては、ポリ乳酸系ポリマー組成物を溶融し、結晶化可能な温度すなわち走査型示差熱量計(DSC)における融点以下ガラス転移温度以上の温度範囲、好ましくは結晶化開始温度以下結晶化終了温度以上の温度範囲に設定された成形機の金型に充填し一定時間保持することにより、結晶化させながら成形する。本発明のポリ乳酸系ポリマー組成物は、上述のようにリン酸エステル金属塩を含んで構成されているので、好ましい場合にはさらに含水珪酸マグネシウム(タルク)を含んで構成されているので、金型内にて結晶化が完了し、耐熱性及び耐衝撃性に優れたポリ乳酸系ポリマー成形品が得られる。
【0073】
金型温度の設定は、成形するポリ乳酸系ポリマー組成物の種類により異なるので、あらかじめDSC法により結晶化温度(結晶化ピーク温度、結晶化開始温度、結晶化終了温度)を測定し、融点以下ガラス転移温度以上の温度範囲、好ましくは結晶化開始温度以下結晶化終了温度以上の温度範囲とする。この温度範囲であれば、容易に結晶化し、さらには寸法精度の良い成形品を得ることができる。この範囲をはずれると、結晶化が遅くなり、成形時の固化時間も長くなるため実用上適さない。
【0074】
本発明のポリ乳酸系ポリマー組成物を成形するに際しては、一般のプラスチックと同様の射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の成形を行うことができ、棒、ビン、容器等の各種成形品を容易に得ることができる。
【0075】
本発明の好ましい形態においては、含水珪酸マグネシウム(タルク)とリン酸エステル金属塩とを併用することが重要である。含水珪酸マグネシウム(タルク)がポリ乳酸の結晶核剤として有効であることは、以前から知られているが、これをステレオコンプレックス形成可能なポリマーに応用した場合、結晶核形成促進効果は認められるものの結晶化ピークはダブルピークとなり、ステレオ結晶とポリ乳酸ホモ結晶とが混在する結晶となる。また、リン酸エステル金属塩もポリ乳酸の結晶化を促進する効果は認められるが、単独で使用した場合は、タルクに比べて結晶化温度が低く、結晶化速度は遅い。ステレオコンプレックス形成可能なポリマーにこれらを併用した場合のみ、結晶化温度が高く、かつ結晶化熱量の大きなシングルの結晶化ピークが得られる。又、この方法で得られた結晶化ポリマーは従来のステレオコンプレックス結晶の融点230℃よりも低い、210℃程度の融点であり、従来のステレオポリマーの成形加工において問題であった加工適性も向上でき、かつ従来のポリ乳酸ホモポリマーよりも優れた耐熱性を示す。
【0076】
本発明において、結晶化温度及び結晶化熱量は走査型示差熱量計(島津製作所製、DSC−60)により測定した。10mgのペレットサンプルを50℃/minで室温〜250℃まで昇温し、5分間保持してサンプルを均質化した後、5℃/minの速度で降温させ、その過程での結晶化開始温度、結晶化ピーク温度、結晶化終了温度を測定した。また、この時の結晶化ピークの大きさ(結晶化熱量)を耐熱性の指標とした。すなわち、降温過程における結晶化熱量が大きいほど、結晶化が促進されており、耐熱性が優れている。
その後、さらにサンプルを10℃/minの速度で250℃まで昇温させる過程のDSCを測定することにより、得られた結晶の融点を測定した。
【0077】
本発明において、高荷重たわみ温度は、JIS K 7207A法により高荷重たわみ温度を測定し、耐熱性の指標とした。高荷重たわみ温度とは、加熱浴槽中の試験片に1.8MPaの曲げ応力を加えながら、一定速度で伝熱媒体を昇温させ、試験片が規定のたわみ量に達した時の伝熱媒体の温度をいう。本発明の耐熱性ポリ乳酸系樹脂成形品の高荷重たわみ温度は、結晶化促進剤の添加量によって異なるが、例えば家電用品の比較的高温にさらされないような部品においても、実用上80℃以上であり、90℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。上限は定められないが、140℃程度である。
【0078】
本発明において、乳酸系ポリマーの重量平均分子量(Mw)はGPC分析によるポリスチレン換算値である。
【0079】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0080】
[実施例1]
ポリL−乳酸((株)島津製作所製「ラクティ」、Mw=180000)50重量部と、D−ラクチドより合成したポリD−乳酸(Mw=180000)50重量部と、(アルミニウムビス(2,2' −メチレンビス−4,6−ジ第三ブチルフェニルホスフェート)・ハイドロキサイド)0.5重量部、ミリスチン酸リチウム0.2重量部およびリチウム含有ハイドロタルサイト化合物Li1.8Mg0.6Al4 (OH)18CO3 ・3.6H2O 0.3重量部とをドライブレンドし、220℃に設定された二軸混練押出機にて平均滞留時間4分で溶融混合し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、乳酸系ステレオポリマー組成物のチップC1を得た。
【0081】
得られたチップC1のDSCを測定した結果、結晶化ピーク温度は143℃、結晶化開始温度は160℃、結晶化終了温度は130℃、結晶化熱量は49J/gであった。又、ガラス転移温度は58.4℃、融点は204℃単一ピークであった。
【0082】
さらに得られたチップC1を120℃で窒素雰囲気下送風乾燥し、絶乾状態にした後、金型温度140℃に設定し、射出成形により短冊状試験片の作成を行った。得られた試験片により、成形品の高荷重たわみ温度を測定した結果、132℃であった。試験片は耐衝撃性にも優れていた。
【0083】
[実施例2]
ポリL−乳酸((株)島津製作所製「ラクティ」、Mw=180000)50重量部と、D−ラクチドより合成したポリD−乳酸(Mw=180000)50重量部と、結晶核剤として微紛タルク(MicroAce P6、日本タルク製レーザー回折法による平均粒子径:4μm)1重量部と、(アルミニウムビス (2,2' −メチレンビス−4,6−ジ第三ブチルフェニルホスフェート)・ハイドロキサイド)0.5重量部およびリチウム含有ハイドロタルサイト化合物Li1.8Mg0.6Al4 (OH)18CO3 ・3.6H2O 0.5重量部とをドライブレンドし、220℃に設定された二軸混練押出機にて平均滞留時間4分で溶融混合し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、乳酸系ステレオポリマー組成物のチップC2を得た。
【0084】
得られたチップC2のDSCを測定した結果、結晶化ピーク温度は171℃、結晶化開始温度は184℃、結晶化終了温度は150℃、結晶化熱量は58J/gであった。また、ガラス転移温度は60.2℃、融点は209℃単一ピークであった。
【0085】
さらに得られたチップC2を120℃で窒素雰囲気下送風乾燥し、絶乾状態にした後、金型温度170℃に設定し、射出成形により短冊状試験片の作成を行った。得られた試験片により、成形品の高荷重たわみ温度を測定した結果、150℃であった。試験片は耐衝撃性にも優れていた。
【0086】
[比較例1]
ポリL−乳酸((株)島津製作所製「ラクティ」、Mw=180000)50重量部と、D−ラクチドより合成したポリD−乳酸(Mw=180000)50重量部とを、220℃に設定された二軸混練押出機にて平均滞留時間4分で溶融混合し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、乳酸系ステレオポリマー組成物のチップC3を得た。
【0087】
得られたチップC3のDSCを測定した結果、結晶化ピーク温度は118℃ (138℃にも変曲点を持つ)、結晶化開始温度は165℃、結晶化終了温度は90℃、結晶化熱量は37J/gのブロードなピークであった。また、ガラス転移温度は58.4℃、融点は168℃のホモ結晶と215℃のステレオ結晶のダブルピークであった。
【0088】
さらに得られたチップC3を120℃で窒素雰囲気下送風乾燥し、絶乾状態にした後、金型温度120℃に設定し、射出成形により短冊状試験片の作成を行った。得られた試験片により、成形品の高荷重たわみ温度を測定した結果、70℃であった。
【0089】
[比較例2]
ポリL−乳酸((株)島津製作所製「ラクティ」、Mw=180000)50重量部と、D−ラクチドより合成したポリD−乳酸(Mw=180000)50重量部と、微紛タルク(MicroAce P6、日本タルク製)1重量部とをドライブレンドし、220℃に設定された二軸混練押出機にて平均滞留時間4分で溶融混合し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、乳酸系ステレオポリマー組成物のチップC4を得た。
【0090】
得られたチップC4のDSCを測定した結果、結晶化ピーク温度は175℃、134℃、結晶化開始温度はそれぞれ190℃、144℃、結晶化終了温度は168℃、130℃のダブルピークであった、結晶化熱量はそれぞれ38J/g、14J/gであった。この場合、高温側のピークはステレオ結晶に由来するが、低温側はホモ結晶に由来するピークであり、得られたサンプルは完全なステレオ結晶にはなっていなかったことを意味する。また、ガラス転移温度は59.3℃、融点は170℃のホモ結晶と218℃のステレオ結晶のダブルピークであった。
【0091】
さらに得られたチップC4を120℃で窒素雰囲気下送風乾燥し、絶乾状態にした後、金型温度170℃に設定し、射出成形により短冊状試験片の作成を行った。得られた試験片により、成形品の高荷重たわみ温度を測定した結果、75℃であった。
【0092】
実施例1、2及び比較例1、2のDSC測定の降温結晶化ピークのチャートを図1に示す。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ乳酸を主成分とするステレオコンプレックス形成可能なポリマーに、結晶核剤として特にリン酸エステル金属塩を用いて、好ましい形態においては、含水珪酸マグネシウム(タルク)とリン酸エステル金属塩とを併用することにより、乳酸系ポリマーの結晶化度を高くすることが可能となる。さらに、この乳酸系ポリマー組成物を金型内にて結晶化処理することにより、耐熱性に優れた成形品が得られる。
【0094】
本発明によれば、優れた耐衝撃性及び耐熱性を有する成形品が、成形性良く得られるポリ乳酸系ポリマー組成物が提供され、耐衝撃性に優れる耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品、及び耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の簡便な生産効率の高い製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例のDSC測定の降温結晶化ピークのチャートである。
Claims (14)
- L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸と、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸とからなるポリ乳酸を主成分とするステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)100重量部に、結晶核剤としてリン酸エステル金属塩(B)0.01〜5.0重量部を含むポリ乳酸系ポリマー組成物。
- さらに、結晶核剤として含水珪酸マグネシウム0.1重量部以上を含む、請求項1に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸は、L−乳酸単位70〜100モル%と、D−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されており、及び/又は、
D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸は、D−乳酸単位70〜100%と、L−乳酸単位及び/又は乳酸以外の共重合成分単位0〜30モル%とにより構成されている、請求項1又は2に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。 - L−乳酸を主成分とするポリL−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000であり、及び/又は、D−乳酸を主成分とするポリD−乳酸の重量平均分子量は50,000〜500,000である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- 前記ポリL−乳酸と前記ポリD−乳酸の混合重量比が、(L):(D)=10:90〜90:10の範囲である、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- 含水珪酸マグネシウム(タルク)の平均粒子径が、10μm以下である、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- リン酸エステル金属塩(B)が、下記一般式(1)又は(2):
で表わされる芳香族有機リン酸エステル金属塩の少なくとも1種を含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。 - さらに、結晶核剤として下記一般式(3):
で表わされるジベンジリデンソルビトール化合物、塩基性無機アルミニウム化合物及び脂肪族カルボン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。 - 塩基性無機アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム又はハイドロタルサイト化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- ハイドロタルサイト化合物が下記一般式(4):
Lia Znb Mgc Ald (OH)a+2b+2c+3d-2CO3 ・nH2 O (4)
(式中、aは0〜5.0、bは0〜3.0、cは0.1〜6.0、dは1.0〜8.0を示し、nは0〜30を示す。)
で表される化合物である、請求項9に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。 - ステレオコンプレックス形成可能なポリマー(A)が、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルを含む、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物。
- 請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物を成形して得られた耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品。
- 請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のポリ乳酸系ポリマー組成物を溶融し、走査型示差熱量計(DSC)における融点以下ガラス転移温度以上の範囲に温度設定された成形機の金型に充填し、結晶化させながら成形することを特徴とする、耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の製造方法。
- 金型温度が、走査型示差熱量計(DSC)における結晶化開始温度以下結晶化終了温度以上の範囲に温度設定されている、請求項13に記載の耐熱性ポリ乳酸系ポリマー成形品の製造方法。
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