JP2009221452A - 組成および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジニアリングプラスチックの物性を損なうことなく、植物由来の原料を用いることを可能とし、耐熱性等の優れた物性を利用して種々の成形品に利用することができるエンジニアリングプラスチック等のポリマーの組成物、その成形品を提供する。
【解決手段】ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含み、且つ、DSC測定において250℃で10分経過した後の降温(cooling)時(10℃/分)のピークが30mJ/mg以上であるポリ乳酸系成分(A)1〜90重量%、それ以外のポリマー成分(B)10〜99重量%、及び充填剤(C)1〜50重量%((A)+(B)+(C)の合計を100重量%とする。)からなることを特徴とする組成物およびそれからなる射出成形品、プレス成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れるエンジニアリングプラスチック等のポリマーの組成物、その成形品に関する。
ポリブチレンテレフタレートなどのエンジニアリングプラスチックはその優れた耐熱性、剛性などの性能を利用して種々の部品に用いられている。
これらのエンジニアリングプラスチックの物性を損なうことなく、植物由来の原料を用いることを可能をすることが望まれている。
本発明は、エンジニアリングプラスチックの物性を損なうことなく、植物由来の原料を用いことを目的とするものである。
本発明は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含み、且つ、DSC測定において250℃で10分経過した後の降温(cooling)時(10℃/分)のピークが30mJ/mg以上であるポリ乳酸系成分(A)1〜90重量%、それ以外の耐熱性ポリマー成分(B)10〜99重量%、及び充填剤(C)1〜30重量%((A)+(B)+(C)の合計を100重量%とする。)からなることを特徴とする組成物に関する。
本発明の組成物によれば、従来のエンジニアリングプラスチックの物性を損なうことなく、植物由来の原料を用いることができる。
本発明に用いられるポリ乳酸系成分(A)について以下に説明する。
ポリ乳酸系成分(A)は、一般にポリ−L−乳酸75〜25重量部及びポリ−D−乳酸25〜75重量部(ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の合計で100重量部)から調製される。また、ポリ乳酸系成分(A)の重量平均分子量は10,000〜300,000であることが望ましい。
<ポリ−L−乳酸>
本発明に使用されるポリ乳酸系成分(A)の1成分であるポリ−L−乳酸(PLLA)は、L−乳酸を主たる構成成分、好ましくは95モル%以上を含む重合体である。L−乳酸の含有量が95モル%未満の重合体は、後述のポリ−D−乳酸(PDLA)と溶融混練して得られるポリ乳酸系成分の耐熱性が劣る虞がある。
PLLAの分子量は後述のポリ−D−乳酸と混合したポリ乳酸系成分(A)が射出成形、押出成形などで得られる成形品として形成性を有するかぎり、特に限定はされない。
通常は、重量平均分子量(Mw)が6千〜100万である。本発明では、平均分子量が6千〜50万のポリ−L乳酸が好適である。なお、重量平均分子量が6万未満のものは得られる成形品の強度が劣る虞がある。一方、100万を越えるものは溶融粘度が大きく成形加工性が劣る虞がある。
<ポリ−D−乳酸>
本発明に用いられるポリ乳酸系成分(A)の1成分であるポリ−D−乳酸(PDLA)は、D−乳酸を主たる構成成分、好ましくは95モル%以上を含む重合体である。D−乳酸の含有量が95モル%未満の重合体は、前述のポリ−L−乳酸と溶融混練して得られるポリ乳酸系組成物かなる成形品の耐熱性が劣る虞がある。
PDLAの分子量は前述のPLLAと混合したポリ乳酸系組成物が射出成形品、押出成形品などとして形成性を有する限り、特に限定はされないが、通常、重量平均分子量(Mw)は6千〜100万の範囲にある。本発明では、重量平均分子量が6千〜50万のポリ−D乳酸が好適である。重量平均分子量が6万未満のものは得られる組成物の強度が劣る虞がある。一方、100万を越えるものは溶融粘度が大きく成形性が劣る虞がある。
本発明においてPLLA及びPDLAには、本発明の目的を損なわない範囲で、少量の他の共重合成分、例えば、多価カルボン酸若しくはそのエステル、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン類等を共重合させておいてもよい。
多価カルボン酸としては、具体的には、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、セバシン酸、ジグリコール酸、ケトピメリン酸、マロン酸及びメチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸並びにテレフタル酸、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチル、
ドデカンジカルボン酸ジメチル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチル、マロン酸ジメチル及びメチルマロン酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸ジエステル並びにテレフタル酸ジメチル及びイソフタル酸ジメチル等の芳香族ジカルボン酸ジエステルが挙げられる。
多価アルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール及び分子量1000以下のポリエチレングリコール等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸及びヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
ラクトン類としては、具体的には、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β又はγ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン等の各種メチル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステル等が挙げられる。
また、本発明に係わるPLLA及びPDLAには、それぞれD−乳酸若しくはL−乳酸を前記範囲以下であれば少量含まれていてもよい。
<ポリ乳酸系成分(A)>
本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含み、且つ、DSC測定において250℃で10分経過後の降温(cooling)時(10℃/分)のピークが30mJ/mg以上、好ましくは45mJ/mg以上、特に好ましくは50mJ/mg以上であることを特徴とする。
さらに、本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)は、そのDSCの第2回昇温(2nd-heating)時の測定(250℃で10分経た後に10℃/分で降温を行い、0℃から再度10℃/分で昇温)においてTm=150〜180℃のピーク(ピーク1)とTm=200〜240℃のピーク(ピーク2)のピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.5以下
、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下であるという熱特性を有することが望ましい。これは、このポリ乳酸系成分(A)がステレオコンプレックス晶を選択的に形成しているためと考えられる。
ピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.5より大きいと、結晶化後にPLLA、PDLA単体結晶の形成量が大きく、上記混練が十分でない虞がある。
またピーク比(ピーク1/ピーク2)が0.5より大きい成分(A)は結晶化後のα晶(PLLAあるいはPDLAの単独結晶)の形成量が大きいため、耐熱性に劣る虞がある。
また、本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)は、DSCの第2回昇温(2nd-heating)時の測定(250℃で10分経た後に10℃/分で降温を行い、0℃から再度10℃/分で昇温)においてTm=200〜240℃のピーク(ピーク2)が35mJ/mg以上であることを特徴とするポリ乳酸系成分(A)である。
このようなポリ乳酸系成分(A)は、好ましくは前記PLLAを25〜75重量部、より好ましくは35〜65重量部、特に好ましくは45〜55重量部、その中でも好ましくは47〜53重量部及びPDLAを好ましくは75〜25重量部、より好ましくは65〜35重量部、特に好ましくは55〜45重量部、その中でも好 ましくは53〜47重量部(PLLA+PDLA=100重量部)から構成されている、即ち調製されていること
が好ましい。
これらのポリ乳酸系成分(A)を形成するポリ乳酸系組成物は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の重量平均分子量が、いずれも6,000〜500,000の範囲内であり、かつ、ポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸のいずれか一方の重量平均分子量が30,000〜500,000であるポリ−L−乳酸及びポリ−D−乳酸から混練により調製することが望ましい。
また、ポリ乳酸系成分(A)は、例えば、これらPLLAとPDLAを、230〜260℃で二軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、プラストミルなどで溶融混練することにより得ることができる。
PLLAの量が75〜25重量部、特に65〜35重量部、その中でも特に55重量部を超える組成物及び45重量部未満の組成物は上述の方法で混練しても、得られる組成物層の耐熱性が十分でない場合がある。得られる組成物からなるフィルムなどの層がα晶の結晶体を含み、耐熱性が不十分となる虞がある。
本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)が耐熱性に優れるのは、当該層がステレオコンプレックス構造を形成しており、テレオコンプレックス構造はPLLAとPDLAの等量から構成されるためであると考えられる。
本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)を得るために、PLLAとPDLAを溶融混練するときの温度は、好ましくは230〜260℃であり、より好ましくは235〜255℃である。溶融混練する温度が230℃より低いとステレオコンプレックス構造物が未溶融で存在する虞があり、260℃より高いとポリ乳酸が分解する虞がある。
また、本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)を調製する際に、PLLAとPDLAを十分に溶融混練することが望ましい。
本発明に係るポリ乳酸系組成物は、ステレオコンプレックスの結晶化が早く、かつステレオコンプレックス結晶化可能領域も大きいので、PLLAあるいはPDLAの単独結晶(α晶)が生成し難いと考えられる。
前述のように、本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)は、DSCによる250℃で10分経過後の降温(cooling)時での測定(10℃/分)において結晶化によるピークが、30mJ/mg以上、好ましくは45mJ/mg以上、特に好ましくは50mJ/mg以上であり、ポリ乳酸系組成物の結晶化が速やかに起こる。
また結晶化によるピークが30mJ/mgより小さいと結晶化速度が小さく、上記混練が十分でない虞がある。
DSCの250℃で10分経過後の降温(cooling)時での測定(10℃/分)において結晶化によるピークが30mJ/mgより小さい、さらには45mJ/mgより小さい組成物からなる層は結晶化速度が小さく、層の結晶化後の結晶体の形成量が小さいため、耐熱性に劣る虞がある。
本発明に用いられるポリ乳酸系成分(A)の重量平均分子量は特に限定されるものではない。しかしながら、本発明に係わるポリ乳酸系成分(A)は、重量平均分子量が10,000〜300,000の範囲にあることが好ましく、さらには重量平均分子量が100,000〜150,000の範囲にあることが望ましい。重量平均分子量が、上記範囲を高分子側に外れるとステレオコンプレックス化が十分でなく耐熱性が得られない虞があり、また低分子側に外れると得られるポリ乳酸系成分(A)の強度が十分でない虞がある。
<ポリマー成分(B)>
本発明のポリマー成分(B)は、従来からエンジニアリングプラスチックとして用いられているポリマーである。これらには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、脂肪族ナイロン、芳香族ナイロン、半芳香族ナイロン等のポリアミド系ポリマー、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポ
リアセタール、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマーがある。
このようなエンジニアリングプラスチックは、通常強度が49MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上のプラスチックとして知られているが、本発明ではその範囲のものでもよく、またその範囲外のものでもよい。
またこのようなエンジニアリングプラスチックの融点は一般に160〜350℃程度である。
次に、本発明に用いられる充填剤(C)について以下に説明する。
〈充填剤(C)〉
本発明に用いられる充填剤(C)は、従来からポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性に配合されている公知の有機、無機の充填剤を使用することができる。中でも、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、酸化チタン、中空ガラスバルーン、ガラスビーズ、カーボンブラック、水酸化マグネシウム等の粒状フィラー;チタン酸カリウム、モスハイジ等のウィスカー状フィラー;モンモリロナイト、マイカ等の板状フィラー;ガラス繊維、セルロース繊維、炭素繊維、金属繊維等の繊維状フィラー、アルミニウム粉末等の金属粉、導電性金属酸化物などがあげられる。その他にも、木粉、もみ殻、クレー、ケイソウ土、ワラストナイト、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、多孔質シリカ、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、シラスバルーンおよびガラスバルーンなどがあげられる。好ましくは、ガラス繊維、セルロール繊維、炭素繊維、マイカ、タルクおよび炭酸カルシウムである。これらは、1種単独または2種以上の組み合わせで用いることもできる。
これら充填剤(C)の粒径、粒度分布などは、用途により適宜決定することができる。
例えば、粉末状や鱗片状の場合、平均粒子径は0.01〜200μm程度が通常であり、1〜50μmが好ましい。また、これら充填剤(C)は、微粒子の場合は粒度分布がそろっていることが望ましく、均一に分散性させやすい。
さらに、これら充填剤(C)として無機フィラーを用いる場合は、その表面は予めシラン化合物などのカップリング剤、エポキシ樹脂などの結束剤、前記したポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、さらにはステレオコンプレックスを含むポリ乳酸などで表面処理されたものが、均質混合性、密着性、衝撃性にも優れた組成物となる。
カップリング剤は、特に限定されないがアミノ基を有するものが好適であり、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシ
ランが好適である。
集束剤は、特に限定されないがエポキシ樹脂が好適である。エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ一ルAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。これらカップリング剤、集束剤の割合はガラス繊維に対して固形分として通常0.1〜2重量%程度である。
本発明では、これらの充填剤として、特にガラス繊維、中でもガラス短繊維、セルロース繊維が好適である。
このようなガラス繊維は、単繊維の平均径が5〜30μm程度が通常である。また、ガラス短繊維が用いられる場合は、その長さは混練する押出し機等により適宜選択することができ、一般的には1.5〜6mm程度である。
これらガラス繊維は、上記したようにその表面がカップリング剤、結束剤、ポリ乳酸等で表面処理されたものが好適である。
本発明では、充填剤(C)として、ガラス短繊維と共に中空ガラスバルーンまたはタルクを併用することも行われる。
〈組成物〉
本発明の組成物は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含み、且つ、DSC測定において250℃で10分経過した後の降温(cooling)時(10℃/分)のピークが30mJ/mg以上であるポリ乳酸系成分(A)1〜90重量%、それ以外のポリマー成分(B)10〜99重量%、及び充填剤(C)1〜50重量%((A)+(B)+(C)の合計を100重量%とする。)からなることを特徴とする。
ポリ乳酸系成分(A)とそれ以外のポリマー成分(B)の比率は、(A)+(B)の合計を100重量%とすると、ポリ乳酸成分(A)が10〜90重量%、それ以外のポリマー成分(B)が10〜90重量%が好ましく、中でも、ポリ乳酸成分(A)が25〜90重量%、それ以外のポリマー成分(B)が10〜75重量%とすることが好ましい。
充填剤(C)の含有量としては、ポリ乳酸系樹脂成分(A)とそれ以外のポリマー(B)と充填剤(C)の合計を100重量%として、充填剤(C)が1〜50重量%、中でも5〜40重量%、特に10〜40重量%であることが好ましい。
これら充填剤(C)の割合が1重量%以下であると、用途によって機械的強度の改善効果が十分とはいえない場合があり、50重量%を超えると、成形性が制限される場合がある。
本発明の組成物は、ポリ乳酸系成分(A)とそれ以外のポリマー(B)を混合した後、充填剤(C)を混合して、混練して、好ましくはこれを線状に押出しペレット化して用いることが効率上好適である。溶融混練の温度は、230〜250℃が通常である。
本発明の組成物は、任意の形状に成形される。例えば、ストランド状、シート状、平板状、ペレット状等がある。なかでも、射出成形に利用するため、その径1.5〜4.5mm程度で長さが2〜50mm程度のペレットの形態が取り扱い上好適である。
なお、本発明の組成物には、本発明の目的に反しない限り、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの安定剤、臭素系難燃剤、燐系難燃剤、メラミン化合物など難燃剤、結晶核剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、離形剤、染料、顔料などの着色剤、有機カルボン酸金属塩など核剤、可塑剤、エポキシ化合物やオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物などの末端封鎖剤、その他樹脂などが添加されることがある。
本発明の組成物は、種々の成形品に利用することができる。すなわち、一軸押出機、ニ軸押出機等の押出機を用いる押出成形、中空成形、射出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等により種々の成形品を成形することができる。
これらの成形品は、成形後に熱処理することが望ましい。熱処理の温度はポリ−L−乳酸のα晶の結晶融解温度以上とすることが望ましく、通常は160〜220℃程度である。この熱処理により、成形品の耐熱性がより向上し、熱たわみ試験(HDT:低荷重)の温度が190℃以上の成形品を得ることができる。
〈実施例〉
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例で使用したポリ乳酸は次の通りである。
(イ)ポリ−L−乳酸(PLLA―1):
D体量:1.9% Mw:183000(222000)(g/モル)、Tm:162.9℃及びTg:58.1℃。
(ロ)ポリ−D−乳酸(PURAC社製:PDLA―1):
D体量:100.0% Mw:323000(404000)(g/モル)、Tm:178.4℃及びTg:59.2℃
実施例及び比較例で使用したエンジニアリングプラスチックは以下の通りである。
(イ)ポリブチレンフタレート(PBT−1 )
ウィンテックポリマー社製 ジュラネックス700FP
密度:1.31g/cm、融点:224℃

(ロ)ポリエチレンテレフタレート(PET−1)
デュポン社製 Cryster4024
密度:1.3g/cm、融点:261℃

(ハ)ポリアミド(PA−1)
三菱エンジニアリングプラスチック社製、NOVAMID1010C2
密度:1.14g/cm、融点:220℃

(ニ)ポリアセタール(POM―1)
三菱エンジニアリングプラスチック社製、ユピタール F20−30
密度:1.41g/cm、融点:163℃

(ホ)変性ポリフェニレンエーテル(m−PEE)
三菱エンジニアリングプラスチック社製、ユピエース AH90
密度:1.07g/cm、融点:なし 、ガラス転移点:163℃

(ヘ)ポリフェニルサルファイド(PPS−1)
ポリプラスチックス社製、FORTRON 0220A9
密度:1.35g/cm、融点:279℃
またガラス繊維は次の通りである。
NSG ヴェトロテックス社製 ガラスファイバー RES 03(繊維状)(GF1)
繊維径::10μm 繊維長:3mm
本発明における測定方法は以下のとおりである。
(1)重量平均分子量(Mw)
試料20mgに、GPC溶離液10mlを加え、一晩静置後、手で緩やかに攪拌した。この溶液を、両親媒性0.45μm―PTFEフィルター(ADVANTEC DISMIC―25HP045AN)でろ過し、GPC試料溶液とした。
測定装置 Shodex GPC SYSTEM−21
解析装置 データ解析プログラム:SIC480データステーションII
検出器 示差屈折検出器(RI)
カラム Shodex GPC K−G + K−806L + K−806L
カラム温度 40℃
溶離液 クロロホルム
流 速 1.0ml/分
注入量 200μL
分子量校正 単分散ポリスチレン 分子量校正:単分散PMMA(Easi Cal P
M−1;Polymer laboratories)
(2)DSC測定
示差走査熱量計(DSC)としてティー・エイ・インスツルメント社製 Q100を用い、試料約5mgを精秤し、JIS K 7121に準拠し、窒素ガス流入量:50ml/分の条件下で、0℃から加熱速度:10℃/分で250℃まで昇温して試料を一旦融解させた後、250℃に10分間維持し、冷却速度:10℃/分で0℃まで降温して結晶化
させた後、再度、加熱速度:10℃/分で250℃まで昇温して熱融解曲線を得、得られた熱融解曲線から、試料の融点(Tm)及び融点の第2回昇温(2nd-heating)時のピーク高さ、ガラス転位点(Tg)、降温時での結晶化温度(Tc)及び熱量(Hc)を求めた。
なお、ピーク高さは、65℃〜75℃付近のベースラインと240℃〜250℃付近のベースラインを結ぶことにより得られるベースラインからの高さで求めた。
(3)耐熱性
プレスシートから試験片(長さ:120mm、幅:15mm、厚み 3mm)を採取して、測定を行った。
装置 :全自動HDT試験機 148−HDA6型
(安田精機製作所社製)
試験片形状 :120mm×15mm×3mmt
試験法 :JIS K 7191に準ずる
試験片の方向:エッジワイズ
試験荷重 :高荷重(1.81MPa)
試験数 :n=3
実施例1A、2A、3A、4A
<ポリ乳酸系組成物の製造>
(1)2軸押出機による混練
PLLA−1:PDLA−1を50:50(重量部)の比で計量し、二軸混練押出機を用い、溶融温度:245℃、回転数:430rpm、混練時間1分で、溶融混練してポリ乳酸組成物を径4mmでストランドとして押し出し、水槽で冷却後、カットしてペレット化した。
本ペレットを組成物−1とする
ここで本二軸押出機は40kg/hの能力を有するが、その押出量では不十分なため押出量を10kg/hまで落とすことによって混練時間を約1分まで上げて行った。
(2)ブラベンダーによる混練
上記の操作によって得られた組成物−1:PBT−1:GF−1をそれぞれ表−1の数量比で計100g計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて245℃、30rpmで1分、後に120rpmで4分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―1A〜4A)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―1A〜4Aを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−1A〜4A)を得た。
<試験片の製造>
プレスシート−1A〜4Aよりレーザを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
更に短冊に熱処理として、プレスで200℃×5分の熱処理を行った。

結果を表1に示す。
実施例1B、2B、3B、4B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1:PBT−1をそれぞれ表−1の数量比で計70g計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて245℃、120rpmで15分混練し、後にGF−1を30g投入し更に120rpmで5分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―1B〜4B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―1B〜4Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−1B〜4B)を得た。
<試験片の製造>
プレスシート−1A〜4Aよりレーザを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
更に短冊に熱処理としてプレスで200℃×5分の熱処理を行った。
結果を表1に示す。
比較例1、2、3、4
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PBT−1をそれぞれ表−1の数量比で計70g計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて245℃、60rpmで15分混練し、後にGF−1を30g投入し更に120rpmで5分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―1C〜4C)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―1C〜4Cを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−1C〜4C)を得た。
<試験片の製造>
プレスシート−1C〜4Cよりレーザを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
更に短冊に熱処理としてプレスで130℃×5分の熱処理を行った。
結果を表2に示す。
参考例1A
PLLA−1:PDLA−1を50:50(重量部)の比で計量し、二軸混練押出機を用い、溶融温度:245℃、回転数:430rpm、混練時間1分で、溶融混練してポリ乳酸組成物を径4mmでストランドとして押し出し、水槽で冷却後、カットしてペレット化した組成物−1をそのまま用いた以外は実施例1A〜4Aと同様に行った。
本組成物のDSC測定結果を表4に示すが、1st coolingにおける結晶化熱量が28.6J/g、2nd heatingにおけるピーク比が0.0と本特許出願請求範囲にあるステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物となっている。
そのため同様の履歴で製造した実施例−1A〜4Aのポリ乳酸部分は上記の組成物になっているため、本発明のステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物となっている。
参考例1B
実施例1B〜4Bで、PLLA−1:PDLA−1=50:50の数量比で計100g計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて245℃、120rpmで20分混練し、混練物(混練物―1C)を用いた以外は実施例1B〜4Bと同様に行った。
本組成物のDSC測定結果を表4に示すが、1st coolingにおける結晶化熱量が36.3J/g、2nd heatingにおけるピーク比が0.0と本特許出願請求範囲にあるステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物となっている。
また同様の履歴で製造した実施例−1B〜4Bのポリ乳酸部分は上記の組成物になっているため、本発明のステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物となっている。
参考例2A
PBTを用いずにPLLA−1:PDLA−1:GF=35:35:70(重量部)とした以外は 実施例1A〜4Aと同様に行った。
参考例2B
PBTを用いずにPLLA−1:PDLA−1:GF=35:35:70(重量部)とした以外は 実施例1B〜4Bと同様に行った。
参考例3
ポリ乳酸を用いずにPBT:GF=70:30(重量部)とした以外は 実施例1A〜4A、1B〜4Bと同様に行った。
参考例4
PLLA=100(重量部)としてそのままプレス成形した以外は 実施例1A〜4A、1B〜4Bと同様に行った。
参考例5
PBT=100(重量部)としてそのままプレス成形した以外は 実施例1A〜4A、1B〜4Bと同様に行った。
結果を表2、表3に示す。
実施例5B、6B、7B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1をそれぞれ表−5記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで15分混練し、後にPET−1を同じく記載の数量投入し更に120rpmで4分混練した。そのさい温度はPET−1投入の5分前(即ち試験開始の10分後)より設定値を280℃に上げた。またこのように5分前に設定値を上げることでPET−1投入時にはほぼ280℃に上がっていた。
次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―5B〜7B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―5B〜7Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:280℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−5B〜7B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
実施例5B 220℃×5分
実施例6B 200℃×5分
実施例7B 200℃×5分
ここで実施例5Bのみ220℃とした理由はPET−1の配合量が大きいため220℃でも軟化しなかったためである。実施例6B、7Bは220℃では軟化してしまい、熱処理温度を下げる必要があった。
<試験片の製造>
プレスシート−5B〜7Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
実施例8B、9B、10B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1をそれぞれ表−5記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで15分混練し、後にPA−1を同じく記載の数量投入し更に120rpmで4分混練した。
次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―8B〜10B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―8B〜10Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−8B〜10B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
実施例8〜10B 200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−8B〜10Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
実施例11B、12B、13B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1をそれぞれ表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで15分混練し、後にPOM−1を同じく記載の数量投入し更に120rpmで4分混練した。
次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―11B〜13B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―11B〜13Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−11B〜13B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
実施例11〜13B 200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−11B〜13Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
実施例14B、15B、16B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1をそれぞれ表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで15分混練し、後にm−PEE−1を同じく記載の数量投入し更に120rpmで4分混練した。
次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―14B〜16B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―14B〜16Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−14B〜16B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
実施例14〜16B 200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−14B〜16Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
実施例17B、18B、19B
<ポリ乳酸系組成物の製造>
PLLA−1:PDLA−1をそれぞれ表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで15分混練し、後にPPS−1を同じく記載の数量投入し更に120rpmで4分混練した。そのさい温度はPPS−1投入の5分前(即ち試験開始の10分後)より設定値を310℃に上げた。またこのように5分前に設定値を上げることでPPS−1投入時にはほぼ310℃に上がっていた。
次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―17B〜19B)を得た。
<プレスシートの製造>
組成物―17B〜19Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:310℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−17B〜19B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
実施例17B 260℃×5分
実施例18B 200℃×5分
実施例19B 200℃×5分
ここで実施例17Bのみ260℃とした理由はPPS−1の配合量が大きいため260℃でも軟化しなかったためである。実施例18B、19Bは260℃では軟化してしまい、熱処理温度を下げる必要があった。
<試験片の製造>
プレスシート−17B〜19Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
参考例6B
<組成物の製造>
PET−1を表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて280℃、120rpmで4分混練した。次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―参考例6B)を得た。
<プレスシートの製造>
混練物―参考例6Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:280℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−参考例6B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
220℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−参考例6Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
参考例7B
<組成物の製造>
PA−1を表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで4分混練した。次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―参考例7B)を得た。
<プレスシートの製造>
混練物―参考例7Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−参考例7B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−参考例7Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
参考例8B
<組成物の製造>
POM−1を表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで4分混練した。次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―参考例8B)を得た。
<プレスシートの製造>
混練物―参考例8Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−参考例8B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−参考例8Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
参考例9B
<組成物の製造>
mPEE−1を表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて250℃、120rpmで4分混練した。次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―参考例9B)を得た。
<プレスシートの製造>
混練物―参考例9Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:250℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−参考例9B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
200℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−参考例9Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表4に示す。
参考例10B
<組成物の製造>
PPS−1を表−4記載の数量計量し、東洋精機製ラボプラストミルCモデル(2軸混練機)を用いて310℃、120rpmで4分混練した。次にGF−1を30g投入し更に120rpmで1分間溶融混練しで混練し、混練物(混練物―参考例10B)を得た。
<プレスシートの製造>
混練物―参考例9Bを厚さ:50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製 商品名:ユーピレックスー50S)で挟んだ後、厚さ:3.0mm及び120mm×120mmのステンレス製矩形の金枠に入れ、プレス温度:310℃、時間:8分(圧力0.6kgf)、ガス抜き:10回、プレス時間:4分(圧力30kgf)、冷却:5分(圧力30kgf)の条件でプレス成形し、プレスシート(プレスシート−参考例10B)を得た。
<熱処理>
上記プレスシートにプレス機で下記の熱処理を行った。
260℃×5分
<試験片の製造>
プレスシート−参考例10Bより電動カッターを用いて15mm×120mm×3mmtの短冊を切り出した。
結果を表5に示す。
参考例−1A、BのDSC測定結果で説明したように本発明の実施例−1A〜4A、1B〜4Bのポリ乳酸部分は本発明のステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物となっている。
またそのようなポリ乳酸組成物を用いた実施例−1A〜4A、1B〜4Bの高荷重HDTは184〜196℃とPBTとGFよりなる参考例−3の高荷重HDT182℃と比べて同レベルに高く、従来耐熱部品に用いられるPBT及びGFの系成形品のPBTを本発明で示したステレオコンプレックス型のポリ乳酸に置き換えても同レベルの耐熱性が維持できる。
一方、PBTの一部をPLLAに置き換えた比較例−1〜4は樹脂中のPBTを75重量%(比較例−4)としても高荷重HDTは107.6℃であり、耐熱性に劣った。
更に実施例−5B〜19Bにエンプラ素材としてPET、PA、POM、m−PEE、PPSを配合した結果を示す。
表から明らかなようにポリ乳酸をステレオコンプレックス晶を作りやすい組成物として配合するとエンプラ素材本来の耐熱性(参考例―6B〜10B)を損なうことなく、植物由来原料であるポリ乳酸をエンプラ代替として取り込むことが出来る。特に高融点のPET、PPSに樹脂分の25重量%配合した実施例―5B、17Bはプレス成形品の耐熱温度が210℃以上でありポリ乳酸だけでは到達できなかったレベルの耐熱性が得られており産業用として有望である。またPAはポリ乳酸のステレオコンプレックス晶と同レベルの融点であり同等に代替できることが確認できた。
Figure 2009221452
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従来は化石系原料が用いられているに過ぎなかったエンジニアリングプラスチックの成型品において、その一部に植物由来の原料であるステレオコンプレックス型のポリ乳酸を併用することができ、エンプラ用として耐熱性等の優れた物性を利用して種々の成形品に利用することができる。
図1は、参考例−1Aの第1回降温のDSC測定のチャートを示す図である。 図2は、参考例−1Aの第2回昇温のDSC測定のチャートを示す図である。 図3は、参考例−1Bの第1回降温のDSC測定のチャートを示す図である。 図4は、参考例−1Bの第2回昇温のDSC測定のチャートを示す図である。

Claims (4)

  1. ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を含み、且つ、DSC測定において250℃で10分経過した後の降温(cooling)時(10℃/分)のピークが30mJ/mg以上であるポリ乳酸系成分(A)1〜90重量%、それ以外のポリマー成分(B)10〜99重量%、及び充填剤(C)1〜50重量%((A)+(B)+(C)の合計を100重量%とする。)からなることを特徴とする組成物。
  2. 請求項1におけるポリマー(B)が、エンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1の組成物からなる射出成形品。
  4. 請求項1の組成物からなるプレス成形品。
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