JP3959254B2 - 画像形成方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式により画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは、像担持体上に形成したトナー像を転写紙に転写した後、該像担持体上に残留した残留トナーをクリーニング手段により回収し、該クリーニング手段により回収したトナーをトナーリサイクル機構により現像装置に戻してリサイクル使用するリサイクルモードと、該クリーニング手段により回収したトナーをリサイクル使用しない非リサイクルモードとを選択して画像形成を行う画像形成方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、感光体ドラム等の像担持体上に形成した静電潜像が、現像装置から供給されるトナーで現像される。そして、該現像により像担持体上に形成された該トナー像が、転写装置によって転写紙に転写される。その後、該転写紙が定着装置に搬送されて、上記トナー像が転写紙上に定着される。ここで、一般的な画像形成装置では、上記転写工程において転写紙に転写されずに、上記像担持体に残留した残留トナーを、クリーニング装置のクリーニングブレードなどにより回収した後、この回収トナーを廃トナータンク等に搬送して廃棄している。
【0003】
つまり、感光体ドラム等の像担持体上に可視像化されたトナー像は上記転写装置により転写紙に転写されるが、この転写工程における転写紙へのトナー像の転写率が100%になることはない。また、像担持体のトナー像が形成されていない地肌領域には、地汚れの原因となる少量のトナーが付着する。この結果、像担持体上に上記残留トナーが発生する。この残留トナーは、上記クリーニング装置により像担持体上から回収されるが、上述したように、通常、廃トナーボトル等に搬送されて廃棄される。
【0004】
ところで、近年、資源(トナー)の有効利用や運転コストの低減を図ることが求められている。従って、この種の画像形成装置においては、上記クリーニング手段により回収した回収トナーを、廃棄せずに再使用(リサイクル使用)することが望ましい。そこで、例えば、特開平6−175488号公報の「画像形成装置」では、像担持体上から除去した回収トナーを、移送装置(トナーリサイクル機構)により現像装置やトナー補給装置に戻して新規トナーと混合して再使用するようにしている。このように、最近の画像形成装置は、環境保全の観点等から、上記残留トナーをリサイクル使用するものが増えている。なお、トナー像形成により消費される消費トナー(トナーボトルから供給されるトナー)に対する残留トナーの割合は、一般的な複写機で15〜25%程度といわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、像担持体上から回収した回収トナー中には、適正サイズのトナーよりも大きい凝集トナー魂や紙粉等の異物が少なからず含まれている。従って、上述のように全ての回収トナーを現像装置やトナー補給装置に戻して再使用する構成の画像形成装置においては、該回収トナー中に混入している凝集トナー魂や紙粉等の異物もリサイクル使用されることになる。このため、このような構成の画像形成装置は、上記回収トナー混入している異物によって画像上に白抜けや黒点が生じるなど、異常画像が発生することが多く、画像品質上の問題点を抱えている。なお、前記公報には、上記紙粉や凝集トナー魂等の異物を取り除くためのフィルター装置を設けることも提案されているが、該異物と回収トナー(リサイクルトナー)とを分別するための有効な分別装置は開示されていない。
【0006】
上記異常画像の一種に、トナー像転写後の転写紙の地肌部(白地部)に残る紙紛跡のようなひげ状の画像(以下、この異常画像を「ひげ画像」という)がある。この「ひげ画像」のサンプルを図13に示す。
この「ひげ画像」は、次のようなメカニズムにより発生するといわれている。すなわち、上記トナーリサイクル機構により回収トナーのリサイクルが継続的に行われることによって、現像装置内のトナー中の紙紛の濃度が徐々に高まる。そして、像担持体上に形成した静電潜像を可視像化する現像工程において、上記まわりにトナーが付着した紙粉が、トナーと共に現像装置から像担持体上に移動する。この結果、像担持体上に形成したトナー像を転写紙に転写する転写工程において、まわりにトナーが付着した紙粉が該転写紙の地肌部に付着して「ひげ画像」になる。ここで、現像装置内のトナー中の紙紛の濃度が徐々に高まっていく理由は、該現像装置から像担持体上に移動した紙紛が、上記転写工程で転写紙により全て持ち去られずに像担持体上に残留し、クリーニング装置により再び回収されて、新たな転写紙によって混入する紙紛とプラスされることによると考えられている。
【0007】
なお、上記転写装置の転写手段として転写ベルトあるいは転写ローラを用いた画像形成装置においては、一般的に、該転写ベルトあるいは転写ローラに付着したトナーもクリーニング装置により回収するように構成されている。しかし、このような転写ベルトや転写ローラ等から回収される回収トナーは、上記像担持体から回収される回収トナーに比べて、かなり微量で、しかも紙粉が多く含まれた粗悪なトナーであるという理由から、一般的にはリサイクル使用されていない。
【0008】
また、本発明者らが行った実験によれば、上記現像工程において上記像担持体に移動する転写紙1枚当たりの紙紛量は、該転写紙の紙種によってかなりの違いがあることが判った。つまり、上質紙の場合には、300,000枚の転写を実施しても、該転写後の回収トナー中に紙紛が混入していなかった。これに対し、再生紙(リサイクル紙)や普通紙等の場合には、転写紙1枚当たりの紙紛の発生量が多く、転写枚数が同じく300,000枚に達した状態で、例えばA4サイズの転写紙1枚中に、上記「ひげ画像」が50個以上も発生することがあった。
【0009】
このような不具合を解消するためには、分級装置を用いて上記回収トナー中に混入した凝集トナー塊や紙粉等の異物を除去することが望ましい。この分級装置は、例えば、上記トナーリサイクル機構のリサイクル経路中にメッシュを設け、該メッシュの開口部から落ちたトナーのみをリサイクル使用し、凝集トナー塊や紙粉等の異物を該メッシュにより捕捉して廃棄するように構成される。しかしながら、このような分級装置を用いた画像形成装置では、経時による上記メッシュの開口部の詰まりや、メッシュの耐久性、メッシュ上に残った紙粉や凝集トナー塊等の異物の完全な除去が困難となる等の問題を含んでおり、まだ確立された技術には至っていない。
【0010】
このように、従来の画像形成装置においては、像担持体上の残留トナーをクリーニング手段により回収してリサイクルトナーとして再使用した場合、この回収トナー中に混入した凝集トナー塊や紙粉等の異物を除去して、上記「ひげ画像」等の異常画像の発生を抑制することが難しかった。また、この回収トナー中に混入する紙粉や凝集トナー塊の量は、上述したように、使用する転写紙の紙種やサイズ、及びトナーの種類等によって大きく異なる。そこで、上記回収トナーのうちリサイクルトナーとして使用する割合(トナーリサイクル率)を、該回収トナー中に混入している異物の混入量に応じて変化させて、上記異常画像の発生を抑制する方法が考えられる。しかしながら、回収トナー中に混入する異物量は、使用する転写紙の紙種やサイズ、及びトナーの種類等だけでなく、温・湿度等の環境条件によっても変化する。このため、この方法では、回収トナー中に混入している異物の混入量を的確に判別して、上記トナーリサイクル率をリニアに制御することが極めて困難となるという問題が残る。従って、紙紛や凝集トナー塊の発生量が比較的少ない状態で画像形成が行われているにも拘らず、低いトナーリサイクル率に設定されて、回収トナーが無駄に廃棄されてしまう虞がある。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、クリーニング手段により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング手段により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができる画像形成方法及び装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上に形成した静電潜像を、現像手段により現像してトナー像化し、転写手段により該トナー像を転写材上に転写し、該転写材に転写されずに上記像担持体上に残留したトナーをクリーニング手段により回収する画像形成方法において、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、互いに異なる設定可能な各画像形成条件下での総画像形成枚数と、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した、各画像形成条件毎の画像形成履歴枚数とに基いて、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を算出し、上記算出値が所定枚数以上の場合には上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻すリサイクルモードで画像形成を行い、上記算出値が所定枚数未満の場合には、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さない非リサイクルモードで画像形成を行う画像形成方法であって、上記非リサイクルモードの実行期間を、上記クリーニング手段により回収したトナーが全て一巡してトナー回収容器に廃棄されるのに要する時間に基づいて決定したことを特徴とするものである。
この画像形成方法においては、上記総画像形成枚数と上記画像形成履歴枚数とに基いて、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数が算出される。そして、該算出値が所定枚数以上の場合には、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻すリサイクルモードで画像形成が行われる。一方、上記算出値が所定枚数未満の場合には、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さない非リサイクルモードで画像形成が行われる。従って、この画像形成方法によれば、上記クリーニング手段により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング手段により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるようになる。
請求項2の発明は、請求項1の画像形成方法において、上記算出値が所定枚数未満になった時点で、上記クリーニング手段により回収されて上記現像手段に戻されつつある全てのトナーをトナー回収容器に廃棄するトナー廃棄モードを実行することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上に形成した静電潜像をトナーにより現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写により転写材に転写されずに上記像担持体上に残留したトナーを回収するクリーニング手段と、該クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを備えた画像形成装置において、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、予め実験により求めた総画像形成枚数を記憶する総画像形成枚数記憶手段と、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した画像形成履歴枚数を記憶する画像形成履歴枚数記憶手段と、これから画像形成を開始する場合の、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を、上記総画像形成枚数と上記画像形成履歴枚数とに基いて算出する演算手段と、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さずに画像形成を行う非リサイクルモードとのうち、いずれのモードを実行するかを選択する選択手段と、を備え、上記選択手段は、上記演算手段の算出値が所定枚数未満になった時点で、非 リサイクルモードを選択し、非リサイクルモードを実行してから、上記クリーニング手段により回収したトナーが全て一巡してトナー回収容器に廃棄されるのに要する時間に基づいて決定された時間経過したら、リサイクルモードを選択することを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、上記総画像形成枚数記憶手段に記憶されている総画像形成枚数と、上記画像形成履歴枚数記憶手段に記憶されている画像形成履歴枚数とに基いて、これから画像形成を開始する場合の、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数が算出される。そして、この算出結果に基づいて、上記選択手段により、画像形成を行うモードが選択される。つまり、該算出値が所定値以上の場合、つまり上記クリーニング手段により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞が無い値の場合には、上記リサイクルモードにより、該クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して画像形成が行われる。一方、上記算出値が所定値未満の場合、つまり上記クリーニング手段により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞がある場合には、上記非リサイクルモードにより、該クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さずに画像形成が行われる。従って、この画像形成装置によれば、上記クリーニング手段により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング手段により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるようになる。
請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、
上記トナーリサイクル機構は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に搬送するトナーリサイクル経路と、廃棄トナーを収容するためのトナー回収容器に上記クリーニング手段により回収したトナーを搬送するトナー廃棄経路と、上記演算手段の算出値に基いて上記クリーニング手段により回収したトナーの搬送経路を上記トナーリサイクル経路と上記トナー廃棄経路との何れか一方に切替える搬送経路切替手段とを備え、上記演算手段の算出値が所定枚数未満になった時点で、上記クリーニング手段により回収されて上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻されつつある全てのトナーを上記トナー回収容器に廃棄するように、上記トナーリサイクル機構のトナー搬送経路を上記搬送経路切替手段により切替えることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4の画像形成装置において、上記総画像形成枚数記憶手段に記憶させる総画像形成枚数は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、互いに異なる設定可能な各画像形成条件下での実験により求めた各画像形成条件毎の総画像形成枚数とし、上記画像形成履歴枚数記憶手段に記憶させる画像形成履歴枚数は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した、上記各画像形成条件毎の画像形成履歴枚数とし、上記演算手段は、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を演算することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態について説明する。図1に、本発明が適用される画像形成装置としての複写機の全体的な概略構成を示す。この複写機は、原稿読み取り機能、その原稿画像に基づいて電子写真方式による画像形成を行う複写機能とプリンタとの機能を有しているが、さらにファククシミリとしての機能を追加することもできる。この複写機は、図1に示すように、像担持体としての感光体1、この感光体1の表面を帯電する帯電器2、感光体1の帯電した表面に静電潜像を書き込む露光装置30、該静電潜像を現像剤Dで現像して感光体1上にトナー像を形成する現像装置3、感光体1表面のトナー像を転写材としての転写紙P1(又はP2、P3)に転写する転写装置4、転写紙P1(又はP2、P3)に転写されたトナー像を定着させる定着装置40、転写紙P(又はP2、P3)にトナー像を転写した後の感光体1表面を清掃する感光体用のクリーニング装置6などを有している。
【0014】
図1において、複写機本体100の上部には、原稿読取装置50が配設されている。この原稿読取装置50のコンタクトガラス52上に置かれた原稿(図示せず)は、図1の右方へ移動する光源53によって照明される。その反射光像は、光源53と共に右方に移動する第一ミラー54により反射され、次いで、光源53の1/2の速さで右方に移動する第二ミラー55及び第三ミラー56により反射された後、撮像素子57に入射する。撮像素子57は、原稿からの反射光像を読み取るための例えばCCDよりなる図示していないイメージセンサと、このセンサに光像を結像する同じく図示していない結像レンズを有している。この撮像素子57で読み取られた画像信号は、露光装置30に送られる。露光装置30は、図示していないレーザ光源から出射されるレーザ光Lを反射する回転多面鏡31、fθレンズ等からなる走査結像用のレンズ系32を通ったレーザ光Lを反射するミラー33、34、35などで構成されている。そして、撮像素子57で読み取られた画像信号に対応して光変調されたレーザ光Lを感光体1の表面に照射し、感光体1表面に画像原稿に対応する静電潜像を形成する。
【0015】
このようにして感光体1上に形成された静電潜像は、上記現像装置3によりトナー像として可視像化される。図1に示した現像装置3は、現像剤Dを収容した現像剤ケース16とその内部で回転可能に支持された現像ローラ17を有し、回転駆動される現像ローラ17の周面に現像剤Dを担持搬送し、かかる搬送現像剤Dによって感光体1に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する。現像装置3では、現像剤Dとしてトナーとキャリアを有する粉体状の2成分現像剤を用いているが、キャリアを含まない1成分現像剤を用いることもできる。また、現像剤ケース16には、トナー補給容器としてのトナーホッパ3aが付設され、ここにトナーTが収容される。現像剤ケース16内の現像剤Dのトナー濃度が低下したときには、トナー補給ローラ18が回転してトナーホッパ3a内のトナーTを現像剤ケース16内の現像剤D中に補給する。
【0016】
一方、複数の給紙カセット61、62、63に収納された転写紙P1、P2、P3のうちのいずれかが選択されて矢印A方向に給送される(ここでは、転写紙P1が選択されたものとする)。この転写紙P1は、一対のレジストローラ5によって転写装置4へ給送される。転写装置4は、転写ベルト4aが巻き掛けられた駆動ローラ4b、従動ローラ4c、バイアスローラ4dなどを備えている。転写ベルト4aは、転写紙P1に接する表面部分の体積抵抗率が電気的に中抵抗である材料より形成され、矢印B方向に移動するように、駆動ローラ4b、従動ローラ4c、バイアスローラ4dに巻き掛けられ、転写位置Sにおいて感光体1の表面に当接している。そして、転写紙P1が転写位置Sを通過する際に高圧電源(図示せず)より、バイアスローラ4dに対してトナーの帯電極性と逆極性の電界が印加されるようになっている。バイアスローラ4dに電圧が印加されると、バイアスローラ4dから転写ベルト4aを介して駆動ローラ4b、従動ローラ4cに電流が流れ、さらに転写紙P1を介して感光体1に電流が流れる。このときの印加電圧は、感光体1に流れる電流が所定に定められた転写電流になるように制御されるようになっている。また、転写ベルト4aは電圧印加されたバイアスローラ4dにより一旦帯電するが、駆動ローラ4bで除電される。
【0017】
一対のレジストローラ5によって送り出された転写紙P1は、転写ベルト4aに担持されて搬送されつつ、感光体1のトナー像に整合するタイミングで転写ベルト4aと感光体1の間の転写位置Sを通過する。このとき、感光体1上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧が転写ベルト4aの裏面側に配置されたバイアスローラ4dに印加され、感光体上1上のトナー像が転写紙P1の表面に静電転写される。トナー像が転写された転写紙P1は、引き続き転写ベルト4aに担持されて搬送され、転写ベルト4aを離れた後、定着装置40に給送される。定着装置40では、加熱ローラ40aと加圧ローラ40bとの間を転写紙P1が通り、熱と圧力の作用により転写紙P1上にトナー像が定着される。次いで、この転写紙P1は、一対の排紙ローラ70によってコピー紙として排紙トレイ80上に排出される。
【0018】
なお、トナー像転写後の感光体1表面には、転写紙P1に転写されなかった転写残トナーが付着している。かかる感光体1表面の転写残トナーは、感光体用のクリーニング装置6によって除去される。この感光体用のクリーニング装置6は、クリーニングブレード6aと、クリーニングケース19と、このクリーニングケース19の底部に配置されたトナー排出部材としての搬送スクリュー6bとを有している。クリーニングブレード6aは、ゴム等の弾性体よりなり、感光体1の軸方向における画像領域、すなわち転写残トナーが付着する領域の全体に亘って感光体1に対して平行に延び、その基端部がクリーニングケース19に固定され、これと反対側の先端エッジ部が感光体1表面に圧接し、感光体1表面に付着した転写残トナーを掻き取り除去する。また、クリーニング後の感光体1表面は、ランプより成る除電装置15により除電作用を受けて初期化され、さらに帯電装置2によりー様に帯電される。そして、引き続き前述の動作が実行され、感光体1表面に新たに形成されたトナー像が次の転写紙P1上に転写される。
【0019】
また、転写ベルト4aの表面にも、感光体1上の多少の地汚れトナーが移行して付着しており、これを放置するとそのトナーが転写ベルト4aに送り込まれた転写紙P1の裏面に付着し、転写紙P1をトナーで汚すことになる。かかる転写ベルト4aの表面に付着したトナーは、ベルトクリーニング装置14によって除去される。
【0020】
次に、本発明の特徴部である画像形成部及びトナーリサイクル機構について説明する。
図2に、本実施形態に係る複写機の画像形成部に搭載したトナーリサイクル機構の一例を示す。上述したように、上記クリーニング装置6は、クリーニングブレード6aを感光体1の周面に摺接させることによって、転写後の残留トナーを掻き落とし、搬送スクリュー6bによって紙面と直交する方向へ搬送し、トナーリサイクル機構10へと導く。
【0021】
トナーリサイクル機構10は、クリーニング装置6から回収したトナーを、現像装置3,或いはトナー回収容器7のいずれか一方に選択的に搬送するトナー搬送手段11ト、トナー搬送手段11を駆動する駆動手段12等を有する。
トナー搬送手段11は、搬送スクリュー6bによって搬送されてきた回収トナーを受け取り可能な位置から、現像装置3をへてトナー回収容器7まで上向き傾斜して延びた回転自在な搬送パイプ11aと、搬送パイプ11a内に回転自在に配置され回転することによってトナーを搬送パイプ11a内に沿って搬送する搬送コイル11bと、を有する。
上記駆動手段12は、搬送パイプ11aをその軸芯を中心として一方向へ回転させるモータ12a及びギヤ12bと、から成る搬送パイプ駆動源12と、搬送コイル11bを回転させる図示しないモータと、から成る。
【0022】
搬送パイプ11aは、現像装置3のトナーホッパ3aに設けた開口と連通可能な位置にある開口部11a’を有し、この開口部11a’が図示の如く下向きにあるときには、トナーホッパ3a内に搬送中の回収トナーを落下させてリサイクル使用可能にしている(このモードをリサイクルモードという)。一方、図3に示すように、上記開口部11a’が上向きトナーるように搬送パイプ11aが回動した状態においては、搬送中の回収トナーは開口部からは落下せずに、搬送パイプ11aの終端部開口からトナー回収容器7内に落下し、廃棄される(このモードを非リサイクルモードという)。
【0023】
このようなトナーのリサイクルモードと、非リサイクルモードとは、操作部に設けた図示しない選択スイッチを操作すること等によって任意に切り換え可能である。即ち、該選択スイッチを操作することにより選択されるいずれかのモードを実現するために、図示しない制御部(CPU)が搬送パイプ駆動源12に制御信号を出力して、開口部11a’の位置が、下向き(リサイクルモード)と、上向き(非リサイクルモード)のいずれか一方トナーるように搬送パイプの角度を制御する。
【0024】
本発明の他の特徴的な構成は、紙粉取り装置20を利用して紙粉量の発生率を検出することによって、上述のリサイクルモードと非リサイクルモードとの切り替え時期判断に役立てるようにした点にある。
即ち、前記レジストローラ5は、転写位置Sに転写紙P1が進入する際に感光体1上のトナー画像の位置と転写紙P1との位置を合わせるべく、転写紙P1を一旦保持し、その後転写位置Sに送り出す役割を果たす。このため、レジストローラ5の上流側搬送経路にて転写紙P1は、各搬送ローラ等によって擦られ、紙粉が出やすい状態にある。そこで、本実施形態に係る複写機では、この感光体1の回りに紙粉がなるべく進入しないようにするために、紙粉取り装置20がレジストローラ対5の少なくとも一方に当接されている。
【0025】
この紙粉取り装置20は、紙粉を収容するケーシング20aと、レジストローラ表面の紙粉を除去するブレード20bと、紙粉の堆積量を検知するフォトセンサ20cとを備えている。フォトセンサ20cは、例えば透過型の発受光素子対から成り、このフォトセンサをケーシング20aの対向し合う2つの側壁上に対向配置して堆積する紙粉のレベルを検知するように構成されている。このフォトセンサ20cは、高さを異ならせて複数段配置するようにして、各センサにより異なったレベルを検知するようにしてもよい。フォトセンサ20からの検知信号は、図示しない制御部に出力される。
【0026】
紙粉取り装置20は、ある程度像担持体回りに紙粉が進入することを防止でき、クリーニング装置6でのクリーニング不良、例えばクリーニングブレード6aと感光体1との間に紙粉が入り込んで黒筋状にトナーが抜けて異常画像となる事態等を防止するには有効である。
本発明ではこのような紙粉取り装置20を利用して、内蔵したフォトセンサ20によってケーシング20a内に堆積した紙粉量を検出することで、紙粉取り装置20の清掃や装置の交換によって紙粉取り装置20内の紙粉が空に成った時点から、所定回数の画像形成が実施された後の、ケーシング20a内に堆積する紙粉の量を検知する。このようにして検知された単位画像形成回数当たりの紙粉堆積量に基づいて、紙粉の出やすい転写紙を通紙しているのか、或いは面積の大きい転写紙を多数通紙しているのかを制御部で判断し、リサイクルモードから非リサイクルモードへの移行時期を決定する。従って、本実施形態に係る複写機では、現実の紙粉発生量に即してモード切り替えを行うことができ、紙粉の多数混じったトナーがリサイクルされる事態を防止できる。
【0027】
次に、図4はリサイクルモードから非リサイクルモードへ移行する際の決定方法を説明するためのフローチャートであり、搬送パイプ11aの回転によって図2に示した如きリサイクルモードに切り替わった時に(ステップ1)、紙粉が多い材質の転写紙(例えば、再生紙)をどの程度の枚数通紙したかを計数し、計数値がある規定枚数に達したときに(ステップ2,Yes)、リサイクルモードに切り替わった時以降に通紙された転写紙についての累積紙サイズ量を算出して制御部に記憶する。そして、この累積紙サイズ量を予め記憶された規定値と比較し、規定値に達したときに(ステップ3,Yes)、非リサイクルモードに切り替える。
ステップ1における通紙枚数の決定に関しては、給紙部の構成を例えば各給紙段別に再生用紙専用段、上質紙専用段等として紙種別に設定しておき、この状態を制御部の記憶部に記憶しておくと共に、各段に装着する転写紙の種類を決められた紙種に限定して対応関係を確実なものにしておく。この状態で、いずれの給紙段から何枚の紙が通紙されたかを計数しておくことにより、紙種別の通紙枚数を確実に知ることができ、この情報に基づいてステップ2の規定枚数に達したか否かを判定することができる。
【0028】
上記規定枚数の値は、初期にはポピュラーな種類の転写紙を用いて実験を行い、ひげ画像が発生する頻度、及び発生率を値として算出し設定しておく。本発明者らが行った実験による、通紙枚数とトナーホッパ3a内の紙粉量との関係を図5に、通紙枚数とリサイクルトナー紙粉量との関係を図6に示す。ここで、実際のひげ画像の発生状態によっては設定値との間に差が発生することもある。そこで、実際のひげ画像の発生状況に合わせて上記値を変更設定可能に構成する。このように構成することにより、ユーザ毎に異なるひげ画像の気になるレベルに対応できるばかりでなく、環境差や特殊な紙を用いた場合であってもひげ画像とトナー消費量との適正なマッチングを図ることができる。
また、ステップ3にて示した累積紙サイズ量については、予めひげ画像が発生するであろうと予測される累積紙サイズ量を実験的に割り出しておき、その値を記憶部に記憶しておく。この累積紙サイズについても実際のひげ発生率の変動に応じて変更可能にしてもよい。
また、非リサイクルモードを実施する期間については、リサイクル経路(搬送パイプ11a)内を搬送される回収トナーが全て一巡してトナー回収容器7に排出されるのに要する時間に基づいて決定されるので、リサイクル経路の長さ、トナー搬送速度によって決定される。このため、通常は、実験的に割り出した時間を記憶部に予め設定しておき、このデータに基づいて非リサイクル動作を実行させればよい。ただし、非リサイクルモードを実行する時間を変更可能に構成してもよい。
【0029】
図7は、上述のようにして、リサイクルモードから非リサイクルモードに移行した際の、トナーリサイクル経路内のトナー中に含まれる紙粉濃度の変化を、通紙枚数との関係で示した図である。図7において、a、c、dは、リサイクルモード時におけるトナー中に含まれる紙粉濃度の変化を示し、bは、非リサイクルモード時におけるトナー中に含まれる紙粉濃度の変化を示す。すなわち、種々の紙種を混合して用いたり、種々のサイズの転写紙を通紙した場合には、aのように変幻的な変化の多いカーブとなり、紙粉の多い一定種類の大サイズ用紙を多数通紙した場合には、cのように指数的に、且つ急速に紙粉量が増量するカーブとなる。また、紙粉量の少ない転写紙を用いた場合は、dのように紙粉量がなだらかに増えるカーブとなる。
このように、紙種、及び紙サイズの変化に応じてモード切り替えを可能に構成しておけば、臨機応変に且つ的確にリサイクルモードと非リサイクルモードとの切り替えを行うことが可能となり、ひげ画像の発生を抑制することが可能となる。
【0030】
図8、図9に、他の実施形態に係るトナーリサイクル機構10を示す。このトナーリサイクル機構10は、上記クリーニング装置6により感光体1から回収されて搬送スクリュー6bによって搬送されてきたトナーを、上記トナー搬送手段11によりトナーホッパ3a又はトナー回収容器7内に搬送する搬送経路と、上記ベルトクリーニング装置14によって転写ベルト4aから除去された廃トナーを、廃トナー搬送手段90によりトナー回収容器7内に搬送する搬送経路とを備えている。また、図9に示すトナーリサイクル機構10のトナー搬送手段11は、上記リサイクルモードと非リサイクルモードとの切り替えを、搬送パイプ11aの開口部11a’に配置したシャッター22で行うように構成されている。シャッター22は、図10に示すように、支軸23により揺動自在に軸支されており、該支軸23を中心としてソレノイド24により揺動される。そして、上記非リサイクルモード時は、図10に実線で示す位置に臨んで、感光体1から回収されたトナーをトナー回収容器7内に搬送する。一方、リサイクルモード時は、図10に破線で示す位置に退避して、感光体1から回収されたトナーをトナーホッパ3a内に搬送する。
【0031】
このトナーリサイクル機構10を用いて上記非リサイクルモードと上記リサイクルモードとの切り替えを行う他の制御方法のフローチャートを図11に示す。この制御方法では、上記レジストローラ5から回収した紙粉量がひげ画像が発生するxgに達したときの画像形成枚数と、上記シャッター22の切り替えタイミングにおける画像形成枚数との関係を予め実験により求めておく。この実験により求めた関係のグラフを図12に示す。図11において、まず、上記シャッター22をOFF(退避)して、トナーのリサイクルをONする(ステップ1)。そして、このリサイクルモードでの画像形成枚数をカウントする(ステップ2)。次いで、ステップ3で、上記レジストローラ5から回収した紙粉量がxgに達したか否かを判定する。この判定結果に基づいて、図12のグラフより、リサイクルされているトナー中の紙粉量を予測する(ステップ4)。そして、この予測値がシャッター22の切り替えタイミングに達したか否かを判定する(ステップ5)。この判定結果がシャッター22の切り替えタイミングに達している場合に、シャッター22をONにして、リサイクルモードをOFFにし、非リサイクルモードを実行する(ステップ6)。この非リサイクルモードが実行されている間の画像形成枚数をカウントする(ステップ7)。そして、このカウント値が規定枚数に達したか否かを判定する(ステップ8)。ここでいう規定枚数とは、トナー搬送経路内のトナーが一巡するために必要な枚数で、トナーリサイクル機構10のリサイクル経路の長さによって変わる。ステップ8で規定枚数に達したと判定された場合に、上記各カウント値をクリア(ステップ9)した後、シャッター22をOFFに切り替えて、リサイクルモードをONにする(ステップ10)。
【0032】
このように、本実施形態に係る複写機においては、転写紙として使用する紙の種類、材質の違いによって発生する紙粉量の相違と常に考慮に入れながら、感光体1等から回収した残留トナーを現像装置3に戻してリサイクルするリサイクルモードと、リサイクルせずに廃棄する非リサイクルモードとを、紙粉量の多寡に応じて選択して両モード間の切り替えを行うことができる。これにより、異常画像を発生させる過剰な紙粉が現像装置3に戻されることがなくなる。なお、上記実施形態では、異常画像発生の原因となる紙粉量により画像形成モードを切り替える例を示したが、該画像形成モードは、凝集トナー塊の量に基づいて切り替えることも可能である。
【0033】
請求項1又は2の画像形成方法においては、総画像形成枚数と画像形成履歴枚数とに基いて、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を算出することができる。そして、該算出値が所定枚数以上の場合、つまり上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞が無い場合には、該クリーニング装置6により回収したトナーを上記現像装置3に戻すリサイクルモードで画像形成が行われる。一方、上記算出値が所定枚数未満の場合、つまり該クリーニング装置6により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞がある場合には、クリーニング装置6により回収したトナーを現像装置3に戻さない非リサイクルモードで画像形成が行われる。従って、この画像形成方法によれば、上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング装置6により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるようになる。
【0034】
特に、請求項2の画像形成方法においては、上記算出値が所定枚数未満になった時点で、トナー廃棄モードが実行されて、上記クリーニング装置6により回収されて上記現像装置3に戻されつつある全てのトナーが、上記トナー回収容器7に廃棄される。すなわち、トナー中に混入している異物によって上記「ひげ画像」等の異常画像が発生する虞のあるようなトナーが、リサイクルトナーとして再使用されることが無くなる。
請求項3、4又は5の画像形成装置においては、総画像形成枚数記憶手段に記憶されている総画像形成枚数と、画像形成履歴枚数記憶手段に記憶されている画像形成履歴枚数とに基いて、これから画像形成を開始する場合の、異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数が算出される。そして、該算出値が所定枚数以上の場合、つまり上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞が無い場合には、上記リサイクルモードにより、該クリーニング装置6により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構10により上記現像装置3に戻して画像形成が行われる。一方、上記算出値が所定枚数未満の場合、つまり上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入した異物によって異常画像が発生する虞がある場合には、上記非リサイクルモードにより、該クリーニング装置6により回収したトナーを上記現像装置3に戻さずに画像形成が行われる。従って、この画像形成装置によれば、上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング装置6により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるようになる。
特に、請求項4の画像形成装置においては、上記演算手段の算出値が所定枚数未満になった時点、すなわち、トナー中に混入している異物によって上記「ひげ画像」等の異常画像が発生する虞のあると判定された時点で、上記クリーニング装置6により回収されて上記トナーリサイクル機構10により上記現像装置3に戻されつつある全てのトナーが、上記トナー回収容器7に廃棄されるように、トナーリサイクル機構10のトナー搬送経路が、搬送経路切替手段により切替えられる。これにより、トナー中に混入している異物によって上記「ひげ画像」等の異常画像が発生する虞のあるようなトナーが、リサイクルトナーとして再使用されることが無くなる。
また、請求項5の画像形成装置においては、上記総画像形成枚数記憶手段には、互いに異なる設定可能な各画像形成条件毎の実験により求めた各画像形成条件下での総画像形成枚数が記憶される。また、上記画像形成履歴枚数記憶手段には、各画像形成条件毎の既に形成された画像形成履歴枚数が記憶される。そして、演算手段により、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数が演算される。これにより、例えば、使用される転写紙の紙種やサイズ、トナー粒径、及び温・湿度等の画像形成環境などの、互いに異なる設定可能な各画像形成条件が変化した場合でも、上記クリーニング装置6により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止して、該クリーニング装置6により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるようになる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、使用される転写材の種類やサイズ、及びトナーの粒径等による紙粉や凝集トナー塊等の異物の発生量の違いを考慮しながら、リサイクルトナーを無駄にすることなく、適正なトナーリサイクル量で常に安定した画像を形成することができるという優れた効果がある。
【0036】
請求項3の発明によれば、クリーニング手段により回収したトナー中に混入している凝集トナーや紙粉等の異物を除去することなく、該異物による異常画像の発生を防止することができる。また、該クリーニング手段により回収したトナーをリサイクルトナーとして有効に活用することができるので、該リサイクルトナーを無駄にすることなく、適正なトナーリサイクル量で常に安定した画像を得ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置としての複写機の全体的な構成を示す概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置のトナーリサイクル機構を有する画像形成部の概略構成図。
【図3】上記トナーリサイクル機構が非リサイクルモードの状態にある上記画像形成部の概略構成図。
【図4】上記トナーリサイクル機構のリサイクルモードと非リサイクルモードとの切り替え手順を示すフローチャート。
【図5】通紙枚数とトナーホッパ内の紙粉量との関係を示すグラフ。
【図6】通紙枚数とリサイクルトナー中の紙粉量との関係を示すグラフ。
【図7】リサイクルモードから非リサイクルモードに移行した際のトナーリサイクル経路内のトナー中に含まれる紙粉濃度の変化を通紙枚数との関係で示したグラフ。
【図8】本実施形態に係る他のトナーリサイクル機構を示す概略構成図。
【図9】本実施形態に係る更に他のトナーリサイクル機構を示す概略構成図。
【図10】図9に示すトナーリサイクル機構の概略断面図。
【図11】図9に示すトナーリサイクル機構のリサイクルモードと非リサイクルモードとの切り替え手順を示すフローチャート。
【図12】レジストローラから回収した紙粉量がxgに達したときの画像形成枚数と、シャッターの切り替えタイミングにおける画像形成枚数との関係を示すグラフ。
【図13】異常画像の一種であるひげ画像が発生した状態の転写紙のサンプルを示す概略図。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 現像装置
3a トナーホッパ
4 転写装置
5 レジストローラ
6 クリーニング装置
6a クリーニングブレード
6b 搬送スクリュー
7 トナー回収容器
10 トナーリサイクル機構
11 トナー搬送機構
11a 搬送パイプ
11b 搬送コイル
11a’ 開口部
12 搬送パイプ駆動源
20 紙粉取り装置
20a ケーシング
20b ブレード
20c フォトセンサ
30 露光装置
40 定着装置
P1、P2、P3 転写紙
S 転写位置
Claims (5)
- 像担持体上に形成した静電潜像を、現像手段により現像してトナー像化し、転写手段により該トナー像を転写材上に転写し、該転写材に転写されずに上記像担持体上に残留したトナーをクリーニング手段により回収する画像形成方法において、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、互いに異なる設定可能な各画像形成条件下での総画像形成枚数と、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した、各画像形成条件毎の画像形成履歴枚数とに基いて、
これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を算出し、
上記算出値が所定枚数以上の場合には上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻すリサイクルモードで画像形成を行い、
上記算出値が所定枚数未満の場合には、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さない非リサイクルモードで画像形成を行う画像形成方法であって、
上記非リサイクルモードの実行期間を、上記クリーニング手段により回収したトナーが全て一巡してトナー回収容器に廃棄されるのに要する時間に基づいて決定したことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1の画像形成方法において、
上記算出値が所定枚数未満になった時点で、上記クリーニング手段により回収されて上記現像手段に戻されつつある全てのトナーをトナー回収容器に廃棄するトナー廃棄モードを実行することを特徴とする画像形成方法。 - 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上に形成した静電潜像をトナーにより現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写により転写材に転写されずに上記像担持体上に残留したトナーを回収するクリーニング手段と、該クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを備えた画像形成装置において、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、予め実験により求めた総画像形成枚数を記憶する総画像形成枚数記憶手段と、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した画像形成履歴枚数を記憶する画像形成履歴枚数記憶手段と、
これから画像形成を開始する場合の、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を、上記総画像形成枚数と上記画像形成履歴枚数とに基いて算出する演算手段と、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻して画像形成を行うリサイクルモードと、
上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻さずに画像形成を行う非リサイクルモードとのうち、いずれのモードを実行するかを選択する選択手段と、を備え、
上記選択手段は、上記演算手段の算出値が所定枚数未満になった時点で、非リサイクルモードを選択し、非リサイクルモードが実行してから、上記クリーニング手段により回収し たトナーが全て一巡してトナー回収容器に廃棄されるのに要する時間に基づいて決定された時間経過したら、非リサイクルモードを選択することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
上記トナーリサイクル機構は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に搬送するトナーリサイクル経路と、廃棄トナーを収容するためのトナー回収容器に上記クリーニング手段により回収したトナーを搬送するトナー廃棄経路と、上記演算手段の算出値に基いて上記クリーニング手段により回収したトナーの搬送経路を上記トナーリサイクル経路と上記トナー廃棄経路との何れか一方に切替える搬送経路切替手段とを備え、
上記演算手段の算出値が所定枚数未満になった時点で、上記クリーニング手段により回収されて上記トナーリサイクル機構により上記現像手段に戻されつつある全てのトナーを上記トナー回収容器に廃棄するように、上記トナーリサイクル機構のトナー搬送経路を上記搬送経路切替手段により切替えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3又は4の画像形成装置において、
上記総画像形成枚数記憶手段に記憶させる総画像形成枚数は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めてから、該トナー中に混入した異物による異常画像が発生し始める直前までの間に形成することができる、互いに異なる設定可能な各画像形成条件下での実験により求めた各画像形成条件毎の総画像形成枚数とし、
上記画像形成履歴枚数記憶手段に記憶させる画像形成履歴枚数は、上記クリーニング手段により回収したトナーを上記現像手段に戻して、該トナーをリサイクルトナーとして使用し始めた後に既に形成した、上記各画像形成条件毎の画像形成履歴枚数とし、
上記演算手段は、これから画像形成を開始する画像形成条件での、上記異常画像が発生し始める直前までに形成することが可能な許容画像形成枚数を演算することを特徴とする画像形成装置。
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