JP3930446B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、詳しくは、複数の機能ブロックが設けられるシステムLSIにおいて、機能ブロックの1つであるメモリブロックが、ECC(Error Correcting Code)を用いた誤り訂正システムを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
メモリおよびロジック等を1つのシステムチップに集積し、1つのシステムを形成する、いわゆるシステムLSI(Large Scale Integrated Circuit)が知られている。システムLSIでは、メモリ回路、ロジック回路等の複数の機能ブロック(コア、マクロ、IP(Intellectual property))が半導体チップの上に設けられることにより、全体として所望のシステムが構築される。
【0003】
IPの1つであるメモリブロックの微細化に伴い、ソフトエラーが深刻な問題となっている。そこで、ソフトエラーによる問題を回避するために、ECCを用いた誤り訂正システム(以下、ECCシステム)を用いることが知られている。ECCシステムでは、メモリセルから読み出されたデータに加えて誤り訂正ビット(パリティビット)が設けられる。メモリブロック内の誤り訂正部は、誤り訂正ビットを用いて、データビットの誤りおよびその位置を検出し、誤り訂正された信号を送出する。
【0004】
また、IPの1つとしてBIST(Built In Self Test)ブロックが知られている。BISTブロックには、メモリブロックの動作テストに必要なプログラムが予め格納されている。BISTブロックは、このプログラムに従ってメモリブロック内の各メモリセルに対して自動でテスト(検査)を行い、このテストの結果(例えばメモリブロックの良否)を出力する。
【0005】
また、IPの1つとして、BISR(Built In Self Repair)ブロックが知られている。BISRブロックは、メモリブロックが冗長メモリセルを用いた救済システム(以下、冗長システム)を有する場合、BISTと同様の方法により不良のメモリセルの位置を判定し、この不良のメモリセルが冗長メモリセルと置換されるよう、メモリブロックを制御する。
【0006】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平4-349549号公報
【0008】
【特許文献2】
特公平6-175934号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記IPは、基板上に複数設けられることにより、所望のシステムを構築するべきものであるが、各IPの組み合わせによって問題を生じる場合がある。
【0010】
図4は、上記したような構成の、ECCシステムを有するメモリブロック1、BISTブロック2を組み合わせた際の構成を概略的に示している。図4に示すように、メモリブロック1内のメモリ部11は、BISTブロック2からの制御信号24に応じて、データビット信号21、訂正ビット信号22を誤り訂正部12に供給する。誤り訂正部12は、データビット信号21内の誤りの検出および訂正を行い、訂正が反映されたデータビットを含む信号23をBISTブロック2に供給する。BISTブロック2は、この信号23を用いて自己テストを行う。
【0011】
しかしながら、図4に示す組み合わせとすることにより、BISTブロック2は、ECCシステムにより誤り訂正(以下、ECC訂正)された信号23に対して検査を行う。このため、以下のような問題が生じる。
【0012】
メモリ部11が、ワード線1k本×ビット線1k本で構成された1Mbの容量を有する例について説明する。このメモリは、選択された1本のワード線と接続されたメモリセル中のデータのうち、128個のメモリセルからのデータビットの塊(以下、ワード)が、一度にメモリ部11の外部へ出力される構成であるとする。そして、ECC訂正が可能なビット数が、1ワード(=128ビット)において1ビットであり、メモリ部11において、製造上の不良により、ある1ビットが欠陥であるとする。この場合、この不良の1ビットを含むデータビット信号21において常に1ビットの誤りが生じるが、この誤りはECC訂正される。このため、BISTブロック2は、メモリ部11中に不良があるにも関わらず、メモリブロック1を良品と判定する。
【0013】
しかしながら、この誤り訂正されたビットを含むワードにおいて、ECC訂正がこれ以上行われないため、このワード中でソフトエラーが発生しても誤り訂正されない。このようなワード数が非常に大きくなると、その分、ソフトエラーによる誤りを訂正できるワード数が減少するため、全体としてメモリブロック1はソフトエラーに対する耐性が弱いものとなる。
【0014】
また、図5に示すように、冗長システムを有するメモリブロック3を用いて、BISTブロック2に代えBISRブロック4を用いた場合も同様の問題が生じる。すなわち、ECC訂正された不良のメモリセルは、BISRブロック4によるテストの結果、冗長システムによる救済の対象とならない。このため、メモリブロック3はソフトエラー耐性が弱いものとなる。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ECCシステムを有するメモリブロックをBISTブロックと併用した場合に、ECC訂正できる容量の多くがメモリブロックの製造上の不良の救済に使い尽くされることにより、メモリブロックのソフトエラー耐性が弱くなることを回避可能な半導体装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の視点による半導体装置は、データビットを記憶する第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有するメモリ部と、前記データビットの誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正し、誤りが訂正されたデータビットを含むデータ信号を出力するとともに前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する誤り訂正部と、前記データ信号および前記報知信号を供給され、且つ予め格納されたプログラムに基づいて前記データ信号を検査することにより前記メモリ部が不良であると判定した場合にその旨の第1判定信号を出力する、テスト部と、前記報知信号を供給された回数を計数して計数結果が予め決定された基準値以上となった場合にその旨の第2判定信号を出力するカウンタ部と、前記第1、第2判定信号のいずれかが供給された場合に前記メモリ部が不良であると判定する判定部と、を具備する。
【0017】
本発明の第2の視点による半導体装置は、データビットを記憶する複数の第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有するメモリ部と、前記第1メモリセルと置換され且つ置換された前記第1メモリセルに代わって前記データビットを記憶する複数の冗長メモリセルを有する冗長メモリ部と、制御信号に応じて不良の前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように信号の経路を形成する置換動作を行うリダンダンシ制御部と、複数の前記データビットからなるデータビット群中の誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正し、且つ誤りが訂正された前記データビット群を含む第1データ信号および前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する、誤り訂正部と、前記報知信号を監視し、且つ前記第1データ信号が誤りを訂正されたデータビット群を含む場合、その旨の情報が前記第1データ信号に付加された第2データ信号を出力する、判断部と、予め格納されたプログラムに基づいて前記第2データ信号を検査し、且つ前記第2データ信号中の前記データビット群中に誤りを発見した場合、誤りを有する前記データビットを記憶する前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように前記リダンダンシ制御部を制御する前記制御信号を出力する、テスト部と、を具備する。
【0018】
本発明の第3の視点による半導体装置は、データビットを記憶する複数の第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有し、且つ前記データビットを含む第1信号および前記誤り訂正ビットを含む第2信号を出力するメモリ部と、前記第1メモリセルと置換され且つ置換された該メモリセルに代わって前記データビットを記憶する複数の冗長メモリセルを有する冗長メモリ部と、制御信号に応じて不良の前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように信号の経路を形成する置換動作を行うリダンダンシ制御部と、前記第1信号および前記第2信号を供給され、且つ前記第1信号および第2信号をそのまま出力する第1モードと、且つ複数の前記データビットからなるデータビット群中の誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正して誤りが訂正された前記データビット群を含む第1データ信号および前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する第2モードと、を有する、誤り訂正部と、前記誤り訂正部の前記第1モードにおいて予め格納されたプログラムに基づいて前記第2データ信号を検査し、且つ前記第2データ信号中の前記データビット群中に誤りを発見した場合、誤りを有する前記データビットを記憶する前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように前記リダンダンシ制御部を制御する前記制御信号を出力する、テスト部と、を具備する。
【0019】
更に、本発明に係る実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0021】
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体装置を概略的に示す図である。図1に示すように、この半導体装置はシステムチップ(基板)CHを有し、システムチップCH上に複数の機能ブロックが設けられる。機能ブロックは、機能ブロックが形成されない領域(境界領域)により周囲を囲まれるように設けられる。換言すれば、半導体チップC上において、境界領域により複数の機能領域が相互に区画され、各機能領域内に各機能ブロックがそれぞれ形成されている。この機能ブロックとして、メモリブロックMB1、BISTブロックBTB1が設けられる。
【0022】
メモリブロックMB1は、メモリ部Mと誤り訂正部ECC1とを有する。メモリ部Mは、外部からの信号に基づいて所定のアドレスのメモリセルMCにデータを書き込み、また、メモリセルMCから情報を読み出す機能を有するように構成されている。典型的には、メモリセルアレイ、デコーダ、入出力制御回路(何れも図示せず)等を有する。メモリセルアレイは、ワード線Wと、ビット線Bとを有し、ワード線Wおよびビット線Bは格子状に配置される。ワード線Wとビット線Bとの各交点にはメモリセルMCが設けられる。
【0023】
メモリ部Mは、BISTブロックBTB1からの制御信号CNT1に応じて、所定の単位数(例えばNビット)のメモリセルMC内に記憶されたデータビット(データビット群)を含むデータビット信号S1を誤り訂正部ECC1に供給する。また、メモリ部Mは、例えばPビットの誤り訂正ビット(誤り訂正ビット群)を含む訂正ビット信号S2を誤り訂正部ECC1に出力する。誤り訂正ビット群は、データビット群内のデータの誤りを訂正するために用いられ、公知の種々の誤り訂正符号を用いることができる。なお、データビット群と誤り訂正ビット群とを連続させることにより、1つの信号とすることも可能である。
【0024】
データビット信号S1および訂正ビット信号S2は、誤り訂正部ECC1において、訂正部EC1に供給される。訂正部EC1は、誤り訂正ビット群をテストすることにより、データビット群内の誤りの有無、および誤りが有った場合はその位置を検出する。その後、誤りを訂正し、その訂正が反映されたNビットのデータビット群を含むデータ信号DT1を出力する。
【0025】
また、訂正部EC1は、ECC訂正する度に、信号S3を報知信号生成部CRGに供給する。報知信号生成部CRGは、信号S3が供給されると、ECC訂正が行われた旨の報知信号CRTを出力する。
【0026】
BISTブロックBTB1は、テスト部T1、カウンタ部C、判定部Dを有する。データ信号DT1は、BISTブロックBTB1においてテスト部T1に供給される。テスト部T1は、半導体装置のテスト時等に、外部からの信号に応じてテストモードへと移行する。テストモードにおいて、テスト部T1は、テスト部T1内に予め格納されたプログラムに応じて、制御信号CNT1を用いてメモリブロックを制御して、データ信号DT1のテストを行う。すなわち、例えば所定のビット群にデータを書き込み、次に書き込まれたデータを読み出して、読み出されたデータを検証することにより、メモリセルが正常に動作するか否かの判定を行う。このテストは、例えばNビットのデータビット群(1ワード)ごとに対して全てのメモリセルMCが網羅されるように順次行われる。テストの結果、予め設定された基準を満たすか否か等の検証を行うことにより、メモリブロックMB1が不良であると判断された場合、テスト部T1は、その旨の情報を含む第1判定信号S4を出力する。
【0027】
報知信号CRTは、BISTブロックBTB1においてカウンタ部Cに供給される。カウンタ部Cは、例えば可変のXビットカウンタにより構成され、報知信号CRTが供給された回数を計数し、例えば計数結果が上限に達した場合に、その旨の情報を含む第2判定信号S5が出力されるように構成される。
【0028】
カウンタ部Cの上限値は、例えば、要求されるソフトエラーレート(SER)の値を考慮して、ECC訂正できる容量(ECCシステムの容量)をソフトエラーに対してどの程度確保しておくべきかに応じて決定される。例えば、1M個のメモリセルを有する8kワード×128ビット(1ワード)の構成であるとする。この場合、カウンタ部Cの上限値を例えば100としておくと、8k−100ワード中でECC訂正が可能となる。ECC訂正の能力は、(8k−100)/8k=0.988倍と、ほとんど低下しないので十分なソフトエラー訂正が可能である。また、その他、要求される歩留りの値を考慮して決定することもできる。
【0029】
第1判定信号S4および第2判定信号S5は、判定部Dに供給される。判定部Dは、第1判定信号S4および第2判定信号S5のいずれかが供給された際にメモリブロックMB1が不良であることを示す信号S6を例えばテスタ等に出力する。判定部Dは典型的には、オア回路により構成することができる。
【0030】
本発明の第1実施形態に係る半導体装置によれば、BISTブロックBTB1は、メモリブロックMB1の誤り訂正部ECC1がECC訂正を行った回数を計数し、その計数結果が所定の値に達した場合に、メモリブロックMB1が不良である旨の信号S6を出力する。このため、メモリブロックMB1内において、製造上の不良を有するメモリセルMCの数が所定の値以上の場合、このメモリブロックMB1は不良と判定される。したがって、ECCシステムの容量の大半がメモリブロックMB1内の製造上の不良の救済に使い尽くされる前に、不良のメモリセルを多く含むメモリブロックMB1は不良と判定される。よって、ECCシステムの容量をソフトエラーの救済のために確保しておくことができ、この結果、ソフトエラー耐性の強い半導体装置を提供できる。
【0031】
また、例えば、最悪のケースとして、1ワード中1ビットのECC訂正が可能なECCシステムにおいて、あるI/Oに製造上の不良が生じている場合、このI/Oと接続された全てのメモリセルMCも正常に機能しない。従来のECCシステムの場合、各メモリセルMCは、自身が属するワードにおいてECC訂正されるため、自己テストの結果、メモリブロックは良品と判断される。しかしながら、このワードにおいてECCシステムの容量が使い尽くされてしまっているため、ソフトエラーに対して全く対応できない。これに対し、本発明の第1実施形態によれば、ECC訂正が行われた回数が設定数以上となると検査対象のメモリブロックMB1が不良と判定されるため、このようなメモリブロックMB1を排除することができる。
【0032】
(第2実施形態)
第1実施形態として、本発明がBISTブロックを用いた半導体装置に適用される例を示した。これに対して第2実施形態は、BISRブロックを用いた半導体装置の場合に関する。
【0033】
図2は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置を概略的に示す図である。図2に示すように、この半導体装置は、冗長システムを有するメモリブロックMB2、BISRブロックBRB1を有する。
【0034】
メモリブロックMB2は、第1実施形態のメモリブロックMB1と同様の構成のメモリ部Mおよび誤り訂正部ECC1に加え、冗長メモリ部RM、冗長システム制御部(リダンダンシ制御部)RCを有する。冗長メモリ部RM内の冗長メモリセルRMCは、不良のメモリセルMCと置換され、データを記憶する。冗長システム制御部RCは、制御信号CNT2およびアドレス信号ADRに応じて、不良のメモリセルMCが冗長メモリセルRCと置換されるように信号の経路を形成する。
【0035】
BISRブロックBRB1は、テスト部T2、格納部SR、判断部Jを有する。誤り訂正部ECC1からのデータ信号DT1および報知信号CRTはBISRブロック部BRB1に供給される。
【0036】
テスト部T2は、制御信号CNT1を用いて、第1実施形態のテスト部T1と同様の方法によりECC訂正されたデータビット群を含むデータ信号DT1に対してテストを行う。訂正部EC1からのデータ信号DT1および報知信号生成部CRGからの報知信号CRTは、BISRブロックBRB1において判断部Jに供給される。判断部Jは、報知信号CRTを用いて、供給されたデータ信号DT1がECC訂正されたものか否かの判断を行う。データ信号DT1が、ECC訂正されていた場合、判断部Jはその旨の情報がデータ信号DT1に付加されたデータ信号DT2を出力する。一方、ECC訂正されていない場合、データ信号DT1をそのまま出力する。すなわち、データ信号DT1は、ECC訂正されていないデータビット群を含む信号であり、データ信号DT2は、ECC訂正されたデータビット群を含む信号である。
【0037】
データ信号DT1およびデータ信号DT2は、テスト部T2に供給される。テスト部T2は、データ信号DT1およびデータ信号DT2に対して、第1実施形態と同様の方法によりテストを行う。テスト中に、データ信号DT1が供給された場合、テスト部T2は、通常のテスト動作を行う。
【0038】
データ信号DT2が供給された場合で、データ信号DT2内のデータビット群内に誤りが無い場合、テスト部T2はこの誤りを有するデータを記憶しているメモリセルMCを冗長システムの対象としない。すなわち、テスト部T2は、制御信号CNT2およびアドレス信号ADRを冗長システム制御部RCに供給しない。アドレス信号ADRは、不良のメモリセルMCのアドレス情報を含む信号である。制御信号CNT2は、アドレス信号ADRに基づいて、不良のメモリセルMCまたは不良のメモリセルを含むメモリセル群(以下、単にメモリセル群MC)を冗長メモリセルRMCまたは複数の冗長メモリセル群(以下、単に冗長メモリセル群RMC)と置換する旨の信号である。テスト部T2は、アドレス信号ADRを冗長システム制御部RCに供給しない代わりに格納部SRに供給し、格納部SRはその情報を格納する。テスト部T2は、データ信号DT1内の次のデータビット群に対してテストを行う。
【0039】
ECC訂正されたデータビット群内にさらに誤りが発見された場合、テスト部T2は、制御信号CNT2およびアドレス信号ADRを冗長システム制御部RCに供給する。冗長システム制御部RCは、制御信号CNT2およびアドレス信号ADRに応じて、不良のメモリセル群MCを冗長メモリセル群RMCと置換する置換動作を行う。その後、テスト部T2は、データ信号DT1内の次のデータビット群の検査に移行する。
【0040】
テスト部T2は、上記動作を繰り返すことにより、全てのメモリセルMCが網羅されるように、データビット群に対してテストを繰り返す。その結果、ECC訂正されてさらに誤りが発見されたメモリセル群MCの全てが冗長メモリセル群RMCと置換された上で、さらに使用可能な冗長メモリセル群RMCがある場合、次の段階に移行する。この段階では、テスト部T2は、格納部SRに格納されたアドレス情報を読み出し、制御信号CNT2を用いて、不良のメモリセル群MCを冗長メモリセル群RMCと順次置換する。この結果、不良のメモリセル群MCが全て置換された場合、または使用すべき冗長メモリセル群RMCがもはや残っていない場合、テスト部T2はメモリセル群MCの置換動作の制御を終了する。
【0041】
テスト部T2は、例えば、全ての置換動作が終了したが、不良のメモリセルが多く残っている場合等の所定の基準を満たさない場合、その旨の情報を含む第1判定信号S4を出力する。
【0042】
本発明の第2実施形態に係る半導体装置によれば、BISRブロックBRB1は、ECC訂正が行われた上でさらなる不良のメモリセルを含むメモリセル群MCを優先して冗長システムによる救済の対象とする。そして、このようなメモリセル群が全て冗長メモリセル群RMCと置換された上で使用可能な冗長メモリセル群RMCが残存している場合、ECC訂正の結果さらなる不良のメモリセルが発見されていないメモリセル群MCが冗長メモリセル群RMCと置換される。すなわち、ECCシステムで訂正しきれないメモリセル群MCがまず救済され、次に、ECCシステムによる訂正が可能なメモリセル群MCが救済される。したがって、ECC訂正では不十分であったメモリセル群MCが確実に救済されるとともに、冗長システムにより救済が可能な不良のメモリセル群MCがECC訂正されることを回避できる。よって、ECCシステムの容量が製造上の不良によるメモリセル群MCの救済に使われる割合を最小とし、ECCシステムの容量をソフトエラーの救済のために確保しておくことができる。
【0043】
なお、BISRブロックBRB1内に、第1実施形態と同様のカウンタ部Cおよび判定部Dを設け、第2実施形態に第1実施形態を加えた構成とすることもできる。
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態の誤り訂正部は、ECC訂正を行わないモードと、行うモードと、の間で切り換えられる。
【0045】
図3は本発明の第3実施形態に係る半導体装置を概略的に示す図である。図3に示すように、メモリブロックMB3は、第1実施形態と同様のメモリ部M、第2実施形態と同様の冗長メモリ部RMおよび冗長システム制御部RCを有する。また、誤り訂正部ECC2、BISRブロックBRB2が設けられる。
【0046】
誤り訂正部ECC2内の訂正部EC2は、イネーブル信号ENに応じて、ECC訂正を行わないモード(第1モード)と、行うモード(第2モード)と、に切り換えられる。第1モードでは、誤り訂正部ECC2は、メモリ部Mから供給されたデータビット信号S1および訂正ビット信号S2をそのままBISRブロックBRB2に供給する。
【0047】
一方、第2モードでは、誤り訂正部ECC2は、データビット群内の誤りを誤り訂正ビット群を用いて訂正し、訂正が反映されたデータ信号DT1をBISRブロックBRB2に供給する。
【0048】
BISRブロックBRB2は、第1実施形態と同様のカウンタ部Cおよび判定部Dを有するとともに、テスト部T3を有する。テスト部T3は、テスト部T2と同様の動作に加え、イネーブル信号ENを生成する機能を有する。
【0049】
テストの際、テスト部T3は、まずイネーブル信号ENを用いて誤り訂正部ECC2を第1モードとする。そして、データビット信号S1内のデータビット群および訂正ビット信号S2内の誤り訂正ビット群のそれぞれに対してテストが行われる。その結果、不良のメモリセルMCが検出された場合、このメモリセルMCが、テスト部T3および冗長システム制御部RCの制御により、冗長メモリセル群RMCと置換される。
【0050】
第1モードにおいて、全てのメモリセルMCに対して試験が行われた後、テスト部T3はイネーブル信号ENを用いて誤り訂正部ECC2を第2モードとする。誤り訂正部ECC2が第2モードの間、BISRブロックBRB2および誤り訂正部ECC2により第1実施形態と同様の処理が行われる。すなわち、テスト部T3が全てのデータビット群および誤り訂正ビット群をテストするとともに、カウンタ部CはECC訂正が行われた回数を計数する。この結果、テスト部T3が、メモリブロックMB3が不良であると判断した場合、またはカウンタ部Cによる計数結果が所定の上限に達した場合、判定部Dは信号S6を出力する。
【0051】
本発明の第3実施形態に係る半導体装置によれば、第1モードにおいて、ECC訂正されていないデータビット群および誤り訂正ビット群に対してテストが行われ、不良のメモリセル群MCが冗長メモリセル群RMCと置換される。このため、冗長システムにより救済できる不良のメモリセル群MCがECC訂正されることを回避し、ECCシステムの容量が、メモリブロックMB3内の製造上の不良の救済に使い尽くされてしまうことを回避できる。
【0052】
また、第1モードの後、第2モードに移行し、第2モードにおいて第1実施形態と同様の動作が行われる。このため、第1実施形態により得られる効果と同様に、ソフトエラー耐性の強い半導体装置を実現できる。
【0053】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、ECCシステムに対応可能なメモリブロックとBISTブロックとを併用した場合でもメモリブロックのソフトエラー耐性の強い半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る半導体装置を概略的に示す機能ブロック図。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る半導体装置を概略的に示す機能ブロック図。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る半導体装置を概略的に示す機能ブロック図。
【図4】 従来の半導体装置を概略的に示すブロック図。
【図5】 従来の半導体装置を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
CH…システムチップ、MB1、MB2、MB3…メモリブロック、M…メモリ部、RM…冗長メモリ部、RC…冗長システム制御部、MC…メモリセル、W…ワード線、B…ビット線、RM…冗長メモリセル、ECC1…誤り訂正部、EC1…訂正部、CRG…報知信号生成部、BTB…BISTブロック、BRB1、BRB2…BISRブロック、T1、T2、T3…テスト部、C…カウンタ部、D…判定部、J…判断部、S1…データビット信号、S2…訂正ビット信号、S3、S6…信号、S4…第1判定信号、S5…第2判定信号、DT1、DT2…データ信号、CRT…報知信号、CNT1、CNT2…制御信号、ADR…アドレス信号、EN…イネーブル信号。
Claims (11)
- データビットを記憶する第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有するメモリ部と、
前記データビットの誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正し、誤りが訂正されたデータビットを含むデータ信号を出力するとともに前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する誤り訂正部と、
前記データ信号を供給され、且つ予め格納されたプログラムに基づいて前記メモリ部に検査データを書き込んだ後に読み出された前記検査データを書き込んだ前記検査データと比較することにより前記メモリ部が不良であると判定した場合にその旨の第1判定信号を出力する、テスト部と、
前記報知信号を供給された回数を計数して計数結果が予め決定された基準値以上となった場合にその旨の第2判定信号を出力するカウンタ部と、
前記第1、第2判定信号のいずれかが供給された場合に前記メモリ部が不良であると判定する判定部と、
を具備し、前記カウンタ部の前記基準値が、前記誤り訂正部が誤りを訂正できる全容量から前記基準値に達するまで誤りが訂正されたことにより使用された容量を減じた容量によって、所望のソフトエラーレートを前記誤り訂正部が達成できるように決定されることを特徴とする半導体装置。 - 基板上で境界領域により相互に区画された第1、第2機能領域を有し、前記第1機能領域内に前記メモリ部と前記誤り訂正部とが形成され、前記第2機能領域内に前記テスト部と前記カウンタ部と前記判定部とが形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- データビットを記憶する複数の第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有するメモリ部と、
前記第1メモリセルと置換され且つ置換された前記第1メモリセルに代わって前記データビットを記憶する複数の冗長メモリセルを有する冗長メモリ部と、
制御信号に応じて不良の前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように信号の経路を形成する置換動作を行うリダンダンシ制御部と、
複数の前記データビットからなるデータビット群中の誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正し、且つ誤りが訂正された前記データビット群を含む第1データ信号および前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する、誤り訂正部と、
前記報知信号を監視し、且つ前記第1データ信号が誤りを訂正されたデータビット群を含む場合、その旨の情報が前記第1データ信号に付加された第2データ信号を出力する、判断部と、
予め格納されたプログラムに基づいて前記メモリ部に検査データを書き込んだ後に読み出された前記検査データを書き込んだ前記検査データと比較することにより前記第2データ信号を検査し、且つ前記第2データ信号中の前記データビット群中に誤りを発見した場合、誤りを有する前記データビットを記憶する前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように前記リダンダンシ制御部を制御する前記制御信号を出力する、テスト部と、
前記テスト部における前記検査の結果、前記第2データ信号中の前記データビット群中に誤りが発見されなかった場合、前記誤り訂正部により誤りを訂正された前記データビットを記憶している前記第1メモリセルのアドレス情報を格納する格納部と、
を具備することを特徴とする半導体装置。 - 基板上で境界領域により相互に区画された第1、第2機能領域を有し、前記第1機能領域内に前記メモリ部と前記冗長メモリ部と前記リダンダンシ制御部と前記誤り訂正部とが形成され、前記第2機能領域内に前記判断部と前記テスト部とが形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 前記格納部が前記第2機能領域内に形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 前記メモリ部は、全ての前記第1メモリセルが網羅されるように、前記第1メモリセルのそれぞれに記憶された複数のデータビットからなる複数のデータビット群を前記誤り訂正部に順次供給し、
前記誤り訂正部は、複数の前記データビット群に応じて、複数の前記第1データ信号を前記判断部に順次供給し、
前記判断部は、複数の前記第1データ信号に応じて、複数の前記第2データ信号を前記テスト部に順次供給し、
前記テスト部は、複数の前記第2データ信号を順次検査し、
前記リダンダンシ制御部は、前記テスト部が前記第2データ信号を順次検査した結果に応じて、前記置換動作を順次行う、
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。 - 前記リダンダンシ制御部による前記置換動作が全ての第2データ信号に応じて行われた後、使用可能な前記冗長メモリセルが残存している場合、前記リダンダンシ制御部は前記格納部に格納された前記アドレス情報に応じた前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように前記置換動作を行うことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- データビットを記憶する複数の第1メモリセルおよび誤り訂正ビットを記憶する第2メモリセルを有し、且つ前記データビットを含む第1信号および前記誤り訂正ビットを含む第2信号を出力するメモリ部と、
前記第1メモリセルと置換され且つ置換された該メモリセルに代わって前記データビットを記憶する複数の冗長メモリセルを有する冗長メモリ部と、
制御信号に応じて不良の前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように信号の経路を形成する置換動作を行うリダンダンシ制御部と、
前記第1信号および前記第2信号を供給され、且つ前記第1信号および第2信号をそのまま出力する第1モードと、且つ複数の前記データビットからなるデータビット群中の誤りを前記誤り訂正ビットを用いて訂正して誤りが訂正された前記データビット群を含む第1データ信号および前記誤りを訂正した際に報知信号を出力する第2モードと、を有する、誤り訂正部と、
前記誤り訂正部の前記第1モードにおいて予め格納されたプログラムに基づいて前記メモリ部に検査データを書き込んだ後に読み出された前記検査データを書き込んだ前記検査データと比較することにより前記第1信号を検査し、且つ前記第1信号中の前記データビット群中に誤りを発見した場合、誤りを有する前記データビットを記憶する前記第1メモリセルが前記冗長メモリセルと置換されるように前記リダンダンシ制御部を制御する前記制御信号を出力し、且つ前記誤り訂正部の前記第2モードにおいて予め格納されたプログラムに基づいて前記第1データ信号を検査することにより前記メモリ部が不良であると判断した場合にその旨の第1判定信号を出力するテスト部と、
前記報知信号を供給された回数を計数して計数結果が予め決定された基準値以上となった場合にその旨の第2判定信号を出力するカウンタ部と、
前記第1、第2判定信号のいずれかが供給された場合に前記メモリ部が不良であると判定する判定部と、
を具備することを特徴とする半導体装置。 - 基板上で境界領域により相互に区画された第1、第2機能領域を有し、前記第1機能領域内に前記メモリ部と前記冗長メモリ部と前記リダンダンシ制御部と前記誤り訂正部とが形成され、前記第2機能領域内に前記テスト部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
- 前記判定部が前記第2機能領域内に形成されることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
- 前記テスト部が、前記誤り訂正部の前記第1モードと前記第2モードとを切り換え制御するイネーブル信号を出力することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置。
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