JP3924322B2 - 有害ガス除去剤 - Google Patents

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聡則 井上
岳史 山下
秀孝 柴野
好行 冨山
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
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    • B01J20/06Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material comprising oxides or hydroxides of metals not provided for in group B01J20/04

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、オゾン(O3)などの有害ガスの除去剤に関し、特に、自動車トンネル、地下駐車場等からの換気排ガス等に含まれるCOやNOx、O3などの有害ガスを除去し、大気汚染を防止するために使用される有害ガス除去剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車トンネルや地下自動車駐車場、有害ガス発生機器を有する室内等からの換気排ガスは常温であり、NOx濃度が低く、瞬間的な濃度変動が大きい等、焼却設備等における煙道排ガスの性状とは大きく異なっている。このため、これら換気ガス中の有害ガスの除去には、煙道排ガスに対し従来から用いられている「チタニア(TiO2)を主成分とする脱硝触媒上でアンモニア(NH3)を還元剤として選択的に窒素(N2)まで還元する選択的触媒還元法(NH3還元脱硝法)」をそのまま適用することはできない。そのため、換気ガス中のNOxについては、これを適当なNOx吸着剤に通して一旦吸着させた後、加熱脱着させて高濃度のNOxを得、前記NH3還元脱硝法を適用することが考えられた。そして、かかる方法に用いられるNOx吸着剤としては、下記の様な吸着剤が知られている。
【0003】
(1)Na、Ca等の酸化物を含み、更にMn、Fe又はCu等の酸化物を含ませることより吸着活性を高めた活性アルミナ(Al23)系NOx吸着剤(特開平4−367707号公報)。
【0004】
(2)アナターゼ型TiO2よりなる担体にRu(ルテニウム)を担持させた低濃度NOx吸着剤(特開平5−123568号公報)。
【0005】
(3)Pt、Au、Ru、Rh及びPdから選ばれる少なくとも1種の貴金属、あるいはそれらの化合物を担体に担持させるか、あるいはそれらの貴金属成分とMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属酸化物とを、必要に応じて担体に担持させてなる、NOx、特にNO2を対象とした吸着剤(特開平7-88363号公報)。
【0006】
(4)比表面積が100m2/g以上のγ−MnO2-x(但し、0≦x≦0.1)を主成分とするNOx酸化吸着剤(特開平8−173796号公報)。
【0007】
また、常温でCOをCO2に酸化できる触媒としては、酸化銅及び酸化マンガンを主成分とする混合金属酸化物(ホプカライト)、PtやPdを担持させた活性炭やアルミナ等が知られており、更には、PdやPd化合物と活性二酸化マンガンの混合物(特公昭63−33419号公報)、アルミナ担体にPd塩、Cu塩およびNi塩を担持させたもの(特開昭60−7942号公報)等が知られている。
【0008】
更に、常温で使用可能なO3除去剤としては、MnやNiの酸化物と酸化アルミニウムを活性成分とする触媒(特開平6−154601号公報)、二酸化マンガン触媒(特開平7−246335号公報)、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物にアモルファス状の酸化マンガンと酸化パラジウムを担持させ、好ましくは更に銀、イリジウム、希土類金属及び/又は遷移金属の酸化物を含有させた触媒(特開平8−10619号公報)等が開示されている。
【0009】
また、COとO3を常温で同時に除去できる触媒としては、鉄、ニッケル、銅、マンガン等の遷移金属あるいはその酸化物を触媒活性成分とする成形体が知られている(特公平6−26671号)。
【0010】
ところが前記従来のNOx吸着剤(1)〜(3)には、各々下記の様な問題点がある。
【0011】
(1)の吸着剤はNOx吸着剤とされているが、実用的にはNO2に対する吸着能しか有していない。前記換気ガス等に含まれるNOxの大半はNOであり、NO2は一般に全NOx濃度の数〜10%程度を占めるに過ぎない場合が多い。そのため、(1)の吸着剤を用いる場合は、被処理ガスに予めオゾン(O3)を添加してNOをNO2に酸化する必要がある。このとき、O3の添加量が不足すると未酸化のNOが残り、十分なNOx除去性能が得られなくなる。逆にO3を過剰に添加すると、余剰のO3が有害ガスとして放出されることになる。またO3添加量の多少にかかわらず、処理装置からのO3漏洩の危険が否めない。しかも、この吸着剤に吸着させたNOxを脱着するには、450℃もの高温で処理しなければならない。
【0012】
(2)の吸着剤もNOx吸着剤とされているか、NOとNO2の区別は全くなされておらず、NOの吸着性能は不明である。またこの吸着剤も、脱着再生するのに350℃程度の高温処理を必要とする。
【0013】
(3)の吸着剤はNOに対する吸着能も有していると記載されているか、そのNO吸着能はNO2吸着能に比べて遥かに低い(性能持続時間が短い)。そのため前記(1)の吸着剤の場合と同様に、実用に際してはO3添加による予備酸化処理が必要となる。
【0014】
また、NOを一旦NO2にまで酸化してからでなければ実用的な除去性能を発揮しない吸着剤を使用し、NOの全量をNO2にまで酸化すると、吸着除去できなかったNO2が排出されることになる。自動車トンネルや地下駐車場の換気ガスの様な被処理ガス中のNO2濃度は、NO濃度に比べて低い場合が殆どであるので、NO2の吸着性能を非常に高くしなければ、NO2が殆ど減らなかったり、逆に増加することもあり得る。従って、環境基準で規制値が設定されている有害ガスであるNO2を除去すべき吸着剤としては、基本的に問題がある。
【0015】
更に、自動車トンネルや地下駐車場の換気ガスの様な被処理ガスの大部分にはイオウ酸化物(SOx)、即ち、二酸化イオウ(SO2)や三酸化イオウ(SO3)が含まれており、SOxの濃度は、一般にはNOxの濃度よりも低いが、多くの金属と蓄積性のイオウ化合物(硫酸塩等)を生成する。そして上記(1)、(2)、(3)の吸着剤とも、重金属酸化物や活性アルミナ、Ru化含物の様に、イオウ化合物を生成し易い金属を主体とするものであるから、SOxによる性能劣化(被毒)が問題となる。
【0016】
(4)の酸化吸着剤の場合、NOの大部分がNO2に酸化されて放出され、NOの一部が吸着されるだけであるため、下流側に別途NO2吸着部を設けなければならない。従ってこの場合も、上記(1)、(3)の吸着剤を用いる場合と同様に、NOx吸着性能を著しく高めなければ、満足のいくNOx除去効果を得ることができない。
【0017】
またCO除去触媒として用いられる前記ホプカライトは、常温におけるCO除去活性持続時間が短く、特に湿分の共存下でその傾向が著しいため、保管時の吸湿防止や使用時の事前乾燥処理などが必要となる。またPtやPdは、常温でCOを強く吸着してしまうため、それらの金属を担持させた触媒はCOによる被毒を受け易い。それを避けるため、例えば100℃以上の温度に加熱したり、担持濃度を数質量%にまで高めることが行なわれているが、何れにしても経済性が著しく損なわれる。
【0018】
特公昭63−33419号公報に記載された触媒は、活性二酸化マンガンの効果により、PtやPd化合物を不活性担体に担持させたものに較べると高いCO除去活性を有しているが、依然として常温におけるCO除去活性は不充分であり、しかも活性二酸化マンガンの活性が湿分の共存下で低下する。
【0019】
特開昭60−7942号公報に開示された触媒は、CO濃度が高くなるとPd塩が金属Pdにまで還元されて活性を失うため、100ppm以下程度の濃度までしか使用できない。しかも、高い除去活性を維持するには湿分の存在を必要とし、低湿度域では満足のいく除去活性が得られない。
【0020】
特開平6−154601号、同7−246335号および同8−10619号の各公報に開示された触媒は、特に高湿度域でのO3除去活性の持続時間が非常に短いといった問題も指摘される。また、特公平6−26671号公報に開示された触媒は、COおよびO3の両成分を同時除去できるという点で、いずれか一方の有害ガスしか除去できない他の触媒に較べると有用であるが、この触媒も、活性持続時間や高湿度域での活性不足、特にCO除去性能の低さが問題として指摘される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記の様な従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的は、NOx,CO,O3等の有害ガスの除去に用いられる吸着剤や触媒に指摘される前述の様な問題点を解消し、たとえば被処理ガス中のNOxの吸着除去に際しては、予め被処理ガスにO3を添加することなくNOxを効率よく除去することができ、またCOやO3の除去に際しては、高湿度域でも優れた除去活性を長時間持続し、更には、比較的低い温度で熱風再生することによって容易に繰り返し使用できると共に、被処理ガス中に含まれるSOxによる被毒も受けにくい有害ガス除去剤を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
【0023】
上記目的を達成することのできた本発明に係る有害ガス除去剤の構成は、Mn−Cu複合酸化物および/またはMn−Fe複合酸化物と、Ru化合物と、アルカリ金属化合物もしくはSn化合物とを含有するところに要旨があり、ここで用いられるアルカリ金属化合物としては特にカリウム化合物が好ましく、また該アルカリ金属化合物の除去剤全量中に占める好ましい含有量は、アルカリ金属換算で0.1〜6.0質量%の範囲、Sn化合物の好ましい含有量は、Sn換算で0.05〜5.0質量%の範囲であり、上記複合酸化物におけるMnの好ましい平均酸化数は3.5〜3.9の範囲、より好ましくは3.5〜3.8の範囲である。
【0024】
上記発明に必須成分として含まれるRu化合物の中でも特に好ましいのは塩化ルテニウムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、Mn酸化物とRu化合物を必須成分として含む参考発明の有害ガス除去剤について説明する。この除去剤は、Mn酸化物とRu化合物とを含み、前記Mnの平均酸化数が3.5〜3.9である除去剤であり、この除去剤は、含浸法や混練法等により製造することができる。例えば、Mnの平均酸化数が3.5〜3.9である粉体状のMn酸化物に、塩化ルテニウム水溶液を含浸させた後に乾燥する方法によって得ることができる。そしてこの除去剤は、被処理ガス処理装置内へ充填され、被処理ガス中のNOやNO2などのNOx、CO、O3等の除去剤として使用される。即ち、これらの除去剤を充填した後、該充填層に換気ガス等の被処理ガスを通してNOx、CO、O3等の除去処理が行なわれる。
【0026】
そうすると、例えばNOxの除去処理では、予め被処理ガスにO3を添加しなくても、NOxを吸着除去することができる。これは、次の様な理由による。即ち除去剤中のMn酸化物は、それが適切な酸化数を持つ場合には、常温でNOをNO2に酸化する能力を有しているが、NO2を吸着保持する能力が不足しているため、一部のNO2は吸着するものの、その多くは除去装置の出口側に放出され、特に被処理ガスの湿度が高い場合にはその傾向が顕著になる。ところが、Mn酸化物と共にRu化合物を共存させると、NO2の吸着性能が飛躍的に向上する。
【0027】
このため、Ru化合物を共存させない場合にはその下流側に配置する必要のあるNO2吸着剤(活性炭や疎水性ゼオライトなど)の必要性が大幅に軽減されるか、もしくは不要となる。
【0028】
こうしたRu化合物の作用効果は、NOx除去(吸着)処理後の除去剤から抽出された物質の紫外可視吸収スペクトルや赤外吸収スペクトルから判断すると、Ruのニトロシル錯体が生成することによると判断される。Ru化合物がニトロシル錯体を形成し易いことは、例えば、コットン・ウィルキンソン著、「化学(下巻)」、培風館、p.894(1973)にも記載されている通りであり、Ruが硝酸と共存すると、ニトロシル錯体が生成する。その生成の前提として、NOがNO2に酸化され、更に共存する水分と反応して硝酸イオン(NO3 -)が生成することが必要であり、事実、上記したRu化合物の効果は、被処理ガス中に水分が存在して初めて有効に発揮される。また、Ru化合物の有無による除去量(吸着量)の違いを、単純にニトロシル錯体の生成によると仮定すると、Ruの1原子当たり最高10分子程度のNO(又はNOに由来する物質)が保持されていることになり、説明がつかない。即ち、上記Ruのニトロシル錯体は、Ruの1原子当たり1〜6分子程度のNO(あるいはNO由来の生成物)しか配位しないはずである。それにもかかわらず、後述する如くNOx除去効果が著しく向上するのは、Ru化合物の共存によってMn酸化物自体のNO酸化能や吸着能が増大するものと考えざるを得ない。
【0029】
こうしたRu化合物の作用効果を有効に発揮させるには、Mn酸化物がNOをNO2に常温で酸化する能力を有することが前提であり、そのためには、どの様なMn酸化物であっても良いわけではなく、様々なMn酸化物を試作し、酸化触媒能を調べた結果、Mnが適切な酸化数を持つ必要があることが分かった。即ち、Mnに要求される酸化数は3.5〜3.9、より好ましくは3.5〜3.8の範囲であることが確認された。
【0030】
一方Mn酸化物のCOやO3に対する除去作用については、Ru化合物を共存させなくともある程度の効果が得られる。即ち、Mn酸化物のO原子がCOやO3に供与されてCOはCO2に酸化され、O3はO2に分解される。そして、該O原子を供与したMn酸化物は、空気中のO2からO原子の補給を受けて元のMn酸化物に戻る。これが繰り返されてCOやO3の除去反応が持続されると考えられるからである。しかし、どの様なMn酸化物であってもこれらの反応が実用的な速度で進行する訳ではなく、本発明者らが様々のMn酸化物についてCOやO3の除去性能を調べたところ、Mnが適切な酸化数、即ち3.5〜3.9、より好ましくは3.5〜3.8の範囲にあることが、COやO3の除去性能を高める上で極めて有効であること、しかもこうした酸化数を有するMnの酸化物をRu化合物と共存させると、COやO3に対する除去性能および除去活性持続性が更に向上すると共に、高湿度雰囲気下における除去率の低下も著しく緩和されることが確認された。
【0031】
ここでMn酸化物におけるMnの酸化数は、MnとO原子の存在比が分かれば、O原子の酸化数を−2とおくことによって、Mn酸化物全体の電荷(中性であれば±0)から計算によって求めることができる。Mn酸化物は不定比化合物であり、MnとOの原子数比は一定の整数値をとらない。更に特定のMn原子の周囲には、前記原子数比を上回るO原子が存在することもあるし、その逆の場合もあり得る。従って、個々のMn原子の酸化数も一定ではなく、計算されるMnの酸化数は、全Mn原子の酸化数の平均値となる。
【0032】
Mn酸化物におけるMnの平均酸化数は、試料に含まれる活性酸素(Fe2+をFe3+に酸化する能力を有する酸素)の含有量を、JIS M 8233(1982)に記載された硫酸鉄(II)分解過マンガン酸カリウム滴定法により求め、これとは別に、試料に含まれるMnの含有量をJIS G 1213(1981)に記載された過ヨウ素酸ナトリウム酸化吸光光度法によって求め、これらの値から下記式によって計算することができる。
【0033】
Mnの平均酸化数={4×(A×54.9/16.0)+2×[B−(A×54.9/16.0)]}/B(式中、Aは活性酸素の含有量:質量%、BはMnの含有量:質量%、54.9および16.0は、MnおよびOの原子量である)
【0034】
また前述の作用効果からして、NO2の吸着除去にMn酸化物は不必要の様に思われるが、実際には、NO2が水分と反応して硝酸イオン(NO3 -)が生成する際にNOが生成する(3NO2+H2O→2HNO3+NO)ので、そのNOを再度酸化するためにも、Mn酸化物の共存が有効となる。
【0035】
以上の様な機構に基づき、予め被処理ガスにO3を添加しなくても、NOx中のNOは、Ru化合物共存下の、適切な酸化数を有するMn酸化物により効率的に吸着除去され、NO2も、同一吸着剤によって効率よく吸着除去され、またCOやO3も効率よく分解除去されることになる。
【0036】
そしてこうした作用効果は、上記のことから分かる如く、Mn酸化物とRu化合物とが同一除去剤中に存在(共存)している場合に限って有効に発揮されるのであって、被処理ガスをMn酸化物からなる除去剤に通した後でRu化合物からなる除去剤に通すなど、Mn酸化物とRu化合物とを共存させない場合には、かかる作用効果は得られず、ましてやMn酸化物とRu化合物のいずれか一方しか存在しない場合には、かかる作用効果は得られない。
【0037】
即ち、参考発明であるMn酸化物とRu化合物とを共存せしめた有害ガス除去剤は、酸化数の特定されたMn酸化物とRu化合物との相乗効果によって優れた除去性能を発揮するのである。しかもこの除去剤は、こうした除去性能に加えて、比較的低い温度(例えば200℃程度)で熱風再生することによって、繰り返し使用できるという作用効果も発揮するのである。
【0038】
以下、その点について更に詳細に説明する。
【0039】
Mn(3価、4価)の酸化物がそれのみで、あるいはFeやCuとの複合酸化物の状態でNOの常温吸着能や酸化活性を有することが知られている(特開平5−154339号、特開平5−253474号公報)。しかしそれらの能力は十分でなく、未反応・未吸着のNOや、生成したNO2を後段で更に除去しなければ、満足のいく除去効果を得ることはできない。本発明および参考発明ではこうした欠点を改良し、NOやNO2等のNOxの吸着能やCO、O3等の除去効果を高めるため、Mnをベースとして、種々の元素との複合酸化物や種々の化合物の併用を試み、調製した試料の上記有害ガス除去性能等について克明に実験的検討を行なった。
【0040】
その結果、Mnの平均酸化数が3.5〜3.9、好ましくは3.5〜3.8、更に好ましくは3.6〜3.8であるMnの酸化物に、Ruを塩化物あるいは硝酸塩の状態で担持させると、NOやNO2の吸着性能が著しく向上すると共に、COやO3の酸化除去性能も大きく高まるという知見が得られた。ここで、Mnの平均酸化数はMn酸化物の酸化触媒能、および、それをペースとする除去性能の指標となし得る数値であり、平均酸化数が3.5未満では触媒能が低くなり過ぎ、Ru化合物と共存させても、実用的に十分な性能が発揮できなくなる。
【0041】
Mn酸化物のNOやCO、O3に対する酸化あるいは分解触媒能は、酸化物中のO原子がNOやCO、O3に供与されることと、空気中のO2からO原子が補給されて、酸化物が元の状態に戻ることが基本になっていると思われ、Mn酸化数が3.5未満では、O原子の供与が十分な速度で進まなくなるために、十分な性能が得られない。
【0042】
なお、Mnの酸化数は最高で7.0であるが、4.0を上回るMnの酸化物は安定には存在しないので、実際上の最高酸化数は4.0である。しかし、Mnの酸化数を高めるのに極めて有効なMn酸化物の製法[後述する(A)法]において、酸化数が3.8以上、とりわけ3.9を上回る酸化物を得るには、多量の酸化剤を用いて長時間の酸化処理を行なう必要があり、不経済であるばかりでなく、それによって得られる除去活性の向上効果もあまり認められないので、実用性を考えると酸化数は3.9以下で十分である。この様なところから、Mn酸化物とRu化合物を含む参考発明除去剤の、Mn酸化物におけるMnの平均酸化数は3.5〜3.9の範囲と定めた。
【0043】
該Mn酸化物におけるMnのより好ましい酸化数は3.5〜3.8の範囲である。即ち、Mnの平均酸化数が3.5付近を超すと除去性能の顕著な向上が認められ始め、3.6付近までは、酸化剤の増量や酸化処理時間の延長等によって平均酸化数を容易に高めることができ、それに伴って除去性能も向上してくる。更に3.8付近までは、除去性能の向上傾向は若干低下するものの、Mn平均酸化数の増大は比較的容易である。しかし、Mnの平均酸化数が3.8を超えるあたりから、平均酸化数の増大が困難になって酸化処理が著しくコスト高になるが、それにも拘らず除去性能の向上傾向は緩慢である。従って、格別高度な除去活性が求められる場合を除き、通常は、Mnの平均酸化数が3.5〜3.8の範囲から、求められる除去性能の程度に応じて平均酸化数を適宜設定することが望ましい。
【0044】
また本発明者らが更に研究を重ねたところによると、上記Mn酸化物に代えて、Mn−Cu複合酸化物またはMn−Fe複合酸化物を使用すると、Mn単独の酸化物を用いた場合よりも一段と優れた除去活性が得られることが確認され
【0045】
ここで複合酸化物とは、2種の金属酸化物の単純な混合物ではなく、O原子を介しての両金属の結合が形成された別種の酸化物である。
【0046】
上記複合酸化物は、代表的には次の様な共沈法によって製造することができる。即ち、2種の金属の塩を溶解した水溶液にアリカリを加え、両金属の水酸化物が分子スケールで混合した沈澱を生成させ、それを酸化することによって複合酸化物が得られる。この場合に、両金属の水酸化物の粉末あるいはスラリーを機械的に混合した程度では十分とは言えず、NOの酸化性能に大きな差が現れる。
【0047】
複合酸化物の効果は、次の理由に基づくと考えられる。即ち、複合酸化物とすることによって酸化物中のO原子が移動し易くなり、酸化物中のO原子の供与と、空気中のO2からO原子の補給が容易になるため、触媒能が向上するためと考えられる。
【0048】
尚、上記Mn−CuもしくはMn−Feよりなる複合酸化物を構成するMnの平均酸化数は特に制限されないが、好ましくは3.5〜3.9、より好ましくは3.5〜3.8の範囲が望ましい。その理由は、前記Mn酸化物の場合と同様、平均酸化数が3.5程度から除去活性が明らかに高くなる傾向が認められ、3.9を超えると、それ以上に平均酸化数を高めるのが困難になるばかりでなく、それに見合った除去率向上効果も得られ難くなるからである。
【0049】
ここで、CuとMnの複合酸化物におけるMnの含有量は、Mn/(Cu+Mn)(質量比)で0.15以上、より好ましくは0.45以上とすべきであり、0.15未満ではMn量の不足によりMn単独の酸化物よりも吸着性能が劣ることになる。但し、上記質量比が高くなり過ぎると、Cuとの複合効果が有効に発揮され難くなって吸着性能が低下傾向を示す様になるので、好ましくは0.95以下に抑えることが望ましい。同様に、FeとMnの複合酸化物におけるMnの含有量は、Mn/(Fe+Mn)(質量比)で0.1以上、より好ましくは0.3以上、好ましい上限は0.85である。
【0050】
本発明者らが更に研究を重ねたところ、前記Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物またはMn−Fe複合酸化物とRu化合物に加えて、更にアルカリ金属化合物もしくはSn化合物を配合し、必要によっては両者を併用することにより、有害ガス除去剤としての性能を更に高めることが可能となることが確認され、本発明を完成するに至った
【0051】
即ち、上記Mn酸化物や複合酸化物とRu化合物に加えてアルカリ金属化合物、好ましくはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等を適量併用すると、被処理ガス中に共存するSOxに対する除去剤の耐久性を高める効果が発揮されると共に、SOx除去性能を高めるという効果も得られる。即ち、Mn酸化物や前記複合酸化物は、SO2をSO3に酸化する活性も顕著であり、酸化により生成するSO3は、共存する水分と反応して硫酸が生成する。そして、考発明の除去剤中にアルカリ金属化合物を存在させておくと、容易に硫酸塩が生成するためMn酸化物の硫酸塩化が抑制され、しかも、SO3が硫酸アルカリとして除去されるため、SOxの吸着性能も高くなる。これに対し、アルカリ金属化合物が共存しない場合には、上記SO3によってMn酸化物や前記複合酸化物が徐々に硫酸塩化されるため、Mn酸化物や前記複合酸化物の触媒活性が減退する原因となる。即ち、アルカリ金属化合物は、被処理ガス中に混入することの多いSOxによる除去剤の被毒を抑制すると共に、SOx除去性能を高めるうえでも極めて有効となる。
【0052】
尚アルカリ金属化合物としては、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩が好ましいものとして例示され、また、該アルカリ金属化合物を構成するアルカリ金属の中でも特に好ましいのはカリウムである。該アルカリ金属化合物の除去剤中に占める好ましい含有量は、アルカリ金属換算で0.1〜6.0質量%であり、0.1質量%未満では有為な性能向上効果が発揮され難く、6.0質量%を超えて過度に配合してもそれ以上の向上効果は得られず、むしろ除去剤が吸湿し易くなって除去性能に悪影響を及ぼす傾向が生じてくる。この様な観点から、アルカリ金属化合物のより好ましい含有率は、アルカリ金属換算で0.5〜4.0質量%の範囲である。
【0053】
一方Sn化合物の場合は、Mn酸化物や前記複合酸化物およびRu化合物と共存させることによって耐酸性を高める効果があり、有害ガス除去処理を長時間継続した時の除去性能の低下を抑える作用を発揮する。またSn化合物は、イオウ化合物による被毒を抑制する効果も有しているので、被処理ガス中にSO2やSO3が含まれている場合の有害ガスの除去処理に極めて有効となる。Sn化合物としては塩化第1錫や塩化第2錫等が挙げられる。上記錫化合物の添加効果を有効に発揮させるには、除去剤中に占めるSn化合物の含有量をSn換算で0.05〜5.0質量%とすることが望ましい。0.05質量%未満では吸着性能や酸化触媒性能の向上効果が小さく、またこうした改質効果は5.0質量%で飽和し、それ以上に含有率を高めてもそれ以上の効果は得られないからである。この様な観点から、Sn化合物のより好ましい含有率は、Sn換算で0.1〜2質量%の範囲である。
【0054】
また場合によっては、上記アルカリ金属化合物とSn化合物の両方を配合し、両者の前記効果を有効に発揮させることも可能である。
【0055】
前記Ru化合物としては、特に塩化ルテニウムが望ましく、硝酸ルテニウムも効果の上で大差ないが、塩化ルテニウムに比べて高価であるので、経済性を考えると塩化ルテニウムが実用的である。なおRuは、金属状態で存在していても本発明および参考発明で意図する様な効果は発揮されず、Mn酸化物や複合酸化物のみの場合を上回る除去性能を示さないからである。特に本発明(または参考発明)除去剤をNOx除去剤として利用する場合、NOやNO2は前述の如くRuのニトロシル錯体として吸着するので、Ruは錯体を生成し得る状態で存在していなければならず、そのためには塩化物が最適であるのに対して、Ruが金属として存在していても錯体生成能を示さないからである。
【0056】
ところで、塩化ルテニウムは300℃程度以上では徐々に酸化される。また、Mn酸化物や前記複合酸化物は、300℃乃至350℃付近から次第にO原子を放ってMnの酸化数が低下し、酸化能が減退する。従って本発明および参考発明除去剤は、製造時においても又使用時においても、300℃以上の温度に曝さないことが望ましい。
【0057】
Ru化合物の含有量については、Ruの除去剤中に占める比率で0.05〜2.0質量%とすることが望ましい。0.05質量%未満では除去能向上効果が小さく、0.05質量%でその効果が大きくなるが、2.0質量%を超えて過度に含有量を多くしてもそれに見合った除去能向上効果が得られず、不経済であるからである。除去性能と経済性の両面から考えてより好ましいRu化合物の含有量は0.1〜1.0質量%の範囲である。
【0058】
前記Mn酸化物としては、Mnの水酸化物もしくは灰酸塩を、酸化性系内で酸化処理してなる酸化物であることが望ましい。こうした方法を採用すると、Mnの酸化数を容易に3.5以上に高めることができ、有害ガス除去性能をより効果的に高めることができるからである。ここで酸化性系とは、酸化剤を含ませた液相あるいは気相のことであり、代表的な酸化処理方法としては、次の(A)法及び(B)法が挙げられる。
【0059】
(A)法:過マンガン酸塩類や過硫酸塩類、過酸化水素の1種以上の酸化性物質を含む水溶液中にMnの水酸化物や炭酸塩を懸濁させ、撹袢しつつ所定時間保持した後、水洗、乾燥する方法。ここで、Mnの水酸化物を製造するには、Mnの硝酸塩や硫酸塩に水酸化アルカリを添加することによりMnの水酸化物を生成させればよく、その後で、上記酸化性物質を加えて反応させればよい。あるいは、Mnの硝酸塩や硫酸塩と水酸化アルカリを同時に上記酸化性物質に加えて反応させることも可能である。
【0060】
(B)法:O2含有気流中でMnの水酸化物もしくは炭酸塩を加熱処理する方法。
【0061】
上記(A),(B)法とも、Mn−Cu複合酸化物あるいはMn−Fe複合酸化物の場合は、共沈法によってMnとCuあるいはMnとFeと水酸化物の混合沈澱を生成させてから、上記Mn酸化物の製造における酸化処理法と同様にして複合酸化物に変えればよい。
【0062】
これらの方法によれば、Mnを高酸化数状態に移行させつつ酸化物または複合酸化物とすることができ、その過程で高表面積化と高細孔容積化も進み、より優れた除去活性を示すMn酸化物や前記複合酸化物が得られる。従って、酸化処理の出発原料のMn化合物として安価な低酸化数状態のものでも差し支えなく、その点で水酸化物や炭酸塩が一般的といえる。
【0063】
上記(B)法を実施する際の加熱処理は、200〜450℃、より好ましくは250〜400℃、更に好ましくは300〜350℃の範囲で、2〜10時間行なうことが望ましく、こうした加熱条件を採用することによって、比表面積の大きなMn酸化物や複合酸化物を得ることができる。上記の好適範囲を外れる低温・短時間の加熱処理では、空気からのO原子の導入が不十分となってMnの酸化数が十分に上がり難くなり、逆に高温・長時間の加熱処理条件を採用するとMn酸化物や複合酸化物からのOの脱離が起こり、Mnの酸化数が逆に低下する傾向が生じてくる。しかも、Cuを含む複合酸化物を製造する場合は、Cuがシンタリングを起こして比表面積や細孔容積の低下を招く恐れもでてくる。従って、Mnの酸化数、比表面積及び細孔容積を高め、その結果として高い除去能を得るには、前記(A)法の方が有利といえる。
【0064】
本発明および参考発明の除去剤の形状には特に制限がなく、押出成形法や打錠成形法によって顆粒状や錠剤としたり、押出成形法や抄紙法によってハニカム状とすることもでき、その成形法や形状は使用目的等に応じて適宜選択すればよい。除去剤の成形は、MnあるいはこれとCuやFeの水酸化物や炭酸塩を酸化物や複合酸化物にした後はどの段階で行ってもよいが、Ru化合物は高価な原料であるため、Mn酸化物や複合酸化物よりなる成形体の表面近傍に担持させることが好ましく、そのためにはRu化合物の担持前に成形処理を行うのがよい。いずれにしても、Ru化合物の担持後に高温焼成しない様な成形処理方法をとることが、有害ガス除去性能を高める上で重要となる。又、アルカリ金属化合物やスズ化合物を担持させる場合も、それらを成形体の表層側に存在させてその複合効果を有効に発揮させるため、成形体とした後に担持させることが望ましい。
【0065】
また本発明および参考発明の有害ガス除去剤は、前述の如く任意の形状構造の処理容器内へ充填して該充填層に適当な空間速度で被処理ガスを流し、該ガス中の前述の如き有害ガスを、吸着、酸化あるいは分解反応によって除去するものであり、該除去剤の性能は被処理ガスとの接触有効面積にも影響を受ける。こうした観点から、本発明および参考発明有害ガス除去剤は、その比表面積が70m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上、更に好ましくは120m2/gであるものが好ましい。
【0066】
尚本発明および参考発明の除去剤は、前述の如く換気ガス中に含まれるNO,NO2などのNOxやCO,O3等の有害ガスの除去に有効に活用され、そのうちNOxについては吸着剤として機能し、COやO3については酸化もしくは分解触媒として機能するもので、いずれも被処理ガス中の有害ガスを除去する機能を果たすものであるから、本明細書ではこれらを総称して「除去」もしくは「除去剤」と表わしている。
【0067】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0068】
[参考例1]
硝酸マンガン[Mn(NO32・6H2O]670gを5リットルのビーカ中に秤り取り、これに純水2リットルを加えた後、撹拌溶解して沈澱母液(A液)とした。一方、水酸化カリウム(KOH)137gを秤取し、純水1リットルを入れた2リットルのビーカ中に撹拌下に添加して溶解し、沈澱剤液(B液)を調製した。このA液及びB液を、純水1リットルを入れた5リットルのビーカ中に撹拌下に同時添加し、一定のpH下で水酸化マンガンの沈澱物を調製した。これと並行して、過マンガン酸カリウム(KMnO4)74gを2リットルのビーカに秤取し、これに純水2リットルを加えて撹拌溶解して過マンガン酸カリウム水溶液を得た。次に、この水溶液を前記水酸化マンガンの沈澱物に撹拌下に加えた後、60分間撹拌を継続し、水酸化マンガンを液相中で酸化処理した。次いで、得られたマンガン酸化物の沈澱物を濾過、水洗を繰返して不純物を除去し、水洗終了後、乾燥器中に移して、110℃×20時間の条件で乾燥した。しかる後、このマンガン酸化物を破砕して顆粒とし、滑沢剤としてグラファイトを少量加えて混合した後、打錠機によって直径1/8インチの錠剤とした。
【0069】
塩化ルテニウム1.39gを30ccの純水に溶解して塩化ルテニウム水溶液を得、これを前記マンガン酸化物の錠剤にスプレー法によって担持させた後、乾燥器で110℃×4時間の条件で乾燥することにより、参考例1の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:65.8質量%(以下、質量%を%という)、Ru:0.30%であり、比表面積は105m2/g、細孔容積は0.44cc/gであった。該除去剤中におけるMn酸化物のMnの平均酸化数は3.69であった。
【0070】
[参考例2]
参考例1において、水酸化マンガン沈澱物を液相中で酸化処理することなく濾過、水洗を繰返し、不純物除去後の沈澱物を乾燥器中で110℃×20時間乾燥した後、更に空気中で300℃×4時間熱処理した点、及び塩化ルテニウムの使用量を1.0gとした点以外は、参考例1と同様にして参考例2の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:68.4%、Ru:0.31%であり、比表面積は72m2/g、細孔容積は0.33cc/g、Mn酸化物におけるMnの平均酸化数は3.66であった。
【0071】
[比較例1、2]
参考例1における「塩化ルテニウムの担持」を行わなかった以外は、参考例1と同様にして比較例1の除去剤を得た。また、参考例2における「塩化ルテニウムの担持」を行わなかった以外は、参考例2と同様にして比較例2の除去剤を得た。これら比較例1、2の除去剤のMn酸化物におけるMnの平均酸化数はそれぞれ3.69、3.66であった。
【0072】
参考例3]
硫酸マンガン(MnSO4・5H2O)380gと硫酸銅(CuSO4・5H2O)125gを5リットルのビーカ中に秤り取り、これに純水2リットルを加えてから、撹拌溶解して沈澱母液(A液)とした。一方、水酸化ナトリウム(NaOH)230gを秤取し、純水1リットルを入れた2リットルのビーカ中に撹拌下にゆっくり添加し、NaOHを完全に溶解して沈澱剤液(B液)とした。次に、このA液を撹拌しつつ、これにB液を徐々に添加することにより水酸化マンガンと水酸化銅の共沈澱を生成させ、約60分でB液の添加を終了した。次いでこの共沈澱物を液相中で酸化処理するため、過硫酸アンモニウム[(NH4228]210gを純水に溶解して、2リットルとした水溶液を、該共沈澱物スラリー中に徐々に加え、撹拌下に60分間保持し、共沈澱物の液相酸化処理を行った。次いで、この酸化処理終了物を濾過、水洗を繰り返して複合酸化物中に含まれる不純物を除去し、水洗終了後、乾燥器中に移し、乾燥した。この乾燥物をアルミナゾル(日産化学社製、#200)と均一に混合しつつ必要に応じて水分調節を行い、湿式成形に適した水分状態とし、これをスクリュー式押出し機によって直径1/8インチの押出し品に成形した。成形処理終了後、乾燥器中で110℃×20時間乾燥して、マンガンと銅からなる複合酸化物の押出し品を得た。
【0073】
この押出し品に対し、参考例1と同様の塩化ルテニウム水溶液をスプレー法によって添着させ、次いで乾燥器中で110℃×4時間乾燥することによって、参考例3の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:53.9%、Cu:13.6%、Ru:0.29%、Al:2.8%であり、比表面積は154m2/g、細孔容積は0.43cc/g、複合酸化物中におけるMnの平均酸化数は3.70であった。
【0074】
参考例4、5]
参考例3における硫酸マンガン、硫酸銅、水酸化ナトリウムの使用量をそれぞれ238g、315g、233g又は95g、504g、217gに変えた以外は参考例3と同様にして参考例4、5の除去剤を得た。参考例4の除去剤の組成は、Mn:33.7%、Cu:34.2%、Ru:0.30%、Al:2.6%であり、比表面積は126m2/g、細孔容積は0.41cc/g、Mnの平均酸化数は3.72であった。参考例5の除去剤の組成は、Mn:13.4%、Cu:56.2%、Ru:0.29%、Al:2.7%であり、比表面積は120m2/g、細孔容積は0.40cc/g、酸化物中におけるMnの平均酸化数は3.71であった。
【0075】
参考例6]
参考例3において、沈澱剤として用いた水酸化ナトリウム230gに代えて水酸化カリウム323gを使用し、沈澱物の液相酸化処理に用いた過硫酸アンモニウム210gに代えて過マンガン酸カリウム74gを用いた以外は、参考例3と同様にして参考例6の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:53.3%、Cu:11.0%、Ru:0.29%、Al:4.4%であり、比表面積は168m2/g、細孔容積は0.47cc/g、Mnの平均酸化数は3.72であった。
【0076】
参考例7、8]
参考例3において塩化ルテニウムの使用量(1.39g/純水30cc)を0.47g又は2.78gとした以外は、参考例3と同様にして参考例7、8の除去剤を得た。参考例7の除去剤の組成は、Mn:51.8%、Cu:12.9%、Ru:0.10%、Al:2.5%であり、比表面積は158m2/g、細孔容積は0.45cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。参考例8の除去剤の組成は、Mn:51.2%、Cu:13.5%、Ru:0.59%、Al:2.7%であり、比表面積は147m2/g、細孔容積は0.40cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0077】
参考例9]
参考例3における塩化ルテニウム水溶液に代えて硝酸ルテニウム水溶液(Ru:4.5%)を用いた以外は、参考例3と同様にして参考例9の除去剤を得た。
【0078】
但し、該溶液の押出し品へのスプレー量は20ミリリットルとした。この除去剤の組成は、Mn:54.3%、Cu:14.0%、Ru:0.26%、Al:2.8%であり、比表面積は160m2/g、細孔容積は0.45cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。
【0079】
参考例10]
参考例3における水酸化マンガンと水酸化銅の共沈澱物を、液相中酸化処理をせずに、濾過、水洗、乾燥した後、空気中で350℃×4時間の熱処理をした以外は、参考例3と同様にして参考例10の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:55.0%、Cu:14.2%、Ru:0.30%、Al:2.8%であり、比表面積は89m2/g、細孔容積は0.36cc/g、Mnの平均酸化数は3.66であった。
【0080】
[実施例11、12]
参考例3における液相酸化処理済みの複合酸化物を押出し成形する前の湿式混練の時に、炭酸カリウム:3.0gを添加し(実施例11)、また、塩化ルテニウムを添着させる際の塩化ルテニウム水溶液に、塩化第一スズ(SnCl2)5.0gを添加し(実施例12)、それ以外は、参考例3と同様にして実施例11、12の除去剤を得た。実施例11の除去剤の組成は、Mn:53.2%、Cu:13.1%、Ru:0.29%、K:0.73%、Al:2.6%であり、比表面積は135m2/g、細孔容積は0.38cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。また、実施例12の除去剤の組成は、Mn:50.9%、Cu:13.8%、Ru:0.30%、Sn:0.98%、Al:2.7%であり、比表面積は148m2/g、細孔容積は0.41cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0081】
[比較例3、4]
参考例3における押出し品への塩化ルテニウムの添着担持を行わなかった以外は、参考例3と同様にして比較例3の除去剤(押出し品)を得た。該除去剤の組成は、Mn:52.8%、Cu:13.4%、Al:2.8%であり、比表面積は150m2/g、細孔容積は0.44cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。参考例10における押出し成形物への塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は、参考例10と同様にして比較例4の除去剤を得た。該除去剤の組成は、Mn:54.0%、Cu:13.5%、Al:2.5%であり、比表面積は92m2/g、細孔容積は0.38cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0082】
参考例13]
硫酸マンガン143gと硫酸第1鉄(FeSO4・7H2O)487gを5リットルのビーカに秤取し、純水2リットルを加えた後、撹拌溶解して沈澱母液(A液)とした。一方、炭酸ナトリウム303gを秤取し、純水1リットルを入れた2リットルのビーカ中に撹拌下に添加して溶解し、沈澱剤液(B液)とした。次に、B液を撹拌しつつ、これに上記で得たA液を添加し、マンガンと鉄の塩基性炭酸塩からなる共沈澱を生成させ、約60分でB液の添加を終了した。次いで共沈澱物スラリーを撹拌しつつ、これに過硫酸アンモニウム210gを純水で希釈した水溶液2リットルを加え、撹拌下に60分間保持し、共沈澱物の液相酸化処理を終了し、マンガンと鉄の複合酸化物スラリーを得た。このスラリーを濾過、水洗、乾燥した後、破砕して顆粒とし、これにグラファイトを少量添加して混合した後、打錠機によって直径1/8インチの錠剤とした。次に、この錠剤に対し、参考例1と同様の方法で、塩化ルテニウムを担持させ、参考例13の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:21.1%、Fe:44.6%、Ru:0.31%であり、比表面積は122m2/g、細孔容積は0.38cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。
【0083】
参考例14、15]
参考例13における硫酸マンガン、硫酸第1鉄、炭酸ナトリウムの使用量をそれぞれ48g、626g、287g又は333g、210g、317gとした以外は、参考例13と同様にして参考例14、15の除去剤を得た。前者の組成は、Mn:7.5%、Fe:62.4%、Ru:0.30%であり、比表面積は104m2/g、細孔容積は0.35cc/g、Mnの平均酸化数は3.73、後者の組成は、Mn:53.2%、Fe:20.8%、Ru:0.31%であり、比表面積は118m2/g、細孔容積は0.37cc/g、Mnの平均酸化数は3.71であった。
【0084】
参考例16、17]
参考例13における塩化ルテニウム使用量を0.82g又は3.08gとした以外は、参考例13と同様にして参考例16、17の除去剤を得た。前者の組成は、Mn:23.4%、Fe:49.0%、Ru:0.18%であり、比表面積は127m2/g、細孔容積は0.39cc/g、Mnの平均酸化数は3.73、後者の組成は、Mn:22.9%、Fe:48.5%、Ru:0.68%であり、比表面積は116m2/g、細孔容積は0.36cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。
【0085】
参考例18]
参考例13におけるマンガンと鉄の塩基性炭酸塩共沈澱物を、液相中での酸化処理を行うことなく、濾過、水洗、乾燥し、空気中で300℃×4時間の熱処理をした以外は、参考例13と同様にして参考例18の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:23.6%、Fe:49.4%、Ru:0.30%であり、比表面積は113m2/g、細孔容積は0.35cc/g、Mnの平均酸化数は3.67であった。
【0086】
[実施例19、20]
参考例13におけるマンガンと鉄の複合酸化物の乾燥物を使用し、打錠成形する方法に代えて、破砕したものにシリカゾル(日産化学社製、スノーテックス−30)を加えて混練すると共に炭酸カリウム2.0gを添加し、その後、参考例3と同様にして押出し成形してから、乾燥し、マンガンと鉄の複合酸化物押出し品を得た。これに、参考例1と同様の方法で塩化ルテニウムを担持させて実施例19の除去剤を得た。又、上記炭酸カリウム添加をせず、更に塩化ルテニウム担持の際に、塩化ルテニウム水溶液中に塩化第一スズ4gを添加したものについても同様にして、実施例20の除去剤を得た。実施例19の除去剤の組成は、Mn:21.4%、Fe:44.8%、Ru:0.30%、K:0.51%、Si:2.6%であり、比表面積は118m2/g、細孔容積は0.37cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。実施例20の除去剤の組成は、Mn:21.6%、Fe:44.3%、Ru:0.31%、Sn:0.82%、Si:2.8%であり、比表面積は122m2/g、細孔容積は0.40cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。
【0087】
[比較例5、6]
参考例13における成形物(錠剤)への塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は、参考例13と同様にして比較例5の除去剤(錠剤)を得た。この除去剤の組成は、Mn:20.4%、Fe:43.7%であり、比表面積は114m2/g、細孔容積は0.35cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。また、参考例18における成形物への塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は、参考例18と同様にして比較例6の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:22.8%、Fe:48.7%であり、比表面積は115m2/g、細孔容積は0.36cc/g、Mnの平均酸化数は3.73であった。
【0088】
[性能評価実験1]
上記の参考例1〜10、13〜18、実施例11、12、19、20及び比較例1〜6の除去剤を「水冷ジャケット及び加熱ヒータを取り付け、一定温度での除去と一定温度での再生をできる様にしたステンレス鋼製除去管」に充填し、次の条件と方法でNOx除去性能を測定した。即ち、「除去剤充填量:16.0cm3(充填高さ:6.0cm)、供給ガス組成:NOx合計5.0ppm(内訳−NO:4.5ppm、NO2:0.5ppm;空気バランス)、供給ガス流量:5.2N1/min(空間速度:20000h-1)、除去温度:35℃、除去湿度:60%(相対湿度)、除去時間12時間」の条件でガスを流し、除去管出口のNO濃度とNOx濃度(即ちNO+NO2濃度)を、化学発光式分析計で連続測定した。そして、各除去剤について12時間の平均NOx除去率と12時間の平均NO2放出率を、下記式によって計算して求めた。その結果を表1及び2に示す。
【0089】
平均NOx除去率=(1−出口平均NOx濃度/入口NOx濃度)×100(%)
平均NO2放出率=(出口平均NO2濃度/入口NOx濃度)×100(%)
【0090】
[性能評価実験2]
参考例3及び実施例12の除去剤を上記性能評価実験1で用いた除去管に充填し、性能評価実験1と同様の方法でNOxの除去と、それに続く加熱脱着操作を10回繰り返した。このとき、加熱脱着は、「供給ガス:乾燥空気、供給ガス流量:1.5N1/min、再生温度:200℃、再生時間:4時間」という条件で行った。そして、各除去剤について、毎回12時間の平均NOx除去率、12時間の平均NO2放出率を、性能評価実験1と同様にして求めた。その結果を表3に示す。
【表1】
Figure 0003924322
【表2】
Figure 0003924322
【表3】
Figure 0003924322
【0091】
[比較例7、8および参考例21、22、23]
前記参考例1において、過マンガン酸カリウムの秤取量を、15g、30g、45g、60gおよび120gとした以外は前記と同様にして、比較例7、8及び参考例21、22、23の除去剤を得た。Mnの平均酸化数は、それぞれ3.27、3.40、3.51、3.62および3.78であった。尚、参考例1の有害ガス除去剤におけるMnの平均酸化数は、前述の通り3.69であった。
【0092】
[性能評価実験3]
上記参考例1、21、22、23および比較例7、8の有害ガス除去剤を使用し、性能評価実験1で採用したのと同じ方法でNOx除去性能を比較した。結果は表4に示す通りであり、酸化数が3.5を上回る付近から急激に除去性能が向上し、3.6付近から除去性能の向上は少なくなり、3.7付近でほぼ飽和状態に達している。
【表4】
Figure 0003924322
【0093】
参考例24]
前記参考例3における「硫酸マンガン380gと硫酸銅125g」に代えて硫酸マンガン380gを使用し、それ以外は前記参考例3と同様にして液相中で酸化処理を行ない、濾過・水洗・乾燥の後、ボールミルで粉砕してMn酸化物の微粉末を得た。また、硫酸マンガン380gに代えて硫酸銅125gを用いた以外は上記と同様にしてCu酸化物の微粉末を得た。
【0094】
得られたMn酸化物とCu酸化物の微粉末を、MnおよびCu換算の質量比が前記参考例3と同じになる様にニーダーを用いて混合し、以後は前記参考例3と同様の方法で直径1/8インチの押出し品に成形し、更に、塩化ルテニウムを添着させることにより、参考例24の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:54.2%、Cu:13.7%、Ru:0.30%、Al:2.7%であり、比表面積は146m2/g、細孔容積は0.45cc/g、Mnの平均酸化数は3.74であった。
【0095】
[性能評価実験4]
上記参考例24の除去剤を使用し、性能評価実験1と同様の方法でNOx除去性能を比較した。その結果は表5に示す通りであり、同様の組成と物性を有する参考例3の複合酸化物からなる除去剤(Mnの平均酸化数:3.70)に較べると、NOx除去性能がやや低い。
【表5】
Figure 0003924322
【0096】
参考例25、26、27、28および比較例9]
前記参考例3における硫酸マンガン−硫酸銅−水酸化ナトリウムの使用量を、460g−0g−220g,420g−60g−220g,340g−180g−220g,40g−550g−220g、および0g−600g−220gに変更し、それ以外は前記参考例3と同様の方法で、参考例25、26、27、28および比較例9の除去剤を得た。これらの除去剤におけるMn/(Mn+Cu)質量比は、それぞれ順番に1.0,0.92,0.67,0.08および0.0であった。又、Mnを含む除去剤である参考例25、26、27、28におけるMnの平均酸化数は、それぞれ順番に3.75、3.74、3.71、3.73であった。
【0097】
[性能評価実験5]
上記参考例3、4、5、25、26、27、28および比較例9の除去剤を使用し、前記性能評価実験1と同様にしてNOx除去性能を比較した。結果は表6に示す通りであり、Mn/(Mn+Cu)質量比が小さ過ぎても、大き過ぎても、性能は低くなる傾向が見られる。
【表6】
Figure 0003924322
【0098】
参考例29、30、31および比較例10]
前記参考例13における硫酸マンガン−硫酸第1鉄−炭酸ナトリウムの各使用量を、505g−0g−300g,425g−110g−300g,25g−650g−300g、および0g−680g−300gに変更した以外は、前記参考例3と同様にして、参考例29、30、31および比較例10の有害ガス除去剤を得た。これら各除去剤におけるMn/(Mn+Fe)質量比は、順番に1.0,0.84,0.07および0.0であった。又、Mnを含む除去剤である参考例29、30、31におけるMnの平均酸化数は、それぞれ順番に3.71、3.72、3.72であった。
【0099】
[性能評価実験6]
上記参考例13、14、15、29、30、31および比較例10の除去剤を使用し、前記性能評価実験1と同様の方法でNOx除去性能を比較した。結果は表7に示す通りであり、Mn/(Mn+Fe)質量比が小さ過ぎても、大き過ぎても除去性能は低くなる傾向がうかがわれる。
【表7】
Figure 0003924322
【0100】
[実施例32、33、34、35、36、37、38]
前記参考例3における、液相酸化処理済み複合酸化物を押出し成形する前の湿式混練の際に、炭酸カリウムを0.5g、2.0g、12.0g、18.0gおよび24.0g添加した。この点以外は前記参考例3と同様にして、実施例32、33、34、35、36の除去剤を得た。これらの除去剤におけるカリウムの含有量は、夫々順番に0.12%、0.47%、2.9%、4.4%および5.7%であった。また、炭酸カリウムに代えて無水炭酸ナトリウムを2.3gおよび9.2g添加した以外は、前記参考例3と同様にして実施例37および38の除去剤を得た。これらの除去剤におけるナトリウムの含有量は、それぞれ0.58%および3.4%であった。又、実施例32、33、34、35、36、37、38の除去剤におけるMnの平均酸化数は全て3.70であった。
【0101】
[性能評価実験7]
前記参考例3(カリウム含有量:0.0%)、および実施例11(カリウム含有量:0.73%)、32、33、34、35、36、37、38の除去剤を使用し、夫々のNOx除去性能を調べた。性能評価に当たっては、供給ガス流量を15.6N1/min(空間速度:60,000h-1)に代えた以外は、前記性能評価実験1の方法と同様とした。結果は表8に示す通りであり、実施例35と38は、物質量ベースでほぼ同量のカリウムあるいはナトリウムを含んでいるが、NOx除去性能は、カリウムを含むものの方が優れていることが分かる。
【表8】
Figure 0003924322
【0102】
[性能評価実験8]
前記参考例3、並びに実施例11及び12の除去剤について、NOx除去性能を比較した。
性能評価に当たっては、2.0ppmのSO2を更に添加し且つ吸脱着の繰り返しを5回に変更した以外は、前記性能評価実験2と同様とした。結果は表9に示す通りであり、スズ化合物を添加していない参考例3の除去剤の除去性能は大きく低下したのに対して、スズ化合物を添加した実施例12の除去剤の除去性能の低下は軽微である。また、カリウム化合物を添加した実施例11は除去性能が全体的に向上している。これは、スズ化合物やカリウム化合物によりSO2の影響を受け難くなったためであると考えられる。
【表9】
Figure 0003924322
【0103】
[参考例39]
硫酸マンガン(MnSO4・5H2O)520gを5リットルのビーカに秤り取り、これに純水2リットルを加えたのち、撹袢溶解して沈殿母液(A液)とする。一方、水酸化ナトリウム(NaOH)230gを秤り取り、純水1リットルを入れた2リットルのビーカ中に、撹拌下に添加して溶融し、沈殿剤液(B液)を調製した。このA液を撹拌しつつ、これにB液を徐々に添加することによって水酸化マンガン沈殿物を得た。
【0104】
これと並行して、過硫酸アンモニウム((NH4228)210gを2リットルのビーカに秤り取り、これに純水2リットルを加えて撹拌溶解した。次に、この過硫酸アンモニウム水溶液を前記水酸化マンガン沈殿物に撹拌下に徐々に添加した後、60分間撹拌を継続し、水酸化マンガンを液相で酸化処理した。次いで、得られたマンガン酸化物について、濾過、水洗を繰り返して不純物を除去してから、乾燥した後、アルミナゾル(日産化学社製、#200)と均一に混合させつつ水分調節を行い、スクリュー式押し出し機によって直径1/16インチの押し出し品に成形し、次いで乾燥器中で110℃×20時間乾燥して、Mn酸化物の円柱状押し出し品を得た。
【0105】
塩化ルテニウム(RuCl3)1.39gを30ccの純水中に溶解し、これを前記円柱状マンガン酸化物にスプレー法によって担持させ、次いで乾燥器中で110℃×20時間乾燥することによって、参考例39の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:61.9%、Ru:0.30%、Al:3.2%であり、比表面積は137m2/g、細孔容積は0.41cc/g、Mnの平均酸化数は3.72であった。
【0106】
[比較例11]
参考例39において、塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は同様の方法にて比較例11の除去剤を得た。この除去剤におけるMnの平均酸化数は3.72であった。
【0107】
[参考例40]
参考例39において、過硫酸アンモニウムを添加することなく、水酸化マンガン沈殿物を直ちに濾過、水洗し、不純物除去後の沈殿物を乾燥器中で110℃×20時間乾燥した後、更に空気中で300℃×4時間熱処理した後に粉砕し、これをアルミナゾルと均一に混合させた点以外は同様の方法で、参考例40の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:64.3%、Ru:0.32%、Al:2.9%であり、比表面憤は94m2/g、細孔容積は0.32cc/g、Mnの平均酸化数は3.66であった。
【0108】
[比較例12]
参考例40における「空気中で300℃×4時間熱処理」に代えて「窒素中で300℃×4時間熱処理」を行った点以外は同様の方法によって、比較例12の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:66.2%、Ru:0.31%、Al:2.7%であり、比表面積は68m2/g、細孔容積は0.27cc/g、Mnの平均酸化数は3.15であった。
【0109】
参考例41]
硫酸マンガン520gの代わりに、硫酸マンガン380gと硫酸銅(CuSO4・5H2O)125gを用いることによって、Mn酸化物の代わりに、MnとCuからなる複合酸化物を得た以外は参考例39と同様にして、参考例41の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:53.9%、Cu:13.6%、Ru:0.29%、Al:2.8%であり、比表面積は154m2/g、細孔容積は0.43cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0110】
[比較例13]
参考例41において、塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は同様の方法で比較例13の除去剤を得た。この除去剤におけるMnの平均酸化数は3.70であった。
【0111】
参考例42]
硫酸マンガン520gの代わりに、硫酸マンガン135gと硫酸第1鉄(FeSO4・7H2O)500gを用いることによって、Mn酸化物の代わりに、MnとFeからなる複合酸化物を得た以外は参考例39と同様の方法で、参考例42の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:19.9%、Fe:43.5%、Ru:0.32%、Al:2.9%であり、比表面積は117m2/g、細孔容積は0.37cc/g、Mnの平均酸化数は3.75であった。
【0112】
[比較例14]
参考例42において、塩化ルテニウムの担持を行わなかった以外は同様の方法で比較例14の除去剤を得た。この除去剤におけるMnの平均酸化数は3.75であった。
【0113】
[実施例43]
参考例41における押し出し成形時に、アルミナゾルと共に炭酸カリウム(K2CO3)6.0gを添加した以外は同様の方法により、実施例43の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:52.7%、Cu:13.3%、Ru:0.30%、K:1.57%、Al:2.9%であり、比表面積は146m2/g、細孔容積は0.44cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0114】
[実施例44]
参考例41における押し出し成形時に、アルミナゾルと共に塩化第1スズ(SnCl2)5.0gを添加した以外は同様の方法により、実施例44の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:51.5%、Cu:12.7%、Ru:0.31%、Sn:0.93%、Al:3.0%であり、比表面積は140m2/g、細孔容積は0.39cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0115】
[性能評価実験9]
上記参考例39〜42、実施例43、44及び比較例11〜14の除去剤を、水冷ジャケットを取り付けて一定温度でCOの除去操作できる様にしたステンレス鋼製反応管に充填し、次の条件及び方法でCO除去性能を測定した。即ち、「除去剤充填量:32cm3(充填高さ:12cm)、供給ガス組成:CO,20ppm、02,20%、N2,80%、温度:35℃、相対湿度:15%または60%、供給ガス流量:5.2Nリットル/min(空間速度:10000h-1)」の条件でガスを流し、反応管入・出口のCOとCO2の濃度を非分散型赤外線分析計で測定した。
【0116】
COの除去率{=(出口CO2濃度/入口CO濃度)×100[%]}の経時変化を、表10(相対湿度:15%)および表11(相対湿度:60%)に示す。
【表10】
Figure 0003924322
【表11】
Figure 0003924322
【0117】
[性能評価実験10]
上記参考例39〜42、実施例43、44及び比較例11〜14の除去剤を、性能評価実験9と同一の反応管に充填し、次の条件及び方法でO3除去性能を測定した。即ち、「除去剤充填量:5.3cm3(充填高さ:2cm)、供粕ガス組成:O3,10ppm、残り空気、温度:35℃、相対湿度:15%または60%、供給ガス流量:5.2Nリットル/min(空間速度:60000h-1)」の条件でガスを流し、反応管入・出口のO3濃度を紫外線吸収式分析計で測定した。O3除去率{=(1−出口O3濃度/入口O3濃度)×100[%]}の経時変化を、表12(相対湿度:15%)および表13(相対湿度:60%)に示す。
【表12】
Figure 0003924322
【表13】
Figure 0003924322
【0118】
[比較例15、16及び参考例45、46、47]
参考例39において、過硫酸アンモニウムの秤取量を、42g、84g、126g、168gおよび336gとした以外は、参考例39と同様にして、比較例15、16及び参考例45、46、47の除去剤を得た。それらのMn平均酸化数は、それぞれ、3.33、3.44、3.52、3.59および3.81であった。なお、参考例39の除去剤におけるMnの平均酸化数は、前述の通り3.72であった。
【0119】
[性能評価実験11]
比較例15、16及び参考例39、45、46、47の除去剤を用いて、性能評価実験9と同様の方法で、相対湿度15%の場合のCO除去(酸化)性能を比較した。CO除去率の経時変化を表14に示す。
【表14】
Figure 0003924322
【0120】
[性能評価実験12]
比較例15、16及び参考例39、45、46、47の除去剤を使用し、性能評価実験10と同様の方法で、相対湿度15%の場合O3除去(分解)性能を比較した。O3除去率の経時変化を表15に示す。
【表15】
Figure 0003924322
【0121】
[参考例48]
参考例41における「硫酸マンガン380g及び硫酸銅125g」の代わりに硫酸マンガン380gを用いた以外は、前記参考例42と同様の方法で液相中で酸化処理し、濾過、水洗、乾燥した後にボールミルを用いて粉砕して、Mn酸化物の微粉末を得た。又、硫酸マンガン380gの代わりに硫酸銅125gを用いた点を除き、上記の硫酸マンガンを用いた場合と同様の方法でCu酸化物の微粉末を得た。次に、これらのMn酸化物とCu酸化物の微粉末を、MnとCuの金属重量比が参考例41と同一となる様にニーダーを用いて混合し、それ以後は、参考例41と同様の方法で直径1/8インチの押し出し品に成形し、更に塩化ルテニウムを添着させることによって、参考例48の除去剤を得た。この除去剤は、Mn酸化物とCu酸化物の混合物である点で、複合酸化物が生成している参考例41の除去剤と異なっている。この除去剤の組成は、Mn:54.2%、Cu:13.7%、Ru:0.30%、Al:2.7%であり、比表面積は146m2/g、細孔容積は0.45cc/g、Mnの平均酸化数は3.74であった。
【0122】
[性能評価実験13]
参考例48の除去剤を使用し、性能評価実験9と同様の方法で相対湿度15%の場合のCO除去(酸化)性能を測定した。CO除去率の経時変化を表16に示す。
【表16】
Figure 0003924322
【0123】
[性能評価実験14]
参考例48の除去剤を使用し、性能評価実験10と同様の方法で相対湿度15%の場合のO3除去(分解)性能を測定した。O3除去率の経時変化を表17に示す。
【表17】
Figure 0003924322
【0124】
[実施例49、50、51、52、53、54]
実施例43において、液相酸化処理済み複合酸化物の押出し成形前の湿式混練の際に、炭酸カリウムを0.5g、2.0g、3.0g、12.0g、18.0gまたは24.0g添加した以外は、前記実施例43と同様にして、実施例49、50、51、52、53、54の除去剤を得た。これら除去剤におけるKの含有量は、それぞれ0.12%、0.47%、0.73%、2.89%、4.41%、5.70%であった。また、実施例49、50、51、52、53、54の除去剤のMnの平均酸化数は全て3.70であった。
【0125】
[性能評価実験15]
参考例41(K含有量:0.0%)、および実施例43(K含有量:1.57%)、49、50、51、52、53、54の各除去剤を用いて、下記の方法で相対湿度15%の場合のCO除去(酸化)性能を比較した。即ちその方法は、供給ガス流量を15.6Nリットル/min(空間速度:30000h-1)とした以外は、前記性能評価実験9の方法と同様とした。CO除去率の経時変化を表18に示す。
【表18】
Figure 0003924322
【0126】
[性能評価実験16]
参考例41、および実施例43、49、50、51、52、53、54の各除去剤を使用し、下記の方法で相対湿度15%の場合O3除去(分解)性能を比較した。即ちその方法は、供給ガス流量を15.6Nリットル/min(空間速度:180000h-1)とした以外は、性能評価実験10の方法と同様とした。O3除去率の経時変化を表19に示す。
【表19】
Figure 0003924322
【0127】
[性能評価実験17]
参考例41及び実施例44の除去剤を用いて、下記の方法で相対湿度15%の場合CO除去(酸化)性能を比較した。即ちその方法は、供給ガスにSO2:5ppmを添加した点を除いて性能評価実験9と同様であるが、反応時間を延長した。COの除去率の経時変化を表20に示す。
【表20】
Figure 0003924322
【0128】
[性能評価実験18]
参考例41及び実施例44の除去剤を用いて、下記の方法で相対湿度15%の場合のO3除去(分解)性能を比較した。即ちその方法は、供給ガスにSO2:2.5ppmを添加した点を除いて性能評価実験10と同様であるが、反応時間を延長した。O3除去率の経時変化を表21に示す。
【表21】
Figure 0003924322
【0129】
参考例55]
参考例3において、アルミナゾルに加えて、参考例1と同様にして調製した塩化ルテニウム水溶液を添加し、均一に混合させつつ水分調節を行った後に押出し成形を行ったこと、及び、押出し品への塩化ルテニウム水溶液のスプレー法添着を行わなかったこと以外は、参考例3と同様の方法で、参考例55の除去剤を得た。この除去剤の組成は、Mn:53.7%、Cu:13.5%、Ru:0.30%、Al:2.8%であり、比表面積は158m2/g、細孔容積は0.45cc/g、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0130】
[比較例17]
参考例55において、アルミナゾルに加えて、酸化ルテニウム粉末を水素気流中で還元して得た金属ルテニウムの微粉末を添加した後に押出し成形を行った以外は、参考例55と同様の方法により、比較例17の除去剤を得た。この除去剤のRu担持量は0.32%であり、Mnの平均酸化数は3.70であった。
【0131】
[性能評価実験19]
参考例55及び比較例4、17の除去剤を用いて、NOx除去性能を性能評価実験1と同様の方法で測定した。その結果を表22に示す。
【0132】
Ru金属を担持した比較例17は、Ruまたはその化合物を担持させない比較例4とNOx除去性能はあまり変わらないのに対し、塩化ルテニウムを、金属質量基準で同量担持させた参考例55は、NOx除去性能が大きく向上しており、NO2放出率も大きく低下している。
【表22】
Figure 0003924322
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の有害ガス除去剤は、特に自動車トンネルや地下駐車場等からの換気排ガスの如く、特に常温で排出される被処理ガス中に含まれるNOやNO2などのNOx、CO、O3等の有害ガスを効率よく除去することができ、殊にNOやNO2(NOx)の除去に利用すると、被処理ガスに予めO3を添加しなくてもNOxをよく吸着除去することができ、O3発生設備や余剰O3の除去手段を省略できるばかりでなく、O3の漏洩による潜在的危険性も解消することができ、しかも、比較的低い温度で熱風再生することによって繰り返し使用でき、更には、被処理ガス中に含まれるSOxによる被毒を抑制できるので、長期間に渡って安定した吸着除去性能を維持することが可能となる。
【0134】
またこの除去剤をCOやO3の除去に使用した場合でも、常温の被処理ガス中に含まれているCOやO3に対して高い除去率を長時間維持できる。即ちCOをCO2に酸化し、O3をO2に分解する触媒としての活性を長時間保持できる。しかも、高湿度域における活性の低下も、従来の触媒に比べて軽微であり、実際の被処理ガスに対する適用性がより拡大できるばかりでなく、被処理ガス中に含まれるSOxによる被毒も可及的に抑えることができる。

Claims (9)

  1. Mn−Cu複合酸化物および/またはMn−Fe複合酸化物と、Ru化合物と、アルカリ金属化合物を含有することを特徴とする有害ガス除去剤。
  2. 前記アルカリ金属化合物がカリウム化合物である請求項記載の有害ガス除去剤。
  3. 前記アルカリ金属化合物を、アルカリ金属換算で0.1〜6.0質量%含有するものである請求項記載の有害ガス除去剤。
  4. Mn−Cu複合酸化物および/またはMn−Fe複合酸化物と、Ru化合物と、Sn化合物を含有することを特徴とする有害ガス除去剤。
  5. 前記Sn化合物を、Sn換算で0.05〜5.0質量%含有するものである請求項記載の有害ガス除去剤。
  6. Mn−Cu複合酸化物またはMn−Fe複合酸化物におけるMnの平均酸化数が3.5〜3.9である請求項または記載の有害ガス除去剤。
  7. 前記Mnの平均酸化数が3.5〜3.8である請求項記載の有害ガス除去剤。
  8. 前記Ru化合物が塩化ルテニウムである請求項1または4載の有害ガス除去剤。
  9. 前記複合酸化物が、Mnの水酸化物もしくは炭酸塩とCuの水酸化物もしくは炭酸塩、またはMnの水酸化物もしくは炭酸塩とFeの水酸化物もしくは炭酸塩とを、酸化性系内で酸化処理して得たものである請求項1または4記載の有害ガス除去剤。
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