JP3604740B2 - オゾン分解用触媒及びオゾン分解方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は気相中に存在する高い濃度のオゾンを分解して無害化するオゾン分解用触媒及び当該触媒を使用したオゾン分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾンは大気中に0.06PPM以上存在すると人体に有害であることが知られている。紙、膜の表面処理に放電加工が行われるが、その際、数十PPMの高い濃度のオゾンが生成する。また、オゾンを用いて水中の有機物の殺菌と無臭化が行われる際、未使用のオゾンが排出される。これがそのまま大気中の放出されると危険であるので微量濃度まで分解処理する必要がある。
【0003】
従来、このようなオゾンの処理方法としては、(1)薬液洗浄による方法、
(2)熱分解による方法、(3)活性炭による方法、(4)オゾン分解触媒による方法が知られている。
オゾン分解触媒による方法としては、例えば、特開昭62−97643号公報には、オゾン含有ガス中のオゾンを接触的に分解除去する触媒として、Ti及びSiからなる二元系酸化物、Ti及びZrからなる二元系酸化物及び/又はTi、Si、及びZrからなる三元系酸化物を担体成分とする触媒が開示されている。また、特開平1−56123号公報には常温以下で処理寿命の長いMn含有触媒が開示されている。高濃度オゾンを処理する例として、特開平3−151046号公報に二酸化マンガンの粒状成形体にPd及び/又はAgを担持した触媒が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術において、前記した(1)薬液洗浄による方法では、高価な還元性薬剤が必要である。更に廃水処理の問題がある。(2)熱分解による方法では、処理ガスを300℃以上に加熱することが必要であり処理コストが高くなる。(3)活性炭による方法では、オゾンと活性炭の反応が起こり活性炭が消耗する。オゾン濃度が高い場合には反応熱により活性炭の発火、燃焼の危険が生じる。(4)オゾン分解触媒による方法では、前述した特開昭62−97643号公報に記載の触媒は高価なTiやZrを多量に使用することと製造法が複雑である欠点がある。特開平1−56123号公報に記載のMn含有触媒をオゾン分解処理に使用する場合はオゾン含有ガスの除湿が必要となる。特開平3−151046号公報に開示された触媒は、触媒寿命が短いこと、廃水処理に用いたオゾンの残留ガスのような硫黄化合物が共存しているガスに対しては容易に被毒するするという欠点がある。
【0005】
本発明は上記従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、常温で長時間使用しても触媒性能の低下が少なく、硫黄化合物を含有するガス流に対してもオゾン分解能、耐久性に優れており、気相中に存在する高い濃度のオゾンを分解する触媒及びそれを用いたオゾンの分解方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、次に述べるシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に少なくともアモルファス状の酸化マンガンと酸化パラジウムを担持してなるオゾン分解用触媒が上記課題を解決し、上記目的を達成することを見出した。すなわち、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に少なくともアモルファス状の酸化マンガンと酸化パラジウムを担持してなり、好ましくはさらにAg、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有してなる触媒が、優れたオゾン分解能、耐久性を有していることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明のアモルファス状の酸化マンガンは、当該酸化マンガンの全体がアモルファス状である必要はなく、アモルファス状の部分があれば足りるのであるが、好ましくは半分以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上がアモルファス状であることが望ましい。
また、本発明の触媒はアルミナ、チタニア、コージュライトなどのハニカム状、穴空き状などの形状の一体構造を有する支持体に担持することが好ましい。
【0008】
本発明のオゾン分解用触媒は、任意の順序で必要な酸化物を担持させることにより、種々の方法で製造することができ、例えば、一体構造を有する支持体に担持させた場合の本発明の触媒は次のような方法により製造することができる。
【0009】
一体構造を有する支持体に、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物を被覆した後、該支持体を酢酸マンガンの溶液に浸漬し、乾燥し、焼成してアモルファス状の酸化マンガンを担持し、次いでパラジウム塩を含有する溶液に浸漬し、乾燥し、焼成して酸化パラジウムを担持させることにより製造できる。
さらに他の元素の酸化物を含有させる場合には、前記パラジウム塩を含有する溶液中にAg、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩の溶液を混合した溶液を用いることにより製造できる。
【0010】
また、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物、酢酸マンガン及びパラジウム塩の溶液からなるスラリーを先に調製する方法により製造することもできる。
すなわち、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物、酢酸マンガンの溶液、パラジウム塩を含有する溶液及び水を含むスラリーを調製し、該スラリーを一体構造を有する支持体に被覆し、乾燥し、焼成してシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物、アモルファス状の酸化マンガン及び酸化パラジウムを担持させることにより製造できる。さらに他の元素の酸化物を含有させる場合には、前記スラリー中に、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩の溶液を含有させることにより製造することができる。
【0011】
前記スラリーを先に焼成してから構造物に担持させることもできる。
すなわち、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に、酢酸マンガン及びパラジウム塩を含有する溶液を滴下し、乾燥し、焼成する工程と、該焼成物及び水を含むスラリーを調製する工程と、該スラリーを一体構造を有する支持体に被覆し、乾燥し、焼成する工程により、一体構造を有する支持体に、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物、アモルファス状の酸化マンガン及び酸化パラジウムを担持させた触媒を製造することもできる。さらに他の元素の酸化物を含有させる場合には、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に、酢酸マンガンの溶液、パラジウムを含有する溶液、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩の溶液を順次滴下し、乾燥し、焼成する工程と、該焼成物及び水を含むスラリーを調製する工程と、該スラリーを一体構造を有する支持体に被覆し、乾燥し、焼成して製造することができる。
【0012】
本発明は、触媒を用いて気相中に存在するオゾンを分解する方法をも提供する。
すなわち、本発明は、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に少なくともアモルファス状の酸化マンガン及び酸化パラジウムを担持させてなる前記触媒に、好ましくは一体構造を有する支持体にこれらを担持してなる触媒に、濃度1PPM以上、好ましくは10PPM以上、より好ましくは100PPM以上のオゾンを含有するガスを接触させて該ガス中のオゾンを分解する方法にも関する。
また、本発明は、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に少なくともアモルファス状の酸化マンガン、酸化パラジウム、及び、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有してなる前記触媒に、好ましくは一体構造を有する支持体にこれらを担持してなる触媒に、濃度1PPM以上、好ましくは10PPM以上、より好ましくは100PPM以上のオゾンを含有するガスを接触させて該ガス中のオゾンを分解する方法に関する。
【0013】
さらに、本発明は前記触媒に、硫黄化合物、例えば、酸化硫黄、硫化水素など、及び/又は水分が共存する、濃度1PPM以上、好ましくは10PPM以上、より好ましくは100PPM以上のオゾンを含有するガスを接触させて該ガス中のオゾンを分解する方法にも関する。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒の製造方法に用いられる一体構造を有する支持体及び触媒成分の原料
一体構造を有する支持体としては、例えばアルミナ、チタニア、ムライト(シリカ・アルミナ)、コージェライト、ジルコニア、シリコンカーバイド、金属、カーボングラファイトが挙げられる。支持体の形状としては、ハニカム、ホーム(三次元穴空き)状、穴空き板、クロス状、繊維状、エキスパンドメタルが好ましく用いられるが、ハニカムが好ましい。ハニカムの好ましい形状は穴数が1平方インチ当たり30〜600、幾何学的表面積がハニカム容積1ml当たり2〜30平方センチ、開孔率60%以上である。
【0015】
本発明の製造方法に用いられるシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物は、単にシリカ、ボリア、アルミナを混合した物ではなく、それらの複合酸化物が好ましい。その製造法としてはいずれの方法でもよいが、例えば、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液との加水分解により生成するアルミナ水和物スラリーに珪酸ナトリウム水溶液を添加して得られるアルミナーシリカ水和物スラリーを濾過、洗浄して得られるアルミナーシリカ水和物ケーキに、B2O3が所定の量になるようにオルトほう酸水溶液を添加して十分混合し、次に、得られたアルミナーシリカーほう素混合水和物を噴霧乾燥し、600〜800℃で焼成した後、平均粒径が2μm〜20μm、好ましくは5μm〜15μm程度になるように粉砕して得られる複合酸化物である。このものはこのままで使用してもよいが、前記アルミナーシリカーほう素混合水和物を加温ジャケット付きニーダー中で加熱こん和し、所望の形状のダイスを有する成形機により押出し成形した後、80〜120℃で乾燥し、600〜1100℃で焼成して使用してもよい。さらに好ましくは、さらに大気中で600〜1200℃で1〜10時間焼成したものが良い。
該シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物の組成は特に限定されるものではないが、シリカが2〜25重量%、好ましくは4〜19重量%、さらに好ましくは7〜15重量%、ボリアが2〜20重量%、好ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%で、残部がアルミナからなるものが好ましい。
【0016】
また、本発明の触媒に用いられるアモルファス状の酸化マンガンを製造するための原料としてはマンガンの種々の塩を使用することができるが、有機酸塩が好ましい。本発明の目的を達成するために、本発明の触媒に含有される酸化マンガンはアモルファス状であることが必須であり、幅広い焼成温度域においてアモルファス状の酸化マンガンを得るためにはマンガンの有機酸塩、好ましくはマンガンの低級脂肪酸塩、より好ましくは酢酸マンガンを出発原料とすることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明の触媒の製造に用いられるパラジウム塩を含有する溶液としては、例えば、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム酸アルカリ、塩化パラジウム酸アンモニウム、パラジウムのアンミン塩等のパラジウム塩又は錯塩を水等の溶媒に溶解してものが挙げられる。
また、本発明の触媒の製造に用いられるAg、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩の溶液としては、例えば、これらの元素の塩化物、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、しゅう酸塩等の塩又は錯塩を水等の溶媒に溶解してものを挙げることができる。
【0018】
製造方法
一体構造を有する支持体にシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物を被覆する方法としては、先ず該複合酸化物の水性スラリーを調製する。この際、該スラリーにバインダーとしてアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、アルミナに対するシリカの比が10以上のY型ゼオライトなどを添加することもできる。また、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子有機化合物を添加してもよい。一体構造を有する支持体を該スラリーに浸漬し、引き上げた後エアーブローで余分なスラリーを取り除く。その後100〜110℃で乾燥し、大気中200〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。
次に、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物を被覆した該支持体を酢酸マンガンの溶液に浸漬し、乾燥後、大気中200〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。この処理により担持された酸化マンガンはアモルファス状となる。該酸化マンガンの担持量は完成触媒1リットル当たり金属Mn換算で1〜100g、好ましくは5〜100g、より好ましくは5〜10gが好ましい。
【0019】
次いで、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物とアモルファス状酸化マンガンが担持された支持体を前述したパラジウムの塩の溶液に浸漬し、乾燥後、大気中200〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。
この処理により担持されたパラジウムは酸化パラジウムとなる。酸化パラジウムの担持量は完成触媒1リットル当たり金属パラジウム換算で1〜100g、好ましくは2〜40g、より好ましくは5〜10gが好ましい。
また、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物をさらに担持させるには、前述したこれらの原料の溶液とパラジウムの塩の溶液との混合溶液を使用し上記した酸化パラジウムを担持させる場合と同様の処理をすればよい。各酸化物の担持量は完成触媒1リットル当たり各酸化物の元素換算で0.5〜50g、好ましくは0.5〜10g、より好ましくは3〜10gが好ましい。
【0020】
本発明の触媒の製造方法の別の態様を挙げれば、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物、酢酸マンガンの溶液、パラジウムを含有する溶液および水を含むスラリーを調製し、該スラリーに一体構造を有する支持体を浸漬し、100〜110℃で少なくとも5時間乾燥後、大気中300〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。支持体への担持量は完成触媒1リットル当たり10〜300g、好ましくは30〜200gが好ましい。
また、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物をさらに担持させるには、前述したこれらの原料の溶液を該スラリーに添加した後、同様の処理をすればよい。
支持体への担持量は完成触媒1リットル当たり10〜300g、好ましくは30〜200gが好ましい。
【0021】
本発明の触媒の製造方法のさらに別の態様を挙げれば、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に酢酸マンガンの溶液及びパラジウム塩を含有する溶液を、同時または順次滴下して吸液させた後、100〜110℃で少なくとも5時間乾燥し、大気中300〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。順次滴下の場合、滴下する順序は問わない。然る後、該焼成物と水を含むスラリーを調製し、該スラリーに一体構造を有する支持体を浸漬し、100〜110℃で少なくとも5時間乾燥後、大気中300〜600℃で1時間以上、好ましくは3時間以上焼成する。
支持体への担持量は完成触媒1リットル当たり10〜300g、好ましくは30〜200gが好ましい。
また、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物をさらに担持させるには、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に前述したこれらの原料の溶液、酢酸マンガンの溶液及びパラジウムを含有する溶液を、同時または順次滴下して吸液させた後、同様の処理をすればよい。順次滴下の場合、滴下する順序は問わない。支持体への担持量は完成触媒1リットル当たり10〜300g、好ましくは30〜200gが好ましい。
【0022】
オゾン分解方法
本発明のオゾンの分解方法においては、設置する装置の方向に制限を受けないようにするために、一体構造を有する支持体を用いるのが好ましい。
本発明の前記触媒に、濃度1PPM以上、好ましくは10PPM以上、より好ましくは100PPM以上のオゾンを含有するガスを接触させて該ガス中のオゾンを分解する。ガス空間速度は500〜100,000/hrが好ましく、触媒出口において所望されるオゾン濃度により適宜選択される。
本発明の触媒を用いることにより、飽和水蒸気及び/又は硫黄化合物を含む過酷な条件下でさえ高いオゾン分解活性を維持することができる。
【0023】
オゾンを分解する際の触媒の寿命は、気相中に存在するオゾン濃度の影響を受ける。オゾン濃度が高くなるとオゾンの分解生成物である酸素が触媒表面から脱離しにくくなるため、オゾンが触媒表面に吸着されにくくなりオゾンの分解活性が低下するために、比較的に短いのが通常である。したがって、マンガン単体の触媒や酸化マンガンの構造がMn2O3あるいはMnO2である触媒の場合は、例えそのオゾン分解活性が初期には強いものであっても、これを長時間に亙って使用すると、オゾン分解生成物である酸素の触媒表面からの脱離が進行しにくくなり、その触媒寿命は短いものとなる。
驚くべきことに、酸化マンガンが粉末X線回折法で観察したときアモルファス状であるとオゾン分解生成物である酸素の脱離が進行しやすくなることを見出した。さらに酸化パラジウムを共存させるとその脱離がさらに加速され、オゾン分解能(分解活性)、耐久性のいずれにも優れた触媒となることを見出した。したがって、本発明の触媒は、単に触媒活性が優れているのみならず、従来の触媒に比べて長時間に亙り安定した触媒活性を持続することができる。
さらに、Ag、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物の添加はこの作用を一層促進する。
また、通常のオゾン含有ガス中には水蒸気や硫黄化合物、NOxなどの不純物が含まれており触媒はこれらの影響を受けて触媒性能が低下する。従来用いられているチタニア主体の触媒と比較すると、本発明の触媒は上述の水蒸気や不純物の吸着性が弱いため影響を受けにくい。とりわけ、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物は前記水蒸気や不純物の吸着特性が弱く、これらの影響を受けにくい。
【0024】
【実施例】
実施例1
10重量%シリカ・5重量%ボリア・残部がアルミナからなるシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物(平均粒径15μm)を大気中800℃で3時間焼成した粉末(平均粒径25μm、BET比表面積280m2/g)260g、酢酸20ml、純水430mlをボールミル中で12時間混合し平均粒径5μm、乾燥固形分34重量%のスラリーを得た。このスラリーにコージェライト製ハニカム(400セル/in2、10cm×10cm×高さ5cm、容量500ml)を浸漬し、取り出した後、エアーナイフで余分なスラリーを取り除いた。さらに、100〜110℃で5時間乾燥後、550℃で2時間焼成してシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物をハニカムに被覆した。
【0025】
次に、酢酸マンガン水溶液(Mnとして7重量%)にシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物被覆ハニカムを10秒間浸漬し、取り出した後、エアーナイフで余分なスラリーを取り除いた。さらに、100〜110℃で5時間乾燥後、500℃で3時間焼成した。この触媒の表面を削り取り、粉末X線回折法で酸化マンガンの構造を調べたところアモルファス状であった。
次いで、酸化マンガン担持シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物被覆ハニカムを硝酸パラジウム水溶液(Pdとして7重量%)に10秒間浸漬し、取り出した後、エアーナイフで余分なスラリーを取り除いた。さらに、100〜110℃で5時間乾燥後、500℃で3時間焼成して目的の触媒被覆ハニカム(1)を得た。この触媒の表面を削り取り、粉末X線回折法でパラジウムの構造を調べたところ酸化パラジウム(PdO)であった。MnとPdの担持量は完成触媒1リットル当たりともに6gであった。
【0026】
実施例2
実施例1において、硝酸パラジウム水溶液の代わりに硝酸パラジウム水溶液
(Pdとして7重量%)と硝酸銀水溶液(Agとして7重量%)の混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして目的の触媒被覆ハニカム(2)を得た。担持量は完成触媒1リットル当たりMn6g,Pd6g、Ag5gであった。
【0027】
実施例3〜9
実施例2において、硝酸銀水溶液の代わりに、それぞれ塩化イリジウム水溶液(Irとして7重量%)、硝酸ランタン水溶液(Laとして7重量%)、硝酸セリウム水溶液(Ceとして7重量%)、硝酸鉄水溶液(Feとして7重量%)、硝酸ニッケル水溶液(Niとして7重量%)、硝酸イットリウム水溶液(Yとして7重量%)、硝酸サマリウム水溶液(Smとして7重量%)を用いた以外は実施例2と同様にして目的の触媒被覆ハニカム(3)〜(9)を得た。それぞれの触媒被覆ハニカムの担持量は完成触媒1リットル当たりともにMn6g、Pd6g、第3成分5gであった。
【0028】
実施例10
実施例1で用いたのと同様なシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物260g,酢酸20ml、純水430ml、酢酸マンガン4水和物115g及びスラリー重量に対してPdとして4重量%になるように硝酸パラジウム水溶液をボールミル中で12時間混合し、平均粒径5μm、乾燥固形分34重量%のスラリーを得た。このスラリーに実施例1で用いたのと同様なハニカムを浸漬し、取り出した後、エアーナイフで余分なスラリーを取り除いた。さらに、100〜110℃で5時間乾燥後、550℃で2時間焼成して目的の触媒被覆ハニカム(10)を得た。
この触媒の表面を削り取り、粉末X線回折法で酸化マンガンとパラジウムの構造を調べたところ、酸化マンガンはアモルファス状であり、パラジウムは酸化パラジウム(PdO)であった。MnとPdの担持量は完成触媒1リットル当たりとも6gであった。
【0029】
実施例11
実施例1で用いたのと同様なシリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物260gに、酢酸マンガン水溶液(Mnとして8重量%)を滴下し、次いで硝酸パラジウム水溶液(Pdとして8重量%)を滴下して吸液させた後、100〜110℃で5時間乾燥後、550℃で2時間焼成した。次に、該焼成物、酢酸20ml、及び純水430mlをボールミル中で12時間混合し平均粒径5μm、乾燥固形分34重量%のスラリーを得た。このスラリーに実施例1で用いたのと同様なハニカムを浸漬し、取り出した後、エアーナイフで余分なスラリーを取り除いた。さらに、100〜110℃で5時間乾燥後、550℃で2時間焼成して目的の触媒被覆ハニカム(11)を得た。この触媒の表面を削り取り、粉末X線回折法で酸化マンガンとパラジウムの構造を調べたところ、酸化マンガンはアモルファス状であり、パラジウムは酸化パラジウム(PdO)であった。MnとPdの担持量は完成触媒1リットル当たりともに6gであった。
【0030】
実施例12
実施例11において、硝酸パラジウム水溶液を滴下した後、さらに硝酸銀水溶液(Agとして8重量%)を滴下して吸液させた以外は実施例11と同様にして目的の触媒被覆ハニカム(12)を得た。この触媒の表面を削り取り、粉末X線回折法で酸化マンガンとパラジウムの構造を調べたところ、酸化マンガンはアモルファス状であり、パラジウムは酸化パラジウム(PdO)であった。Mn、Pd及びAgの担持量は完成触媒1リットル当たりともに6gであった。
【0031】
比較例1
市販の、パラジウム0.1重量%担持二酸化マンガン粒状成形体を準備した。
【0032】
〔性能評価例1〕
実施例1〜12で得られた触媒被覆ハニカム(1)〜(12)と比較例1の触媒について、下記の条件で、オゾン分解性能評価試験を行った。
常圧固定床流通反応装置を用いた。実施例の触媒被覆ハニカム(1)〜(12)を2cm×2cm×高さ5cmに切出し、比較例の触媒は粒状体であるのでそのまま用いた。反応装置内を25℃に設定し、25℃における飽和水蒸気、濃度700ppmのオゾンを含有する空気を空間速度10,000/hrで反応管に流した。
オゾン発生器には無声放電空冷式荏原実業(株)製OZSD1000を用いた。オゾンの分析には、紫外線吸収方式荏原実業(株)製EG−2001B及びEG−2001Rを用いて反応管入り口、出口のオゾン濃度を連続測定し、ガス流入後20時間目の濃度をもって分解率を算出した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
〔性能評価例2〕
性能評価例1において、流入ガスに濃度20PPMの硫化水素を添加した以外は性能評価例1と同様の条件で、触媒被覆ハニカム(1)〜(2)及び比較例1の触媒について性能を評価した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表1、表2から、本発明の製造方法により得られた触媒は、長時間使用してもオゾン分解活性が低下せず、ガス中に硫化水素が共存するときでさえ優れた性能を維持することが明らかである。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られた触媒は、気相中に高い濃度で存在するオゾンを分解して無害化することにおいて、常温で長時間使用しても活性が低下せず、気相中に硫化水素などの硫黄化合物が共存する場合であってもオゾン分解能、耐久性に優れている。
Claims (4)
- 一体構造を有する支持体に担持されている、シリカ・ボリア・アルミナ複合酸化物に、少なくともアモルファス状の酸化マンガン、及び、酸化パラジウムを担持してなるオゾン分解用触媒。
- さらにAg、Ir、La、Ce、Fe、Ni、Y及びSmよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有する請求項1に記載の触媒。
- 請求項1又は2に記載の触媒に、オゾンを含有するガスを接触させて、該ガス中のオゾンを分解する方法。
- オゾンを含有するガス中に硫黄化合物及び/又は水分が共存する請求項3に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18173794A JP3604740B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | オゾン分解用触媒及びオゾン分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP18173794A JP3604740B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | オゾン分解用触媒及びオゾン分解方法 |
Publications (2)
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