JP2003236377A - 水性ガスシフト反応触媒 - Google Patents
水性ガスシフト反応触媒Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃料電池や排気ガス浄化用触媒の触媒として
有用な高活性の水性ガスシフト反応触媒を提供する。 【解決手段】 チタニアナノチューブに貴金属が担持さ
れたことを特徴とする水性ガスシフト反応触媒である。
好ましくは、前記チタニアナノチューブが、1〜20n
mの細孔径と10〜500nmの長さを有し、貴金属/
チタニアナノチューブの質量比が1/10〜1/100
0である。かかる水性ガスシフト反応触媒は、例えば、
γ-アルミナ等の触媒担体に白金等の触媒成分とアルカ
リ金属等のNOx吸蔵材を担持して構成される吸蔵還元
型NOx浄化用触媒のNOx浄化性能を高めるために使用
することができる。
有用な高活性の水性ガスシフト反応触媒を提供する。 【解決手段】 チタニアナノチューブに貴金属が担持さ
れたことを特徴とする水性ガスシフト反応触媒である。
好ましくは、前記チタニアナノチューブが、1〜20n
mの細孔径と10〜500nmの長さを有し、貴金属/
チタニアナノチューブの質量比が1/10〜1/100
0である。かかる水性ガスシフト反応触媒は、例えば、
γ-アルミナ等の触媒担体に白金等の触媒成分とアルカ
リ金属等のNOx吸蔵材を担持して構成される吸蔵還元
型NOx浄化用触媒のNOx浄化性能を高めるために使用
することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタニアナノチュ
ーブを触媒担体として利用した水性ガスシフト反応触媒
に関する。
ーブを触媒担体として利用した水性ガスシフト反応触媒
に関する。
【0002】
【従来の技術】水性ガスシフト反応:CO + H2O →
CO2+ H2 は、従来より、コークスと水蒸気から得
られる水性ガスに含まれるCOとH2Oの比率を変え
る、あるいはH2の製造等のため、化学工業プロセスに
おいて利用されている。こうした水性ガスシフト反応の
触媒は、化学工業プロセスにおいては、一般に、酸化鉄
-酸化クロム系が使用される。
CO2+ H2 は、従来より、コークスと水蒸気から得
られる水性ガスに含まれるCOとH2Oの比率を変え
る、あるいはH2の製造等のため、化学工業プロセスに
おいて利用されている。こうした水性ガスシフト反応の
触媒は、化学工業プロセスにおいては、一般に、酸化鉄
-酸化クロム系が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、かかる触媒
としてさらに高活性のものが得られれば、一定条件下の
化学工業プロセスのみならず、変動条件下における種々
の利用が期待される。例えば、燃料電池に使用される燃
料の改質、即ち、電極触媒の触媒毒となるCOを燃料電
池に有用な燃料のH2に転化させる利用が期待される。
としてさらに高活性のものが得られれば、一定条件下の
化学工業プロセスのみならず、変動条件下における種々
の利用が期待される。例えば、燃料電池に使用される燃
料の改質、即ち、電極触媒の触媒毒となるCOを燃料電
池に有用な燃料のH2に転化させる利用が期待される。
【0004】また、例えば、以下のように、自動車用エ
ンジン等の内燃機関の排気ガス浄化に利用することが期
待される。自動車用エンジン等の内燃機関から排出され
る排気ガスは、アルミナ等の金属酸化物担体に白金等の
触媒成分が担持された三元触媒、又は三元触媒にアルカ
リ金属等のNOx吸蔵材を付加した吸蔵還元型NOx浄化
用触媒等によって浄化されることができる。
ンジン等の内燃機関の排気ガス浄化に利用することが期
待される。自動車用エンジン等の内燃機関から排出され
る排気ガスは、アルミナ等の金属酸化物担体に白金等の
触媒成分が担持された三元触媒、又は三元触媒にアルカ
リ金属等のNOx吸蔵材を付加した吸蔵還元型NOx浄化
用触媒等によって浄化されることができる。
【0005】こうした排気ガス浄化用触媒は、環境保護
のため、より一層の高い排気ガス浄化性能が要請されて
おり、本出願人等は、粒子状のチタニア(TiO2)に担
持された貴金属を含む、NOx浄化性能が改良された排
気ガス浄化用触媒を、特開2000−246107号公
報において提案している。
のため、より一層の高い排気ガス浄化性能が要請されて
おり、本出願人等は、粒子状のチタニア(TiO2)に担
持された貴金属を含む、NOx浄化性能が改良された排
気ガス浄化用触媒を、特開2000−246107号公
報において提案している。
【0006】この排気ガス浄化用触媒においてNOx浄
化性能が改良された理由は、チタニアに担持された貴金
属を含む触媒が、水性ガスシフト反応に高活性を奏し、
排気ガス中のCOとH2Oから、NOxの還元浄化に効果
的なH2を生成するためと考えられる。このため、かか
る水性ガスシフト反応の触媒活性をさらに高めれば、N
Ox浄化性能が一層向上することが期待される。
化性能が改良された理由は、チタニアに担持された貴金
属を含む触媒が、水性ガスシフト反応に高活性を奏し、
排気ガス中のCOとH2Oから、NOxの還元浄化に効果
的なH2を生成するためと考えられる。このため、かか
る水性ガスシフト反応の触媒活性をさらに高めれば、N
Ox浄化性能が一層向上することが期待される。
【0007】ところで、特開平10−152323号公
報において、チタニアナノチューブが記載されている。
しかし、この公報においては、チタニアナノチューブの
触媒としての具体的な記載は見られない。したがって、
本発明は、水性ガスシフト反応に一段と高い活性を奏す
る触媒を提供することを目的とする。
報において、チタニアナノチューブが記載されている。
しかし、この公報においては、チタニアナノチューブの
触媒としての具体的な記載は見られない。したがって、
本発明は、水性ガスシフト反応に一段と高い活性を奏す
る触媒を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、チタニア
ナノチューブに貴金属が担持されたことを特徴とする水
性ガスシフト反応触媒によって達成される。即ち、本発
明の触媒は、チタニアナノチューブを担体としてその上
に貴金属が担持された、水性ガスシフト反応に適する触
媒である。
ナノチューブに貴金属が担持されたことを特徴とする水
性ガスシフト反応触媒によって達成される。即ち、本発
明の触媒は、チタニアナノチューブを担体としてその上
に貴金属が担持された、水性ガスシフト反応に適する触
媒である。
【0009】ここで、本発明における「チタニアナノチ
ューブ」とは、ナノメートル(nm)のレベルの微細な外
径サイズを有するチューブ状のチタニア(TiO2)を指
称し、個々のチューブは、「メソポーラスチタニア」の
ようにチューブがまとまって束状の形態を呈するのでは
なく、実質的に独立して一方向に伸長した形態を有す
る。
ューブ」とは、ナノメートル(nm)のレベルの微細な外
径サイズを有するチューブ状のチタニア(TiO2)を指
称し、個々のチューブは、「メソポーラスチタニア」の
ようにチューブがまとまって束状の形態を呈するのでは
なく、実質的に独立して一方向に伸長した形態を有す
る。
【0010】好ましくは、このチタニアナノチューブ
は、図1に示すような、10〜30nmの外径、5〜2
0nmのメソ細孔径、及び10〜500nmの長さを有
し、肉厚は1〜10nmである。また、好ましくは、チ
タニアナノチューブは、100〜1000m2/g、よ
り好ましくは、150〜800m2/gの比表面積を有
する。
は、図1に示すような、10〜30nmの外径、5〜2
0nmのメソ細孔径、及び10〜500nmの長さを有
し、肉厚は1〜10nmである。また、好ましくは、チ
タニアナノチューブは、100〜1000m2/g、よ
り好ましくは、150〜800m2/gの比表面積を有
する。
【0011】こうしたチタニアナノチューブを担体とす
る触媒が、粒子状のチタニアを担体とする触媒に比較し
て水性ガスシフト反応に高い触媒活性を奏する理由は、
担体のチタニアと貴金属の触媒成分の組み合わせは、本
来的に水性ガスシフト反応に高い触媒活性を奏するため
であり、そして、微細なチューブ状の形態が、粒子状の
チタニアに比較して貴金属の触媒成分に高い表面積を提
供し、また、チューブ状の形態に起因して、粒子状のチ
タニアが焼結して表面積を低下する温度よりも高い温度
まで、その微細な形態を維持することができるためと考
えられる。
る触媒が、粒子状のチタニアを担体とする触媒に比較し
て水性ガスシフト反応に高い触媒活性を奏する理由は、
担体のチタニアと貴金属の触媒成分の組み合わせは、本
来的に水性ガスシフト反応に高い触媒活性を奏するため
であり、そして、微細なチューブ状の形態が、粒子状の
チタニアに比較して貴金属の触媒成分に高い表面積を提
供し、また、チューブ状の形態に起因して、粒子状のチ
タニアが焼結して表面積を低下する温度よりも高い温度
まで、その微細な形態を維持することができるためと考
えられる。
【0012】本発明の触媒は、高い水性ガスシフト反応
活性を生かして、燃料電池の燃料の改質や排気ガス浄化
用触媒として利用することができる。ここで、排気ガス
浄化用触媒に適用する場合、吸蔵還元型NOx浄化用触
媒の構成成分とすることが好ましい態様として挙げられ
る。
活性を生かして、燃料電池の燃料の改質や排気ガス浄化
用触媒として利用することができる。ここで、排気ガス
浄化用触媒に適用する場合、吸蔵還元型NOx浄化用触
媒の構成成分とすることが好ましい態様として挙げられ
る。
【0013】即ち、吸蔵還元型NOx浄化用触媒は、一
般に、γ-アルミナ等の触媒担体に白金等の触媒成分と
アルカリ金属等のNOx吸蔵材を担持して構成される
が、かかる吸蔵還元型NOx浄化用触媒に、本発明のチ
タニアナノチューブに貴金属が担持されてなる触媒を、
混合等によって共存させる態様である。この場合、本発
明の触媒によって排気ガス中のCOとH2Oから効率的
に生成されるH2が、NOxの還元浄化に効果的に寄与
し、NOxの浄化性能を顕著に高めることが可能とな
る。
般に、γ-アルミナ等の触媒担体に白金等の触媒成分と
アルカリ金属等のNOx吸蔵材を担持して構成される
が、かかる吸蔵還元型NOx浄化用触媒に、本発明のチ
タニアナノチューブに貴金属が担持されてなる触媒を、
混合等によって共存させる態様である。この場合、本発
明の触媒によって排気ガス中のCOとH2Oから効率的
に生成されるH2が、NOxの還元浄化に効果的に寄与
し、NOxの浄化性能を顕著に高めることが可能とな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の触媒を構成するチタニア
ナノチューブは、例えば、チタニア粉末を原料とし、ア
ルカリ化合物を副原料として、水熱合成法によって調製
することができる。具体的には、チタニア粉末と、水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ化合物、
及び水の混合物を、100℃を超える温度、好ましく
は、110〜150℃の温度下に数時間〜数日間にわた
って置き、次いで、アルカリ化合物を洗浄等により除去
することによって調製することができる。
ナノチューブは、例えば、チタニア粉末を原料とし、ア
ルカリ化合物を副原料として、水熱合成法によって調製
することができる。具体的には、チタニア粉末と、水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ化合物、
及び水の混合物を、100℃を超える温度、好ましく
は、110〜150℃の温度下に数時間〜数日間にわた
って置き、次いで、アルカリ化合物を洗浄等により除去
することによって調製することができる。
【0015】このチタニアナノチューブの調製方法は、
バッチ式又は連続式のいずれによっても行うことがで
き、上記の水熱条件が形成できる任意の耐圧容器又は反
応器を用いて行うことができる。この水熱合成における
温度と時間、及び原料/副原料/水の割合を調整するこ
とにより、得られるチタニアナノチューブの細孔径と長
さを調節することができる。
バッチ式又は連続式のいずれによっても行うことがで
き、上記の水熱条件が形成できる任意の耐圧容器又は反
応器を用いて行うことができる。この水熱合成における
温度と時間、及び原料/副原料/水の割合を調整するこ
とにより、得られるチタニアナノチューブの細孔径と長
さを調節することができる。
【0016】次いで、チタニアナノチューブに貴金属が
担持されて本発明の水性ガスシフト反応触媒が調製され
る。貴金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、
金、ルテニウムが例示され、好ましくは、白金であり、
貴金属/チタニアナノチューブの質量比は1/10〜1
/1000である。
担持されて本発明の水性ガスシフト反応触媒が調製され
る。貴金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、
金、ルテニウムが例示され、好ましくは、白金であり、
貴金属/チタニアナノチューブの質量比は1/10〜1
/1000である。
【0017】貴金属の担持は、金属を酸化物担体に担持
するために一般に行われる蒸発乾固法、含浸法、イオン
交換法、吸着法、還元析出法等から選択された任意の方
法によって行うことができ、好ましくは、ジニトロジア
ンミン白金錯体Pt(NH3)2(NO2)2、硝酸パラジウム
Pd(NO3)2、硝酸ロジウムRh(NO3)3等の溶解性化
合物を用いて蒸発乾固法又は含浸法によって担持され
る。
するために一般に行われる蒸発乾固法、含浸法、イオン
交換法、吸着法、還元析出法等から選択された任意の方
法によって行うことができ、好ましくは、ジニトロジア
ンミン白金錯体Pt(NH3)2(NO2)2、硝酸パラジウム
Pd(NO3)2、硝酸ロジウムRh(NO3)3等の溶解性化
合物を用いて蒸発乾固法又は含浸法によって担持され
る。
【0018】このようにして得られた本発明の触媒を、
吸蔵還元型NOx浄化用触媒に適用するのは、γ-アルミ
ナ等の触媒担体に白金等の触媒成分とアルカリ金属等の
NOx吸蔵材を担持した吸蔵還元型NOx浄化用触媒と、
本発明の触媒を、ボールミル等によって混合し、それを
ハニカム基材にウォッシュコートする、あるいは、本発
明の触媒をハニカム基材の上流側にウォッシュコート
し、その下流側に吸蔵還元型NOx浄化用触媒をウォッ
シュコートすることが、好ましい態様として例示され
る。
吸蔵還元型NOx浄化用触媒に適用するのは、γ-アルミ
ナ等の触媒担体に白金等の触媒成分とアルカリ金属等の
NOx吸蔵材を担持した吸蔵還元型NOx浄化用触媒と、
本発明の触媒を、ボールミル等によって混合し、それを
ハニカム基材にウォッシュコートする、あるいは、本発
明の触媒をハニカム基材の上流側にウォッシュコート
し、その下流側に吸蔵還元型NOx浄化用触媒をウォッ
シュコートすることが、好ましい態様として例示され
る。
【0019】なお、下記の実施例に示すように、本発明
の触媒を構成するチタニアナノチューブの製造は、チュ
ーブがまとまって束状の形態を呈するメソポーラスチタ
ニアの製造のように、特定の高価な界面活性剤を使用す
る必要がないため、本発明の触媒は、メソポーラスチタ
ニアを構成材料とする触媒と比較して、安価に提供でき
るといった特長を有する。以下、実施例によって本発明
をより具体的に説明する。
の触媒を構成するチタニアナノチューブの製造は、チュ
ーブがまとまって束状の形態を呈するメソポーラスチタ
ニアの製造のように、特定の高価な界面活性剤を使用す
る必要がないため、本発明の触媒は、メソポーラスチタ
ニアを構成材料とする触媒と比較して、安価に提供でき
るといった特長を有する。以下、実施例によって本発明
をより具体的に説明する。
【0020】
【実施例】実施例1
容積300mlのポリテトラフルオロエチレン製の内容
器を入れたステンレス製水熱合成容器(オートクレーブ)
に、40gのチタニア粉末(比表面積40m2/g、石原
産業(株)製TTO-55)と、40質量%のNaOH水溶
液の160gを加え、蓋をして、水熱合成容器の内部を
120℃に加熱し、この温度を24時間にわたって維持
した。
器を入れたステンレス製水熱合成容器(オートクレーブ)
に、40gのチタニア粉末(比表面積40m2/g、石原
産業(株)製TTO-55)と、40質量%のNaOH水溶
液の160gを加え、蓋をして、水熱合成容器の内部を
120℃に加熱し、この温度を24時間にわたって維持
した。
【0021】次いで、水熱合成容器を室温まで放冷した
後、内部のスラリーを取り出し、濾液のpHが中性にな
るまで、このスラリーをイオン交換水によって濾過・洗
浄した。次いで、得られたケーキ状の生成物を100℃
で終夜にわたって乾燥させ、チタニアナノチューブを得
た。窒素吸着BET法によるこのチタニアナノチューブ
の比表面積は175m2/gであった。この合成したチ
タニアナノチューブに、ジニトロジアンミン白金錯体水
溶液を用いて2.0質量%の白金を蒸発乾固によって担
持し、110℃×2時間の乾燥と450℃×2時間の焼
成を行って本発明の水性ガスシフト反応触媒を得た。
後、内部のスラリーを取り出し、濾液のpHが中性にな
るまで、このスラリーをイオン交換水によって濾過・洗
浄した。次いで、得られたケーキ状の生成物を100℃
で終夜にわたって乾燥させ、チタニアナノチューブを得
た。窒素吸着BET法によるこのチタニアナノチューブ
の比表面積は175m2/gであった。この合成したチ
タニアナノチューブに、ジニトロジアンミン白金錯体水
溶液を用いて2.0質量%の白金を蒸発乾固によって担
持し、110℃×2時間の乾燥と450℃×2時間の焼
成を行って本発明の水性ガスシフト反応触媒を得た。
【0022】実施例2
以下のようにして、実施例1で得られた本発明の触媒を
含むNOx吸蔵還元型触媒を調製した。20gのγ-アル
ミナを200gのイオン交換水に分散させ、このスラリ
ーに17.0gの酢酸バリウムを溶解させ、濃縮乾固し
た後、500℃×2時間の焼成を行って、バリウムが担
持されたγ-アルミナを調製した。次いで、このバリウ
ム担持γ-アルミナを、4.3gの炭酸水素アンモニウム
NH4HCO3を300gのイオン交換水に溶解させた溶
液に分散させて15分間攪拌し、次いで、吸引濾過と乾
燥を行って、γ-アルミナに担持されたバリウムを炭酸
バリウムに変化させた。
含むNOx吸蔵還元型触媒を調製した。20gのγ-アル
ミナを200gのイオン交換水に分散させ、このスラリ
ーに17.0gの酢酸バリウムを溶解させ、濃縮乾固し
た後、500℃×2時間の焼成を行って、バリウムが担
持されたγ-アルミナを調製した。次いで、このバリウ
ム担持γ-アルミナを、4.3gの炭酸水素アンモニウム
NH4HCO3を300gのイオン交換水に溶解させた溶
液に分散させて15分間攪拌し、次いで、吸引濾過と乾
燥を行って、γ-アルミナに担持されたバリウムを炭酸
バリウムに変化させた。
【0023】次いで、この炭酸バリウム担持混合粉末を
300gのイオン交換水に分散させ、このスラリーにP
t1.71×10-3モル相当量のジニトロジアンミン白
金錯体水溶液を加え、30分間攪拌した。次いで、この
スラリーを、濾過・乾燥して回収し、110℃×2時間
の乾燥と450℃×2時間の焼成を行って、白金とバリ
ウムが担持されたγ-アルミナを得た。この白金-バリウ
ム担持γ-アルミナに、実施例1の触媒を20g加え、
この混合粉末をボールミルによって24時間混合し、吸
蔵還元型NOx浄化用触媒を得た。
300gのイオン交換水に分散させ、このスラリーにP
t1.71×10-3モル相当量のジニトロジアンミン白
金錯体水溶液を加え、30分間攪拌した。次いで、この
スラリーを、濾過・乾燥して回収し、110℃×2時間
の乾燥と450℃×2時間の焼成を行って、白金とバリ
ウムが担持されたγ-アルミナを得た。この白金-バリウ
ム担持γ-アルミナに、実施例1の触媒を20g加え、
この混合粉末をボールミルによって24時間混合し、吸
蔵還元型NOx浄化用触媒を得た。
【0024】比較例1
チタニアナノチューブに代えて、上記のチタニア粉末
(TTO-55)を用いた以外は実施例1と同様にして、
白金が担持されたチタニア粉末からなる比較例の触媒を
得た。
(TTO-55)を用いた以外は実施例1と同様にして、
白金が担持されたチタニア粉末からなる比較例の触媒を
得た。
【0025】比較例2
実施例1で得られた白金担持チタニアナノチューブに代
えて、比較例1で得られた白金担持チタニア粉末を用い
た以外は実施例2と同様にして、吸蔵還元型NOx浄化
用触媒を得た。
えて、比較例1で得られた白金担持チタニア粉末を用い
た以外は実施例2と同様にして、吸蔵還元型NOx浄化
用触媒を得た。
【0026】−チタニアナノチューブの形態評価−
図2に、実施例1で得られたチタニアナノチューブの透
過型電子顕微鏡写真を示す。図2から分かるように、チ
タニアナノチューブは、実質的に、独立したバラバラの
繊維状であり、一方向に伸長した形態を有している。
過型電子顕微鏡写真を示す。図2から分かるように、チ
タニアナノチューブは、実質的に、独立したバラバラの
繊維状であり、一方向に伸長した形態を有している。
【0027】図3に、実施例1で得られたチタニアナノ
チューブの粉末X線回折パターンを示す。図3から分か
るように、このチタニアナノチューブは、ルチル型とも
アナターゼ型とも異なる結晶構造を有することが分か
る。図4に、実施例1で得られたチタニアナノチューブ
の細孔分布測定装置アサップ2000(島津製作所販売)
による測定チャートを示す。このチャートより、チタニ
アナノチューブは9.1nmの平均細孔径を有すること
が分かる。なお、約50nmの細孔ピークは、チューブ
間の空間に相当するものである。
チューブの粉末X線回折パターンを示す。図3から分か
るように、このチタニアナノチューブは、ルチル型とも
アナターゼ型とも異なる結晶構造を有することが分か
る。図4に、実施例1で得られたチタニアナノチューブ
の細孔分布測定装置アサップ2000(島津製作所販売)
による測定チャートを示す。このチャートより、チタニ
アナノチューブは9.1nmの平均細孔径を有すること
が分かる。なお、約50nmの細孔ピークは、チューブ
間の空間に相当するものである。
【0028】−水性ガスシフト反応の触媒性能評価−
実施例1と比較例1の触媒をそれぞれ圧縮・解砕して、
直径2〜3mmのペレット形状にした。これらのペレッ
ト触媒の各2gを、実験室用反応管の内部に配置し、下
記の組成のガスを流通させ、200〜400℃の範囲で
温度を変化させ、反応管出口のガスをガスクロマトグラ
フィーに導いて生成したH2の濃度を測定した。 CO:1.0% + CO2:10.0% + H2O:3.0%
(残余:窒素) このH2の濃度を図5に示す。結果より、実施例1の触
媒は、比較例1の触媒よりもH2生成量が多いことが分
かる。
直径2〜3mmのペレット形状にした。これらのペレッ
ト触媒の各2gを、実験室用反応管の内部に配置し、下
記の組成のガスを流通させ、200〜400℃の範囲で
温度を変化させ、反応管出口のガスをガスクロマトグラ
フィーに導いて生成したH2の濃度を測定した。 CO:1.0% + CO2:10.0% + H2O:3.0%
(残余:窒素) このH2の濃度を図5に示す。結果より、実施例1の触
媒は、比較例1の触媒よりもH2生成量が多いことが分
かる。
【0029】−NOx吸蔵還元型触媒としての触媒性能
評価− 実施例2と比較例2の各触媒を、それぞれ実験室用反応
器に配置し、下記に示す組成のモデル排気ガスを10
0,000-1の空間速度で導入し、触媒のNOx吸蔵量に
よって触媒性能を評価した。
評価− 実施例2と比較例2の各触媒を、それぞれ実験室用反応
器に配置し、下記に示す組成のモデル排気ガスを10
0,000-1の空間速度で導入し、触媒のNOx吸蔵量に
よって触媒性能を評価した。
【0030】リーンガス組成:
H2:0%+NO:800ppm+C3H6:600ppm+
CO2:11.0%+CO:0ppm+O2:7.0%+H
2O:3.0% (残余:N2) リッチガス組成: H2:0.15%+NO:100ppm+C3H6:330p
pm+CO2:11.0%+CO:6000ppm+O2:0
%+H2O:3.0% (残余:N2)
CO2:11.0%+CO:0ppm+O2:7.0%+H
2O:3.0% (残余:N2) リッチガス組成: H2:0.15%+NO:100ppm+C3H6:330p
pm+CO2:11.0%+CO:6000ppm+O2:0
%+H2O:3.0% (残余:N2)
【0031】これらのガスの温度を、250〜450℃
の範囲で変化させ、リッチガスを供給しながら実験室用
反応器出口のガス組成が定常状態になった後、リーンガ
スに切り換えてNOxを吸蔵させ、再び実験室用反応器
出口のガス組成が定常状態になった後に、5秒間にわた
ってリッチガスを導入し、再びリーンガスに切り換えた
後のNOx吸蔵量、即ち、リッチスパイクの後のNOx吸
蔵量を測定した。この結果を図6に示す。結果より、実
施例2の触媒は、比較例2の触媒よりも低温におけるリ
ッチスパイク後のNOx吸蔵量が多く、したがって、よ
り低温からNOx還元性能を発揮できることが分かる。
の範囲で変化させ、リッチガスを供給しながら実験室用
反応器出口のガス組成が定常状態になった後、リーンガ
スに切り換えてNOxを吸蔵させ、再び実験室用反応器
出口のガス組成が定常状態になった後に、5秒間にわた
ってリッチガスを導入し、再びリーンガスに切り換えた
後のNOx吸蔵量、即ち、リッチスパイクの後のNOx吸
蔵量を測定した。この結果を図6に示す。結果より、実
施例2の触媒は、比較例2の触媒よりも低温におけるリ
ッチスパイク後のNOx吸蔵量が多く、したがって、よ
り低温からNOx還元性能を発揮できることが分かる。
【0032】
【発明の効果】高活性の水性ガスシフト反応触媒を提供
することができる。
することができる。
【図1】チタニアナノチューブの構造を模式的に示す図
である。
である。
【図2】チタニアナノチューブの粒子構造を示す、図面
に代わる透過型電子顕微鏡写真である。
に代わる透過型電子顕微鏡写真である。
【図3】各種チタニアの粉末X線回折パターンである。
【図4】チタニアナノチューブの細孔径分布を示すチャ
ートである。
ートである。
【図5】触媒のH2生成量を比較したグラフである。
【図6】触媒のNOx吸蔵量を比較したグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C01B 3/16 C01B 3/48
3/48 B01D 53/36 102D
Fターム(参考) 3G091 AA02 AB06 BA01 BA14 GA16
4D048 AA06 AB02 BA07X BA15X
BA30X BA41X BA45X
4G040 EA06 EB32
4G069 AA03 AA08 BA01B BA04A
BA04B BB16B BC13B BC75B
CA03 CA08 CA13 CC26 DA06
EA02Y EC03Y EC14X EC15X
FB14
Claims (4)
- 【請求項1】 チタニアナノチューブに貴金属が担持さ
れたことを特徴とする水性ガスシフト反応触媒。 - 【請求項2】 前記チタニアナノチューブが、5〜20
nmのメソ細孔径と10〜500nmの長さを有する請
求項1に記載の水性ガスシフト反応触媒。 - 【請求項3】 貴金属/チタニアナノチューブの質量比
が1/10〜1/1000である請求項1又は2に記載
の水性ガスシフト反応触媒。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水
性ガスシフト反応触媒を含むことを特徴とする吸蔵還元
型NOx浄化用触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002035463A JP2003236377A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 水性ガスシフト反応触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002035463A JP2003236377A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 水性ガスシフト反応触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003236377A true JP2003236377A (ja) | 2003-08-26 |
Family
ID=27777641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002035463A Pending JP2003236377A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 水性ガスシフト反応触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003236377A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035127A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | 水性ガスシフト反応触媒および該触媒の製造方法。 |
AT501383A1 (de) * | 2005-02-10 | 2006-08-15 | Electrovac | Wasserstoffherstellung |
WO2006087841A1 (ja) * | 2005-02-17 | 2006-08-24 | Osaka University | 酸化チタンナノチューブ及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-02-13 JP JP2002035463A patent/JP2003236377A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035127A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | 水性ガスシフト反応触媒および該触媒の製造方法。 |
JP4657645B2 (ja) * | 2004-07-28 | 2011-03-23 | 日揮触媒化成株式会社 | 水性ガスシフト反応触媒および該触媒の製造方法。 |
AT501383A1 (de) * | 2005-02-10 | 2006-08-15 | Electrovac | Wasserstoffherstellung |
AT501383B1 (de) * | 2005-02-10 | 2006-11-15 | Electrovac | Wasserstoffherstellung |
WO2006087841A1 (ja) * | 2005-02-17 | 2006-08-24 | Osaka University | 酸化チタンナノチューブ及びその製造方法 |
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