JP4861018B2 - 一酸化窒素酸化用触媒及び一酸化窒素の酸化方法 - Google Patents

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本発明は、溶解炉、焼成炉などで発生する燃焼による排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を湿式脱硝設備にて除去するのに好適に利用できる一酸化窒素酸化用触媒及び一酸化窒素の酸化方法に関するものである。
従来、火力発電所、コークス炉、溶解炉などで発生する燃焼による排ガス中の窒素酸化物(以下、NOともいう)を除去する技術(排煙脱硝技術)としては、(1)TiO/V触媒を用い、アンモニアを注入することで、排ガス中のNOをNとHOに分解するアンモニア接触還元法、(2)活性炭(又はコークス)によりNOを吸着し、活性炭の触媒作用によりNOをアンモニアでNに分解させる活性炭法、(3)排ガスにアンモニアを加え、電子ビームを照射してNOを硝酸アンモニウムとして除去する電子線照射法、(4)一酸化窒素(NO)をオゾン又は酸化剤で処理し、二酸化窒素(NO)に変換した後にこれをアルカリ溶液で吸収する湿式吸収法(湿式酸化吸収法)、などの方法などが知られている。
これらの方法の中でも特に前記アンモニア接触還元法は、脱硝性能が高く、脱硝設備を安定して自動運転できるようになったことから、排ガス中のNOを除去する方法の主流となっている。
一方、前記湿式吸収法は、通常NOと同時に排出されることが多いSO(硫黄酸化物)を同時に除去できること、またアンモニア接触還元法と比較してイニシャルコストが安価であるという利点があるが、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素にするために使用されるオゾンや二酸化塩素などの酸化剤のコストが高く、比較的小型のボイラや加熱炉などに採用されるに留まっている。
また、酸化剤を用いずに一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する一酸化窒素の酸化方法としては、Ptなどの貴金属触媒などを用いて200℃程度の温度で接触させるようにした方法が知られているものの、触媒に用いられる貴金属のコストが高いという問題がある。
さらに、高価な貴金属触媒を使わない一酸化窒素の酸化方法として、二酸化マンガン及び酸化鉄からなる触媒を用いる方法(特許文献1:特開昭49−45894号公報)、二酸化マンガン及び酸化鉛からなる触媒を用いる方法(特許文献2:特開昭50−62859号公報)が提案されているものの、触媒の一酸化窒素酸化性能(一酸化窒素酸化活性)は必ずしも充分とは云えなかった。
また、触媒の酸化性能をさらに高めるために、比表面積50m/g以上で、最大強度を示すX線回折角度(2θ)が37±1°である酸化マンガン、あるいは、Cu及び/又はFeを含有する前記酸化マンガンにルテニウム化合物を担持した窒素酸化物吸着剤(特許文献3:特開平9−141088号公報)が提案されている。しかし、この窒素酸化物吸着剤では、高い一酸化窒素酸化性能が得られているものの、高価なルテニウムを含有するため窒素酸化物吸着剤の価格が高いという問題があった。
特開昭49−45894号公報(第1−3頁) 特開昭50−62859号公報(第1−3頁) 特開平9−141088号公報(第2−3頁)
そこで本発明の課題は、高い一酸化窒素酸化性能を有するとともに、貴金属触媒に比べて安価で、低い反応温度で反応できる一酸化窒素酸化用触媒、及びその触媒を用いた一酸化窒素の酸化方法を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、カリウム化合物のみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒である。
請求項2の発明は、接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、炭酸塩のみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒である。
請求項3の発明は、接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、炭酸カリウムのみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒である。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化窒素酸化用触媒において、前記Mn−Cu複合酸化物における[Mn/(Mn+Cu)]の質量比が0.15以上、前記Mn−Fe複合酸化物における[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.10以上であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、一酸化窒素を触媒の存在下で二酸化窒素に酸化する方法において、80℃以上の温度で、前記触媒として請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化窒素酸化用触媒を用いることを特徴とする一酸化窒素の酸化方法である。
本発明の一酸化窒素酸化用触媒は、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、カリウム化合物、炭酸塩又は炭酸カリウムのみを含有するものであるから、一酸化窒素を高い酸化性能にて二酸化窒素に酸化することができるとともに、貴金属触媒に比べて安価で済み、かつ、80〜100℃程度の低い反応温度で反応でき、湿式脱硝設備に用いられて、低コスト・高効率な窒素酸化物の除去に寄与することができる。
また、本発明の一酸化窒素の酸化方法は、前記一酸化窒素酸化用触媒を用い、80℃以上の温度で一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するようにしたものであるから、湿式脱硝設備に用いられて、低コスト・高効率な窒素酸化物の除去に寄与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一酸化窒素酸化用触媒は、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、カリウム化合物、炭酸塩又は炭酸カリウムのみを含有しており、このような構成により、80〜100℃程度の低い反応温度で、かつ、高い一酸化窒素酸化性能(一酸化窒素酸化率)にて一酸化窒素を二酸化窒素に酸化することができる。
本発明の一酸化窒素酸化用触媒では、Mn酸化物を有するものに比べて、Mn−Cu複合酸化物又はMn−Fe複合酸化物を有するものの方が、一段と優れた触媒活性(一酸化窒素酸化性能)を発揮する。ここで複合酸化物とは、2種の金属酸化物の単純な混合物ではなく、O原子を介しての両金属の結合が形成された別種の酸化物のことである。複合酸化物とすることにより、酸化物中のO原子の供与と空気中の からO原子の補給が容易になるため、触媒活性が向上するためと考えられる。
本発明の一酸化窒素酸化用触媒では、Mn−Cu複合酸化物における[Mn/(Mn+Cu)]の質量比が0.15以上、より好ましくは0.45以上であることがよい。[Mn/(Mn+Cu)]の質量比が0.15未満では、Mn量の不足によりMn酸化物単独よりも触媒活性が低下するためである。そして、この質量比が高くなりすぎると、Cuとの複合効果が有効に発揮されにくくなり触媒活性が低下傾向を示すようになるため、前記質量比の上限は0.95とすることがよい。
また、本発明の一酸化窒素酸化用触媒では、Mn−Fe複合酸化物における[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.10以上、より好ましくは0.30以上であることがよい。[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.10未満では、Mn量の不足によりMn酸化物単独よりも触媒活性が低下するためである。そして、この質量比が高くなりすぎると、Feとの複合効果が有効に発揮されにくくなり触媒活性が低下傾向を示すようになるため、前記質量比の上限は0.85とすることがよい。
本発明の一酸化窒素酸化用触媒では、触媒に占めるカリウムの含有率は、0.3〜10質量%の範囲がよい。カリウムの含有率が0.3質量%未満では添加効果が弱く、一酸化窒素酸化性能(触媒活性)が充分発揮されず、一方、10質量%を超えて添加すると触媒表面積の低下により一酸化窒素酸化性能が低下するためである。したがって、触媒に占めるカリウムの含有率は、0.3〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%がよい。一酸化窒素酸化用触媒の作製の際に、カリウムは、例えば水酸化カリウム(KOH),硝酸カリウム(KNO),過マンガン酸カリウム(KMnO)などの水溶液の形態で、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物又はMn−Fe複合酸化物にスプレー法によって担持させ、このものを乾燥させるようにすればよい。
また、本発明の一酸化窒素酸化用触媒では、触媒に占める炭酸の含有率は、前記カリウムと同様の理由で、0.3〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%がよい。一酸化窒素酸化用触媒の作製の際に、炭酸は、例えば炭酸ナトリウム(NaCO),炭酸カルシウム(CaCO),炭酸マグネシウム(MgCO),炭酸リチウム(LiCO)などの水溶液の形態でMn酸化物、Mn−Cu複合酸化物又はMn−Fe複合酸化物にスプレー法によって担持させ、このものを乾燥させるようにすればよい。なお、炭酸カリウム(KCO)を用いることで、カリウムと炭酸を含有する一酸化窒素酸化用触媒が得られる。
図1は本発明を利用する湿式排気脱硝設備のフロー図である。
図1に示すように、NO含有排ガス発生源1からの排ガスを、排ガス導入ラインL1を経て一酸化窒素酸化用触媒充填塔2に導入し、一酸化窒素酸化用触媒充填塔2内に収容されている本発明の一酸化窒素酸化用触媒に80℃以上の温度、例えば100℃の温度で接触させることにより、NO含有排ガス発生源1からの排ガス中の一酸化窒素が二酸化窒素に酸化される。そして、一酸化窒素が酸化された二酸化窒素を含む排ガスを、排ガス導入ラインL2を経て湿式吸収塔3に導入し、吸収液(苛性ソーダ水溶液)にて二酸化窒素を吸収することにより、NOが除去された排ガスが排気ラインL3を経て排出される。なお、4は吸収液タンクから湿式吸収塔3内に供給された吸収液を湿式吸収塔3上部から注入するための吸収液用ポンプである。このように、本発明の一酸化窒素酸化用触媒は、貴金属触媒に比べて安価で済み、かつ、80〜120℃程度の低い反応温度で反応でき、湿式排気脱硝設備に用いられて、低コスト・高効率な窒素酸化物の除去に寄与することができる。
(1)Mn酸化物をベースとする一酸化窒素酸化用触媒を作製し、その一酸化窒素酸化性能(一酸化窒素酸化率)の評価を行った。
硝酸マンガン[Mn(NO・6HO]の水溶液に水酸化カリウムの水溶液を混合し、水酸化マンガン[Mn(OH)]の沈殿物を調製した。並行して、過マンガン酸カリウムの水溶液を調製し、この水溶液を前記水酸化マンガン沈殿物に攪拌下に加えた後、60分間攪拌を継続し、水酸化マンガンを液相中で酸化処理した。次いで、得られたマンガン酸化物の沈殿物について濾過と水洗とを繰り返して不純物を除去し、しかる後、このマンガン酸化物の沈殿物を乾燥器にて乾燥した。この乾燥物をアルミナゾルと均一に混合し、必要に応じて水分調整を行いつつ湿式成形に適した水分状態とし、これをスクリュー式押出機によって直径1/8インチの錠剤状(ペレット状)の押出品に成形した。しかる後、この押出品を乾燥器によって乾燥し、一酸化窒素酸化用触媒機能を有する錠剤状のMn酸化物を得た。
そして、水酸化カリウム水溶液を調製し、これを前記Mn酸化物にスプレー法によって担持させた後、乾燥器で乾燥を行うことにより、カリウム化合物が添加されたMn酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒を得た。カリウムの含有率は、スプレーする水酸化カリウム水溶液の濃度を調整することで変化させた。同様に、炭酸ナトリウム水溶液を調製し、これを前記Mn酸化物にスプレー法によって担持させた後、乾燥を行うことにより、炭酸ナトリウムが添加されたMn酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒を得た。炭酸の含有率は、スプレーする炭酸ナトリウム水溶液の濃度を調整することで変化させた。また、同様に、炭酸カリウム水溶液を調製し、これを前記Mn酸化物にスプレー法によって担持させた後、乾燥を行うことにより、炭酸カリウムが添加されたMn酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒を得た。炭酸の含有率は、スプレーする炭酸カリウム水溶液の濃度を調整することで制御した。
前記作製した各一酸化窒素酸化用触媒の一酸化窒素酸化性能の評価は、当該触媒をステンレス製反応管に、触媒充填量10cc(充填高さ2.5cm)で充填し、一酸化窒素100ppm、バランス空気(相対湿度60%)の供給ガス組成で、空間速度(SV)20000h−1、反応温度100℃の条件で一酸化窒素含有ガスを処理することで行った。触媒の一酸化窒素から二酸化窒素への酸化反応の触媒活性は、反応管出口の一酸化窒素濃度とNOx濃度(NO+NO濃度)を化学発光式分析計で測定した。各触媒に対して一酸化窒素の酸化率は、[一酸化窒素酸化率(%)=(1−出口一酸化窒素濃度/入口一酸化窒素濃度)×100]によって求めた。実施例及び比較例の一酸化窒素酸化用触媒の一酸化窒素酸化率を調べた結果を表1に示す。
Figure 0004861018
単にMn酸化物のみからなる比較例1では、一酸化窒素酸化率は低く61%であった。これに対して、カリウム化合物又は炭酸塩が添加されたMn酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒では、その一酸化窒素酸化率が顕著に向上した。すなわち、カリウム含有率:0.3質量%の実施例1では一酸化窒素酸化率が比較例1の61%から71%まで向上し、カリウム含有率が0.5〜5質量%の実施例2〜4では、90%前後の高い一酸化窒素酸化率が得られた。なお、カリウム含有率:10質量%の実施例5では、実施例4(カリウム含有率:5質量%)に比べて一酸化窒素酸化性能の低下が認められた。カリウムの添加量が多いために、触媒としての活性は高いが、細孔がカリウムで充填されることで比表面積が低下し、一酸化窒素酸化性能の低下が起こったものと考えられる。
炭酸塩が添加されたMn酸化物からなる実施例6〜10についても、前記の実施例1〜5と同様な傾向が認められ、炭酸含有率:0.3〜10質量%の範囲において炭酸塩が存在することで一酸化窒素酸化率が高くなることが確認された。また、炭酸カリウムが添加されたMn酸化物からなる実施例11では、92%と非常に高い一酸化窒素酸化率が得られた。
(2)Mn−Cu複合酸化物をベースとする一酸化窒素酸化用触媒を作製し、その一酸化窒素酸化性能(一酸化窒素酸化率)の評価を行った。
硫酸マンガン[MnSO・5HO]と硫酸銅[CuSO・5HO]を純水に溶解し、これと別途調製した水酸化ナトリウム水溶液とを攪拌下で混合することにより水酸化マンガンと水酸化銅との共沈殿物を生成させた。次いでこの共沈殿物を液相中で酸化処理するため、攪拌しながら過硫酸アンモニウム[(NH]水溶液を徐々に添加し、共沈殿物の液相酸化を行ってMn−Cuの複合酸化物を得た。この複合酸化物について濾過と水洗とを繰り返して不純物を除去し、しかる後、乾燥器にて乾燥した。この乾燥物をアルミナゾルと均一に混合し、必要に応じて水分調整を行いつつ湿式成形に適した水分状態とし、これをスクリュー式押出機によって直径1/8インチの錠剤状(ペレット状)の押出品に成形した。しかる後、この押出品を乾燥器によって乾燥し、一酸化窒素酸化用触媒機能を有する錠剤状のMn−Cu複合酸化物を得た。そして、硫酸マンガンと硫酸銅の使用量を変化させることにより、[Mn/(Mn+Cu)]の質量比を変えたMn−Cu複合酸化物を調製した。
そして、炭酸カリウム水溶液を調製し、これを前記Mn−Cu複合酸化物にスプレー法によって担持させた後、乾燥器で乾燥を行うことにより、炭酸カリウムが添加されたMn−Cu複合酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒を得た。得られた実施例及び比較例の一酸化窒素酸化用触媒について、前記(1)の場合と同様の評価方法によって一酸化窒素酸化率を調べた。その結果を表2に示す。
Figure 0004861018
表2から分かるように、Mn−Cu複合酸化物における[Mn/(Mn+Cu)]の質量比が0.15以上、特に0.45〜0.95の範囲である実施例13〜16では、一段と優れた一酸化窒素酸化率が得られた。
(3)Mn−Fe複合酸化物をベースとする一酸化窒素酸化用触媒を作製し、その一酸化窒素酸化性能(一酸化窒素酸化率)の評価を行った。
硫酸マンガン[MnSO・5HO]と硫酸第一鉄[FeSO・7HO]を純水に溶解し、これと別途調製した炭酸ナトリウム水溶液とを攪拌下で混合することによりマンガンと鉄の塩基性炭酸塩とからなる共沈殿物を生成させた。次いでこの共沈殿物を液相中で酸化処理するため、攪拌しながら過硫酸アンモニウム[(NH]水溶液を徐々に添加し、共沈殿物の液相酸化を行いMn−Feの複合酸化物を得た。この複合酸化物について濾過と水洗とを繰り返して不純物を除去し、しかる後、乾燥器にて乾燥した。この乾燥物をアルミナゾルと均一に混合し、必要に応じて水分調整を行いつつ湿式成形に適した水分状態とし、これをスクリュー式押出機によって直径1/8インチの錠剤状(ペレット状)の押出品に成形した。しかる後、この押出品を乾燥器によって乾燥し、一酸化窒素酸化用触媒機能を有する錠剤状のMn−Fe複合酸化物を得た。そして、硫酸マンガンと硫酸鉄の使用量を変化させることにより、[Mn/(Mn+Fe)]の質量比を変えたMn−Fe複合酸化物を調製した。
そして、炭酸カリウム水溶液を調製し、これを前記Mn−Fe複合酸化物にスプレー法によって担持させた後、乾燥器で乾燥を行うことにより、炭酸カリウムが添加されたMn−Fe複合酸化物からなる一酸化窒素酸化用触媒を得た。得られた実施例及び比較例の一酸化窒素酸化用触媒について、前記(1)の場合と同様の評価方法によって一酸化窒素酸化率を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 0004861018
表3から分かるように、Mn−Fe複合酸化物における[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.10以上、特に0.30〜0.85の範囲である実施例19〜21では、一段と優れた一酸化窒素酸化率が得られた。
本発明を利用する湿式排気脱硝設備のフロー図である。
符号の説明
1…NO含有排ガス発生源
2…一酸化窒素酸化用触媒充填塔
3…湿式吸収塔
4…吸収液用ポンプ

Claims (5)

  1. 接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、カリウム化合物のみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒。
  2. 接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、炭酸塩のみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒。
  3. 接触により一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる一酸化窒素酸化用触媒において、触媒作用物質として、Mn酸化物、Mn−Cu複合酸化物及びMn−Fe複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも一種と、炭酸カリウムのみを含有することを特徴とする一酸化窒素酸化用触媒。
  4. 前記Mn−Cu複合酸化物における[Mn/(Mn+Cu)]の質量比が0.15以上、前記Mn−Fe複合酸化物における[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.10以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化窒素酸化用触媒。
  5. 一酸化窒素を触媒の存在下で二酸化窒素に酸化する方法において、80℃以上の温度で、前記触媒として請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化窒素酸化用触媒を用いることを特徴とする一酸化窒素の酸化方法。
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