JP3917216B2 - 低損失フェライト磁心材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、低損失フェライト磁心材料の関し、特に、スイッチング電源などの電源トランス等に供して好適な、高い飽和磁束密度を有する低損失フェライト磁心材料について提案する。
【0002】
【従来の技術】
フェライトと称される酸化物磁性材料は、BaフェライトやSrフェライトなどの硬質磁性材料とMnZnフェライトやNiZnフェライトなどの軟質磁性材料とに分類される。このうち軟質磁性材料は、非常にわずかな磁場に対しても十分に磁化する材料であり、電源や通信機器、計測制御機器、磁気記録材料、コンピュータなどの多方面にわたって用いられる重要な磁性材料である。それ故に、この軟質磁性材料には、保磁力が小さく透磁率が高いこと、飽和磁束密度が大きいこと、低損失であることなどの多くの特性が要求される。
【0003】
このような軟質磁性材料としては、上記フェライト以外に金属系の磁性材料が挙げられる。この金属磁性材料は、酸化物磁性材料と比べると飽和磁束密度が高く、この点では有利である。しかしながら、金属磁性材料は、電気抵抗が低いために、高周波帯域で使用する際には渦電流に起因する磁気損失が大きくなり、高周波帯域まで低損失でかつ高い透磁率を維持することができないという欠点があった。
【0004】
そのため、電子機器の小型化、高密度化に伴って使用周波数帯域の高周波化が進む今日では、上記金属磁性材料は、例えばスイッチング電源等に用いられる 100kHz以上の周波数帯域では、渦電流損による発熱が大きくなるので、その適用はほとんど不可能であった。
【0005】
このような背景から、高周波数帯域で用いる電源用トランスの磁心材料としては、酸化物系のMnZnフェライトを用いることが主流となっている。
【0006】
さて、電源用トランスの磁心材料として用いられる電源用MnZnフェライトに対しては、飽和磁束密度が高いこと、キュリー温度が高いことおよび低損失であることが要求される。
【0007】
このうち、磁性材料の低損失化については、磁気損失を支配する要因として磁気異方性定数K1 ならびに磁歪定数λが知られており、MnZn系フェライト材料においても、これらのパラメータが損失を最小とするようなMnO−ZnO−Fe2O3 三元系の組成領域が従来から選択されている。即ち、磁気損失が小さくなる組成領域とは、電源用トランスの動作温度(80℃)付近の温度において、磁気異方性定数K1 ならびに飽和磁歪定数λs がともに小さい三元系の組成領域である。従って、磁気損失は、この領域から外れるにつれ増加の一途をたどる。
【0008】
また、飽和磁束密度については、その値を改善するにはコアの焼結体密度を高くする必要があるが、MnZn系フェライトの基本成分に着目すれば、Fe2O3 の含有量が多いほど飽和磁束密度が高くなることが知られている。ところが、ZnOの含有量がゼロに近い組成領域においてはZnO量の増加に伴いこの飽和磁束密度は高くなるが、ZnO量がさらに増加すると、相対的に Fe2O3の含有量が少なくなるので、逆に飽和磁束密度は低下する傾向にある。しかもこのZnO量の増加はキュリー温度の低下ももたらす。
このように、上記の各磁気特性は、Mn−Znフェライトの基本成分であるMnO:ZnO:Fe2O3 の比でほぼ決まるものである。
【0009】
このような事実に鑑みて、従来、上記電源用Mn−Zn系フェライトの要求特性である高飽和磁束密度と低損失の両者を満足させることを目的として、特開平4−318904号公報では、MnO−ZnO−Fe2O3 三元系フェライトのFe2O3 の一部をNiOで置換すると共に添加物としてCaOとSiO2を添加したMnZnフェライトコアが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案にかかるMnZnフェライトコアは、100kHzにおける損失が400 kW/m3程度であり、ある程度の飽和磁束密度の向上と損失低下が図れるとしても、今日のスイッチング電源に適用されている100kHz〜500kHz程度の比較的広い周波数帯域において要求される値から判断すると、特性的に未だ不十分なものであった。
【0011】
そこで、この発明の目的は、100kHz〜500kHz程度の比較的広い周波数帯域において、低損失でかつ高い飽和磁束密度を有するフェライト磁心材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的の実現に向け、MnO−ZnO−Fe2O3三元系フェライトにNiO、SiO2およびCaOを含有させた成分組成に基づいて鋭意研究を行った。その結果、上記成分組成におけるNiO含有量を幾分高くするとともに、微量添加成分として、Ta2O5,Zr O 2 ,Nb2O5,V2O5,TiO2およびHfO2のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上を好適範囲で添加含有させることにより、100kHz〜500kHzの周波数帯域で高い飽和磁束密度を維持しつつ低損失を実現できることを見いだした。
【0013】
すなわち、この発明の低損失フェライト磁心材料は、Fe2O3:53〜57mol%、ZnO:4〜11mol%およびNiO:0.5〜4mol%を含み、残部実質的にMnOの組成になる基本成分中に、SiO2:0.0050〜0.0500wt%およびCaO:0.0200〜0.2000wt%を含有し、さらにTa2O5,ZrO2,Nb2O5,V2O5,TiO2およびHfO2のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上の添加成分を下記範囲で含有し、80℃における飽和磁束密度が450mT以上であることを特徴とするものである。
記
Ta2O5:0.0050〜0.1000wt%
ZrO2:0.0100〜0.1500wt%
Nb2O5:0.0050〜0.0500wt%
V2O5:0.0050〜0.0500wt%
TiO2:0.0500〜0.3000wt%
HfO2:0.0050〜0.0500wt%
【0014】
なお、この発明にかかる上記低損失フェライト磁心材料は、電源トランスとして使用される温度、即ち80℃における飽和磁束密度が450mT以上であることが必要である理由は、飽和磁束密度(Bm)を大きくすることにより、この値と残留磁束密度(Br)との差で定義される動作磁束密度ΔB(=Bm−Br)を大きくすることができるからである。これは、電源トランスにおいて、幅広い磁場の値に対して、十分な磁束の応答ができる、すなわち、良好な電圧制御を行うことができることを意味する。従来の材料では、室温で500mT以上の飽和磁束密度の値を示しても、80℃では400mT付近の値となっていた。また、本発明の範囲においては、動作温度における残留磁束密度は従来材料のものと変わらないことがわかっている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明において、成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
・Fe2O3 :53〜57 mol%
Fe2O3 の含有量は、少なすぎると飽和磁束密度が低下するため、これを高い値に維持するためには 53mol%以上とすることが必要である。
一方、本発明に係るフェライト磁心材料のように、NiOを含む組成では、磁性イオンであるNi2+イオンがフェライトのスピネル化合物の格子点に入ることにより、他の格子点にある磁性イオンとの相互作用を介して磁気異方性定数K1 ならびに飽和磁歪定数λs が変化するので、かかるNiOを従来に比べて多く含むことによって磁気損失に関する三元系の最適組成範囲が Fe2O3リッチ側に広がると推測される。しかしながら、Fe2O3 の含有量は、多すぎるとNiOを含む組成でも損失が大きくなるので、上限を57 mol%とした。
【0016】
・ZnO:4〜11 mol%
ZnOの含有量が少なすぎると飽和磁束密度が小さくなるが、Fe2O3 とNiOの組成を好適範囲に選択すれば高い飽和磁束密度を維持することができる。また、損失の点では、ZnOの含有量が少ない場合、100 kHz においては損失が増大するものの、500kHz程度の高周波帯域では低い損失を示す。従って、ZnOの含有量は、4 mol%以上とした。
一方、ZnO量の含有量が多すぎると、室温での飽和磁束密度が小さくなるだけでなくキュリー温度が低下するために、トランスの動作温度(80℃)付近においては、温度上昇に伴うより急速な飽和磁束密度の低下を招く。また、損失の点では、ZnO量の含有量が多すぎるとNiOの含有効果がなくなってしまう。従って、ZnOの含有量は、上限を11 mol%とした。
【0017】
・NiO:0.5 〜4 mol%
NiOの含有量が 0.5 mol%に満たないと、損失に対するその含有効果が顕著でなく、飽和磁束密度も小さい。一方、NiOの含有量が多すぎると、 100kHz 程度の周波数帯域で損失が急激に増大するため、NiOの含有量は4 mol%を上限とした。
なお、従来技術との比較の意味で、NiOの含有量をwt%で表示すると 0.3〜2.5 wt%となる。この数値からも明らかなように、本発明にかかるフェライト磁心材料は、NiOの含有量を従来の材料に比べて幾分多めに設定している。
【0018】
・SiO2:0.0050〜0.0500wt%
CaO:0.0200〜0.2000wt%
SiO2およびCaOは、焼結性を高めかつ粒界相を高抵抗化して低損失を実現するために必要不可欠な添加成分である。
SiO2は、焼結促進の効果があり、この効果を充分に引き出すためには0.0050wt%以上の添加が必要であり、多すぎると異常粒成長を起こすために、その上限を0.0500wt%とした。ただし、この上限付近の添加量では焼結温度を下げる等の考慮が必要である。
CaOは、SiO2とともに粒界を高抵抗化して損失を小さくする効果があり、この効果を引き出すためには0.0200wt%以上の添加が必要であり、0.2000wt%を超えて添加すると焼結性に問題があるので、その上限を0.2000wt%以下とした。
【0019】
・Ta2O5 :0.0050〜0.1000wt%
ZrO2 :0.0100〜0.1500wt%
Nb2O5 :0.0050〜0.0500wt%
V2O5 :0.0050〜0.0500wt%
TiO2 :0.0500〜0.3000wt%
HfO2 :0.0050〜0.0500wt%
この発明にかかるフェライト磁心材料では、スピネルを形成しない、Ta2O5, ZrO2, Nb2O5, V2O5, TiO2およびHfO2のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上の微量添加成分を加えることが、損失の少ない高性能の電源用Mn−Zn−Niフェライト磁心材料とする上で必須である。
【0020】
Ta2O5は、SiO2, CaOの共存下で比抵抗の増大に有効に寄与する添加成分である。この Ta2O5の含有量が0.0050wt%に満たないとその添加効果に乏しく、一方、0.1000wt%を超えると逆に損失の増大を招く。従って、Ta2O5 は0.0050〜0.1000wt%の範囲で添加するものとした。
【0021】
ZrO2は、SiO2, CaO, Ta2O5 の共存下でTa2O5 と同様に粒界の抵抗を高めて高周波での損失の低減に有効に寄与する添加成分である。抵抗の増加に寄与する割合はTa2O5 と比べると効果が少ないが、損失の低減に寄与する割合は大きく、特に極小温度付近から高温側での損失低減に寄与している。このZrO2の含有量が 0.0100wt%に満たないとその添加効果に乏しく、一方、0.1500wt%を超えると逆に比抵抗を高める効果が少なくなり損失が増大する。従って、ZrO2の最適添加量は0.0100〜0.1500wt%とした。
【0022】
Nb2O5 は、SiO2, CaOと粒界相を形成し、粒界抵抗を高め損失低減に寄与する添加成分である。このNb2O5 の含有量が0.0050wt%未満ではその添加効果に乏しく、一方、0.0500wt%を超えると過剰に粒界相に析出してかえって損失を増大してしまう。従って、Nb2O5 は0.0050〜0.0500wt%の範囲で添加するものとした。
【0023】
V2O5, HfO2は、ともに異常粒成長を抑制しかつ粒界抵抗を高める働きがある添加成分である。この添加成分の含有量は、0.0050wt%より少ないとその改善効果がなく、一方、0.0500wt%より多すぎると損失が増大するため、先に述べた範囲に限定した。
【0024】
TiO2は、一部粒界に存在し焼成後の冷却過程で粒界再酸化を助長して損失を低下させる添加成分である。またTiO2は、スピネル格子の原子とも置換して損失極小温度をシフトさせる働きがある添加成分でもある。しかしながら、その添加量が多すぎると異常粒成長を引き起こすために0.3000wt%以下で添加する。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
基本成分組成が表1に示す組成となるように、各成分の原料酸化物を配合し、次いで、ボールミルを用いて湿式混合したのち乾燥し、その後、得られた原料混合粉を大気雰囲気中,950 ℃で3時間仮焼した。こうして得られた仮焼粉に対して、SiO2:0.008 wt%、CaCO3 :0.13wt%、Ta2O5 :0.04wt%およびHfO2:0.03wt%を添加し、再度、ボールミルを用いて湿式混合粉砕してから乾燥処理を行った。そして、得られた粉末にポリビニルアルコール5wt%水溶液を10wt%添加したのち、造粒し、次いで、外径36mm, 内径24mm, 高さ12mmのリング状に成形し、その後、酸素分圧を制御した窒素・空気混合ガス中で1330℃, 3時間の焼成を行い、焼結体試料とした。
【0026】
このようにして得られた焼結体試料について、1次側5巻,2次側5巻の巻線を施し、100kHzの周波数で最大磁束密度200mT の条件下で、電力損失を交流BHトレーサーにより0〜140 ℃で測定した。その結果、電力損失の極小値ならびにその極小値を示した温度を表1に示す。
また、同じ焼結体試料について、1次側20巻,2次側40巻の巻線を施し、80℃において直流BHループトレーサーで15Oeの磁場をかけたときの磁束密度を測定した。なお、この大きさの磁場では、磁束はほぼ飽和しており、この値は飽和磁束密度と見なせる。この結果についても表1に併せて示す。
この表に示す結果から明らかなように、適合例にかかるこの発明のフェライト磁心材料は、損失が小さくかつ高い飽和磁束密度を有している。
【0027】
【表1】
【0028】
(実施例2)
表2に示す4種類の三元系の成分組成に対し、NiO含有量を変化させてなる基本成分組成について、実施例1と同様にしてSiO2, CaCO3, Ta2O5およびHfO2を加えて混合, 仮焼, 粉砕, 成形, 焼成し焼結体試料を作製した。
なお、NiOをx mol%加える毎に、Fe2O3 を 0.5x mol%増やし、その増加分をMnOから減らすように組成を変化させた。これにより損失極小温度の大きな変動を避けることができる。
【0029】
このようにして得られた焼結体試料について、100kHz, 200mT の条件で、20〜140 ℃の範囲で電力損失の温度変化を測定し、もとめた損失極小値とNiO量の関係を図1に、また、NiO量と80℃における磁束密度の関係を図2に示す。
これらの図から明らかなように、NiOが4 mol%を超えると損失が急増し、かつ飽和磁束密度増加の効果も顕著でなくなる。また、ZnO量が11 mol%を超えない場合は、少量のNiOで損失はわずかであるが改善される。
【0030】
【表2】
【0031】
(実施例3)
実施例2で作製した焼結体試料から選んだいくつかの試料について、周波数f(kHz) および最大磁束密度Bm (mT)の積が一定 (f×Bm =2000) となるように、100kHzから500kHzまでの周波数領域で、20〜140 ℃の範囲で電力損失の温度変化を測定し、損失極小値をもとめた。
その結果、損失極小値の周波数依存性をNiO量毎にプロットしたグラフを図3に示す。この図から明らかなように、NiOを含むものは、NiOを含まないものと比べると、100kHzでの損失は低くはないが、高周波になるにつれてわずかではあるが、損失は改善される。ただし、主成分組成が最適範囲外であれば、図3(c) のようにその効果は顕れていない。
【0032】
(実施例4)
基本成分組成がFe2O3 :MnO:ZnO:NiOのモル比で54.7:37.1:6.8 :1.4 となるように、実施例1と同様にして仮焼粉を作製し、次いで、表3および表4で示した各種酸化物を添加し、実施例1と同様にして粉砕、造粒、成形したものを、酸素分圧を制御した窒素・空気混合ガス中で1230〜1350℃において2〜6時間焼成し、焼結体試料とした。
【0033】
このようにして得られた焼結体試料について、実施例1と同様に、周波数100kHz, 最大磁束密度200mT の条件下で、電力損失を測定した。その結果、電力損失の極小値を表3および表4に併せて示す。これらの表に示す結果から明らかなように、適合例にかかるこの発明のフェライト磁心材料は、500 kW/m3以下の低電力損失を達成することができた。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、スイッチング電源トランス等の磁心に適した、100kHzから500kHz程度の周波数帯域において、飽和磁束密度が高くかつ電力損失の小さいMn−Zn−Niフェライトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における損失極小値とNiO量の関係を示すグラフである。
【図2】実施例2におけるNiO量と80℃における磁束密度の関係を示すグラフである。
【図3】実施例3における損失極小値の周波数依存性をNiO量毎にプロットしたグラフである。
Claims (1)
- Fe2O3:53〜57mol%、ZnO:4〜11mol%およびNiO:0.5〜4mol%を含み、残部実質的にMnOの組成になる基本成分中に、SiO2:0.0050〜0.0500wt%およびCaO:0.0200〜0.2000wt%を含有し、さらにTa2O5,ZrO2,Nb2O5,V2O5,TiO2およびHfO2のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上の添加成分を下記範囲で含有し、80℃における飽和磁束密度が450mT以上であることを特徴とする低損失フェライト磁心材料。
記
Ta2O5:0.0050〜0.1000wt%
ZrO2:0.0100〜0.1500wt%
Nb2O5:0.0050〜0.0500wt%
V2O5:0.0050〜0.0500wt%
TiO2:0.0500〜0.3000wt%
HfO2:0.0050〜0.0500wt%
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