JPH05335132A - 酸化物磁性体材料 - Google Patents

酸化物磁性体材料

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JPH05335132A
JPH05335132A JP4140226A JP14022692A JPH05335132A JP H05335132 A JPH05335132 A JP H05335132A JP 4140226 A JP4140226 A JP 4140226A JP 14022692 A JP14022692 A JP 14022692A JP H05335132 A JPH05335132 A JP H05335132A
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JP
Japan
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weight
loss
magnetic
oxide
temperature
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Application number
JP4140226A
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English (en)
Inventor
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Osamu Inoue
修 井上
Koichi Kugimiya
公一 釘宮
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4

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  • Dispersion Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波帯域(1MHz程度)において、磁気
損失が少なく、かつ磁気損失が最低となる温度が60〜
80℃である磁性体材料、および低発熱・高効率で熱暴
走しにくいスイッチング電源を提供する。 【構成】 主組成がFe23、ZnO、MnOを含むM
nZn系フェライトに、副成分として少なくとも特定量
のCaOおよびSiO2を添加し、これにさらに特定量
のTa25、ZrO2、Ga23、GeO2、Cr23
Sb23、Al 23、HfO2、MoO3、In23、W
3、Bi23、SnO2、TiO2より選ばれた少なく
とも1種類以上を含有しかつ、特定量の希土類金属
(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)の酸化物を
少なくとも1種類以上を複合添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インダクタンス部品、
電源用トランスコア等に用いられる酸化物磁性体材料に
関し、特に高周波特性に優れた低損失MnZnフェライ
ト磁性体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス技術の発展にと
もなう機器の小型化・高密度化により、使用周波数の高
周波化が進んでいる。例えばスイッチング電源トランス
磁芯その他に用いられる磁性材料においても、高周波化
への対応が必要とされ、特に小型化した場合の発熱を防
止するために、高周波において低損失であることが要求
されている。
【0003】例えば磁芯材料等に用いられる磁性体材料
には、大きく分けて金属系材料と酸化物フェライト系材
料がある。金属系の材料は、飽和磁束密度・透磁率とも
高いという長所があるが、電気抵抗率が10-6〜10-4
Ω・cm程度と低いため、高周波においては渦電流損失
が増大するという欠点があった。この欠点を補うため
に、箔状に加工し絶縁体をはさんでロール状に巻いたも
のも作られているが、薄体化には約15μm程度と限界
があり、また複雑形状のものが作りにくい、高コストで
あるといった欠点がある。このため100KHz程度の
周波数帯域までしか使用不可能であった。
【0004】一方フェライト系材料は、飽和磁束密度は
金属系材料の1/2程度と低い。しかしながら電気抵抗
率は、通常用いられているMnZn系のもので1Ω・c
m程度と、金属系材料に比べてはるかに高く、また、C
aOやSiO2等の添加物を用いる事により電気抵抗率
をさらに10〜数百Ω・cm程度まで高める事ができ、
渦電流損失が高周波数まで比較的小さく、特別な工夫を
する事なく使用可能である。また複雑形状のものも容易
に作れ、かつ低コストであるといった利点を持つ。この
ため、例えば100KHz以上のスイッチング周波数で
の電源用トランス磁芯材料としてはこのフェライト系の
材料が一般に用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフェライト系材料といえども、500KHz以上に
なると渦電流損失が増大して使用することができないと
いう課題がある。また、磁気損失の温度係数が室温付近
で正であると、例えば電源用トランス磁芯材料に適用し
た場合では、実使用時にトランスが磁気損失により発熱
し、そのために温度が上昇し、温度上昇に伴いさらに磁
気損失が増大して発熱が大きくなる事を繰り返し、熱暴
走を起こす危険性がある。このため、実際に使用する6
0〜80℃付近の温度で、磁気損失が最小となるような
温度特性を持つ事が要求される。ところが低磁気損失の
材料は、一般に磁気損失最小温度が室温付近にあって熱
暴走を起こしやすく、また一方磁気損失最小温度が60
℃以上にあるような材料は、全体的に損失が大きいとい
う問題点があり、低磁気損失で同時に温度特性も良い材
料としては、満足するものが得られていないという課題
があった。また、低損失材は一般に透磁率が低く、高透
磁率を実現することも課題であった。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高透磁率で、磁気損失の温度特性に優れ、磁気損
失の低い磁性体材料を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の酸化物磁性体材料は、主組成として、Fe
23を53mol%以上57mol%以下、ZnOを3
mol%以上9mol%以下、残部はMnOよりなり、
副成分として0.05重量%以上0.3重量%以下のC
aOと、0.005重量%以上0.05重量%のSiO
2と、0.01重量%以上0.2重量%以下の、Ta2
5、ZrO2、Ga23、GeO2、Cr23、Sb
23、Al23、HfO2、MoO3、In23、W
3、Bi23、SnO2および0.05重量%以上0.
5重量%以下のTiO2より選ばれた少なくとも1種類
以上を含有しかつ、0.005重量%以上0.2重量%
以下の希土類金属(Y,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Lu)の酸化物を少なくとも1種類以上を含有する
焼結体であるという構成を備えたものである。
【0008】
【作用】本発明は、磁気損失の絶対値を減少する、損失
の温度特性を制御する、電気抵抗値を増大し渦電流損失
を低下する要請を満足した酸化物磁性体材料である。
【0009】本発明において、MnZn系フェライトの
主組成を限定する理由は、磁気損失の絶対値を減少させ
るとともに、損失の温度特性を制御する必要性からであ
る。
【0010】Ta25、ZrO2、Ga23、GeO2
Cr23、Sb23、Al23、HfO2、MoO3、I
23、WO3、Bi23、SnO2、TiO2の添加物
の役割は、上記MnZn系フェライトの組成範囲内で、
主に電気抵抗値を増大させ、渦電流損失を低下させるも
のである。添加量の下限は、磁気損失低下の効果が表れ
るのに必要な最低限度である。一方上限を設定する理由
は、添加量が増加し過ぎると透磁率の低下等を招き、磁
気損失を増大させるためである。
【0011】希土類金属(Y,La,Ce,Pr,N
d,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Lu)の酸化物の役割は、理由は定かではな
いが特定添加量範囲内で、損失およびその温度特性を損
なう事なく、高透磁率を実現できる。添加量の下限は、
透磁率増加の効果が表れるのに必要な最低限度である。
一方上限を設定する理由は、添加量が増加し過ぎると、
磁気損失を増大させるためである。
【0012】これらの添加物は、一種類のみの単独添加
でも効果が無くはないが、CaOおよびSiO2との同
時添加で、より磁気損失を低下させる。また、5種類以
上の複合添加でも、添加上限を越えなければ、無添加の
場合に比べてはるかに磁気損失を低下させる事ができ
る。さらに本発明であげた以外の添加物を加えても、そ
の量が特に多くない限り差し支えない。
【0013】
【実施例】本発明の酸化物磁性体材料の組成上の特徴
は、主組成で磁気損失の温度特性をほぼきめ、その主組
成に効果的な上記副成分を複合添加することで、磁気損
失の絶対値を低減させると同時に、磁性体材料の電気抵
抗値を上昇させ渦電流に起因する損失も低下することに
ある。
【0014】しかしながら、主組成の変化は温度特性の
みに影響するのではなく、磁気損失の絶対値にも影響を
与える。損失低減の効果のある添加物を用いたとして
も、主組成が異なれば、全体的に高磁気損失となり、そ
の効果が充分発揮されない。また、主組成によっては、
同じ添加物を用いたとしても、その効果が全く表れない
場合もある。従って前記した条件、すなわち主組成およ
び副成分の各材料および組成を満足することが重要であ
る。
【0015】MnZn系フェライトの磁気損失が特定の
温度で極小を持つ理由は、透磁率が温度特性を持つため
とされている。MnZn系フェライトの透磁率の温度変
化を測定すると、一般に2つの極大が現れる。1つはキ
ュリー温度直下の極大で、ホプキンソン効果によるプラ
イマリーピークと呼ぶ。他の1つは室温付近で極大を持
ち、セカンダリーピークと呼ぶ。このセカンダリーピー
クの温度は、結晶磁気異方性定数K1の符号が変わるK1
=0の所にあり、Fe2+量で制御することができる。こ
のセカンダリーピークの現われる温度で、損失が極小に
なると言われていた。
【0016】ところが実際に検討してみると、損失が極
小になる温度はセカンダリーピークの現われる温度とは
必ずしも一致せず、実際は数10℃程度低温側となる事
が多い事が確認できた。また、このずれは、MnZn系
フェライトの組成や測定周波数によって異なり、周波数
をMHz域にまで増加させると、さらに低温側に移動す
る場合がある。従って、従来までの比較的低周波数にお
ける、セカンダリーピークの温度の測定のみでは、磁気
損失が極小となる温度は推定不可能である。
【0017】そこで組成比の異なるMnZn系フェライ
トを実際に作製し、組成比の効果を詳細に検討した結
果、本発明の酸化物磁性体材料は100KHz〜数MH
zでも60〜80℃以上で損失極小温度を持ち、かつ低
磁気損失なフェライトにする事ができる事を確認した。
【0018】1MHz付近で低磁気損失となる電気抵抗
率は、直流抵抗率が、100〜1KΩ・cm程度、交流
抵抗率(1MHz)が50Ω・cm以上は必要である。
【0019】透磁率は、電源回路方式によって異なる
が、励磁電流を下げることが出来るため、銅損を低減で
き全損失としては有利な事が多い。
【0020】また平均結晶粒径を4μm以下にする事に
より、さらに低磁気損失の材料とする事ができる。結晶
粒径4μm以下が好ましい理由は、これ以上では損失が
増大する為である。結晶粒径の効果の理由は明確ではな
いが、粒界層増加による高電気抵抗化とともに、高周波
でのフェライト内を流れる渦電流の経路を短くし、さら
に磁壁数を変化させる事により、渦電流損失が低減する
ものと考えられる。
【0021】また、焼結体の相対密度を80%以上とす
る事により、さらに低磁気損失の材料とする事ができ
る。焼結密度が低いと、実効断面積が減少するために損
失が増大するものと考えられる。
【0022】本発明のMnZn系フェライト材料は、使
用周波数がMHz帯域であっても、高透磁率で、60〜
80℃の磁気損失極小温度を持ち、かつ超低磁気損失を
示す。従って、本材料を磁気コアとして用いた、スイッ
チング周波数が100KHz〜2MHzのスイッチング
電源は、小型・高効率で、熱暴走する危険性が低い。
【0023】以下実施例によって本発明を説明する。 (実施例1)出発原料に純度99.5%のα−Fe
23、MnCO3、ZnOの各粉末を用いた。これらの
粉末を、(表1)の組成比となり、合計重量が300g
となるようにそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式10
時間混合粉砕し、乾燥させた。これらの混合粉末を80
0℃で2時間空気中で仮焼した後、CaOが0.1重量
%、SiO2が0.02重量%、GeO2が0.1重量
%、La23が0.05重量%となるように、CaCO
3とSiO2とGeO2とLa23を添加し、再度ボール
ミルにて10時間、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉
末とした。
【0024】これらの仮焼粉末に、ポリビニルアルコー
ルの5重量%水溶液を10重量%加え、30#のふるい
を通過させて造粒した。これらの造粒粉を一軸金型成形
し、この成形体を500℃で1時間、空気中でバインダ
アウトした後、1200℃で焼成した。昇温時および最
高温保持時はO2雰囲気制御し、冷却時窒素中の雰囲気
下とした。焼成時間及び成形時の圧力は、焼結体の平均
結晶粒径が4μm以下、焼結体密度が約4.3〜4.6
g/cm3の範囲内に入るように変化させた。得られた焼
結体より、外径20mm、内径14mm、厚さ3mmの
リング状試料を切り出し、1MHz・50mTにおける
磁気損失を、20℃〜120℃の間で20℃きざみで測
定した。磁気損失および透磁率の測定方法はリング状フ
ェライトコアに絶縁テープを一層巻いた後、線径0.2
6mmφの絶縁導線を全周にわたって一層巻いた試料を
準備し、交流B−Hカーブ・トレーサーを用いて測定し
た。結果を(表1)に示した。
【0025】
【表1】
【0026】(表1)より明らかなように、Fe23
53〜57mol%、ZnOが3〜9mol%、残部は
MnOの時、60〜80℃以上で損失の極小温度をと
り、かつ損失が600KW/m3以下と低損失であった。
さらに、Fe23が54〜56mol%、ZnOが4〜
8mol%、残部はMnOの時、損失は400KW/m3
以下と超低損失となった。
【0027】(実施例2)実施例1と同様の方法で、組
成比がFe23=54mol%、MnO=37.5mo
l%、ZnO=8.5mol%となり、合計重量が30
0gとなるようにそれぞれの粉体を秤量し、ボールミル
にて湿式10時間混合粉砕し、乾燥させた。この混合粉
末を800℃で2時間空気中で仮焼した後、CaOとS
iO2が(表2)の量となるように、CaCO3とSiO
2を添加し、再度ボールミルにて10時間、湿式混合粉
砕して乾燥させ、仮焼粉末とした。
【0028】これらの仮焼粉末より、実施例1と同様の
方法で焼結体を作製した。また同様に、GeO2が0.
05重量%、CaOとSiO2が(表4)の量となるよ
うに、GeO2,CaCO3およびSiO2を添加した焼
結体を作製した。また同様に、GeO2が0.05重量
%、La23が0.05重量%、CaOとSiO2
(表6)の量となるように、GeO2,La23、Ca
CO3およびSiO2を添加した焼結体を作製した。
【0029】これらの焼結体より、実施例1と同様に外
径20mm、内径14mm、厚さ3mmのリング状試料
を切り出し、同じ条件で磁気損失の温度依存性、透磁率
を測定した。その結果、損失はいずれの試料において
も、60℃で極小値を示した。この極小損失値を(表
2)(表4)および(表6)に、透磁率を(表3)(表
5)および(表7)に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】比較例の(表2)(表3)(表4)および
(表5)と実施例の(表6)および(表7)を比較する
と明らかなように、CaOとSiO2量のあらゆる組合
せに対して、さらにGeO2を添加したものはより低損
失化した。そこにさらに、La23を添加すると損失の
変化が少なく透磁率は増大した。もともと損失の低い、
0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦SiO
2≦0.05wt%の範囲内に対するGeO2かつLa2
3の添加は、損失の絶対値が400以下でかつ透磁率
は2000以上と最も効果的であった。
【0037】(実施例3)実施例2と同様の方法で、C
aOが0.1重量%、SiO2が0.02重量%、La2
3が0.05重量%となり、Ta25、ZrO2、Ga
23、GeO2、Cr23、Sb23、Al23、Hf
2、TiO2、MoO3、In23、WO3、Bi23
SnO2が(表8)の量となるように、CaCO3および
それぞれの金属酸化物を添加した焼結体を作製した。
【0038】また、同様に、CaOが0.1重量%、S
iO2が0.02重量%、GeO2が0.1重量%とな
り、希土類金属(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,
Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u)の酸化物が(表10)の量にとなるように、CaC
3およびそれぞれの金属酸化物を添加した焼結体を作
製した。
【0039】また、同様に、CaOが0.1重量%、S
iO2が0.02重量%、GeO2とLa23が(表1
2)の量となるように、GeO2,La23、CaCO3
およびSiO2を添加した焼結体を作製した。
【0040】得られた焼結体より、切り出したリング状
試料について、実施例2と同じ条件で磁気損失の温度依
存性を測定したところ、損失はいずれの試料において
も、やはり60℃で極小値を示した。この極小損失値お
よび透磁率を(表8)(表9)(表10)(表11)
(表12)および(表13)に示した。
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】(表8)および(表9)より明らかなよう
に、CaOとSiO2とLa23のみの添加に比べ、さ
らにTa25、ZrO2、Ga23、GeO2、Cr
23、Sb23、Al23、HfO2、TiO2、MoO
3、In23、WO3、Bi23、SnO2を複合して添
加したものは、特定の添加範囲内でより低損失化し、最
低損失値はGeO2 =0.05重量%添加で260K
W/m3と超低損失であった。
【0048】また、(表10)および(表11)より明
らかなように、CaOとSiO2とGeO2のみの添加に
比べ、さらに特定量の希土類金属(Y,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Lu)の酸化物を複合して添加したも
のは、特定の添加範囲内で損失値の変化が少なく透磁率
のみ増大した。最高透磁率はTb47=0.05重量%
添加で2310と高透磁率であった。
【0049】また、(表11)および(表12)より明
らかなように、CaOとSiO2のみの添加に比べ、さ
らに0.01≦GeO2≦0.2重量%、0.005≦
La23≦0.2重量%の範囲で、損失値400以下か
つ透磁率1800以上と、低損失でかつ高透磁率を同時
に実現しているとが分かる。また、その他のTa25
ZrO2、Ga23、GeO2、Cr23、Sb23、A
23、HfO2、TiO2、MoO3、In23、W
3、Bi23、SnO2の少なくとも1つと、さらに特
定量の希土類金属(Y,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Lu)の酸化物の少なくとも1つの組合せでも同様
に低損失でかつ高透磁率を実現している。
【0050】(実施例4)実施例2と同様の方法で、組
成比がFe23=55mol%、MnO=39mol
%、ZnO=6mol%となり、CaOを0.1重量
%、SiO2を0.02重量%、GeO2を0.05重量
%およびLa23を(表14)の重量%となる比率で添
加した仮焼粉末を用意した。これらの仮焼粉末に、ポリ
ビニルアルコールの5重量%水溶液を10重量%加え、
30#のふるいを通過させて造粒し、(表14)に示す
圧力で一軸金型成形した。この成形体を実施例2と同じ
方法で1200℃で、(表14)に示す時間焼成し、焼
結体を得た。
【0051】得られた焼結体より、外径20mm、内径
14mm、厚さ3mmのリング状試料を切り出し、その
重量を測定することにより密度を求め、磁気損失および
透磁率は1MHz・50mTにおいて、極小損失温度6
0℃で測定した。
【0052】また、焼結体破断面の電子顕微鏡観察によ
り、焼結体の平均結晶粒径を測定した。結果を(表1
4)に示した。
【0053】
【表14】
【0054】(表14)より明かなように、CaOを
0.1重量%、SiO2を0.02重量%、GeO2
0.05重量%で、特に0.005≦La23≦0.2
wt%の範囲内にあり、平均粒子径が4μm以下の時
に、超低損失、高透磁率を実現できる事が分かる。平均
結晶粒径が、4μm以下である事により、高周波でのフ
ェライト内を流れる渦電流の経路を短くすると同時に、
磁壁数が変化するため渦電流損失が低減されたと考えら
れる。また、密度4.0g/cm3(体積密度80%)以
上が好ましい。焼結密度が低いと、実効断面積が減少す
るために損失が増大する。
【0055】(実施例5)実施例2と同様の方法で、組
成比がFe23=55.5mol%、MnO=39mo
l%、ZnO=5.5mol%となり、CaOを0.1
重量%、SiO2を0.02重量%、In23を0.0
5重量%、La23を0.05重量%となる比率で添加
した仮焼粉末を用意し、焼結体Aを作製した。
【0056】また、実施例2と同様の方法で、組成比が
Fe23=55.5mol%、MnO=39mol%、
ZnO=5.5mol%となり、CaOを0.1重量
%、SiO2を0.02重量%、In23を0.05重
量%となる比率で添加した仮焼粉末を用意し、焼結体B
を作製した。
【0057】また、実施例2と同様の方法で、組成比が
Fe23=52mol%、MnO=38mol%、Zn
O=10mol%となり、CaOを0.1重量%、Si
2を0.02重量%、In23を0.05重量%、L
23を0.03重量%となる比率で添加した仮焼粉末
を用意し、実施例2と同じ方法で焼結体Cを作製した。
【0058】焼結体Aは、60℃で損失極小温度を持
ち、損失値230(kW/m3)、透磁率2250の本開発
品の超低損失材、高透磁率サンプルであり、焼結体B
は、60℃損失極小温度を持ち損失値は230である
が、透磁率が1100の材料である。焼結体Cは、60
℃で損失極小温度を持ち損失値840透磁率1600で
ある。
【0059】これらの焼結体より、それぞれE型コアを
切り出し、これを用いてフォワード方式のスイッチング
電源回路を試作し、損失にあたる温度上昇を評価した。
一定の軽負荷条件下で、周波数、磁芯磁束密度にたいす
る磁芯の温度上昇(銅損も含まれる)について測定し
た。結果を(表15)に示した。
【0060】
【表15】
【0061】(表15)より明らかなように、トランス
の磁芯損失による温度上昇許容値を25℃見込んだ場
合、焼結体B、Cを用いた電源は温度上昇が大きく、あ
まり高周波では使用できないことが分かる。これに対し
て、開発したフェライト材料Aを用いた電源は、温度上
昇が少ない。
【0062】これは、用いた材料が超低損失で高透磁率
でかつ温度特性が良好なためである。従って、開発した
フェライト材料Aを用いたスイッチング周波数が100
KHz〜2MHzの電源は、発熱が少なく高効率で、熱
暴走する危険性が低い。
【0063】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、主組成と
して 53≦Fe23≦57mol% 3≦ZnO≦9mol% 残部はMnOよりなり、副成分として0.05≦CaO
≦0.3重量%、0.005≦SiO2≦0.05重量
%の範囲のCaOおよびSiO2は必ず含み、0.01
≦Ta25≦0.2重量%、0.01≦ZrO2≦0.
2重量%、0.01≦Ga23≦0.2重量%、0.0
1≦GeO2≦0.2重量%、0.01≦Cr23
0.2重量%、0.01≦Sb23≦0.2重量%、
0.01≦Al23≦0.2重量%、0.01≦HfO
2≦0.2重量%、0.01≦MoO3≦0.2重量%、
0.01≦In23≦0.2重量%、0.01≦WO3
≦0.2重量%、0.01≦Bi23≦0.2重量%、
0.01≦SnO2≦0.2重量%、0.05≦TiO2
≦0.5重量%、より、選ばれた少なくとも1種類以上
を含有し、かつ、0.005重量%以上0.2重量%以
下の希土類金属(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,
Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u)の酸化物を少なくとも1種類以上を含有する酸化物
磁性体材料であるため、従来にない低磁気損失でかつ温
度特性に優れた材料であり、これを用いて作製されたス
イッチング電源は、小型・低発熱・高効率で、温度暴走
の危険性の少ないものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主組成として 53≦Fe23≦57mol% 3≦ZnO≦9mol% 残部はMnOよりなり、副成分として0.05≦CaO
    ≦0.3重量%、0.005≦SiO2≦0.05重量
    %の範囲のCaOおよびSiO2は必ず含み、0.01
    ≦Ta25≦0.2重量%、0.01≦ZrO2≦0.
    2重量%、0.01≦Ga23≦0.2重量%、0.0
    1≦GeO2≦0.2重量%、0.01≦Cr23
    0.2重量%、0.01≦Sb23≦0.2重量%、
    0.01≦Al23≦0.2重量%、0.01≦HfO
    2≦0.2重量%、0.01≦MoO3≦0.2重量%、
    0.01≦In23≦0.2重量%、0.01≦WO3
    ≦0.2重量%、0.01≦Bi23≦0.2重量%、
    0.01≦SnO2≦0.2重量%、0.05≦TiO2
    ≦0.5重量%、より、選ばれた少なくとも1種類以上
    を含有し、かつ、0.005重量%以上0.2重量%以
    下の希土類金属(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,
    Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
    u)の酸化物を少なくとも1種類以上を含有する焼結体
    である事を特徴とする酸化物磁性体材料。
  2. 【請求項2】焼結体の平均結晶粒径が、4μm以下であ
    る請求項1に記載の酸化物磁性体材料。
  3. 【請求項3】焼結体の相対密度が80%以上である請求
    項1に記載の酸化物磁性体材料。
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