JPH07130527A - 酸化物磁性材料 - Google Patents

酸化物磁性材料

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JPH07130527A
JPH07130527A JP5277936A JP27793693A JPH07130527A JP H07130527 A JPH07130527 A JP H07130527A JP 5277936 A JP5277936 A JP 5277936A JP 27793693 A JP27793693 A JP 27793693A JP H07130527 A JPH07130527 A JP H07130527A
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loss
weight
magnetic
magnetic material
temperature
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JP5277936A
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Inventor
Yasuyuki Aono
保之 青野
Osamu Inoue
修 井上
Koichi Kugimiya
公一 釘宮
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Osamu Ishii
治 石井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波帯域(1MHz前後)において、磁気
損失が少ない軟磁性材料、及びこれを用いた小型で低発
熱・高効率のスイッチング電源を得る。 【構成】 モル比54〜58のFe23、36〜44の
MnO、1〜8のZnOを主組成とするMn−Zn系フ
ェライトであって、0.05〜0.3重量%のCaO、
0.005〜0.1重量%のSiO2、0.01〜0.
5重量%のCoO、及び0.01〜0.5重量%のCu
Oを含み、さらにZrO2,HfO2,Al23,GeO
2,Ta25、Ga23、In23、及びSb23から
選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物を0.01〜
0.2重量%含有する焼結体である酸化物磁性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インダクタンス部品、
電源用トランスコア等に用いられる酸化物磁性材料に関
し、特に高周波特性に優れた低損失Mn−Zn系フェラ
イト磁性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス技術の発展にと
もなう機器の小型化・高密度化により、使用周波数の高
周波化が進んでいる。例えばスイッチング電源用トラン
ス磁芯その他に用いられる磁性材料においても、高周波
化への対応が必要とされ、特に小型化した場合の発熱を
防止するために、高周波において低磁気損失であること
が要求されている。
【0003】例えば磁芯材料等に適用される磁性材料に
は、大きく分けて金属系材料と酸化物フェライト系材料
がある。金属系の材料は、飽和磁束密度・透磁率とも高
いという長所があるが、電気抵抗率が10-6〜10-4Ω
・cm程度と低いため、高周波においては渦電流に起因
する磁気損失が増大するという欠点があった。この欠点
は、磁性体の厚さを薄くすることによって改善されるた
め、金属を薄い箔状に加工し絶縁体をはさんでロール状
に巻いたものも作られているが、薄体化には約10μm
程度と限界があり、また複雑形状のものが作りにくい、
高コストであるといった問題点がある。このため、10
0kHz程度の周波数帯域までしか使用できなかった。
【0004】一方、フェライト系材料は、飽和磁束密度
は金属系材料の1/2程度と低い。しかしながら、電気
抵抗率は、通常用いられているMn−Zn系のもので1
Ω・cm程度と、金属系材料に比べてはるかに高く、ま
た、CaOやSiO2等の副成分を用いることにより、
電気抵抗率をさらに10〜数百Ω・cm程度まで高める
ことができ、渦電流に起因する磁気損失が高周波数まで
比較的小さく、特別な工夫をすることなく使用できる。
また複雑形状のものも容易に作れ、かつ低コストである
といった利点を持つ。このため、例えば100kHz以
上のスイッチング周波数での電源用トランス磁芯材料と
しては、このフェライト系の材料が一般に用いられてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフェライト系材料といえども、500kHz以上に
なると渦電流に起因する磁気損失が増大して使用するこ
とができないという課題がある。また高周波で比較的低
損失な材料であっても、使用磁束密度を大きくすると、
磁気損失が急増するという問題点があった。
【0006】また、磁気損失の温度係数が室温付近で正
であると、使用時にトランスが磁気損失により発熱し、
そのために温度が上昇し、温度上昇に伴いさらに磁気損
失が増大して発熱が大きくなることを繰り返し、熱暴走
を起こす危険性がある。このため、使用条件にもよる
が、一般に室温付近での磁気損失の温度係数が負で、実
際に使用する温度で、磁気損失が最小となるような温度
特性を持つことが要求される。ところが充分低磁気損失
な材料がない上に、比較的磁気損失が低い材料では、一
般に磁気損失最小温度が室温付近にあって熱暴走を起こ
しやすく、一方磁気損失最小温度が40〜60℃以上に
あるような材料は、非常に磁気損失が大きいという問題
点があった。従って、超低磁気損失で同時に温度特性も
良い材料は、現在まで得られていないという課題があっ
た。
【0007】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高周波・高磁束密度下における磁気損失が極めて
低い磁性材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の酸化物磁性体材料は、Fe23、MnO、
及びZnOを主組成とするMn−Zn系フェライト磁性
材料Aにおいて、副成分としてCaOを0.05〜0.
3重量%、SiO2 を0.005〜0.1重量%、Co
Oを0.01〜0.5重量%及びCuOを0.01〜
0.5重量%含むことを特徴とする。
【0009】前記構成においては、AがさらにZr
2,HfO2,Al23,GeO2,Ta25,Sb2
3,Ga23,In23から選ばれる少なくとも一種類
の金属酸化物を0.01〜0.2重量%含むことが好ま
しい。
【0010】また、前記構成においては、主組成のモル
比がFe23が54〜58、MnOが36〜44、Zn
Oが1〜8であることが好ましい。
【0011】
【作用】前記本発明の構成によれば、Fe23、Mn
O、及びZnOを主組成とするMn−Zn系フェライト
磁性材料Aにおいて、副成分としてCaOを0.05〜
0.3重量%、SiO2 を0.005〜0.1重量%、
CoOを0.01〜0.5重量%及びCuOを0.01
〜0.5重量%含むことにより、磁気損失の低い磁性体
材料を達成できる。すなわち、CaO及びSiO2 は、
Mn−Zn系フェライトの電気抵抗値を増大させ、渦電
流にともなう磁気損失を低下させる。CoOは、フェラ
イトによく用いられる添加物であるが、Co2+はそれ自
体が大きな正のK1を持ち、添加量増加に伴い、損失極
小温度が低下するので、低損失用フェライトには用いら
れていなかった。しかしながら、発明者らの検討におい
てCoOを添加することによって磁気損失を大幅に低減
する効果のあることがわかった。この理由は明かではな
いが、磁歪減少の効果などが考えられる。また、CuO
は損失極小温度を高くすることができる。これはCu2+
がフェライト相に固溶し、Fe2+がFe3+へ変化してK
1が減少することによるものと思われる。したがって、
CoOとCuOを同時に添加することによって、損失値
を低減し、かつ損失極小温度の低下を防ぐことができ
る。
【0012】また、前記AがさらにZrO2,HfO2
Al23,GeO2,Ta25,Sb23,Ga23
In23から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物を
0.01〜0.2重量%含むという本発明の好ましい構
成によれば、この副成分がCaO及びSiO2ととも
に、さらに電気抵抗を増大させるので、磁気損失のより
低い磁性体材料を達成できる。含有量の下限は、磁気損
失低下、あるいは損失極小温度を上昇させる効果が表れ
るのに必要な最低限度である。一方上限を設定する理由
は、添加量が増加し過ぎると透磁率の低下等を招き、磁
気損失を増大させるためである。
【0013】また、主組成のモル比がFe23が54〜
58、MnOが36〜44、ZnOが1〜8であるとい
う本発明の好ましい構成によれば、より磁気損失の低い
磁性体材料を達成できる。
【0014】
【実施例】一般にフェライトの磁気特性のうち、飽和磁
束密度・キュリー温度・損失極小温度などはその主組成
に依存し、一方、透磁率・残留磁束密度・保持力・磁気
損失などは、主組成の影響も受けるが、微細構造によっ
て支配される特性であるとされている。高周波の磁気損
失は主に渦電流損失に起因するので、電気抵抗率が高い
ほど損失が小さくなると考えられるが、Mn−Zn系フ
ェライト自体の電気抵抗率は、前述したように充分高く
はない。このため、高周波用低磁気損失Mn−Zn系フ
ェライトの開発は、各種の副成分を用い、また微細構造
を制御することにより、電気抵抗率を高くする検討が主
流である。
【0015】一方、Mn−Zn系フェライトの磁気損失
極小温度については、従来は結晶磁気異方性によって説
明がなされていた。すなわち、結晶磁気異方性定数K1
の符号が温度上昇に伴って負から正の値に変わるK1
0の温度において、磁気損失が極小値をもつと言われて
いる。この温度は透磁率が極大をもつ、いわゆる透磁率
のセカンダリーピークに一致する。このK1は温度上昇
に対して単調に増加するが、Fe2+は正のK1を持つた
め、Fe2+の量が増加すると(すなわちFe2 3量が増
加すると)セカンダリーピークの温度は低温側に移動す
る。従って、主組成のFe23量が多いと極小損失温度
が低くなり過ぎるため、Fe23量は、54 mol%程度
以下が一般的であった。
【0016】一方、高周波用低損失材料の磁気損失以外
の特性としては、飽和磁束密度・キュリー温度・透磁率
が高いことが必要とされている。これらの特性は、軟磁
性材料に基本的に要求される特性であるとともに、低損
失化のためにも重要な特性と考えられている(「粉体お
よび粉末冶金」第34巻5号P191)。飽和磁束密度
は、ZnO量がある程度多く、Fe23量が多いほど増
加する。しかしながら、ZnO量が多すぎるとキュリー
温度が低下し、またFe23量が多すぎると透磁率が低
下することが知られている。以上のような理由から、低
損失Mn−Zn系フェライトの主組成としては、Fe2
3を53〜54 mol%程度、ZnOを9〜12 mol%
程度含有するものが最適とされている(「エレクトロニ
クス・セラミックス」1985年冬号P44)。実際に開発
されている低損失フェライトも、ほとんどがこの組成範
囲内であり、低損失化は、この付近の主組成を用い、既
に述べた副成分・微細構造による検討が中心であった。
【0017】発明者らは、各種の主組成比のMn−Zn
系フェライトに種々の金属酸化物を複合添加したフェラ
イトを実際に作製し、副成分・主組成の効果を詳細に検
討した。その結果、4〜5成分以上の複合添加により、
従来よりもはるかに優れた低損失化効果を見いだした。
また従来用いられていたものとは全く異なる、Fe23
が過剰でZnO量の少ない主組成にこれらの副成分を用
いることにより、300kHz〜数MHzでもさらに低
磁気損失なフェライトが得られることを見いだした。
【0018】副成分に関しては、まずCaO及びSiO
2については、これらを同時添加し、粒界に偏析させる
ことにより高電気抵抗化させ、渦電流損失を低減させる
ことが可能となる。またCoO、CuOについては、フ
ェライト相へ固溶させることが望ましい。また、5番目
の副成分である金属酸化物ZrO2,HfO2,Al
23,GeO2,Ta25、Ga23、In23、Sb2
3についても、CaOやSiO2と同様、粒界に偏析さ
せることが望ましい。
【0019】本発明のMn−Zn系フェライト材料は、
測定周波数がMHz帯域であっても超低磁気損失を示
す。従って、本材料を磁気コアとして用いたスイッチン
グ周波数が300kHz〜5MHzのスイッチング電源
は、小型・高効率となる。
【0020】以下、副成分として一部のものを用いた場
合を中心に、実施例によって本発明を説明するが、実施
例1〜5に示すように、他の本発明の請求項に挙げた副
成分を用いた場合にも、程度の差はあれ同様の効果が認
められた。
【0021】(実施例1)出発原料に純度99.5重量
%のα-Fe23、MnCO3、ZnOの各粉末を用い
た。これらの粉末を組成比Fe23:56.4 mol%、
MnCO3:40.6 mol%、ZnO:3.0 mol%と
し、合計重量が300gとなるようにそれぞれの粉体を
秤量した。これに、CoO、CuOが最終焼結体におい
て(表1)に示す量となるように秤量し、これらの粉末
をボールミルにて16時間湿式混合粉砕し、乾燥させ
た。この混合粉末を950℃で2時間空気中で仮焼した
後、CaOを0.2重量%とSiO2を0.02重量
%、さらにTa25を0.05重量%となるように添加
し、再度ボールミルにて16時間湿式混合粉砕して乾燥
させ、仮焼粉末とした。これらの仮焼粉末にポリビニル
アルコールの5重量%水溶液を10重量%加え、30#
のふるいを通過させて造粒した。この造粒粉を一軸金型
成形し、この成形体を400℃で1時間、空気中でバイ
ンダアウトした。焼成は、温度を1200℃とし、昇温時を
空気中、最高温度保持時及び冷却時をフェライトの平衡
酸素分圧に応じてO2雰囲気制御した。
【0022】特性の測定は、得られた焼結体より、外径
20mm、内径14mm、厚さ3mmのトロイダルコア
を切り出し、1MHz・100mTにおける磁気損失
を、20〜120℃の間で20℃きざみで測定した。磁
気損失の測定方法は線径0.12mmφの絶縁導線を巻
いた試料を準備し、交流B−Hカーブ・トレーサーを用
いて測定した。各々の極小損失温度における損失測定値
及び極小損失温度を(表1)、(表2)に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】(表1)、(表2)より明らかなように、
CoOまたはCuOを適量添加することによって、損失
は低減するが、CoOのみ添加した試料については極小
損失温度が低くなり、損失低減効果が十分でないことが
わかる。CoO、CuOを特定量同時に添加することに
よって温度特性が良好かつ損失が十分に低い材料が得ら
れた。その効果はCoOが0.01〜0.5重量%、C
uOが0.01〜0.5重量%のとき、顕著となった。
【0026】(実施例2)実施例1と同様の方法で、F
23:56.4 mol%、MnCO3:40.6 mol%、
ZnO:3.0 mol%、合計重量が300gとなるよう
にそれぞれの粉体を秤量した。これにCoOを0.2重
量%、CuOを0.3重量%となるように秤量し、これ
らの粉末をボールミルにて16時間湿式混合粉砕し、乾
燥させた。この混合粉末を850℃で2時間空気中で仮
焼した後、Ta25を0.05重量%、CaO、SiO
2をそれぞれ(表3)に示す量となるように添加して、
再度ボールミルにて粉砕混合し、仮焼粉末とした。この
粉末より、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。
【0027】得られたリング状試料について、実施例1
と同じ1MHz,100mTの条件で磁気損失の温度依
存性を測定したところ、CaOとSiO2の添加量に関
係なく極小損失温度は60℃であった。そこで、極小損
失温度における極小損失値をkW/m3の単位で(表3)
に示した。
【0028】
【表3】
【0029】(表3)より明らかなように、CaOが
0.05〜0.3重量%、SiO2が0.005〜0.
1重量%のとき、損失をより低減できることがわかっ
た。 (実施例3)実施例1と同様の方法で、Fe23:5
6.4 mol%、MnCO3:40.6 mol%、ZnO:
3.0 mol%、合計重量が300gとなるようにそれぞ
れの粉体を秤量した。これにCoOを0.2重量%、C
uOを0.3重量%となるように秤量し、これらの粉末
をボールミルにて16時間湿式混合粉砕し、乾燥させ
た。この混合粉末を850℃で2時間空気中で仮焼した
後、CaOが0.2重量%、SiO2が0.02重量%と
なるように添加し、さらに金属酸化物(ZrO2,Hf
2,Al23,GeO2,Ta25、Ga23、In2
3及びSb23の中から1種)を(表4)に示す量と
なるように添加して、再度ボールミルにて粉砕混合し、
仮焼粉末とした。この粉末より、実施例1と同様の方法
で焼結体を作製した。
【0030】得られたリング状試料について、実施例1
と同じ1MHz,100mTの条件で磁気損失の温度依
存性を測定したところ、金属酸化物の添加量に関係なく
極小損失温度は60℃であった。そこで、極小損失温度
における極小損失値をkW/m3の単位で(表4)に示し
た。
【0031】
【表4】
【0032】(表4)より明らかなように、CaO、S
iO2、CoO、CuOのみ添加した場合においてもか
なり損失を低減することができるが、さらに金属酸化物
(ZrO2,HfO2,Al23,GeO2,Ta25
Ga23、In23、Sb2 3から1種)を複合添加す
ることによって、著しく損失を低減できることがわかっ
た。その効果は添加量が0.01以上0.2重量%以下
のとき顕著となった。
【0033】(実施例4)実施例1と同様に、Fe
23、MnCO3、ZnOが(表5)に示す組成比とな
り、合計重量が300gとなるように秤量し、これにさ
らにCoO、CuOが最終的にそれぞれ0.2、0.3
重量%となるように秤量し、ボールミルにて16時間湿
式混合粉砕し、乾燥させた。これらの混合粉末を850
℃で2時間空気中で仮焼した後、CaOが0.2重量
%、SiO2が0.02重量%、Ta25が0.05重量
%となるように、CaCO3、SiO2とTa25を秤量
添加し、再度ボールミルにて16時間湿式混合粉砕して
乾燥させ、仮焼粉末とした。
【0034】これらの仮焼粉末について、実施例1と同
様の方法で焼結体を作製した。得られた焼結体について
実施例1と同様の方法で、1MHz、100mTにおけ
る磁気損失を、20、40、60、80、100、12
0℃で測定した。その結果を(表5)に示す。
【0035】
【表5】
【0036】(表5)の結果より明らかなように、主組
成の効果について、Fe23が54〜58 mol%、Mn
CO3が36〜44 mol%、ZnOが1〜8 mol%の範
囲で、損失が1230kW/m3以下と低損失であった。特
に、MnCO3が37〜44 mol%、ZnOが1〜5 mo
l%以下の範囲で、損失は1040kW/m3以下と超低損失
となった。
【0037】(実施例5)実施例1と同様の方法で、主
組成Fe23:56.0 mol%、MnCO3:41.3
mol%、ZnO:2.7 mol%、副成分CaOを0.2重
量%、SiO2を0.02重量%、CoOを0.2重量
%、CuOを0.3重量%、Ta25を0.05重量%
含む焼結体(a)を作製した。
【0038】一方、主組成Fe23:56.4 mol%、
MnCO3:40.6 mol%、ZnO:3.0 mol%、
副組成CaOを0.2重量%、SiO2を0.02重量
%、CoOを0.2重量%、CuOを0.3重量%、S
23を0.05重量%含む焼結体(b)を同様に作製し
た。さらに、主組成Fe23:54 mol%、MnC
3:36 mol%、ZnO:10 mol%、副組成CaO
を0.1重量%、SiO2を0.02重量%、Ta25
0.05重量%含む焼結体(c)を作製した。これらの焼
結体の1MHz,100mTにおける磁気損失を実施例
1と同様の方法で測定した。
【0039】焼結体(a)は、60℃で磁気損失が極小と
なり、損失値は540kW/m3であった。また焼結体
(b)は、損失が60℃で極小となり、損失値は880k
W/m3であった。以上の焼結体(a)及び(b)は、本発明
による超低磁気損失材である。焼結体(c)は、40℃で
磁気損失が極小となり、損失値は3500kW/m3である、
従来材料である。
【0040】これらの試料(a)、(b)及び(c)につい
て、それぞれの損失極小温度において、磁束密度Bと周
波数fの積、B・f=50(mT・MHz)で一定とな
る条件で磁気損失を測定した(この条件では、同一出力
時の電源トランスでコアサイズが一定となる)。結果を
(表6)に示す。
【0041】
【表6】
【0042】(表6)より明らかなように、これらの焼
結体は2MHz付近で損失が最小となる。(a)、(b)と
(c)を比較すると、300kHz以上において本発明の
焼結体(a)及び(b)は従来材料(c)と比較して極めて
損失が低いことがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、F
23、MnO、及びZnOを主組成とするMn−Zn
系フェライト磁性材料Aにおいて、副成分としてCaO
を0.05〜0.3重量%、SiO2 を0.005〜
0.1重量%、CoOを0.01〜0.5重量%及びC
uOを0.01〜0.5重量%の範囲で含むことによ
り、従来にない低磁気損失の材料を提供でき、これを用
いて小型で低発熱、高効率のスイッチング電源を作製す
ることが可能となる。
【0044】また、前記AがさらにZrO2,HfO2
Al23,GeO2,Ta25,Sb23,Ga23
In23から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物を
0.01〜0.2重量%含むことにより、さらに電気抵
抗を増大させ磁気損失の低い磁性体材料を提供できる。
【0045】また、主組成のモル比がFe2354〜5
8、MnO36〜44、ZnO1〜8であることによ
り、より磁気損失の低い磁性体材料を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松谷 伸哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石井 治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe23、MnO、及びZnOを主組成
    とするMn−Zn系フェライト磁性材料Aにおいて、副
    成分としてCaOを0.05以上0.3重量%以下、S
    iO2 を0.005以上0.1重量%以下、CoOを
    0.01以上0.5重量%以下及びCuOを0.01以
    上0.5重量%以下含むことを特徴とする酸化物磁性材
    料。
  2. 【請求項2】 AがさらにZrO2,HfO2,Al
    23,GeO2,Ta25,Sb23,Ga23,In2
    3から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物を0.
    01以上0.2重量%以下含む請求項1に記載の酸化物
    磁性材料。
  3. 【請求項3】 主組成のモル比がFe23が54以上5
    8以下、MnOが36以上44以下、ZnOが1以上8
    以下である請求項1または2に記載の酸化物磁性材料。
JP5277936A 1993-11-08 1993-11-08 酸化物磁性材料 Pending JPH07130527A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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