JP4551782B2 - Mn−Zn−Ni系フェライト - Google Patents

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本発明は、周波数が20kHz〜60kHz程度の高周波電流による誘導加熱方式により加熱を行う電磁調理器、電子写真式複写機、プリンタおよびファクシミリの加熱定着装置等の磁性部品に用いて好適な、高いキュリー点と、高い飽和磁束密度、比透磁率を有するMn−Zn−Ni系フェライトに関するものである。
誘導加熱は、高周波インバータにより加熱コイルに高周波電流を供給してコイル周辺に高周波磁界を発生させ、この磁界により被加熱物に誘起される渦電流のジュール熱によって加熱する方式である。鉄鋼などの金属材料の加熱、溶解には、古くから用いられてきたが、最近では、電磁調理器や炊飯器さらには電子写真式複写機でトナーを紙に定着させる定着器の加熱等にも用いられている。また、被加熱物が磁性体である場合には、加熱コイルの磁界による磁束分布に応じて、渦電流が被加熱物にも流れ、高周波磁界による鉄損(ヒステリシス損失及び渦電流損失)が発生し、これも発熱に寄与する。
誘導加熱の効率を高めるには、加熱コイルと被加熱物の加熱面の間隔をできるだけ小さくし、加熱コイルからの磁束の多くが被加熱物を貫くようにする必要がある。しかし、コイルと被加熱物の間隔を狭めることには限界がある。そこで、コイルによって発生する磁界から周りの空間に発散する磁束をできるだけ被加熱物に集中させた磁路を形成するため、加熱コイル外側や被加熱物内部の空間に磁性体のコアを配置することが一般に行われている。そして、コイル外側に配置された磁性体のコアは、周囲への漏洩磁束をシールドする役割も果たす。ここで、上記磁性体は、誘導加熱の加熱条件によって適宜選定する必要があるが、上記用途で使用する誘導電流は20kHzから60kHz程度の高周波であるため、金属磁性材料ではなく、酸化物磁性材料のフェライトの方が適している。
また、複写機の定着器などでは、加熱ロールが、140℃程度から最高200℃以上の温度まで加熱されるため、フェライトコアのキュリー点Tcは、これ以上の高い温度であることが必要である。さらに、誘導加熱では、加熱コイルからの高周波磁束を被加熱物および磁路となるコアに集中させることが目的であるから、フェライトコアは、加熱される温度域で誘導コイルからの強い磁界に対する比透磁率が高く、かつ飽和磁束密度が高いことが必要である。
現在、高周波域で使用される電源トランスなどの磁芯材料に用いられるフェライトは、Mn−Zn系フェライトが主流となっている。特に、平滑回路のチョークコイルに用いられる磁心材料は、飽和磁束密度が高いことが必要であることから、Ni−Zn系よりも、Mn−Zn系のフェライトの方が有利である。
ところで、近年、電子機器の電源部分に対する小型化への要請から、電源部分の各種部品は高密度に積載されるようになってきている。そのため、フェライト材料以外の部品からの発熱量が大きく、積載されているフェライトコアの温度は80〜100℃となることがある。そこで、従来の電源トランス用Mn−Zn系フェライトは、温度上昇とともに飽和磁束密度が低下するため、80℃〜100℃の温度域で最大の飽和磁束密度を有する材料であることが望まれておいた。
発明者らは、この要請に応えるべく、80℃で最も高い飽和磁束密度を示すと共に、100kHz〜500kHz程度の周波数域でも低鉄損なMn−Zn−Ni系フェライト磁心材料を、特許文献1に提案した。しかし、このフェライト材料は、電源トランス用として、温度80〜100℃、周波数100kHz以上で低鉄損であることを開発目的としていたため、100℃以上の温度、20kHz〜60kHzの周波数域で、高い飽和磁束密度と比透磁率を求められる誘導加熱用のコアに適用するには、十分な特性とは言えなかった。
また、特許文献2には、酸化鉄の含有量を60〜85mol%とすることにより、高い飽和磁束密度を実現したフェライト焼結体が開示されている。しかし、この技術は、焼成プロセスにおいて、高温保持中の酸素濃度を1%以下に制御する煩雑な操作が必要であり、また、比透磁率も5000以上の大きな値が得られないという問題があった。
特開平10−064715号公報 特開平11−392822号公報
そこで、本発明の目的は、キュリー点が300℃以上と高く、100℃以上の温度域かつ20kHz〜60kHzの周波数領域で、高い飽和磁束密度と比透磁率を有するMn−Zn−Ni系フェライトを提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的の実現に向けて、MnO−ZnO−Fe23三元系フェライトに、NiO,SiO2およびCaOを含有する成分組成からなるフェライトをベースとし、NiOの含有量と、上記Fe23の原料となる酸化鉄中に含まれる不純物の含有量とが、最終焼結体であるフェライトコアの飽和磁束密度と比透磁率にどのような影響を及ぼすかに着目して検討を重ねた。その結果、上記成分組成におけるNiO含有量を、従来よりも幾分高くするとともに、原料酸化鉄中の塩素量を一定値以下に制限し、最終焼結体中における塩素量を所定値以下に低減すれば、所期した目的を達成することができることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、基本成分が、Fe23:53〜57mol%、ZnO:4〜11mol%、NiO:0.5〜4mol%、残部が実質的にMnOからなり、添加成分として0.005〜0.05mass%のSiO2および0.02〜0.2mass%のCaOを含有するMn−Zn−Ni系フェライトにおいて、前記Fe23原料として、塩素含有量が0.050mass%以下の酸化鉄を用い、得られる最終焼結体中が80massppm以下の塩素を含有するものからなるMn−Zn−Ni系フェライトである。
本発明における上記酸化鉄は、塩化鉄溶液を焙焼して得たものであることを特徴とする。
また、本発明のMn−Zn−Ni系フェライトは、キュリー点が300℃以上、140℃における磁化力1200A/mでの飽和磁束密度が400mT以上、140℃における磁束密度300mT、周波数20kHzおよび60kHzでの比透磁率が5000以上であることを特徴とする。
本発明によれば、キュリー点が300℃以上と高く、100℃以上の温度域、20kHz〜60kHzの周波数領域で高い飽和磁束密度と比透磁率を有するMn−Zn−Ni系フェライトを提供することができる。このフェライト材料は、誘導加熱装置のコア材に用いて好適である。
本発明において、Mn−Zn−Ni系フェライトの基本成分組成を、上記範囲に限定する理由について説明する。
Fe23:53〜57mol%
Fe23は、含有量が少なすぎると飽和磁束密度が低下し、飽和磁束密度を高い値に維持するためには、53mol%以上とする必要がある。一方、本発明に係るフェライト磁心材料のように、NiOを含むものでは、磁性イオンであるNi2+イオンは、フェライトのスピネル化合物の格子点に入り込み、他の格子点にある磁性イオンとの相互作用を介して、磁気異方性定数K1ならびに飽和磁歪定数λsを変化させることにより、MnO−ZnO−Fe23三元系フェライトの比透磁率に関する最適組成範囲をFe23リッチ側に広げる作用を有する。しかし、Fe23の含有量が多過ぎると、NiOを含む組成でも損失が大きくなり、比透磁率が低下するので、上限を57mol%とする。好ましいFe23の範囲は、54〜56mol%である。
ZnO:4〜11mol%
ZnOは、含有量が少なすぎると飽和磁束密度が小さくなるが、Fe23とNiOの組成を好適範囲に選択すれば、高い飽和磁束密度を維持することができる。一方、ZnOの含有量が少ない場合、100kHz以下では比透磁率が低下するため、ZnOの含有量は4mol%以上とする必要がある。しかし、ZnOの含有量が多すぎると、室温での飽和磁束密度が小さくなるだけでなく、キュリー温度が低下する。また、ZnOの含有量が多すぎると、NiOの比透磁率の向上効果がなくなってしまう。従って、ZnOの含有量は、上限を11mol%とする。好ましいZnOの範囲は、6〜10mol%である。
NiO:0.5〜4mol%
NiOは、比透磁率を向上する成分である。しかし、その含有量が0.5mol%に満たない場合には、比透磁率の改善効果が顕著でなく、飽和磁束密度も小さい。一方、NiOの含有量が多すぎると、100kHz程度までの周波数帯域で損失が急激に増大し、比透磁率も低減するため、NiOの含有量は4mol%を上限とする。なお、従来技術との比較の意味で、NiOの含有量をmass%で表示すると0.3〜2.5mass%となる。この数値からも明らかなように、本発明にかかるフェライト磁心材料は、従来の材料に比べてNiOの含有量を幾分多めに設定している。その理由は、NiOは、MnO−ZnO−Fe23三元系フェライトに容易に固溶する酸化物で、かつ、磁性の向上に寄与するものだからであり、また、従来よりも多くする理由は、飽和磁束密度の向上とキュリー温度の上昇に有効だからである。なお、好ましいNiOの範囲は、2〜4mol%である。
本発明のフェライト材料は、上記Fe23,ZnO,NiO以外の残部は、実質的にMnOからなる基本成分で構成されている。
次に、本発明のフェライトが必須とする添加成分である、SiO2およびCaOについて説明する。
SiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%
SiO2およびCaOは、焼結性を高めると共に、粒界相を高抵抗化して低損失化し、高い比透磁率を実現するために必要不可欠な添加成分である。特に、SiO2は、焼結を促進する効果があり、この効果を充分に引き出すためには0.005mass%以上の添加が必要である。しかし、SiO2が多すぎると、異常粒成長を起こしたり、飽和磁束密度が低減したりするため、その上限を0.05mass%とする。一方、CaOは、SiO2とともに粒界を高抵抗化して損失を小さくし、比透磁率を高める効果があり、この効果を引き出すためには0.02mass%以上の添加が必要である。しかし、0.2mass%を超えて添加すると、焼結性が悪化するので、その上限を0.2mass%とする。
また、本発明のMn−Zn−Ni系フェライトは、上述した基本成分および添加成分を必須のとするが、それ以外に、Ta25,ZrO2,Nb25,V25,TiO2およびHfO2のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上の微量添加成分を、Ta25:0.0050〜0.1000mass%、ZrO2:0.0100〜0.1500mass%、Nb25:0.0050〜0.0500mass%、V25:0.0050〜0.0500mass%、TiO2:0.0500〜0.3000mass%、HfO2:0.0050〜0.0500mass%の範囲で加えることができる。これらの微量添加成分は、いずれも損失改善に寄与し、比透磁率を高める効果がある。
原料酸化鉄中の塩素:0.05mass%以下、最終焼結体中の塩素:80massppm以下
さて、Fe23,ZnO,NiOおよびMnOの基本成分や添加成分の組成を、上記範囲に調整することは重要なことであるが、それだけでは、大きな飽和磁束密度と比透磁率を同時に確保することができない。そこで、発明者らは、さらに検討を重ねた結果、Fe23の原料となる酸化鉄中の不純物、特に塩素の量を限定することにより、具体的には、原料酸化鉄中の塩素を0.050mass%以下とし、さらに、最終焼結体中に残存する塩素量を80massppm以下に低減することにより、異常粒の発生や結晶粒の粒度分布ばらつきなどの組織不均一が抑制されるとともに、焼結体密度の向上が図られて、飽和磁束密度と比透磁率をさらに向上できることを新たに見出した。なお、Mn−Zn系フェライトにおける、各種不純物の影響については、例えば、文献「フェライト」(平賀ら、丸善、1986、47頁)に記載されているが、原料酸化鉄中の塩素が、磁気特性に対してどのように影響するかについては全く述べられていない。
原料酸化鉄中の塩素が、最終焼結体の特性に影響を及ぼす機構については、まだ明確に解明されたわけではないが、塩素は、Mn−Zn−Ni系フェライトの製造工程においては、原料の酸化鉄のみから混入するものであるため、原料混合後の仮焼工程や焼成工程などの化学反応を伴う工程で結晶成長や結晶組織に影響を与え、最終焼結体の特性、とくに100℃以上の高温度での飽和磁束密度や比透磁率に影響を及ぼすものと考えられる。従って、上記のような反応工程に入る前、すなわち原料酸化鉄の段階で塩素を極力低減しておく必要がある。また、最終焼結体中に残留する塩素量が多いと、焼結体中に空孔が多く残留し、飽和磁束密度と比透磁率の低下が生じるので、これもまた極力低減しておく必要がある。
なお、塩素量の少ない酸化鉄としては、塩素を含まない硫化鉄水溶液を焙焼して得たものが好ましい。しかし、硫化鉄水溶液は、原料コストが高いので、工業的には塩化鉄水溶液を焙焼して得た酸化鉄が好ましく、特に、塩化鉄水溶液から得られる酸化鉄からは、上記焙焼工程後に、熱処理や水洗を行うことによって、塩素含有量が極めて少ない酸化鉄を得ることができるので、この点からも好ましい。
次に、本発明のMn−Zn−Ni系フェライトの製造方法について説明する。
通常、Mn−Zn−Ni系フェライトは、各粉末原料を、所定の最終組成になるように混合して仮焼し、次いで、得られたフェライト仮焼粉に各種の添加成分を必要に応じて添加、混合して粉砕した後、造粒して圧縮成形し、焼成することにより製造される。この際、本発明では、酸化鉄の原料として、塩素含有量が、0.050mass%以下のものを用いることが必要である。0.050mass%を超えて塩素を含む場合には、飽和磁束密度や比透磁率に悪影響を及ぼすからである。また、本発明では、焼成工程において焼成温度を高くしたり、焼成時間を長くしたりすることによって、最終焼結体中における塩素量を80massppm以下まで低減することが重要である。というのは、80massppmを超える塩素が残存していると、前述したとおり、焼結体中の空孔が多くなって、飽和磁束密度と比透磁率の低下が生じるからである。
また、本発明では、フェライト焼成に当たっては、500℃から最高保持温度までの昇温速度は、600℃/hr以上とすることが好ましい。焼成時の昇温速度が600℃/hrに満たないと、高い飽和磁束密度を実現できず、140℃での飽和磁束密度が、従来材並みの400mT以下に止まるからである。また、焼成時の最高保持温度は、1300℃以上の高温とすることが好ましい。1300℃未満の場合には、焼結体密度が低くなり、高い飽和磁束密度を得ることが難しくなるからである。なお、保持時間は、組成によっても異なるが、通常1〜8時間程度であり、好ましくは2時間以上とするのがよい。焼成時の雰囲気は、大気または窒素あるいはそれらの混合ガス中で行うことが好ましい。
上記成分組成からなり、上記製造方法により製造された本発明のMn−Zn−Ni系フェライトは、キュリー点が300℃以上、140℃における磁化力1200A/mでの飽和磁束密度が400mT以上、140℃における磁束密度300mT、周波数20kHzおよび60kHzでの比透磁率が5000以上のものであることが好ましい。キュリー点を300℃以上とした理由は、200℃以上の高温になっても十分な磁性を有する必要があるからである。また、140℃における飽和磁束密度と比透磁率を上記の値とした理由は、そのような大きな値を設定することにより、加熱コイルからの大きな磁界に対しても十分な磁束が発生し、かつ磁気飽和しないようにするためである。140℃の飽和磁束密度と比透磁率が重要なのは、まず誘導加熱に用いられたときの使用温度の最低温度がこの付近であり、従来の電源トランス用フェライトでは、80〜100℃の温度域を重視しているため、これより高温、特に140℃付近では、急激に磁気特性が劣化し、大きな比透磁率が得られなくなるからである。
塩化鉄の溶液を焙焼して得た酸化鉄を、500℃程度までの温度範囲で再度熱処理したり水洗したりすることにより、種々の量の塩素を含有する原料酸化鉄とした。この酸化鉄を用いて、基本成分であるFe23,ZnO,NiOおよびMnOが、表1および表2に示すように種々の組成を有するよう、それぞれの原料粉末を混合した後、930℃で3時間の仮焼を行い、さらに、表1および表2に併記したように、種々の量のSiO2,CaOを添加し、ボールミルで10時間粉砕した。その後、この粉砕した粉末を、外径36mm、内径24mm、高さ12mmのリング状に成形した後、酸素分圧を1〜5vol%に制御した窒素・空気混合ガス中で、500℃から1330℃までの昇温速度を650℃/hrで加熱後、1330℃で3時間の焼成を行った。
このようにして得たリング状試料に、1次側5巻・2次側5巻の巻線を施し、交流BHループトレーサーを用いて、20℃〜140℃において、20kHz〜60kHzの周波数で磁束密度300mTまで励磁したときの比透磁率を測定した。次に、1次側20巻・2次側40巻の巻線を施し、直流BHループトレーサーを用いて、20℃〜200℃において、1200A/mの磁界をかけたときの磁束密度を測定した。なお、この大きさの磁界では、磁束はほぼ飽和しており、この値は飽和磁束密度と見なせる。さらに、これらの焼結体試料を破砕した小片に、試料振動型磁力計で40kA/mの磁界をかけながら500℃まで昇温し、磁化がなくなるキュリー温度を測定した。また、焼結体中に含まれる塩素量の測定も行った。なお、上記原料酸化鉄中および焼結体中の塩素量の測定は、蛍光X線分析を用いて行った。
上記測定の結果を、表1および表2中に併記して示した。なお、比透磁率は、20〜60kHzの範囲での最小値を示した。ここで、表1に示したNo.1〜24の実施例は本発明例であり、表2に示したNo.25〜44の実施例は比較例である。表1からわかるように、本発明の条件を満たしたNo.1〜24は、原料酸化鉄中の塩素量を0.050mass%以下に低減すると共に、焼結体中の塩素量を80massppm以下に抑制した結果、いずれの焼結体も、キュリー点が300℃以上、140℃での飽和磁束密度が400mT以上、140℃、20kHzおよび60kHz、300mTでの比透磁率が5000以上という優れた特性を有するMn−Zn−Ni系フェライトとなっていることがわかる。これに対して、本発明の条件を満たさないNo.25〜44の比較例は、キュリー点、飽和磁束密度、比透磁率のいずれか1つ以上の特性が劣るものしか得られなかった。
Figure 0004551782
Figure 0004551782
本発明のフェライトは、鉄鋼などの金属材料の誘導加熱装置にも適用することができる。

Claims (3)

  1. 基本成分が、Fe23:53〜57mol%、ZnO:4〜11mol%、NiO:0.5〜4mol%、残部が実質的にMnOからなり、添加成分として0.005〜0.05mass%のSiO2および0.02〜0.2mass%のCaOを含有するMn−Zn−Ni系フェライトにおいて、前記Fe23原料として、塩素含有量が0.050mass%以下の酸化鉄を用い、得られる最終焼結体が80massppm以下の塩素を含有するものからなるMn−Zn−Ni系フェライト。
  2. 上記酸化鉄は、塩化鉄溶液を焙焼して得たものであることを特徴とする請求項1に記載のMn−Zn−Ni系フェライト。
  3. キュリー点が300℃以上、140℃における磁化力1200A/mでの飽和磁束密度が400mT以上、140℃における磁束密度300mT、周波数20kHzおよび60kHzでの比透磁率が5000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のMn−Zn−Ni系フェライト。

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