JP3909355B2 - 包装袋 - Google Patents
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Description
本発明は、電子レンジにより内容物を加熱できるレトルト食品に使用する包装袋に関する。
図3に示すように、従来の包装袋100は、少なくとも片面にシーラント層を有する複合フィルムからなる一対のシートを、そのシーラント面同士を向かい合わせて、その周縁部をシールして密封した袋本体101と、この袋本体101の側面にウイング状の部分102が形成されたものである。このウイング状の部分102には、袋本体101内部と外部とを密封するシール部103が設けられており、このシール部103には、幅方向中央部に幅が狭くなった部分、つまり、他の部分よりも張合せ強度が弱くなった易開封部104が形成されている。
このため、電子レンジで加熱したときに、内容物から発生する蒸気等によって袋本体101の内部の圧力が高くなると、張合せ強度が弱い易開封部104が剥離して内部の蒸気が外部に放出される。よって、袋本体101をそのまま電子レンジで加熱しても袋本体101の破裂を防ぐことができるから、包装袋100を電子レンジで加熱調理することができるのである。
袋本体101における両側端のシール部分101aの後退は袋本体101の両側端の開封を引き起こす可能性があるので避けなければならない現象である。確かにシール部分101aの接着強度を強くすればシール部分101aの後退は防ぐことはできるものの、過剰品質となり、また、袋自体のコストが高くなる。
第2発明の包装袋は、第1発明において、前記開封領域は、その前記袋本体内部側の端縁が前記連通空間に突出した形状となるように形成されていることを特徴とする。
第3発明の包装袋は、第1発明において、前記一対の開封部形成シートの先端縁同士を貼り合わせた貼り合わせ部分は、前記袋本体内部側の端縁が、該袋本体から外方に向かって凸状となった円弧となるように形成されていることを特徴とする。
第2発明によれば、開封領域に対して開封部形成シートを剥離させるように加わる力を、袋本体内部側の端縁が連通空間に突出するような形状となっていない場合に比べて強くすることができるから、開封領域をより確実に最初に開封させることができる。
第3発明によれば、袋本体が膨らんだときに、その断面形状を、より確実に円形に近づけることができるから、袋本体における側端において貼り合わせ部分の後退が発生することをより確実に防ぐことができる。
図1は本実施形態の包装袋1の概略説明図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のB−B線断面矢視図である。同図において、符号2は本実施形態の包装袋1の袋本体を示している。この袋本体2は、一対のシート状部材2c,2dを重ね合わせた状態で、両者の外周端縁同士を貼り合わせて袋状に形成されたものである。
シート状部材2c,2dは、ポリエステルやナイロン等の耐熱性素材で形成された基層と、シーラント層とを備えた複合シートであり、シーラント層同士を対向させた状態で、加圧加熱することによって、両者を熱融着することができる。図1における符号2a,2bは、熱融着したシール部を示しており、このシール部2a,2bによってシート状部材2c,2dの間の空間2hが外部から気密かつ液密に密封されているのである。
この開封部3におけるシール部3aは、その貼合せ強度がシール部2a,2bの貼合せ強度よりも弱くなるように調整されている。とくに、シール部3aにおける幅方向の中央部には、他のシール部3aよりもさらに貼り合せ強度が弱くなるように調整された開封領域4が設けられている。
なお、各シール部の貼合せ強度は、各シール部を貼合せるときにおける加熱温度によって調整されているが、貼合せ強度の調整は、シーラントの素材を変えたりして調整してもよく、特に限定されない。
しかも、シール部3aは、その幅が開封部3における袋本体2側の部分(図1ではA領域)が袋本体2から外方に向かって凸状となるように狭くなっているから、A領域は貼り合わされていない状態となり、その部分に袋本体2内の空気等が流入できる気体流入部3hが形成される(図2(A),(C))。
この気体流入部3hが、特許請求の範囲における連通空間である。
なお、シール部3aの端縁3eは、シール部3aの幅が側端縁から中央部に向うに従いその幅が狭くなるように形成されていればよく、山形(図5(A))であってもよく、特に限定されないが、図1(A)に示すように、シール部3aは、袋本体2側の端縁3eが、袋本体2から外方に向かって凸状となった円弧となるように形成されていれば、袋本体2が膨らんだときに、その断面形状を、より確実に円形に近づけることができるから、袋本体2におけるシール部2aの後退が発生することをより確実に防ぐことができる。
そして、開封領域4の袋本体2側の端縁4eが、平面視で(図1(A)の状態)、A領域に突出するような形状にしておけば、気体流入部3hに袋本体2内の空気等が流入して膨らんだときに、開封領域4に対して開封部形成シート2e,2fを剥離させるように加わる力を、開封領域4がA領域に突出するような形状となっていない場合に比べて強くすることができる。よって、開封領域4をより確実に最初に開封させることができるので、好適である。しかも、開封領域4の弱貼付部4aの先端と袋本体2までの距離L1が、シール部3aの端縁3eにおいて袋本体2までの距離が最も長い位置における長さL2よりとほぼ同等にしておけば、開封領域4以外のシール部3aにおいて剥離を開始するときには、開封領域4の実質的なシール部4bは剥離された状態となるから、常に、開封領域4から開封させることができる。
しかも、常に開封領域4が最初に開封されるから、開封領域4の貼り合わせ強度だけを調整すれば、他の貼り合わせ部分の貼り合わせ強度を調整しなくても、開封するタイミングや条件を変更することができる。このため、内容物に応じた最適な開封タイミングを容易に実現することができる。
さらになお、開封領域4における弱貼付部4aを設けなくてもよいが(図5(B))、開封部3の先端から袋本体2内部に向かって凸となった山形の弱貼付部4aを形成しておけば、開封領域4の部分において、開封部3の幅方向の中央部から側端(図1では3bの部分)に向かうにしたがってシール部4bの幅が広くなるが、その幅が広がる割合を大きくすることができる。言い換えれば、開封領域4の部分におけるシール部4bの幅の変化割合を、他のシール部3aよりも大きくできるから、開封領域4の中央部、つまり、弱貼付部4aの先端が位置する部分の貼り合せ強度を弱くでき、開封領域4の中央部を確実に最初に開封させることができ、好適である。
また、各部の張り合わせ強さは、側端シール部は4.5kg/15mm以上、ウイング部においてシールしている部分は3.5kg/15mm以上、そして、本発明の開封領域4(図1参照)は、2.3 kg/15mm以上となるように熱融着している。
そして、本発明の実施例1,2,4と従来例1,4を比較すると、ほぼ同じ開封時間で開封しているが、本発明の包装袋では全て後退がないのに対し、従来例1では後退が発生し、従来例4では後退が発生しない。つまり、本発明の包装袋は後退を発生させることなく安定した開封ができるのに対し、従来例の包装袋では、開封時間によって後退の発生をコントロールできず不安定になる。
したがって、本発明の包装袋が、安定した開封ができるので好適である。
2 袋本体
2c シート状部材
2d シート状部材
3 開封部
4 開封領域
Claims (3)
- 一対のシート状部材を重ねその外周縁同士を貼り合わせて形成されており、該一対のシート状部材の間に加熱すべき内容物を収容する空間を有する袋本体と、
該袋本体内部の圧力が高くなると該袋本体内部と外部とを連通する開封部とからなり、
該開封部は、
前記袋本体における一のシート状部材に基端が接続された一対の開封部形成シートを、その先端縁と前記袋本体における一のシート状部材との間に該袋本体内部に連通した連通空間を有するように、その先端縁同士および側端縁同士を貼り合わせて形成されたものであり、
前記一対の開封部形成シートにおける先端縁同士は、両者を貼り合わせた貼り合わせ強度が、前記袋本体における一対のシート状部材の外周縁同士を貼り合わせた貼り合わせ強度よりも弱くなるように貼り合わされており、
前記一対の開封部形成シートの先端縁同士を貼り合わせた貼り合わせ部分は、側端縁から中央部に向うに従いその幅が狭くなるように形成されており、
前記一対の開封部形成シートの先端縁における幅方向の中央部に、該先端縁の他の部分に比べて貼り合わせ強度の弱い開封領域が形成されており、
該開封領域において、該開封領域の他の部分に比べて貼り合わせ強度の弱い弱貼付部が形成されており、
該弱貼付部は、前記開封部の先端から前記袋本体内部に向かって凸状となるように形成されている
ことを特徴とする包装袋。 - 前記開封領域は、その前記袋本体内部側の端縁が前記連通空間に突出した形状となるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋。 - 前記一対の開封部形成シートの先端縁同士を貼り合わせた貼り合わせ部分は、前記袋本体内部側の端縁が、該袋本体から外方に向かって凸状となった円弧となるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋。
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