JP4242546B2 - 密封用包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全ての端縁部及び側縁部をヒートシールによって密封して使用する、熱可塑性樹脂フィルム層を最内層に有する密封用包装袋と、該包装袋内部に食品等を収納した可撓性の密封包装袋に関するものである。特に本発明は、最内層が熱可塑性樹脂フィルムである密封包装袋に食品等を収納したままで電子レンジや熱湯等で加熱処理しても包装袋を破裂させることなく、内部発生圧力を安全に包装袋外へ放出することができ、しかも液漏れが発生することがない加熱対応型の密封用多層包装袋と、該包装袋内部に該食品等を収納した密封多層包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、全ての端縁部及び側縁部をヒートシールして密封している可撓性の包装袋の場合、製品充填工程や流通過程で包装袋に外部から大きな圧力が掛かったり、内部で水蒸気の発生があったりして包装袋内部の圧力が急激に上昇すると、ヒートシール部分が破壊されて収納品の漏れが生じることがあり、甚だしい場合は、急激な膨張に抗しきれず爆発的な破袋が生起することがある。例えば、中華料理の具やカレー等のように、加熱時に蒸気を発生する被調理品を密封収納した可撓性の包装袋商品は多いが、これらは電子レンジ等によって加熱すると内部発生水蒸気等による圧力の急激な増加により爆発的に破裂する場合がある。
【0003】
そのようなトラブルの発生を避けるために、電子レンジ等で加熱処理する場合には、液漏れを防ぎつつ蒸気等の内部発生圧を安全に袋外へ逃がすことが必要であり、その目的のために、従来包装体に逆止弁を付けたり、加熱処理直前に包装体の一部を鋏で切断して蒸気逃し部分を作る等の対応がなされている。
しかしながら、逆止弁を取り付ける場合には、機能的に不完全であると収納食品への汚染の危険があるので殺菌処理等が不可欠であるし、またコストが高くなるという問題がある。また、鋏で開口部を形成する場合には、液状の被調理品が煮沸によって吹きこぼれたり、加熱用の液が切り口から内部に流入したりするおそれがあるため、有効な手段とはいいがたい。
【0004】
そこで、本発明者らは、電子レンジ等での加熱処理時に収納食品等の漏出を防止しつつ内部発生する水蒸気を効率よく排出することができる蒸気逃し機構を有し、しかも殺菌処理等の必要のない加熱対応型の電子レンジ用包装袋をすでに提案している(特開平9−272180号公報、特開平10−287377号公報、特開平10−42800号公報等を参照)。
【0005】
これらの電子レンジ用包装袋の一例を、図4に示す。図4の包装袋は、背貼り部形成箇所に所定間隔で所定の幅及び長さの複数の平行な剥離剤層を塗布した耐熱性外層フィルムに同一幅の熱可塑性内層フィルム(シーラントフィルム)をラミネートして積層樹脂フィルム包材を形成し、該積層樹脂フィルム包材をその熱可塑性フィルムが内側になるように折り重ねて、背貼り部と袋体の両端縁部及び両側縁部をヒートシールすることによって密封して加熱調理食品入り包装袋として形成されている。この包装袋は、電子レンジ等による加熱によって内部食品から水蒸気が発生すると、内圧が増加して図示のように袋体が膨張し、その結果、背貼り部内の剥離剤層端部で内層熱可塑性フィルムが熱膨張に抗しきれずに破袋すると、該破袋部から侵入する水蒸気の圧力によって内外層フィルムの間の剥離剤塗布部に層間剥離が生じ、発生水蒸気は該剥離剤層部分を引き剥がしながら通路を形成して包装袋外部に放出されるという蒸気逃し機構を有する構造となっているものである。
【0006】
上記の従来型の蒸気逃し機構を有する加熱調理食品用の包装袋は、正常な状態で電子レンジ等による加熱処理を行う場合には爆発的な破裂を起こすことはなく、安全かつ衛生的な加熱処理が可能な食品用包装袋としての規格を十分に満たしているものである。
【0007】
しかし、上記の加熱処理食品用の包装袋は、通常は背貼り部が包装袋上面に折り重なった状態であるため、加熱処理時に膨張する包装袋の上面に折り重なり、張りついた状態のままとなることがある。背貼り部がそのような状態でも、背貼り部に設けられている蒸気逃し機構は全く機能しないということは稀であるが、加熱膨張があまりに急激であったりすると、倒れた状態の背貼り部が膨張した包装袋の上面に強く押し付けられ、蒸気通路となるべき前記剥離剤端部での内層フィルムの膨張が阻害されて内層に破れ部分が生じないことがあるし、内層フィルムに破れが生起してたとしても剥離剤塗布部分の剥離抵抗が大きくなる結果、包装袋内部の圧力が全体的に高くなる。そのような状態となると、包装袋の全ての端縁部及び側縁部のヒートシール部に掛かる圧力が高くなり、本来、破袋が生じにくいはずのその他のヒートシール部で爆発的な破袋が生起することがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内部圧力の増加によっても爆発的な破袋が生じることがなく、特定のヒートシール部からのみ内部圧力を安全に放出するように制御されている、ヒートシールによって密封される包装袋と、該包装袋に調理食品等を収納した密封包装袋を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、加熱処理時の内部圧力の増加によっても、液漏れを伴うことなく内部圧力を安全に放出する蒸気逃し機構を備えるヒートシール端縁部を有する加熱対応型の密封用多層包装袋において、前記の問題を解決し、安全かつ衛生的に加熱処理することができる、加熱対応型の密封多層包装袋を提供すること目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、消費者が前記タイプのヒートシール密封包装袋を加熱処理する際に起こり得る、本来の蒸気逃し機構が正常に働かないような種々の状態を想定して各種の実験を行った結果、袋体内部でヒートシール帯域同士が交差している点に破壊が多く集中することを確認し、この傾向は、袋体が背貼り部を有するピロー型の包装袋や一端部が二股に分岐している立体パウチ型包装袋において特に顕著であること、その破壊の生じる箇所が背貼り部と袋体本体のヒートシール部が交差する点を含む部分(背貼り部の付け根部分)や立体パウチ型包装袋の二股に分岐している部分のヒートシール部が交差している部分に集中することを見いだし、その解決手段についての検討を重ねた結果、本発明に到達した。上記目的を達成するための密封用包装袋に関する本発明は、袋体本体の一面に袋体本体と同一幅のフラップ部が形成され、該袋体本体及びフラップ部の端縁部及び/又は側縁部がヒートシールによって封鎖される密封用包装袋であって、フラップ部の側縁部のヒートシール部と袋体本体の側縁部のヒートシール部とが交差する点を含む包装袋内部における少なくとも一方のヒートシール部に凹状のヒートシールされていない部分が形成されており、前記フラップ部は、袋体本体上面の中央部に形成されている中央背貼り部であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の密封用包装袋は、端縁部及び側縁部をヒートシールして密封する形式の可撓性の包装袋であり、該包装袋は単層袋であっても多層袋であってもよい。本発明の密封用包装袋は、主として冷凍食品類及びレトルト加熱食品類等のような食品類等を密封収容するための包装袋を意味しているが、本発明は、それらの食品類等を収納して密封してなる食品包装袋をも包含するものである。
【0020】
本発明の密封用包装袋は、単層袋であっても多層袋であっても、収納製品と接触する層は熱可塑性樹脂フィルム又はシートであり、該熱可塑性樹脂フィルム又はシート同士をヒートシールすることによってによって形成されている。
最内層熱可塑性樹脂フィルムとしては、ヒートシール可能である限り、その種類に特に制限はない。
包装袋が内部圧力逃し機構乃至内部蒸気逃し機構を有する加熱対応型の多層包装袋である場合には、包装袋内に収納する食品類を加熱処理する際に、包装袋内で発生する水蒸気等に起因する内圧の増大によって膨張し、蒸気逃し機構部分で破れる程度の強度を有するものであることが必要である。これらのフィルムの厚さは、包装袋最内層フィルムに求められる上記特性を有しているものである限り、特に制限はないが、通常は15〜130μm、好ましくは20〜70μm程度である。
【0021】
このような最内層フィルム又はシート用の熱可塑性樹脂としては、汎用ポリオレフィンや特殊ポリオレフィン類を挙げることができる。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EAM)、アイオノマー(IO)等を挙げることができる。また、これらの熱可塑性樹脂フィルム面にシリコン蒸着やアルミ蒸着したフィルムも使用することができる。
【0022】
本発明の密封用包装袋が加熱対応型の密封用多層包装袋である場合には、外層は耐熱性で可撓性の樹脂フィルム又はシートによって構成されている。
耐熱性で可撓性の樹脂フィルムとしては、包装袋内の収納製品を加熱処理する際の温度で強度低下を生じない樹脂フィルムが使用される。そのような耐熱性樹脂フィルムとしては、融点が160℃以上のもので、一般にレトルト加熱食品や包装状態のまま加熱解凍する冷凍食品類の包装袋用包材として使用されているものであれば使用可能である。特に限定するものではないが、そのような耐熱性樹脂フィルムとしては、耐熱性、強度物性、透明性、印刷適性などの点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム等が好ましい。外層フィルムの厚さに制限はないが、通常、9〜50μm、好ましくは12〜30μm程度である。
【0023】
本発明の密封用包装袋の製造工程において、包装袋の各端縁部及び側縁部におけるフィルム同士の接着手段は、収納製品との関係で制約がない限り、どのような接着手段でも採用することができる。しかし、収納品との関係で制約を受けることがなく、接着封鎖工程が単純であること等の点から、少なくとも最内層熱可塑性フィルム同士の接着にはヒートシール手段が好ましい。
【0024】
最内層とそれに隣接する外層との接着には、通常のラミネートフィルム形成用の接着手段が採用される。しかし、端縁部又は側縁部に設けられる弱接着帯域は、包装袋に通常加わる弱い外力によって簡単に剥離することはないが、加熱等によって増大する内圧によって包装袋が膨張し、最内層熱可塑性フィルムに破れが生じた場合には、該破れ部から侵入する高圧蒸気等によって層間剥離し、該高圧蒸気が袋体外部に放出される通路を容易に形成される程度の接着強度を有する剥離性接着帯域である。最内層とそれに隣接する外層との接着に使用できる接着剤の例としては、ウレタン系接着剤「アドコートAD−545S」(東洋モートン株式会社製)、ウレタン系接着剤「アドコートAD−900」(東洋モートン株式会社製)等が挙げられる。
【0025】
本発明の密封用包装袋が加熱対応型の密封用多層包装袋である場合の最内層フィルムとそれに隣接するフィルム層との間の弱接着帯域の形成には、ポリアマイド/シリコン系剥離ワニス「X218PE」(東洋インキ株式会社製)、アクリル/ウレタン系「シュリンクEXメジウム」(東洋インキ株式会社製)、「リオフレッシュ」(東洋エフ・シー・シー株式会社製)、炭酸カルシウム入りシェラック樹脂系可食インキ等が挙げられる。
剥離可能な弱接着帯域は、外層用の原反フィルム内面に内容表示、美観付与等を印刷する場合と同じ印刷手法により外層用の原反フィルム内面に直接形成することができる。
【0026】
剥離可能な弱接着帯域の剥離性と密封性を調節するために、弱接着帯域形成用材料に炭酸カルシウム等の無機物を1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%添加することができる。他に添加することができる無機物としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、粘土、珪藻土、タルク、カオリン等をあげることができる。弱接着帯域形成用材料は、原反フィルムに内容表示、美観付与等の印刷インクを施す前に印刷手法により連続帯状に塗布される。
【0027】
このようにして形成される常温流通のパウチにおける弱接着帯域とそれ以外のラミネート接着帯域との接着強度の比は、弱接着帯域以外のラミネート接着帯域の接着強度を1とした場合、弱接着帯域の接着強度は0.3〜0.7の範囲であることが好ましい。接着強度の上記比が0.3に達しないと、帯状の弱接着帯域が商品としての包装袋の取扱中に剥離して、包装袋端部の外観が損なわれるのみならず、最内層フィルムのヒートシール帯域近傍の該弱接着帯域に接していた最内層部分が露出して該最内層部分に破損が生じる恐れがでてくる。逆に該比が0.7を越えると、内部発生する水蒸気の抜けが不充分となり、加熱時に爆発的な破袋が発生する可能性がある。
【0028】
本発明の密封用包装袋には、商品としての取扱中に落下等による衝撃力が加わることが想定できるが、包装袋が封鎖端部を下にして落下した場合についてみると、そのような落下時の衝撃力は封鎖端部のコーナー部分に集中するから、少なくともコーナー部分を含む一定の帯域には、該コーナー部分に集中する圧力を分散させる機構を設けることが好ましい。
本発明のヒートシールによって端縁部を密封して包装袋においては、特にフラップ部分のヒートシール部と包装袋のその他の端縁部のヒートシール部とが交差する点部分に該圧力分散機構を設けることが特に有効である。
圧力分散機構は、フラップのヒートシール部と包装袋のその他の端縁部のヒートシール部とが交差する点部分を含む袋体内部側のフラップのヒートシール部又は包装袋のその他の端縁部のヒートシール部に凹状にヒートシールされていない部分を形成することによって形成される。
この際、凹状のヒートシールされていない部分は、略半円形状及び略コ字状に形成されることが好ましいが、その他、略半楕円形状等の形状に形成されていてもよい。
【0029】
【実施例】
以下、中央背貼り部に内部圧力逃し機構乃至蒸気逃し機構を有する加熱対応型の多層食品包装袋について本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実施例の加熱対応型の多層包装袋に限定されるものではない。
【0030】
実施例1
外層として、二軸延伸ナイロンフィルム25μmに、東芝機械工業株式会社製のグラビア印刷機を使用して、東洋インキ製造株式会社製のインキ「NEW LPスーパー」を使用した3色の印刷と、大日精化工業株式会社製の剥離剤「SSGS コート剤K−2」によるパターン印刷を行った後、岡崎機械工業株式会社製のドライラミネート機を使用して、東洋モートン株式会社製のウレタン接着剤「アドコートAD−900」により、内層としての昭和電工株式会社製の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「LR−9・50μm」を貼合して包装袋用シートを製造した。
【0031】
次に、この包装袋用シートを幅430mmにスリットした巻物を用意し、株式会社岩正製の高速三方シール自動製袋機を使用して中央背貼り部高さ30mm、シール温度240℃、底縁部のシール幅及び側縁部のシール幅8mm、底部シール温度180℃、凹みを付けた側縁部のシールバー又はストレートバーのシール温度250℃・240℃・上下205℃/205℃で3回シールし、製袋スピード100袋/分で製袋した。
製袋作業は、図1に示す実施例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を有するサイドシール部を形成するためのシールバー(A)と、比較例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を持たないサイドシール部を形成するためのストレートバー(B)とを途中で交換して、同一の包装袋用シートから2種類の包装袋を製造し、シールバー(A)及び(B)で製袋したものからそれぞれ400袋ずつサンプリングした。
【0032】
製造された包装袋は、幅130mm、長さ170mm、背貼り部の高さ30mmの寸法を有しており、その背貼り部には、図2に示されるように、突出部8を有するヒートシール帯域5、ヒートシールされていない帯域6及び剥離可能な弱接着帯域7によって構成されており、かつa=20mm、b=10mm、c=5±1.5mm、d=1.5±3.0mm、e=3mm、f=7mm、g=8mm、f=2mmの寸法に形成されている蒸気逃し機構9が形成されている。
【0033】
そして、実施例1の包装袋はサイドシール部に図1に示すヒートシールされていない凹み部4を有するが、比較例1の包装袋は、ストレートバーを使用して製造されているため該凹み部4を有していない。しかし、該凹み部の有無の違い以外は、実施例と比較例の包装袋は互いの構造上に差異はないものである。
【0034】
サンプリングした試験用の包装袋のそれぞれに水180mlを入れ、シャープ株式会社製の電子レンジ「RE−D3−T」で加熱し、サイドシール部に凹みを入れた図1の構造を有する実施例1のサンプル包装袋群と、サイドシール部が凹みを有していないストレート状態である以外は1と同様の構造を有する比較品1のサンプル包装袋群の双方についての蒸気抜け試験を行い、サイドシール部からの破袋状態の比較を行った。
【0035】
なお、包装袋の背貼り部は、包装袋が製袋工程から出てきたときは一方の側に折り畳まれた状態(正折り状態)であるが、包装袋内への食品充填作業工程や、消費者の都合で該背貼り部が製造工程から出てきた状態と逆方向に折り曲げられた状態(逆折り状態)で電子レンジ加熱される場合がある。実施例1及び比較例1のそれぞれの包装袋に対する蒸気抜け試験は、背貼り部が正折り状態である場合と背貼り部が逆折りの場合のそれぞれについて行った。蒸気抜け試験の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1中、符号(A)は実施例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を有するサイドシール部を形成するためのシールバーを使用して製造されたサンプルを意味し、符号(B)は比較例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を持たないサイドシール部を形成するためのストレートバーを使用して製造されたサンプルを意味している。
【0038】
実施例2
外層として、二軸延伸ナイロンフィルム25μmに、東芝機械工業株式会社製のグラビア印刷機を使用し、東洋インキ製造株式会社製のインキ「NEW LPスーパー」を使用した3色の印刷と、大日精化工業株式会社製の剥離剤「SS GS コート剤K−2」によるパターン印刷を行った後、岡崎機械工業株式会社製のドライラミネート機を使用し、東洋モートン株式会社製のウレタン接着剤、「アドコートAD−900」により、内層として昭和電工株式会社製のレトルト用未延伸ポリプロピレンフィルム「アロマ−UH・50μm」を貼合して包装袋用シートを製造した。
【0039】
次に、この包装袋用シートを幅460mmにスリットした巻ロールを用意し、株式会社岩正製の高速三方シール自動製袋機を使用して中央背貼り部高さ25mm、シール温度245℃、底縁部のシール幅及び側縁部のシール幅8mm、底部シール温度190℃、凹みを付けた側縁部のシールバー又はストレートバーのシール温度240℃・240℃・上下200℃/200℃で3回シールし、製袋スピード100袋/分で製袋して、図2に示す背貼り部蒸気逃し機構を有する試験用の電子レンジ用包装袋を製造した。
【0040】
製袋作業は、図1に示す実施例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を有するサイドシール部を形成するためのシールバー(A)と、比較例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を持たないサイドシール部を形成するためのストレートバー(B)とを、適当な製袋数で区切って数回交換しながら製袋を続け、同一の包装袋用シートから実施例と比較例の2種類の包装袋群を製造する方法によって行った。
試験用の包装袋のサンプリングは、シールバーを交換する度に、交換したシールバーで製造された包装袋群の中から適当な数の包装袋を抜き出すことによって行った。
【0041】
抜き出した試験用の包装袋のそれぞれに水180mlを入れ、シャープ株式会社製の電子レンジ「RE−D3−T」で加熱し、サイドシール部に凹みを入れた図1の構造を有する実施例2のサンプル包装袋群と、サイドシール部が凹みを有していないストレート状態である以外は実施例2と同様の構造を有する比較例のサンプル包装袋群の双方についての蒸気抜け試験を行い、サイドシール部に生起する破袋状態の比較を行った。試験は、背貼り部が正折り状態である場合と逆折り状態である場合について行った。蒸気抜け試験の結果を表2及び表3に示す。
【0042】
表2及び表3中、符号(A)は実施例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を有するサイドシール部を形成するためのシールバーを使用して製造されたサンプルを意味し、符号(B)は比較例の包装袋におけるヒートシールされていない凹み部を持たないサイドシール部を形成するためのストレートバーを使用して製造されたサンプルを意味している。また、「製袋番号」欄の数値は、サンプリングされた包装袋が製袋工程のどの段階でサンプリングされたものかを示す。nはサンプル数である。「シール後退mm」は、試験後の包装袋を開封して背貼り部と交差している包装袋のサイドシール部分の包装袋内部からの剥離状態を示している。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
前記の各表に示した加熱対応型の密封用多層包装袋の試験結果から明らかなように、本発明の密封用包装袋は、背貼り部(フラップ部)と包装袋側縁部の両ヒートシール部が交差する箇所に凹み状にヒートシールされていない箇所を設けることにより、包装袋内部の圧力が急激に上昇した場合でも、該ヒートシール部の交差箇所に集中する内部圧力を適度に分散させることが可能であり、該ヒートシール部の交差箇所に多く発生するヒートシール部の破壊及びそれに起因する破袋を確実に抑制して蒸気逃し機構を有する背貼り部(不ラップ部)から増大する内部圧力を効率的に袋体外へ放散する密封用包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装袋における背貼り部が正折り状態の平面図である。
【図2】図1の包装袋の背貼り部の構造を示す図である。
【図3】図1の包装袋の側縁部のヒートシール部に設けられる凹み状のヒートシールされていない部分の構造の一例を示す部分断面図である。
【図4】従来の加熱対応型の密封包装袋の蒸気抜き状態を示す図である。
【符号の説明】
1:密封用包装袋、2:フラップ部(背貼り部)、3:側縁部ヒートシール部(サイドシール部)、4:凹み部(ヒートシールされていない帯域)、5:フラップ部内ヒートシール帯域、6:フラップ部内のヒートシールされていない帯域、7:剥離可能な弱接着帯域、8:ヒートシール部内の角部を有する突出部、9:端縁部ヒートシール部、10:内部圧力逃し機構乃至蒸気逃し機構。
Claims (1)
- 袋体本体の一面に袋体本体と同一幅のフラップ部が形成され、該袋体本体とフラップ部の端縁部及び/又は側縁部がヒートシールによって封鎖される密封用包装袋であって、フラップ部の側縁部のヒートシール部と袋体本体の側縁部のヒートシール部とが交差する点を含む包装袋内部における少なくとも一方のヒートシール部に凹状のヒートシールされていない部分が形成されており、前記フラップ部は、袋体本体の一面の中央部に形成されている背貼り部であることを特徴とする密封用包装袋。
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