JP2005306426A - 電子レンジ加熱用包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複合フィルムの左右両側を、シーラント層が内側になるように折り返し、内側に折り襞状の折り返し部を有するガセット部を形成し、折り返された両側の複合フィルムの端部同士を一方の側部で重ね合わせ、熱接着して筒状に形成され、その下辺部の対向するシーラント層を熱接着して底部が自立可能な形態の包装袋で、当該包装袋を自立させた状態で袋内に充填させる内容物より上部に蒸気抜き手段を形成することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
さらに詳しくは、固体、粉体等のほか、液体、流動性の内容物を密封包装するために用いられ、内容物の充填適性に優れ、速やかに蒸気が排出され、内容物がこぼれることなく、安全に加熱調理でき、自立安定性もあり、電子レンジから取り出しやすく、生産性良くシール加工でき、店頭での陳列効果にも優れる電子レンジ加熱用包装袋に関するものである。
また、袋のヒートシール部の一部に弱シール性の薄膜テープを介在させ、包装袋内が所定圧力以上になると上記底部材のイージピール面が剥離して通気孔が開口することを特徴とする電子レンジ用包装袋が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ヒートシール部の一部を狭くした平パウチの形態からなる電子レンジ用包装袋が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、プラスチックフィルムによりその同一面側を互いに当接させて、所定幅のヒートシールにより合掌状に接合する合掌接合部を設け、底部に自立手段を形成させる電子レンジ用包装袋であって、包装体を自立させたとき、易開封性シールより圧力を逃がすことができる電子レンジ用包装体が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、咬合具と底部折込部との間の熱接着した両側部の内縁の少なくとも1箇所に内縁から内側に張り出して熱接着された易剥離性を有する張出熱接着部を備え、張出熱接着部内に切刃ないし切欠が形成されていることを特徴とする咬合具付きスタンディングパウチが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、特許文献2の包装袋には、イージピール面から剥離しやすくするようにシールされているものであるため、流通過程において加わる圧力や衝撃によってシール面から内容物が洩れるという欠点がある。
また、特許文献3の包装袋では、平パウチの形状であるため、液状の内容物を充填する場合、内容物が開封口からこぼれてしまうという欠点がある。
また、特許文献4の包装体では、製袋工程が複雑であり、製造コストが高くなるという欠点がある。
また、特許文献5の包装袋では、内容物の充填口側に張出熱接着部を設けるため、開口口が狭くなり、内容物を充填しにくいという欠点がある。
また、張出熱接着部を熱接着した両側部の内縁に設けると、消費者が、電子レンジで加熱後の包装袋から内容物を取り出す際、内容物が張出熱接着部内の切刃ないし切欠からこぼれて火傷しないように注意する必要がある。
図2は、本発明の電子レンジ加熱用包装袋の別の実施例の構成を示す図で、(a)包装袋を4ピースの材料から形成する場合の説明図、(b)包装袋の充填口を残して熱接着後の平面図、(c)包装体の実施形態を示す斜視図である。
図3は、本発明の電子レンジ加熱用包装袋のまた別の包装袋の実施形態を示す平面図である。
図4は、本発明の電子レンジ加熱用包装袋におけるポイントシール部のシール形状を示す図であり、図5は、ポイントシール部で囲まれる領域内に形成する切欠または切込みの形状を示す図であり、図6は、図1(b)のX−X線の断面図であり、図7は、ポイントシール部の説明図であり、(a)ポイントシール部を周辺端縁の熱接着部から分離して設ける場合、(b)周辺端縁の熱接着部から連接して設ける場合の図である。
また、本発明の電子レンジ加熱用包装袋に用いる別態様の積層フィルム16は、図1(b)に示すように、要求される性能に応じて、上記の基材フィルム層11とシーラント層15との間に、中間層14として、水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層して構成することもできる。また、上記の基材フィルム層11、中間層14、シーラント層15は、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
本発明にかかる電子レンジ加熱用袋100は、図1(d)に示すように、中央シール部4で熱融着して筒状の折り畳まれた袋本体部を形成し、上端縁部を頂部シール部6と連結してポイントシール部5を設け、当該ポイントシール部5に囲まれた未シール部9に切込み20や切欠を少なくとも一つ設けて蒸気抜き手段を形成し、所定の位置で熱融着してガセット袋とするものである。
本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200は、図1(e)に示すように、電子レンジ加熱用袋100の下側の開口端から内容物を充填し、しかる後、底部シール部8で熱融着して完全に密封することができる。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200は、図1(e)に示すように、両側のガセット部が前後に広げられ、充填した内容物の重量によって底面1をなすと共に、底部シール部8は底面の一方に倒伏して平面底となり、安定した状態で自立できる形態の自立性包装体となる。
本発明にかかる電子レンジ加熱用包装袋100は、中央シール部10、すなわち、頂部シール部6、および、底部シール部8は、袋の密封のために設けられたものであり、ポイントシール部5は、電子レンジによる加熱に際して蒸気を逃がす為に設けられたものである。
このことによって、電子レンジによる加熱に際して、予め鋏等で袋に切込み等を入れなくとも、ポイントシール部5が剥離後退して、未シール部9に到達すると、未シール部9内に設けた切込み20または切欠から速やかに安定して蒸気が抜け、容易で安全に自動開封することができる。
本発明にかかる電子レンジ加熱用袋100は、図2(b)に示すように、前記の前面2と後面3と折込フィルム4の側部シール部4a、4b、4c、4dをそれぞれヒートシールして、更に、上端縁部を頂部シール部6と連結してポイントシール部5を設け、当該ポイントシール部5に囲まれた未シール部9に切込み20や切欠を少なくとも一つ設けて蒸気抜き手段を形成し、所定の位置で熱融着してガセット袋とするものである。
本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200は、図2(c)に示すように、電子レンジ加熱用袋100の下側の開口端から内容物を充填し、しかる後、底部シール部8で熱融着して完全に密封することができる。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200は、図2(c)に示すように、両側のガセット部3a、3bが前後に広げられ、充填した内容物の重量によって底面1をなすと共に、底部シール部8は底面の一方に倒伏して平面底となり、安定した状態で自立できる形態の自立性包装袋となる。
電子レンジによる加熱に際して、予め鋏等で袋に切込み等を入れなくとも、ポイントシール部5が剥離後退して、未シール部9に到達すると、未シール部9内に設けた切込み20または切欠から速やかに安定して蒸気が抜け、容易で安全に自動開封することができる。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用包装袋100は、袋本体部の側部の四隅の端縁部が側部シール部4a、4b、4c、4dでヒートシールされているので補強効果があり、自立性を有し、取り扱いやすくなる。
図3(a)に示すように、本発明にかかる電子レンジ加熱用袋100は、前記の前面2と後面3間の両側縁に、折込みフィルム4が挿入されて重ね合わされ、折込フィルム4の側部シール部4a、4b、4c、4dをそれぞれヒートシールして、更に、ガセット部3a、3bに三角シール部8a、8b、8c、8dを設け、図2(b)と同様に上端縁部を頂部シール部6と連結してポイントシール部5を設け、当該ポイントシール部5に囲まれた未シール部9に切込み20や切欠を少なくとも一つ設けて蒸気抜き手段を形成し、所定の位置で熱融着してガセット袋とするものである。
上記において、本発明にかかる電子レンジ加熱用袋100は、ガセット部3a、3bに側部シール部4a、4b、4c、4dと底部シール部8との直交二辺となる三角シール部8a、8b、8c、8dを設けることによって、底面1の四隅を補強する効果がある。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用袋100は、図3(b)に示すように、ガセット部3a、3bの下部四隅を斜めにカットして、斜めシール部18a、18b、18c、18dを設けることによっても、同様に底面1の四隅を補強する効果が得られる。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用包装袋100の胴部の前面2と後面3の幅が、高さと同寸法か、または高さより長い寸法である形状である方が、電子レンジ内のトレイの上に電子レンジ加熱用包装袋100を立てた状態で載せても、回転中に転倒したり、動いたりすることもなく、自立性に優れ、安定して加熱できるため好ましい。
このことによって、電子レンジに、本発明の電子レンジ加熱用包装袋100を自立させた状態で、自動的に蒸気を放出できる。
前記のポイントシール部の形状は、特に限定されず、例えば、正方形、長方形、円、楕円、三角形等その他の形状としてもよい。
ポイントシール部5は、図4(a)に示すように、ベタシールとしてもよいし、図4(b)に示すように、内部に未シール部9を設けてもよく、また、図4(c)に示すように、内部に、パターン状接着部5Pとしてもよい。
パターン状接着部5Pの形状は、特に規定されず、メッシュ状、ストライブ状、格子状、水玉状等が例示できる。
なかでも、内部に未シール部9を設けることによって、ベタシールの場合と比較して、未シール部9内に形成する切込20や切欠21等の易蒸通手段を形成する位置がずれても、シールが剥離後退する距離が一定であり、剥離が未シール部9内に到達した時点で、未シール部9内に施す易蒸通手段によって一気に広く開口できるため、電子レンジで加熱する場合、確実かつ安定で速やかな蒸気抜きを行うことができるという利点を有する。
また、この易蒸通手段は、ポイントシール部5に囲まれた内側にあるので流通段階では完全に密封性を保つことができ、衛生的である。
上記の切込み7または切欠を設ける個数は、一個に限定されず、複数個であっても構わない。
ポイントシール部5を形成する位置は、図7(a)に示すように頂部シール部6や側部シール部4a、4b、4c、4dから分離して形成しても良いし、図7(b)に示すように周縁シール部に連結して形成しても良い。
また、ポイントシール部5は、胴部に設けても良く、また、ガセット部に設けても良い。
本発明にかかる電子レンジ加熱用包装袋100においては、中でも、上記のポイントシール部5は、当該頂部シール部6や側部シール部4a、4b、4c、4dと連結して設けることによって、電子レンジで加熱すると、ポイントシール部5に圧力が集中してかかるため、ポイントシール部5の縁部からシール剥離して、未シール部9内に形成される切込20等を通って、内容物より発生する蒸気が速やかに袋外に排出されるという利点を有する。
更に、ポイントシール部5を形成する際、側部シール部4a、4b、4c、4dや頂部シール部6とポイントシール部5をとを一体で生産性良くシール加工できるという利点を有する。
前記のポイントシール部5が、側部シール部4a、4b、4c、4dや頂部シール部6と連結されず、独立して形成されていると、電子レンジの加熱により発生する蒸気の圧力が、前記の側部シール部や頂部シール部と独立シール部との間を通ってしまうため、効率的に独立シール部に圧力がかかりにくくなり、自動開封がスムーズに起らなくなるという理由で好ましくなく、更に、内容物を充填する際または流通の過程において独立シール部と側部シール部や頂部シール部との間に内容物が入り込み外観不良が生ずるため好ましくない。更に、独立シール部と側部シール部や頂部シール部の周縁シール部とを2工程でシール加工するため、シール加工の生産性に劣るので好ましくない。
前記の半径r1が、半径r2よりも長いと、加熱により発生する蒸気の熱と内圧の上昇によるシール部の剥離後退が、包装袋の側部または側部シール部で剥離することとなり、包装袋の破袋により内容物が漏れる場合があるため好ましくない。
なお、ポイントシール部5を形成する位置は、内容物を充填しやすくするために、ポイントシール部5を中央部よりずらした位置に形成することがより好ましい。
ポイントシール部5のシール幅が2mm未満であると、シール強度が不安定となるので好ましくなく、5mmを超えると、加熱による内圧でスムーズにシール剥離しにくくなるので好ましくない。
これに対して、本発明の電子レンジ加熱用包装袋100において、側部シール部、底部シール部7および頂部シール部6のシール幅としては、5mm〜20mm程度が、輸送や保管をするときに加わる圧力や衝撃によって破袋することがないため好ましいものである。
まず、基材フィルム層11としては、耐熱性を有し、一般に電子レンジで加熱または加熱調理される食品用包材として使用されているものならば、特に限定されない。
例えば、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、シリカ蒸着延伸ナイロンフィルム、アルミナ蒸着延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールコート延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロン6/メタキシリレンジアミンナイロン6共押共延伸フィルムまたはポリプロピレン/エチレンービニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム等のいずれか、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムであってもよい。
これらの基材フィルム層は単層でも多層(積層)でもよく、融点、150℃以上の耐熱性を有し、厚みは10μm〜50μm、好ましくは10μm〜30μm程度が好ましい。
例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用できる。
シーラント層はこれらの樹脂を押出ラミネート法により形成しても良いし、予め、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとして、基材フィルム層とドライラミネートあるいは押出ラミネート法等により積層しても良い。
シーラント層の厚さは、20μm〜100μm程度が好ましく、40μm〜70μmがより好ましい。
この混合樹脂の各組成物の配合割合は、第1成分としてのプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)と、第2成分としてのプロピレン−エチレンブロック共重合体(B)と、第3成分としてのブテン−1を15重量%以上含有するエチレン−ブテン−1共重合体とを必須成分とし、第1成分としての前記のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2重量%以下のプロピレン−エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(I)65〜85重量%と、エチレン含量が20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(II)15〜35重量%とからなり、第2成分としての前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(B)は、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2重量%以下のプロピレン−エチレン共重合体よりなるプロピレンブロック(III)85〜95重量%と、エチレン含量が20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック(IV)5〜15重量%の範囲で用いるのが適当である。
接着層13は、ラミネートによる接着剤、あるいは、接着樹脂層である。
上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。
上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
その塗布量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
上記において、接着樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用され、各層間を接着するために使用することができる。
具体的には、接着樹脂層の材料としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
その樹脂層の厚みとしては、10〜30μm位が好ましい。
前記の機能としては、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋100として要求されるこれらの機能を中間層14として設けることで達成するものである。
前記の中間層14として用いられる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしは酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルム等を用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。尚、上記基材の厚さとしては、包装体として要求される機能を満たすことができればよいのであって、必要に応じて適宜に選ぶことができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと各層を積層する際、密着性等を改良するための方法として実施するものであるが、上記の密着性を改良する方法として、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
また、前記の切込み20または切欠21は、レーザー加工や打ち抜き等で形成することができる。
上記の切込み20または切欠21の個数は、一個に限定されず、複数個であっても構わない。
また、上記の切込み20または切欠21は、図6に示すように、2枚の積層フィルムを貫通するように設けてもいいし、積層フィルムの片側のみに設けても良い。
上記の切込み20または切欠21を形成することによって、袋内に充満した蒸気を剥離したポイントシール部5の最下端のシール剥離部分から未シール部9内に設けた切込み20または切欠21を通って袋外へ放散し、袋の内圧を低下でき、破裂を回避できるものである。
なお、袋の側部シール部の上方にノッチを形成しておくことが好ましい。
この場合、ノッチを介して横方向に引き裂き容易な引き裂き方向性のある延伸フィルムを使用することが好ましい。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
前記のシール強度が90℃以上の温度で25N/15mm巾を超えると、シール後退がスムースに起きず、自動開封が速やかで確実に達成されない恐れがあり、破袋する場合もあるため好ましくない。
また、シール後退の状態は特に規定されないが凝集破壊が好ましい。
また、ポイントシール部5と側部シール部、頂部シール部6、および底部シール部8とのシール強度に差をつけてもよいが、本発明において、その必然性はなく、同等の強度を有していても、以上に説明した形状により自動開放は達成される。
また、常温で、23N/15mm以上のシール強度を有していることが、輸送や保管をするときに加わる圧力や衝撃によって剥離することなく使用できるため好ましい。
本発明に係る電子レンジ加熱用包装袋100は、スタンドパウチでなく、ガセット袋であるため、底部の開口部から内容物を充填することができる。
通常、スタンドパウチの場合には、頂部より先に底部を熱融着して製袋するため、底部側から内容物をすることができず、頂部からしか内容物を充填することができない このことによって、前記の包装袋の上方の頂部シール部に連接または分離してポイントシール部を形成するため、頂部より底部の方が開口部を広くとることができるため、内容物を充填しやすいという利点がある。
また、食品を食べるに際して袋を自立させた状態のまま、電子レンジで所定時間加熱調理することができ、加熱により発生する蒸気を速やかに排出し、自動的に内圧を低下させることができ、自立性に優れ、店頭での陳列効果にも優れ、生産性良くシール加工できるものである。
厚さ12μmのアルミナ蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、15μmの2軸延伸ナイロンフィルム、70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをウレタン系接着剤でドライラミネートして層構成、アルミナ蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(基材フィルム層11)/ウレタン系接着剤層(接着剤層13)/2軸延伸ナイロンフィルム層(中間層14)/ウレタン系接着剤層(接着剤層13)/無延伸ポリプロピレンフィルム(シーラント層15)からなる積層フィルム16を得た。
次に、上記で作製した積層フィルム16を用い、所望の位置でカットして、胴部材2、3(巾a:150mm、高さb:180mm)、折込フィルム4(巾c:35mm、高さb:180mm)を作製した。
次に、図2(a)に示すように、上記で得られた胴部材の無延伸ポリプロピレンフィルム層側を対向させるようにして重ね合わせ、その両側縁間に上記で得られた折込フィルム4を二つ折りにして折り襞状の折り込み部2a、2bを形成し、内面側にアルミナ蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層が対向するよう挿入して側部シール部4a、4b、4c、4dをそれぞれ熱融着してガセット部3aを有する筒状体を得た。
しかる後、頂部シール部6を熱融着すると共に、頂部シール部6と連結してポイントシール部5を熱融着し、当該ポイントシール部5に囲まれた未シール部9に切込み20を一つ設けて蒸気抜き手段を形成して図2(b)に示すような本発明に係る電子レンジ加熱用包装袋を作製した。
なお、前記のポイントシール部5は、図2(b)に示すように、包装袋本体の中心部を中心とした円を描いたとき、包装袋100の中心からポイントシール部5の最下端に接する円の半径r1が、55mmであり、側部シール部4a、4b、4c、4dの内縁に接する円の半径r2が、65mmであり、半径r1が半径r2よりも短くなるような位置に設けた。
次に、電子レンジ加熱用袋の下側の開口端から内容物として、中華スープ200gを充填し、底部シール部8で熱融着して、図2(c)に示すような本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200を作製した。
上記で得られた本発明にかかる電子レンジ加熱用包装袋100は、下側の開口端から内容物を充填できるため、内容物の充填適性に優れるものであった。
また、本発明にかかる電子レンジ加熱用包装体200は、両側のガセット部3a、3bが前後に広げられ、充填した内容物の重量によって底面1をなすと共に、底部シール部8は底面の一方に倒伏して平面底となり、安定した状態で自立させることができた。なお、包装体の高さdは、150mmであった。
上記で得られた包装体を自立させた状態で、500W電子レンジで加熱した結果、電子レンジ内の回転したトレーの上で転倒することなく、安定して加熱調理することができ、約1分30秒後に切込20から蒸気が速やかに抜け、中華スープのふきこぼれもなく、中華スープを包装袋の開口部から安全に取り出すことができた。
実施例1と同様の包装材料を用いて、ポイントシール部を設けない以外は実施例1と同様にして、胴部材(巾a:150mm、高さb:180mm)、折込フィルム(巾c:35mm、高さ:180mm)を用いて、比較例1に係る包装袋を作製した。
上記で得られた包装袋に、内容物として、中華スープ200gを入れ、頂部シール部6をシールして密封後、袋を自立させた状態で、500W電子レンジで加熱した。
その結果、電子レンジで加熱することによって包装体が膨らみ、約1分50秒後に大きな音をたてて側部シール部から蒸気が抜け、側部シール部から破袋し、内容物が庫内に飛び散った。
実施例1と同様の包装材料を用いて、胴部材の巾aの寸法を140mmに変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2の包装袋を作製した。
上記で得られた包装袋に、内容物として、中華スープ200gを入れ、頂部シール部をシールして密封して、比較例2の包装体が得られた。
上記で得られた包装体の高さdは、充填した内容物の重量によって自立させた状態で150mmであり、また、包装袋の中心からポイントシール部5の最下端に接する円の半径r1は、60mmであり、側部シール部4a、4b、4c、4dの内縁に接する円の半径r2は、55mmであり、半径r1が半径r2よりも長くなるような位置に設けた。
次に、実施例1と同様にして、比較例2の包装袋を自立させた状態で、500W電子レンジで加熱した。
その結果、電子レンジで加熱することによって包装体が膨らみ、約2分後に蒸気口から蒸気が抜けたものの、周縁シール部にかなり後退が見られた。
また蒸気が抜ける前にかなり包装体200が膨らんだため、恐怖感があった。
2 胴部材(前面)
3 胴部材(後面)
2a、2b 折り襞状の折り返し部
3a、3b ガセット部
4 折込フィルム
4、4a、4b、4c、4d 側部シール部
5 ポイントシール部
5P パターン状接着部
6 頂部シール部
7 非シール部
8 底部シール部
8a、8b、8c、8d 三角シール部
9 未シール部
10 中央シール部
11 基材フィルム層
12 印刷層
13 接着層
14 中間層
15 シーラント層
16 積層フィルム
18a、18b、18c、18d 斜めシール部
20 切込み
21 切欠
100 電子レンジ加熱用袋
200 電子レンジ加熱用包装体
Claims (6)
- 電子レンジにより加熱するための袋であって、少なくとも片面がシーラント層から構成される複合フィルムを用いて、当該複合フィルムの左右両側を、当該シーラント層が内側になるように折り返して、内側に折り襞状の折り返し部を有するガセット部を形成し、折り返された両側の複合フィルムの端部同士を一方の側部で重ね合わせ、熱接着して筒状に形成され、かつ、上辺部の対向するシーラント層を熱接着すると共に、上辺部を熱接着部に連接して、または近接して蒸気抜き手段を形成し、かつ、その底部の対向するシーラント層を熱接着して、前記の左右両側のガセット部が開くことにより自立可能な形態の包装袋であることを特徴とする電子レンジ加熱用包装袋。
- 電子レンジにより加熱するための袋であって、少なくとも片面がシーラント層から構成される複合フィルムを用いて、当該シーラント層を内側にして対向する前後の胴部材の左右両側を、当該シーラント層が内側になるように折り返して、内側に折り襞状の折り返し部を有するガセット部を形成し、当該袋本体の側部の端縁部を熱接着して筒状に形成され、かつ、上辺部の対向するシーラント層を熱接着すると共に、上辺部を熱接着部に連接して、または近接して蒸気抜き手段を形成し、かつ、その底部の対向するシーラント層を熱接着して、前記の左右両側のガセット部が開くことにより自立可能な形態の包装袋であることを特徴とする電子レンジ加熱用包装袋。
- 前記の蒸気抜き手段が、ポイントシール部を形成し、当該ポイントシール部内に未接着部、弱接着部、または、パターン状接着部を有し、かつ、少なくとも1個以上の切欠、または、切込を設け、かつ、当該ポイントシール部を、前記の端縁の熱接着部から分離して設けるか、または、連接して設けることを特徴とする請求項1〜2記載の電子レンジ加熱用包装袋。
- 前記の袋本体の中心部から前記の蒸気抜き手段までの距離が、前記の袋本体の中心部から最短の熱接着部の内縁までの距離より短くなる位置に前記の蒸気抜き手段を設けることを特徴とする請求項1〜3記載の電子レンジ加熱用包装袋。
- 前記のシーラント層間の熱接着部のシール強度が、23℃の温度領域で、23N/15mm以上、100N/15mm以下、90℃の温度領域で、5N/15mm以上、25N/15mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4記載の電子レンジ加熱用包装袋。
- 前記の包装袋の底部側から内容物を充填することを特徴とする請求項1〜5記載の電子レンジ加熱用包装袋。
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