JP7040044B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、電子レンジ調理が可能な通蒸機構を有する包装袋に関する。
従来、調理済みのあるいは半調理済の食品等を耐熱性のプラスチックフィルムからなる包装袋に充填して、食する直前に電子レンジにより加熱して調理する包装食品が提案されている。
しかし、この包装食品は電子レンジで加熱すると、加熱時に食品等から発生する蒸気圧などの内圧により、包装袋が破裂して内容物が飛散してしまい、電子レンジの内部を汚染してしまう欠点があった。
このため、電子レンジで加熱する前に、あらかじめ、包装袋に、例えば、ハサミ等を用いて小さい孔等を開けて、あるいは、袋の一部を切り取って、包装袋内部の内圧の上昇を抑えて包装袋の破裂を防止していた。
しかしながらこの方法では、加熱後発生する蒸気は、直ぐに包装袋の外に放出されてしまうため、蒸気による蒸し調理効果が低減されるとともに、包装袋内部の食品の水分が蒸散して、食品が劣化することがあった。そのため、電子レンジ加熱により袋内の内圧が高まった時に自動的に開口する通蒸機構を設けた電子レンジ用包装袋が種々提案されている。
例えば特許文献1には、包装袋の周縁シール部から分離した場所にポイントシール部を設けて圧力負荷部とし、包装袋の加熱時に圧力負荷部が内圧により材料破壊を起こすことで包装袋を開口させて蒸気を抜く包装袋が開示されている。しかし特許文献1に開示された包装袋では、圧力負荷部を材料破壊により開口させるため、高い内圧が必要とされることから包装袋が破裂する虞があった。
あるいはまた、特許文献2に開示されている様に、包装袋の内部側に設けてプラスチックフィルムを貼り合せる熱接着部が凝集破壊により剥離される様にして、蒸気を自動的に排出する様にした包装袋がある。しかし凝集破壊する接着層を用いる場合は、剥離面が特定できず、例えば他の層との境界で破壊が起こる可能性もあり、他の層との間の接着層や印刷層などが露出して内容物に接触する虞があり衛生的ではなかった。
特開2006-290395号公報 特許第4498828号公報
本発明は上記のような従来技術に鑑みなされたもので、電子レンジ等での加熱調理に対応した通蒸部を有する包装袋であって、加熱調理の際、シーラント層を凝集破壊することで通蒸部を開口させて水蒸気を逃して内圧を下げて包装袋の破裂を防ぐと共に、シーラント層が凝集破壊しても破壊がその他の層との境界面に達する虞がなく、衛生的に通蒸が行える包装袋を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、
それぞれ基材とシーラント層を有する表フィルムと裏フィルムのシーラント層同士を端縁部で貼り合せた包装袋であって、端縁部以外で表フィルムと裏フィルムを貼り合せたポイントシール部を有し、ポイントシール部の表フィルムの基材に傷加工が施されて通蒸部とされ、裏フィルムのシーラント層は、基材側から、基材と接着する下シール層、易剥離層、表フィルムのシーラント層と接着する上シール層が積層されて構成され、前記易剥離層は凝集破壊層であって前記下シール層および前記上シール層よりも接着力が低く、加熱調理時に包装袋の内圧が高まったとき、前記ポイントシール部の表フィルムのシーラント層と裏フィルムの上シール層が剥離するのに先行して前記易剥離層が破断され、破断した前記易剥離層の一部と裏フィルムの上シール層が表フィルムに転移し、前記通蒸部が封止された状態で前記ポイントシール部において表フィルムと裏フィルムが分離され、更に内圧が高まったときに前記通蒸部が開口されることを特徴とする包装袋である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、
前記裏フィルムの上シール層および前記易剥離層を合わせた厚みが20μmよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
本発明によれば、電子レンジ等での加熱調理に適用できる包層袋であって、表裏のフィルムのうち例えば裏フィルムのシーラント層を中間に易剥離層を挟んだ複層構成とし、またポイントシール部で表裏のフィルムを接着した部位の表フィルムに傷加工を施して通蒸部とすることにより、加熱調理の際に内容物から発生する水蒸気により袋の内圧が高まったとき、通蒸部が開口するのに先行して、まずポイントシール部の裏フィルムの易剥離層が凝集破壊されることで裏フィルムのシーラント層が破断されて上シール層と共に表フィルムに転移し、その際に凝集破壊が易剥離層内で起こるための破断がシーラント層以外の層に達することがなく、例えばバリア層、印刷層、接着剤層などが内容物に対して露出されることがないため衛生的であり、さらに内圧が高まったときに、傷加工により強度が低くなっている通蒸部においてシーラント層および裏フィルムから転移された上シール部などが内圧による応力により破断されることで通蒸部が包装袋の外部に向かって開口し、水蒸気等が放出されることで内圧が低下するため、内圧が過剰となって袋が破裂する虞もない包装袋が提供できる。
本発明の包装袋の一形態の正面模式図である。 本発明の包装袋の一形態の断面模式図である。 本発明の包装袋の一形態を加熱したときに通蒸部が開口する態様を説明する模式図である。 本発明の包装袋の別形態の正面模式図である。 本発明の包装袋の易剥離層の構造を説明する模式図である。 従来の易剥離層が破断される様子を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお同等の部材には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
図1は、本発明の包装袋の一形態の正面模式図である。また図2は、図1に示した包装袋1をAA´の線分の部位で切断したときの断面模式図である。本発明の包装袋1は、表フィルム2と裏フィルム3を有し、対向する表フィルム2と裏フィルム3の端縁をシール
して側シール部4、天シール部5、底シール部6を形成することにより内部に収納部7を形成して袋の形状を成している。なお、図1では表フィルム2及び裏フィルム3を別のフィルムで構成しているが、一枚のフィルムを底側で折り返し、側シール部4、天シール部5の三方で貼り合せて袋状としても良い。
表フィルム2は基材21とシーラント層22で構成され、通常軟包装袋に使用される、基材とシーラント層からなる積層体を用いることができる。
基材21としては、1層ないしは数層からなる金属箔や合成樹脂フィルムを使用する。一例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルム、金属箔等が単体または、複合して使用される。なお、基材21には、必要に応じて印刷層や接着剤層が含まれる。
基材21はガスバリア性能を有する層としても良い。一例を挙げれば、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性PETフィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層、あるいはアルミニウム箔等の金属箔等が使用される。
シーラント層22としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、LDPE、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、LLDPE、EVA、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用される。またこれらの樹脂を複合した多層フィルムが使用されることもある。
収納部7に、表フィルム2と裏フィルム3をスポット状に貼り合せたポイントシール部8が設けられている。そしてポイントシール部8上の表フィルム2には傷加工が施されて切り欠かれ、通蒸部9となっている。通蒸部9は、表フィルム2の積層体のうち基材21のみを除去することにより除去した領域を脆弱にする傷加工により形成されることが好ましい。通蒸部9を形成する方法としては、レーザー照射によるレーザー加工やその他の物理的手法を適用することができるが特にレーザー加工が好適である。レーザー加工を用いると、レーザーヘッドの出力と走査速度とを調整することで、傷加工の形状及び加工深さを比較的容易に調節することができる。特に、炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。
通蒸部9の基材21を除去する加工深さについても特に限定されないが、電子レンジによる加熱前の内容物の漏れを防ぐため、シーラント層22を貫通しないように形成される。つまり、通蒸部9においては少なくとも基材21の一部が除去されかつ少なくともシーラント層22の一部が存在していればよい。
裏フィルム3は、基材31とシーラント層32で構成され、シーラント層32はさらに基材31側から下シール層33、易剥離層34、上シール層35が積層されて構成されている。基材31は表フィルムの基材21と同様のものを適用できる。シーラント層32を構成する下シール層33および上シール層35はいずれも接着層として機能するもので、表フィルムのシーラント層22と同様の樹脂から適宜選択して適用できる。
易剥離層34は、層に対して引き裂く様な応力がかかった際に、層が凝集破壊を起こして破断する性質を有し、典型的なものとしては図5に示すようないわゆる海島構造の樹脂層が例示できる。海島構造は例えばベース樹脂51中にベース樹脂51と相溶性の低い樹脂からなる島状樹脂52を分散させ、分散剤、安定剤などの添加剤53が適宜添加されて構成される。易剥離層34を引き裂く様な応力がかかったときは、ベース樹脂51と島状樹脂52の界面での剥離が起こり易いため、図5に示すように破断54が島から島へ伝うように進行して凝集破壊が起こる。
一方で島状樹脂52はランダムに分布しており、破断が層中のどの部位を進行するか制御するのは困難である。そのため例えば図6に示すように裏フィルム60のシーラント層62全体を脆弱破壊層としてしまうと、ポイントシール部64での破断がシーラント層62と基材61との境界面63に達してしまうこともある。するとその部分で基材61が露出し、印刷層や接着剤層などが設けられていると内容物に直接接触することになり、印刷インクや接着剤に内容物が直接接触することになり衛生的でない。
本発明においては、裏フィルム3のシーラント層32は、易剥離層34を下シール層33と上シール層35の間に挟んだ構成となっており、易剥離層34の破断がどの部位を進んでもシーラント層32の中を進むことになり、シーラント層32以外の層が露出してしまうことがない。
易剥離層34を海島構造とするには、ベース樹脂51としては、例えば低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル等が挙げられる。
また、これらの樹脂は前記の樹脂単体、または前記の樹脂をブレンドした樹脂を使用しても良い。さらに、前記樹脂に低分子量の石油樹脂、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂や、ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタエリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類を粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合しても構わない。
また島状樹脂52としては、ベース樹脂51と完全非相溶あるいは部分相溶する樹脂であることが好ましい。ベース樹脂51に応じて島状樹脂52は種々選択されるが、例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン-αオレフィン共重合体、ポリブテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体などのオレフィン系樹脂の単体やこれらの共重合物、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体やエチレン-メタクリル酸共重合体のような酸共重合物やそのエステル化物、エチレン-酢酸ビニル共重合体あるいはその鹸化物、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート
樹脂などが使用可能であり、特に上述した樹脂以外にも、酸変性物など様々な樹脂の使用が可能である。これらの樹脂はベース樹脂と同様に単体でも、複数の樹脂をブレンドした樹脂でも良い。上記の様な海島構造を有する凝集破壊性の樹脂は、包装材料向けとして一般にイージーピール樹脂として市販されており、それらの中から適宜選択して用いても良い。
図3は、本発明の包装袋1を加熱したときに通蒸部9が開口する態様を説明する模式図である。包装袋1に内容物(図示せず)を収納して電子レンジ等で加熱すると、内容物から水蒸気等が発生するなどして内圧が高まって包装袋1が膨張してくる。ポイントシール部8は周囲を収納部7に囲まれた態様であるため、包装袋1が膨張することで表フィルム2および裏フィルム3にかかるテンションによる応力が集中しやすく、ポイントシール部8を剥離するような方向(図の白抜き矢印の方向)に力がかかるようになる(図3(a))。
加熱が進んで応力が強くなってくると、ポイントシール部8の表フィルム2のシーラント層22と裏フィルム3の上シール層35の間の実際の接着面8aの接着が剥離されるのに先行して、易剥離層34が破断され、その一部34aがその部位の上シール層35aと共に表フィルム2に転移して表フィルム2と裏フィルム3が分離する。この状態において通蒸部9には表フィルム2および裏フィルム3を引き伸ばす方向(図の白矢印の方向)に応力がかかっているが、シーラント層22、上シール層35aおよび易剥離層の一部34aにより封止されて開口していない状態である(図3(b))。
加熱がさらに進んで内圧がさらに大きくなってくると、表フィルム2および裏フィルム3を引き伸ばす応力がさらに強まり、傷加工により他の部分よりも弱化された通蒸部9でシーラント層22および上シール層35aが破断して通蒸部9に開口9aが形成されて開口する(図3(c)。開口されることにより開口9aから包装袋1内部から水蒸気などが放出され、内圧が低下するため、過剰な内圧により包装袋1が破裂するのを防ぐことができる。
通蒸部9を開口させるタイミングは、内容物やその調理方法により適切なタイミングとなるよう調節することが可能である。具体的には上シール層35および易剥離層34を合わせた厚みの設定を変えることで調節が可能である。上シール層35および易剥離層34を合わせた厚みが20μm以下であると、転移と同時または易剥離層34が破断されたときに同時に上シール層35およびシーラント層22も破断されて通蒸部9が開口することがある。従って内圧が高い状態で加熱調理を継続して行う必要がある場合は上シール層35および易剥離層34を合わせた厚みを20μmより大きくすると良い。
図4は本発明の包装袋の別形態を例示したものである。包装袋40は表フィルム2と裏フィルム3の下端に二つ折りされた底フィルム44が折り部41を上にして挟まれた状態で表フィルム42、裏フィルム43と端縁部でシールされており、底フィルム44を拡張することで底面を形成でき、底面上に自立するいわゆるスタンディングパウチの形状である。また側辺部にガセットを挟みこんでいわゆるガセットパウチの形態とすることもできる。
底フィルム44には、表フィルム2及び裏フィルム3と同様の材料で構成される基材とシーラント層からなる積層体のうち、基材表面にヒートシール性を有する樹脂が存在すれば良い。具体的な基材表面として一例を挙げれば、PVDCがコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)と二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の積層体、OPPと無延伸ポリプロピレン(CPP)多層の積層体、ヒートシールニスがコーティングされたPET、ヒートシールタイプのOPP等が使用されるが、これに限定されない。
また包装袋40の一方または両方の側辺部にノッチ45を設けて、包装袋40を開封する際のきっかけとしても良い。さらにノッチ45の先端の延長部分の表フィルム2および裏フィルム3のいずれか、または両方に傷加工などによる易開封線46を設けても良い。
またポイントシール部8の形状は、図1に例示したような三角形に限定されるものではなく、矩形、多角形、円形、楕円形など任意の形状であって良い。傷加工9の方向は天地方向、左右方向のいずれであっても良い。
平パウチの形態の包装袋1に封入された内容物を電子レンジで加熱調理する際には、通蒸部9が上側になるように横置きで電子レンジ内に載置し、加熱調理する。加熱が始まり包装袋1内の内容物から水蒸気が発生して内圧が高まると、通蒸部9より外側に水蒸気が抜けて圧力を逃がすことができる。このようにして、加熱調理前にはシールされてガスバリア性を保っている包装袋1であっても、袋が破裂することなく通蒸して内容物を加熱調理することができる。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1>
(評価サンプル)
・表フィルムはナイロン樹脂(厚み15μm)を基材として印刷層を設け、シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み50μm)を積層した。
・裏フィルムは同じくナイロン樹脂(厚み15μm)を基材として印刷層を設け、シーラント層の構成は、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み10μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み10μm)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み30μm)
として積層した。
・表フィルムと裏フィルムを3辺の端縁部でヒートシールして袋状とし、水50gを充填して残る1辺をヒートシールして封入した。
・電子レンジ(1000W)にて1分間加熱し、蒸気抜きの状況を確認した。
(評価)
・ポイントシール部剥離箇所:ポイントシール部の剥離がどこの箇所で発生したか目視にて確認した。
・転移時の開口:易剥離層および上シール層の転移と同時または易剥離層が破断されたときに同時に通蒸部が開口してしまうか、目視にて確認した。
・結果を表1にまとめる。
<実施例2>
シーラント層の構成を、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み10μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み20μm)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み20μm)
として積層した以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
<実施例3>
シーラント層の構成を、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み10μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み30μm)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み10μm)
として積層した以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
・結果を表1にまとめる。
<実施例4>
シーラント層の構成を、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み20μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み10μm)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み20μm)
として積層した以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
・結果を表1にまとめる。
<実施例5>
シーラント層の構成を、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み20μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み20μm)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み10μm)
として積層した以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
・結果を表1にまとめる。
<実施例6>
シーラント層の構成を、
下シール層:ポリプロピレン樹脂(厚み30μm)
易剥離層:イージーピール樹脂(厚み10mμ)
上シール層:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み10μm)
として積層した以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
・結果を表1にまとめる。
<比較例1>
シーラント層の構成を、
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(厚み50μm)の単層
とした以外は実施例1と同様の構成で評価サンプルを作成し、同様の評価を行った。
・結果を表1にまとめる。
Figure 0007040044000001
表1から分かるように、本発明の包装袋においては、ポイントシール部での剥離がシーラント層内で起こるため、衛生的に剥離が行える。
1、40・・・包装袋
2、42・・・表フィルム
3、43、60・・・裏フィルム
4・・・側シール部
5・・・天シール部
6・・・底シール部
7・・・収納部
8、48、64・・・ポイントシール部
9、49・・・通蒸部
21、31、61・・・基材
22、32、62・・・シーラント層
33・・・下シール層
34・・・易剥離層
35・・・上シール層
41・・・折り部
44・・・底フィルム
45・・・ノッチ
46・・・易開封線
51・・・ベース樹脂
52・・・島状樹脂
53・・・添加剤
54・・・破断
63・・・境界面

Claims (2)

  1. それぞれ基材とシーラント層を有する表フィルムと裏フィルムのシーラント層同士を端縁部で貼り合せた包装袋であって、端縁部以外で表フィルムと裏フィルムを貼り合せたポイントシール部を有し、ポイントシール部の表フィルムの基材に傷加工が施されて通蒸部とされ、裏フィルムのシーラント層は、基材側から、基材と接着する下シール層、易剥離層、表フィルムのシーラント層と接着する上シール層が積層されて構成され、前記易剥離層は凝集破壊層であって前記下シール層および前記上シール層よりも接着力が低く、加熱調理時に包装袋の内圧が高まったとき、前記ポイントシール部の表フィルムのシーラント層と裏フィルムの上シール層が剥離するのに先行して前記易剥離層が破断され、破断した前記易剥離層の一部と裏フィルムの上シール層が表フィルムに転移し、前記通蒸部が封止された状態で前記ポイントシール部において表フィルムと裏フィルムが分離され、更に内圧が高まったときに前記通蒸部が開口されることを特徴とする包装袋。
  2. 前記裏フィルムの上シール層および前記易剥離層を合わせた厚みが20μmよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
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