JP6699282B2 - 電子レンジ用パウチ - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気抜き部を有する電子レンジ用パウチに関するものであり、より詳細には、内容物が排出されることなく蒸気抜き性能の向上を図り、パウチの熱損傷を抑制する電子レンジ用パウチに関する。
従来より、食品等の内容物をパウチ収容部に充填・密封し、喫食時に加熱するパウチ詰め食品が種々提案されている。これらパウチ詰め食品を、未開封のまま電子レンジで加熱すると、加熱時に内容物から発生する蒸気により短時間でパウチの内圧が高くなり、破袋による内容物の飛散、電子レンジ内の汚れ、人体への火傷を発生させる可能性があった。このため、近年、電子レンジ用として用いられるパウチには、加熱時にパウチ収容部の内部から蒸気を抜くための蒸気抜き部を設ける技術が一般的に用いられている(特許文献1,2参照)。これら従来例に係る蒸気抜き部を有する電子レンジ用パウチについて、図9〜図12を参照して説明する。
図9は、従来例に係る電子レンジ用パウチを平面図にて示したものである。電子レンジ用パウチ200には、パウチ収容部230が設けられている領域内において、図示のように、平面形状が円形の蒸気抜き部240、未シール部250、蒸気抜きシール部260が、順次同心的に設けられている。このように構成される電子レンジ用パウチ200においては、電子レンジ加熱時に内容物から発生する蒸気によりパウチ収容部230内の内圧が高まって膨張することで、蒸気抜きシール部260がパウチ収容部230の中心点O側から蒸気抜き部240が設けられた位置まで剥離後退し、パウチ収容部230内から蒸気抜き部240を通じて蒸気が外部に排出される。
しかし、このような従来例の電子レンジ用パウチ200においては、パウチ収容部230に収容される内容物の種類によっては、パウチ収容部230内に充満した蒸気が電子レンジ加熱時から取り出し後までの長時間に亘り勢いよく排出されたり、蒸気の排出力に内容物が巻き込まれて蒸気抜き部240から噴き出したりするなどの虞があった。また、内容物が高温のままパウチ収容部230の膨張状態が長く維持されると、パウチ内面材の熱損傷、及び、該熱損傷に起因するパウチの穴あきに繋がる虞があることも分かった。これらの問題は、電子レンジ用パウチにおける蒸気排出メカニズムに大きく関与しているものと考えられる。
図10は、従来例に係る一般的な形状のパウチにおけるパウチ収容部230の内圧上昇についての説明図であり、電子レンジ用パウチ200のパウチ中心点Oと蒸気抜き部240の付近を平面図にて示しており、パウチ形状は省略している。また、図11は、従来例に係る蒸気抜きシール部260の剥離後退する経過についての説明図であり、電子レンジ用パウチ200に設けられた蒸気抜き部240の付近を平面図にて示している。図10及び図11中の矢印Fは、蒸気抜きシール部260を剥離後退させる内圧の力の方向を示している。
図10に示すように、パウチを加熱すると内容物から蒸気が発生し、パウチ収容部230の中心点Oから放射状に力が与えられると考えることができる(図10中の複数の矢印参照)。このため、上記の矢印Fの方向は、パウチ収容部230の中心点Oと、蒸気抜き部240の中心点とを結ぶ直線Lの方向とほぼ一致すると考えることができる。また、図11中の点線Bは、従来例における蒸気抜きシール部260の既剥離部位と未剥離部位との境界線を表しており、剥離後退は、点線B1、点線B2、点線B3の経過を経て、蒸気
抜き部240に到達する。このように、従来例においては、パウチ収容部230の中心点Oから放射状に広がった内圧の力(矢印F方向)は、矢印F方向に対して垂直な直線形状を保ちつつ蒸気抜きシール部260を剥離後退させていくことがわかる。そして、剥離の境界線が蒸気抜き部240の周縁のうちパウチ収容部230の中心点O側の接線にまで達した時点(点線B3上)でようやく蒸気抜き部240の接点P付近に小さな孔が形成され(図12参照)、蒸気がパウチ外部に排出される。
しかし、蒸気抜き部240の接点Pにおける蒸気の排出が開始されると、パウチ収容部230内の内圧は低下し、蒸気抜きシール部260の剥離後退が点線B3上で停止してしまう現象が起きる。このため、点線B3よりもパウチ収容部230の中心点O側だけが膨張した状態で接点Pでのみ蒸気が排出され、図11の点線B3より後ろ側(図面上側)にある大部分の未シール部250は、左右の蒸気抜きシール部260で押さえられてフィルム同士が密着したままとなり、蒸気が排出されない箇所となってしまう。なお、図12は、図11において、蒸気抜きシール部260の剥離後退が点線B3上の蒸気抜き部240の接線まで達した際に、パウチ収容部230内部から矢印F方向に蒸気抜き部240を見た状態を簡略的に示している。この図から、前述のように、蒸気抜きシール部240の周囲に未シール部250を設けているにも拘わらず、上記接点P付近には小さな孔が形成されているものの、未シール部250の大部分はフィルム同士が密着しており、蒸気を逃がす孔の形成に寄与していないことが分かる。従って、蒸気の排出量不足からパウチ収容部230の膨張状態が長く維持されることとなり、上述した様々な問題が生じてしまうと考えられる。
なお、これらの問題は、蒸気抜き部240の径を大きくすることによって解消可能であるが、蒸気抜きシール部260も共に大きくする必要が生じ、内容物の収容量不足、充填時のパウチ開口幅が狭くなるなどの新たな課題が発生する。
特開2003−192042号公報 特開2005−187079号公報
本発明の目的は、内容物が排出されることなく蒸気抜き性能の向上を図るとともに、パウチの熱損傷を抑制し、内容物の収容量や充填時の開口幅を十分確保できる電子レンジ用パウチを提供することにある。
本発明によれば、
蒸気抜き部を有する電子レンジ用パウチにおいて、
前記蒸気抜き部の平面形状が扁平形状の孔形状または切り込み形状であると共に、
前記蒸気抜き部の長手方向に伸びる部位が、前記パウチのフィルム面上において、該蒸気抜き部の長手方向の幅の中心点とパウチ収容部の中心点とを結ぶ直線に垂直な線に対して平行或いは±30°以下となるように前記パウチ収容部内に形成されており、
蒸気排出開始後の前記パウチ収容部の内圧が115kPa以下を維持せしめるように、前記蒸気抜き部の周囲に順次、一対のフィルム同士が密着しつつもシールされていない未シール部、前記一対のフィルム同士が接着された蒸気抜きシール部が設けられており、
前記一対のフィルムの両方を貫通するように前記蒸気抜き部が設けられ、かつ、該蒸気抜き部のパウチ収容部の中心点側の長手方向に伸びる部位が、円弧状を含む孔形状または切り込み形状であり、かつ、前記円弧状の曲率半径が、2.5mm乃至32mmの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の電子レンジ用パウチにおいては、以下の構成を採用すると好適である。この場合において、可能であれば、2つ以上組み合わせて採用することもできる。
1.未シール部が、蒸気抜き部の周囲のうち少なくともパウチ収容部の中心点側に設けられていること、
2.未シール部が、蒸気抜き部の周囲のうち全周に亘って設けられていること、
3.蒸気抜き部が、蒸気抜き部の長手方向の幅が3mm乃至8mm、蒸気抜き部の短手方向の幅が1mm乃至3mmであるとともに、蒸気抜き部の長手方向の幅が蒸気抜き部の短手方向の幅の1.5倍乃至8倍であること、
.蒸気抜き部が、パウチのコーナー部側に設けられていること、
.蒸気抜き部が、パウチの上部側に設けられていること、
.蒸気抜き部が、パウチ収容部の上下最大幅の内接円と、パウチ収容部の左右最大幅の内接円との間に設けられていること。
本発明によれば、内容物が蒸気抜き部から排出されてしまうことを抑制しつつ蒸気抜き性能の向上を図ることができる。このため、パウチ内面材の熱損傷、および、熱損傷に起因するパウチの穴あきを抑制することができる。また、蒸気抜き部の平面形状が扁平形状であるので、蒸気抜き部及び蒸気抜きシール部全体が大きくなってしまうことを抑制でき、内容物の収容量及び充填時の開口幅の確保ができる。
本発明の実施形態に係る電子レンジ用パウチの平面図である。 本発明の他の実施形態に係る電子レンジ用パウチの平面図である。 図1の電子レンジ用パウチにおいて、本発明の他の実施形態に係る蒸気抜き部の周囲の配置構成についての説明図である。 本発明の実施形態に係る蒸気抜き部の配置構成についての説明図である。 本発明の実施形態に係る蒸気抜きシール部の剥離後退する経過についての説明図である。 本発明の実施形態に係る電子レンジ用パウチにおいて、蒸気抜きシール部が蒸気抜き部まで剥がされた際に、パウチ収容部の内部から見た状態を簡略的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る蒸気抜き部についての説明図である。 本発明の実施形態に係る電子レンジ用パウチのフィルムについての説明図である。 従来例に係る電子レンジ用パウチの平面図である。 従来例に係る一般的な形状のパウチにおけるパウチ収容部の内圧上昇についての説明図である。 従来例に係る蒸気抜きシール部の剥離後退する経過についての説明図である。 従来例に係る電子レンジ用パウチにおいて、蒸気抜きシール部が蒸気抜き部まで剥がされた際に、パウチ収容部の内部から見た状態を簡略的に示した図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<電子レンジ用パウチの全体構成>
図1を参照して、本実施形態に係る電子レンジ用パウチ100の全体構成について説明する。本実施形態に係る電子レンジ用パウチ100は、一対のフィルム110の周縁が熱溶着によりシールされることにより構成される。本実施形態においては、両側縁側に形成される一対のサイドシール部121と、底縁側に形成されるボトムシール部122と、上縁側に形成されるトップシール部123とにより、周縁シール部120が設けられる。これら周縁シール部120(121,122,123)内部の密閉領域が、内容物が収容されるパウチ収容部130となっている。そして、このパウチ収容部130が設けられる範囲内に、平面形状が扁平形状であり、楕円形の孔形状である蒸気抜き部140が形成されている。この蒸気抜き部140は、一対のフィルム110のうちの一方にのみ設けても良いし、両方を貫通するように設けても良い。また、この蒸気抜き部140の周囲に順次、未シール部150、蒸気抜きシール部160が設けられている。未シール部150は一対のフィルム110同士がシールされていない部分であり、蒸気抜きシール部160は、一対のフィルム110同士が熱溶着等により接着されることにより形成される。本実施形態の場合、蒸気抜きシール部160を形成した後、一対のフィルム110の両方を貫通するように蒸気抜き部140が形成されている。
<蒸気抜き部の周囲の配置構成>
次に、図1〜図3を参照して、蒸気抜き部140の周囲の配置構成について説明する。なお、以下の説明においては、蒸気抜き部140の周囲に順次、未シール部150、蒸気抜きシール部160が設けられている点において共通する。
<<未シール部の配置構成>>
未シール部150は、一対のフィルム同士がシールされていない部分である。未シール部150は、蒸気抜き部140の周囲のうちの一部または全周に亘って設けられていればよい。この未シール部150を形成することにより、未シール部150を形成しない場合と比較して、未シール部150内に形成する蒸気抜き部140の形成位置がずれたとしても、蒸気抜きシール部160が剥離後退する一定の距離をとることができる。また、未シール部150は、蒸気抜きシール部160の剥離後退を促進するため、蒸気抜き部140からの蒸気の排出をより効率よく行うことができる。
未シール部150が蒸気抜き部140の周囲のうち全周に亘って設けられている場合としては、例えば、図1や図2のような形状が考えられる。図1に示す例においては、未シール部150の平面形状は円形となっているが、本発明における未シール部の平面形状は円形に限られることはない。図2に示す例においては、蒸気抜き部140がパウチ収容部130の上部側であり、かつ、トップシール部123の下端近傍に設けられている。このため、未シール部150は、電子レンジ用パウチ100の上端で外側に向かい開放された円形ではない形状となっている。なお、蒸気抜きシール部160で囲まれた未シール部150内には、トップシール部123は設けられていない。これらの例のように、蒸気抜き部140の周囲のうち全周に亘って未シール部150を設けることにより、未シール部150内に形成する蒸気抜き部140の形成位置がずれても、所望の機能の低下を抑制させることができる。
また、未シール部150が蒸気抜き部140の周囲のうち一部に設けられる場合は、例えば、図3のような形状が考えられる。図3は、図面下方側をパウチ収容部130の中心点側としている。図3に示す例においては、何れの図面においても、未シール部150は、蒸気抜き部140の周囲の一部にのみ設けられている。図3(a)においては、未シール部150は、蒸気抜き部140の周囲のうち蒸気抜き部140を介してパウチ収容部130の中心点O側とその反対側にのみ設けられている。これに対し、図3(b)においては、未シール部150は、蒸気抜き部140の周囲のうち、パウチ収容部130の中心点O側にのみ設けられている。
これらの例のように、パウチ収容部130の中心点O側に少なくとも未シール部150を設けると、パウチ収容部130の中心側から広がった内圧により蒸気抜きシール部160の剥離後退が未シール部150まで到達した時点で、蒸気抜き部140の周囲のうちパウチ収容部130の中心点O側の部位を一気に開くことが可能になる。このため、内容物が蒸気抜き部140から排出されてしまうことを抑制しつつ、蒸気の排出をより効率よく行うことができるため好適である。
<<蒸気抜きシール部の配置構成>>
蒸気抜きシール部160は、一対のフィルム同士が接着されることにより形成され、電子レンジ用パウチ100が加熱されると、パウチ収容部130内の内圧が高まるにつれて徐々に剥離後退するように構成されている。この蒸気抜きシール部160は、蒸気抜き部140の周囲のうち一部または全周に亘って設けられており、パウチ収容部130と蒸気抜き部140との間を遮断するように構成されていればよく、その平面形状は限定されない。
図1に示す例においては、蒸気抜きシール部160は、未シール部150に対して同心円状にその周囲全周に亘って設けられており、その平面形状の外形は円形となっている。また、図3に示す例においては、蒸気抜きシール部160の一部が蒸気抜き部140に接するように、蒸気抜き部140の周囲のうち全周に亘って設けられている。
これに対し、図2に示す例においては、蒸気抜き部140がパウチ収容部130の上部側でありトップシール部123の下端近傍に設けられている。このため、蒸気抜きシール部160は、トップシール部123と繋がり、その一部がトップシール部123の機能も兼ね備えるよう配置されている。従って、蒸気抜きシール部160は、蒸気抜き部140の上部側には形成されていないが、パウチ収容部130側には形成されている形態となり、パウチ収容部130内に充填される内容物は確実に蒸気抜き部140から遮断されている。
以上のように、蒸気抜きシール部160は、蒸気抜き部140の周囲のうち一部または全周に亘り、パウチ収容部130と蒸気抜き部140の間を遮断するように設けられていればよい。
<蒸気抜き部>
本実施形態に係る蒸気抜き部140に関して、図1,図2,図4〜図7を参照して、より詳細に説明する。なお、以下に説明する蒸気抜き部の配置構成及びパウチ収容部の中心点の特定の仕方に関しては、パウチ収容部に内容物が充填されていない状態におけるパウチに基づいている。
<<蒸気抜き部の配置構成>>
特に、図1,図2,図4,図5を参照して、蒸気抜き部140の配置構成について説明する。図4は本発明の実施形態に係る蒸気抜き部140の配置構成についての説明図であり、電子レンジ用パウチ100に設けられた蒸気抜き部140の付近を平面図にて示している。図5は、本発明の実施形態に係る蒸気抜きシール部の剥離後退する経過についての説明図であり、点線Bは、蒸気抜きシール部160の既剥離部位と未剥離部位との境界線を表している。なお、これら図4,図5は、図面下方側をパウチ収容部130の中心点O側としている。
蒸気抜き部140の平面形状は扁平形状であり、図1,図2,図4,図5に示す蒸気抜き部140は、平面形状が楕円形の孔形状の場合を示している。楕円形の孔形状の蒸気抜
き部140における長辺の伸びる方(長軸)が長手方向であり、短辺の伸びる方向(短軸)が短手方向である。前述の長手方向および短手方向は、蒸気抜き部140における各最長幅の方向とする。
図4に示すように、蒸気抜き部140は、蒸気抜き部の長手方向に伸びる部位が、前記パウチのフィルム面上において、蒸気抜き部140の長手方向の幅Xの中心点Cとパウチ収容部130の中心点O(図示せず)とを結ぶ直線Lに垂直な線Nに対して、平行(0°)或いは角度αが±30°以下となる範囲に形成されている。
そして、蒸気抜き部140は、蒸気抜き部140の長手方向が図4中D0方向、D1方向、或いはD2方向に形成され、この長手方向は、それぞれ、直線Lに垂直な線Nに対して平行(0°)、直線Lに垂直な線Nに対してプラス角度のα(上限は+30°)、或いは直線Lに垂直な線Nに対してマイナス角度のα(下限は−30°)となり、図4中の角度αは60°である。
また、図5に示すように、蒸気抜きシール部160の剥離後退は、点線B1、点線B2、点線B3の経過を経て、蒸気抜き部140の周縁のうち、パウチ収容部130の中心点O側(図示せず)の接点Pに到達する。この剥離後退を促すパウチ収容部130内の内圧の力(矢印F方向)及び蒸気抜きシール部160の剥離後退の経過は、前述した従来例の図10、図11と同様の考え方である。従って、パウチ収容部130内の内圧の力(矢印F方向)により蒸気抜きシール部160の剥離後退が点線B3に達すると、蒸気抜き部140の接点Pを起点に蒸気抜き部140の周縁のうちパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位が左右に広がり、広い孔が形成され、蒸気がパウチ外部に排出される。図6は、図5において、蒸気抜きシール部160の剥離後退が点線B3上の蒸気抜き部140の接線まで達した際に、パウチ内部から矢印F方向に蒸気抜き部140を見た状態を簡略的に示している。図示のように、本実施形態においては、蒸気抜き部140における長手方向の広範囲に亘る部位によって、蒸気を逃がす広い孔が形成される。
なお、蒸気抜き部140の配置は、蒸気抜き部140の長手方向が、蒸気抜き部140の長手方向の幅Xの中心点Cとパウチ収容部130の中心点Oとを結ぶ直線に垂直な線Nに対して平行或いは±30°以下の範囲外に形成すると、前述した蒸気をパウチ外部に排出する広い孔の形成に不良が起こるため、前述の範囲内に形成する必要がある。
以上のように、蒸気抜き部140の平面形状が扁平形状であると共に、蒸気抜き部140の長手方向に伸びる部位が、前記パウチのフィルム面上において、蒸気抜き部140の長手方向の幅の中心点Cとパウチ収容部130の中心点Oとを結ぶ直線に垂直な線Nに対して平行或いは±30°以下となる範囲に形成することにより、蒸気抜きシール部160が、蒸気抜き部140が設けられた位置まで剥離後退した際に、蒸気抜き部140の長手方向の広範囲に亘り、蒸気を排出することが可能な孔を形成することができる。このため、例えば、後述する公知の構成としたフィルム110により形成された電子レンジ用パウチ100の製品を、電子レンジで出力500〜1900Wの範囲で加熱した場合においては、蒸気の排出開始時のパウチ収容部130の内圧を125kPa以下(絶対圧)、好適には115kPa以下(絶対圧)に抑えることが可能になり、また、蒸気の排出開始後のパウチ収容部130の内圧を115kPa以下(絶対圧)に維持し続けることが可能になる。従って、パウチ収容部130内に充満した蒸気が、適切な内圧下で排出を開始し、且つ、排出開始後も長時間に亘り勢いよく排出されてしまうことを抑制しつつ、内容物が蒸気抜き部140から蒸気の勢いに巻き込まれて排出されてしまうことをも抑制でき、蒸気抜き性能の向上を図ることができる。また、内容物が高温のままパウチ収容部130内の膨張状態が長く維持されることが防止されることにより、パウチ内面材の熱損傷、および、熱損傷に起因するパウチの穴あきを抑制することができる。加えて、蒸気抜き部140
を扁平形状とすることにより、蒸気抜きシール部160全体が大きくなってしまうことを抑制できる。
また、蒸気抜き部140は、図4に示す長手方向の幅Xが3mm乃至8mm、短手方向の幅Yが1mm乃至3mmであり、かつ、長手方向の幅Xが短手方向の幅Yの1.5倍乃至8倍を満たすように設定されることが好適である。蒸気抜き部140を前述の幅に設定することにより、内容物が蒸気抜き部140から排出されてしまうことを抑制させつつ、蒸気を逃がすことが可能な蒸気抜き部140の幅を、より適切に広くすることができる。
さらに、蒸気抜き部140は、図1に示すように、電子レンジ用パウチ100の四隅にあたるコーナー部の近傍に設けてもよいし、図2に示すように、電子レンジ用パウチ100の上部近傍(トップシール部123近傍)に設けてもよい。このように、周縁シール部120(121,122,123)近傍の位置に蒸気抜き部140を形成することにより、パウチ収容部130における内容物の収容量、充填時のパウチの開口幅をより十分に確保することが可能になるため好適である。
また、蒸気抜き部140は、図1,図2に示すように、パウチ収容部130の上下最大幅W1の内接円C1と、パウチ収容部130の左右最大幅W2の内接円C2との間に設けられている。このような位置に設けることにより、パウチ収容部130の中心点O側から広がる内圧の力(図5の矢印F方向)に対して、蒸気抜きシール部160が剥離後退する前に、周縁シール部120(121,122,123)が剥離するという破袋を抑制する
ことができ、かつ、蒸気の排出に内容物が巻き込まれて排出されてしまうことをより確実に抑制することができる。さらに、パウチ収容部130の中心点Oから蒸気抜きシール部160までの距離があるため、蒸気抜きシール部160の落下強度や耐圧縮強度にも優れ、好適である。さらに、図1に示す例のように、蒸気抜き部140は、上下最大幅W1の内接円C1と左右最大幅W2の内接円C2のうち、径の小さな内接円C2側に偏った位置に設けられていると、前述の効果が増すためより好適である。
なお、パウチ収容部130の中心点Oは、図1,図2に示すように、上下最大幅W1に対応する平行な二直線と、左右最大幅W2に対応する平行な二直線によって形成される長方形Rの中心(図心に一致する)点である。長方形Rは、図1,図2中に、それぞれ太線かつ点線で示している。これらの図以外で、例えば、周縁シール部120(121,122,123)の一部が拡大されていること等により、パウチ収容部130の幅が部分的に狭くなっている場合等においても、前述のように、上下最大幅W1と左右最大幅W2から長方形Rを求めての中心点Oを設定すればよい。そして、この中心点Oを基準に、上下最大幅W1の内接円C1と左右最大幅W2の内接円C2を設定すればよい。
<<蒸気抜き部の他の実施形態>>
図7を参照して、蒸気抜き部140の他の実施形態を説明する。なお、図7においては、下方側をパウチ収容部130の中心点O側としており、矢印D方向が長手方向であり、長手方向に垂直な方向が短手方向である。また、蒸気抜き部140における長手方向の幅Xと、蒸気抜き部140における短手方向の幅Yとの関係、及びこれらの幅X,Yの寸法の設定については、蒸気抜き部140が楕円形の孔形状の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図7に示すように、蒸気抜き部140の平面形状は扁平形状であればよく、扁平形状の孔形状または切り込み形状を適用することができる。
蒸気抜き部140は、例えば、図7(a)のような長方形の四隅が円弧状に形成された形状、図7(b)のような長円形状(トラック形状)、図7(c)のような長方形状、図
7(d)のような長八角形状の孔形状に形成された蒸気抜き部140を採用することもできる。また、図7(e),図7(f)のように、蒸気抜き部140の周縁のうちパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位を直線とし、対向する長手方向に伸びる部位は、非対称の曲線や直線で構成された孔形状の蒸気抜き孔140とすることもできる。さらに、蒸気抜き部140は、例えば、図7(i)や図7(j)のように、蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位が、直線を含む切り込み形状とすることもできる。
以上のように、蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位を、直線を含む孔形状(長円形状,長方形状等)、もしくは直線を含む切り込み形状とすることにより、蒸気抜き部140の周縁のうちパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位がより効率よく左右に広がって広い孔を形成するため、蒸気をパウチ外部に排出する排出量や排出速度をより適切に保つことができ、好適である。
また、蒸気抜き部140は、図1〜図5の楕円形状以外にも、蒸気抜き部140の周縁のうちパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位が、円弧状を含む孔形状を採用することもできる。例えば、図7(a)〜図7(e)の蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位の直線を、円弧状に変更した孔形状や、図7(g)や図7(h)のような円弧状を含む孔形状をとすることもできる。さらに、蒸気抜き部140は、例えば、図7(j)や図7(k)のように、蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位が、円弧状を含む切り込み形状とすることもできる。
電子レンジ用パウチ100を加熱するとパウチ収容部130の内圧が高まりパウチ形状が変化していくが、この変形過程において、蒸気抜き部140の周囲のうちパウチ収容部130の中心点O側の近傍に意図しないパウチの折れ曲がりが発生する場合がある。蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位を、円弧状を含む孔形状(楕円形状等)、もしくは切り込み形状とすることにより、蒸気抜きシール部160の剥離後退を促す直線状の力(図5の矢印F)を、蒸気抜き部140の曲面で受け止めることができる。従って、前述した折れ曲がりを防止することが可能となる。さらに、図7(a)〜(k)とすることでも、蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位がより効率よく左右に広がって広い孔を形成するため、蒸気をパウチ外部に排出する排出量や排出速度を適切に保つことができる。なお、この円弧状を含む孔形状もしくは切り込み形状の蒸気抜き部140は、パウチ収容部130の中心点O側に向かって凸状とすることが、蒸気抜きシール部160の剥離後退を促す直線状の力(図5の矢印F)を蒸気抜き部140の曲面で受け止めやすいため、好適である。
以上のことから、蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位を、円弧状を含む孔形状(楕円形状等)、もしくは切り込み形状とすることは、好適である。
なお、上述した蒸気抜き部140のパウチ収容部130の中心点O側の長手方向に伸びる部位が、円弧状を含む孔形状または切り込み形状とした場合の円弧部分は、曲率半径が2.5mm乃至32mm、特に、3mm乃至20mmとすることが好適である。この範囲内に設定することにより、前述した蒸気を排出する孔の幅の広がりの確保、パウチ保形性の向上、蒸気の排出量や排出速度の確保を、より効果的に行うことができる。この円弧部分は、曲率半径が2.5mm未満になると従来例のような問題が発生し、曲率半径が32mmより大きくなると蒸気抜き部140に伴い蒸気抜きシール部160も大きく形成する必要がでてくる。このため、上述の範囲内のとすることが好適である。
<フィルムの構成>
図8を参照して、電子レンジ用パウチ100を構成するフィルム110について、より詳細に説明する。図8は、電子レンジ用パウチ100に用いられるフィルム110の断面を拡大した断面図を示しており、一般的に多層構造をなしている。本実施形態に係るフィルム110は、基材樹脂層111と、バリア性樹脂層112と、易引き裂き性樹脂層113と、ヒートシール性樹脂層114と、これらの各層間をそれぞれ接着するための接着層115とから構成されている。なお、易引き裂き性樹脂層113が設けられた位置に耐熱性樹脂層116を設けることもできる。ただし、これらの易引き裂き性樹脂層113または耐熱性樹脂層116については、必要に応じて設ければよく、なくても構わない。
<<基材樹脂層>>
パウチの外面側となる基材樹脂層111としては、一般的なパウチにおける基材樹脂フィルムとして使用されている樹脂フィルムを採用することができる。この基材樹脂層111としては、機械的強度が高いフィルムを用いるのが望ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミドフィルムを好適例として挙げられる。これらのフィルムは、一軸又は二軸延伸したフィルムとして用いられる。これらの延伸フィルムの中でも、機械的強度、耐クラック性、耐熱性に優れた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に用いることができる。
<<バリア性樹脂層>>
バリア性樹脂層112は、内容物の保存性や風味の保持性を高める役割を担っている。このバリア性樹脂層112としては、パウチ外部からの酸素透過を防止するガスバリア性樹脂層として、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリグリコール酸等のバリア性樹脂からなるフィルム、或いは、ポリビニルアルコール系ポリマーやポリカルボン酸系ポリマー等のガスバリア性樹脂からなるコーティング剤を塗布したコーティングバリア層を有するコーティングバリアフィルム等を採用することができる。また、ガスバリア性に加えて、内容物の水分のパウチ外部への放出防止のための水分バリア性を兼ね備えたバリア性樹脂層として、酸化アルミニウム等の金属酸化物蒸着層やケイ素酸化物蒸着層に代表される無機酸素物蒸着層、或いは、ダイヤモンドライクカーボン等の炭化水素系蒸着層に代表される無機蒸着層を有する無機蒸着フィルム、或いは、金属アルコキシドや金属ハロゲン化合物等の加水分解化合物によるメタロキサン結合を有する化合物からなるコーティング剤を塗布したコーティングバリア層を有するコーティングバリアフィルム等を採用することができる。上述した無機蒸着層或いはコーティングバリア層を形成するフィルムとしては、これらに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート樹脂やナイロン樹脂からなる一軸又は二軸延伸フィルムを好適に使用することができる。また、ガスバリア性に水分バリア性を兼ね備えたバリア性樹脂層112としてナイロンフィルムを選択し、無機蒸着層を形成したバリア性樹脂層112(無機蒸着フィルム)、若しくは、コーティング剤を塗布したコーティングバリア層を有するバリア性樹脂層112(コーティングバリアフィルム)を積層する場合は、無機蒸着層若しくはコーティングバリア層は、ナイロンフィルムより内面側に形成することが、ナイロンフィルムに吸収された水分がパウチ外面へ放出できるため好ましい。このように、ナイロンフィルムより内面側に、無機蒸着層、若しくは、コーティングバリア層を形成することにより、上述した水分の放出によりナイロンフィルム中の含水率が低減されるため、電子レンジ使用によるナイロンフィルム中の水分加熱に起因したナイロンフィルムの発泡、即ちパウチの熱損傷を防ぐことが可能になる。具体的な層構成を例示すると、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材樹脂層111、二軸延伸ナイロンフィルムの内面側に無機蒸着層、若しくはコーティング
バリア層を有するバリア性樹脂層112、無延伸ポリプロピレンフィルムからなるヒートシール性樹脂層114を、ポリウレタン系接着剤で接着した多層フィルムが挙げられる。また、基材樹脂層111を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムの2層とし、二軸延伸ナイロンフィルムの内側に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに無機蒸着層、若しくはコーティングバリア層を形成してバリア性樹脂層112としても良い。尚、レトルト殺菌を行わずに熱間充填、アセプティック充填等により内容物を充填する場合は、フィルム110に要求される耐熱性は低くなるため、基材樹脂層111とバリア性樹脂層112を兼ね備えたナイロンフィルムによるバリア性樹脂層112のみとすることも可能である。このような多層フィルムを例示すると、二軸延伸ナイロンフィルムの内面側に、無機蒸着層、若しくは、コーティングバリア層を有するバリア性樹脂層112、無延伸ポリプロピレンフィルムからなるヒートシール性樹脂層114を、ポリウレタン系接着剤で接着した多層フィルムが挙げられる。このように、内容物の充填温度や殺菌方法に応じて、基材樹脂層111及び/又はバリア性樹脂層112、ヒートシール性樹脂層114、及びこれらの各層間をそれぞれ接着する接着剤115とから構成された多層フィルムとしてもよい。そして、これら多層フィルムと、本発明の蒸気抜き部140の形状や配置構成を組み合わせた電子レンジ用パウチ100とすることにより、電子レンジ加熱による熱損傷をより効果的に防ぐことが可能になる。以上のように構成されるバリア性樹脂層112は、酸素バリア性、臭気成分のバリア性、水分バリア性にも優れている。
<<易引き裂き性樹脂層>>
易引き裂き性樹脂層113としては、易引き裂き性が付与された、一軸(MD方向)又は二軸(MD方向及びTD方向)に延伸加工が施された、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどを採用することができる。易引き裂き性樹脂層113の具体例としては、東レ(株)製のトレファンBO YTシリーズ、電気化学工業(株)製のカラリヤン、東京インキ(株)製のハイブロン、ノーブレン、出光ユニテック(株)製のユニアスロン、ユニチカ(株)製のエンブレムNC、エンブレットPCなどが挙げられる。易引き裂き性樹脂層113は、その延伸方向がパウチを開封する際の引き裂き方向と一致するように設けられることで、開封時のパウチ表裏の引き裂き幅のずれ(いわゆるカットずれ)の発生が抑制され、易開封性を向上させることができる。なお、易引き裂き性樹脂層113を設ける位置は、図8に示す位置に限られず、どの位置に積層させてもよい。また、図8に示すように、易引き裂き性樹脂層113を単独で設けても良いし、他の層に易引き裂き性を付与させてもよい。
<<ヒートシール性樹脂層>>
パウチの内面側に設けられるヒートシール性樹脂層114としては、パウチに用いられている一般的なヒートシール性樹脂を用いることができる。より具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー等の樹脂からなるフィルムを好適例として挙げることができる。なお、これらの材料を用いて、ヒートシール性樹脂層114を、単層としても良いし、複数の材料を用いて多層としても良い。特に、耐熱性の観点から、ヒートシール性樹脂層114として、無延伸ポリプロピレンを好適に用いることができる。また、ヒートシール性樹脂層114の厚みは、50〜100μmの範囲にすると好適である。
<<接着層>>
接着層115に用いる接着樹脂としては、各種公知の材料を適用可能であり、例えば、耐熱性の観点から、ポリウレタン系接着剤を好適に用いることができる。
<<耐熱性樹脂層>>
本実施形態に係る電子レンジ用パウチ100は、内容物の充填温度や殺菌方法に応じて、レトルト殺菌にも耐え得る耐熱性が必要とされるが、高粘度の内容物や固形物を含有した内容物が充填される場合には、電子レンジで加熱された際に、局所的な高温部が生じて孔が空いてしまうおそれがある。このような場合には、内容物の近い位置となる、バリア性樹脂層112とヒートシール性樹脂層114との間に単独で耐熱性樹脂層116を設けるのが望ましい。ただし、耐熱性樹脂層116については、易引き裂き性樹脂層113と同様に、図8に示す位置に限られず、他の位置に設けることも可能である。また、他の層に耐熱性を付与させてもよい。耐熱性樹脂層116の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムやナイロン等のポリアミドフィルム等を好適例として挙げることができる。また、耐熱性樹脂層116として、一軸又は二軸延伸されたものを好適に用いることができる。
<<その他>>
上述した各種の層の他に、他の機能を有する層を設けることもできる。例えば、パウチの耐突き刺し性や耐落下衝撃性等を向上させるために、耐衝撃性樹脂層を設けることもできる。また、本発明の実施形態においては、蒸気抜き部がパウチに一つだけ設けられる場合を示したが、蒸気抜き部を複数設ける構成を採用することもできる。この場合、全ての蒸気抜き部が上記の配置構成を満たしていても良いし、上記の配置構成を満たしていない蒸気抜き部が含まれていても良い。さらに、本発明の実施形態においては、一対のフィルム110が用いられ、4辺がシールされる構成を示したが、本発明はそのようなパウチに限定されることはない。例えば、1枚のフィルムを折り曲げて、2辺または3辺がシールされるパウチにも本発明を適用することができる。また、本発明は、ピロータイプのパウチ、ガセットタイプのパウチ、スタンディングパウチ等、各種パウチに適用可能である。
100 電子レンジ用パウチ明細書
110 フィルム
111 基材樹脂層
112 バリア性樹脂層
113 易引き裂き性樹脂層
114 ヒートシール性樹脂層
115 接着層
116 耐熱性樹脂層
121 サイドシール部
122 ボトムシール部
123 トップシール部
130 パウチ収容部
140 蒸気抜き部
150 未シール部
160 蒸気抜きシール部

Claims (10)

  1. 蒸気抜き部を有する電子レンジ用パウチにおいて、
    前記蒸気抜き部の平面形状が扁平形状の孔形状または切り込み形状であると共に、
    前記蒸気抜き部の長手方向に伸びる部位が、前記パウチのフィルム面上において、該蒸気抜き部の長手方向の幅の中心点とパウチ収容部の中心点とを結ぶ直線に垂直な線に対して平行或いは±30°以下となるように前記パウチ収容部内に形成されており、
    蒸気排出開始後の前記パウチ収容部の内圧が115kPa以下を維持せしめるように、前記蒸気抜き部の周囲に順次、一対のフィルム同士が密着しつつもシールされていない未シール部、前記一対のフィルム同士が接着された蒸気抜きシール部が設けられており、
    前記一対のフィルムの両方を貫通するように前記蒸気抜き部が設けられ、かつ、該蒸気抜き部のパウチ収容部の中心点側の長手方向に伸びる部位が、円弧状を含む孔形状または切り込み形状であり、かつ、前記円弧状の曲率半径が、2.5mm乃至32mmの範囲であることを特徴とする電子レンジ用パウチ。
  2. 前記未シール部が、前記蒸気抜き部の周囲のうち少なくともパウチ収容部の中心点側の部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用パウチ。
  3. 前記未シール部が、前記蒸気抜き部の周囲のうち全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用パウチ。
  4. 前記蒸気抜き部が、
    前記蒸気抜き部の長手方向の幅が3mm乃至8mm、前記蒸気抜き部の短手方向の幅が1mm乃至3mmであるとともに、
    前記蒸気抜き部の長手方向の幅が、前記蒸気抜き部の短手方向の幅の1.5倍乃至8倍であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子レンジ用パウチ。
  5. 前記蒸気抜き部が、パウチのコーナー部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子レンジ用パウチ。
  6. 前記蒸気抜き部が、パウチの上部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれかに記載の電子レンジ用パウチ。
  7. 前記蒸気抜き部が、前記パウチ収容部の上下最大幅の内接円と、パウチ収容部の左右最大幅の内接円との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子レンジ用パウチ。
  8. 前記電子レンジ用パウチが多層フィルムにより形成されており、
    前記多層フィルムが、少なくともナイロンフィルムとヒートシール性樹脂層を有しており、
    前記ナイロンフィルムより内面側に、無機蒸着層またはメタロキサン結合を有する化合物からなるコーティング剤を塗布したコーティングバリア層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子レンジ用パウチ。
  9. 前記多層フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材樹脂層、前記ナイロンフィルムからなるバリア性樹脂層、及び、前記ヒートシール性樹脂層からなることを特徴とする請求項に記載の電子レンジ用パウチ。
  10. 前記多層フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記ナイロンフィルムの2層からなる基材樹脂層、ポリエチレンテレフタレートからなるバリア性樹脂層、及び、前記ヒートシール性樹脂層からなることを特徴とする請求項に記載の電子レンジ用パウチ。
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