JP7164768B1 - 電子レンジ用パウチ - Google Patents

Abstract

レンジ加熱時にスリットにおける開口を確実かつ大きく確保することが可能な電子レンジ用パウチを提供すること。自動蒸気抜き機構（２０）が、蒸気抜きシール部（３０）とスリット（５０）とフラップ片（４１）とを有し、スリット（５０）が、スリット両端部（５１）よりもシール剥離開始部（３１）に近い領域に向かって形成されたスリット中間部（５２）から構成され、自動蒸気抜き機構（２０）が、スリット（５０）の全周を覆うように形成された未シール部（４１）と、フラップ片（４１）の一部を第２フィルム（１２）に熱溶着した制御用シール部（７０）とを更に有する電子レンジ用パウチ（１０）。

Description

本発明は、加熱時に内部の蒸気を自動的に逃がす自動蒸気抜き機構を備えた電子レンジ用パウチに関する。

従来、重ねたフィルムを熱接着することにより袋状に成形されたパウチ内に、調理済あるいは半調理済の食品を収容し、当該食品を食べる時に、電子レンジによって加熱調理する包装食品が市場に出回っている。

このようなパウチでは、電子レンジで加熱すると、食品から発生する蒸気や内部空気の熱膨張によりパウチの内圧が高まり、パウチに破袋や変形が生じたり、また、破袋によりパウチ内の食品が飛散する恐れがある。

そのため、近年、電子レンジ用のパウチには、加熱時に内部の蒸気を自動的に逃がす自動蒸気抜き機構が一般的に設けることが知られており（例えば、特許文献１を参照）、このような自動蒸気抜き機構の一態様として、図１０に示すように、重ねたフィルム１１１、１１２を熱溶着して形成されその内側の蒸気開放部１４０を内容物収容部１１４から隔離する蒸気抜きシール部１３０と、蒸気開放部１４０において第１フィルム１１１に貫通形成されたスリット１５０とを備えたものが知られている。

この図１０に示す自動蒸気抜き機構１２０では、電子レンジによる加熱に伴って内容物収容部１１４内の圧力が高まると、蒸気抜きシール部１３０の一部が剥離して内容物収容部１１４と蒸気開放部１４０とが連通し、スリット１５０を通じて、内容物収容部１１４内の蒸気が外部へ排出される。

特開２００３－１９２０４２号公報

ところが、図１０に示す自動蒸気抜き機構１２０では、加熱時におけるパウチの膨張具合によっては、スリット１５０において充分な大きさの開きが確保できない場合があり、このようにスリット１５０における開きが小さい場合には、蒸気の排出量を充分に確保できないため、蒸気によるパウチの膨張状態が長く維持され、パウチの内面材の熱損傷等に起因したパウチの穴あき現象が生じてしまう等の虞があった。

そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構造で、レンジ加熱時にスリットにおける開口を確実かつ大きく確保することが可能な電子レンジ用パウチを提供することを目的とするものである。

本発明は、自動蒸気抜き機構を備えた電子レンジ用パウチであって、前記電子レンジ用パウチは、第１フィルムおよび第２フィルムを熱溶着して製袋用シール部を形成することで袋状に形成されたものであり、前記自動蒸気抜き機構は、重ねた前記第１フィルムおよび前記第２フィルムを熱溶着して形成されその内側の蒸気開放部を内容物収容部から隔離する蒸気抜きシール部と、前記蒸気開放部において前記第１フィルムに形成されたスリットと、前記第１フィルムに形成され前記スリットによって区画されたフラップ片とを有し、前記蒸気抜きシール部は、前記製袋用シール部に連続して形成され、前記蒸気抜きシール部は、加熱時に前記内容物収容部内に発生する蒸気によって剥離を開始するシール剥離開始部を有し、前記スリットは、スリット両端部と、前記スリット両端部よりも前記シール剥離開始部に近い領域に向かって形成され、前記スリット両端部を繋ぐスリット中間部とから構成され、前記自動蒸気抜き機構は、前記スリットの全周を覆うように形成された、前記第１フィルムおよび前記第２フィルムを溶着していない未シール部と、前記第１フィルムに形成された前記フラップ片の一部を前記第２フィルムに熱溶着した制御用シール部とを更に有し、前記制御用シール部は、前記製袋用シール部からパウチ内側に向けて突出するように形成されていることにより、前記課題を解決するものである。

本発明によれば、自動蒸気抜き機構が、スリットの全周を覆うように形成された未シール部と、第１フィルムに形成されたフラップ片の一部を第２フィルムに熱溶着した制御用シール部とを有していることにより、電子レンジによるパウチ加熱時において、蒸気抜きシール部が剥離して内容物収容部と蒸気開放部とが連通した時に、スリットよりもシール剥離開始部に近い側においては、パウチ内圧の上昇によって第１、第２フィルム間が離れようとするのに対して、スリットよりもシール剥離開始部から遠い側であるフラップ片が形成された領域においては、制御用シール部によって第１、第２フィルム間が離れることが阻止されるため、スリットにおける開口を確実かつ大きく確保することができ、蒸気の排出を良好に行うことができる。
また、スリットの全周を覆うように未シール部が形成されていることにより、スリットよりもシール剥離開始部に近い側において、パウチ内圧の上昇によって第１、第２フィルム間を確実に離れさせることができる。

本発明の第１実施形態に係る電子レンジ用パウチを示す説明図。 第１フィルム側から見て自動蒸気抜き機構を示す説明図。 図２とは反対側の第２フィルム側から見て自動蒸気抜き機構を示す説明図。 パウチ加熱時における自動蒸気抜き機構の様子を示す説明図。 各部の寸法を説明する説明図。 制御用シール部を形成したパウチを加熱した様子を示す写真。 制御用シール部を形成していないパウチを加熱した様子を示す写真。 第２実施形態に係る自動蒸気抜き機構を示す説明図。 自動蒸気抜き機構の変形例を示す説明図。 従来の自動蒸気抜き機構を示す説明図。

以下に、本発明の第１実施形態に係る電子レンジ用パウチ１０について、図面に基づいて説明する。

まず、パウチ１０は、図１に示すように、重ねた第１、第２フィルム１１、１２（およびマチ部用フィルム）を所定箇所で熱接着した製袋用シール部１３を形成することにより袋状に形成され、その内側の内容物収容部１４に食品等の内容物を収容するものである。

本実施形態におけるパウチ１０の態様について具体的に説明すると、図１に示すように、パウチ１０は、１枚のフィルムとして連続して形成された第１、第２フィルム１１、１２をパウチ１０の頂部において二つ折りし、パウチ１０の底部において第１、第２フィルム１１、１２の間にマチ部用フィルム（図示しない）を配置し、パウチ１０の両側部および底部において第１、第２フィルム１１、１２間または第１、第２フィルム１１、１２およびマチ部用フィルム（図示しない）の間を熱溶着することで、製袋用シール部１３（サイドシール部１３ａ、１３ｂ、ボトムシール部１３ｃ）を形成することにより、袋状に形成された所謂スタンディングパウチとして構成されている。
サイドシール部１３ａ、１３ｂには、図１に示すように、パウチ１０を開封するための切り込み状のノッチ１５が、後述する蒸気抜きシール部３０の上方およびそれと対面する位置の２箇所に形成されている。

パウチ１０には、加熱時にパウチ１０内の蒸気を自動的に外部に逃がすための自動蒸気抜き機構２０が設けられている。

自動蒸気抜き機構２０は、図１や図２に示すように、重ねた第１、第２フィルム１１、１２を熱溶着して形成されその内側の蒸気開放部４０を内容物収容部１４から隔離する蒸気抜きシール部３０と、蒸気開放部４０において第１フィルム１１に形成されたスリット５０と、第１フィルム１１に形成されスリット５０によって区画されたフラップ片６０とを有している。

以下に、自動蒸気抜き機構２０の各構成要素について、図２に基づいて説明する。

まず、蒸気抜きシール部３０は、図２に示すように、製袋用シール部１３の内側において、製袋用シール部１３（サイドシール部１３ａ）に連続して形成されている。
蒸気抜きシール部３０は、電子レンジ加熱時に内容物収容部１４内に発生する蒸気によって（蒸気抜きシール部３０の外周側と内周側とが連通するように）剥離を開始するシール剥離開始部３１を有し、本実施形態では、図１や図２に示すように、シール剥離開始部３１は、環状の蒸気抜きシール部３０のうち、内容物収容部１４の中央Ｃに最も近い部位になる。

蒸気開放部４０は、図２に示すように、蒸気抜きシール部３０を形成することにより、内容物収容部１４から隔離された部位であり、本実施形態では、蒸気開放部４０の周囲は、蒸気抜きシール部３０および製袋用シール部１３（のサイドシール部１３ａ）によって囲まれている。

スリット５０は、図２に示すように、第１フィルム１１をフィルム厚み方向に貫通して形成されたものであり、一対のスリット両端部５１と、スリット両端部５１よりもシール剥離開始部３１に近い領域（一対のスリット両端部５１を通る仮想線よりもシール剥離開始部３１に近い側）に向かって形成され、スリット両端部５１を繋ぐ略円弧状（略Ｃ字状または略Ｕ字状）のスリット中間部５２とから構成されている。
なお、本実施形態では、スリット両端部５１を結んだ仮想線が、電子レンジ用パウチ１０の縦方向（図１の上下方向）に沿って（サイドシール部１３ａに平行に）延びるように、スリット両端部５１の位置が定められている。
また、第１実施形態においては、図３に示すように、第２フィルム１２には、蒸気開放部４０においてスリットが形成されていない。

フラップ片６０は、図２に示すように、スリット５０を形成することによって蒸気開放部４０において第１フィルム１１の周辺部位から部分的に分離された部位である。
フラップ片６０は、その外周縁のうちシール剥離開始部３１から遠い位置に、第１フィルム１１の周辺部位に接続される接続部６１を有している。

自動蒸気抜き機構２０は、図２に示すように、蒸気開放部４０においてスリット５０の全周を覆うように形成された未シール部４１と、第１フィルム１１に形成されたフラップ片６０の一部を第２フィルム１２に熱溶着した制御用シール部７０とを更に有している。

未シール部４１は、重ねた第１、第２フィルム１１、１２を溶着していない部位であり、図２に示すように、電子レンジ用パウチ１０を平面視した場合に、パウチ平面方向におけるスリット５０の全周を全面的に覆う（カバーする）ように形成されている。
本実施形態では、未シール部４１は、制御用シール部７０の形成箇所を除いた蒸気開放部４０の全域に亘って形成されている。

制御用シール部７０は、重ねた第１、第２フィルム１１、１２を溶着した部位であり、図２に示すように、製袋用シール部１３（サイドシール部１３ａ）から横方向にパウチ内側に向けて突出するように、製袋用シール部１３（サイドシール部１３ａ）に連続して形成され、その一部（先端部）においてフラップ片６０の一部を第２フィルム１２に熱溶着している。

次に、各部の寸法設定については、以下の通りである。

まず、制御用シール部７０による効果（すなわち、制御用シール部７０によって第１、第２フィルム１１、１２間が離れることを阻止してスリット５０における開口を確実かつ大きく確保する効果）を良好に発揮する観点から、図５に示すように、スリット両端部５１を結んだ仮想線（言い替えると接続部６１が延びる方向）に直交する方向（図１や図５に示す例の場合、電子レンジ用パウチ１０の横方向）における、スリット５０のうち前記方向において最もパウチ内側に位置する箇所（頂点箇所）と制御用シール部７０との間の距離γを４ｍｍ以下に設定するのが好ましく、また、距離γを３ｍｍ以下に設定するのが更に好ましい。

また、パウチ加熱時において蒸気抜きシール部３０が剥離した時に、蒸気抜きシール部３０の剥離箇所とスリット５０との間に形成された蒸気の通り道が再度塞がってしまうことを抑制して蒸気を良好に抜く観点から、図５に示すように、スリット両端部５１を結んだ仮想線（言い替えると接続部６１が延びる方向）に直交する方向（図１や図５に示す例の場合、電子レンジ用パウチ１０の横方向、図面の左右方向）における、スリット５０のうち前記方向において最もパウチ内側に位置する箇所（頂点箇所）と蒸気抜きシール部３０との間の距離βを４ｍｍ以下に設定するのが好ましく、また、距離βを３ｍｍ以下に設定するのが更に好ましい。

また、パウチ加熱時においてスリット５０における開口を大きく確保する観点から、図５に示すように、スリット両端部５１間の距離σを５ｍｍ以上に設定するのが好ましく、また、距離σを７～１０ｍｍ以下に設定するのが更に好ましい。

つぎに、本実施形態のパウチ１０を加熱した際の各部の様子について以下に説明する。

まず、電子レンジによってパウチ１０を加熱すると、食品等の内容物から発生する蒸気や内部空気の熱膨張により、パウチ１０の内圧が高まり、内容物収容部１４の中央Ｃ（図1参照）から放射状に力が与えられることになる。

次に、放射状に広がる力によって、内容物収容部１４の中央Ｃから近い箇所（シール剥離開始部３１）付近から蒸気抜きシール部３０が剥離を開始し、この蒸気抜きシール部３０の剥離は、内容物収容部１４の中央Ｃから遠ざかる方向に進行する。

また、蒸気抜きシール部３０の剥離が進行すると、蒸気開放部４０の未シール部４１についても同様に、内容物収容部１４の中央Ｃから遠ざかる方向に剥離が進行する。
すなわち、蒸気開放部４０の未シール部４１において、第１、第２フィルム１１、１２は、蒸気抜きシール部３０の剥離開始前には、互いに密着した状態となっているが、蒸気抜きシール部３０の剥離開始後には、上述した放射状に広がる力によって、内容物収容部１４の中央Ｃから遠ざかる方向に剥離が進行する。

次に、蒸気抜きシール部３０および未シール部４１における第１、第２フィルム１１、１２間の剥離がスリット５０の位置まで到達すると、スリット５０を通じて内容物収容部１４内の蒸気がパウチ１０外に放出されることになる。

この時、スリット５０よりもシール剥離開始部３１に近い側（図４に示すＡ領域）においては、パウチ１０内の内圧によって、第１、第２フィルム１１、１２間が離れようとするのに対して、スリット５０よりもシール剥離開始部３１から遠い側であるフラップ片６０が形成された領域（図４に示すＢ領域）においては、制御用シール部７０によって、第１、第２フィルム１１、１２間が離れることが阻止されるため、スリット５０を境としてＡ領域の第１フィルム１１とＢ領域の第１フィルム１１とがパウチ表裏方向に大きく離れ、その結果、図６に示すように、スリット５０において開口を大きく確保することができ、蒸気の排出量を充分に確保できる。このため、パウチを電子レンジ加熱し、パウチから蒸気が抜け始めた後（蒸気開放後）のパウチ内圧を１．１０ｋｇｆ／ｃｍ^２以下という低い内圧を保つことができ、破袋の虞がなくなる。
なお、図７には、比較例として、図１０に示すような制御用シール部７０が形成されていないパウチを加熱した場合であって、スリット１５０において充分な大きさの開きが確保できなかった場合の例を示した。図７に示すようにスリット１５０において充分な大きさの開きが確保できない場合、蒸気の排出量を充分に確保できないことになる。このため、蒸気開放後のパウチ内圧が１．１０ｋｇｆ／ｃｍ^２以下より高くなる傾向にあり、破袋の虞が増す。

また、この時、スリット５０の全周を覆うように未シール部４１が形成されているため、スリット５０よりもシール剥離開始部３１に近い側（図４に示すＡ領域）において、第１、第２フィルム１１、１２間を確実に離れさせることができる。

次に、本発明の第２実施形態に係る電子レンジ用パウチ１０について、図８に基づいて説明する。ここで、第２実施形態では、一部構成以外については、前述した第１実施形態と全く同じであるため、相違点以外の構成については、その説明を省略する。

なお、図８（ａ）は、第２実施形態に係るパウチ１０を第１フィルム１１側から見て示す説明図であり、図８（ｂ）は、図８（ａ）とは反対側の第２フィルム１２側から見てパウチ１０を示す説明図である。

まず、上述した第１実施形態においては、図２や図３に示すように、蒸気開放部４０において、スリット５０が第１フィルム１１のみに形成され、第２フィルム１２にはスリットが形成されていないものとして説明したが、第２実施形態では、図８に示すように、蒸気開放部４０において、第２フィルム１２にもスリット（第２スリット５３）が形成されている。

すなわち、第２実施形態では、図８に示すように、第２フィルム１２には、第１フィルム１１に形成されたスリット５０に表裏方向に完全に重なるように、第１フィルム１１に形成されたスリット５０と同一形状および同一位置に形成された第２スリット５３が形成されている。

この第２フィルム１２に形成された第２スリット５３は、第１フィルム１１に形成されたスリット５０と同様に、第２フィルム１２をフィルム厚み方向に貫通して形成されたものであり、図８（ｂ）に示すように、スリット両端部５４と、スリット両端部５４よりもシール剥離開始部３１に近い領域に向かって形成され、スリット両端部５４を繋ぐ略円弧状（略Ｃ字状または略Ｕ字状）のスリット中間部５５とから構成されている。

また、第２実施形態では、第１フィルム１１に形成されたフラップ片６０と同様に、図８（ｂ）に示すように、第２フィルム１２にも、第２フラップ片６２が形成されている。
この第２フラップ片６２は、図８（ｂ）に示すように、第２スリット５３の形成によって蒸気開放部４０において第２フィルム１２の周辺部位から部分的に分離された部位であり、その外周縁のうちシール剥離開始部３１から遠い位置に第２フィルム１２の周辺部位に接続される接続部６３を有している。
第２実施形態では、制御用シール部７０によって、第１フィルム１１に形成されたフラップ片６０の一部が第２フィルム１２に形成された第２フラップ片６２の一部に熱溶着されている。

このようにして得られた第２実施形態に係るパウチ１０では、第２フィルム１２にも第２スリット５３が形成されていることにより、第１フィルム１１側を下にしてパウチ１０を電子レンジ内に設置した場合等、第１フィルム１１に形成されたスリット５０からだけで蒸気を噴出することができない場合があっても、第２フィルム１２に形成された第２スリット５３から蒸気を排出することが可能であるため、蒸気排出の確実性を向上させることができる。また、第１フィルム１１のみにスリット５０を形成する場合に比べ、第１フィルム１１と第２フィルム１２とを溶着して蒸気抜きシール部３０を形成した後にスリット５０，５３を一度に形成することができるため、蒸気抜きシール部３０内の所定の位置に確実にスリット５０，５３を配置することができる。

以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。

例えば、上述した複数の実施形態や変形例の各構成を、任意に組み合わせてパウチ１０を構成してもよい。
また、パウチ１０を構成する各フィルム（第１、第２フィルム１１、１２、マチ部用フィルム）の具体的態様は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成樹脂性フィルムや、これら合成樹脂性フィルムにガスバリア性や水分バリア性を付与したコーティングフィルム又は蒸着フィルム等の公知の合成樹脂性フィルムを積層したり、該合成樹脂製フィルムに紙またはアルミ箔を積層すること等で形成されたものであれば、如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、パウチ１０が所謂スタンディングパウチとして形成されているものとして説明したが、パウチ１０の具体的態様は、重ねて配置された第１、第２フィルム１１、１２を備えたものであれば、第１、第２フィルム１１、１２の間にマチ用フィルムを配していないパウチ等、如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、第１、第２フィルム１１、１２が１枚のフィルムとして一体に形成されているものとして説明したが、第１、第２フィルム１１、１２を別体に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、パウチ１０の内容物が食品であるものとして説明したが、内容物の具体的態様は、食品に限定されない。

また、上述した実施形態では、蒸気抜きシール部３０が製袋用シール部１３（のサイドシール部１３ａ）に連続して形成されているものとして説明したが、蒸気抜きシール部３０の具体的態様は、上記に限定されず、図９（ａ）に示すように、製袋用シール部１３の内側に独立して形成してもよい。
また、蒸気抜きシール部３０の変形例として、蒸気抜きシール部３０に耐剥離性の異なる強シール部分および弱シール部分を形成する等、蒸気抜きシール部３０の各部に耐剥離性（剥離の進行による蒸気抜きシール部３０の外周側と内周側との連通に対する抵抗性能）の強弱を付けることで、電子レンジ加熱時に内容物収容部１４内に発生する蒸気によって剥離を開始するシール剥離開始部３１の位置を調整してもよい。

また、上述した実施形態では、制御用シール部７０が製袋用シール部１３に連続して形成されているものとして説明したが、制御用シール部７０の具体的態様は、上記に限定されず、図９（ｂ）に示すように、製袋用シール部１３から独立した位置でフラップ片６０の一部を第２フィルム１２に熱溶着するポイントシールとして制御用シール部７０を形成してもよい。

また、上述した実施形態では、スリット５０のスリット中間部５２が略円弧状（略Ｃ字状または略Ｕ字状）に形成されているものとして説明したが、スリット両端部５１からシール剥離開始部３１よりも近い領域に向かって形成され、スリット両端部５１を繋ぐものであれば如何なるものでもよく、例えば、Ｖ字状やコ字状等、スリット中間部５２を複数の直線又は曲線から形成してもよい。
また、上述した実施形態では、スリット５０が、線状の切り込み（幅を有さない切り込み）であるものとして説明したが、スリット５０の具体的態様は、これに限定されず、所定の幅（スリット５０の延在方向に直交する方向における幅）を有するように、スリット５０を形成してもよい。

１０ ・・・ パウチ（電子レンジ用パウチ）
１１ ・・・ 第１フィルム
１２ ・・・ 第２フィルム
１３ ・・・ 製袋用シール部
１３ａ ・・・ サイドシール部
１３ｂ ・・・ サイドシール部
１３ｃ ・・・ ボトムシール部
１４ ・・・ 内容物収容部
１５ ・・・ ノッチ
２０ ・・・ 自動蒸気抜き機構
３０ ・・・ 蒸気抜きシール部
３１ ・・・ シール剥離開始部
４０ ・・・ 蒸気開放部
４１ ・・・ 未シール部
５０ ・・・ スリット
５１ ・・・ スリット両端部
５２ ・・・ スリット中間部
５３ ・・・ 第２スリット
５４ ・・・ スリット両端部
５５ ・・・ スリット中間部
６０ ・・・ フラップ片
６１ ・・・ 接続部
６２ ・・・ 第２フラップ片
６３ ・・・ 接続部
７０ ・・・ 制御用シール部
Ｃ ・・・ 内容物収容部の中央

Claims (2)

1. 自動蒸気抜き機構を備えた電子レンジ用パウチであって、
   前記電子レンジ用パウチは、第１フィルムおよび第２フィルムを熱溶着して製袋用シール部を形成することで袋状に形成されたものであり、
   前記自動蒸気抜き機構は、重ねた前記第１フィルムおよび前記第２フィルムを熱溶着して形成されその内側の蒸気開放部を内容物収容部から隔離する蒸気抜きシール部と、前記蒸気開放部において前記第１フィルムに形成されたスリットと、前記第１フィルムに形成され前記スリットによって区画されたフラップ片とを有し、
   前記蒸気抜きシール部は、前記製袋用シール部に連続して形成され、
   前記蒸気抜きシール部は、加熱時に前記内容物収容部内に発生する蒸気によって剥離を開始するシール剥離開始部を有し、
   前記スリットは、スリット両端部と、前記スリット両端部よりも前記シール剥離開始部に近い領域に向かって形成され、前記スリット両端部を繋ぐスリット中間部とから構成され、
   前記自動蒸気抜き機構は、前記スリットの全周を覆うように形成された、前記第１フィルムおよび前記第２フィルムを溶着していない未シール部と、前記第１フィルムに形成された前記フラップ片の一部を前記第２フィルムに熱溶着した制御用シール部とを更に有し、
   前記制御用シール部は、前記製袋用シール部からパウチ内側に向けて突出するように形成されていることを特徴とする電子レンジ用パウチ。
2. 前記第２フィルムには、前記蒸気開放部において、前記第１フィルムに形成された前記スリットに表裏方向に重なるように、前記第１フィルムに形成された前記スリットと同一形状および同一位置に形成された第２スリットが形成されていることを特徴とする請求項１に記載の電子レンジ用パウチ。
   

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