JP2019031032A - 電子レンジ加熱用包装体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンジ調理の際に高圧の水蒸気を安全・確実に開放可能な圧力解放部を備えた電子レンジ加熱用包装体の製造方法を提供する。【解決手段】電子レンジ加熱用包装体の製造方法は、搬送シートを半折してシート部材を厚さ方向に重ね合わせる半折工程S21と、重ね合わされたシート部材のヒートシール予定領域の一部に、U字形の切れ込み部を、シート部材の外表面から内表面までの厚さ方向に亘って設ける完全切断工程S22と、包装体に食材収容空間が形成されるようにシーラント層同士を部分的に熱溶着してヒートシール領域を形成する熱溶着工程S25と、熱溶着工程S25では、完全切断工程S22で各シート部材に形成された切れ込み部のうち、シーラント層を分断した分断領域を再度結合する部分再結合工程S25Aと、を含む。完全切断工程S22では、刃物等により切れ込み部が形成されることが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、電子レンジ加熱用包装体の製造方法に関し、より具体的には、電子レンジによる加熱した際に、蒸気圧(内圧)を自動的に逃がす圧力解放部(切れ込み部)を備えた電子レンジ加熱用包装体の製造方法に関する。
(従来の電子レンジ加熱用包装体)
従来、二枚の耐熱性樹脂フィルムを周縁に沿ってヒートシール(熱接着)し、その内部に調理済や半調理済の食材を密封した電子レンジ加熱用包装体が販売されている。この種の包装体は、そのまま電子レンジで加熱することによって食材を加熱調理できるものである。
(従来の蒸気抜き機構)
通常、このような包装体には、加熱時に食材から発生する水蒸気により内圧が上昇して袋が破裂(破袋)してしまうことを防ぐために、内圧が一定値以上になったときに水蒸気を外部へと逃がすための機構(圧力解放部)が設けられている。
(公知の抜き孔(特許文献1))
このような蒸気抜き機構を有する電子レンジ加熱用包装体としては、例えば、特許文献1に示すように、ヒートシール面の一部に貫通孔(抜き孔)を設けたものが知られている。
(公知の抜き孔の問題点1(製品の損傷や破損の原因))
しかしながら、上記貫通孔を備えた従来製品では、その製造工程で、隣接する製品の一部が貫通孔に入り込むことによって、製品が損傷や破損してしまう恐れがある。さらに、製品の運搬時や保管時においても、貫通孔は、不用意な引っ掛かり・損傷の原因となる。
(公知の抜き孔の問題点2(製品への異物混入の恐れ))
また、貫通孔を形成するために製造時に打ち抜き加工が必要となり、打ち抜かれた材料(円形フィルム)が、包装体内に異物として混入する恐れがある。さらに、製品の運搬時や陳列時にも貫通孔や貫通孔周囲の熱接着されていない部分に異物が入り込む恐れもある。
(基材層のみへの切れ込み部(特許文献2,3))
その他の公知の蒸気抜き機構を備えた先行技術として、一側のフィルムの耐熱基材層の全て又は一部の層にのみ、V字またはU字等の切れ込み部を形成した包装体が知られている(特許文献2,3を参照)。これらの切れ込み部は、図2(a)に示すように、通常、シート部材の製造工程(S101)後の製袋工程S102にて基材層とシーラント層とを重ねてヒートシールした後に、レーザー加工機を用いてレーザーを照射すること(工程S103)でハーフカットの切れ込み部を形成することができる(特許文献23の段落〔0059〕や特許文献3の段落〔0050〕の記載も参照)。これにより、その製品の切れ込み部周辺は、他の部分よりも強度が弱くなり、内圧上昇時に破裂・開口し易くなる傾向がある。
(公知の切れ込み部の問題点1(内圧の解放不良))
しかしながら、切れ込み部直下のシーラント層自体の強度は、他の部分と異なることは無く、シーラント層が、例えば、予期していたより丈夫であった場合には、期待していたどおりに切れ込み部直下にて開口する保障は無く、レンジ調理で発生する高温の水蒸気を安全・確実に開放できない恐れがある。
(公知の切れ込み部の問題点2(出荷時の製品の見栄え不良)
また、従来の方法(レーザー加工)では、圧力解放用の切れ込み部は、製袋工程S102後(つまり、三方袋が形成された後)の包装体に対して形成されるため、機械設備の能力や大きさを考慮しても、包装体上の所望の圧力解放位置の一方(上方)の側にのみ従来技術の切れ込み部を形成できるだけであり、同一の開放位置の「両側に」(下方側にも)、切れ込み部を別途形成することは困難である。
また、製袋工程102後の追加的なレーザー加工は、製品の一部を溶融するため、出荷時の製品の見栄え等に悪影響を及ぼす。つまり、圧力解放用の切れ込み部は、製袋工程S102の工程前又は工程中に形成されることが好ましい。
特開2002−249176号公報 特開2001−287774号公報 特開2007−331816号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、レンジ調理の際に高圧の水蒸気を安全・確実に開放可能な圧力解放部を備えた電子レンジ加熱用包装体の製造方法を提供することである。
また、本発明のもう一つの目的は、製造時や運搬時において、損傷・破裂が少なく、異物混入の恐れの無い電子レンジ加熱用包装体の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は、例えば、次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
複数のシート部材を備えた電子レンジ加熱用包装体の製造方法であって、
前記シート部材は夫々、シーラント層と、該シーラント層の厚さ方向外側に積層された基材層と、前記シーラント層と前記基材層とを接続する接着層とを少なくとも備え、かつ、
搬送シートを半折して前記シート部材を厚さ方向に重ね合わせる半折工程と、
重ね合わされた前記シート部材のヒートシール予定領域の一部に、少なくとも変曲点が形成された湾曲線又は直線を有しかつ閉空間を形成しない切れ込み部を、前記シート部材の外表面から内表面までの厚さ方向に亘って設ける完全切断工程と、
前記包装体に食材収容空間が形成されるように前記シート部材の前記シーラント層同士を部分的に熱溶着し、ヒートシール領域を形成する熱溶着工程と、
前記熱溶着工程では、前記完全切断工程で各シート部材に形成された前記切れ込み部のうち、前記シーラント層の分断領域を再度結合する部分再結合工程と、
を含むことを特徴とする電子レンジ加熱用包装体の製造方法。
(態様2)
前記完全切断工程では、前記切れ込み部がV字、U字、W字、又はコ字の文字形状を成し、該文字形状の開口部が前記包装体の中心から外側に向くように形成されることを特徴とする態様1に記載の製造方法。
(態様3)
前記完全切断工程では、刃物による機械的手段により前記切れ込み部が形成されることを特徴とする態様1又は2に記載の製造方法。
(態様4)
前記熱溶着工程では、前記シート部材の周縁と該周縁の一部から前記食材収容空間へ突出した突出領域に沿って前記ヒートシール領域が形成されるように前記シート部材の前記シーラント層同士を溶着し、かつ、
前記完全切断工程では、前記突出領域に前記切れ込み部が形成されるように前記シート部材を切断することを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法により製造された電子レンジ加熱用包装体によれば、上記構成の切れ込み部(つまり、圧力解放部)を有するため、レンジ調理で発生する高温・高圧の水蒸気を自動的かつ安全・確実に解放することができる。
また、本発明の圧力解放部は、従来の貫通孔等によって形成されること無いため、製品の製造時や運搬時に不用意な引っ掛かりや異物混入の原因となることは無い。
また、本発明の圧力解放部は、基材層もシーラント層も厚さ方向に一旦切断され、その後、シーラント層のみ再溶着されているため、包装体の内圧が高まったときに、再溶着部にて確実に亀裂(圧力解放通路)が形成される。
また、本発明の圧力解放部を備えた電子レンジ加熱用包装体は、所望の内圧で水蒸気を解放できるため、包装体に密封された食材の加熱ムラを防止でき、食材を美味しく仕上げることができる。
本発明の包装体の正面図及び断面構造を示した概略図である。 従来の包装体の製造方法と本発明の包装体の製造方法とを概略的に示した図である。 本発明の包装体の製造方法(特に、製袋工程)における詳細な工程を示したフローチャートである。 本発明の製造方法の各工程時の包装体の状態を示した図である。 実施例の包装体の断面構造と比較例の包装体の断面構造を示した画像である。 比較例の圧力解放試験の試験結果(開封状態)を示した図である。 実施例の圧力解放試験の試験結果(開封状態)を示した図である。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づき説明するが、本発明は、下記の具体的な実施態様に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
(本発明の包装体の概略)
図1(a)及び(b)は、本発明の包装体の正面図及び断面構造を示した概略図である。
本発明(実施例)の電子レンジ加熱用包装体1(以下、単に「包装体」とも呼ぶ。)は、後述のシーラント層3や基材層5を備えた積層フィルムからなるシート部材2を用い、これらの2枚のシート部材2,2を重ね合わせて、その周縁部の三辺(左右の辺及び底辺)をヒートシールすることにより作製された三方シール袋である(図1(a)参照)。
(シート部材の積層構造)
シート部材2は夫々、図1(b)に示すように、シーラント層3と、耐熱性の基材層5と、このシーラント層3と基材層5とを接続する接着層4とを少なくとも備える。ここで、基材層5は、商品販売上の観点から、複数の層で積層されていてもよく、例えば、第1・第2基材層6,9と、第1・第2基材層6,9の間に印刷層8と接着層7とをさらに設けるようにしても良い。
(基材層の材料)
なお、基材層5の素材として、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を用いることができるが、これらに限定されない。
(シーラント層の材料)
シーラント層3の素材として、例えば、無延伸ポリプロピレンを用いることが想定されるが、必ずしもこれに限定されない。
(包装体の断面構造)
実施例1の包装体1を、その断面構造を説明するために、図1(a)に示すように、A、B、及びC1(又はC2)の領域に分割する。ここで、領域C1(又はC2)は、シート部材2,2同士が従来技術により熱溶着されたヒートシール領域11である。領域Bは、シート部材2,2同士が未接着であるため互いの移動が自由な領域であり、ひいては、食材(図示せず)を収容するための食材収容空間10が形成される。領域Aは、領域C1(又はC2)と同様のヒートシール領域11に、後述する切れ込み部(圧力解放部12)がさらに形成された領域である。
(本発明の包装体の製造方法)
次に、本発明の包装体1の製造方法について説明する。図2(b)は本発明の包装体1の製造方法の概略を示す。説明の便宜上、シート部材2の製造S1と、包装体1への製袋工程S2とに大別される。なお、図2(a)は、上述のとおり、従来の包装体の製造方法の概略を示す。また、図2(c)は、シート部材2の製造S1における主要な工程S11〜S14を示したフローチャートである。
(各フィルムの用意S11)
先ず、シート部材2を構成するフィルム(上述の各層3,5)を用意する(工程S11)。各フィルム3,5は、フィルムメーカーから入手可能な市販品を購入することによって用意されても良い。なお、シート部材2を構成する基材層5(実施例1のように、多層構造の場合は各基材層6,9)やシーラント層3(各フィルム)は、通常、公知のインフレーション法又はキャスティング法により製造され、ロール状に巻き取られる。なお、第1・第2基材層6,9は、さらに2軸延伸処理が施されていても良い。
(印刷層の形成S12)
基材層5(図1(b)に示す例では第2基材層9)に一方の表面(第1基材層6に対向する内側表面)に、グラビア印刷又はフレキソ印刷など公知の印刷技術を用いて印刷層8を形成(転写)する(工程S12)。
(第1ラミネート工程(積層フィルム(基材層)の形成)S13A)
次に、ラミネート工程(S13)を実施する。具体的には、上述の印刷層8が形成された第2基材層9と、第1基材層6とを、接着剤を用いて積層する(第1ラミネート工程S13A)。ドライラミネートや押出コートラミネート等の公知のラミネート技術を利用することできる。例えば、図示しないローラーから巻き出された第2基材層9の一方の表面(上述の印刷層8が形成された表面)に接着剤を塗布して乾燥させながら、第1基材層6の上記表面に、第2基材層9を貼り合わせる。これにより、図1(b)に示すように、第1・第2基材層6,9の間に、印刷層8と接着層7とを形成することができる。なお、基材層5は、単一の基材層(例えば、第2基材層9のみ)を使用しても良く、この場合、本工程S13Aは省略して次の工程S13Bに進んで良い。
(第2ラミネート工程(シーラント層と基材層との積層)S13B)
第1・第2基材層6,9の積層手法(第1ラミネート工程S13A)と同様の手法を用いて、上述のように一体化された基材層5と、シーラント層3とを接着剤(接着層4)によって貼り合わせることができる(第2ラミネート工程S13B)。この工程S13Bの完了により、シーラント層3と基材層5とが一体に積層されたシート部材2が形成される。
(スリット工程S14)
包装体1の両側を成すシート部材2,2は、包装体1の製造の開始時には、双方ともに一枚のシート13に多数展開された状態で配置・搬送される(例えば、図4(a)を参照)。搬送されるシート13には、通常、展開されたシート部材2,2の領域の以外に図示しない余分な領域(耳部とも呼ぶ。)が設けられており、これらの耳部を図示しないスリッターにて切除する(工程S14)。
(製袋工程S2)
図3は、包装体1への製袋工程S2における主要な工程S21〜S29を示したフローチャートである。なお、後述する各工程S21〜S29では、基本的に、図示しないローラー等を駆動させることによって、搬送シート13を搬送させる流れ作業によって実行される。従って、大半の工程では、搬送シート13に適度な張力や適度な揺動を付与しながら、搬送シート13を上流側工程から下流側工程に搬送させていくことが好ましい。
(半折工程S21)
図4(a)に示すように、一枚の搬送シート13に展開されたシート部材2,2を展開線UFにて切断・分離して折り重ねる(半折工程S21)。
(圧力解放用切れ込み部の完全切断工程S22)
次に、図4(b)に示すように、半折されたシート部材2のヒートシール予定領域11Fの一部に、少なくとも変曲点が形成された湾曲線(又は少なくとも変曲点が形成された直線)を有しかつ閉空間を形成しない切れ込み部12を、シート部材2の外表面から内表面までの厚さ方向の全てに亘って設ける。すなわち、シール部材2を厚み方向に貫通した切れ込み部12を形成する(完全切断工程S22)。
(刃物による機械的手段の使用)
なお、完全切断工程S22では、切れ込み部12がV字、U字(図1(a)参照)、W字、又はコ字の文字形状を成し、該文字形状の開口部が包装体1(つまり、食品収容空間10)の中心から外側に向くように形成されることが好ましい。また、完全切断工程S22では、刃物14(図4(b)参照)等の機械的手段で搬送シート13の所望領域11Fを打ち抜くこと等により、切れ込み部12が形成されることが好ましい。
(第1熱溶着工程S23)
ヒートシール予定領域11Fに切れ込み部12が形成された半折されたシート部材2は、その後、包装体1を形作るため所望箇所11A(例えば、図4(c)に示す底辺の直線部分)が、加熱されたシール板(図示せず)に押し付けられることで、熱溶着(ヒートシール)される(第1熱溶着工程S23)。
(第1冷却工程S24)
そして、第1熱溶着工程S23でヒートシールされた部分11Aを、図4(c)に示すように、大きな熱容量を有した金属板15に接触(挟持)させることで、当該部分11Aの冷却を行う(第1冷却工程S24)。
(第2熱溶着工程S25)
第1熱溶着工程S23の一工程だけでは、所望箇所の全てに熱溶着させることが通常、不可能であるため、残りの所望箇所(例えば、シート部材2左右の両側縁部分11B,11B)が、加熱されたシール板(図示せず)に押し付けられることで、熱溶着(ヒートシール)される(第2熱溶着工程S25)。なお、熱溶着の効果を高めるために、本工程S25を数回繰り返しても良い。
この第2熱溶着工程S25の実行する際には、各シート部材2の対向するシーラント層3,3同士が熱溶着されるだけでなく、前述の切れ込み部(圧力解放部)12を区画するシーラント層3,3の両側壁(図1(b)のシーラント層3内に描かれた破線で囲まれた領域)が再度熱溶着されることが好ましい(切れ込み部12の一部分12Rの部分再結合工程S25A)。なお、底辺部分に切れ込み部12が形成されていた場合には、第1熱溶着工程S23が実行される際に、切れ込み部12の一部において部分再結合S25Aが行われる。
本実施例における第2熱溶着工程S25では、シート部材2の周縁部11Bと該周縁部から食材収容空間10へ一部突出した突出領域11Cに、シート部材2,2のシーラント層3,3同士を熱溶着することが好ましい。さらに好ましくは、完全切断工程S22では、ヒートシール予定領域11Fが突出領域11C(図4(c)を参照)を含み、該突出領域11Cに、切れ込み部12が形成されるようにシート部材2を刃物14等で切断することが好ましい。
(第2冷却工程S26)
第2熱溶着工程S25でヒートシールされた部分11B,11Bを、大きな熱容量を有した金属板16に接触(挟持)させることで、加熱された当該部分11B,11Bの冷却を行う(第2冷却工程S26)。これまでの工程を終えると、一枚の長尺の搬送シート13上に、三方の周縁部分11A,11B,11Bがヒートシールされた包装体1が連続して形成されるようになる。
(ノッチ加工S27)
必要に応じ、図4(e)及び(f)に示すように、シート部材2左右の両側縁部分11B,11Bにノッチ加工を施し、開封用ノッチ17が形成されるようにしてもよい。
(シャー加工S28)
さらに、一枚の長尺シート13に形成された隣接するシート部材2,2の境界部分(図4(e)の一点鎖線で示した分断線SL)を、ギロチン状又は鋏状の刃物(図示せず)で剪断力を付与することで、図4(f)に示すように、境界部分SLに沿って切断する(シャー加工S28)。これにより、一枚の長尺の搬送シート13から、個々の包装体1を分離して取得することができる。なお、必要に応じて、包装体1の隅部をR形状の角部18になるように打ち抜き加工を施しても良い(角Rカット加工S29)。
なお、包装体1が図示しない自立式(スタンド式)である場合は、椀状に広がる底辺部分を形成するため、上記工程S21〜S29の他に、シート部材2,2の各底辺部分11A,11Aの間に、別個の図示しないフィルムを挿入して熱溶着したり、底辺部分11A,11Aへの挿入前にフィルムの一部に図示しない穴を打ち抜いたり追加加工を施すことが好ましい。
(撮像された包装体断面構造)
上述の製造方法に準じて、本発明の包装体1を製造した(実施例3)。実施例3では、第1基材層6に2軸延伸ナイロンを用い、第2基材層9に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートを用いた。また、シーラント層3として、無延伸ポリプロピレンを用いた。図5(a)は、実施例3の包装体1の断面構造を撮影した画像を示す。
なお、比較対象となるサンプルも作製した(比較例)。比較例の包装体は、実施例3の製造工程の大半が同じであるが、切れ込み部12の形成の仕方のみが異なる。実施例3では、完全切断工程S22の実施により、一旦、シート部材2の厚み方向に完全に貫通するように(シーラント層3にも)切れ込み部12を形成し、その後、第2熱溶着工程S25により、シーラント層3だけを再結合して再結合部12R(図1(b)参照)を形成することを特徴とする。これに対し、比較例の包装体は、従来の技術のように、レーザー加工により、基材層5部分のみを除去した(吹き飛ばした)ものである。図5(b)は、比較例の包装体の断面構造を撮影した画像を示す。
この図5(a)に示すように、(1)実施例3の包装体1が、上下にほぼ同一線上に刻設された切れ込み部12を有していること、(2)各切れ込み部12は、基材層5の全ての層6〜9とシーラント層3を同一線上で分断したが、熱溶着の結果、シーラント層3部分のみが再結合していることが判る。また、分断位置のシーラント層3の一部が微視的には完全には再結合されておらず(但し、食材収容空間10は完全に密封されている。)、再結合されずに残った分かれ目が、基材層5の分断領域12と繋がって形成されていることも判る。
一方の比較例を示す図5(b)では、レーザー加工によりレーザー照射された基材層5の分断部分は、実施例3に比べ広範に除去されているが、その除去量に応じた分だけ、両側部分が分厚くなっていることが判る。また、通常のレーザー加工機械設備を利用するのであれば、片方のシート部材2側にのみ比較例の切れ込み部を形成可能である。なぜならば、製袋工程S2が終了した後の包装体1(三方袋)の片面側にのみ加工を施すことが通常だからである。
なお、製袋工程S2前又は該工程S2中に、従来のレーザー加工を用いて本発明の切れ込み部12を形成しようとした場合、半折工程S21前でシート部材2が左右に展開した状態でレーザー加工を行うことが考えられるが、シート部材2,2の夫々の側にレーザー照射による切れ込み部を形成し、その後、半折工程S21で各シート部材2,2を展開線UFで切断して重ね合せても、対応する上下の切れ込み部(レーザー加工穴)12,12の位置が精度よく合致しない危険性がある。
しかしながら、本発明では、半折工程S21と第2熱溶着工程S25との合間に、重ね合された両シート部材2,2を、刃物14を備えた機械的切断手段により、同じ加工位置にて、一旦、厚み方向に完全なシート部材2,2の切断を行う(完全切断工程S22)。ここで、上下のシート部材2,2(つまり、上下のシーラント層3,3)も同じ位置で一度完全に分断されるが、第2熱溶着工程S25において、これらのシーラント層3,3の上下の分断部分12Rのみの再結合が行われる。ただ、微視的には、再結合された分断部分12Rにおいては、食品収容空間10の密封状態を保持しつつも、分断の一部が、目には見えないが、完全に修復されずに分断の痕跡が残るものと本発明者は考える。従って、内圧が高まると、最初に必ず、分断修復部分12Rから亀裂が入って水蒸気を逃がすことができるようになるものと考える。
(包装体の開封性能試験)
実施例3の包装体1と比較例の包装体とを用いて、食材(ここでは、単に水)を完全に内封した。その後、電子レンジを用いて、夫々の包装体内の水を加熱した。
(比較例の試験結果)
比較例では、図6(a)に示すように、レーザー照射された切れ込み部分では思うように破断せず、上方のシール部分(トップシール部分)の一部が破袋してしまった。なお、試験後に比較例のヒートシールされた突出領域を剥がしてみたが、レーザー加工により形成された切れ込み部分からの開封は確認できなかった(図6(b)参照)。この結果により、当該切れ込み部分が、常に、水蒸気の逃げ道になるかどうかが疑問である。
(実施例の試験結果)
これに対して、実施例3の包装体1を加熱してみると、内圧の上昇により、シーラント層3の再結合部分12R(分断修復部分)から最初に亀裂が確実に入り、トップシール等の望ましくない他の部分からの破袋は確認されなかった(図7(a)及び(b)を参照)。従って、該再結合部分12Rが水蒸気の逃げ道として十分に機能していることが判る。
本発明の製造方法により製造された電子レンジ加熱用包装体によれば、上述したように、上記構成の切れ込み部(圧力解放部)を有するため、レンジ調理で発生する高温・高圧の水蒸気を自動的かつ安全・確実に解放することができる。
また、本発明の圧力解放部は、従来の貫通孔等によって形成されること無いため、製品の製造時や運搬時に不用意な引っ掛かりや異物混入の原因となることは無い。
このような顕著な作用効果を発揮する本発明の包装体の製造方法は、当業界や市場には見当たらず、産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常に高い。
1 電子レンジ加熱用包装体
2 シート部材(積層フィルム)
3 シーラント層
4 接着層
5 基材層
6 第1基材層
7 接着層
8 印刷層
9 第2基材層
10 食品収容空間
11 ヒートシール領域
11A,11B 周縁部(底辺部及び側縁部)でのヒートシール領域
11C 突出領域
11F ヒートシール予定領域
12 圧力解放用の切れ込み部(圧力解放部)
12R 切れ込み部の部分再結合領域
13 製造時の搬送される搬送シート
14 機械的切断手段の刃物
15,16 熱溶着部を冷却するための金属板
17 ノッチ
18 角R部
A,B,C1,C2 本発明の包装体の断面構造を説明するために分類した領域
SL 分断線
UF 展開線

Claims (4)

  1. 複数のシート部材を備えた電子レンジ加熱用包装体の製造方法であって、
    前記シート部材は夫々、シーラント層と、該シーラント層の厚さ方向外側に積層された基材層と、前記シーラント層と前記基材層とを接続する接着層とを少なくとも備え、かつ、
    搬送シートを半折して前記シート部材を厚さ方向に重ね合わせる半折工程と、
    重ね合わされた前記シート部材のヒートシール予定領域の一部に、少なくとも変曲点が形成された湾曲線又は直線を有しかつ閉空間を形成しない切れ込み部を、前記シート部材の外表面から内表面までの厚さ方向に亘って設ける完全切断工程と、
    前記包装体に食材収容空間が形成されるように前記シート部材の前記シーラント層同士を部分的に熱溶着し、ヒートシール領域を形成する熱溶着工程と、
    前記熱溶着工程では、前記完全切断工程で各シート部材に形成された前記切れ込み部のうち、前記シーラント層の分断領域を再度結合する部分再結合工程と、
    を含むことを特徴とする電子レンジ加熱用包装体の製造方法。
  2. 前記完全切断工程では、前記切れ込み部がV字、U字、W字、又はコ字の文字形状を成し、該文字形状の開口部が前記包装体の中心から外側に向くように形成されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記完全切断工程では、刃物による機械的手段により前記切れ込み部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記熱溶着工程では、前記シート部材の周縁と該周縁の一部から前記食材収容空間へ突出した突出領域に沿って前記ヒートシール領域が形成されるように前記シート部材の前記シーラント層同士を溶着し、かつ、
    前記完全切断工程では、前記突出領域に前記切れ込み部が形成されるように前記シート部材を切断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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