JP5977485B2 - 紙容器の製造方法及び紙容器 - Google Patents

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Description

この発明は紙容器の製造方法及び紙容器に関し、特に液体や食品を収容する紙容器の製造方法及び紙容器に関するものである。
図8は、従来の紙容器の外観形状を示した斜視図であり、図9は、図8に示した紙容器を製造するための紙材料の平面図であり、図10は、図9に示したX−Xラインの拡大断面図であり、図11は、側板原紙を筒状に丸めた状態の外観形状を示した平面図であり、図12は、側板原紙の溶着工程を示した図であって、図11で示した“X”部分の拡大模式図である。
これらの図を参照して、紙容器70は、紙製のシート体84の両面にポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる耐水性及び熱溶融性の第1フィルム81及び第2フィルム82をラミネートしたものからなる原紙を扇形に打抜いた側板原紙71と、円形に打抜いた底板原紙72とから成形される。尚、側板原紙71は対向する側縁74a及び74bを有する。
紙容器70の成形に当たっては、まず、側板原紙71を第1フィルム81の側を内側にして筒状に丸め、側縁74aが筒の内面側に、側縁74bが筒の外面側になるように側縁74aと側縁74bとを重ね合わせる。次に、重ね合わせ部分に一対の熱板90a及び90bで熱を押圧状態で加え、同素材の側縁74aの第2フィルム82と側縁74bの第1フィルム81とを熱溶着させて、側縁74aと側縁74bとを一体化させ、側板原紙71を筒形状にする。最後に、筒形状の側板原紙71の開口の一方を外縁を折り曲げた底板原紙72で塞ぎ、紙容器70の形成工程を終了する。
しかし、このように形成された紙容器70は、内面側に露出する側縁74aの端部75が第1フィルム81又は第2フィルム82に覆われていないため、紙容器70に収容した液体や、食品から発生する水分や油分等が、図の二点鎖線の矢印で示すように端部75からシート体84に侵入するという、品質上の問題があった。
そこで、紙容器70の内面側に露出する端部75の処理方法として、以下のような方法が提案されている。
図13は、従来の紙容器の製造方法において、側縁の一方に段部が形成された状態を示した拡大模式図であり、図14は、図13で示した段部を折り返した状態を示した拡大模式図であり、図15は、図14で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。
これらの図のうち、まず、図13を参照して、一方の側縁74aの紙容器の外面側を端部75に沿って除去し、側板原紙の厚さHの半分の厚さH/2及び幅Lを有する段部77を形成する。この段部77の一部には、食品用容器に使用することが可能な接着剤80を塗布する。
次に、図13及び図14を参照して、段部77の端部75の側の一部を紙容器の外面側に折り返し、段部77の残り部分に重ね合わせて接着剤80を介して一体化する。
最後に、図15を参照して、まず、折り返し部分79を含む側縁74aと側縁74bとを重ね合わせる。次に、重ね合わせ部分に一対の熱板90a及び90bで熱を押圧状態で加え、折り返し部分79の第1フィルム81及び側縁74aの第2フィルム82と側縁74bの第1フィルム81とを熱溶着させて、側縁74aと側縁74bとを一体化させる。
このようにすると、シート体84が端部75も含め第1フィルム81又は第2フィルム82に完全に覆われるため、図の二点鎖線の矢印で示すように、紙容器に収容した液体や、食品から発生する水分や油分等がシート体84に侵入せず、紙容器の品質が向上する。
ところで、近年、耐水性と耐ガス性といった異なる性質を合わせ持たせるために、内面側と外面側とに異なる性質のフィルムをそれぞれ形成した紙容器が提案されているが、そのような紙容器に上述した端部処理を行うと、以下のような問題が生ずる。
図16は、異素材フィルムが形成された側板原紙の、従来の紙容器の製造方法による溶着工程を示した拡大模式図であって、図15に対応する図であり、図17は、図16で示した側板原紙の折り返し部分の剥離状態を示した拡大模式図である。
これらの図のうち、まず、図16を参照して、第2フィルム82が、第1フィルム81と異なる素材の、耐ガス性を有するポリエチレン(PE)よりなるものに置き換わっている。尚、他の構成要素は、図15に示したものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
この状態で、折り返し部分79を含む側縁74aと側縁74bとを重ね合わせた部分に熱を加えると、同素材の第1フィルム81同士は熱溶着されるが、素材の異なる第1フィルム81と第2フィルム82とは“A”部分において十分に熱溶着されない。したがって、側縁74aと側縁74bとが十分に一体化されていない部分が生じる。
すると、図17の矢印に示すように、側縁74bに紙容器の外面側に向かう外力が掛かった場合、“A”部分及び折り返し部分79は接着状態を維持できず、剥離する。尚、折り返し部分79を接着する接着剤は、上述したように、紙容器の用途上、食品用容器に使用できるものでなければならないため、接着力の強い他の素材の接着剤に置き換えることはできない。
上記のように従来の紙容器の製造方法では、接着剤を中心とした側縁同士の一体化を図るため、強度的に十分とは言えない。特に、紙容器の内面側と外面側とに異なる素材のフィルムを形成すると、一方の側縁と他方の側縁との一体化状態が不安定であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、一体化状態が安定し、紙容器の品質が向上する紙容器の製造方法及び紙容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紙容器の製造方法であって、紙製のシート体の少なくとも一方面に耐水性及び熱溶融性を有する第1フィルムが形成されると共に対向する側縁を有する側板原紙を準備する工程と、側縁の一方を端部に沿って側板原紙の他方面から除去し、第1厚さ及び第1幅を有する第1段部と第1段部に隣接し、第1厚さの2倍であり且つシート体の厚さ及び第1フィルムの厚さを合わせた厚さよりも薄い第2厚さ及び第2幅を有する第2段部とを形成する工程と、第1段部の端部側の一部を他方面側に折り返し、第1段部の残り部分に重ね合わせて一体化する工程と、側板原紙を一方面側に丸めて側縁の他方を第2段部に重ね合わせ、第1フィルムを熱溶着させて側縁の一方に一体化させる工程とを備えたものである。
このように構成すると、側縁の他方のフィルムが側縁の一方の第2段部に熱溶着すると共に側縁同士の接合部分の段差が小さくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1幅は、第2幅の2倍に設定されるものである。
このように構成すると、第1フィルムが第1フィルムに熱溶着する長さと紙に熱溶着する長さとがほぼ等しくなる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、側板原紙の他方面には、第1フィルムと異なった第2フィルムが形成されるものである。
このように構成すると、第1フィルムと第2フィルムとは接しない。
請求項4記載の発明は、対向する一方側縁と他方側縁とを有する側板原紙の一方面を内方側として筒状に丸められており、一方側縁を内側に他方端縁を外側にして重ね合わせられて一体化された重ね部を有する紙容器であって、側板原紙は、紙製のシート体と、シート体の内方側の全面と、シート体の一方側縁の端部と、シート体の一方側縁の外面であって重ね部の一部とを連続的に覆うように形成された耐水性及び熱溶融性を有する第1フィルムとを少なくとも備え、重ね部において、他方側縁に形成された第1フィルムの部分は、一方側縁の外面に形成された第1フィルムの部分及びシート体の外面部分に熱溶着された熱溶着部を有しており、シート体の一方側縁は、第1フィルムが形成されている重ね部の一部において、一方側縁の端部側に形成された第1厚さ及び第1幅を有する第1段部の端部側の一部をシート体の第1段部の残り部分の外方側に重ね合わせて一体化された折り返し部分と、シート体の外面部分に相当する重ね部の一部において、折り返し部分に隣接し、第1厚さの2倍であり且つシート体の厚さ及び第1フィルムの厚さを合わせた厚さよりも薄い第2厚さ及び第2幅を有する第2段部とを備えるものである。
このように構成すると、重ね部において、第1フィルムの部分は第1フィルム他の部分及びシート体の一部に熱溶着される。又、重ね部の段差が小さくなる。更に、シート体の一方側縁において、第1フィルムが形成されている重ね部の一部では第1フィルムが形成され、シート体の外面部分に相当する重ね部の一部には第1フィルムが形成されていない構造が得られる。
請求項記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、側板原紙は、重ね部を除きシート体の外方側の全面に形成された、第1フィルムと異なった第2フィルムを更に備えたものである。
このように構成すると、第2フィルムの存在は重ね部の一体化状態に影響しない
以上説明したように、請求項1記載の発明は、側縁の他方のフィルムが側縁の一方の第2段部に熱溶着すると共に側縁同士の接合部分の段差が小さくなるので、一体化状態が安定し、紙容器の品質が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1フィルムが第1フィルムに熱溶着する長さと紙に熱溶着する長さとがほぼ等しくなるので、一体化状態が安定する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、第1フィルムと第2フィルムとは接しないので、商品の品質が向上すると共に第2フィルムは一体化状態に影響しない。
請求項4記載の発明は、重ね部において、第1フィルムの部分は第1フィルム他の部分及びシート体の一部に熱溶着されるため、重ね部における一体化状態が向上する。又、重ね部の段差が小さくなるため、容器の品質が向上する。更に、シート体の一方側縁において、第1フィルムが形成されている重ね部の一部では第1フィルムが形成され、シート体の外面部分に相当する重ね部の一部には第1フィルムが形成されていない構造が得られるので、生産性が向上する。
請求項記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、第2フィルムの存在は重ね部の一体化状態に影響しないため、容器の品質がより向上する
この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造方法において、側縁の一方に段形成部が形成された状態を示した拡大模式図である。 図1で示した側縁の一方に第1段部及び第2段部が形成された状態を示した拡大模式図である。 図2で示した第1段部を折り返した状態を示した拡大模式図である。 図3で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。 この発明の第2の実施の形態による紙容器の製造方法において、側縁の一方に段部が形成され、熱溶融性フィルムが設置される状態を示した拡大模式図である。 図5で示した段部を折り返して溶着する状態を示した拡大模式図である。 図6で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。 従来の紙容器の外観形状を示した斜視図である。 図8に示した紙容器を製造するための紙材料の平面図である。 図9に示したX−Xラインの拡大断面図である。 側板原紙を筒状に丸めた状態の外観形状を示した平面図である。 側板原紙の溶着工程を示した図であって、図11で示した“X”部分の拡大模式図である。 従来の紙容器の製造方法において、側縁の一方に段部が形成された状態を示した拡大模式図である。 図13で示した段部を折り返した状態を示した拡大模式図である。 図14で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。 異素材フィルムが形成された側板原紙の、従来の紙容器の製造方法による溶着工程を示した拡大模式図であって、図15に対応する図である。 図16で示した側板原紙の折り返し部分の剥離状態を示した拡大模式図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造方法において、側縁の一方に段形成部が形成された状態を示した拡大模式図であり、図2は、図1で示した側縁の一方に第1段部及び第2段部が形成された状態を示した拡大模式図であり、図3は、図2で示した端部を折り返した状態を示した拡大模式図であり、図4は、図3で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。
これらの図を参照して、紙容器を製造するための紙材料の側板原紙11は、目付170〜500g/m、厚さ0.2〜0.5mmの紙製のシート体24の一方面にPETよりなる厚さ30μmの第1フィルム21が、他方面にPEよりなる厚さ30μmの第2フィルム22がそれぞれ押出ラミネートにより形成された原紙を、図9の従来例で示したように扇形に打抜いたものからなる。尚、側板原紙11は対向する側縁14a及び14bを有する。紙容器の成形の際には、側板原紙11を第1フィルム21の側を内側にして筒状に丸め、側縁14a及び側縁14bを一体化させて、筒形状にする。
側板原紙を筒形状にするに当たっては、まず、図1を参照して、側縁14aの紙容器の外面側の一部を端部15に沿って切削して除去し、側板原紙の厚さHの2/3の厚さ2H/3及び幅Lを有する段形成部16を形成する。尚、幅Lはここでは12mmとする。
次に、図1及び図2を参照して、段形成部16の紙容器の外面側を端部15に沿って更に切削して除去し、厚さH/3及び幅2L/3を有する第1段部17を形成し、第1段部17の一部に接着剤20を塗布する。尚、段形成部16の残りの部分が第2段部18となる。このように第1段部17及び第2段部18の寸法を設定したことによる効果は後述する。尚、便宜上、第1段部17の厚さH/3を第1厚さと、第2段部18の厚さ2H/3を第2厚さと、第1段部17の幅2L/3を第1幅と、第2段部18の幅L/3を第2幅とする。
次に、図2及び図3を参照して、第1段部17の端部15の側の一部を紙容器の外面側に折り返し、第1段部17の残り部分に重ね合わせて接着剤20を介して一体化する。
尚、図2で示したように、第1幅は第2幅の2倍に設定されていることから、折り返し部分19の幅Wは第2幅にほぼ等しくなる。このように構成されていることによる効果は後述する。又、第1厚みは第2厚みの1/2に設定されていることから、折り返し部分19の厚みは第2厚みにほぼ等しくなる。このように構成されていることによる効果も後述する。尚、折り返し部分19の幅は約4mm、第2幅は4mmとなり、これらの幅の合計は約8mmとなる。
最後に、図4を参照して、側縁14aと側縁14bとの一体化においては、まず、側縁14bを側縁14aの折り返し部分19及び第2段部18に重ね合わせる。すると、上述したように、折り返し部分19の厚みと第2厚みとはほぼ等しいから、折り返し部分19の第1フィルム21及び第2段部18の表面とは、ほぼ面一の状態で側縁14bの第1フィルム21と接する。この状態で折り返し部分19及び第2段部18と側縁14bとが重なり合う部分に一対の熱板90a及び90bによって押圧しながら熱を加えると、側縁14bの第1フィルム21は、同素材のフィルムである折り返し部分19の第1フィルム21及び紙製の第2段部18のいずれとも熱溶着されるので、側縁14aと側縁14bとが完全に一体化する。
このようにすると、側縁14bの第1フィルム21が側縁14aの第2段部18に熱溶着すると共に側縁14aと側縁14b同士の接合部分の段差である“B”部分が図16の従来例に比べて小さくなるので、一体化状態が安定し、紙容器の品質が向上する。又、図3で示したように、折り返し部分19の幅Wは第2幅にほぼ等しいから、側縁14bの第1フィルム21が側縁14aの第1フィルム21に熱溶着する長さと、第2段部18に熱溶着する長さとがほぼ等しくなり、一体化状態が安定する。更に、第1フィルム21と第2フィルム22とは接しないため、商品の品質が向上すると共に第2フィルム22の存在が一体化状態に影響しない。
図5は、この発明の第2の実施の形態による紙容器の製造方法において、側縁の一方に段部が形成され、熱溶融性フィルムが設置される状態を示した拡大模式図であり、図6は、図5で示した段部を折り返して溶着する状態を示した拡大模式図であり、図7は、図6で示した側縁の一方を含む側板原紙の溶着工程を示した拡大模式図である。
これらの図を参照して、紙容器を製造するための紙材料の側板原紙11は、目付170〜500g/m、厚さ0.3〜0.4mmの紙製のシート体24の一方面にPETよりなる厚さ30μmの第1フィルム21が、多方面にPEよりなる厚さ30μmの第2フィルム22がそれぞれ押出ラミネートにより形成された原紙を、図9の従来例で示したように扇形に打抜いたものからなる。尚、側板原紙11は対向する側縁14a及び14bを有する。紙容器の成形の際には、側板原紙11を第1フィルム21の側を内側にして筒状に丸め、側縁14a及び側縁14bを一体化させて、筒形状にする。
側板原紙を筒形状にするに当たっては、まず、図5を参照して、側縁14aの紙容器の外面側の一部を端部35に沿って切削して除去し、側板原紙の厚さHの1/2の厚さH/2及び幅Lを有する段部37を形成する。尚、幅Lはここでは16mmとする。次に、段部37に厚さ20μmのPE、又は厚さ30μmのPETよりなる熱溶融性フィルム40を設置する。ここで、熱溶融性フィルム40は、後述する段部37の折り返し時に、端部35も覆うことができるように配置するが、このように構成することによる効果は後述する。
次に、図6を参照して、段部37の端部35の側の一部を紙容器の外面側に折り返し、段部37の残り部分に熱溶融性フィルム40を挟んだ状態で重ね合わせ、一対の熱板50a及び50bで押圧すると共に熱を加えて熱溶融性フィルム40を熱溶着させて、段部37を一体化する。ここで、上述したように幅Lは16mmであるから、折り返し部分39の幅はその1/2の約8mmとなる。
このように構成すると、紙製の段部37の折り返し部分39が熱溶融性フィルム40の熱溶着で一体化するので、折り返し部分39の一体化状態が安定し、紙容器の品質が向上する。
又、上述したように、熱溶融性フィルム40は、折り返し部分39の端部35も覆うことができるように配置されているので、段部37の折り返し部分39の全ての面が内部で一体化し、折り返し部分39の一体化状態がより安定する。
最後に、図7を参照して、側縁14aと側縁14bとの一体化においては、まず、側縁14bを、側縁14bの端部45が折り返し部分39の端部35に整列するように折り返し部分39に重ね合わせる。次に、重ね合わせ部分に一対の熱板90a及び90bによって押圧しながら熱を加え、同素材である折り返し部分39の第1フィルム21と側縁14bの第1フィルム21とを熱溶着させて、側縁14aと側縁14bとを一体化させる。
このようにすると、第1フィルム21は第2フィルム22に接しないため、側縁14aと側縁14bとが十分に一体化されていない部分は生じない。又、折り返し部分39は熱溶融性フィルム40との熱溶着により、側縁14aと側縁14bとは各々の第1フィルム21同士の熱溶着により、各々十分に一体化しているため、側縁14aと側縁14bとの接合不良が生じない。
尚、上記の各実施の形態では、側板原紙の一方面に第1フィルムが、他方面に第2フィルムがそれぞれ形成されていたが、少なくとも一方面に耐水性及び熱溶融性フィルムが形成されていればよい。
又、上記の各実施の形態では、第1フィルムが特定の厚みのPETよりなるフィルムであったが、耐水性及び熱溶融性フィルムであれば、素材や厚みの異なるフィルムであってもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第2フィルムが特定の厚みのPEよりなるフィルムであったが、発泡PE、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)等、素材が異なるフィルムや、厚みが異なるフィルムであってもよい。
更に、上記の各実施の形態では、側板原紙は1枚の紙製のシート体であったが、アルミニウム箔との貼り合せとした、2層又は3層以上の構造のシート体であってもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第1フィルム及び第2フィルムは押出ラミネートにより形成されていたが、ドライラミネート等、他の方法によって形成されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第1フィルムと第2フィルムとは異素材であったが、同素材であってもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、第1厚さ及び第2厚さの寸法が特定寸法に設定されていたが、第2厚さが第1厚さの2倍に設定されていれば、異なる寸法に設定されてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、第1幅及び第2幅の寸法が特定寸法に設定されていたが、異なる寸法に設定されてもよく、第1幅は第2幅の2倍以外の寸法に設定されてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、側縁の他方が段部の折り返し部分の端部に整列するように折り返し部分に重ね合わされていたが、折り返し部分の外面にのみ重ね合わされていればよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、熱溶融性フィルムが折り返し部分の端部も覆うように配置されていたが、少なくとも折り返し部分に挟まれるように配置されていればよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、熱溶融性フィルムは特定の厚みのPETよりなるフィルム又はPEよりなるフィルムであったが、熱溶融性を有するものであれば他の素材よりなるフィルムであってもよい。又、第2フィルムと同素材のフィルムであれば、第2フィルムと熱溶融性フィルムとが熱溶着するので、折り返し部分の一体化状態が更に安定して良い。
更に、上記の第2の実施の形態では、段部の幅の寸法が特定寸法に設定されていたが、異なる寸法に設定されてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、段形成部を形成した後、第1段部及び第2段部が形成されたが、第1段部から形成する等、他の形成方法により形成してもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第1段部、第2段部、段部の各々は、紙容器の外面側の一部を切削して除去し、形成されていたが、第2フィルムの該当箇所を除去した状態で端部を圧縮加工して、所望の段部形状としてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、紙容器の外面側は無地であったが、外面に模様等の印刷を施した後に第2フィルムを形成したり、内面側に模様等が印刷されたフィルムを第2フィルムとして形成したりすることで、紙容器の外面側に模様等を付したものにしてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、第1段部の表面は、側板原紙の一方面及び他方面に対し平行になるように形成されていたが、端部に向かってテーパーをつけた傾斜面になるように形成されていてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、段部の表面は、側板原紙の一方面及び他方面に対し平行になるように形成されていたが、端部に向かってテーパーをつけた傾斜面になるように形成されていてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、熱板による熱溶着を行っていたが、超音波を用いた熱溶着を行ってもよい。
11…側板原紙
14a、14b…側縁
15…端部
17…第1段部
18…第2段部
21…第1フィルム
22…第2フィルム
35…端部
37…段部
39…折り返し部分
40…熱溶融性フィルム
45…端部
70…紙容器
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. 紙容器の製造方法であって、
    紙製のシート体の少なくとも一方面に耐水性及び熱溶融性を有する第1フィルムが形成されると共に対向する側縁を有する側板原紙を準備する工程と、
    前記側縁の一方を端部に沿って前記側板原紙の他方面から除去し、第1厚さ及び第1幅を有する第1段部と前記第1段部に隣接し、前記第1厚さの2倍であり且つ前記シート体の厚さ及び前記第1フィルムの厚さを合わせた厚さよりも薄い第2厚さ及び第2幅を有する第2段部とを形成する工程と、
    前記第1段部の前記端部側の一部を前記他方面側に折り返し、前記第1段部の残り部分に重ね合わせて一体化する工程と、
    前記側板原紙を前記一方面側に丸めて前記側縁の他方を前記第2段部に重ね合わせ、前記第1フィルムを熱溶着させて前記側縁の前記一方に一体化させる工程とを備えた、紙容器の製造方法。
  2. 前記第1幅は、前記第2幅の2倍に設定される、請求項1記載の紙容器の製造方法。
  3. 前記側板原紙の他方面には、前記第1フィルムと異なった第2フィルムが形成される、請求項1又は請求項2記載の紙容器の製造方法。
  4. 対向する一方側縁と他方側縁とを有する側板原紙の一方面を内方側として筒状に丸められており、前記一方側縁を内側に前記他方端縁を外側にして重ね合わせられて一体化された重ね部を有する紙容器であって、
    前記側板原紙は、
    紙製のシート体と、
    前記シート体の前記内方側の全面と、前記シート体の前記一方側縁の端部と、前記シート体の前記一方側縁の外面であって前記重ね部の一部とを連続的に覆うように形成された耐水性及び熱溶融性を有する第1フィルムとを少なくとも備え、
    前記重ね部において、前記他方側縁に形成された前記第1フィルムの部分は、前記一方側縁の外面に形成された前記第1フィルムの部分及び前記シート体の外面部分に熱溶着された熱溶着部を有しており、
    前記シート体の前記一方側縁は、
    前記第1フィルムが形成されている前記重ね部の一部において、前記一方側縁の前記端部側に形成された第1厚さ及び第1幅を有する第1段部の前記端部側の一部を前記シート体の前記第1段部の残り部分の外方側に重ね合わせて一体化された折り返し部分と、
    前記シート体の外面部分に相当する前記重ね部の一部において、前記折り返し部分に隣接し、前記第1厚さの2倍であり且つ前記シート体の厚さ及び前記第1フィルムの厚さを合わせた厚さよりも薄い第2厚さ及び第2幅を有する第2段部とを備える、紙容器。
  5. 前記側板原紙は、前記重ね部を除き前記シート体の外方側の全面に形成された、前記第1フィルムと異なった第2フィルムを更に備えた、請求項4記載の紙容器。
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