JP5532739B2 - 紙カップ - Google Patents

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Description

本発明は、紙カップに関するものであり、特に蓋シール後中身が漏れにくいトップ形状の紙カップに関する。
ジュース等の飲料を充填し、上部の開口部を蓋材で密封して使用するカップ状紙容器は、紙を基材とし、両面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層を設けた積層材料を所定の形状としたブランクを、胴部に接合部を設けて成形した紙カップが一般的であった。
また、バリア性を必要とする場合、前記胴部に用いる積層材料として、アルミニウム箔や金属酸化物蒸着層を有するプラスチックフィルム等のバリア層を含む積層シートを用いることが広く行われてきた。
たとえば、表側から、ポリエチレン/紙基材/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレンの構成やポリエチレン/紙基材/ポリエチレン/金属酸化物蒸着層を有するプラスチックフィルム/ポリエチレンの構成の材料を用いて紙カップを成形していた。
そして、紙カップの接合部のバリア性を確保するため、例えば、カップ状紙容器の胴部を構成する胴部材の接合部の内側は、先端から所定の長さだけ、積層シートの厚みの半分を削除(スカイブ)し、削り取った残りの半分を削除面が内側になるように折り返し(ヘミング)、紙基材の端面が露出しないようにして保護を行っている(スカイブヘミング加工)。
しかしながら、上述の紙基材の端面に、スカイブヘミング加工を行うためには、あらかじめ打ち抜いたブランクをカップ状紙容器に成形する前に、前記ブランクの側端縁を、特別の機械を用いてスカイブヘミング加工をする必要がある。そのため複雑な加工工程を経ねばならず、また、紙を削除することによる紙粉発生があり、その改善が要望されていた。
スカイブヘミング加工を行わずに紙基材端面のバリア性に優れたカップ状紙容器を作製する方法として、紙基材の端面がプラスチックフィルムで覆われたブランクを用い、カップ状紙容器を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この紙基材の端面をプラスチックフィルムで保護したバリア性を有するカップ状紙容器においては、胴部貼り合わせ部の内側の端縁は、全体にわたって熱可塑性樹脂層が紙基材から延出して作製されている。さらに、カップ状紙容器は、開口部に胴部材の上端縁部を1周以上巻き込んでフランジ部が形成されている。
このように、カップ状紙容器の開口部にフランジ部を設けることにより、外側から力が加わった場合でも、紙容器の変形を抑えることができるので飲料容器の飲み口として使い勝手のよい紙容器とすることが出来る。
のみならず、このフランジ部の上面に蓋材を重ねてシールすることができるので密封性の必要な用途のカップ状紙容器としては都合がよい。
また、前記蓋材を密封しやすくするため、前記胴部材の上端縁部を巻き込んで作成したフランジ部を上下方向から加圧し、扁平状態にすることが行われている。
この扁平状態にする手段は、通常の加熱加圧手段のほか、超音波手段を採用することも出来る。
開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成されたカップ状容器は、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部で基材の紙の厚みによる段差が生じる。
そのため、フランジ部の上面に蓋材を重ね、そのまま加熱シールした場合、前記段差部分では空隙の発生あるいは接着むらによって密封を確実に行うことができない場合があった。
特に、前記フランジ部が扁平状態の場合、基材の厚みによる段差の影響が大きかった。
密封を確実に行うために、前記フランジ部の上面の段差を埋めるため方法としては、別の樹脂等からなる充填部材を設け、段差を解消するために前記段差部の位置の密封シールを部分的に行なうなどの方法によらなければならなかった。
このように、フランジ部の上面に蓋材を重ねてシールする時に、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部は胴部貼り合せ部の紙基材が重なったままで上端縁部を巻き込んでしまうと、フランジ部に段差が出来て蓋材とのシールに空隙が生じることがある。また、カップ状容器としての仕上がりが悪く、外観的に不具合が生じてしまう等の問題がある。
この問題に対して特許文献3では、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されたブランクの、一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部、および上端縁を1周以上巻き込み、フランジ部を形成させた筒状の胴部材と、該胴部材の下部に底部材を一体化したカップ状紙容器において、前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を有し、かつ、樹脂部を設けない側端縁上部に切欠き部を設けることにより解決することが提案されている。
この方法においては胴部材の側端縁上部に切欠き部を設けることによって、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部で胴部材が重なったまま巻き込まれることがなく段差が少ないフランジ部が形成されて蓋材のシール時のシール部分の空隙間隔を少なくすることが可能である。
しかしながら、樹脂部を設けない胴部材の側端縁上部に切欠き部を設けることだけでは蓋材の接着に必要な樹脂の量が不足することがあるだけでなく、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部での胴部材端面の樹脂による封止も不完全になり易いという問題が残されていた。
特公昭58−43264号公報 特開2008−222245号公報 特開2008−222246号公報
以上の問題に鑑み、開口部に胴部材を巻き込んでフランジ部が形成されている紙カップ、特に、扁平状態のフランジ部が形成されている紙カップで、蓋材の密封が容易で、かつ、密封性が優れた紙カップを提供することが本発明の課題である。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも紙層と熱可塑性樹脂層からなるブランク用積層材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、円形状の底部材ブランクを周縁部を下向きに起立させて底部材とし、胴部材の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させ、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、フランジ部を形成させた紙カップであって、
胴部材ブランクの上方の隅部に紙層を切り欠いた切り欠き部を設け、熱可塑性樹脂層が切り欠き部を含め胴部紙層の端縁部より延設されており、熱可塑性樹脂層延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させた胴部材ブランクが形成され、
前記胴部貼り合せ部は、胴部貼り合せ部の内側紙層端縁、および外側紙層端縁の両方とも折り返し樹脂部で覆われている構造である事を特徴とする紙カップである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記胴部貼り合せ部は、胴部材ブランクの一方の端縁の折り返し樹脂部と、もう一方の端縁の折り返し樹脂部が付き合わせた状態になるように重ね合わせて形成されている事を特徴とする請求項1記載の紙カップ。
本発明の請求項3に係る発明は、熱可塑性樹脂層が、ガスバリア性層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の紙カップである。
本発明の請求項4に係る発明は、熱可塑性樹脂層延設部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の紙カップである。
本発明の請求項5に係る発明は、熱可塑性樹脂層延設部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材により形成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか1項に記載の紙カップである。
本発明の請求項6に係る発明は、フランジ部は上面が平坦状態であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の紙カップである。
本発明の請求項1に係る発明の紙カップによれば、少なくとも紙層と熱可塑性樹脂層からなるブランク用積層材料からなる胴部材ブランクの上方の隅部の紙層を切り欠いた切り欠き部に熱可塑性樹脂層を設けた胴部材ブランクを用いて作成したことにより、胴部材両端接合部の上方でフランジを形成するための巻き込みにおいて該接合部の紙層の重なりによる段差をなくすと同時にフランジ上方を熱可塑性樹脂による充填効果で平坦化し、蓋材のシール時に空隙が発生することを防止できる。
本発明の請求項2に係る発明の紙カップは、熱可塑性樹脂層が胴部紙層の端縁部より延設されており、その延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させることによって熱可塑性樹脂層で端面を被覆した胴部材ブランクを用いて胴部材の形成を行うので胴部紙層の端縁部からの内容物や水分の浸透を効果的に防止することが出来る。
このように、開口部に胴部材を巻き込んでフランジ部が形成されている紙カップ、特に、扁平状態のフランジ部が形成されている紙カップで、紙層の端縁部の保護とその上方のフランジ部分の蓋材との密着性の向上という効果を同時に実現することが出来る。これにより、蓋材の密封が容易で、かつ、密封性が優れた紙カップを提供することが可能となる。
本発明の請求項3に係る発明の紙カップは、胴部材ブランクを構成する熱可塑性樹脂層
が、ガスバリア性層を含むことによって、胴部材の内面側が保護され、ガスバリア性が確保されるので、内容物の保存性が優れた紙カップとすることが出来る。
また、熱可塑性樹脂層が胴部紙層の端縁部より延設されており、その延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させるので胴部貼り合わせ部の樹脂量が確保でき、胴部貼り合わせ部の段差が生じにくく、さらに、ガスバリア層を含む熱可塑性樹脂層の場合、ガスバリア層の端面が内部に露出しない紙カップとすることができる。
本発明の請求項4に係る発明の紙カップは、熱可塑性樹脂層延設部が、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成されているのでテープ貼り等の付加的な工程を必要とせず、特別な材料も使う必要がないので簡便に内容物の保存性が優れた紙カップが得られる。
本発明の請求項5に係る発明の紙カップは、熱可塑性樹脂層延設部が、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材により形成されているのでブランクに用いることの出来ない熱可塑性樹脂も必要に応じて用いることが出来て樹脂選択の幅が広がるという利点を有する。
本発明の請求項6に係る発明の紙カップによれば、フランジ部の上面の平坦状態が容易に実現できる、すなわち巻き込んだフランジ部上面を段差がなく平坦化することが出来、フランジ部上面に蓋材を重ねてそのままシールすることで空隙なしに密封することがより確実に可能となった。
紙カップの製造工程を示す説明図。 紙カップの製造に用いる胴部材ブランクの長窓を設ける第1打ち抜き工程(a)は平面説明図(b)は(a)のX−X’線断面説明図。 紙カップの製造に用いる胴部材ブランクの熱可塑性樹脂貼り合わせ工程(a)は平面説明図(b)は(a)のX−X’線断面説明図。 紙カップの製造に用いる樹脂部を有する胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜く第2打ち抜き工程(a)は平面説明図(b)は(a)のX−X’線断面説明図。 紙カップの製造に用いる樹脂部を紙層の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示し、(a)は平面説明図(b)は(a)のX−X’線断面説明図。 紙カップの胴部貼り合わせ部断面説明図 紙カップの胴部貼り合わせ部断面説明図 紙カップの製造に用いる胴部材ブランクの延設樹脂層の形状を示す平面説明図
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の紙カップは、例えば、少なくとも内側面に熱可塑性樹脂層(40)が設けられた紙層(1)を基材とする積層シート(3)から構成されている。
図1に本発明の紙カップの製造工程の概要を示した。
本発明の紙カップは、側端縁上部に切欠き部(31)を設けた胴部材ブランク(10)の一方の端縁(11)をもう一方の端縁(12)に重ね合わせて胴部貼り合わせ部(15)を形成させて略円筒形状とした胴部材(18)と、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材(20)とからなる。
そして、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させる。
さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて環状脚部(22)を形成させる。
一方、胴部材の上部周縁を外方に、1周以上巻き込み、フランジ部(16)を形成させた紙カップである。
なお、このような構造は、テーパー状の紙カップに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であっても同様である。
そして、図6に示すように、胴部材ブランク(10)は、一方の端縁(11)に、少なくとも内面側の熱可塑性樹脂層(40)が、紙層(1)の側端縁より外方に延出した延設樹脂部(4a)が形成されている。図6においては、内面側と同時に外面側の熱可塑性樹脂層(41)も同時に設けられた例を示した。
さらに、本発明の紙カップでは、一方の端縁(11)の上方の紙層(1)の部分に切り欠き(31)が設けられていることにより、延設樹脂部(4a)の切り欠き(31)の部分は紙層(1)のない熱可塑性樹脂を含む樹脂のみの層として形成される。
この延設樹脂部(4a)は、紙層(1)の端部から外方に延出しただけでなく、図6に示すように、紙層(1)の近傍で、紙層(1)の外面側に折り返した折り返し樹脂部(4b)の構成とすることが好ましい。
このように、折り返し樹脂部(4b)は、紙層(1)の外面側に折り返した構成とすることで、基材端部からの内容物の浸入を防止できるだけでなく、貼り合わせ部(15)における樹脂量が確保でき、胴部材両側端部の貼り合わせ部の密封性が良好となる。
のみならず、延設樹脂部(4a)の切り欠き(31)に形成される部分は紙層(1)のない樹脂のみの層の折り返し樹脂部(4b)となるために、胴部貼り合せ部(15)の上方のフランジ部(16)を巻き込みで形成する場合にフランジ部を接合するのに十分な樹脂量が確保できて、フランジ上面の平滑化も欠陥なしで行えるようになり、フランジ部(16)と蓋材(図示せず)との密封性も良好となる。
前記延設樹脂部(4a)は、紙層(1)の厚み以上、好ましくは、胴部材ブランク(10)の厚み以上の幅を有することが好ましい。
ここで、紙層(1)の側端縁より外方に延出した延設樹脂部(4a)について、胴部材ブランク(10)の一方の側端縁に設ける例について説明したが、図7のように両側端縁に設ける構成にしてもよい。このようにすると、貼り合せ部(15)の外側の紙層端面からの水分等の浸入も防止できてより効果的なバリアー性を付与することが出来る。
このような構造を有している本発明の紙カップは、胴部貼り合わせ部(15)の内側に位置する紙層の端面が、延設樹脂部(4a)または折り返し樹脂部(4b)で保護されているので、容器に充填された内容物が紙層端面から浸透することがない。
ここで、前記熱可塑性樹脂層(40)は、図6に示すように、紙層(1)の内面側だけでなく、外面側にも設けた構成としてもよい。このように、紙層の両面に熱可塑性樹脂層(40)(41)を設けることにより、基材端面に形成される延設樹脂部(4a)が、前記両面の熱可塑性樹脂層(40)、(41)が外縁で一体化された状態で形成される。
また、前記延設樹脂部(4a)は、紙層に設けた熱可塑性樹脂層で形成する以外に、別の部材、例えば、熱可塑性樹脂のテープを紙層の端部に設け、前述と同様に、外縁で一体
化した構成でもよい。
また、一方を紙層に設けた熱可塑性樹脂層を用い、他方を熱可塑性樹脂のテープとし、前述と同様外縁で一体化した延設樹脂部(4a)でもよい。
さらに、前記延設樹脂部(4a)は、胴部材ブランクの上方の隅部に紙層を切り欠いた切り欠き部に設けてあればフランジ部の密閉性の向上という目的を達成することが出来る。
さらに前述のように延設樹脂部(4a)が紙層の端縁から外方に延出した構成であれば胴部材両端縁の保護という目的も達成することが出来る。
図8は紙カップの製造に用いる胴部材ブランクの延設樹脂部の形状を示す平面説明図であり、図8(a)は図4(A)に示したブランクと同様に上方の隅部の紙層の切り欠き部(31)が矩形であり、延設樹脂部(4)が前記の矩形の切り欠き部のみに形成されている場合を示している。
図8(b)は図4(A)に示したブランクと同様に胴部材両側端縁(11)、(12)からの延設樹脂部(4)がある場合で上方の隅部の紙層の切り欠き部(31)が三角形の場合を示している。図8(c)はブランク上方の隅部の紙層の切り欠き部(31)が三角形で胴部材両側端縁(11)、(12)からの延設樹脂部(4)がない場合を示している。
これらの紙層の切り欠き部(31)の形状と胴部材両側端縁(11)、(12)からの延設樹脂部(4)の有無は必要とされるバリア性の程度と密封性の程度によって適宜選択することが出来る。
特に内容物による端部からの浸潤を防止するためには延出樹脂部を単に外方に延出した構成ではなく、図6に示したような、延出した延設樹脂部(4a)を、紙層の外面側に折り返した折り返し樹脂部(4b)の構成とすることが好ましい。
さらに外部からの水分等に対するバリア性を強化するためには図7に示したような、延出した延設樹脂部(4c)を、紙層の内面側に折り返した折り返し樹脂部(4d)の構成とすることも可能である。
このように、樹脂部を紙層の外面もしくは内面側に折り返した、折り返し樹脂部の構成とすることによって、胴部貼り合わせ部の段差が、前記折り返し樹脂部で埋まり、段差のない構成とすることができるうえ、前記折り返し樹脂部の端面が紙カップ内部もしくは外部に露出しない構成とすることができる。
図1に示すように、胴部材(18)は、片側端縁上部に紙層の切欠き部(31)を設けてその部分に熱可塑性樹脂の被膜が延設されている胴部材ブランク(10)を用いて、図6(c)に示すように、延設樹脂部(4a)を設けた側端縁が内側となるように重ね合わせ、加熱加圧により、胴部貼り合わせ部(15)を形成する。
ここで、前記延設樹脂部(4a)を設けた側端部の前記紙層の切欠き部(31)の部分は熱可塑性樹脂の被膜が重ね合わされた状態で存在し、フランジ部の接合部の空隙を充填して密閉するのに十分な量の熱可塑性樹脂を供給することが出来るようになる。
また、フランジ部(16)上面を平坦にする場合であっても、フランジ部の接合部の上面が、胴部貼り合わせ部(15)の上方で樹脂により連続して形成できるようにすることにより、前記貼り合せ部の位置に生じる段差を解消することができる。
本発明の紙カップは、熱可塑性樹脂層(40)、(41)が、バリア層を含む構成とすることもできる。
このように、バリア層を含む構成とすることにより、紙層(1)の端面もバリア層により保護することが出来るので、さらにバリア性に優れたカップ状紙容器とすることができる。
前記バリア層としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性の優れた層状の材料を使用できる。
また、図6に示すように、樹脂部を折り返した折り返し樹脂部(4b)の構成とすることで、バリア層の端面が、容器内部に露出しない構成となり、内容物がバリア層と接触することがないようにすることができ、内容物の保存にも悪影響を及ぼさない紙カップを得られる。
また、紙層(1)の外側面にもポリエチレン等の熱可塑性樹脂層(41)を設け、紙層の両面に熱可塑性樹脂層(40)、(41)を設けた構成とすることもできる。
紙層(1)の外側面および内側面の両面に熱可塑性樹脂層を設けた構成にすることにより、両面の熱可塑性樹脂層(40)、(41)の先端の内面同士を一体化することで延設樹脂部(4a)を形成することができる。
特に、両面の熱可塑性樹脂層(40)、(41)で形成した折り返し樹脂部(4b)は、さらに、延設樹脂部(4a)を紙層外面側に折り返した構成となっていることで、一定の樹脂量が確保でき、胴部を形成した際、胴部貼り合わせ部(15)の段差を解消することができる。
また、前記熱可塑性樹脂層(40)が、熱可塑性樹脂とは異なる材料からなるバリア層を含む構成であっても、折り返した構成となっていることで、バリア層の端面が、容器内部に露出しない構成となり、内容物がバリア層と接触することがないようにすることができ、内容物の保存に悪影響を及ぼさない。
さらに、図7のように胴部貼り合せ部(15)の内側紙層端縁(11)および外側紙層端縁(12)の両方とも折り返し樹脂部(4b)および(4d)で覆われている構造であれば、外側から水等の液体が付着しても紙層の剛性が弱くなることがなく、耐水性に優れた紙カップを得ることができる。
次に、本発明の紙カップの一実施形態の製造方法について、特に、胴部材ブランクの製造方法を含めて説明する。
先ず、ロール状の紙層(1)に扇形状の胴部材ブランク(10)を複数個並べて割りつけ印刷すると共に、胴部材ブランクの一方の端縁(11)に、その端縁を含めて外方の部分を長窓(13)として穿設する。
長窓は上部に切り欠き部(31)と端縁(11)の外方の矩形部分を含む形状をしている。(図2(a),(b)参照〜第1打ち抜き工程)。
胴部材ブランク(10)を印刷して長窓(13)が穿設された紙層(1)の内側面、および外側面にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層(40)、(41)を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シート(3)を形成させる。この時、紙層(1)の長窓部分
に、前記2つの熱可塑性樹脂層で延設樹脂部(4a)を形成させる(図3(a),(b)参照〜熱可塑性樹脂貼り合わせ工程)。
前記積層シート(3)の、紙層(1)からは、外方に延出して設けられた延設樹脂部(4a)を含む、長窓部分を形成させた側の胴部材ブランク(10)の不必要部分を連続してカットして、片側の不必要部分が切り取られた積層シート(3)から、印刷された複数個の扇形状の胴部材ブランク(10)を打ち抜き、延設樹脂部(4a)を形成させた一枚ずつの胴部材ブランク(10)を作製する(図4(a)(b)参照〜第2打ち抜き工程)。
次に、一枚ずつの胴部材ブランク(10)の外方に延出して設けられた延設樹脂部(4a)を折り返して仮接着することによって折り返し樹脂部(4b)を形成した胴部材ブランク(10)を作製する。(図5(a)(b)参照〜樹脂部折り曲げ工程)。
このような各工程を経て紙層(1)の端縁より所定幅外方に延出した長窓部分(13)の延設樹脂部(4a)を折り曲げた樹脂部(4b)を一方の側端縁に形成させた胴部材ブランク(10)を作製することができる。
このとき、紙層の切り欠き部(31)の領域の延設樹脂部は該樹脂部を重ねた状態で折り返され、それ以外の延設樹脂部は紙層の端面から内側に折り返される。
このような方法により作製した胴部材ブランク(10)を用いて紙カップを成形する成形方法はその一例を図1を用いてすでに説明したので省略する。
本発明の紙カップは、胴部材(18)に、端縁上部の切欠き部(31)に熱可塑性樹脂被膜を設けた胴部材ブランク(10)を用いているので、胴部材(18)の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで、フランジ部(16)を形成した際、貼り合わせ部(15)においても、接着に必要な十分な量の熱可塑性樹脂が存在し、空隙なしにフランジ部の段差を解消することができる。
また、同じ理由によって、フランジ部(15)の上面を平坦にしても、フランジ部上面に生じる段差を解消することができるので蓋材でフランジ部をシールした際にも空隙による内容物の漏れ等も効果的に防止できる。
1…紙層
3…積層シート
4…延設樹脂層
4a…延設樹脂層
4b…折り返し樹脂層
4c…延設樹脂層
4d…折り返し樹脂層
10…胴部材ブランク
11…側端縁
12…側端縁
13…長窓
15…貼り合せ部
16…フランジ部
18…胴部材
20…底部材
21…周縁部
22…環状脚部
31…紙層の切り欠き部
40…内面側熱可塑性樹脂層
41…外面側熱可塑性樹脂層

Claims (6)

  1. 少なくとも紙層と熱可塑性樹脂層からなるブランク用積層材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、円形状の底部材ブランクを周縁部を下向きに起立させて底部材とし、胴部材の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させ、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、フランジ部を形成させた紙カップであって、
    胴部材ブランクの上方の隅部に紙層を切り欠いた切り欠き部を設け、熱可塑性樹脂層が切り欠き部を含め胴部紙層の端縁部より延設されており、熱可塑性樹脂層延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させた胴部材ブランクが形成され、
    前記胴部貼り合せ部は、胴部貼り合せ部の内側紙層端縁、および外側紙層端縁の両方とも折り返し樹脂部で覆われている構造である事を特徴とする紙カップ。
  2. 前記胴部貼り合せ部は、胴部材ブランクの一方の端縁の折り返し樹脂部と、もう一方の端縁の折り返し樹脂部が付き合わせた状態になるように重ね合わせて形成されている事を特徴とする請求項1記載の紙カップ。
  3. 熱可塑性樹脂層が、ガスバリア性層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の紙カップ。
  4. 熱可塑性樹脂層延設部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の紙カップ。
  5. 熱可塑性樹脂層延設部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の紙カップ。
  6. フランジ部は上面が平坦状態であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の紙カップ。
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