JP6880966B2 - 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法 - Google Patents

蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6880966B2
JP6880966B2 JP2017081872A JP2017081872A JP6880966B2 JP 6880966 B2 JP6880966 B2 JP 6880966B2 JP 2017081872 A JP2017081872 A JP 2017081872A JP 2017081872 A JP2017081872 A JP 2017081872A JP 6880966 B2 JP6880966 B2 JP 6880966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pouch
base material
steam
layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017081872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018177334A (ja
Inventor
孝平 橋本
孝平 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2017081872A priority Critical patent/JP6880966B2/ja
Publication of JP2018177334A publication Critical patent/JP2018177334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6880966B2 publication Critical patent/JP6880966B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、パウチに関するものである。とくに電子レンジなどを用いての加熱、調理においての蒸気抜き機構を有するパウチおよびパウチの製造方法に関するものである。
従来から、調理済みまたは半調理状態の食品を、常温、低温、あるいは冷凍保存可能に包装容器に収容し、開封せずに電子レンジで加熱して調理するか、あるいは熱湯でボイルして調理することのできるパウチ入りの食品が知られている。
パウチを開封せずに電子レンジで加熱すると、パウチ内の水分は蒸気となり、パウチの体積が増加する。したがって、蒸気が逃げられる隙間がないと破裂などのおそれがある。ボイルする場合もまた同様である。
一方、内容物が半調理状態の時には、単に加熱するだけではなく、発生した蒸気による蒸らしなどが必要となる場合がある。この場合蒸気がパウチの外部に排出される機構を適切に設計する必要がある。
また、蒸気を排出する機構から、蒸気と共に加熱されて沸騰した内容物の汁などが浸出してしまうことがあり、その結果、電子レンジの内部を汚染する、液ダレとなってパウチの外面を汚すなどといった問題が発生することがある。汚染した電子レンジの内面を清掃するのは面倒であるばかりでなく、感電の虞があるなど危険でもあり、またパウチ外面が液ダレで汚れると、パウチを取り出す際やパウチを開封して内容物を取り出す際に使用者の手を汚す、付着した液ダレで手が滑ってパウチを取り落とす、などの問題につながる。
特許文献1には、パウチ周縁部のヒートシールのパウチ内側に張り出した部分に、蒸気抜きのための切目もしくは切欠きを形成し、その部分のヒートシール強度を意図的に弱くして、加熱、調理による蒸気の発生とそれにともなう内部の圧力の上昇を利用して、発生した蒸気を外部に排出することができる機構が設けられているパウチが開示されている。
しかしながら、このようなパウチにおいては、意図的に脆弱部を設ける必要があるために、パウチの加工の際の調整には高度の加工技術を必要とするうえに、切欠きによる不慮の開封や、切欠きの屑による作業環境の汚染、パウチ内部への混入などの問題点があった。また切り欠き部分から蒸気と共に内容物が浸出してしまうことに対しては特段の防ぐ手立ては開示されていない。
また特許文献2には、蒸気抜きの方法として、パウチの両側端縁のヒートシール部に、矩形状などの切欠き部を設け、パウチが加熱されて内圧が高まったときに切欠きの角の部分に応力が集中するようにし、角の部分からヒートシールが後退して開口し、蒸気が抜けるようにしたパウチが開示されている。しかし、このようなパウチは、加工形状が複雑になり、パウチの調理条件などに合わせて最適な形状を都度設計しなければならず煩雑であり、開口した際は直接パウチ外部に開口するため、蒸気と共に内容物が浸出することを防止することはできなかった。
特許第3872603号公報 特開2005−47598号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、パウチが蒸気抜き機構を有しており、構成および製造が簡単で、切欠きによる屑の発生や、不慮の開封あるいは手指が傷つけられるおそれがなく、パウチの内容物をパウチごと電子レンジで、またはボイルにより加熱、調理する場合において、パウチ内部に発生する蒸気を安定的かつ確実に抜くことができてパウチが過剰な内圧により破裂することがなく、また内容物が蒸気と共に浸出することのない蒸気抜きパウチを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、
少なくとも第一の基材と第二の基材とシーラント層が順次積層された積層体を表裏面とし、シーラント層を対向させて周縁部を貼り合せて内部に収納部を設けたパウチであって、少なくとも一方の前記積層体の層間に、少なくとも一方の側縁部から前記収納部に達する、層間が貼り合わされていない未シール部が前記第一の基材と前記第二の基材の層間に設けられ、前記未シール部の部位の前記未シール部より前記収納部側の層に脆弱部が設けられていることを特徴とする蒸気抜きパウチである。
また、請求項に記載の発明は、
前記脆弱部が、前記第二の基材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気抜きパウチである。
また、請求項に記載の発明は、
少なくとも第一の基材と第二の基材とシーラント層を順次積層して積層体とし、前記積層体を表裏面として前記シーラント層を対向させ周縁部を貼り合わせて内部に収納部を設けるパウチの製造方法であって、
前記積層体の少なくとも一方を、
第二の基材とシーラント層を貼り合せて内部積層体とする工程と、
前記第二の基材に脆弱部を形成する工程と、
前記内部積層体と第一の基材を貼り合わせる工程と、を有し、
前記内部積層体と第一の基材を貼り合わせる工程において、前記脆弱部を囲み、かつパウチとしたときの側縁まで達する貼り合せない領域を未シール部として設け、それ以外の部分を貼り合わせる方法により製造することを特徴とするパウチの製造方法である。
請求項1の発明によれば、パウチを構成する積層体の層間にパウチの収納部から側縁部に達する層間が貼り合わされていない未シール部が設けられ、未シール部に脆弱部が設けられていることにより、パウチに内容物を充填して電子レンジ等で加熱調理したときに、内容物の水分が気化して内圧が高まった際、脆弱部が破断して開口となり、蒸気が未シール部に浸出し、さらに側縁部からパウチ外部に放出されることで内圧を下げ、過剰な内圧による破裂を防ぐことができる蒸気抜きパウチを提供できる。さらに、脆弱部が破断して形成される開口は直接パウチ外部に開口していないため、蒸気が放出された際に一緒に内容物の汁などが漏出した場合でも、未シール部内に留まってパウチ外に直接漏れて液ダレとなることがないため、液ダレで汚れず見た目が良く、取扱者の手を汚すことがなく、また液ダレにより取扱者の手が滑ることもない蒸気抜きパウチを提供できる。
また、未シール部が第一の基材と第二の基材の間に設けられているため、第一の基材と第二の基材をドライラミネーションにより貼り合わせる際に同時に未シール部パターンを設けて貼り合わせることができるため、効率的な工程で設けることができる蒸気抜きパウチを提供することが可能である。
また請求項の発明によれば、脆弱部が第二の基材に設けられているため、脆弱化の程度を適切に設定できて内圧の上昇による破断が適切に行え、蒸気抜きを安定的かつ確実に
行なうことのできる、蒸気抜きパウチを提供することが可能である。
また請求項に記載の発明によれば、
貼り合わされてパウチの表裏面を構成する積層体を製造する工程中で、少なくとも一方の積層体に、加熱時のパウチの破裂を防ぐ蒸気抜きとなる未シール部を効率的に設けることができる、パウチの製造方法を提供することが可能である。
本発明の蒸気抜きパウチの外観模式図である。 蒸気抜き部の断面模式図である。 蒸気抜き部の他の例の断面模式図である。 蒸気が抜ける態様の説明図である。 蒸気抜き部の他の形態の側面模式図である。 脆弱部を設ける工程の模式図である。 未シール部を設ける貼り合せ工程の模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。なお本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下の図面において同等の部材等には同じ番号を付して説明を省略することがある。
図1は本発明に係る蒸気抜きパウチの、一実施態様を説明するための平面模式図である。また図2はその部分断面図である。ここに示す例では、パウチ10は、プラスチックフィルムを基材として、シーラント層を有する積層体からなり、側面および底面が形成されたスタンディングパウチと呼ばれる形状のパウチ10である。
本発明のパウチ10は2枚の矩形の積層体20、21を、シーラント層13同士を対向させて重ね、下辺に底テープ4と呼ばれる上方に凸に二つ折りされたフィルムを挟み込んで、底縁部3を舟形にシールし、両側縁部2をヒートシールして内部に収納部7を設けて製袋されたものである。底テープ4は展開することにより底面を形成し、パウチ10に自立性をもたらす。天縁部1は開口され、内容物の注入口となるが、内容物が注入された後は他の辺縁と同様にヒートシールされ、パウチ10が密封される。パウチ10を構成する積層体20、21及び底テープ4は、第一の基材11、第二の基材12、シーラント層13が順次積層された構成である。第一の基材11の材料としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはガスバリア加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどが例示できる。第二の基材12としては、延伸ナイロンフィルムが例示できる。シーラント層13としては無延伸ポリプロピレンが例示でき、特にレトルト包材用に改質されたものが好適に例示できる。なお詳細は後述する。
また本発明のパウチ10は、一側縁部側に層間が接着されていない未シール部5が設けられ、未シール部5には破断強度などの物理的な強度が低められた脆弱部6が設けられている。以下に未シール部5の構造について説明する。
図2は未シール部5近傍でのパウチ10の断面を矢印A方向から見た図である。図2(a)はパウチ外部から見た図であり、第一の基材11、第二の基材12、シーラント層13が順次積層された表裏面をなす積層体20、21を、シーラント層13同士で貼り合せた態様である。未シール部5は一方の積層体21で第一の基材11と第二の基材12が接着されていない態様となっている。この部分で第一の基材11と第二の基材12は接触しているのみであるため、第一の基材11と第二の基材12を離隔する力がかかった場合には容易に空隙が形成され、側縁部に達してパウチ10の外部に開口する。
図2(b)は直線BB’の部分での断面図である。積層体21に設けられた未シール部5の部位のシーラント層13と第二の基材12には脆弱部6としてミシン目15が設けられ、パウチ10の収納部7から未シール部5まで達しており、この部分では破断強度が低くなっている。パウチ10に内容物が充填された状態でも、常温の状態であれば未シール部5には第一の基材11と第二の基材12を離隔する力がかからないため空隙14も生ぜず、パウチ10はほぼ密封状態となる。ただし図では接着されていないことの説明のために若干の空隙14を示している。脆弱部6としてはミシン目15以外にも、図3(a)に示すようなハーフカット16や、図3(b)に示すようなキズ加工17などを第二の基材12側から設けても良い。脆弱部6はシーラント層13側から設けても良いが、シーラント層13にくらべ物理的な強度が高い第二の基材12側に設けることにより、脆弱化の効果がより好適に得られる。またシーラント層13は第二の基材12に比較して熱的な耐性が低いため、脆弱部6をシーラント層13に設けると、積層体21の製造過程で脆弱化した部位が熱変形などを起こす可能性があるため、第二の基材に設けたほうが形状安定性などの点で好ましい。
上記のような、未シール部5、脆弱部6を設けたパウチに内容物を充填し、電子レンジやボイルにより加熱すると、内容物の水分が気化することにより、パウチ10の内圧が次第に上昇する。上昇した内圧の作用により、脆弱部6は他の部位よりも物理的な強度が低いため、他の部分に先駆けて破断が起こる。すると図4(a)に示すように脆弱部6が開口して蒸気が矢印24のように未シール部5に浸出し、未シール部5を押し広げて空隙14ができる。未シール部5はさらに側縁部2まで押し広げられてパウチ10外部への開口となって蒸気抜きとなり、蒸気は図4(b)に矢印25で示すようにパウチ10外部に放出される。
以上説明したように、加熱によりパウチ10内に発生した蒸気は、内圧が高まることにより脆弱部6が破断されることでパウチ10外部に放出されるため、パウチ10に過剰な内圧がかかることが防がれ、パウチが破裂してしまうことを防ぐことができる。
また蒸気が未シール部5に浸出するときに、内容物である汁や小さな固形物が同時に浸出してしまうことがあっても、浸出した汁や固形物は第一の基材11に塞き止められるなどして空隙14内に付着物8として滞留するため、パウチ10の外部に直接浸出してしまうことはなく、パウチ10の外面が内容物の液ダレで汚れてしまうことがない。
未シール部5の形状については、図1の形態のほか、例えば図5(a)のように側縁部2に向かって斜め上向きとなるようにしても良い。脆弱部6もその形状に合わせ設けることができる。このようにした場合、蒸気が放出される際、高温の蒸気は上に向かって進みやすいため、よりスムースに蒸気の放出ができる。また内容物がやや多めに浸出した場合でも、未シール部5の空隙内に滞留した付着物8がパウチ10の中央側に寄って滞留し、パウチ外面側により出にくくなるため、より好ましい。同様に、図5(b)のようにクランク形状としても良い。やはり蒸気が放出されやすく、滞留した付着物8がパウチ外部に漏れにくくできる。
なお上記に説明した未シール部および脆弱部は、側縁部の両側に設けても良く、また表裏の積層体のどちらに設けても良く、またその両方に設けても良い。パウチの形態としては、スタンディングパウチに限られるものではなく、三方パウチ、四方パウチ、合掌パウチ、ガセットパウチなどの公知の種々の形状のパウチに適用できる。
図6および図7は本発明のパウチの製造方法の例を示す図であり、それぞれロール状に巻回され、パウチが多面付け状に連続して割り付けられたシーラント層用フィルム33と第二の基材用フィルム32を巻き出し、公知のラミネーション機構40により貼り合わせる。その後、ミシン目装置41により、各パウチごとの所定の位置にミシン目6を設け、内部積層体フィルム34を製造しロール状に巻き取る。次いで、第一の基材用フィルム31を、内部積層体フィルム34の第二の基材用フィルム32側に重ね合わせ、間に接着剤層(図示せず)を介してラミネーション機構42により貼り合わせるが、その際、先に設けた脆弱部6を囲み、パウチ形状に型抜きしたときにパウチの側縁部に達するまでの領域を接着しない未シール部5として残し、残りの領域をラミネートすることで未シール部を設けた積層体フィルム30とする。未シール部5は、例えばラミネートローラーに型抜きパターンを設けるなどして形成することができる。または第一の基材フィルム31と第二の基材フィルム32の間に接着剤が無い領域を設けて未シール部5とすることもできる。また未シール部を設けない積層体フィルムは通常通り全面でラミネートすれば良い。
図6、図7においては第一の基材フィルムとの貼り合せを別工程のように分離して示したが、これを連続してインラインで行うこともできる。すなわち、図6に示した機構の後段に、第一の基材フィルムを貼り合わせる機構を設けることも可能である。また、さらに後段に、積層体30をパウチの形状に型抜きする型抜き工程、型抜きした積層体をスタックする工程、抜き残りのフィルムを巻き取る工程などを適宜追加することもできる。
続いて、本発明の蒸気抜きパウチを構成する各部材について詳細に説明する。
(積層体)
本発明において、パウチを構成する積層体は、プラスチックフィルムの積層体であって、少なくとも第一の基材と、第二の基材と、シーラント層を有する積層体である。以上の各層のほか、積層体中には必要に応じて、ガスバリア層や着色層、印刷層などを設けることができる。
積層体を構成する各層を積層する際には、接着剤層を介して積層することができる。接着剤の材料としてはたとえば、ポリエステル−イソシアネート形樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。
また積層の方法については、接着剤を用いてのドライラミネーションあるいはノンソルベントラミネーションなどの方法を用いることができる。あるいは、たとえばポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いることも可能で、押し出し機を用いて溶融樹脂によるラミネートをすることができる。
(基材)
パウチを構成する積層体に用いる第一および第二の基材は、プラスチックフィルムが使用でき、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム第一の基材および第二の基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
(シーラント層)
シーラント層は積層体の少なくともパウチの最内層となる層に配置され、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、パウチに製袋することを可能にする。
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。またこれらをレトルト包材向けに改質されたものも好適に使用できる。
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、第二の基材上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、第二の基材表面にシーラント層を形成することも可能である。
(バリア層)
また、内容物の保存性を向上させることなどを目的として、必要な場合には、上記の実施形態に示したほか、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
ガスバリア層として、プラスチックフィルムの表面に無機化合物のガスバリア層を設けてなるガスバリアフィルムを用いることもできる。またガスバリア層として、プラスチックフィルム表面にアルミニウムなどの金属を蒸着したものや、アルミニウム箔などの金属箔を積層体中に配置することもできるが、電子レンジによる加熱、調理をするものについては、過熱、スパークなどのおそれがあり、不向きである。
このように電子レンジによる加熱、調理を前提とする場合には、ガスバリア層としてアルミニウム箔などの金属箔やアルミニウム蒸着層を用いることができない。しかし代わってプラスチックフィルム表面にガスバリア層を設けた、ガスバリアフィルムを用いることができる。
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料によるグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法によりアンカーコート層を設けたガスバリアフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキ
シドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をガスバリアフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、パウチとしての適性も具備することができる。
またガスバリア層として、たとえばSiOを用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物をパウチの外側から目で見ることが可能である。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
またガスバリア層として金属箔を用いていないことから、電子レンジによる加熱などに対する適性のほか、製品に対する金属探知機の使用に際しても支障をきたすことなく、パウチを外側から押して使用した際などの、パウチ形状の復元性などにも利点を有する。
ガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム第一の基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
このように、本発明によれば、パウチが蒸気抜き機構を有しており、構成や製造が簡単で、切欠きによる屑の発生や、不慮の開封あるいは手指が傷つけられるおそれがなく、パウチの内容物をパウチごと電子レンジ等で加熱、調理する場合において、パウチ内部に発生する蒸気の蒸気抜きを安定的かつ確実に行なうことができ、蒸気抜きの際に内容物が浸出してしまうことのない、蒸気抜きパウチを提供することが可能である。
1・・・天縁部
2・・・側縁部
3・・・底縁部
4・・・底テープ
5・・・未シール部
6・・・脆弱部
7・・・収納部
8・・・付着物
10・・・パウチ
11・・・第一の基材
12・・・第二の基材
13・・・シーラント層
14・・・空隙
15・・・ミシン目
16・・・ハーフカット
17・・・キズ加工
20、21・・・積層体
30・・・積層体フィルム
31・・・第一の基材用フィルム
32・・・第二の基材用フィルム
33・・・シーラント層用フィルム
34・・・内部積層体フィルム
40、42・・・ラミネーション機構
41・・・ミシン目装置

Claims (3)

  1. 少なくとも第一の基材と第二の基材とシーラント層が順次積層された積層体を表裏面とし、シーラント層を対向させて周縁部を貼り合せて内部に収納部を設けたパウチであって、少なくとも一方の前記積層体の層間に、少なくとも一方の側縁部から前記収納部に達する、層間が貼り合わされていない未シール部が前記第一の基材と前記第二の基材の層間に設けられ、前記未シール部の部位の前記未シール部より前記収納部側の層に脆弱部が設けられていることを特徴とする蒸気抜きパウチ。
  2. 前記脆弱部が、前記第二の基材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気抜きパウチ。
  3. 少なくとも第一の基材と第二の基材とシーラント層を順次積層して積層体とし、前記積層体を表裏面として前記シーラント層を対向させ周縁部を貼り合わせて内部に収納部を設けるパウチの製造方法であって、
    前記積層体の少なくとも一方を、
    第二の基材とシーラント層を貼り合せて内部積層体とする工程と、
    前記第二の基材に脆弱部を形成する工程と、
    前記内部積層体と第一の基材を貼り合わせる工程と、を有し、
    前記内部積層体と第一の基材を貼り合わせる工程において、前記脆弱部を囲み、かつパウチとしたときの側縁まで達する貼り合せない領域を未シール部として設け、それ以外の部分を貼り合わせる方法により製造することを特徴とするパウチの製造方法。
JP2017081872A 2017-04-18 2017-04-18 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法 Active JP6880966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017081872A JP6880966B2 (ja) 2017-04-18 2017-04-18 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017081872A JP6880966B2 (ja) 2017-04-18 2017-04-18 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018177334A JP2018177334A (ja) 2018-11-15
JP6880966B2 true JP6880966B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=64281066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017081872A Active JP6880966B2 (ja) 2017-04-18 2017-04-18 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6880966B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006327590A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Dainippon Printing Co Ltd 自立性電子レンジ用包装袋
JP2011011755A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Toppan Printing Co Ltd 電子レンジ加熱用包装袋及び電子レンジ加熱用包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018177334A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007284118A (ja) 蒸気抜き包装袋
JP5887745B2 (ja) 電子レンジ加熱用容器
JP2017024746A (ja) 蒸気抜きスタンディングパウチ
JP2005059872A (ja) 電子レンジ用包装袋
JP6790471B2 (ja) 包装体
JP6662095B2 (ja) 包装袋
JP4466154B2 (ja) 包装袋
JP4508723B2 (ja) 電子レンジ加熱用包装袋
JP5401908B2 (ja) 包装体
JP4713091B2 (ja) 電子レンジ加熱用包装袋
JP2023115166A (ja) 包装袋
JP2019147605A (ja) スタンディングパウチ
JP6766442B2 (ja) 蒸気抜きパウチ
JP6880966B2 (ja) 蒸気抜きパウチおよびパウチの製造方法
JP2013049474A (ja) イージーピール性包装袋
JP6551591B2 (ja) 加熱用包装袋
JP3739677B2 (ja) 蓋材およびそれを用いた包装体
JP2017171361A (ja) 包装袋
JP2002104474A (ja) 蓋材および軟包装体
JP2017165480A (ja) テトラ型パウチ
JP4751099B2 (ja) 包装袋
WO2019111733A1 (ja) 加熱用包装袋
JP7124394B2 (ja) 易開封包装袋
JP2017105502A (ja) スタンディングパウチ
CN110475729B (zh) 容器和容器的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6880966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250