JP2017105502A - スタンディングパウチ - Google Patents

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茂実 杉山
Shigemi Sugiyama
茂実 杉山
実 川▲崎▼
Minoru Kawasaki
実 川▲崎▼
茂樹 工藤
Shigeki Kudo
茂樹 工藤
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Abstract

【課題】スタンディングパウチに収納した食品などを、パウチが自立した状態で電子レンジ加熱した際の、パウチの屈曲及びそれによるパウチの溶融、ピンホールの発生などを防止することが可能な通蒸機構つきのスタンディングパウチを提供することを課題とする。
【解決手段】矩形の前側胴部、後ろ側胴部、及び底部のパーツから構成されて内容物の収納が可能で、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも一方の面にはヒートシール可能な層が設けられた積層体からなり、矩形の前側胴部と後ろ側胴部は、縁辺部のサイドシール部で互いにヒートシールされて接着されており、底部は底部の幅が広がるようにヒートシールされて接着されており、矩形の胴部の上辺中央部は、内容物加熱時の通蒸機構を備えて、前側胴部と後ろ側胴部が互いにヒートシールされて接着されており、サイドシール部にはエアバッグを設けてあることを特徴とする、スタンディングパウチ。
【選択図】図1

Description

本発明はスタンディングパウチに関するものである。特に内容物を電子レンジで加熱調理することのできる、通蒸機構つきのスタンディングパウチに関するものである。
包装袋の一種であるパウチはプラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、現代生活にとっては不可欠なものとなっている。
例えば液体容器としても用いられ、飲料のほかレトルト食品などの食品分野でも広く用いられているほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。液体容器のほかにも、様々な用途展開がなされている。
パウチの利点は、缶や瓶などの容器に比べて、価格が安いことや、要求品質によってきめ細かい材料設計で対応できる点、あるいは内容物充填前および流通や保管においても軽量で省スペースであることが挙げられる。またパウチは、廃棄物を減らすという観点からは環境適応型であるといえる。
また表面から見える層への高精細の印刷によって、商品のイメージアップを図ることができ、内容物に関する必要な情報を表示することが可能であり、バーコードの印刷などは、商品の流通やマーケティング情報の源泉ともなっている。
パウチの中には、自立性を持たせたものも商品化されており、一般にスタンディングパウチと呼ばれている。自立性を持たせることにより、内容物の取り出しにおいて一層の利便性が図られてきた。また一方ではパウチの電子レンジ調理において、加熱時に内部の蒸気を外部に導く通蒸機構を、より確かなものにすることが望まれてきた。
しかしながら、電子レンジ調理に際してパウチの屈曲、いわゆる首折れが発生した場合には、屈曲部にマイクロウエーブが集中することによるパウチの溶融、あるいはピンホールの発生を招き、蒸気抜きを必要とする調理そのものにも支障をきたすおそれがあった。
特許文献には、自立型のパウチが示されているが、通蒸機構を前提にしたものではなく、したがって自立性の利点を調理の過程に生かしたものではなく、消費者の要望が十分考慮された構成であるとはいえなかった。
特開2006−123931号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、スタンディングパウチに収納した食品などを、パウチが自立した状態で電子レンジ加熱した際の、パウチの屈曲及びそれによるパウチの溶融、ピンホールの発生などを防止することが可能な通蒸機構つきのスタンディングパウチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、スタンディングパウチであって、このスタンディングパウチは、矩形の前側胴部、および矩形の後ろ側胴部、及び底部のパーツから構成されて内容物の収納が可能で、これらのパーツはプラスチックフィルムを基材として、少なくとも一方の面にはヒートシール可能な層が設けられた積層体からなり、矩形の前側胴部と矩形の後ろ側胴部は、左右両側縁辺部のサイドシール部で互いにヒートシールされて接着されており、内容物を収納した際には、底部はガセット方式で底部の幅が広がるように、底部と各胴部が互いにヒートシールされて接着されており、また矩形の胴部の上辺中央部は、内容物加熱時の通蒸機構を備えて、前側胴部と後ろ側胴部が互いにヒートシールされて接着されており、左右両側縁辺部のサイドシール部の、少なくとも一方には中空のエアバッグを設けてあることを特徴とする、スタンディングパウチである。
また、請求項2に記載の発明は、前記エアバッグには、気体または液体が封入されていることを特徴とする、請求項1に記載のスタンディングパウチである。
また、請求項3に記載の発明は、前記通蒸機構は、前記通蒸機構は、矩形の胴部の上辺中央部に、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分を有する形状で備えてあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスタンディングパウチである。
また、請求項4に記載の発明は、前記プラスチックフィルムを基材とする積層体には、無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方からなる、ガスバリア層が含まれていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスタンディングパウチである。
本発明によれば、スタンディングパウチに収納した食品などを、パウチが自立した状態で電子レンジ加熱した際の、パウチの屈曲及びそれによるパウチの溶融、ピンホールの発生などを防止することが可能な、スタンディングパウチを提供することが可能である。
とくに請求項2に記載の発明によれば、より自立性を確実にすることが可能なスタンディングパウチを提供することが可能である。
とくに請求項3に記載の発明によれば、加熱時の通蒸機構がより簡便で効果的なスタンディングパウチを提供することが可能である。
とくに請求項4に記載の発明によれば、食品などの内容物の保存期間を延長することができ、エアバッグによるスタンディングパウチの自立機能が経時で損なわれることのない、スタンディングパウチを提供することが可能である。
図1は本発明に係る、スタンディングパウチの一実施形態を説明するための平面模式図である。 図2は本発明に係る、スタンディングパウチの他の実施形態を説明するための平面模式図である。 図3は本発明に係る、スタンディングパウチを構成する積層体の一実施形態を説明するための部分断面模式図であって、同時に実施例の層構成を説明するための部分断面模式図である。 図4は本発明に係る、スタンディングパウチの実施例を説明するための平面模式図である。
以下本発明を実施する形態について、図を参照しながら詳細な説明を加える。但し本発明はここに示した例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によってのみ限定されるものである。
本発明によるスタンディングパウチ(10)は、矩形の前側胴部(4)、および矩形の後ろ側胴部(5)、底部(6)の3つのパーツで構成される。これらのパーツはプラスチックフィルムを基材とした積層体からなり、少なくとも一方の面には、パウチに製袋するためのヒートシール可能な層であるシーラント層が配置される。
製袋されたパウチは、矩形の前側胴部(4)、および矩形の後ろ側胴部(5)、を互いのシーラント層同士を対向させて重ね合わせ、加熱加圧して接着させたものである。また底部は矩形の下部に底部と各胴部のシーラント層同士が対向し、かつ内容物が充填、収納された際には底部の幅が広がるように、ガセット方式に折りたたんだ状態でヒートシールして接着させたものである。ガセット方式を取ることによって、底部の面積が大きくなり、スタンディングパウチの自立を可能にすることができる。
矩形の上辺(2)は、縁辺部で矩形の前側胴部(4)、および矩形の後ろ側胴部(5)、が内容物が充填された後ヒートシールして接着されている。上辺の中央部には通蒸機構(3)を備えており、加熱調理した際にはパウチ内部で発生した蒸気をパウチ外部に導くことができる。
通蒸機構(3)は、矩形の上辺(2)中央部に設けられた、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分を有する部分である。電子レンジ内でパウチを自立させて内容物を加熱調理する際に、内部で発生した蒸気の内圧によってパウチが膨張する。このとき、膨らみ方が内部の膨張中心から外側に向けて放射状に膨らむために、図1における通蒸機構(3)の凹み部分、とくにヒートシールのV字形の先端部(15)には応力集中が起こり、この部分でヒートシールが剥離して破壊され、加熱によって発生した内部の蒸気をパウチ外部へ排出することができる。
本発明において図1に示す例では、左右縁辺部のサイドシール部(1)のうち、一方に中空のエアバッグ(7)を設けてあり、エアバッグ(7)には、気体または液体が封入することができる。気体または液体を封入することによって、エアバッグ(7)がスタンディングパウチ(10)を自立させた際には支柱の役割を果たし、自立をより確実にすることができる。エアバッグ(7)はサイドシール部(1)の内側にあって、ヒートシールがない状態に作られたものであって、その輪郭はヒートシール部(1)に囲まれて構成されている。
エアバッグ(7)は左右縁辺部のサイドシール部(1)のどちらか一方だけに設けることもできるが、左右縁辺部のサイドシール部(1)の両方に設けることもでき、この場合にはスタンディングパウチ(10)の自立をさらに確実にすることができる。図2にはエアバッグ(7)を、左右縁辺部のサイドシール部(1)の両方に設けた例を示してある。
本発明によって、スタンディングパウチ(10)の自立を確実にすることができ、電子レンジ内での内容物の加熱調理において、スタンディングパウチ(10)の屈曲や、それによるパウチ屈曲部へのマイクロ波集中による溶融、ピンホールの発生を防止することが可能である。したがって、スタンディングパウチ(10)の損傷を招くことなく、通蒸機構(3)を作動させることができる。
本発明によるスタンディングパウチ(10)を構成する、矩形の前側胴部(4)、およ
び矩形の後ろ側胴部(5)、底部(6)の3つのパーツは、プラスチックフィルムを基材とした積層体からなる。この積層体中に、無機化合物からなるガスバリア層を設けることができる。無機化合物から成るガスバリア層には、無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方を用いることができる。
ガスバリア層によって、たとえば内容物が食品の場合には、酸素や水蒸気を遮断することができるため、保存環境の幅が広がるとともに、保存期間を延長することが可能になる。またガスバリア層が縁辺部のサイドシール部(1)にも及ぶ場合には、エアバッグ(7)に封入した気体や液体が、保存環境や経時によって外部に漏洩することを防止でき、スタンディングパウチ(10)の自立機能を損なうことがない。
また、本発明においてガスバリア層は無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方とすることができるために、電子レンジでの加熱に際して、金属箔をガスバリア層とする場合のスパークなどのトラブルを回避することができる。
以下、本発明によるスタンディングパウチを構成する各要素について個々に詳しく解説を加える。
(積層体)
本発明によるスタンディングパウチは、プラスチックフィルムを基材として、一方の面にシーラント層を有する積層体からなるが、図3は本発明に係る、スタンディングパウチを構成する積層体の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。
スタンディングパウチ(20)はプラスチックフィルムを基材として、積層体の一方の面にシーラント層(14)を設けてある。図3に示した実施形態例においては、パウチ内側になる面にシーラント層(14)を配置してある。したがって、このシーラント層(14)を用いてパウチを製袋した場合には、内容物はシーラント層(14)に接してパウチに充填、収納される。
また、パウチ外側になる面にはガスバリアフィルム(11)を設けてあり、このガスバリアフィルム(11)はプラスチックフィルム(8)に無機化合物によるガスバリア層(9)を設けたものである。
積層体(20)の中間には中間プラスチックフィルム層(12)を配置してあり、積層体(20)全体の機械特性にも影響を与えることができる。この層にたとえば延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体(20)に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。これらプラスチックフィルムを基材とする層は、接着剤層(13)を介して積層することができる。
積層体(20)の層構成やその材料構成、厚さなどは、パウチに対する要求品質に応じて適宜設計することができる。
(プラスチックフィルム)
積層体を構成する各層の基材となるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
(シーラント層)
シーラント層は積層体の少なくとも一方の表面に配置され、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、パウチに製袋することを可能にする。
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体の表面にシーラント層を形成することも可能である。
(印刷層)
必要に応じて商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報をパウチ外側から見える層に印刷によって設けることができる。そのための基材フィルムには、高分子材料を素材としたプラスチックフィルムを用いることができる。
高分子フィルムは高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
ここで印刷方法および印刷インキにはとくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中からフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよく、たとえばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性や絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
(ガスバリア層)
また、内容物の保存性を向上させることなどを目的として、必要な場合には、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
また本発明において、積層体中にガスバリア層を配置する場合には、エアバッグの内部に充填した気体や液体の経時での外部への漏洩を防止することができ、スタンディングパウチの自立性をより長期にわたって確保することが可能である。
ガスバリア層には、たとえばアルミニウム箔などの金属箔、あるいはプラスチックフィルムに金属蒸着したフィルムを用いることができる。しかしアルミニウム箔などの金属箔を用いることができない場合には、プラスチックフィルムにガスバリア層を設けたガスバリアフィルムを用いることができる。
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は無機化合物の蒸着層、または無機化合物のコーティング層もしくはその両方で構成することができ、基材フィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層またはコーティング層、もしくはその両方を順次設ける。
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、パウチとしての適性も具備することができる。
またガスバリア層として、たとえばSiOを用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物をパウチの外側から目で見ることが可能である。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。またガスバリア層として金属箔を用いていないことから、電子レンジによる加熱などに対する適性もあり、パウチを外側から押して使用した際などの、容器形状の復元性などにも利点を有する。
(接着剤層)
積層体を構成する各層を積層する際には、接着剤層を介して積層することができる。接着剤の材料としてはたとえば、ポリエステル−イソシアネート形樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。
また積層の方法については、ドライラミネーションあるいはノンソルベントラミネーションなどの方法を用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂を用いる場合には、押し出し機を用いてラミネート、あるいは層を形成することもできる。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて、さらに具体的に説明を加える。ただし、本発明はここに示した例にのみ限定されるものではない。
<実施例>
スタンディングパウチを構成する積層体の構成は、以下のとおりとした。図3は本発明に係る、スタンディングパウチを構成する積層体の実施例の層構成を説明するための、部分断面模式図である。
ここではガスバリアフィルム(11)にはプラスチックフィルム層(8)にはポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、またガスバリア層(9)として無機化合物の蒸着層、無機化合物のコーティング層を、プラスチックフィルム層(8)側から順次積層したものを用いた。ガスバリアフィルム(11)はプラスチックフィルム層(8)側をパウチ外側にして接着剤層(13)を介して積層して用いた。
また中間プラスチックフィルム層(12)としては、延伸ポリアミドフィルムを用いた。シーラント層(14)には、東レフィルム加工株式会社製、無延伸ポリプロピレンフィルム、ZK207を用いた。
積層体(20)の層構成およびその厚さは下記のとおりである。
パウチ外側から、
ガスバリアフィルム(厚さ12μm)/接着剤層(厚さ5μm)/延伸ポリアミドフィルム層(厚さ15μ)/接着剤層(厚さ5μm)/シーラント層(フィルム厚さ60μm)である。
また内容物腐敗防止を目的として、内容物充填後にレトルト加熱処理を行なった。そのため、すべてのフィルム、接着剤は耐レトルトタイプを用いた。
図4は本発明に係る、スタンディングパウチの実施例を説明するための平面模式図である。すなわち前記積層体を用いて、スタンディングパウチを図4に示す形態、寸法に製袋した。
スタンディングパウチ(10)は矩形の胴部を有しており、その外形は縦方向130mm、横方向110mmである。左右のサイドシール部(1)にはそれぞれエアバッグ(7)が設けてある。
エアバッグ(7)はサイドシール部(1)の内側にあって、ヒートシールがない状態に作られたものであって、その輪郭はヒートシール部(1)に囲まれて構成されている。サイドシール部の幅は7.5〜15mmであって、エアバッグ(7)の寸法は幅3〜8mm、長さは70〜90mmである。またこれらのエアバッグ(7)内部には、空気が充填され密封されている。
底部(6)は、ガセット式に取り付けられている。したがって内容物が充填、収納されるとマチが開いて底面積が大きくなる。また矩形の上辺(2)は、内容物の水を所定量充填、収納した後、ヒートシールで密閉され、中央部には、ヒートシール部がパウチ内側に凹んだ形状に作られた、通蒸機構(3)が設けられている。
<比較例>
スタンディングパウチの両側のサイドシール部に、エアバッグを設けないこと以外は、実施例と同様の層構成、材料構成の積層体を用いて、同様の寸法のスタンディングパウチを作成した。
<評価方法>
実施例、比較例で作成したそれぞれのスタンディングパウチに対して、内容物として水を75g、100g、120gの3水準で充填、収納したのち、パウチ上部をヒートシールして密閉したものを用意した。パウチ上部の中央部には、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分による通蒸機構を設けてある。
これらは下記条件でレトルト殺菌処理を行なった後、電子レンジ下記条件で加熱して溶
融ピンホールの発生数を確認した。
レトルト殺菌条件:121℃で30分間処理した。
電子レンジ加熱条件:出力700Wで45〜60秒間加熱した。
評価方法は、通蒸口より蒸気が抜けるか、通蒸前に溶融ピンホールが発生し、溶融ピンホールから蒸気が漏洩するまで加熱して行なった。評価は溶融ピンホールが発生して蒸気が漏洩した試験体数をカウントして行ったものである。
評価試験体はn=10で行なった。
これらの評価結果を表1に示す。
<評価結果>
表1に示した結果から、本発明によるスタンディングパウチにおいては、内容物の量にかかわらず、すべての試験体において溶融ピンホールの発生はなく、正常に通蒸機構が働いてパウチ内部で発生した蒸気が抜けたのに対して、比較例においては内容物の量による傾向は見られるものの、いずれの充填量の場合においても溶融ピンホールの発生が見られたことがわかる。
これは、本発明による実施例がサイドシール部にエアバッグを備えており、このエアバッグが支柱となって、スタンディングパウチの自立性を確実なものとすることができたために、スタンディングパウチの屈曲、首折れが発生することがなかったためである。その結果、通蒸機構が正常に作動することができたと考えられる。
一方、サイドシール部にエアバッグを備えていない比較例においては、内容物の充填量が増えるにつれて溶融ピンホールの発生数は減少する傾向が見られるものの、75g、100g、120gのいずれの充填量においても溶融ピンホールの発生があった。これはスタンディングパウチの屈曲、首折れが発生したためであって、実施例におけるエアバッグの効果を裏付ける結果となっている。
内容量が多くなるにしたがってピンホールの発生数が減少する傾向にあることは、内容量が多くなることによって、スタンディングパウチの底部が広がって安定し、屈曲や首折れが発生しにくくなることを示している。しかしながら結果においては、本発明によるエアバッグが支柱となってスタンディングパウチを支える効果に比べれば、十分ではないことを示している。
このように本発明によれば、スタンディングパウチに収納した食品などを、パウチが自立した状態で電子レンジ加熱した際の、パウチの屈曲及びそれによるパウチの溶融、ピンホールの発生などを防止することが可能な通蒸機構つきのスタンディングパウチを提供することを検証することができた。
1・・・サイドシール部
2・・・矩形の上辺
3・・・通蒸機構
4・・・矩形の前側胴部
5・・・矩形の後ろ側胴部
6・・・底部
7・・・エアバッグ
8・・・プラスチックフィルム層
9・・・ガスバリア層
10・・・スタンディングパウチ
11・・・ガスバリアフィルム
12・・・中間プラスチックフィルム層
13・・・接着剤層
14・・・シーラント層
15・・・V字形の先端部
20・・・積層体

Claims (4)

  1. スタンディングパウチであって、
    このスタンディングパウチは、矩形の前側胴部、および矩形の後ろ側胴部、及び底部のパーツから構成されて内容物の収納が可能で、
    これらのパーツはプラスチックフィルムを基材として、少なくとも一方の面にはヒートシール可能な層が設けられた積層体からなり、
    矩形の前側胴部と矩形の後ろ側胴部は、左右両側縁辺部のサイドシール部で互いにヒートシールされて接着されており、
    内容物を収納した際には、底部はガセット方式で底部の幅が広がるように、底部と各胴部が互いにヒートシールされて接着されており、
    また矩形の胴部の上辺中央部は、内容物加熱時の通蒸機構を備えて、前側胴部と後ろ側胴部が互いにヒートシールされて接着されており、
    左右両側縁辺部のサイドシール部の、少なくとも一方には中空のエアバッグを設けてあることを特徴とする、スタンディングパウチ。
  2. 前記エアバッグには、気体または液体が封入されていることを特徴とする、請求項1に記載のスタンディングパウチ。
  3. 前記通蒸機構は、矩形の胴部の上辺中央部に、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分を有する形状で備えてあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスタンディングパウチ。
  4. 前記プラスチックフィルムを基材とする積層体には、無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方からなる、ガスバリア層が含まれていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020200048A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 凸版印刷株式会社 スタンディングパウチ
JP2022075970A (ja) * 2018-03-20 2022-05-18 大日本印刷株式会社 袋及び袋の製造方法

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