JP2017105503A - スタンディングパウチ - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、電子レンジ調理に際してパウチの屈曲、いわゆる首折れが発生した場合には、屈曲部にマイクロウエーブが集中することによるパウチの溶融、あるいはピンホールの発生を招き、蒸気抜きを必要とする調理そのものにも支障をきたすおそれがあった。
図1は本発明に係る、スタンディングパウチの一実施形態例を説明するための平面模式図である。本発明によるスタンディングパウチ(10)は、矩形の前側胴部(4)、および矩形の後ろ側胴部(5)、底部(6)の3つのパーツで構成される。
これらのパーツはプラスチックフィルムを基材とした積層体からなり、少なくとも一方の面には、パウチに製袋するためのヒートシール可能な層であるシーラント層が配置される。
このとき、膨らみ方が内部の膨張中心から外側に向けて放射状に膨らむために、図1における通蒸機構(3)の凹み部分、とくにヒートシールのV字形の先端部(7)には応力集中が起こり、この部分でヒートシールが剥離して破壊され、加熱によって発生した内部の蒸気をパウチ外部へ排出することができる。
(1)が屈曲しにくくなり、スタンディングパウチを支柱として支えることができる。
凹凸模様はたとえばロールによるエンボス方式や、平板プレスによるエンボス方式を用いて形成することができる。また、凹凸模様のパターンは特に限定するものではないが、その凹凸形状によってスタンディングパウチの水平方向の耐屈曲性を補強し、支柱として機能させ、自立を確実にすることができればよい。
折罫線(9)は矩形の後ろ側胴部(5)に設けてもよく、少なくとも一本以上の折罫線(9)を設けることによって効果を得ることができる。これは折罫線(9)が、折罫線自身に沿った方向には屈曲しやすいのに対して、折罫線(9)に直行する方向には屈曲しにくい性質を利用したものである。
すなわち図3において、凹凸模様を設けた範囲(8)は有効範囲(A)の範囲に設けることがより好ましい。これはスタンディングパウチ(10)に折罫線を設けた場合においても、同様である。
この積層体(20)中に、無機化合物からなるガスバリア層(16)を設けることができる。無機化合物から成るガスバリア層(16)には、無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方を用いることができる。
本発明によるスタンディングパウチは、プラスチックフィルムを基材として、一方の面にシーラント層を有する積層体からなるが、その実施形態例の部分断面模式図を図4に示す。
また、パウチ外側になる面にはガスバリアフィルム(17)を設けてあり、このガスバリアフィルム(17)はプラスチックフィルム(15)に無機化合物によるガスバリア層(16)を設けたものである。ガスバリアフィルム(17)は、パウチ外側になる面がプラスチックフィルム(15)になるよう積層される。
積層体を構成する各層の基材となるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
シーラント層は積層体の少なくとも一方の表面に配置され、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、パウチに製袋することを可能にする。
必要に応じて商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報をパウチ外側から見える層に印刷によって設けることができる。そのための基材フィルムには、高分子材料を素材としたプラスチックフィルムを用いることができる。
また、内容物の保存性を向上させることなどを目的として、必要な場合には、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
る。
積層体を構成する各層を積層する際には、接着剤層を介して積層することができる。接着剤の材料としてはたとえば、ポリエステル−イソシアネート形樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。
スタンディングパウチを構成する積層体の構成は、以下のとおりとした。図4は本発明に
係る、スタンディングパウチを構成する積層体の一実施形態例を説明するための部分断面模式図であって、同時に実施例の層構成を説明するための部分断面模式図である。
ここではガスバリアフィルム(17)として、プラスチックフィルム層(15)にはポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、またガスバリア層(16)として無機化合物の蒸着層、無機化合物のコーティング層を、プラスチックフィルム層(15)側から順次積層したものを用いた。ガスバリアフィルム(17)はプラスチックフィルム層(15)側をパウチ外側にして、接着剤層(13)を介して積層して用いた。
また中間プラスチックフィルム層(12)として、延伸ポリアミドフィルムを用いた。シーラント層(14)には、無延伸ポリプロピレンフィルムを用いた。また接着剤層(13)には2液硬化型ウレタン系接着剤を用いた。
パウチ外側から、
ガスバリアフィルム(厚さ12μm)/接着剤層(厚さ5μm)/中間プラスチックフィルム層(厚さ15μ)/接着剤層(厚さ5μm)/シーラント層(フィルム厚さ60μm)である。
これに用いた、具体的な材料は以下のとおりである。
ガスバリアフィルム:凸版印刷株式会社製,(GL−ARH)
中間プラスチックフィルム層:ユニチカ株式会社製、延伸ポリアミドフィルム
シーラント層:東レフィルム加工株式会社製、無延伸ポリプロピレンフィルム(ZK−207)
接着剤層:(いずれも)三井化学株式会社製、(A626/A50)。
凹凸模様を有する領域(8)はサイドシール部(1)の内側にあって、その輪郭はヒートシール部(1)に囲まれて構成されている。サイドシール部の幅は7.5〜15mmであって、凹凸模様を有する領域(8)の寸法は幅2〜8mm、長さは70〜90mmである。
底部(6)は、ガセット式に取り付けられている。したがって内容物が充填、収納されるとマチが開いて底面積が大きくなる。また矩形の上辺(2)は、内容物の水を所定量充填、収納した後、ヒートシールで密閉され、中央部には、ヒートシール部がパウチ内側に凹んだ形状に作られた、通蒸機構(3)が設けられている。
スタンディングパウチを構成する積層体の構成は、実施例1と同様である。
この積層体を用いて、スタンディングパウチを図5に示す形態、寸法に製袋した。但し実施例2では凹凸模様を設けた領域(8)は設けていない。
すなわち、実施例1の凹凸模様を有する領域に替えて、縦方向の寸法が同一の折罫線を表側同部に2本設けてあること以外は、実施例1と同様である。
<比較例>
スタンディングパウチを構成する積層体の構成は、実施例1と同様である。
この積層体を用いて、スタンディングパウチを図5に示す形態、寸法に製袋した。ただし、比較例においては、凹凸模様を設けた領域(8)および折罫線(9)は設けていない。
<評価方法>
実施例1、実施例2、比較例で作成したそれぞれのスタンディングパウチに対して、内容物として水を75g、100g、120gの3水準で充填、収納したのち、パウチ上部をヒートシールして密閉したものを用意した。パウチ上部の中央部には、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分による通蒸機構を設けてある。
レトルト殺菌条件:121℃で30分間処理した。
電子レンジ加熱条件:出力700Wで45〜60秒間加熱した。
評価試験体はn=10で行なった。
表1に示した結果から、本発明によるスタンディングパウチである実施例1および実施例2においては、内容物の量にかかわらず、すべての試験体において溶融ピンホールの発生はなく、正常に通蒸機構が働いてパウチ内部で発生した蒸気が抜けたのに対して、比較例においては内容物の量による傾向は見られるものの、いずれの充填量の場合においても溶融ピンホールの発生が見られたことがわかる。
内容量が多くなるにしたがってピンホールの発生数が減少する傾向にあることは、内容量が多くなることによって、スタンディングパウチの底部が広がって安定し、屈曲や首折れが発生しにくくなることを示している。しかしながら結果においては、本発明によるエアバッグが支柱となってスタンディングパウチを支える効果に比べれば、十分ではないことを示している。
2・・・矩形の上辺
3・・・通蒸機構
4・・・矩形の前側胴部
5・・・矩形の後ろ側胴部
6・・・底部
7・・・V字形の先端部
8・・・凹凸模様を設けた領域
9・・・折罫線
10・・・スタンディングパウチ
11・・・底部の折線
12・・・中間プラスチックフィルム層
13・・・接着剤層
14・・・シーラント層
15・・・プラスチックフィルム層
16・・・ガスバリア層
17・・・ガスバリアフィルム
20・・・積層体
A・・・有効範囲
B・・・喫水線
Claims (5)
- スタンディングパウチであって、
このスタンディングパウチは、矩形の前側胴部、および矩形の後ろ側胴部、および底部のパーツから構成されて内容物の収納が可能で、
これらのパーツはプラスチックフィルムを基材として、少なくとも一方の面にはヒートシール可能な層が設けられた積層体からなり、
矩形の前側胴部と矩形の後ろ側胴部は、左右両側縁辺部のサイドシール部で互いにヒートシールされて接着されており、
内容物を収納した際には、底部はガセット方式で底部の幅が広がるように、底部と各胴部が互いにヒートシールされて接着されており、
また矩形の胴部の上辺は中央部に内容物加熱時の通蒸機構を備えて、前側胴部と後ろ側胴部が互いにヒートシールされて接着されており、
左右両側縁辺部のサイドシール部の一方または両方に、凹凸模様を設けた領域を有するか、もしくは前側胴部または後ろ側胴部の、サイドシール部に沿った部分に一本以上の折罫線を有するか、あるいはそれらの両方を有していることを特徴とする、スタンディングパウチ。 - 前記凹凸模様を設けた領域がある場合は、その寸法は幅2mm以上、長さ20mm以上であって、前記折罫線がある場合は、その寸法は長さ20mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のスタンディングパウチ。
- 前記凹凸模様を設けた領域または前記折罫線は、スタンディングパウチの上端より20mm下からスタンディングパウチ底部の折線より5mm上の範囲に設けてあり、かつ前記凹凸模様を設けた領域または前記折罫線の少なくとも一部が、内容物充填後の喫水線の上下20mmの範囲と重なるよう設けてあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスタンディングパウチ。
- 前記通蒸機構は、矩形の胴部の上辺中央部に、ヒートシール部が矩形の外側から内側に向けて凹む、凹み部分を有する形状で備えてあることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
- 前記プラスチックフィルムを基材とする積層体には、無機化合物の蒸着層または無機化合物のコーティング層もしくはその両方からなる、ガスバリア層が含まれていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
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