JP6763761B2 - 食品包装用深絞り成形包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、スライスハムやベーコンなどの食品を包装するのに利用される食品包装用深絞り成形包装体に関する。
ハム、ソーセージ、ベーコン、焼豚、チキンなどの畜肉加工品の包装には、蓋材と底材とがヒートシールされた深絞り成形包装が汎用されている。深絞り成形包装において、一般的に底材は熱成形加工が必要なため、共押出で製造された無延伸多層フィルムが使用される。また、蓋材は一般的に印刷加工が必要となり、層間に印刷層を設定する必要があるため、各フィルムをラミネートした多層フィルムが使用される。底材は、ボイル用途でなければ、比較的剛性があるポリエチレンテレフタレート(PET)が最外層に一般的に用いられる。一方、蓋材は、印刷加工の必要性や熱成形された底材とヒートシールした後のカール抑制のため、熱収縮のバランスを取る必要があるため、最外層を二軸延伸ポリプロピレン(OPP)で形成し、シーラント層を直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で形成したOPP/PET/LLDPE構成の多層フィルムが広く用いられてきた。しかし、OPP/PET/LLDPEとしてもLLDPE側(底材側)へのカールが大きく、コンベアラインでの引っかかりや印字、ラベルなどでトラブルが発生し、生産性を低下させることがあった。特に、近年では、スライスハムやベーコンなどの厚みの薄い内容物を収容する包装形態では、ラベルによってパックを複数連ねた連パックとして商品化する場合が増えてきており、カールが大きいとラベル機で各パックが揃わないことによるトラブルが増えてきており、カール抑制の要望がさらに増してきている。
深絞り成形包装の蓋材に関し、特開2002−205769号公報(特許文献1)には、スライスハムやスライスベーコンを収容するためのブリスター包装体として、寸法安定性の優れた外面層とガスバリア性の優れた中間層と易剥離性の内面層とからなる積層体で形成された蓋材と、内容物収容部が形成された容器材とを周縁の熱接着部にて剥離可能に密封されたブリスター包装体が開示されている。前記蓋材の中間層としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、VMPET、塩化ビニリデンコートセロファン(KM)が記載されている。具体的な蓋材の構成としては、PET/印刷/ドライラミネーション(DL)/エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)/EVOH/EVA(共押出フィルム)、塩化ビニリデンコート二軸延伸ポリプロピレン(KOP)/印刷/DL/PET/EVA、CPP/DL/VMPET/印刷/LLDPE、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)/DL/VMPET/印刷/EVA、CPP/DL/KM/印刷/EVA、OPP/DL/KM/印刷/EVAが記載されている。また、具体的な容器材の構成としては、未延伸ナイロン(CNy)/EVOH/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる共押出フィルムが一般的に使用され、共押出フィルムのCNy面にさらに未延伸ポリプロピレン又は非晶質ポリエステルを積層したフィルムも記載されている。
特開2005−289403号公報(特許文献2)には、深絞り包装において、少なくとも底材にPP/EVOH/Ny/シール層またはPP/Ny/EVOH/シール層の順で積層された厚み50〜300μmのフィルムを用い、蓋材に少なくともPP//[二軸延伸6Ny/MXDNy/6Ny]//シール層またはPP//[二軸延伸6Ny/EVOH/6Ny]//シール層の順で積層された70μm〜200μmのフィルムであり、且つ[二軸延伸6Ny/MXDNy/6Ny]または[二軸延伸6Ny/EVOH/6Ny]の95℃×5分の熱水中の収縮率が1〜3%であるフィルムを用いて包装されたことを特徴とする深絞り包装体が開示されている。この文献の比較例2では、PP//[透明蒸着PET]//LLDPEで形成された蓋材と、PP/AD(接着性樹脂)/EVOH/Ny/AD/LLDPEで形成された底材とからなるパック品が製造されているが、フランジ部の四隅のカールの平均値が10mmを超えるカールが発生している。
しかし、特許文献1及び2の包装体でも、ヒートシール後のカールを抑制できず、スライスハムやベーコンなどの連パック商品における生産性を向上できない。
特開2002−205769号公報(請求項1、段落[0002][0018][0019][0020]) 特開2005−289403号公報(請求項1、実施例)
従って、本発明の目的は、ヒートシールした後も、フランジ部におけるカールの発生を抑制できる食品包装用深絞り成形包装体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、酸素バリア性に優れ、透明で内容物を確認でき、印刷性も優れる食品包装用深絞り成形包装体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含み、平均厚み5〜35μmである第1の最外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜を含む第1の中間層と、無延伸オレフィン系樹脂層を含み、平均厚み10〜40μmである第1のシーラント層とをこの順で含み、酸素透過度150ml/m・d・MPa以下の第1の多層フィルムで形成された蓋材と、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む第2の最外層と、第2のバリア層と、第2のシーラント層とをこの順で含む第2の多層フィルムで形成された底材とを組み合わせることにより、ヒートシールした後も、フランジ部におけるカールの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の深絞り成形包装体は、第1の多層フィルムで形成された蓋材と、第2の多層フィルムで形成され、かつ被包装物を収容するための凹部及び前記蓋材とヒートシール可能なフランジ部を有する底材とを備えた深絞り成形包装体であって、前記第1の多層フィルムが、150ml/m・d・MPa以下の酸素透過度を有するとともに、無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含む第1の最外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜(ガスバリア膜)を含む第1の中間層と、無延伸オレフィン系樹脂層を含む第1のシーラント層とをこの順で含み、前記第1の最外層の平均厚みが5〜35μmであり、前記第1のシーラント層の平均厚みが10〜40μmであり、かつ前記第2の多層フィルムが、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む第2の最外層と、第2のバリア層(ガスバリア層)と、第2のシーラント層とをこの順で含む。前記第1の中間層に含まれるバリア膜は無機系バリア膜であってもよい。前記第1の最外層に含まれる無延伸ポリプロピレン系樹脂層の熱接着温度は135℃以上であってもよい。前記第1のシーラント層に含まれる無延伸オレフィン系樹脂層は直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。本発明の深絞り成形包装体は、第2の最外層と第2のシーラント層との間に、ポリアミド系樹脂層を含む第2の中間層をさらに含んでいてもよい。前記第1の中間層の平均厚みは7〜25μm程度である。前記凹部の平均径に対する前記凹部の平均深さの比が、平均径/平均深さ=5/1〜50/1程度である。本発明の深絞り成形包装体は、スライスハムやベーコンなどの薄肉状食品を収容するための深絞り成形包装体であってもよい。
本発明では、無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含み、平均厚み5〜35μmである第1の最外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜を含む第1の中間層と、無延伸オレフィン系樹脂層を含み、平均厚み10〜40μmの第1のシーラント層とをこの順で含み、酸素透過度150ml/m・d・MPa以下の第1の多層フィルムで形成された蓋材と、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む第2の最外層と、第2のバリア層と、第2のシーラント層とをこの順で含む第2の多層フィルムで形成された底材とを組み合わせているため、ヒートシールした後も、フランジ部におけるカールの発生を抑制できる。そのため、スライスハムやベーコンなどの薄肉状食品の連パック商品における生産性も向上できる。さらに、酸素バリア性に優れ、透明で内容物を確認でき、印刷性も優れる。
本発明の深絞り成形包装体は、第1の多層フィルムで形成された蓋材と、第2の多層フィルムで形成され、かつ食品を収容するための凹部及び前記蓋材とヒートシール可能なフランジ部を有する底材とを組み合わせた包装体である。
[蓋材]
蓋材は、第1の多層フィルムでフィルム状に形成されている。フィルムの平面形状は、収容する食品の種類に応じて適宜選択でき、円形状、四角形状などであってもよい。蓋材(第1の多層フィルム)の平均厚みは、例えば30〜100μm、好ましくは40〜80μm、さらに好ましくは50〜70μm(特に55〜65μm)程度である。第1の多層フィルムの平均厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞があり、厚すぎると、柔軟性が低下し、経済性が低下する虞がある。第1の多層フィルムは、第1の最外層と第1の中間層と第1のシーラント層とをこの順で含む。
(第1の最外層)
第1の多層フィルムは、第1の最外層を含み、この第1の最外層は、無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含む。本発明では、第1の最外層に無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含む層を配置することにより、視認側(底材側)から見た第1の中間層の裏面に印刷(グラビア印刷など)することが可能となり、鮮明な印刷画像(例えば、多色印刷画像など)を形成できる。
無延伸ポリプロピレン系樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)であってもよく、プロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、プロピレンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、α−オレフィン(エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−C2−20オレフィン)、アルカジエン(1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役アルカジエン、ブタジエン、イソプレンなどの共役アルカジエンなど)、エチレン系不飽和カルボン酸及びその酸無水物[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸など]、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなど]、カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステルなど)などが挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのモノマーうち、エチレンや1−ブテンなどのα−C2−6オレフィンが汎用される。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
ポリプロピレン系樹脂において、プロピレン(プロピレン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、プロピレン/共重合性モノマー=90/10〜100/0、好ましくは95/5〜100/0、さらに好ましくは99/1〜100/0程度である。
ポリプロピレン系樹脂は、アタクチック重合体であってもよいが、耐熱性を向上できる点から、アイソタクチック、シンジオタクチックなどの立体規則性を有する構造が好ましく、アイソタクチック重合体が特に好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー触媒などを用いた重合体であってもよいが、低分子量のタック成分が少なくかつ分子量分布の狭い重合体が得られる点から、メタロセン触媒を用いたメタロセン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量は、例えば10,000〜500,000、好ましくは15,000〜300,000、さらに好ましくは20,000〜100,000程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量は、GPC法において、測定温度140℃で、溶媒としてオルトジクロロベンゼン、及びカラム(Shodex GPC AD−806MS)を用いて、ポリスチレンを基準とするユニバーサルキャリブレーションにより測定した値である。
ポリプロピレン系樹脂の融点(又は軟化点)は、第1のシーラント層に含まれるオレフィン系樹脂の融点よりも高い融点が好ましく、例えば120〜180℃程度の範囲から選択でき、透明性を向上できる点から130℃以上(特に135℃以上)が好ましく、例えば130〜175℃(例えば135〜170℃)、さらに好ましくは150〜165℃(特に155〜160℃)程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリプロピレン系樹脂の融点は、示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度に基づいて測定できる。また、ポリプロピレン系樹脂層の熱接着温度も、これらのポリプロピレン系樹脂の融点(又は軟化点)の範囲から選択できる。ポリプロピレン系樹脂層の熱接着温度は、15mm幅の短冊状のサンプルを2枚、外側からセロハンに挟んでヒーターバーを踏み、3Nの強度に達するヒートシール温度として測定できる。
無延伸ポリプロピレン系樹脂層は、ポリプロピレン系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂(ポリエチレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、塩素含有樹脂、スチレン系樹脂、石油樹脂など)、慣用の添加剤(例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、防腐剤、殺菌剤、可塑剤、滑剤、着色剤、粘度調整剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤など)などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
第1の無延伸ポリプロピレン系樹脂層の引張強度は、JIS K7161に準拠した方法で、例えば100MPa未満、好ましくは10〜90MPa、さらに好ましくは20〜80MPa(特に30〜70MPa)程度である。
第1の最外層は、前記無延伸ポリプロピレン系樹脂層に加えて、他の樹脂層を含んでいてもよいが、通常、無延伸ポリプロピレン系樹脂層単独で形成されている。
第1の最外層の平均厚みは5〜35μm(特に8〜35μm)であり、好ましくは10〜32μm(例えば12〜30μm)、さらに好ましくは15〜25μm(特に18〜23μm)程度である。第1の最外層の平均厚みが厚すぎると、熱収縮バランスが悪くなって、カール抑制効果が低下し、蓋材側(第1の最外層側)にカールする虞があり、また経済性も低下する虞があり、薄すぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、平均厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムの任意の10ヶ所について厚さを5枚分測定し、5枚分の平均値を10で除する方法で算出できる。
(第1の中間層)
第1の多層フィルムは、第1の中間層をさらに含み、この第1の中間層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜を含む。本発明では、第1の中間層が二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜を含むことにより、熱処理によるカールを抑制し、第1の多層フィルムに腰感及びガスバリア性も付与できる。
(A)二軸延伸ポリエステル系樹脂層
二軸延伸ポリエステル系樹脂層を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリアルキレンアリレート系樹脂が好ましい。ポリアルキレンアリレート系樹脂には、アルキレンアリレート単位を主成分として、例えば、50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%(特に90〜100モル%)の割合で含むホモ又はコポリエステルが含まれる。コポリエステルを構成する共重合性単量体には、ジカルボン酸成分(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などのC8−20芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4−12アルカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのC4−12シクロアルカンジカルボン酸など)、ジオール成分(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−10アルカンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリC2−4アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC4−12シクロアルカンジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオールなど)、ヒドロキシカルボン酸成分(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸など)などが含まれる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリアルキレンアリレート系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレンナフタレート系樹脂などが挙げられる。
本発明では、これらのポリアルキレンアリレート系樹脂の中でも、延伸後の寸法安定性が高い点から、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエチレンアリレート系樹脂、特に、エチレンアリレート単位のホモポリエステル、又はエチレンアリレート単位の含有量が80モル%以上(特に90モル%以上)のコポリエステルが挙げられる。コポリエステルを構成する共重合性単量体としては、前述のジカルボン酸成分、ジオール成分、ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で5000〜1000000程度の範囲から選択でき、例えば10000〜500000、好ましくは12000〜300000、さらに好ましくは15000〜100000程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層も、ポリエステル系樹脂以外に、第1の最外層の項で例示された他の熱可塑性樹脂やポリプロピレン系樹脂及び慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合も、第1の最外層における無延伸ポリプロピレン系樹脂層と同様である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層の引張強度は、JIS K7127に準拠した方法で、例えば100MPa以上、好ましくは100〜500MPa、さらに好ましくは150〜400MPa(特に200〜300MPa)程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層において、フィルム引取方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の延伸倍率は、それぞれ1.5倍以上(例えば、1.5〜10倍)であってもよく、例えば2〜8倍、好ましくは2〜5倍、さらに好ましくは3〜4倍程度である。延伸倍率が大きすぎると、延伸フィルム自体の製造が困難となる虞があり、小さすぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層(特に、バリア膜と接触しない側の面)は、表面処理(例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理など)されていてもよく、易接着層を有していてもよい。
(B)バリア膜(ガスバリア膜)
バリア膜は、無機系バリア膜であってもよく、有機系バリア膜であってもよく、用途に応じて適宜選択できる。カール防止性及び酸素バリア性のバランスが要求される用途では、無機系バリア膜であってもよく、包装や移送時のダメージでバリア膜にクラックが入ることによる酸素バリア性の低下の防止を要求される用途では、有機系バリア膜であってもよい。これらのうち、高度な酸素バリア性を実現できる点から、無機系バリア膜が好ましい。
(B1)無機系バリア膜
無機系バリア膜は、通常、金属又は金属化合物を含んでおり、薄膜(特に、透明性薄膜)を形成可能な金属又は金属化合物で構成されているのが好ましい。このような金属には、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A族元素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、銅などの遷移元素;亜鉛などの周期表2B族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムなどの周期表3B族元素;珪素、ゲルマニウム、錫などの周期表4B族元素;セレン、テルルなどの周期表6B族元素などが例示できる。また、金属化合物としては、前記金属の酸化物、窒化物、酸化窒化物、ハロゲン化物、又は炭化物などが例示できる。これらの金属又は金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの金属又は金属化合物のうち、ガスバリア性のみならず透明性も向上できる点から、アルミニウムなどの周期表3B族元素、珪素などの周期表4B族元素、チタンなどの遷移元素の金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化物が好ましく、酸化アルミニウム[組成式AlxOy(x,y>0)]、珪素酸化物が特に好ましい。
無機系バリア膜は、金属又は金属化合物を含む薄膜を形成可能な慣用の成膜方法を利用して形成できる。成膜方法としては、例えば、物理的気相法(PVD)[例えば、真空蒸着法、フラッシュ蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法(例えば、HCD法、エレクトロンビームRF法、アーク放電法など)、スパッタリング法(例えば、直流放電法、高周波(RF)放電法、マグネトロン法など)、分子線エピタキシー法、レーザーアブレーション法など]、化学的気相法(CVD)[例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、MOCVD法(有機金属気相成長法)、光CVD法など]、イオンビームミキシング法、イオン注入法などが例示できる。これらの成膜方法のうち、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理的気相法、化学的気相法などが汎用され、真空蒸着法が好ましい。
無機系バリア膜の平均厚みは、成膜方法に応じて適宜選択でき、例えば10〜300nm、好ましくは15〜250nm、さらに好ましくは20〜200nm(特に30〜100nm)程度であってもよい。特に、クラックなどの発生を防止し、均一な膜を形成してガスバリア性を保持する点から、物理的気相法では、無機系バリア膜の平均厚みを10〜100nm(特に15〜80nm)程度に調整することが好ましく、化学的気相法では、無機系バリア膜の厚みを50〜400nm(特に100〜300nm)程度に調整することが好ましい。二軸延伸ポリエステル系樹脂層に対する無機系バリア膜の厚みが薄すぎると、酸素バリア性が低下する虞があり、厚すぎると、柔軟性が低下する虞がある。
(B2)有機系バリア膜
有機系バリア膜を構成する有機系バリア性樹脂としては、例えば、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体など)、水溶性多糖類(水溶性セルロース誘導体、水溶性澱粉、キトサンなど)などが挙げられる。これらの有機系バリア性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系バリア性樹脂のうち、湿気や水分よる酸素バリア性の低下も抑制できる点から、塩化ビニリデン系樹脂が好ましい。
塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンホモポリマー(塩化ビニリデン単独重合体)であってもよく、塩化ビニリデンコポリマー(塩化ビニリデン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、塩化ビニリデンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、塩化ビニルなどの塩化ビニリデン以外の塩素含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸などのエチレン系不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなど(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなどが挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記共重合性モノマーのうち、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルなどが汎用され、塩化ビニルが好ましい。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
塩化ビニリデン系樹脂において、塩化ビニリデン(塩化ビニリデン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、塩化ビニリデン/共重合性モノマー(特に、塩化ビニル)=99/1〜5/95、好ましくは97/3〜10/90、さらに好ましくは95/5〜50/50程度である。塩化ビニリデンの割合が少なすぎると、取り扱い性(溶媒溶解性)が低下する虞があり、多すぎると、酸素バリア性が低下する虞がある。
塩化ビニリデン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば10,000〜500,000、好ましくは20,000〜250,000、さらに好ましくは25,000〜100,000程度であってもよい。
有機系バリア膜は、有機系バリア性樹脂(特に、塩化ビニリデン系樹脂)に加えて、反応性接着成分[イソシアネート系化合物(トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート及びこれらの誘導体など)、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなど)など]を含んでいてもよい。
反応性接着成分の割合は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して30重量部以下(例えば0.1〜30重量部)、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
有機系バリア膜は、塩素ビニリデン系樹脂及び反応性接着成分以外に、他の熱可塑性樹脂(ポリエチレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、他の塩素含有樹脂、スチレン系樹脂、石油樹脂など)、無延伸ポリプロピレン系樹脂層の項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
有機系バリア膜の平均厚みは、例えば3〜20μm、好ましくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μm(特に6〜8μm)程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層と有機系バリア膜との平均厚み比(各層が複数層の場合、合計の平均厚み比)は、例えば、二軸延伸ポリエステル系樹脂層/有機系バリア膜=42/1〜2/1、好ましくは36/1〜5/1、さらに好ましくは26/1〜7/1(特に20/1〜9/1)程度である。二軸延伸ポリエステル系樹脂層に対する有機系バリア膜の厚みが薄すぎると、酸素バリア性が低下する虞があり、厚すぎると、経済性が低下する。
(C)第1の中間層の特性
第1の中間層は、前記二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜に加えて、他の樹脂層を含んでいてもよいが、通常、二軸延伸ポリエステル系樹脂層とバリア膜との組み合わせである。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層と有機系バリア膜とを組み合わせる場合、二軸延伸ポリエステル系樹脂層の両面にバリア膜を積層してもよく、バリア膜の両面に二軸延伸ポリエステル系樹脂層を積層してもよいが、通常、二軸延伸ポリエステル系樹脂層の一方の面に有機系バリア膜が積層される。二軸延伸ポリエステル系樹脂層の一方の面にバリア膜が積層される場合、バリア膜は、第1の最外層側に積層してもよく、第1のシーラント層側に積層してもよい。バリア膜が無機系バリア膜である場合、被包装物の種類によっては、内容物によるバリア膜の劣化を抑制できる点から、第1の最外層側に積層してもよい。
二軸延伸ポリエステル系樹脂層とバリア膜との間には、接着層を介在させてもよいが、無機系バリア膜が蒸着などの気相法で形成されている場合や、有機系バリア膜が反応接着成分を含む場合には、接着層を介在させてなくてもよい。接着層を介在させない二軸延伸ポリエステル系樹脂層とバリア膜との積層フィルムは、二軸延伸ポリエステル系樹脂層の少なくとも一方の面に無機系バリア膜を蒸着した積層フィルム(無機系バリア膜が蒸着膜である積層フィルム)や、二軸延伸ポリエステル系樹脂層の少なくとも一方の面に有機系バリア膜をコートした積層フィルム(有機系バリア膜がコート膜である積層フィルム)であってもよい。これらの積層フィルムは市販品としても入手できる。
第1の中間層の平均厚みは、例えば7〜25μm、好ましくは8〜20μm、さらに好ましくは10〜18μm(特に11〜15μm)程度である。第1の中間層の平均厚みが厚すぎると、柔軟性及び経済性が低下する虞があり、薄すぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
第1の中間層の平均厚みは、第1の最外層の平均厚みに対して0.3倍以上(特に0.4倍以上)であってもよく、例えば0.3〜1.5倍、好ましくは0.35〜1倍、さらに好ましくは0.4〜0.8倍(特に0.5〜0.7倍)程度である。第1の最外層に対する第1の中間層の厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞がある。
(第1のシーラント層)
第1の多層フィルムは、さらに第1のシーラント層を含み、この第1のシーラント層は、無延伸オレフィン系樹脂層を含む。本発明では、第1のシーラント層が無延伸オレフィン系樹脂層を含むことにより、ヒートシール性を有しており、第2の多層フィルムで形成された底材とヒートシールすることができる。
無延伸オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹脂は、前記無延伸ポリプロピレン系樹脂層に含まれるポリプロピレン系樹脂よりも低い融点を有するオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂であってもよいが、ポリエチレン系樹脂を含むのが好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンホモポリマー(エチレン単独重合体)であってもよく、エチレンコポリマー(エチレン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、エチレンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、プロピレン、第1の最外層に含まれる無延伸ポリプロピレンの共重合性モノマーとして例示されたα−オレフィン(エチレンを除く)、アルカジエン、エチレン系不飽和カルボン酸及びその酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル並びにカルボン酸ビニルエステルなどが挙げられる。これらの共重合性モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのモノマーのうち、1−ブテン、1−ヘキサン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−C3−10オレフィンが汎用され、1−ブテンなどのα−C4−8オレフィンが好ましい。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
ポリエチレン系樹脂において、エチレン(エチレン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、エチレン/共重合性モノマー=50/50〜100/0、好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは65/35〜95/5(特に70/30〜90/10)程度である。エチレンの割合が少なすぎると、成形性などが低下する虞がある。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)などが挙げられる。これらのうち、ヒートシール性などの点から、LLDPEが好ましく、LLDPE単独であってもよく、融点(ヒートシール性)を調整する観点から、LLDPEと他のポリオレフィン系樹脂(特に他のポリエチレン系樹脂)との組み合わせであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂がLLDPEを含む場合、LLDPEの重量割合は、ポリエチレン系樹脂全体に対して、例えば50重量%以上、好ましくは80〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%以上である。
オレフィン系樹脂(特にポリエチレン系樹脂)の数平均分子量は、例えば10,000〜300,000、好ましくは15,000〜200,000、さらに好ましくは20,000〜100,000程度であってもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は、最外層に含まれるポリプロピレン系樹脂の数平均分子量の測定方法と同じ条件で測定した値である。
オレフィン系樹脂(特にポリエチレン系樹脂)の融点(又は軟化点)は、第1の最外層に含まれるポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い融点が好ましく、例えば80〜150℃、好ましくは90〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃(特に110〜125℃)程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、オレフィン系樹脂の融点は、示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度に基づいて測定できる。
無延伸オレフィン系樹脂層の引張強度は、JIS K7161に準拠した方法で、例えば100MPa未満、好ましくは10〜90MPa、さらに好ましくは20〜80MPa(特に30〜70MPa)程度である。
無延伸オレフィン系樹脂層は、オレフィン系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂(塩素含有樹脂、スチレン系樹脂、石油樹脂など)、第1の最外層に含まれる無延伸ポリプロピレン系樹脂層の項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合は、オレフィン系樹脂100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
第1のシーラント層は、前記無延伸オレフィン系樹脂層に加えて、他の樹脂層を含んでいてもよいが、通常、無延伸オレフィン系樹脂層単独で形成されている。
第1のシーラント層の平均厚みは10〜40μm(特に10〜35μm)であり、好ましくは13〜32μm、さらに好ましくは16〜30μm(特に18〜27μm)程度である。第1のシーラント層の平均厚みが厚すぎると、底材側にカールが発生し、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、物理的特性(耐衝撃性、突き刺し強度など)やヒートシール性が低下する虞がある。
第1のシーラント層の平均厚みは、第1の最外層の平均厚みに対して3倍以下であってもよく、例えば0.5〜2倍、好ましくは1〜1.5倍、さらに好ましくは1.1〜1.4倍(特に1.2〜1.3倍)程度である。第1の最外層に対する第1のシーラント層の厚みが厚すぎると、底材側にカールが発生する虞がある。
(第1の接着層)
第1の多層フィルムは、第1の最外層と第1の中間層との間に第1の接着層(A)が介在し、かつ第1の中間層と第1のシーラント層との間に第1の接着層(B)が介在していてもよい。
第1の接着層に含まれる接着成分としては、慣用の接着剤又は粘着剤を利用できる。接着剤としては、例えば、ビニル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤(熱可塑性ポリウレタン系接着剤、二液硬化型ポリウレタン系樹脂など)、セルロース系接着剤、ゴム系接着剤などが例示できる。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、オレフィン系粘着剤(変性オレフィン系粘着剤など)などが挙げられる。これらの接着成分のうち、高い接着性と柔軟性とを備える点から、ウレタン系接着剤が好ましく、耐熱性の点から、二液硬化型ポリエステルウレタン系樹脂が特に好ましい。
第1の接着層(A)に含まれる接着成分と第1の接着層(B)に含まれる接着成分とは、異なる接着成分であってもよいが、通常、同一の接着成分である。
第1の接着層は、それぞれ接着成分以外に、最外層に含まれる無延伸ポリプロピレン系樹脂層の項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。添加剤の割合は、接着成分100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
第1の接着層の平均厚みは、それぞれ0.5〜7μm、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1.4〜4.2μm程度である。第1の接着層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、層間の接着性が低下する虞がある。
(印刷層)
第1の多層フィルムは、第1の最外層と第1の中間層との間、第1の中間層と第1のシーラント層との間に印刷層を形成してもよく、印刷の作業性を向上できる点から、第1の中間層のいずれか一方の表面に印刷層を印刷するのが好ましい。印刷層は、第1の中間層の第1のシーラント層側に印刷されていてもよいが、視認性などの点から、第1の最外層側に印刷するのが好ましい。また、印刷層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂層の表面に印刷されていてもよく、バリア膜の表面に印刷されていてもよい。印刷層としては、顔料を含む慣用のインキ組成物を利用できる。印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法(例えば、グラビア印刷法など)、オフセット印刷法、凹版オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。これらの方法のうち、グラビア印刷法が好ましい。印刷層の平均厚みは、それぞれ0.1〜3μm、好ましくは0.3〜2μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μm程度である。
(第1の多層フィルムの特性及び製造方法)
第1の多層フィルムは、酸素バリア性を有しており、JIS K7126に準拠し、測定条件20℃、80%RHにおける酸素透過度が150ml/m・d・MPa以下であり、好ましくは80ml/m・d・MPa以下(例えば0.01〜80ml/m・d・MPa程度)、好ましくは20ml/m・d・MPa以下(例えば0.1〜20ml/m・d・MPa程度)、さらに好ましくは10ml/m・d・MPa以下(例えば1〜10ml/m・d・MPa程度)程度である。
第1の多層フィルムは、慣用の方法、例えば、共押出成形法、ラミネート法(溶融押出ラミネート法、熱ラミネート法又は無溶剤ラミネート法、ドライラミネート法など)などにより製造できる。これらの方法のうち、層間の接着性が高く、特に、耐熱性に優れ、熱処理(特にボイル処理)しても、層間の接着性が高い点から、ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法が好ましい。ドライラミネート法では、接着層としてドライラミネート用接着剤を介在させることにより、最外層と中間層とシーラント層とを一体化できる。無溶剤ラミネート法では、接着層として無溶剤ラミネート用接着剤を介在させることにより、最外層と中間層とシーラント層とを一体化できる。
[底材]
底材は、第2の多層フィルムで形成されており、被包装物を収容するための凹部と、この凹部の周縁から平面状に演出し、かつ前記蓋材とヒートシール可能なフランジ部とを有している。底材(第2の多層フィルム)の平均厚みは、例えば30〜200μm、好ましくは40〜150μm、さらに好ましくは50〜100μm(特に60〜80μm)程度である。第2の多層フィルムの平均厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞があり、厚すぎると、柔軟性が低下し、経済性が低下する虞がある。
凹部の形状は、被包装物の形状に応じて適宜選択でき、例えば、円柱状(特に円板状)、多角柱状(特に四角板状)などが挙げられる。これらのうち、本発明の包装体が酸素バリア性及びカール防止性に優れ、薄肉の食品の包装に適しているため、底の浅い形状(円板状、正方形などの四角板状など)が好ましい。前記凹部の平均径に対する前記凹部の平均深さの比は、平均径/平均深さ=5/1〜50/1、好ましくは10/1〜30/1、さらに好ましくは12/1〜25/1(特に15/1〜20/1)程度である。
フランジ部は、蓋材を構成する第1の多層フィルムにおける第1のシーラント層とヒートシールにより一体化して、被包装物を封止(特に密封)するための作用を有している。フランジ部の平均幅は、蓋材と強固にヒートシールできる面積を確保できれば、特に限定されず、例えば5mm以上であってもよく、好ましくは10〜100mm、さらに好ましくは15〜50mm(特に20〜40mm)程度である。
第2の多層フィルムは、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む第2の最外層と、第2の中間層と、第2のシーラント層とをこの順で含む。
(第2の最外層)
第2の多層フィルムは、第2の最外層を含み、この第2の最外層は、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む。本発明では、第2の最外層に無延伸ポリエステル系樹脂層を含む層を配置することにより、前記蓋材との組み合わせにより、深絞り成形包装体のフランジ部におけるカールの発生を防止できる。
無延伸ポリエステル系樹脂層を構成するポリエステル系樹脂としては、第1の中間層の項における二軸延伸ポリエステル系樹脂層を構成するポリエステル系樹脂として例示されたポリエステル樹脂などを利用できる。前記ポリエステル系樹脂のうち、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエチレンアリレート系樹脂、特に、エチレンアリレート単位のホモポリエステル、又はエチレンアリレート単位の含有量が80モル%以上(特に90モル%以上)のコポリエステルなどが汎用される。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で5000〜1000000程度の範囲から選択でき、例えば10000〜500000、好ましくは12000〜300000、さらに好ましくは15000〜100000程度である。
無延伸ポリエステル系樹脂層も、ポリエステル系樹脂以外に、第1の最外層の項で例示された他の熱可塑性樹脂やポリプロピレン系樹脂及び慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合も、第1の最外層における無延伸ポリプロピレン系樹脂層と同様である。
無延伸ポリエステル系樹脂層の引張強度は、JIS K7127に準拠した方法で、例えば100MPa未満、好ましくは10〜90MPa、さらに好ましくは30〜80MPa(特に40〜70MPa)程度である。
第2の最外層は、前記無延伸ポリエステル系樹脂層に加えて、他の樹脂層を含んでいてもよいが、通常、無延伸ポリエステル系樹脂層単独で形成されている。
第2の最外層の平均厚みは、例えば8〜50μm、好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは15〜35μm(特に20〜30μm)程度である。第2の最外層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
(第2のバリア層又はガスバリア層)
第2の多層フィルムは、第2のバリア層をさらに含む。本発明では、第2のバリア層を含むことにより、第2の多層フィルムにガスバリア性を付与できる。
第2のバリア層としては、第1の中間層の項で例示されたバリア膜を利用できる。前記バリア膜のうち、成形性の点から、有機系バリア膜(特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂で構成されたバリア膜)が好ましい。
第2のバリア層の平均厚みは、第1の中間層の項で例示されたバリア膜と同様であり、有機系バリア膜の場合、例えば3〜20μm、好ましくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μm(特に6〜8μm)程度である。
(第2のシーラント層)
第2の多層フィルムは、さらに第2のシーラント層を含み、この第2のシーラント層は、無延伸オレフィン系樹脂層を含んでいてもよい。本発明では、第2のシーラント層が無延伸オレフィン系樹脂層を含むことにより、第1の多層フィルムで形成された蓋材とのヒートシール性を向上できる。
無延伸オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹脂としては、第1のシーラント層の項におけるオレフィン系樹脂として例示されたオレフィン系樹脂などを利用できる。オレフィン系樹脂の特性についても、第1のシーラント層と同様である。
前記オレフィン系樹脂のうち、透明性が高く、腰感も向上できるため、ポリエチレン系樹脂(特にLLDPE)を含むのが好ましく、ポリエチレン系樹脂単独であってもよいが、イージーピール性を向上させるために、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのアロイが特に好ましい。アロイで形成された無延伸オレフィン系樹脂層において、ポリエチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂との重量割合は、例えば90/10〜10/90、好ましくは70/30〜30/70、さらに好ましくは60/40〜40/60程度である。
無延伸オレフィン系樹脂層の引張強度は、JIS K7161に準拠した方法で、例えば100MPa未満、好ましくは10〜90MPa、さらに好ましくは20〜75MPa(特に25〜60MPa)程度である。
第2のシーラント層は、前記無延伸オレフィン系樹脂層に加えて、他の樹脂層を含んでいてもよいが、通常、無延伸オレフィン系樹脂層単独で形成されている。
第2のシーラント層の平均厚みは、例えば1〜20μm、好ましくは3〜10μm、さらに好ましくは4〜8μm(特に5〜7μm)程度である。第2のシーラント層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、物理的特性(耐衝撃性、突き刺し強度など)やヒートシール性が低下する虞がある。
第2のシーラント層の平均厚みは、第2の最外層の平均厚みに対して1倍以下であってもよく、例えば0.05〜1倍、好ましくは0.1〜0.5倍、さらに好ましくは0.15〜0.4倍(特に0.2〜0.3倍)程度である。第2の最外層に対する第2のシーラント層の厚みが厚すぎると、カールが発生する虞がある。
(第2の中間層)
第2の多層フィルムは、第2の中間層をさらに含む。本発明では、第2の中間層を含むことにより、第2の多層フィルムに耐ピンホール性を付与できる。第2の中間層は、第2の最外層と第2のシーラント層との間に介在していればよく、第2の最外層と第2のバリア層との間に介在してもよく、第2のシーラント層と第2のバリア層との間に介在してもよい。第2の中間層は、第2の最外層と第2のバリア層との間及び第2のシーラント層と第2のバリア層との間の双方に介在していてもよいが、通常、いずれか一方に介在している。
第2の中間層は、通常、熱可塑性樹脂で形成された熱可塑性樹脂層を含んでいる。熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩素含有樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミドなどが挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリアミド系樹脂のうち、ポリアミド6、ポリアミド66などが汎用される。
ポリアミド系樹脂の数平均分子量は、例えば5000〜200000、好ましくは8000〜150000、さらに好ましくは10000〜100000程度であってもよい。なお、数平均分子量は、ポリスチレンなどを標準物質とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーなどにより測定できる。
熱可塑性樹脂層(ポリアミド系樹脂層)は、無延伸熱可塑性樹脂層であってもよく、二軸延伸熱可塑性樹脂層であってもよい。成形性などの点から、無延伸熱可塑性樹脂層(特に無延伸ポリアミド系樹脂層)が好ましい。
無延伸熱可塑性樹脂層(特に無延伸ポリアミド系樹脂層)の引張強度は、JIS K7127に準拠した方法で、例えば200MPa未満、好ましくは50〜150MPa、さらに好ましくは70〜130MPa(特に80〜110MPa)程度である。
第2の中間層の平均厚みは、例えば3〜20μm、好ましくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μm(特に6〜8μm)程度である。第2の中間層の平均厚みは、第2の最外層の平均厚みに対して0.1倍以上であってもよく、例えば0.1〜1倍、好ましくは0.15〜0.5倍、さらに好ましくは0.2〜0.4倍(特に0.25〜0.35倍)程度である。第2の最外層に対する第2の中間層の厚みが薄すぎると、耐ピンホール性が低下する虞がある。
(第2の接着層)
第2の多層フィルムも、各層の間に第2の接着層(A)が介在していてもよい。第2の接着層に含まれる接着成分としては、第1の接着層の項で例示された接着成分を利用できる。接着成分は、第2の多層フィルムの製造方法に応じて選択でき、共押出成形法で製造する場合、ホットメルト接着剤であってもよい。第2の接着層も、第1の接着層と同様に、慣用の添加剤を含んでいてもよく、添加剤の割合も同様である。
第2の接着層の平均厚みは、それぞれ5〜15μm、好ましくは6〜10μm、さらに好ましくは7〜9μm程度である。第2の接着層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、層間の接着性が低下する虞がある。
(第2の多層フィルムの特性及び製造方法)
第2の多層フィルムは、成形で伸ばされることにより第2のバリア層が薄くなることから、成形前の酸素バリア性は第1の多層フィルムより高く(透過度としては値を小さく)設定する必要がある。成形前の第2の多層フィルムでは、JIS K7126に準拠し、測定条件20℃、80%RHにおける酸素透過度は100ml/m・d・MPa以下であり、好ましくは50ml/m・d・MPa以下(例えば0.01〜50ml/m・d・MPa程度)、好ましくは15ml/m・d・MPa以下(例えば0.1〜15ml/m・d・MPa程度)、さらに好ましくは7ml/m・d・MPa以下(例えば1〜7ml/m・d・MPa程度)程度である。成形後の第2の多層フィルムの酸素透過度は、第1の多層フィルムの酸素透過度と同一の範囲から選択できる。
第2の多層フィルムも、第1の多層フィルムの項で例示された方法で製造でき、共押出成形法、ラミネート法のいずれの方法であってもよいが、生産性などの点から、共押出成形法が汎用される。特に、底材は、熱成形が必要であるため、無延伸の共押出多層フィルムで形成するのが特に好ましい。
[深絞り成形包装体]
本発明の深絞り成形包装体は、前記蓋材と前記底材との組み合わせ(セット又はキット)であり、被包装物を収容した状態では、それぞれのシーラント層同士がヒートシールされ、被包装物を収容(特に密封)している。
本発明の深絞り成形包装体の製造方法は、慣用の方法を利用でき、例えば、深絞り成形機などを用いて、真空成形、圧空成形、プレス成形などによって、第2の多層フィルムの第2のシーラント層側に凹部を形成した後、凹部の周縁に形成されたフランジ部の第2のシーラント層側と第1の多層フィルムの第1のシーンラント層側とを対向させて密着し、ヒートシールする方法などを利用できる。これらの方法のうち、圧空成形が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で得られた多層フィルムの特性は、以下の方法で評価した。
[第1の多層フィルムに使用した原料]
(第1の最外層)
耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20):フタムラ化学(株)製「FPK」、平均厚み20μm、熱接着温度157℃
耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム30(耐熱CPP30):フタムラ化学(株)製「FAK30」、平均厚み30μm、熱接着温度:159℃
耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム40(耐熱CPP40):フタムラ化学(株)製「FAK30」、平均厚み40μm、熱接着温度:160℃
非耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(非耐熱CPP20):フタムラ化学(株)製「FHK2」、平均厚み20μm、熱接着温度126℃
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20):東洋紡(株)製「パイレンフィルム−OT P2161」、平均厚み20μm
有機バリアコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム20(KOP20):ダイセルバリューコーティング(株)製「セネシKOP 品番:1000」、平均厚み20μm
ホモポリプロピレン押出フィルム(PP30):プロピレンホモポリマー(DSC融点164℃)を用いて押出法で得られた無延伸フィルム、平均厚み30μm。
(第1の中間層)
透明蒸着PETフィルム12a(VMPET12a):東レフィルム加工(株)製「HGMCR」、平均厚み12μm
透明蒸着PETフィルム12b(VMPET12b):東レフィルム加工(株)製「バリアロックス1011RG−CW」、平均厚み12μm
有機バリアコート二軸延伸PETフィルム(KET12):ダイセルバリューコーティング(株)製「セネシKET 品番:6000」、平均厚み12μm
ポリエチレンテレフタレートフィルム12(PET12):フタムラ化学(株)製「FE2001」、平均厚み12μm。
(第1のシーラント層)
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25):フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み25μm
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム30(LLDPE30):フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み30μm
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム40a(LLDPE40a):フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み40μm
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム40b(LLDPE40b):直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製「モアテック0138N」)を用いて押出成形して得られたフィルム、平均厚み40μm
直鎖状低密度ポリエチレンフィルム50(LLDPE50):フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み50μm。
(第1の接着層)
ポリエステルウレタン接着剤(ドライラミネート用):東洋モートン(株)製「TM−570/CAT−RT37」、二液硬化型ドライラミネート用接着剤。
[第2の多層フィルム]
フィルムA:住友ベークライト(株)製「スミライト CEL−4554K」、PETで形成された第2の最外層と、EVOHで形成された第2のバリア層とポリアミドで形成された第2の中間層と、イージーピール性を備えたポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのアロイで形成された第2のシーラント層とを備えた食品包装用共押出多層フィルム、平均厚み70μm
フィルムB:以下の方法で製造した共押出多層フィルム
(フィルムBの製造例)
第2の最外層として、プロピレン/エチレンランダムコポリマー樹脂(DSC融点155℃)、第2の中間層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製「エバールE105B」)及びポリアミド(ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバミッド1030CA」)、第2のシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製「モアテック0138N」)、第2の接着層として、接着剤(三井化学(株)製 アドマー NF558)を使用し、共押出法により、第2の最外層30μm/第2の接着層(A)10μm/第2のバリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体膜)20μm/第2の中間層(ポリアミド膜)20μm/第2の接着層(B)10μm/第2のシーラント層40μmの積層構造を有する平均厚み130μmの多層フィルムを得た。
[酸素バリア性]
実施例及び比較例で得られた第1の多層フィルムについてJIS K7126に準拠し、20℃、80%RHの条件で酸素透過度を測定し、以下の基準で評価した。
○:50ml/m・d・MPa未満
△:50ml/m・d・MPa以上150ml/m・d・MPa未満
×:150ml/m・d・MPa以上。
[カール性及び透明性]
実施例及び比較例で得られた第1の多層フィルムと、底材を形成するための第2の多層フィルム(食品包装用共押出多層フィルム)とを用いて、170×125mmサイズにカットしたフィルムサンプルをシーラント層同士が接触するように重なり合わせ、138℃、1MPa、2秒の条件で加圧した。加圧後直後にサンプルを水平な台の上に置き、4隅それぞれの水平位置からの高さ(mm)を測定し、平均高さを算出した。以下の基準でカール性を評価した。なお、底材側へのカールを+、蓋材側へのカールをマイナスとした。また、実用的には、実包ラインでは底材側を上にしてライン上を流れるため、フィルム自重とハムの重みで、フラットになるので、空打ちしたときに少し蓋材側へカールする程度は問題ない。
(カール性の評価基準)
○:−15mm以上0mm未満
△:−25mm以上−15mm未満、又は0mm以上5mm未満
×:−25mm未満、又は5mm以上。
また、ヒートシール部分を目視で観察し、フィルムの白濁度の度合いを、以下の基準で評価した。
(透明性の評価基準)
○:白濁がない
×:白濁がある。
実施例1
第1の最外層として耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20)、第1の中間層として透明蒸着PETフィルム12a(VMPET12a)、第1のシーラント層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)の3枚のフィルムを、ドライラミネート機(岡崎機械工業(株)製「2DL−110TAW」)を用いて、ラインスピード150m/min、乾燥温度;第1ゾーン:55℃、第2ゾーン:75℃、第3ゾーン:85℃の条件でドライラミネートし、第1の多層フィルムを製造した。なお、第1の中間層の無機バリア膜と第1のシーラント層とを対向させ、各層の間には、第1の接着層(A)及び第1の接着層(B)として、ポリエステルウレタン接着剤(ドライラミネート用)を乾燥厚みが3.8μmとなる塗布量で塗布した。得られた第1の多層フィルムの酸素バリア性を評価した後、第1の多層フィルムと、第2の多層フィルムとしてフィルムAとを用いて、カール性及び透明性を評価した。
実施例2
第1の中間層として、透明蒸着PETフィルム12a(VMPET12a)の代わりに、有機バリアコート二軸延伸PETフィルム(KET12)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
実施例3
第1の最外層として、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20)の代わりに、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム30(耐熱CPP30)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
実施例4
第1の最外層として、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20)の代わりに、非耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(非耐熱CPP20)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
実施例5
第1の中間層の無機バリア膜と第1の最外層とを対向させる(第1の中間層を反転させる)以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
実施例6
第1のシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム30(LLDPE30)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
実施例7
第1のシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム40a(LLDPE40a)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
比較例1
第1の最外層として、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20)の代わりに、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム40(耐熱CPP40)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
比較例2
第1のシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム50(LLDPE50)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
比較例3
第1の最外層として、耐熱無延伸ポリプロピレンフィルム20(耐熱CPP20)の代わりに、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP20)を用いる以外は実施例1と同一の方法で第1の多層フィルムを製造し、酸素バリア性、カール性及び透明性を評価した。
比較例4
第1の最外層として有機バリアコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム20(KOP20)、第1の中間層としてポリエチレンテレフタレートフィルム12(PET12)、第1のシーラント層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)の3枚のフィルムを、ドライラミネート機(岡崎機械工業(株)製「2DL−110TAW」)を用いて、ラインスピード150m/min、乾燥温度;第1ゾーン:55℃、第2ゾーン:75℃、第3ゾーン:85℃の条件でドライラミネートし、第1の多層フィルムを製造した。なお、第1の最外層の有機バリア膜と第2の中間層とを対向させ、各層の間には、第1の接着層(A)及び第1の接着層(B)として、ポリエステルウレタン接着剤(ドライラミネート用)を乾燥厚みが3.8μmとなる塗布量で塗布した。得られた第1の多層フィルムの酸素バリア性を評価した後、第1の多層フィルムと、第2の多層フィルムとしてフィルムAとを用いて、カール性及び透明性を評価した。
比較例5
第2の多層フィルムとして、フィルムBを用いる以外は実施例1と同様にしてカール性及び透明性を評価した。
比較例6
第1の最外層としてホモポリプロピレン押出フィルム(PP30)、第1の中間層として透明蒸着PETフィルム12b(VMPET12b)、第1のシーラント層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム40b(LLDPE40b)の3枚のフィルムを、ドライラミネート機(岡崎機械工業(株)製「2DL−110TAW」)を用いて、ラインスピード150m/min、乾燥温度;第1ゾーン:55℃、第2ゾーン:75℃、第3ゾーン:85℃の条件でドライラミネートし、第1の多層フィルムを製造した。なお、第1の中間層の無機バリア膜と第1のシーラント層とを対向させ、各層の間には、第1の接着層(A)及び第1の接着層(B)として、ポリエステルウレタン接着剤(ドライラミネート用)を乾燥厚みが3.8μmとなる塗布量で塗布した。得られた第1の多層フィルムの酸素バリア性を評価した後、第1の多層フィルムと、第2の多層フィルムとしてフィルムBとを用いて、カール性及び透明性を評価した。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0006763761
表1の結果から明らかなように、実施例の深絞り成形包装体は、カールが抑制され、酸素バリア性及び透明性が優れていた。特に、実施例1及び5〜6の深絞り成形包装体は、酸素バリア性も高く、透明性も高かった。これに対して、比較例の深絞り成形包装体では、カールが発生し、比較例4の深絞り成形包装体では、酸素バリア性も十分ではなかった。
本発明の深絞り成形包装体は、ヒートシールして食品を密封するための包装体として利用でき、ハム、ソーセージ、ベーコン、焼豚、チキンなどの畜肉加工品の深絞り成形包装体に好適であり、スライスハムやベーコンなどの厚みの薄い食品を密封するための深絞り成形包装体に特に好適である。

Claims (8)

  1. 第1の多層フィルムで形成された蓋材と、第2の多層フィルムで形成され、かつ被包装物を収容するための凹部及び前記蓋材とヒートシール可能なフランジ部を有する底材とを備えた深絞り成形包装体であって、
    前記第1の多層フィルムが、150ml/m・d・MPa以下の酸素透過度を有するとともに、無延伸ポリプロピレン系樹脂層を含む第1の最外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂層及びバリア膜を含む第1の中間層と、無延伸オレフィン系樹脂層を含む第1のシーラント層とをこの順で含み、前記第1の最外層の平均厚みが5〜35μmであり、前記第1のシーラント層の平均厚みが10〜40μmであり、かつ
    前記第2の多層フィルムが、無延伸ポリエステル系樹脂層を含む第2の最外層と、第2のバリア層と、第2のシーラント層とをこの順で含む深絞り成形包装体。
  2. 第1の中間層に含まれるバリア膜が無機系バリア膜である請求項1記載の深絞り成形包装体。
  3. 第1の最外層に含まれる無延伸ポリプロピレン系樹脂層の熱接着温度が135℃以上である請求項1又は2記載の深絞り成形包装体。
  4. 第1のシーラント層に含まれる無延伸オレフィン系樹脂層が直鎖状低密度ポリエチレンを含む請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り成形包装体。
  5. 第1の中間層の平均厚みが7〜25μmである請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り成形包装体。
  6. 第2の最外層と第2のシーラント層との間に、ポリアミド系樹脂層を含む第2の中間層をさらに含む請求項1〜5のいずれかに記載の深絞り成形包装体。
  7. 凹部の平均径に対する凹部の平均深さの比が、平均径/平均深さ=5/1〜50/1である請求項1〜6のいずれかに記載の深絞り成形包装体。
  8. 薄肉状食品を収容するための深絞り成形包装体である請求項1〜7のいずれかに記載の深絞り成形包装体。
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