JP3900655B2 - フォークリフトのフード開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトにおいて運転席の座席の下に設けられたエンジンやバッテリユニットを覆うフードを開閉するフォークリフトのフード開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジン式のカウンタバランスフォークリフトでは、図5に示すように、運転席50に設けられた座席51の下に走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジン52及び補器が設けられている。エンジン52及び補器は、上面に座席51が固定されるフード53にて覆われている。このフード53を開放することで、点火プラグ、エアクリーナ等の日常の点検保守作業を行うことができるようになっている。フード53は、車体の側方及び前方からエンジン52及び補器の点検保守作業がやり易いように、車体の左右両リヤピラー54の前側において、運転席50のフロアより上側全体が開放されるように形成されている。つまり、フード53は、車体中央部のフロアより上側の車体部分を形成しており、その左右側面が両リヤピラー54とともに車体の最外側面を形成している。
【0003】
フード53は、左右リヤピラー54間に設けられた左右一対のヒンジ55にてその後端部が支持され、後端側の回動軸を中心として開閉する。そして、フード53は、その上面が左右リヤピラー54に相対し、座席51が左右リヤピラー54間から後側のカウンタウェイトが設けられた車体後部56の上方に移動配置される状態まで開放される。
【0004】
フード53は、最大開放時にできるだけエンジン52及び補器から上方に離れて移動配置される方が点検保守作業がやり易いが、回動軸の高さ位置が低いと最大開放時にフード53の後端部がエンジン52の十分上方に移動されなくなる。ところが、回動軸を高い位置にすると、フード53の開放時にその前端が運転席50の前部にあるステアリング57に干渉する。このため、回動軸を設ける高さ位置が制限され、最大開放時にフード53の後端部の高さ位置を十分上方にすることができなかった。その結果、車体の側方からの点検保守作業時にフード53の後端部が邪魔になり、点検保守作業がやり難かった。
【0005】
このような問題を解消するために、例えば、実開昭58−188270号公報にて開示された図6に示すフォークリフトのように、車体の左右両側に設けた平行四節リンク機構60によりフード61を車体の上方に平行移動させることが考えられる。つまり、機台フレーム62の左右両側にその上面から上方に延びるようにそれぞれ一対の支持部63を設け、各支持部63の上端に前方に延びるレバー64をそれぞれ連結する。そして、各レバー64の先端をフード61に連結する。この平行四節リンク機構60により、開放時にフード61が車体の前方に若干前進する状態で上方に平行移動するようにする。このようなフォークリフトによれば、フード61の最大開放時に該フード61の全体が同じ上方位置に移動配置されるので、後端部のみが他の部分より低い位置に配置されることがない。又、開放時にフード61が車両の後方に回動されないので、その前端がステアリングに干渉し難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のフォークリフトにおいて、最大開放時にフード61がより上方に移動配置されるようにするには各レバーの長さを長くして、フード61がより上方の高さ位置で支持されるようにすればよい。しかしながら、各レバーの長さをある程度以上長くすると、開放時にフードの前端が前進する距離が大きくなり前端がステアリングに干渉する。従って、各レバーの長さが制限されフードが最大開放時に配置される高さ位置を十分に上方とすることができない。その結果、車体の前方あるいは側方からの点検保守作業時に、フード全体が邪魔になる問題がある。
【0007】
又、バッテリ式フォークリフトには、運転席の下に大きなバッテリユニットが交換可能に収容されているが、このバッテリユニットに対して日常の点検保守作業を行う場合でも、フードをバッテリユニットの十分上方に移動させることができないとフードが同作業の邪魔になる問題があった。さらに、このバッテリ式フォークリフトに四節リンク機構60を用いた開閉装置を使用した場合を考えると、四節リンク機構60が邪魔になってバッテリユニットの交換を行うことができない問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、被点検保守部を開放可能に覆うとともに上面に座席が設けられるフードをステアリングに干渉させることなく開閉することができ、最大開放時には被点検保守部から上方に十分離れた高さ位置に移動することができるフォークリフトのフード開閉装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、機台フレームに設けられた被点検保守部を覆うとともに上面に座席が設けられるフードを備え、該フードは、車両の後方側の端部が同フードが同端部側を回動中心側として車両の後方に回動するように前記機台フレームに支持され、前記上面がほぼ水平となる閉状態と同上面が立ち上がった開状態とに開閉動作させるようにしたフォークリフトのフード開閉装置において、前記フードの車両の後方側の端部を、前記機台フレーム側が固定節とされ、該固定節に対し車両の前後方向に離間した位置に設けられた一対のレバーがそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結され、各レバーの先端間に媒介節が連結された四節リンク機構にて支持し、前記媒介節には、前記フードの閉状態において同媒介節と前記レバーとの連結点よりも車両の前方に延びる支持部が設けられて、該支持部が前記フードに固定され、前記四節リンク機構は、前記開状態のときの前記フードの上面の後端の車両の前後方向における位置が、前記閉状態のときの同後端の車両の前後方向における位置のほぼ上方に配置されるように前記フードを開閉動作させるように形成され、前記フードの閉状態において、前記媒介節は前記フードの外側に位置し、前記支持部は前記媒介節から斜め上方に延びる延出部を備えている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、機台フレームに設けられた被点検保守部を覆うとともに上面に座席が設けられるフードを備え、該フードは、車両の後方側の端部が同フードが同端部側を回動中心側として車両の後方に回動するように前記機台フレームに支持され、前記上面がほぼ水平となる閉状態と同上面が立ち上がった開状態とに開閉動作させるようにしたフォークリフトのフード開閉装置において、前記フードの車両の後方側の端部を、前記機台フレーム側が固定節とされ、該固定節に対し車両の前後方向に離間した位置に設けられた一対のレバーがそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結され、各レバーの先端間に媒介節が連結された四節リンク機構にて支持し、前記媒介節の前記フードの閉状態における車両の前方側の端部には、同媒介節とほぼ平行に同媒介節と前記レバーとの連結点よりも車両の前方に延びる支持部が設けられて、該支持部が前記フードに固定され、前記四節リンク機構は、前記フードが閉状態のときに前記媒介節がほぼ水平状態となり、同じく開状態のときに同媒介節が立ち上がった状態となるように形成され、前記フードの閉状態において、前記媒介節は前記フードの外側に位置し、前記支持部は前記媒介節から斜め上方に延びる延出部を備えている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記四節リンク機構は、前記フードをその左右両側で協同して支持するように一対で設けられた。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記被点検保守部は、走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジンの少なくとも一部である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記被点検保守部は、少なくとも走行用モータ及び荷役用油圧ポンプ駆動用モータに駆動用電力を供給するバッテリが複数個バッテリケース内に配列されたバッテリユニットであり、前記バッテリユニットは、前記フードが開状態のときに車体の左右の一方の側から車体側方に取り出し可能に設けられ、前記四節リンク機構は、車体の左右の他方の側において前記バッテリユニットよりも外側で同フードを支持するように設けられた。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、フードが閉状態から全開状態となるように開放操作されると、フードは四節リンク機構にて支持された後端側を回動中心側として車両の後方に回動する。このとき、フードが全開状態に近づくにつれて回動中心が上方に移動する。従って、フードは、上面の前端が閉状態のときの同前端の車両前後方向における位置からあまり前進しないままで後端が閉状態のときの高さ位置から離れた上方位置に配置される。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、フードが閉状態から全開状態となるように開放操作されると、フードは四節リンク機構にて支持された後端側を回動中心側として車両の後方に回動する。このとき、フードが全開状態に近づくにつれて四節リンク機構の媒介節が水平状態から立ち上がった状態に移行するとともにより高い高さ位置に移動する。従って、フードは、上面の前端が閉状態のときの同前端の車両前後方向における位置からあまり前進しないままで後端が閉状態のときの高さ位置から離れた上方位置に配置される。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、フードがその左右両側で均等に支持されて安定した状態で開閉する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジンの点検保守作業時に、フードが邪魔にならない。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、フードの開放時に、バッテリユニットが車体の左右の四節リンク機構が設けられていない側から車体側方に取り出し可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
図2は、エンジン式カウンタバランスフォークリフト(以下、フォークリフト)10を示す概略側面図である。フォークリフト10の機台フレーム11上に設けられた運転席12の周りには、同運転席12の上方に設けられるヘッドガード13を支持するそれぞれ左右一対のフロントピラー14及びリヤピラー15が設けられている。運転席12の前部にはステアリング16、荷役用レバー17、アクセルペダル18等が設けられたフロアスペース19が設けられ、フロアスペース19の後側には座席20が設けられた運転台21が設けられている。運転台21の下方には車体内部に収容された被点検保守部としての走行用及び荷役用ポンプ駆動用エンジン22が設けられている。両リヤピラー15の後側には、図示しないカウンタウェイト等が設けられた車体後部23が設けられている。
【0019】
運転台21は、機台フレーム11上においてフロアよりも上側の車体中央部をなすように形成されたフード24にて形成されている。フード24は、車体の左右方向における両側面が車体中央部の最外側面をなすように形成されている。
【0020】
図1に示すように、フード24は、均一な厚さの板材を成形して形成され、座席20が上面24aに固定される上側板、フロアスペース19の後端に位置する前側板、及び、車体の最外側面をなす側板とを備え、両リヤピラー15に相対する側は開口されている。
【0021】
フード24は、機台フレーム11内に収容された前記エンジン22の上方を覆うように形成され、該フード24の車両の後方側の端部(以下、後端部)が、同フード24が同後端部側を回動中心側として車両の後方側に回動するように機台フレーム11に支持されている。フード24は、エンジン22の上方を覆い上面24aが水平となった閉状態と、同上面24aが両リヤピラー15に沿うように立ち上がった開状態とに開閉動作するように設けられている。
【0022】
フード24は、図1に示すように、その後端部が四節リンク機構25,26にて支持されている。四節リンク機構25,26は、フード24をその左右両側で協同して開閉可能に支持するように一対で設けられている。
【0023】
本実施の形態では、各四節リンク機構25は、フード24の内部において、各リヤピラー15の内側面に沿って運動するように設けられている。
図3は、車体の左側に設けられた四節リンク機構25を示している。四節リンク機構25は、機台フレーム11上においてリヤピラー15の直前に設けられた支持台27上に支持されている。四節リンク機構25は、機台フレーム11側が固定節とされ、該固定節に対し車両の前後及び上下方向に離間した位置に一対のレバー、即ち、前側レバー28及び後側レバー29がそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結されている。各レバー28,29の先端間には、媒介節30が各レバー28,29に対して前記平面内で回動可能に連結されている。
【0024】
図1に示すように、媒介節30には、フード24の開状態においてその車両の前方側の端部に、同媒介節30とほぼ平行に同媒介節30と前側レバー28との連結点よりも車体の前方に延びるように形成され、前記フード24に固定される支持部31が設けられている。支持部31は、フード24の閉状態において媒介節30の前方の端部から斜め上方に延びる延出部32と、該延出部32の端部から媒介節30に平行に延びフード24の後部下面に固定される固定部33とからなっている。そして、支持部31は、延出部32及び固定部33がフード24の内側に入った状態となるように同フード24に固定されている。即ち、媒介節30はフード24の外側に位置している。
【0025】
四節リンク機構25は、フード24が閉状態のときに、図3(a)に示すように、媒介節30がほぼ水平状態となり、フード24が全開状態のときに、図3(b)に示すように、媒介節30が両リヤピラー15にほぼ平行となるまで立ち上がるようになっている。
【0026】
又、四節リンク機構25は、フード24が閉状態のときに媒介節30が両リヤピラー15の間に配置され、フード24が開状態のときに媒介節30がリヤピラー15よりも前方に位置するようになっている。
【0027】
車体の右側の四節リンク機構26も、上記四節リンク機構25と同様に構成されている。
両四節リンク機構25,26は、開状態のときのフード24の上面24aの後端の車両の前後方向における位置が、閉状態のときの同後端の車両の前後方向における位置のほぼ上方に配置されるように同フード24を開閉動作するようになっている。
【0028】
尚、フード24は、閉状態においては、図示しない公知の係合機構にて機台フレーム11に固定され、全開状態においては、図示しない公知のロック機構により同開状態のままで固定されるようになっている。
【0029】
次に、以上のように構成されたフォークリフトの作用について説明する。
エンジン22及び補器の点検保守作業を行うためにフード24を閉状態から開状態となるように開放操作すると、四節リンク機構25,26の各レバー28,29がそれぞれ図1に二点鎖線で示すように回動する。そして、両レバー28,29の回動動作により、媒介節30が閉状態のときの水平状態から、開状態に対してほぼ垂直状態に移動配置される。このとき、媒介節30は、閉状態のときの上面24aよりも下方の位置から上方位置まで移動する。そして、フード24は媒介節30が回動中心となって同フード24の後端側を回動中心として車両の後方に回動する。
【0030】
即ち、フード24は、その回動中心が上方に移動しながら回動するとみなすことができる。例えば、フード24の回動中心が上面24aの後端にあるとすると、フード24が閉状態から開くに伴って同後端の位置が閉状態のときの車両の前後方向における位置の上方に移動する。
【0031】
従って、本発明によれば、フード24の開放時に、上面24aの前端が閉状態のときの同前端の車両前後方向における位置からあまり前進しないままで後端が閉状態のときの高さ位置から離れた上方位置に配置される。
【0032】
又、フード24は、その開閉時に左右の四節リンク機構25,26により左右両側で均等に支持される。従って、フード24は、その左右で捩れたりすることなく安定した状態で開閉動作する。
【0033】
フード24が開状態となると、最も低い高さ位置にある後端部もエンジン22の上側から十分上方に離れた高さ位置に配置されるため、車体の側方からのエンジン22の点検保守作業時にフード24が邪魔にならない。
【0034】
以上詳述したように、本実施の形態のフォークリフトによれば、以下の効果を得ることができる。
(a) 上面24aに座席20が設けられるフード24を、その後端側を回動中心として車両の後方に回動するようにその後端部を四節リンク機構25,26で支持し、上面24aが水平となる閉状態と上面24aが立ち上がった開状態とに開閉動作させる。四節リンク機構25,26は、機台フレーム11側を固定節とし、該固定節に対し車両の前後方向に離間した位置に一対のレバー28,29をそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結し、各レバー28,29の先端間には媒介節30を連結し、該媒介節30における車両の前方側の端部に同媒介節30と前側レバー28との連結点よりも車体の前方に延びるように設けられた支持部31を設け、該支持部31を前記フード24に固定するように形成する。そして、四節リンク機構25,26は、開状態のときのフード24の上面24aの後端の前後方向における位置が、閉状態のときの同後端の前後方向における位置のほぼ上方に配置されるように設けた。従って、従来と異なり、フード24は開放時にその前端があまり前進しないままで開状態となり、同開状態においてはその後端が閉状態のときの高さ位置から上方に大きく離れた高さ位置に配置される。その結果、フード24をステアリング16に干渉させることなく開閉することができ、開状態では被点検保守部(走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジン)から上方に大きく離れた高さ位置に移動配置することができる。
【0035】
(b) 四節リンク機構25,26は、フード24をその左右両側で協同して支持するように一対で設けた。従って、フード24が左右両側で均等に支持されるため、重いフード24を安定した状態で開閉することができる。
【0036】
(c) 走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジン22の上方にフード24を設けたフォークリフト10に実施した。従って、エンジン22及び補器に点検保守作業を行うときにフード24が邪魔にならず同作業をやり易くすることができる。
【0037】
(d) 四節リンク機構25,26をフード24の内部に設けたので、可動部が外部に露出せず風雨や粉塵等による可動性の低下を抑制することができる。
尚、実施の形態は上記実施の形態に限らず、以下のように変更してもよい。
【0038】
○ フォークリフト10は、被点検保守部としてのエンジン22及び補器類の全てがフード24の下方に設けられたものに限らず、その一部、例えば、エンジンの前部のみが下方に設けられたものであってもよい。
【0039】
○ エンジン式フォークリフトにおいて、車体の左右のいずれか一方の側に設けた四節リンク機構25だけでフード24を支持するようにしてもよい。この場合には、四節リンク機構26が設けられていない側からの点検保守作業時には、四節リンク機構26が邪魔にならないことから、同作業をよりやり易くすることができる。
【0040】
○ フード24と、リヤピラー15あるいは車体後部23との間に、同フード24が自重で閉じないようにするためダンパステーを設けてもよい。この場合には、フード24の開放時に同フード24を支えておく必要がなく、又、フード24を閉じるときに同フード24が自分から閉じないようにすることができる。
【0041】
○ フード24と、リヤピラー15あるいは車体後部23との間に、フード24が開状態になったときに同フード24を開状態のままに自動的にロックするフードステーを設けてもよい。この場合には、フード24が風等の外力で不意に閉じないようにすることができる。
【0042】
○ 座席20は、フード24を開放する前に同フード24から取り外すように設けられたものであってもよい。この場合には、フード24の開閉に必要な操作力が小さくなることから、フード24の自重が大きいときにも容易に開閉することができる。
【0043】
○ 座席20は、フード24の開放時に背もたれ部を座部側に倒すようにしたものであってもよい。この場合には、フード24の最大開放位置が座席20の背もたれ部が車体後部23に当接することで規制されるようなものにおいて、背もたれ部が車体後部に当接しないようにして最大開放位置をより上方の高さ位置とすることができる。
【0044】
○ 図4に示すように、走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動モータに駆動用電力を供給するバッテリユニット40を覆うフード41を備えたバッテリ式フォークリフトに実施してもよい。このフォークリフトでは、機台フレーム42上にバッテリユニット40が交換可能に収容されており、バッテリユニット40をクレーンあるいは他のフォークリフトで少し持ち上げた状態で車体の側方に取り出すことができるようになっている。そして、フード41は、バッテリユニット40が取り出される側とは反対側において同バッテリユニット40の外側に設けた四節リンク機構43で支持する。従って、フード41を開状態として、バッテリユニット40を四節リンク機構43が設けられていない側から車体の側方に取り出すことができる。その結果、バッテリユニット40の各バッテリ44に対する点検保作業をフード41に邪魔されることなくやり易くすることができ、又、バッテリユニット40の交換を行うことができる。
【0045】
○ 充電のためにバッテリユニット40の交換を行わず、充電プラグからのみ充電するようにしたバッテリ式フォークリフトに実施してもよい。この場合には、バッテリユニット40の各バッテリ44の点検保守作業時にフード41が邪魔にならないようにすることができる。
【0046】
前記実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
○ 被点検保守部は、少なくとも走行用モータ及び荷役用油圧モータに駆動用電力を供給するバッテリが複数個バッテリケース内に配列されたバッテリユニットである。このような構成によれば、バッテリユニットの各バッテリの点検保守作業時にフードが邪魔にならない。
【0047】
○ 四節リンク機構は、フードの内部に設けられた。このような構成によれば、可動部が外部に露出しないので風雨や粉塵等による可動性の低下を抑制することができる。
【0048】
○ フードと、リヤピラーあるいは車体後部との間には、該フードが開状態となったときに同フードを開状態のままで自動的に固定するフードステーを設けた。このような構成によれば、開放したフードが風等の外力で不意に閉じないようにすることができる。
【0049】
○ フードと、リヤピラーあるいは車体後部との間には、同フードを閉状態と開状態との間の任意の開度で保持するダンパステーを設けた。
このような構成によれば、フードの開放時に必要な操作力を小さくし、又、フードを閉じるときに同フードが急激に閉じないようにすることができる。
【0050】
○ 前記フォークリフトのフード開閉装置を備えたフォークリフト。このような構成によれば、被点検保守部の点検保守作業時にフードが邪魔にならず、同作業をやり易いフォークリフトとすることができる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、フードをステアリングに干渉させることなく開閉することができ、最大開放時には被点保守部から上方に離れた高さ位置に移動配置することができる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、重いフードであっても捩じれたりすることなく安定した状態で開閉することができる。
請求項4に記載の発明によれば、走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジンの点検保守作業時にフードが邪魔にならず作業をやり易くすることができる。
【0053】
請求項5に記載の発明によれば、フードの下方に交換可能に収容されているバッテリユニットの点検保守時にフードが邪魔にならず同作業をやり易くすることができ、又、フードを開状態としてバッテリユニットを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 運転台を示す部分破断側面図。
【図2】 フォークリフトを示す概略側面図。
【図3】 (a)は閉状態のときの四節リンク機構を示す模式図、(b)は同じく開状態のときの模式図。
【図4】 別例のバッテリ式フォークリフトの運転台を示す斜視図。
【図5】 従来例のフォークリフトを示す概略側面図。
【図6】 同じく別のフォークリフトの概略側面図。
【符号の説明】
11…機台フレーム、21…座席、23…被点検保守部としての走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジン、24…フード、24a…上面、28…前側レバー、29…後側レバー、30…媒介節、31…支持部、40…バッテリユニット、41…フード、43…四節リンク機構。
Claims (5)
- 機台フレームに設けられた被点検保守部を覆うとともに上面に座席が設けられるフードを備え、該フードは、車両の後方側の端部が同フードが同端部側を回動中心側として車両の後方に回動するように前記機台フレームに支持され、前記上面がほぼ水平となる閉状態と同上面が立ち上がった開状態とに開閉動作させるようにしたフォークリフトのフード開閉装置において、
前記フードの車両の後方側の端部を、前記機台フレーム側が固定節とされ、該固定節に対し車両の前後方向に離間した位置に設けられた一対のレバーがそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結され、各レバーの先端間に媒介節が連結された四節リンク機構にて支持し、
前記媒介節には、前記フードの閉状態において同媒介節と前記レバーとの連結点よりも車両の前方に延びる支持部が設けられて、該支持部が前記フードに固定され、
前記四節リンク機構は、前記開状態のときの前記フードの上面の後端の車両の前後方向における位置が、前記閉状態のときの同後端の車両の前後方向における位置のほぼ上方に配置されるように前記フードを開閉動作させるように形成され、前記フードの閉状態において、前記媒介節は前記フードの外側に位置し、前記支持部は前記媒介節から斜め上方に延びる延出部を備えているフォークリフトのフード開閉装置。 - 機台フレームに設けられた被点検保守部を覆うとともに上面に座席が設けられるフードを備え、該フードは、車両の後方側の端部が同フードが同端部側を回動中心側として車両の後方に回動するように前記機台フレームに支持され、前記上面がほぼ水平となる閉状態と同上面が立ち上がった開状態とに開閉動作させるようにしたフォークリフトのフード開閉装置において、
前記フードの車両の後方側の端部を、前記機台フレーム側が固定節とされ、該固定節に対し車両の前後方向に離間した位置に設けられた一対のレバーがそれぞれ鉛直線を含み車両のロール軸に平行な平面内で回動可能に連結され、各レバーの先端間に媒介節が連結された四節リンク機構にて支持し、
前記媒介節の前記フードの閉状態における車両の前方側の端部には、同媒介節とほぼ平行に同媒介節と前記レバーとの連結点よりも車両の前方に延びる支持部が設けられて、該支持部が前記フードに固定され、
前記四節リンク機構は、前記フードが閉状態のときに前記媒介節がほぼ水平状態となり、同じく開状態のときに同媒介節が立ち上がった状態となるように形成され、前記フードの閉状態において、前記媒介節は前記フードの外側に位置し、前記支持部は前記媒介節から斜め上方に延びる延出部を備えているフォークリフトのフード開閉装置。 - 前記四節リンク機構は、前記フードをその左右両側で協同して支持するように一対で設けられた請求項1又は請求項2に記載のフォークリフトのフード開閉装置。
- 前記被点検保守部は、走行用及び荷役用油圧ポンプ駆動用エンジンの少なくとも一部である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のフォークリフトのフード開閉装置。
- 前記被点検保守部は、少なくとも走行用モータ及び荷役用油圧ポンプ駆動用モータに駆動用電力を供給するバッテリが複数個バッテリケース内に配列されたバッテリユニットであり、
前記バッテリユニットは、前記フードが開状態のときに車体の左右の一方の側から車体側方に取り出し可能に設けられ、
前記四節リンク機構は、車体の左右の他方の側において前記バッテリユニットよりも外側で同フードを支持するように設けられた請求項1又は請求項2に記載のフォークリフトのフード開閉装置。
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